JP3511274B2 - ポリビニルアルコール系スポンジの製造方法 - Google Patents

ポリビニルアルコール系スポンジの製造方法

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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブロック状、粒状、シ
ート状、ストランド状(紐状)等の種々の形状の親水性
ポリビニルアルコール系スポンジ(多孔体)の製造方法
に関する。なお、本発明において、ポリビニルアルコー
ル系スポンジは、ポリビニルアルコールスポンジ及びポ
リビニルアセタールスポンジを包含する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリビ
ニルアルコール系スポンジは親水性の高分子であるポリ
ビニルアルコールから製造され、高い吸水性、保水性を
有し、湿潤時に優れた柔軟性を示すことから、化粧用パ
フ、吸水マット、浴用スポンジ、食器洗いなどに使用さ
れている。また、多孔体であるスポンジは表面積が大き
く、表面が親水性であるため、菌類、微生物、動植物細
胞の培養担体としても使用できる。
【0003】しかし、従来のポリビニルアルコール系ス
ポンジは製造に長時間を要し、工業生産性に劣る欠点が
ある。即ち、従来の製造方法は、平均重合度300〜3
000で、ケン化度80モル%以上のポリビニルアルコ
ールの1種又は2種以上を水溶液とし、この水溶液にア
セタール化剤としてホルムアルデヒドなどのアルデヒド
類を加え、触媒として硫酸などの鉱酸を加え、多孔化剤
を加えたスポンジ原液を調製し、この原液を金型中で4
0〜100℃の温度で5〜20時間の反応を行う。その
際、多孔化剤としてデンプン類を添加することによって
連通気孔性の多孔構造が構築され、反応後、余剰の薬剤
とデンプン類を洗浄除去することによってポリビニルア
セタール系スポンジを製造するものである(特開昭49
−108167号、特開平5−69495号公報)。
【0004】このように従来のポリビニルアルコール系
スポンジは、原料となる水溶性ポリビニルアルコールの
水酸基をホルムアルデヒド等のアルデヒド類と反応さ
せ、アセタール化し、水不溶のポリビニルアセタールに
変換することにより製造されるが、スポンジ製造の際、
ポリビニルアルコールが水不溶のポリビニルアセタール
に化学的に変化するまでの時間、即ちアセタール化反応
が極めてゆっくりと進行するためにスポンジ製造に時間
がかかる。従来技術によれば、アセタール化反応には少
なくとも5時間、通常20時間を要する。この場合、途
中で反応をやめればスポンジとしての形を成さない。更
に、従来の製造方法では、上述したように金型内で長時
間の反応を行わなければならず、連続的にポリビニルア
ルコール系スポンジを得ることが困難であった。また、
従来技術によれば、多孔化剤としてデンプン粉末を使用
しているが、デンプンが糊状になるため、極めて洗浄除
去されにくく、この点もまた従来の製造方法の工業生産
性が劣る理由になっている。しかも、多孔化剤が微細な
デンプン粒子であり、これが糊状になるため、得られる
スポンジの孔径が50〜80μm程度であり、100μ
m以上の大きな孔径を有するスポンジを製造することは
困難であった。
【0005】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
従来の製造方法より短時間にかつ連続的に、ブロック
状、粒状、シート状、ストランド状(紐状)等の種々の
形状の親水性ポリビニルアルコール系スポンジ(多孔
体)を製造する方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、上
記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、ポリビニ
ルアルコール水溶液に多孔化剤と架橋剤と反応触媒とを
添加した混合物(スポンジ原液)を用いることにより、
架橋反応が迅速に進行し、この混合物にアセタール化剤
を添加して、ポリビニルアセタールスポンジを得る場合
においても、かかる反応が短時間に完結することを知見
した。即ち、本発明は極めて反応性が高い架橋剤を必要
により添加されるアセタール化剤と共にポリビニルアル
コール水溶液に添加することに特徴があり、まずポリビ
ニルアルコールと架橋剤の反応で三次元網目を形成さ
せ、保形した上で、遅いアセタール化反応を進行させる
という考え方によるものである。
【0007】また、この場合、上記スポンジ原液を金型
内で反応させるだけでなく、スポンジ原液を硫酸ナトリ
ウム等の無機酸又は有機酸のアルカリ金属塩、アンモニ
ウム塩、アルカリ土類金属塩といった塩の濃厚溶液中に
所定形状で投入し、この濃厚塩溶液を加熱することによ
って、短時間で反応が進行するので、ポリビニルアルコ
ール系スポンジを連続的に製造し得ることを知見した。
【0008】更に、上記多孔化剤として結晶芒硝を使用
することにより、この結晶芒硝の粒径を種々選定するこ
とで、スポンジの孔径が200μm以上という大きな孔
径のものでも容易にしかも確実に製造することができる
と共に、芒硝の高い水溶性により速やかな洗い出しが可
能となり、この点からもスポンジの連続製造が有利に行
われることを知見し、本発明をなすに至ったものであ
る。
【0009】従って、本発明は、ポリビニルアルコール
水溶液に多孔化剤と架橋剤と反応触媒とを添加した混合
物を任意の形状に成形し、これを加熱して架橋反応を行
い、次いで多孔化剤を洗浄除去することを特徴とするポ
リビニルアルコール系スポンジの製造方法を提供する。
この場合、多孔化剤として結晶芒硝が有効に用いられ、
またポリビニルアセタールスポンジを得る場合は、上記
混合物にアセタール化剤が添加される。
【0010】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明のポリビニルアルコール系スポンジの製造方法に
おいては、ポリビニルアルコール水溶液に多孔化剤と架
橋剤と反応触媒とを添加した混合物(スポンジ原液)を
使用する。この場合、ポリビニルアセタールスポンジを
得るに際しては、このスポンジ原液にアセタール化剤が
添加される。
【0011】ここで、本発明に使用されるポリビニルア
ルコールは特に限定されないが、平均重合度が300〜
5000、好ましくは700〜3500、ケン化度は6
0〜100モル%、好ましくは80〜100モル%のも
のが適している。平均重合度が300未満のポリビニル
アルコールを使用した場合、得られるスポンジの強度が
著しく低くなる場合があり、また、平均重合度が500
0を超える高分子量のポリビニルアルコールは水溶液の
粘度が余りに高くなるため、後続の多孔化剤練り込み工
程で困難が生じる場合がある。水溶液中のポリビニルア
ルコール濃度は特に限定されないが、通常、5〜20重
量%が好ましい。この際、平均重合度が低いポリビニル
アルコールを使用する場合はポリマー濃度を高く設定
し、高重合度のポリビニルアルコールを使用する場合は
ポリマー濃度を低めに設定することが好ましい。なお、
ポリビニルアルコール水溶液の粘度は特に限定されな
い。
【0012】また、架橋剤としてはポリビニルアルコー
ルの水酸基と反応し得る官能基を持つ化合物が包含さ
れ、末端が−OH基である樹脂や2個以上のグリシジル
基を持つエポキシ化合物、例えばメラミン・ホルマリン
系樹脂架橋剤、尿素・ホルマリン系樹脂架橋剤、グリオ
キザール系樹脂架橋剤、エポキシ系架橋剤などが挙げら
れる。特にメラミン・ホルマリン系樹脂架橋剤が好適で
ある。架橋剤の添加量はポリビニルアルコールに対して
10〜50重量%とすることが好ましい。10重量%よ
り架橋剤が少ない場合は、得られるスポンジの強度が低
すぎるおそれがあり、逆に50重量%より架橋剤が多く
使用されると、得られるスポンジは極めて硬いものとな
る場合がある。
【0013】上述したように、ポリビニルアセタールス
ポンジを得る場合は、ポリビニルアルコールと架橋剤と
からなるスポンジ原液に更にアセタール化剤を添加する
が、アセタール化剤として使用できるのは、ホルムアル
デヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、ノニル
アルデヒド、ベンツアルデヒドなどの中から選ばれる1
種又は2種以上のアルデヒド化合物である。添加量はポ
リビニルアルコールに対して好ましくは5〜50重量
%、より好ましくは10〜30重量%である。
【0014】上記スポンジ原液は更に反応触媒を含む
が、反応触媒としては、アミン化合物、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等の塩基性触媒、あるいは硫酸など
の鉱酸が使用でき、これらは1種を単独で使用しても2
種以上の併用も可能である。反応触媒の添加量は架橋剤
とアセタール化剤の種類に応じて変化するが、概ね架橋
剤とアセタール化剤の合計重量に対して2〜25重量%
用いるのが好ましい。
【0015】上記スポンジ原液には、補強の目的で補強
繊維を添加することができる。補強繊維として用いるこ
とのできる繊維の種類は特に限定されず、パルプ、綿、
麻、羊毛等の天然繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド
繊維、ポリビニルアルコール繊維、アラミド繊維、オレ
フィン系繊維などの合成繊維、レーヨン、テンセルなど
の再生繊維が使用できる。これらは2種以上の繊維を併
用してもよい。太さは1〜100デニール、長さは1〜
30mm程度のものが好ましい。余りに細い繊維や短い
繊維では補強効果がでない。逆に余りに太く、長い繊維
はポリビニルアルコール水溶液中できれいに分散しな
い。添加する補強繊維の量は、水溶液中のポリビニルア
ルコールに対し、1〜50重量%となる量であることが
好ましい。更にスポンジ原液には、必要に応じて混合性
を向上させるために界面活性剤を添加してもよい。用い
ることのできる界面活性剤は特に限定されないが、アニ
オン系界面活性剤やノニオン系界面活性剤が好ましい。
更にまた、スポンジの湿潤剤としてグリセリンやポリエ
チレングリコールを添加してもよい。また、その他の添
加剤として顔料、染料、抗菌剤、木粉、無機粉末、カー
ボン粉末、香料等を添加することも可能である。なお、
以上に挙げた原料や添加剤の添加順序は特に限定されな
い。
【0016】本発明においては、スポンジ原液に多孔化
剤を添加するが、多孔化剤としては、スポンジ原液中で
溶解せず、水で洗浄することによって溶出して多孔形成
し得るものであればいずれのものでもよく、例えば塩化
ナトリウム、硫酸ナトリウム(結晶芒硝)、塩化アンモ
ニウム、硫酸アンモニウム、硫酸亜鉛、硫酸マグネシウ
ム、重亜硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸ア
ンモニウム、珪酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、重
炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、脂肪酸ナトリウ
ム塩、及びこれらの含水塩が挙げられ、この中でも結晶
芒硝が特に好ましい。結晶芒硝はスポンジの気泡構造を
形成する有効な手段であり、その平均粒径は0.01〜
5mm程度、好ましくは0.07〜3mm、更に好まし
くは0.1〜1mmである。スポンジの柔軟性は結晶芒
硝の粒径によって大きく変化するので、その粒径はスポ
ンジの使用目的に応じて適宜決定する。例えば孔径20
0μm以上のスポンジを得る場合は0.2mm以上の結
晶芒硝が使用される。添加量はポリビニルアルコール量
に対し5〜100倍重量、特に5〜40倍重量であるこ
とが好ましい。結晶芒硝の混合、混練の際には、スポン
ジ原液の温度は15℃以下に保持する必要がある。これ
より高いと、結晶芒硝の一部がポリビニルアルコール水
溶液に溶解し、その結果ポリビニルアルコールの塩析が
生じることがある。即ち、結晶芒硝の溶解度は高温の方
が高い。従って、ポリビニルアルコールの塩析を防ぐた
めにはなるべく低い温度で結晶芒硝の混合を行う必要が
ある。また、結晶芒硝は最後に添加することが好まし
い。このポリビニルアルコール水溶液に添加した結晶芒
硝は、後続の水洗工程でスポンジから溶出除去される。
【0017】本発明においては、上記スポンジ原液を所
用形状を有する金型に流し込み、これを加熱し、架橋反
応(並びにアセタール化剤を加えた場合はアセタール化
反応)を進行させ、固化した後、取り出して中和、水洗
し、上記多孔化剤を溶出させた後、乾燥することによっ
て、ポリビニルアルコール系スポンジを製造することが
できる。この場合、架橋反応、アセタール化反応のため
の加熱温度は通常60〜100℃であり、特に90〜1
00℃の温度が好ましい。また、その処理時間は通常3
0分程度である。
【0018】一方、架橋反応(並びにアセタール化反
応)を連続的に行うこともでき、粒状、シート状、スト
ランド状(紐状)等の種々の形状のポリビニルアルコー
ル系スポンジを連続的に製造できる。この方法は上記し
たスポンジ原液をダイスなどから濃厚塩溶液の凝固浴中
に押し出し成形する方法である。ここで、凝固浴として
用いることのできる塩は、硫酸ナトリウム(芒硝)、塩
化アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化ナトリウム、
硫酸亜鉛、硫酸マグネシウム、重亜硫酸ナトリウム、リ
ン酸ナトリウム、リン酸アンモニウム、珪酸ナトリウ
ム、チオ硫酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸ア
ンモニウム、脂肪酸ナトリウム塩、ナトリウムベンゼン
スルフォネート等の無機酸又は有機酸のアルカリ金属
塩、アンモニウム塩又はアルカリ土類金属塩であるが、
これらは単独あるいは適宜混合して用いることができ
る。これらの中では特に硫酸ナトリウム溶液が好まし
い。塩の濃度はいずれの塩においても、また混合して用
いる場合においても、合計で少なくとも15重量%以上
の濃度が必要であり、その上限は飽和量までである。塩
溶液中での架橋反応、アセタール化反応には少なくとも
60℃の温度が必要であり、その上限は100℃とする
ことが好ましい。反応時間は形状によるが、概ね5〜3
0分の時間を要し、目的の大きさに形成するのに必要な
塩溶液中での必要な時間は、簡単な予備凝固試験によっ
て容易に求め得る。その後、凝固したスポンジ原液から
多孔化剤を洗い出し、次いで乾燥してポリビニルアルコ
ール系スポンジを得ることができる。
【0019】本発明のポリビニルアルコール系スポンジ
は、従来公知の種々の用途に使用することができるが、
特に平均孔径100μm以上のものは生物学的処理方法
による廃水処理材として有効に用いられる。
【0020】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。なお、下記例において、スポンジの孔径及
び平均孔径は、スポンジ断面の走査型電子顕微鏡を使用
して撮影し、10枚の写真から無作為抽出した200個
の孔径を測定することにより求めた。
【0021】〔実施例1〕平均重合度1500、ケン化
度98モル%のポリビニルアルコールを水に溶解して、
ポリマー濃度10重量%のポリビニルアルコール溶液を
得た。この溶液を5℃に冷却した。冷却装置付きニーダ
ーに上記のポリビニルアルコール水溶液3000gを入
れ、30gのポリビニルアルコール繊維(太さ10デニ
ール、長さ5mm)、30gの麻(長さ7mm)を添加
した。
【0022】次に、メラミン・ホルマリン樹脂架橋剤ス
ミテックスM−3(住友化学(株)製)90g、樹脂架
橋剤の触媒スミテックスACX(住友化学(株)製)3
0g、ホルムアルデヒド35%のホルマリン215g、
硫酸20g、ポリエチレングリコール(平均分子量40
0)30g、10%のドデシル硫酸ナトリウム水溶液1
5gを加え、混合した。
【0023】更に結晶芒硝(平均粒径約400μm、N
2SO4・10H2O)6000gを加え、混練した。
混練時はこの混合物が5℃になるように冷却して行っ
た。この混合物をスポンジ原液として、縦10cm×横
10cm×高さ10cmの金型に流し込み、98℃で約
30分煮沸処理をした。その後、水洗して結晶芒硝を洗
い出し、ポリビニルアセタールスポンジを得た。
【0024】〔実施例2〕実施例1のスポンジ原液をス
クリュウポンプを用いて所定の直径を有するダイスから
飽和硫酸ナトリウム水溶液(80℃)に押し出し、所定
時間この水溶液中に滞留させた後、水洗して結晶芒硝を
洗い出し、ポリビニルアセタールスポンジストランドを
得た。これを適当な長さに切断して円柱形のスポンジペ
レットを得た。
【0025】〔実施例3〕平均重合度1500、ケン化
度98モル%のポリビニルアルコールを水に溶解して、
ポリマー濃度10重量%のポリビニルアルコール溶液を
得た。この溶液を5℃に冷却した。冷却装置付きニーダ
ーに上記のポリビニルアルコール水溶液3000gを入
れ、5gのポリビニルアルコール繊維(太さ10デニー
ル、長さ5mm)、5gの麻(長さ7mm)を添加し
た。
【0026】次に、メラミン・ホルマリン樹脂架橋剤ス
ミテックスM−3(住友化学(株)製)90g、樹脂架
橋剤の触媒スミテックスACX(住友化学(株)製)3
0g、ホルムアルデヒド35%のホルマリン210g、
硫酸19.8g、ポリエチレングリコール(平均分子量
400)30g、10%のドデシル硫酸ナトリウム水溶
液15gを加え、混合した。
【0027】更に結晶芒硝(平均粒径約400μm、N
2SO4・10H2O)6000gを加え、混練した。
混練時はこの混合物が5℃になるように冷却して行っ
た。この混合物をスポンジ原液として、縦10cm×横
10cm×高さ10cmの金型に流し込み、98℃で約
30分煮沸処理をした。その後、水洗して結晶芒硝を洗
い出し、ポリビニルアセタールスポンジを得た。
【0028】〔実施例4〕実施例3のスポンジ原液をス
クリュウポンプを用いて所定の直径を有するダイスから
飽和硫酸ナトリウム水溶液(80℃)に押し出し、所定
時間この水溶液中に滞留させた後、水洗して結晶芒硝を
洗い出し、ポリビニルアセタールスポンジストランドを
得た。これを適当な長さに切断して円柱形のスポンジペ
レットを得た。
【0029】〔実施例5〕平均重合度1500、ケン化
度98モル%のポリビニルアルコールを水に溶解して、
ポリマー濃度10重量%のポリビニルアルコール溶液を
得た。この溶液を5℃に冷却した。冷却装置付きニーダ
ーに上記のポリビニルアルコール水溶液3000gを入
れ、30gのポリビニルアルコール繊維(太さ10デニ
ール、長さ5mm)、30gの麻(長さ7mm)を添加
した。
【0030】次に、メラミン・ホルマリン樹脂架橋剤ス
ミテックスM−3(住友化学(株)製)90g、樹脂架
橋剤の触媒スミテックスACX(住友化学(株)製)3
g、硫酸20g、ポリエチレングリコール(平均分子量
400)30g、10%のドデシル硫酸ナトリウム水溶
液15gを加え、混合した。
【0031】更に結晶芒硝(平均粒径約400μm、N
2SO4・10H2O)6000gを加え、混練した。
混練時はこの混合物が5℃になるように冷却して行っ
た。この混合物をスポンジ原液として、縦10cm×横
10cm×高さ10cmの金型に流し込み、98℃で約
30分煮沸処理をした。その後、水洗して結晶芒硝を洗
い出し、ポリビニルアルコールスポンジを得た。
【0032】〔実施例6〕実施例5のスポンジ原液をス
クリュウポンプを用いて所定の直径を有するダイスから
飽和硫酸ナトリウム水溶液(80℃)に押し出し、所定
時間この水溶液中に滞留させた後、水洗して結晶芒硝を
洗い出し、ポリビニルアルコールスポンジストランドを
得た。これを適当な長さに切断して円柱形のスポンジペ
レットを得た。
【0033】〔比較例1〕平均重合度1500、ケン化
度98モル%のポリビニルアルコールを水に溶解して、
ポリマー濃度10重量%のポリビニルアルコール溶液を
得た。上記のポリビニルアルコール水溶液3000gに
10%馬鈴薯デンプン粉末の糊状物を1500g加え、
更にホルムアルデヒド35%のホルマリン215g、硫
酸20gを加えて混合した。得られた原液を実施例1の
方法で成形したが、全くスポンジ状にはならなかった。
【0034】〔比較例2〕比較例1のスポンジ原液をス
クリュウポンプを用いて所定の直径を有するダイスから
飽和硫酸ナトリウム水溶液(80℃)に押し出し、所定
時間滞留させ、凝固を試みたが、いずれもスポンジは得
られなかった。以上の結果を表1,2に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、短時間でポリビニルア
ルコール系スポンジを製造することができ、連続的なス
ポンジ製造も容易に行うことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−165932(JP,A) 特開 平3−174455(JP,A) 特公 昭46−21954(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 9/26

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアルコール水溶液に、塩化ナ
    トリウム,硫酸ナトリウム,塩化アンモニウム,硫酸ア
    ンモニウム,硫酸亜鉛,硫酸マグネシウム,重亜硫酸ナ
    トリウム,リン酸ナトリウム,リン酸アンモニウム,珪
    酸ナトリウム,チオ硫酸ナトリウム,重炭酸ナトリウ
    ム,重炭酸アンモニウム,脂肪酸ナトリウム塩及びこれ
    らの含水塩から選ばれる少なくとも1種の多孔化剤と、
    架橋剤(但し、アセタール化剤を除く)と、反応触媒
    と、を添加した混合物を任意の形状に成形し、これを加
    熱して架橋反応を行い、次いで多孔化剤を洗浄除去する
    ポリビニルアルコール系スポンジの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記多孔化剤が、結晶芒硝(硫酸ナトリ
    ウム10水和物)である請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記混合物を任意の形状にして濃厚塩溶
    液中に投入した後、この濃厚塩溶液を加熱して上記混合
    物の架橋反応を行い、次いで多孔化剤を洗浄除去するよ
    うにした請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 濃厚塩溶液が無機酸又は有機酸のアルカ
    リ金属塩、アンモニウム塩又はアルカリ土類金属塩の1
    5重量%濃度以上の水溶液である請求項3記載の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 上記混合物に補強繊維を添加した請求項
    1乃至4のいずれか1項記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記混合物に更にアセタール化剤を添加
    し、上記架橋反応と同時にアセタール化反応を行ってポ
    リビニルアセタールスポンジを得るようにした請求項1
    乃至5のいずれか1項記載の製造方法。
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