JP3513044B2 - 高耐蝕性溶融亜鉛めっき物及びそのめっき方法 - Google Patents

高耐蝕性溶融亜鉛めっき物及びそのめっき方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼材等の鉄系被め
っき物の表面に被覆される溶融亜鉛めっきに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来から溶融亜鉛めっきにおいて耐蝕性
を向上させるためにアルミニウムを数%配合する研究が
なされてきた。これはアルミニウムが錆びがたく、単位
時間当たりの腐食減量が亜鉛より微量であるとの理由か
らである。したがってアルミニウムを亜鉛めっきに配合
するとアルミニウムが腐食されがたいためにめっき膜厚
の減少は少なく、また微細な組織形態をとっていれば、
亜鉛めっきのように変色等が目立たないため、腐食は進
んでいないようにみえる。しかし、腐食の状況をミクロ
的にみると、溶融亜鉛めっきの表層でアルミニウムが多
くの面積を占めていると表層は均一に錆びていく。これ
はアルミニウムが亜鉛と局部電池を形成し、アルミニウ
ムが電位的に卑であるため優先的に腐食するからであ
る。
【0003】したがって、よりミクロな見地から考える
とめっき表面層は単純にアルミニウムと亜鉛が混在して
いるだけでは、従来のアルミニウムが配合された溶融亜
鉛めっきと比較して格段な耐蝕性の向上はなされないこ
とが判った。とくにめっき表面に塗装を施す場合は、ア
ルミニウムが配合された溶融亜鉛めっきの表層の腐食が
ほぼ均一的に進行すると塗膜の剥離が容易に発生し、純
粋の亜鉛めっきと何ら変わらない。
【0004】上述の理由から電位的な見地より、組織の
元素構成、組織の形状、表層の面積比を適正にするとア
ルミニウムが優先的に腐食することで亜鉛を犠牲防蝕的
に保護して、表層の亜鉛の腐食開始を遅らせ、結果とし
てめっき表層の腐食を格段に遅延できることが判った。
また、アルミニウムが腐食されている期間は、その腐食
減量は微量であるため腐食生成物はきわめて少なく、塗
装時においても塗膜の傷部分からの腐食の広がりも非常
に少なくなり、格段に塗装製品の寿命が延びることも判
った。
【0005】上記組織を表層に形成させる方法として、
たとえば特公平4−19299号公報に記載の二段めっ
き方法を検討した。すなわち、特公平4−19299号
公報には、亜鉛の純度が99.7%以上の亜鉛浴あるい
は該亜鉛浴にアルミニウムを0.05%以下添加した亜
鉛浴を用いて溶融亜鉛めっきを施す第一工程と、その後
亜鉛の純度が99.7%以上の亜鉛浴に4〜8%のアル
ミニウムを添加した亜鉛浴を用いて溶融亜鉛めっきを施
す第二工程とにより、鉄鋼材料をどぶ漬けめっきする二
段めっき方法が開示されている。
【0006】しかし、上記二段めっき方法では第二工程
で行った亜鉛−アルミニウム合金めっきにより、含まれ
ているアルミニウムが鉄素地に拡散浸透していくが、同
時に鉄が表層へ入れ替わるように拡散してくるため、そ
の抑制のために非常にシビアな作業条件が必要となり、
鋼材等の鉄系被めっき物は小型のものに限定されてい
た。
【0007】また上記二段めっき方法での亜鉛めっきは
いずれも犠牲防蝕型のめっきであり、二層目のめっき層
自体は腐食が進行し、腐食生成物(錆)が生じ、変色し
て外観的に商品価値が低下するとともに、腐食が均一に
進行しないため、腐食生成物(錆)は局部的に疎らに発
生していた。さらに、二層目のめっき層の表面のアルミ
ニウムの腐食による減量の微進行により高度な犠牲防蝕
を有するものの、逆にアルミニウムの特性である両性金
属の面から、酸性雨等では比較的容易に溶解してしま
う。
【0008】このような二層目のめっき層自体の腐食や
酸性雨等の影響等を防止し、かつ外観を良好に保つため
塗装が施されるが、塗膜に傷がつくとその部分で他の部
分と局部電池が形成され、さらに塗膜と亜鉛めっき間で
隙間腐食が進行し、亜鉛めっきは局部的に大きく腐食さ
れて塗膜の剥離へと至っていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決するため、二段めっき方法の第二工程でのアルミニ
ウムを含んだ亜鉛浴に着眼し、鉄の表層への拡散防止
と、鉄−亜鉛−アルミニウム合金層の発達の抑制を目的
として、マグネシウムとニッケルあるいはケイ素を添加
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明高耐蝕性溶融亜鉛めっき物は、鉄系被めっき物の
表面に、電気亜鉛または最純亜鉛からなる亜鉛浴あるい
はアルミニウムを0.1%未満含む亜鉛浴で一層目の溶
融亜鉛めっきが施され、該一層目の溶融亜鉛めっき層の
外側に、2〜20%のアルミニウムを含む亜鉛浴に0.
01〜5%のマグネシウムと0.01〜5%のニッケル
とを添加した亜鉛浴で二層目の溶融亜鉛めっきが施され
てなるものである。
【0011】また本発明高耐蝕性溶融亜鉛めっき物は、
二層目の亜鉛−アルミニウム合金めっき層の表層に、β
−亜鉛とアルミニウム−亜鉛球状組織が形成され、β−
亜鉛の面積率が表面全体の50%以上97%以下となさ
れたものである。
【0012】さらに本発明高耐蝕性溶融亜鉛めっき物
は、アルミニウム−亜鉛球状組織がβ−亜鉛組織を取り
囲むように形成されてなるものである。
【0013】また本発明高耐蝕性溶融亜鉛めっき方法
は、鉄系被めっき物の表面に、第一工程として電気亜鉛
または最純亜鉛からなる亜鉛浴あるいはアルミニウムを
0.1%未満含む亜鉛浴で一層目の溶融亜鉛めっきを施
し、第二工程として、前記一層目の溶融亜鉛めっき層の
外側に、2〜20%のアルミニウムを含む亜鉛浴に0.
01〜5%のマグネシウムと0.01〜5%のニッケル
とを添加した亜鉛浴で二層目の溶融亜鉛めっきを施すこ
とを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
本発明に使用される鉄系被めっき物としては、鋼板、型
鋼、鋳造品等どのようなものであってもよいし、用途も
建築構築部材、機械部品、自動車部品等どのようなもの
でもよい。
【0015】一層目の溶融亜鉛めっき工程では、溶融亜
鉛めっき浴は、高純度亜鉛(99.99%)を用い、約
450〜550°C程度の通常の浴温度であればよい。
浸漬時間は0.5〜2分、引き上げ速度は0.5〜2m
/分と、通常の溶融亜鉛めっき工程より若干低く設定す
る。これは鉄−亜鉛合金層の発達を溶融亜鉛めっき浴に
より抑制するためである。
【0016】二層目の溶融亜鉛めっき工程は、一層目の
溶融亜鉛めっき工程が終わった後、直ちに行う必要があ
る。その理由は被めっき物の温度の低下と一層目の溶融
亜鉛めっき層の表層の酸化を防ぐためである。二層目の
溶融亜鉛めっき浴温度は約400〜450°C程度と若
干低めに行う。これはめっき層を厚くしないためであ
る。浸漬時間は0.5〜2分、引き上げ速度は0.5〜
2m/分と、一層目のめっき工程と同様、通常の溶融亜
鉛めっき工程より若干低く設定する。これは二層目の溶
融亜鉛めっき工程により、めっきされる亜鉛−アルミニ
ウム合金めっき中のアルミニウムが鉄系被めっき物に浸
透、拡散し、逆に鉄はアルミニウムと入れ替わるように
表層へ拡散してくる。この現象の中で鉄の拡散を抑制す
るためである。なお、大型の鉄系被めっき物にめっきを
施す場合は、一層目、二層目とも浸漬時間を0.5〜
1.5分とするのがよい。
【0017】二層目のめっき工程での亜鉛−アルミニウ
ム合金めっき中のアルミニウムの配合量は0.1%以上
配合されていれば耐蝕性の向上がなされるが、好ましく
は約2〜20%、最適には4〜10%の配合量となされ
ているのがよい。
【0018】さらに、二層目のめっき浴にマグネシウム
とニッケルあるいはケイ素とを同時に添加する。マグネ
シウムは本発明の着眼点であるβ−亜鉛と、アルミニウ
ム含有量の多いアルミニウム−亜鉛組織を明確に分離
し、アルミニウム−亜鉛組織を粒状化する目的で添加す
る。そしてマグネシウムはアルミニウム−亜鉛組織中に
留まり、組織中のアルミニウムと亜鉛との耐粒界腐蝕性
を向上させて、腐蝕減量を高微量化して腐蝕の進行をさ
らに抑制する。
【0019】さらにまた、ニッケルあるいはケイ素はメ
ッキ柱状層に留まり、鉄−亜鉛−アルミ合金層の発達を
抑制する。
【0020】なお、マグネシウム単一で使用するとアル
ミニウム−亜鉛組織は粒状化するが、鉄が拡散してくる
間隙が広くなり、鉄のめっき層の表層への拡散が促進さ
れるため、めっき浴の温度、浸漬時間等に多少気をつけ
て管理する必要がある。また形状もある程度制限され
る。またニッケルあるいはケイ素だけではアルミニウム
が粒状化しないが、鉄の表層への拡散を抑制するため、
従来の二段めっきより簡易な管理となり、被めっき物の
形状は複雑、大型でも容易である。マグネシウムとニッ
ケルあるいはケイ素との配合量は、おのおの0.01〜
5%添加すればよく、配合量が0.01%未満であれば
効果がなく、配合量が5%を超えると表層が粗くなり光
沢が失われる。特に望ましい配合量は0.5〜2%であ
る。さらにマグネシウムとニッケルあるいはケイ素との
配合比は1:1とするのがめっきの組織が良好となり好
ましい。
【0021】
【作用】本発明高耐蝕性溶融亜鉛めっきは、簡易な二段
めっきにより、被めっき物の形状や肉厚に左右されず、
溶融亜鉛めっき層にβ−亜鉛とアルミニウム−亜鉛組織
からなる表層を容易に形成することができる。その組織
は、電位的に卑なアルミニウム−亜鉛組織が局部電池に
より、選択的に腐食されることで、β−亜鉛を犠牲防蝕
する。そのため腐食が表層のみで長く停滞し、格段に腐
食生成物の発達を抑制する。特に、塗装する場合は、製
品が設置された後に発生する塗膜傷からの腐食の広がり
を格段に抑制する効果が認められる。よって従来のアル
ミニウムが配合された高耐蝕性溶融亜鉛めっきより、極
めて優れた耐蝕性を有するめっきである。
【0022】
【実施例】寸法が幅50mm×長さ200mm×厚み
4.5mmの鋼材(SS400)を鉄系被めっき物と
し、アルカリ脱脂と10%塩酸溶液による錆除去を行っ
た。湯洗後、塩化亜鉛−フッ化カリウム系フラックスで
処理し、次いで純度99.99%、500°Cの亜鉛浴
に1分間浸漬し、1m/分の速度で引き上げた。この第
1工程で鉄系被めっき物には鉄−亜鉛合金層と亜鉛層と
を生成させ、これを基本試料とした。
【0023】実施例1(No.1〜6) 二層目の亜鉛浴として430°Cの高純度亜鉛ベースの
亜鉛浴にアルミニウム含有量が5%と、10%の2通り
添加し、それぞれにマグネシウムが0.1%、1%、2
%添加し、さらにニッケルを0.5%添加して試料N
o.1〜6の6種類の亜鉛浴とし、これらの亜鉛浴に上
記基本試料を1分間浸漬し、1m/分の速度で引き上げ
た。
【0024】実施例2(No.7〜12) 二層目の亜鉛浴として430°Cの高純度亜鉛ベースの
亜鉛浴にアルミニウム含有量が5%と10%の2通り添
加し、それぞれにマグネシウムが0.5%、1%、2%
添加し、さらにマグネシウムとの添加量比が1:1とな
るようニッケルを0.5%、1%、2%添加して試料N
o.7〜12の6種類の亜鉛浴とし、これらの亜鉛浴に
上記基本試料を1分間浸漬し、1m/分の速度で引き上
げた。
【0025】実施例3(No.13〜14) 二層目の亜鉛浴として430°Cの高純度亜鉛ベースの
亜鉛浴にアルミニウム含有量が5%と、マグネシウムが
1%、2%添加し、さらにマグネシウムとの添加量比が
1:1となるようケイ素を1%、2%添加して試料N
o.13〜14の2種類の亜鉛浴とし、これらの亜鉛浴
に上記基本試料を1分間浸漬し、1m/分の速度で引き
上げた。
【0026】比較例1(No.1〜8) 430°Cの高純度亜鉛ベースの亜鉛浴にアルミニウム
含有量が1%、5%、10%、20%添加し、この4種
類の亜鉛浴に上記基本試料を1分間または2分間浸漬
し、1m/分の速度で引き上げた。
【0027】比較例2(No.9〜14) 430°Cの高純度亜鉛ベースの亜鉛浴にアルミニウム
を5%添加し、さらにマグネシウムを0.1%、1%、
2%添加し、この3種類の亜鉛浴に上記基本試料を1分
間または2分間浸漬し、1m/分の速度で引き上げた。
【0028】上記実施例1、実施例2、比較例1、比較
例2で得られた二層目のめっきが施された各試料の表面
層を走査型電子顕微鏡(トプコン社製)で観察し、エネ
ルギー分散型エックス線分析装置(フィリップス社製)
により元素分析を行った。その結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】また、上記二層目のめっきが施された各試
料について塩水噴霧試験(JISK5400準拠)し、
腐食減量を測定した。さらに、試料を脱脂、クロメート
処理を行った後に汎用のアクリル溶剤焼き付け塗装を行
ったものにクロスカット(JISK5400準拠)を施
し、塩水噴霧試験により、傷部分からの腐食を観察し
た。その結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】図1は実施例2におけるNo.8の試料の
電子顕微鏡写真であり、溶融亜鉛めっき層にβ−亜鉛と
アルミニウム−亜鉛組織からなる表層があらわれてい
る。図2は比較例2におけるNo.12の試料の電子顕
微鏡写真であり、粒状化したアルミニウム−亜鉛組織と
鉄のめっき層の表層への拡散が見られる。
【0033】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明高耐触性溶融
亜鉛めっき物は、鉄系被めっき物の表面に、電気亜鉛、
最純亜鉛等からなる亜鉛浴あるいはアルミニウムを0.
1%未満含む亜鉛浴で一層目の溶融亜鉛めっきが施さ
れ、該一層目の溶融亜鉛めっき層の外側に、約2〜20
%のアルミニウムを含む亜鉛浴に0.01〜5%のマグ
ネシウムと0.01〜5%のニッケルとを同時に添加し
た亜鉛浴で二層目の溶融亜鉛めっきが施されてなるの
で、マグネシウムがβ−亜鉛と、アルミニウム含有量の
多いアルミニウム−亜鉛組織を明確に分離し、アルミニ
ウム−亜鉛組織を粒状化するとともに、該マグネシウム
がアルミニウム−亜鉛組織中に留まり、組織中のアルミ
ニウムと亜鉛との耐粒界腐蝕性を向上させ、またニッケ
ルが鉄とアルミニウム双方ときわめて容易に合金化し、
アルミニウムが鉄系被めっき物の方へ拡散、浸透するの
と同時に浸透し、鉄系被めっき物から拡散してくる鉄と
強く共存して鉄−アルミニウム−ニッケルとなり、二層
目の溶融亜鉛めっき層の表層への鉄の拡散を抑制すると
ともに、該ニッケルがマグネシウムと共存してメッキ柱
状層に留まり、鉄−亜鉛−アルミ合金層の発達も同時に
抑制し、腐蝕減量を高微量化して腐蝕の進行をさらに抑
制する結果、強腐食環境下で極めて優れた耐蝕性を発揮
する。
【0034】また本発明高耐触性溶融亜鉛めっき物は、
二層目の亜鉛−アルミニウム合金めっき層の表層に、β
−亜鉛とアルミニウムが豊富なアルミニウム−亜鉛球状
組織が形成され、β−亜鉛の面積率が表面全体の50%
以上97%以下となされている場合は、電位的に卑でβ
−亜鉛を犠牲防蝕するアルミニウム−亜鉛組織が少な
く、表層の外観を長期間良好に保つことができる。
【0035】また本発明高耐触性溶融亜鉛めっき物は、
アルミニウムが豊富なアルミニウム−亜鉛球状組織が、
β−亜鉛組織を取り囲むように形成されている場合は、
アルミニウム−亜鉛球状組織が網目のようにβ−亜鉛組
織を取り囲み、表層の外観をさらに長期間良好に保つこ
とができる。
【0036】また本発明高耐触性溶融亜鉛めっき方法
は、鉄系被めっき物の表面に、第一工程として電気亜
鉛、最純亜鉛等からなる亜鉛浴あるいはアルミニウムを
0.1%未満含む亜鉛浴で一層目の溶融亜鉛めっきを施
し、直ちに第二工程として、約2〜20%のアルミニウ
ムを含む亜鉛浴に0.01〜5%のマグネシウムと0.
01〜5%のニッケルあるいはケイ素とを同時に添加し
た亜鉛浴で溶融亜鉛めっきを施すので、簡易な二段めっ
きであるにもかかわらず、被めっき物の形状や肉厚に左
右されず、溶融亜鉛めっき層にβ−亜鉛とアルミニウム
−亜鉛組織からなる表層を容易に形成することができ、
極めて優れた耐蝕性を有するめっきを施すことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】表1の実施例1試料番号5に示す本発明高耐蝕
性溶融亜鉛めっき物の表面の電子顕微鏡写真である。
【図2】表1の実施例2試料番号8に示す本発明高耐蝕
性溶融亜鉛めっき物の表面の電子顕微鏡写真である。
【図3】表1の比較例1試料番号3に示す比較例の表面
の電子顕微鏡写真である。
【図4】表1の比較例2試料番号12に示す比較例の表
面の電子顕微鏡写真である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄系被めっき物の表面に、電気亜鉛また
    は最純亜鉛からなる亜鉛浴あるいはアルミニウムを0.
    1%未満含む亜鉛浴で一層目の溶融亜鉛めっきが施さ
    れ、該一層目の溶融亜鉛めっき層の外側に、2〜20%
    のアルミニウムを含む亜鉛浴に0.01〜5%のマグネ
    シウムと0.01〜5%のニッケルとを添加した亜鉛浴
    で二層目の溶融亜鉛めっきが施されてなる高耐蝕性溶融
    亜鉛めっき物。
  2. 【請求項2】 二層目の亜鉛−アルミニウム合金めっき
    層の表層に、β−亜鉛とアルミニウム−亜鉛球状組織
    形成され、β−亜鉛の面積率が表面全体の50%以上9
    7%以下となされた請求項1記載の高耐蝕性溶融亜鉛め
    っき物。
  3. 【請求項3】 アルミニウム−亜鉛球状組織がβ−亜鉛
    組織を取り囲むように形成されてなる請求項1または2
    記載の高耐蝕性溶融亜鉛めっき物。
  4. 【請求項4】 鉄系被めっき物の表面に、第一工程とし
    電気亜鉛または最純亜鉛からなる亜鉛浴あるいはアル
    ミニウムを0.1%未満含む亜鉛浴で一層目の溶融亜鉛
    めっきを施し、第二工程として、前記一層目の溶融亜鉛
    めっき層の外側に、2〜20%のアルミニウムを含む亜
    鉛浴に0.01〜5%のマグネシウムと0.01〜5%
    ニッケルとを添加した亜鉛浴で二層目の溶融亜鉛めっ
    きを施すことを特徴とする高耐蝕性溶融亜鉛めっき方
    法。
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