JP3806857B2 - ポリビニールアセタール系スポンジ、及び該ポリビニールアセタール系スポンジの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は変性ポリビニールアルコールをアルデヒド類により架橋反応させて得られるポリビニールアセタール系スポンジに係わり、更にはそれを製造する方法に係わるものである。
【0002】
【従来技術】
ポリビニールアルコール(以下PVAと略記する)樹脂をアルデヒド類により架橋させるに際して多孔質構造と為したものを一般的にポリビニールアセタール(以下PVAtと略記する)系スポンジあるいはポリビニールアセタール系多孔質体と称し、好ましい親水性と均質かつ微細な気孔をもつ多孔質体として知られている。特に、70モル%以下のアセタール化度(架橋度)のものは好ましい反発弾性を有する弾性体として知られており各方面で一般民生用あるいは工業用として汎く応用されている。例えば、化粧用の水性パフ、吸水用あるいは洗浄用のローラー、水拭き用の拭浄布等である。
【0003】
これらのPVAt系スポンジを製造する方法としては、原料となるPVAとアルデヒド類および触媒等とともに気孔形成剤あるいは発泡剤を添加し、これにより多孔質体とする方法が知られている。就中、気孔形成剤として澱粉を使用する方法は、均一かつ微細な連続気孔をもつ多孔質体を製造する方法としてよく知られている。また、界面活性剤を添加し、何らかの力で発泡させそれをそのまま発泡体として固化する方法もよく知られている。
【0004】
気孔形成剤を使用する方法は、一般的には気孔剤抽出法と呼ばれ、例えばPVAとアルデヒド類および無機酸等の架橋反応用触媒を混合した水溶液中に、例えば澱粉等の微粒子からなる気孔形成剤を分散し、その状態でPVAの架橋反応を行ない、澱粉の存在する部分を気孔として反応を完結せしめ、然る後澱粉等を分解し反応系から抽出する方法である。この方法によれば、気孔径は使用する澱粉粒子が膨潤したサイズに匹敵するため、澱粉の種類をうまく選定すれば、極めて微細な多孔質構造が得られ、更に精度よく分級したものを用いれば、非常に均質な多孔質構造の製品を得ることができる。また、この方法によって得られる多孔質体は、完全な連続気孔のものであるので、発泡法のものとは性能的に異なったものを得ることが可能である。
【0005】
気孔剤抽出法の場合は、前述の通り澱粉等の微細粒子を気孔形成剤として使用し、反応完結後はそれを系外に除去することが必要である。特に、半導体関連工業に使用される製品や、医療関連に使用される製品は、澱粉等の異物の残留を嫌うため、反応完結後の弾性を有する生成物を、水洗、絞り、脱水等の操作を繰り返し、付着残留した澱粉分を除去して行かねばならないが、完全に除去するためには多量の水洗水を必要とする。また、量産を行なう工場においてはその水洗後の澱粉を多く含んだ排水が、廃水処理設備に負荷をかけることがある。澱粉等を多量に含んだ排水は、その排出基準を定める基準値であるBOD(生物化学的酸素要求量)やCOD(化学的酸素要求量)に及ぼす影響が強くこれらの数値を悪化させる傾向が強いのみならず、腐敗や悪臭の原因ともなり、その対応が求められていた。
【0006】
発泡法による場合は、何らかの機械的方法、例えばPVAとアルデヒド類および無機酸等の架橋反応用触媒を混合した水溶液中に、発泡装置等による気泡の吹き込みや、回転による気泡巻き込みを行ないその状態で架橋反応を行ない液を固化して発泡体とする方法、あるいは、発泡剤を混合し、系全体が発泡した状態で架橋反応を行ない液を固化して発泡体とする方法を挙げることができる。発泡装置を用いた方法としては、具体的には、原料となるPVAを水中に投入して加温溶解して均質な水溶液とした後、所定の温度まで冷却し、発泡装置に移す。発泡装置においては架橋剤たるアルデヒド類および架橋触媒である酸類のそれぞれ所定量と界面活性剤等の助剤を加え圧縮ポンプにより微細気泡を送り込み十分に撹拌し起泡する。この状態で所定の型枠に注型し、略々60℃程度に昇温して10〜20時間程度放置してアセタール化反応を完結させる。アセタール化反応は前記の起泡された気泡を抱き込んだ形で進み完結するので、ここでPVAt系多孔質体が得られる。発泡剤を用いる場合は前記の発泡装置を使用する必要はなく、注型以前の適当な時点で発泡剤を投入するればよい。発泡剤による方法の場合は比較的独立気孔のものが多くて気孔率が高く、また、あまり微細な気孔径および均質な気孔径のものの製造は難しい。
【0007】
PVAとアルデヒド類との反応は、一般的にはアセタール化反応と呼ばれる反応であって、PVA分子の持つ水酸基とアルデヒド類の持つアルデヒド基とから脱水反応により水分子を脱離し、アルデヒド分子によりPVA分子を架橋させると同時に、その水酸基を封鎖させることにより、PVAを水に不溶化させる反応であり、反応は逐次反応で極めて緩慢に起こることを特徴とし、一般的には数時間から十数時間を要する。反応液が流動性を失うまでは少なくとも30分程度の時間を要するのであるから、発泡法による場合は発生した気泡が安定したものでなくてはならない。安定した気孔構造をもつ多孔質体をこの方法により得るためには、反応液の粘度を高くしてかつ初期の固化に至るまでの反応時間をできるだけ速くすることが有効である。反応液の粘度を高くするためには、液の温度を低くすること、濃度を高くすること、および溶液粘度の高いPVAを使用することが有効である。従って、PVAt系スポンジの発泡法による製造は、反応速度が極めて速いウレタンスポンジの場合などとは異なり、良好かつ安定な気泡を生成させる方法を選定しなければならない。微細かつ安定な気泡を長時間維持するためには、発泡剤を使用する方法ははあまり適切でなく、従ってある種の界面活性剤を使用して、気泡吹き込み法等により多孔質体を製造することが多い。
【0008】
排水に関する問題は、発泡法による場合も気孔剤抽出法と同様であり、発泡剤更には、安定かつ均質な発泡の助剤として使用される界面活性剤の除去に多量の水洗水と、過剰な廃水処理設備とが必要になるのである。特に、安定かつ均質な発泡の助剤として優れた性能を持つ非イオン系界面活性剤を使用した場合、排水の排出基準を定める基準値であるBOD(生物化学的酸素要求量)やCOD(化学的酸素要求量)に及ぼす影響が強くこれらの数値を悪化させる傾向が強くまた処理槽、処理設備の中で異常に泡を発生させたりすることが多いので、廃水処理設備に与える影響は大である。また、金属成分を含む、即ち金属塩の形態をとる界面活性剤を使用した場合、もし製品がシリコンウェーハ等半導体の洗浄や拭浄等の目的で使用される場合、その金属成分が重大な金属汚染の元凶となるのでそれらを洗浄により完全に除去してやらねばならない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、気孔剤抽出法や界面活性剤を用いた従来のPVAt系スポンジの製造方法の持つ上述の問題点に鑑み、これらを使用しない方法について鋭意研究を行ない本発明を完成したものである。すなわち、本発明者等は、ある特定の組成で変性されたPVAを用いることにより、その水溶液が良好な起泡性とその気泡の保持に適した高い粘性を持つため、機械的撹拌あるいは気泡吹き込み等の操作で反応系の液中に安定した微細気泡を容易に形成することができ、かつその生成した微細気泡が初期反応で液が固化までに消滅したり、合体して大きくなることなく、良好な多孔質体を形成することを見出して、本発明を完成したものである。本発明の目的は、従来のPVAt系スポンジと変わらない物性を持った、発泡法によるPVAt系スポンジを提供することにあり、更に本発明の他の目的は、澱粉や、界面活性剤を使用せず、そのため洗浄に多量の水や時間を要することなく、排水の廃液処理装置に対する負荷が少ないPVAt系スポンジの製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の本発明の目的は、一般式(1)
【化4】
(式中、R1は炭素数1以上のアルキル基を表し、R2およびR3は水素原子または炭素数1以上のアルキル基を表す)
で示される部分を繰り返し単位として有するポリビニールアセタール系スポンジによって達成される。
また、好ましくはa、b、cおよびdが、
0.0002≦a/(a+b+c+2d)≦0.008
0≦b/(a+b+c+2d)≦0.15
0≦2d/(a+b+c+2d)≦0.85
の3式を満足するポリビニールアセタール系スポンジである。
【0011】
更に本発明の他の目的は、ポリビニールアルコールを水に溶解して得た水溶液に、アルデヒド類および触媒を加えて起泡してポリビニールアセタール系スポンジを製造するに当たり、上記ポリビニールアルコールとして下記一般式(2)
【化5】
(式中、R1は炭素数1以上のアルキル基を表し、R2は水素原子または炭素数1以上のアルキル基を表す)
で示される部分を繰り返し単位として有する化合物であって、a、bおよびcが
0.001≦a/(a+b+c)≦0.008でありかつ
0≦b/(a+b+c)≦0.15
であることを満足する変性PVAを使用することを特徴とするPVAt系スポンジの製造方法により達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】
ここでいう変性PVAとは、平均重合度400〜3000程度のポリビニールアルコール分子の持つ水酸(OH)基を他の官能基で変性したものであり、本発明において使用されるものは一般式(2)で示されるものである。一般式(2)に現れる繰り返し単位(A)は炭素数1以上のアルキル基よりなる官能基R1を有し疎水性の部分である。繰り返し単位(B)はアセチル基が残留した部分すなわち未鹸化の部分であり比較的起泡性に関与する。繰り返し単位(C)はポリビニールアルコールそのものの部分である。
【0013】
一般式(2)のPVA分子の変性の程度は数式、a/(a+b+c)及び数式、b/(a+b+c)により示される。本発明のPVAt系スポンジを得るためには、a/(a+b+c)は0.001から0.008の範囲にあることが好ましく、また、b/(a+b+c)は0から0.15の範囲にあることが好ましい。
【0014】
また、一般式(1)の化合物は、一般式(2)の変性PVAをアセタール化させた変性PVAt系ポリマーを示すものであり、繰り返し単位(D)の部分はポリビニールアルコール分子が分子内架橋を起こし、アセタール化した部分を示しており、後述する本発明方法により製造されるものである。
一般式(1)のPVAt系スポンジの変性の程度は、数式a/(a+b+c+2d)、及び、数式b/(a+b+c+2d)、また、アセタール化率は、数式2d/(a+b+c+2d)により示される。本発明において適したスポンジを得るためには、a/(a+b+c+2d)は0.0002から0.008の範囲にあることが好ましく、b/(a+b+c+2d)は0から0.15の範囲にあることが好ましく、また、2d/(a+b+c+2d)は0から0.85の範囲にあることが好ましい。
【0015】
一般式(2)で示される部分を繰り返し単位として有する変性PVAは、例えば、アルキルビニルエーテルとビニルエステルを平均重合度400〜3000程度に共重合せしめて鹸化して得ることができる。
一般式(1)、(2)の双方に現れる構成単位(A)はアルキル基R1を有する疎水性の部分である。アルキルビニルエーテルとしては、ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、オクタデシルビニールエーテル、イソアミルビニールエーテルなどが用いられる。構成単位(A)の官能基R1の炭素数は、水溶液粘度が高く、反応時に微細気泡の安定性の点で、ドデシル基に相当する12からオクタデシル基に相当する18が好ましい。
一般式(1)、(2)の双方に現れる構成単位(B)はビニルエステルが鹸化されずに残った部分であり、比較的反応生成物の安定性に関与する。ビニルエステルとしては、酢酸ビニル、酪酸ビニル、ドデカン酸ビニールエステル、オクタデカン酸ビニールエステル、分岐状脂肪酸ビニールエステルなどが用いられ、中でも、酢酸ビニールがより好ましく用いられる。
一般式(1)に現れる繰り返し単位(D)は、変性PVA分子内の1,3グリコールがアルデヒド類とアセタール化反応して、分子内架橋された六員環部分である。なお、本発明の変性PVAt系スポンジは、PVA分子内の2,3グリコール、または1,4グリコールがアセタール化反応した五員環、または七員環があってもよく、また、分子間でアセタール化反応して分子間架橋された部分があってもよい。
【0016】
以下、本発明の他の目的であるPVAt系スポンジの製造方法について詳述する。一般のPVAt系スポンジの製造は、前述の通りPVAとアルデヒド類および無機酸等の架橋反応用触媒を混合した水溶液中に、例えば澱粉等の微粒子からなる気孔形成剤を分散し、その状態でPVAの架橋反応を行ない、澱粉の存在する部分を気孔として反応を完結せしめ、然る後澱粉等を分解し反応系から抽出する気孔剤抽出法、あるいは何らかの機械的方法、例えばPVAとアルデヒド類および無機酸等の架橋反応用触媒を混合した水溶液中に、発泡装置等による気泡の吹き込みや、回転による気泡巻き込みを行ないその状態で架橋反応を行ない液を固化して発泡体とする方法、あるいは、発泡剤を混合し、系全体が発泡した状態で架橋反応を行ない液を固化して発泡体とするいわゆる発泡法を挙げることができる。特に、発泡法の場合はある種の界面活性剤を添加使用し気泡の均質化と安定化を計ることが多い。本発明のPVAt系スポンジの製造方法は、これらの製造方法において、少なくとも一部のPVAとして特定の変性PVAを使用することをその要旨とするものである。
なお、本発明のPVAt系スポンジの製造方法においても、一般のPVAt系スポンジの製造方法と同様、気泡の均質化と安定化のために界面活性剤等の添加剤を加えてもよい。
【0017】
即ち、一般式(2)の変性PVAは疎水性のアルキル基を側鎖に持つため、aおよびbが前述の数式に示される範囲内では水溶性を示すが、側鎖の疎水基相互の会合により極めて高粘度の水溶液となり、通常のPVA水溶液の10ないし100倍の水溶液粘度を示す。この変性PVAの水溶液にアルデヒド類および無機酸等の架橋反応用触媒を混合した反応用の原液は極めて高い粘度を示し、この状態で微細気泡を吹き込んでも、容易に上昇して消滅したり、気泡同志が合体して不自然に大きな気泡を形成することなく、また隣接する気泡同志の間の境界膜が消失してしまうこともない。微細な気泡を吹き込み、均質に分散した状態で架橋反応を行ない液の固化を行なえば、その状態で多孔質構造のPVAt系スポンジを得ることができる。すなわち、この変性PVAを使用することにより、発泡剤を使用する必要もなく、また、ある種の界面活性剤を使用する必要もない。
【0018】
本発明に言うアルデヒド類とは末端にアルデヒド基を持つ化合物であり、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、エナントアルデヒド等の脂肪族アルデヒド、ベンズアルデヒド等の芳香族アルデヒド、更には多価のアルデヒド等をあげることができるが、本発明のPVAt系スポンジ、特に好ましい弾性を有するものの原料としては脂肪族アルデヒドのうち比較的分子量の小さいもの、具体的にはホルムアルデヒド、アセトアルデヒドが選択的に使用される。PVAとの反応に当たっては、PVA分子の持つ水酸基の2個とアルデヒド1個とが酸触媒の存在下で脱水反応を起こし、水1分子を脱離し架橋する。この反応は同時にPVA分子の持つ水酸基を封鎖して、PVAを水に不溶なPVAt系ポリマーに変様させてゆく。この反応は前述の如く逐次反応であり、緩慢に進行することをその特徴とする。
【0019】
また、本発明で使用される触媒とは酸類を指すものである。触媒の種類については特に限定を受けるものではなく、具体的には蟻酸、酢酸、乳酸、蓚酸、酪酸、マレイン酸、アジピン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸類、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸等の無機酸類、あるいは強酸と弱塩基からなる塩等水溶液中で酸性を示す塩類、更には有機アミンの塩酸塩等加温することによって酸を発生するもの等を挙げることができる。効力の高さと持続性および取り扱いの容易さとから、本発明においては塩酸、硫酸等の鉱酸類を使用することがより好適である。
【0020】
【実施例及び比較例】
本発明のPVAt系スポンジの特徴およびその製造方法については以下、実施例および比較例に従い具体的に説明するがこれによって特に限定を行なうものではない。実施例および比較例において使用した製造方法は発泡機を用いて気泡を反応液中に吹き込むことを基本としたものである。即ち、原料となる変性PVAを水中に分散し、加熱溶解してPVA水溶液を調整し、それを室温、つまり20〜30℃まで冷却する。この液を発泡機中に導入して、必要量のホルマリンと必要に応じて界面活性剤を添加し、圧縮ポンプにより微細気泡を送り込んでから補助ポンプを用いて触媒である硫酸水溶液の所定量を注入し、十分に撹拌し更に均一混合を行なう。この液を所定の型枠に注型した後、その型枠を約60℃の反応温度に維持した水槽あるいは反応槽中に10〜20時間程度静置し反応を完結せしめる。反応が完結した後、生成物を型枠より取り出し、水洗等の手段により触媒としての硫酸や未反応のホルマリン、界面活性剤等を除去する。発泡装置は、送液ポンプ、圧縮気体挿入部、ミキシング部、圧力制御部を備え、連続的に気体を液体中に均一に混合分散することができる。実際に使用した発泡装置は愛工舎製TW−70型であり、撹拌回転数1000rpm、発泡圧力1.0〜1.5kgf/cm2の条件下で使用した。
実施例および比較例において使用されたPVAおよび変成PVAの詳細を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
実施例1〜6、比較例1,2
表1に示された変性PVAおよび、市販の完全鹸化PVAを原料として用い、前述の発泡装置を用いてPVAt系スポンジの製造実験を行なった。実験の詳細および結果を表2に示す。
【0023】
【表2】
【0024】
実施例3および実施例4のホルマール化率2d/(a+b+c+2d)、平均気孔径、気孔率、30%圧縮時応力の測定結果を表3に示す。
【0025】
【表3】
【0026】
【発明の効果】
表2、表3に示した結果から明らかな通り、本発明においては特定の変性PVAt系ポリマーを用いることにより、界面活性剤等の助剤を用いることなく良好な弾力性を持ったPVAt系スポンジを得ることができる。従来のPVAt系スポンジがその製造過程において気孔形成材である澱粉類や、形成助材である界面活性剤を使用することがないので、製造後の洗浄工程において排液にこれらの有機性の成分の流出がなく、BOD(生物化学的酸素要求量)やCOD(化学的酸素要求量)を上昇させることがなく、廃液処理設備への負荷が極端に軽減され、環境に及ぼす悪影響が軽減されるのみならず、総合的な製造コストの低減にも繋がり、業界に資すること極めて大である。
Claims (6)
- 請求項第1項および第2項記載のポリビニールアセタール系スポンジ中における微細気泡の平均気孔径が60〜5000μmであり、かつその比率が、容量比において80容量%以上であることを特徴とするポリビニルアセタール系スポンジ。
- 気孔構造が連続気孔であることを特徴とする請求項第1項ないし第3項記載のポリビニルアセタール系スポンジ。
- 気孔構造が連続気孔と独立気泡が混在していることを特徴とする請求項第1項ないし第3項記載のポリビニールアセタール系スポンジ。
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- 1998-11-26 JP JP33557998A patent/JP3806857B2/ja not_active Expired - Lifetime
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