JP2696777B2 - バフ材及びその製造方法 - Google Patents

バフ材及びその製造方法

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は研磨用のバフ材に係り、更に詳しくは砥粒を
含有し、主としてポリビニルアセタール系樹脂多孔体か
らなる、ガラス,金属,石材等の湿式バフ研磨に好適な
バフ材及びその製造方法に関する。
(従来の技術) 一般にバフ加工は、供給した遊離砥粒をバフ材表面に
一時的に保持して、バフ材に研磨工具としての機能を与
えることで行うものである。ポリビニルアセタール系樹
脂多孔体を主体とするバフ材は、従来のフェルト製バフ
材に比べ、砥粒の保持性がよく、寸法安定性もよいた
め、比較的研磨効率がよく、経済的で且つ高精度の研磨
ができ、更にフェルト製バフ材特有の腐敗,悪臭等の問
題が発生しないといった利点から多方面で用いられてい
る。従来このようなバフ材としては、ポリビニルアセタ
ール系スポンジを主体とし、短繊維が均一に混入され、
且つ熱硬化性樹脂が施与,処理されてなるバフ材(特公
昭54−4799号公報)が知られている。
しかしながら、従来のバフ材はガラスや金属の表面を
研磨するに際し、酸化セリウムや酸化クロム等の微細砥
粒を高濃度に含有した分散液を供給する必要があり、供
給した砥粒の量の割には研磨効率が悪く、高価な遊離砥
粒を多量に消費し、経済的に不利である。更に、遊離砥
粒を多量に排出するため、環境汚染が著しく、また作業
自体も汚いものであり、作業者の定着が悪いといった問
題も生じている。
そこでバフ材に砥粒を含有させて、遊離砥粒の供給を
著しく減少させるか又は供給しないで研磨加工をする方
法が考えられる。しかしながら、バフ研磨に用いられる
砥粒はその粒径が数ミクロンから小さいものでは0.1ミ
クロン程度と極めて微細なため、比較的砥粒の固着性の
よいポリビニルアセタール系樹脂を主体としたバフ材で
も固着するのが極めて困難であり、未だ満足すべきもの
は得られていない。
(発明が解決しようとする課題) 本発明者等は、上述の問題点に鑑み鋭意検討した結果
本発明を完成したものであって、本発明の目的は、短繊
維,ポリビニルアスタール系樹脂及び熱硬化性樹脂より
なりバフ材に、砥粒を強固に固着させ、研磨効率にすぐ
れ、従来品に比べ遊離砥粒の使用量を減少することがで
きるバフ材およびその製造方法を提供するにある。
(課題を解決するための手段) 本発明の目的は、ポリビニルアセタール系樹脂、熱硬
化性樹脂および短繊維よりなるバフ材において、セルロ
ースで被覆された砥粒が分散含有されており、前記セル
ロースで被覆された砥粒が、粒状の再生セルロース粒子
中に平均粒径10μm以下の微細な砥粒が複数個含有され
たセルロース複合粒子であることを特徴とする、連続気
孔を有する多孔体であるバフ材によって達成される。
また本発明の他の目的は、球状の再生セルロース粒子
中に平均粒径10μm以下の微細な砥粒が複数個含有され
たセルロース複合粒子を予め作成し、これをセルロース
で被覆された砥粒として用い、ポリビニルアルコール、
熱硬化性樹脂の初期縮合物、短繊維、気孔形成材および
セルロースで被覆された砥粒よりなる混合物を、架橋剤
と触媒の存在下で反応させて得られた成型体から気孔形
成材と未反応物を除去した後、熱処理を施すことを特徴
とする、連続気孔を有する多孔体であるバフ材の製造方
法によって達成される。
本発明のバフ材は、砥粒を含有したバフ材であるが、
一般に行なわれているようにバフ材表面に接着剤で砥粒
を固定化したり、砥粒を直径樹脂に包含し固定化するの
ではなく、砥粒を含有するセルロース粒子がポリビニル
アセタール系樹脂と結合し固定化するものである。この
ように構成することにより、従来固定化することが極め
て困難であった微細な砥粒を、バフ材に分散含有するこ
とが可能となる。
本発明に用いられる砥粒としては、例えば酸化セリウ
ム,酸化クロム,炭素ケイ素,アルミナ,酸化鉄,ダイ
ヤモンド,エメリー,窒化ホウ素,炭化ホウ素,ガーネ
ット,ジルコン等が挙げられ、中でも従来固定化するの
が難しいとされていた酸化セリウム,酸化クロムに対し
有効である。また、平均粒径10μm以下の砥粒に対し特
に有効で、精密仕上げや鏡面仕上げを目的とする場合に
は、平均粒径が好ましくは10μm以下、更に好ましくは
5μm以下である。
本発明において砥粒を含有するセルロース粒子は、通
常セルロース粒子中に上記砥粒が複数個含有された砥粒
/セルロース複合粒子の形態で用いられる。かかる砥粒
/セルロース複合粒子(以下、単に「複合粒子」とい
う)中の砥粒の量は技術的に可能な限り多い方が研磨効
果上望ましいが、セルロース1重量部当り好ましくは0.
1重量部以上、より好ましくは1重量部以上、更に好ま
しくは5重量部以上である。複合粒子中において砥粒は
通常均一分散状態で存在しているが、砥粒同士が接触密
集状態で存在してもよい。本発明においては、砥粒は直
接ポリビニルアセタール系樹脂と固着されるのではなく
セルロースを介して固着されるものであり、個々の砥粒
は複合粒子は埋込された状態で含有されるのが望まし
い。
上記の複合粒子は例えば本発明者等が先に出願した特
願平1−122082号の明細書に記載された方法により製造
することができる。即ち、 (1) ビスコースと上記の砥粒とを水溶性のアニオン
性高分子化合物とともに撹拌混合して砥粒を含有したビ
スコースの微粒子分散液を生成せしめ、 (2) (i)上記分散液を加熱するかあるいは上記分
散液を凝固剤と混合することによって該分散液中のビス
コースを凝固させ、次いで酸で中和して砥粒を含有した
セルロースの微粒子を生成するか、あるいは (ii)上記分散液を酸で凝固および中和して砥粒を含有
したセルロースの微粒子を生成し、次いで (3) 該セルロースの微粒子を母液から分離し、そし
て必要により脱硫,酸洗い,水洗あるいは乾燥する、 第1の工程により砥粒を含有したビスコースの微粒子
分散液を生成し、第2の工程により砥粒を含有したセル
ロースの微粒子を生成し、そして第3の工程で該セルロ
ースの複合微粒子を母液から分離し安定化させる事を要
旨とする方法である。この方法で得られる複合粒子は、
通常球状粒子であり、その粒子径は撹拌条件等の製造条
件により容易に調節することができる。
本発明に係る複合粒子の粒子径は特に限定されるもの
ではなく、大きい方がポリビニルアセタール系樹脂との
固着性がよくなる傾向にあり好ましい。しかしながら上
述の方法では粒子径が300μmを越えると、砥粒を均一
に含有したものが得られにくい傾向にあり、通常は粒子
径50〜300μmのものが用いられる。複合粒子は、微細
な砥粒をセルロースで被覆したものであるが、複合粒子
中で砥粒が強く凝集したり、硬目の団粒を形成するもの
ではない。また複合粒子自体は極めて軟弱で外力に対し
弱く、研磨加工に伴う外力によりただちに崩壊して砥粒
としての作用をするものである。
本発明で使用する短繊維としては、綿,麻,毛,絹等
の天然繊維,ビスコース,アセテートの如き半合成繊
維、ポリエステル,ナイロン,アクリル,ビニロンの様
な合成繊維、ガラス,炭素のような無機繊維も使用する
ことが出来る。以上の中ではポリビニルアセタールと同
質のビニロン繊維はポリビニルアセタール反応中におけ
る接着性が良いので耐摩耗性に優れて好ましく、ポリエ
ステルもまた良好である。ただし天然繊維の場合、絹や
羊毛の様な動物蛋白繊維は腐敗による悪臭の原因となる
ので使用は避けた方が良い。
また短繊維の繊維長及び使用量は、繊維の種類,繊維
の太さ,使用目的等によって相違し、また後述熱硬化性
樹脂処理とも関連しているので一義的に確定することは
難しいが、概して繊維長が1mmよりも短いと得られたも
のの弾性が乏しくバフ研磨性の発現が少なく、一方25mm
をこえて長くなると、相互に交絡し易く、均質なバフ材
が得にくくなる。また、使用量はポリビニルアセタール
樹脂に対し20%よりも少ないと好ましい弾性が得られ
ず、100%を越えて多くなるとバフ材として強度が望め
ず摩耗しやすいので一般には20〜100%、好ましくは20
〜80%程度が良い。
本発明においてポリビニルアセタール(以下、「PVA
t」と略記する)系樹脂とは、ポリビニルアルコール
(以下、「PVA」と略記する)をアルデヒド類により酸
触媒の存在下で架橋反応(アセタール化反応)させたも
のである。また、そのアセタール化度は特に限定される
ものでなく、通常の範囲である60〜80モル%でよい。
本発明のバフ材は、PVAt系樹脂と熱硬化性樹脂の混合
物が用いられる。これらは、PVAと熱硬化性樹脂の初期
縮合物の混合物を架橋反応させて得たものであってもよ
く、あるいはPVAt系樹脂とした後、熱硬化性樹脂の初期
縮合物を施与して硬化せしめたものであってもよい。好
ましくは前者の方法で得られたものである。熱硬化性樹
脂を併用することにより、バフ材は適度な硬度,脆性等
が付与されるとともに、耐水性,寸法安定性にすぐれた
ものとなる。
上記熱硬化性樹脂としては、例えばメラミン系樹脂,
ウレタン系樹脂,フェノール系樹脂,尿素系樹脂,エポ
キシ系樹脂,ポリイミド等が挙げられ、その使用量は種
類,目的,条件等によって異なり、更に前記短繊維の長
さ,使用量とも関連し、一義的に確定することはできな
いが、PVAt系樹脂に対し、好ましくは10〜300重量%で
ある。少な過ぎると耐水性に乏しく、多過ぎると弾性が
阻害され硬くなりすぎてバフ材としての物性が失われて
しまう。
本発明の方法で用いられる熱硬化性樹脂の初期縮合物
は水溶性のものであって、その種類は用途に適した物性
が得られるよう適宜選定すればよいが、好ましくはフェ
ノール系樹脂,ウレタン系樹脂が用いられる。フェノー
ル系樹脂としては酸触媒の存在下にて縮合反応をすすめ
硬化するレゾール型フェノール樹脂が好適である。上記
熱硬化性樹脂は1種類だけ用いてもよく、また2種類以
上を組合せて使用してもよい。
本発明の反応原液に用いるPVAは、特に限定されるも
のではなく、例えば平均重合度300〜3000,ケン化度80モ
ル%以上のものが挙げられる。
本発明に用いる気孔形成材とは、澱粉やその他の有機
物の微粉末を用いることができるが、好ましくは植物か
ら抽出される澱粉粒である。澱粉粒は、植物の種類によ
って粒径が異なるので、目的とする気孔径に応じ適宜選
定すればよい。また大きな気孔径を得るために澱粉を一
旦α化させて乾燥したのち粉砕し必要に応じ分級した加
工化澱粉を用いることもできる。
本発明に用いる架橋剤としては、例えばホルムアルデ
ヒド,アセトアルデヒド等の脂肪族系のアルデヒド類、
ベンズアルデヒド等の芳香族系のアルデヒド類等が挙げ
られる。またアルデヒド基を1つ有するものでも、複数
有するものでもよい。
本発明の方法に用いる触媒とは、水溶液中で酸性を示
す酸性触媒であり、PVAの架橋反応を促進する効果を有
するものである。具体的には、例えば塩酸,硫酸等の無
機酸、酢酸,蓚酸,クエン酸,酪酸,マレイン酸,ベン
ゼンスルホン酸等の有機酸が挙げられ、通常塩酸又は硫
酸が用いられている。その他、強酸と弱塩基からなる酸
性塩類、例えば硝酸亜鉛,酸化第二鉄等を用いてもよ
く、更にこれらを併用してもよい。
上記の材料を用い本発明の方法でバフ材を製造するに
は、まずPVAを温水に溶解してPVA水溶液とする。PVAの
濃度は通常5〜20重量%に調整して使用される。得られ
たPVA水溶液に気孔形成材,熱硬化性樹脂の初期縮合
物,短繊維および砥粒を含有するセルロース粒子を加え
混合する。上記材料の混合順序は均一に混合される方法
であれば特に限定されるものではない。続いて、架橋剤
及び触媒を加えて充分撹拌混合して均質粘稠反応原液と
する。
上記気孔形成材として澱粉を用いた場合は、一旦加熱
して膨潤糊化させてもよい。また澱粉はあらかじめ水に
分散させた液として混合されるのが好適である。短繊維
の配合量はPVA重量に対し、通常20〜100重量%で、熱硬
化性樹脂の初期縮合物の配合量はその固形分重量がPVA
に対して好ましくは10〜300重量%である。
引き続き得られた反応原液を所望の型枠に流し込み、
例えば40〜100℃の温度に加熱して架橋反応をさせる。
反応終了後、反応生成物を型枠より取り出して水洗等に
より、気孔形成材及び未反応の架橋剤と触媒を除去し多
孔体とする。ここで触媒は完全に除去することが肝要で
あり、除去が不十分であると後の熱処理工程で酸焼け等
の好ましくない現象が置き易い。
次に得られた多孔体に熱処理を施し、熱硬化性樹脂を
硬化すればよい。熱処理条件は用いられた熱硬化性樹脂
の種類に応じて適宜選定すればよいが、一般的には120
〜200℃で行われる。
本発明においては、PVAがアルデヒド類と反応すると
同時に、砥粒を被覆したセルロースもアルデヒド類と反
応し、PVAt系樹脂と複合粒子とが融合一体化し、砥粒の
より強固な結合材に変化するものと考えられる。更に熱
硬化性樹脂の初期縮合物は主として水溶液として添加さ
れ容易にセルロース中に浸透して硬化反応がすすみ、全
般的に全く均質な結合材組織を形成するものであり実際
の使用時にあたっては砥粒をセルロース粒子中に含有せ
しめたことの弊害は全く見られない。
以上の方法に従って製造されたバフ材は、微細な砥粒
を含有するセルロース粒子がバフ材全体に分散固着さ
れ、且つ連続気孔構造を有するものである。このバフ材
は微細砥粒がセルロースを介してPVAt系樹脂に強固に結
合し固定化されている。
本発明のバフ材の砥粒率は、バフ材としての物性を損
なわない範囲において高い方が望ましく、好ましくは10
重量%以上である。砥粒率が低い場合には研磨効果の乏
しいものとなるが、その場合でも遊離砥粒を補助的に供
給すれば、通常のバフ材同様に使用できる。
(発明の効果) 本発明のバフ材は、従来のバフ材では極めて難しいと
されていた、平均粒径が10μm以下の微細な研磨材砥粒
を強固に保持固定化することができ、本発明のバフ材は
従来品よりも効率のよい研磨加工が可能となる。本発明
のバフ材を用いると従来品に比較し極めて少量の遊離砥
粒を供給することでバフ研磨ができ、更に遊離砥粒を供
給しないで研磨加工をすることも可能である。このため
高価な砥粒の無駄が少なく、排液への汚染も激減し、排
水処理が容易になるとともに、経済的にも極めて有利で
ある。また、作業環境も著しく改善され、作業車の定着
率を高めるといった副次的効果も生み出すものである。
本発明の方法によれば、従来極めて困難とされていた
平均粒径10μm以下の砥粒を強固に固定化したバフ材を
製造することができる。特にガラスの研磨に好適な酸化
セリウムや金属の研磨に好適な酸化クロムに対して有効
である。本発明の方法に係る複合粒子は、砥粒同士がセ
ルロース粒子中においてたとえ接触状態で存在したとし
ても固く凝集することはない。このため安定した研磨加
工が可能となる。微細砥粒を用いたバフ材を多少の無理
をして従来法で製造したとしても砥粒同士の凝集が起り
易いため、研磨加工の際、被研磨体に異常な条痕(スク
ラッチ)の発生がさけられない。この点、本発明のバフ
材はそのような現象を未然に防止することが可能であ
る。
以下、実施例により本発明を詳述する。
(実施例) 平均重合度1500の部分ケン化PVAを水に溶解して430ml
の水溶液とした。次に馬鈴薯澱粉33gを水200mlに分散し
た分散液となし、これを先のPVA水溶液に加え、更に水
を加えて全量を600mlに調整し、撹拌混合した。この混
合液に水溶性ウレタン樹脂スーパーフレックスE2000
(第1工業製薬製,固形分50%)100ml及びレゾール型
フェノール樹脂PR961A(住友デュレズ製,固形分65%)
80ml9を加え、続いて後述の方法で製造された平均粒径
3.7μmの酸化セリウムをセルロース粒子中に含有した
複合粒子400gを加え、更に繊度1デニールで繊維長3mm
のビニロン短繊維15gを50mlの水に分散させたのち加え
て、十分に撹拌混合した。この混合液に37%ホルムアル
デヒド水溶液80mlと45%硫酸70mlを加えたのち、これを
品川式ミキサーを用いて十分に撹拌混合して均質な粘稠
性液体とした。この液体をリング状の型枠に流し込み、
60℃で20時間加熱し固化させた後、水洗して澱粉及び未
反応物を溶出せしめた。これを80℃で乾燥した後120℃
まで徐々に昇温し、6時間保持して硬化させた。得られ
たものをリング状に成形した。
得られたリング状のバフ材は、砥粒率が32重量%で、
気孔率77容量%の連続気孔を有する多孔体であった。ま
た、これを研磨機に取り付け、ガラスエッジのバフ研磨
に供したところ、研磨効率は低いものの、ある程度の研
磨力を有するものであった。次にこのものに対し、20%
酸化セリウム研磨液を供給して研磨加工をしたところ、
砥粒を含有しないPVAt系バフ材に比べ研磨液の供給量が
約5分の1で同等の研磨ができた。
<複合粒子の製造方法> 工業用ビスコース(粘度6,100センチポイズ,セルロ
ース濃度8.9重量%,アルカリ濃度5.6重量%)60gと平
均粒径3.7μmの酸化セリウム微粒子ルミノックスT
(セイミケミカル社製)4.8gを室温下で混合した。この
混合物とポリアクリル酸ソーダの水溶液(分子量5万,
高分子濃度12重量%)240gと分散剤としての炭酸カルシ
ウム2gとを500mlフラスコに入れて液温30℃の下でラボ
スターラー(MODEL LR−51B,ヤマト科学社製,回転羽根
7cm)により600rpmの撹拌を10分間行ない、酸化セリウ
ム微粒子を含有したビスコースの微粒子分散液を生成せ
しめた後、引きつづき撹拌しながら、液温を30℃から70
℃まで15分間で昇温し、70℃で30分間維持して、酸化セ
リウム微粒子を含有したビスコースの微粒子を凝固せし
めた。引きつづき撹拌しながら100g/の硫酸で中和,
再生して、酸化セリウム微粒子を含有したセルロースの
微粒子を得た。
次いで1G4型ガラスフィルターを通して、母液から上
記セルロース微粒子を分離した後、50℃,2g/苛性ソー
ダ水溶液約2で脱硫し、2g/の硫酸水溶液で中和し
た後、大過剰の水で洗浄し、80℃,3時間乾燥し、セルロ
ースで酸化セリウム微粒子が被覆された複合粒子を得
た。得られた複合粒子は乾燥時での平均粒径が60μmで
あり、30〜60μmの範囲内に90重量%以上含有し、酸化
セリウム含有率は複合粒子の重量に対して45重量%であ
った。
(比較例) 実施例で用いた複合粒子に代えて、同量の酸化セリウ
ム180gを用いるほかは実施例と同様の方法でバフ材を製
造したところ、酸化セリウムは固定化されにくく、水洗
工程でそのほとんどが流失してしまい、バフ材中に僅か
に含有されるにすぎなかった。これを研磨機に取り付
け、ガラスエッジのバフ研磨に供したところ、ほとんど
研磨を行わなかった。次のこのものに対し20%酸化セリ
ウム研磨液を供給して研磨加工をしたところ、砥粒を含
有しないバフ材と研磨性能の違いはほとんど見られなか
った。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリビニルアセタール系樹脂、熱硬化性樹
    脂および短繊維よりなるバフ材において、セルロースで
    被覆された砥粒が分散含有されており、前記セルロース
    で被覆された砥粒が、球状の再生セルロース粒子中に平
    均粒径10μm以下の微細な砥粒が複数個含有されたセル
    ロース複合粒子であることを特徴とする、連続気孔を有
    する多孔体であるバフ材。
  2. 【請求項2】球状の再生セルロース粒子中に平均粒径10
    μm以下の微細な砥粒が複数個含有されたセルロース複
    合粒子を予め作成し、これをセルロースで被覆された砥
    粒として用い、ポリビニルアルコール、熱硬化性樹脂の
    初期縮合物、短繊維、気孔形成材およびセルロースで被
    覆された砥粒よりなる混合物を、架橋剤と触媒の存在下
    で反応させて得られた成型体から気孔形成材と未反応物
    を除去した後、熱処理を施すことを特徴とする、連続気
    孔を有する多孔体であるバフ材の製造方法。
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