JP3510723B2 - 積層体およびその製造方法 - Google Patents

積層体およびその製造方法

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JP3510723B2 JP30123695A JP30123695A JP3510723B2 JP 3510723 B2 JP3510723 B2 JP 3510723B2 JP 30123695 A JP30123695 A JP 30123695A JP 30123695 A JP30123695 A JP 30123695A JP 3510723 B2 JP3510723 B2 JP 3510723B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層体およびその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭62−13441号公報に開示さ
れている再膨張性プラスチックチップのように、独立気
泡樹脂発泡体からなり、一旦収縮状態になっていて、樹
脂の弾性回復力と、気泡膜(セル膜)を通しての外部か
ら独立気泡(セル)内への空気の透過とによって徐々に
形状が回復するようになっている遅延された形状回復性
を有する発泡体(以下、「形状回復性発泡体」と記す)
が、既に提案されている。
【0003】すなわち、この形状回復性発泡体は、上述
のように、当初収縮状態になっていて、徐々に形状が、
略収縮前の元の独立気泡樹脂発泡体の厚みまで回復する
ようになっているため、収縮状態時であれば、嵩張らず
搬送や施工性に優れている。しかも、形状回復によって
シール性や断熱性も備えたものとなり、断熱材やシール
材等として有望視されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、断熱材やシ
ール材の場合、用いる場所によっていろいろな厚みや形
状のものが要求されるが、いろいろな厚みに応じて金型
や圧縮装置を製造したのでは、製造コストがかかりすぎ
ると言う問題がある。また、厚みの厚い形状回復性発泡
体を得ようとすると、原料となる独立気泡樹脂発泡体も
厚いものにしなければならない。
【0005】しかし、厚い独立気泡樹脂発泡体を全体的
に均一に収縮させようとすると、どうしても収縮に時間
がかかってしまい、生産性が悪いという問題がある。本
発明は、このような事情に鑑みて、遅延された形状回復
性を有し、嵩張らず、搬送性や施工性に優れ、断熱材や
シール材としても使用可能であるとともに、生産性よく
製造できる積層体およびその製造方法を提供することを
目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、請求項1に記載の発明にかかる積層体(以
下、「請求項1の積層体」と記す)は、少なくとも1層
の遅延された形状回復性を有する発泡体層を備え、この
発泡体層がその表面部分でのみ一部溶融され、隣接する
層と融着されている構成とした。
【0007】上記構成において、形状回復性発泡体を構
成する樹脂としては、特に限定されないが、圧縮永久歪
み(JIS K 6767に準拠)が20%以下のも
の、特に10%以下のものが形状回復性に優れ好まし
い。
【0008】このような樹脂としては、以下のような熱
可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂等が挙げれる。
【0009】〔熱可塑性樹脂〕ポリエチレン,ポリプロ
ピレン,エチレン−プロピレン共重合体,エチレン−プ
ロピレン−ジエン共重合体,エチレン−酢酸ビニル共重
合体等のオレフィン系樹脂、ポリメチルアクリレート,
ポリメチルメタクレート,エチレン−エチルアクリレー
ト共重合体等のアクリル系樹脂、ブタジエン−スチレ
ン,アクリロニトリル−スチレン,スチレン,スチレン
−ブタジエン−スチレン,スチレン−イソプレン−スチ
レン,スチレン−アクリル酸等のスチレン系樹脂、アク
リロニトリル−ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニル−エチ
レン等の塩化ビニル系樹脂、ポリフッ化ビニル,ポリフ
ッ化ビニリデン等のフッ化ビニル系樹脂、6−ナイロ
ン,6・6−ナイロン,12−ナイロン等のアミド樹
脂、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフ
タレート等の飽和エステル系樹脂、ポリカーボネート、
ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリフェ
ニレンスルフィド、シリコーン樹脂、熱可塑性ウレタン
樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミ
ド、各種エラストマーやこれらの架橋体。
【0010】〔熱硬化性樹脂〕エポキシ系樹脂、フェノ
ール系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、イミド
系樹脂、ユリア系樹脂、シリコーン系樹脂、不飽和ポリ
エステル系樹脂の硬化物等。 〔天然樹脂〕天然ゴム、セルロース、デンプン、蛋白
質、うるしなどの樹液等 なお、これらの樹脂は単独で用いても2種以上併用して
も良い。
【0011】また、上記樹脂の中でも、特に形状回復性
に優れるものとして、オレフィン樹脂、スチレン系樹
脂、アミド系樹脂、アクリル共重合体、軟質ポリウレタ
ン、軟質塩化ビニル樹脂、ポリアセタール、シリコーン
樹脂、各種エラストマーが特に挙げられる。原料発泡体
の独立気泡率は、本発明の積層体として必要とする回復
量により決まり、60%〜100%が好ましい。
【0012】本発明で使用される発泡剤としては、特に
限定されないが、たとえば、分解型の発泡剤としてアゾ
ジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスイソブチロニ
トリル(AIBN)、ジニトロソペンタメチレンテトラ
ミン(DPT)、p−トルエンスルホニルヒドラジド
(TSH)、ベンゼンスルホニルヒドラジド(BSH)
及び、重炭酸ナトリウムなどが挙げられ、揮発型の発泡
剤として炭酸ガス、プロパン、メチルエーテル、ペンタ
ン、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンなどの気体
およびエーテル、石油エーテル、アセトン、エタノー
ル、水などの揮発性液体が挙げられる。
【0013】また、これらの発泡剤のうち、炭酸ガス
等、透過性の大きいガスを用いることが好ましい。ま
た、これら発泡剤と共に、発泡速度を調節する発泡助剤
を添加してもよい。因に、発泡速度を速める発泡助剤と
して、ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸カルシウム等の
金属石けん、亜鉛華,硝酸亜鉛等の無機塩、アジピン
酸,シュウ酸等の酸類が挙げられ、発泡速度を遅延する
発泡助剤として、マレイン酸,フタル酸等の有機酸、無
水マレイン酸,無水フタル酸等の有機酸無水物、ジブチ
ル錫マレート,塩化錫等の錫化合物が挙げられる。
【0014】発泡助剤は、使用する樹脂,発泡剤,助剤
の種類によって異なるが、通常熱可塑性樹脂100重量
部に対して0.1〜2重量部程度の添加割合で添加され
ることが好ましい。すなわち、添加量が0.1重量部以
下では、効果が小さく、2重量部以上では飽和状態とな
り、それ以上の添加効果がなくなる恐れがある。
【0015】また、上記発泡体には、充填剤、補強繊
維、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃剤等を必
要に応じて混合されていても構わない。充填剤として
は、たとえば、炭酸カルシウム、タルク、クレー、酸化
マグネシウム、酸化亜鉛、カーボンブラック、二酸化ケ
イ素、酸化チタン、ガラス粉、ガラスビーズ等が挙げら
れる。
【0016】補強繊維としては、たとえば、ガラス繊
維、炭素繊維等が挙げられる。着色剤としては、たとえ
ば、酸化チタン等の顔料が挙げられる。酸化防止剤とし
ては、一般に用いれるものであれば、特に限定されず、
たとえば、テトラキス〔メチレン(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート)〕メタ
ン、チオジプロピオン酸ジラウリル、1,1,3−トリ
ス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェ
ニル)ブタン等が挙げられる。
【0017】難燃剤としては、ヘキサブロモフェニルエ
ーテル,デカブロモジフェニルエーテル等の臭素系難燃
剤、ポリリン酸アンモニウム、トリメチルホスフェー
ト、トリエチルホスフェート等の含リン酸系難燃剤、メ
ラミン誘導体、無機系難燃剤等の1種又は2種以上の混
合物が挙げられる。形状回復性を有する発泡体を得る方
法としては、特に限定されないが、たとえば、以下のよ
うな方法が挙げられる。
【0018】 炭酸ガスや液化ガス等のガス透過係数
agent が空気のガス透過係数Pai r より大きく、常温
でガスもしくは常温で液化するガスを発泡ガスとして用
いて原料発泡体を得たのち、気泡膜を通る発泡ガスの透
過量と大気中の空気の透過量の差によって独立気泡内を
一旦減圧状態にして大気圧によって収縮させる方法。
【0019】すなわち、Pagent >Pair となるガスを
発泡剤として用いた場合、独立気泡(セル)内から気泡
膜(セル膜)を通して外界(大気中)へ逃げる(透過)
ガス量の方が、外界から独立気泡内へ入るガス量よりも
多くなり、独立気泡内圧<外界圧(大気圧)となる。こ
の時、発泡体には外界圧で圧縮される力F1 とそれに抵
抗する樹脂の弾性力F2 がかかり、F1 とF2 が釣り合
う状態まで発泡体が収縮する。収縮が進行するにしたが
って独立気泡内から外界へ逃げるガス量が次第に減少
し、しばらくすると独立気泡内から外界へ逃げるガス量
と外界から独立気泡内に入るガス量が平衡に達し収縮が
停止し、遅延された形状回復性を有する発泡体となる。
この発泡体は、その後、樹脂の弾性回復力により独立気
泡の内外圧力と釣り合いながらほぼ元の原料発泡体の形
状に形状回復していく。
【0020】 の発泡ガス以外のガスを発泡ガスと
して用いて原料発泡体を形成したのち、この原料発泡体
に発泡体を構成する樹脂の弾性変形領域内の圧縮歪みを
所定時間以上加え、原料発泡体を収縮させる方法。
【0021】すなわち、原料発泡体に外部から短時間だ
け弾性領域内の圧縮歪みを与えたのでは、発泡体内の独
立気泡の内圧が上昇するため、直後に外力を取り除けば
発泡体は瞬時に元の形状に回復する。しかし、上記のよ
うに所定時間以上その歪みを保持させれば、樹脂のガス
透過性により独立気泡内のガスが気泡膜から徐々にぬけ
てゆき内圧と外圧とが釣り合い、外力を取り除いても瞬
間的な形状回復は起こらず、遅延された形状回復性を有
する発泡体となる。この発泡体は、その後樹脂の弾性回
復力により独立気泡の内外圧力と釣り合いながら徐々に
元の原料発泡体の形状に形状回復してゆく。
【0022】なお、原料発泡体に圧縮歪みを与える方法
としては、特に限定されないが、たとえば、原料発泡体
をロール間や無端ベルト間を通す方法、あるいは、原料
をプレス板間に挟み込む方法等が挙げられる。
【0023】 の発泡ガス以外のガスを発泡ガスと
して用いて、減圧下で発泡させ独立気泡中のガス圧力を
大気圧以下とした状態で冷却固定して原料発泡体を得た
のち、この原料発泡体を大気中に取り出し大気圧によっ
て収縮させる方法。すなわち、原料発泡体の独立気泡内
が減圧状態になっているため、原料発泡体を大気中に取
り出すと、独立気泡内のガス圧力が大気圧と釣り合うよ
うになるまで、大気圧によって原料発泡体が収縮して遅
延された形状回復性を有する発泡体となる。この発泡体
は、その後、樹脂の弾性回復力により独立気泡の内外圧
力と釣り合いながら徐々にもとの原料発泡体の形状に形
状回復してゆく。圧力と釣り合いながら徐々にもとの厚
さに回復してゆくもの。
【0024】 冷却すると液化し沸点が成形温度以下
の発泡剤を使用して原料発泡体を製造し、この原料発泡
体を沸点以下に冷却して大気圧によって収縮させる方
法。すなわち、原料発泡体を発泡剤の沸点以下まで冷却
すると、独立気泡内の発泡剤も冷却されて気体から液体
になる。このとき発泡剤の体積収縮によって独立気泡内
圧<外界圧(大気圧)となり原料発泡体が収縮して遅延
された形状回復性を有する発泡体となる。この発泡体
は、の後樹脂の弾性回復力により独立気泡の内外圧力と
釣り合いながら徐々にもとの原料発泡体の形状に形状回
復してゆく。
【0025】なお、上記のように、原料発泡体を圧縮
する場合、圧縮時の温度は、原料発泡体を構成する樹脂
の軟化点(非晶性樹脂についてはガラス転移点、結晶性
樹脂については融点を軟化点とする)以下である。すな
わち、軟化点以上の温度で圧縮を行った場合、抜重後の
発泡体の形状回復能がなくなる恐れがある。形状回復性
発泡体の独立気泡率は、必要とする回復量により決ま
り、60%〜100%が好ましい。
【0026】一方、請求項2に記載の発明にかかる積層
体の製造方法(以下、「請求項2の製造方法」と記す)
は、予め溶融状態にした加熱により溶融する融着材料を
間に介在させて、形状回復性発泡体と被積層材とを貼り
合わせるようにした。形状回復性発泡体としては、請求
項1の積層体と同様のものが挙げられる。
【0027】被積層材としては、特に限定されず、たと
えば、上記のような形状回復性発泡体、遅延された形状
回復性を持たない独立気泡樹脂発泡体、樹脂成形体等が
挙げられる。
【0028】融着材料としては、溶融状態で形状回復性
発泡体または被積層材と融着して、冷却後も剥離しない
ものであれば、特に限定されないが、たとえば、ポリエ
チレン,ポリプロピレン,エチレン−プロピレン共重合
体,エチレン−プロピレン−ジエン共重合体,エチレン
−酢酸ビニル共重合体等のオレフィン系樹脂、ポリメチ
ルアクリレート,ポリメチルメタクレート,エチレン−
エチルアクリレート共重合体等のアクリル系樹脂、ブタ
ジエン−スチレン,アクリロニトリル−スチレン,スチ
レン,スチレン−ブタジエン−スチレン,スチレン−イ
ソプレン−スチレン,スチレン−アクリル酸等のスチレ
ン系樹脂、アクリロニトリル−ポリ塩化ビニル,ポリ塩
化ビニル−エチレン等の塩化ビニル系樹脂、ポリフッ化
ビニル,ポリフッ化ビニリデン等のフッ化ビニル系樹
脂、6−ナイロン,6・6−ナイロン,12−ナイロン
等のアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート,ポリブ
チレンテレフタレート等の飽和エステル系樹脂、ポリカ
ーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセター
ル、ポリフェニレンスルフィド、シリコーン樹脂、熱可
塑性ウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ
エーテルイミド、各種エラストマーやこれらの架橋体が
挙げられる。
【0029】また、融着材料の貼り合わせ時の溶融温度
は、溶融温度<形状回復性発泡体を構成する樹脂の融点
+20℃とすることが好ましい。すなわち、溶融温度≧
形状回復性発泡体を構成する樹脂の融点+20℃となる
と、貼り合わせ時に、形状回復性発泡体がその独立気泡
に損傷を受け、形状回復性を損なう恐れがある。
【0030】融着材料を溶融させる方法としては、特に
限定されないが、たとえば、ヒーター、オーブン、熱ロ
ール、熱プレス等で加熱溶融させる方法が挙げられる。
なお、融着材料は、形状回復性発泡体および/または被
積層材の貼り合わせ面の所望部分に予め一体に設けてお
くことが好ましい。すなわち、予め融着材料が一体に設
けられていると、施工現場等で融着材料をヒーター等で
加熱溶融させるだけで、被積層材あるいは形状回復性発
泡体に積層することができ施工性を向上させることがで
きる。
【0031】因に、形状回復性発泡体に融着材料を予め
一体化させる方法としては、特に限定されないが、たと
えば、以下のような方法が挙げられる。 A.形状回復性発泡体を押出機を用いて製造する場合
に、形状回復性発泡体の片面もしくは両面に加熱により
溶融する材料を共押出する方法。
【0032】B.形状回復性発泡体の原料となる熱分解
形発泡体原反を押出機を用いて製造する場合に、発泡体
原反の片面もしくは両面に加熱により溶融する材料を共
押出し、その後に形状回復性発泡体を得る方法。 C.加熱により溶融する材料となる樹脂シート、網目状
樹脂シート、樹脂チップなどを形状回復性発泡体の表面
に重ねておき、オーブン、ヒーター、熱ロール、熱プレ
ス等により樹脂シート、網目状樹脂シート、樹脂チップ
などを加熱溶融し、発泡体の表面に融着一体化する方
法。
【0033】他方、請求項3に記載の発明にかかる積層
体の製造方法(以下、「請求項3の製造方法」と記す)
は、形状回復性発泡体と、被積層材との間に高周波によ
り感応し発熱する発熱材料を挟み込んだ状態で、高周波
をかけて前記発熱材料を発熱させ、少なくとも前記発泡
体の表面部分を溶融し、形状回復性発泡体と被積層材と
を融着により貼り合わせるようにした。
【0034】形状回復性発泡体を構成する樹脂として
は、発熱材料として用いられる樹脂を除けば、特に限定
されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオ
レフィン、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリカーボネー
ト、アクリル樹脂等が挙げられる。
【0035】被積層材としては、請求項1の積層体と同
様のものが挙げられる。発熱材料としては、特に限定さ
れないが、たとえば、誘電損失係数の大きい材料単独
または、それらを樹脂に分散したもの、電磁誘導され
る材料単独または、それらを樹脂に分散したものが挙げ
られる。
【0036】なお、誘電損失係数とは、比誘電率(ε
r)×誘電力率(tan δ)で算出できる。誘電損失
係数は、大きいほど高周波を印加した時に発熱が大き
く、0.01以上の材料が好ましいが、印加する高周波
の周波数および発熱させる温度によって異なり、適宜選
択することができる。
【0037】誘電損失係数の大きい材料としては、特に
限定されないが、たとえば、塩化ビニル樹脂、塩化ビニ
リデン樹脂、ナイロン、ネオプレン、エポキシ樹脂等の
樹脂、木材、ソーダガラス、粘土等が挙げられる。
【0038】電磁誘導される材料は、特に限定されない
が、電気抵抗が100オーム以下のものが好ましく、こ
のような材料として、鉄,アルミニウム,銅,銀,ニッ
ケル等の金属、アルメルクロメル,ニクロム等の合金、
ポリアセチレン,ポリアニリン,ポリピロール等の導電
性樹脂、カーボンブラック等が挙げられる。また、誘電
損失係数の大きい材料の場合、誘電損失係数により異な
るが、発熱材料として粒子状の材料を使用する時には、
概ね平均粒径10μmで0.5〜50g/m2 、平均粒径
5μmで0.1〜10g/m2 の割合で発熱材料粒子を形
状回復性発泡体と他の積層材との間に介在させることが
好ましい。
【0039】印加する高周波の周波数は、誘導加熱の場
合、特に限定されないが、誘電加熱の場合、105 〜1
10ヘルツ程度が好ましい。高周波を印加する方法とし
ては、誘電加熱の場合、高周波電場内に貼り合わせる材
料を入れる方法が挙げられ、誘導加熱の場合、高周波電
場内に貼り合わせる材料を入れる方法および電磁コイル
を発熱材料としての誘電材料面に近づけて行う方法が挙
げられる。
【0040】発熱材料の形状は、特に限定されないが、
シート状、網目状、粉末状、チップ状などが挙げられ
る。また、発熱材料の厚みはできるだけ薄い方が好まし
い。なお、発熱材料は、形状回復性発泡体および/また
は被積層材の貼り合わせ面の所定部分に予め一体に設け
ておくことが好ましい。
【0041】因に、形状回復性発泡体に発熱材料を予め
一体化させる方法としては、特に限定されないが、たと
えば、以下のような方法が挙げられる。 a.形状回復性発泡体を押出機を用いて製造すると同時
に形状回復性発泡体の片面もしくは両面に樹脂製発熱材
料および発熱材料粒子混合樹脂を共押出する方法。
【0042】b.形状回復性発泡体の製造途中(たとえ
ば、熱分解形発泡剤を使用する常圧発泡法のようなシー
ト状の発泡原反の段階)に、または、製造したのちに発
泡材料を貼り付ける方法。なお、発熱材料混合樹脂シー
トは、特に限定されないが、たとえば、樹脂に発熱材料
粒子を混練してシート状に成形する方法、溶剤に溶かし
た樹脂中に発熱材料粒子を混合し、この混合液をシート
状にし、溶剤を乾燥させて成形(キャスティング成形)
する方法、樹脂シートに発熱材料粉体を噴霧する方法等
によって得ることができる。
【0043】また、請求項2および請求項3の製造方法
において、形状回復性発泡体に被積層材あるいは発熱材
料を積層する方法としては、特に限定されないが、たと
えば、熱融着による方法、粘接着剤による方法、ピン等
の機械的接合を利用する方法等が挙げられる。形状回復
性発泡体および被積層材は、長尺ものでも短尺ものでも
構わない。長尺ものの場合バッチ式の積層方法だけてな
く連続積層方法も採用することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面を参照しつつ詳しく説明する。図1は、請求項1の積
層体の実施の形態をあらわしている。図1に示すよう
に、この積層体1は、2つの発泡体層11,11と、2
つの発泡体層11,11の間に介在する融着材層12と
から構成されている。
【0045】すなわち、この積層体1は、2つの発泡体
層11,11が、原料発泡体としての独立気泡樹脂発泡
体を樹脂の弾性変形領域内で厚み方向に圧縮することに
よって形成されていて、融着材層12との界面でその表
面の一部が融着されることよって、融着材層12を介し
て一体化されており、発泡体層11,11が、元の独立
気泡樹脂発泡体13の厚みまで徐々に形状を回復してい
くようになっている。
【0046】したがって、搬送時には厚みの薄い状態で
搬送することができ、搬送性に優れている。しかも、施
工時も薄い状態で使用することができ、狭い場所にも簡
単にセットするとこができる。勿論、セット後に発泡体
層11が形状回復して施工場所に密に充填されるように
なるので、断熱性やシール性にも優れたものとなる。し
かも、製造時間の短い薄い2枚の形状回復性発泡体を用
いて製造することができるので、2倍の厚みの形状回復
性発泡体単体のみからなるものに比べ製造時間が短くな
り、生産性に優れている。
【0047】図2は、請求項2の製造方法の実施の形態
をあらわしている。図2に示すように、この製造方法
は、押出機等から連続的に押し出され、ロールプレスや
ベルトプレス等によって予め所定厚みまで収縮させるこ
とよって得られた形状回復性発泡体シート21,21
と、融着材料としての樹脂シート22とを重ね合わせる
とともに、樹脂シートが重ね合わされる手前でヒータ2
3,23によって樹脂シート22を両側から加熱して溶
融状態にしたのち、両形状回復性発泡体シート21,2
1によって挟み込み、この樹脂シート22の溶融物を介
して両形状回復性発泡体シート21,21を貼り付ける
ことによって上記積層体1を連続的に得ることができる
ようになっている。
【0048】すなわち、この製造方法によれば、溶融し
た融着材料を介して両形状回復性発泡体シート21,2
1を貼り付けるようになっているので、形状回復性発泡
体シート21の形状回復性を損なうことなく図1の積層
体1を連続的に得ることができる。
【0049】図3は請求項2の製造方法の他の実施の形
態をあらわしている。図3に示すように、この製造方法
は、まず、一方の形状回復性発泡体シート31に樹脂シ
ート32を重ねたのち、樹脂シート32の上方からヒー
タ33によって樹脂シート32を溶融状態とする。つぎ
に、この樹脂溶融物の上から他方の形状回復性発泡体シ
ート31を貼り付けて図1の積層体1を得るようにした
以外は、図2の製造方法と同様になっている。
【0050】図4は請求項3の製造方法の実施の形態を
あらわしている。図4に示すように、この製造方法は、
押出機41の先端に設けられたサーキュラーダイ41a
からガス発泡剤が圧入された発泡性樹脂材料を押し出
し、押し出し発泡によって原料発泡体42を製造したの
ち、この原料発泡体42をベルトプレス装置43によっ
て圧縮し、形状回復性発泡体44を得る。
【0051】続いて、鉄粉等の発熱材料粉末45を落下
させて形状回復性発泡体44の上面に載せた状態で、こ
の上面から形状回復性発泡体や形状回復性を持たない発
泡体を被積層材46として重ねたのち、高周波発生装置
47内を通し、高周波を印加して形状回復性発泡体44
と被積層材46との間に挟まれた発熱材料粉末45を発
熱させる。すなわち、この発熱によって形状回復性発泡
体44および被積層材46が発熱材料粉末45との界面
でその表面部分のみ溶融する。
【0052】そして、高周波発生装置47から出てきた
ものを冷却すると、形状回復性発泡体44および被積層
材46の溶融部分が固化し、形状回復性発泡体44と被
積層材46とが直接融着されるか発熱材料粉末45を介
して融着されて本発明の積層体4を得ることができる。
すなわち、この製造方法によれば、形状回復性発泡体4
4が発熱材料粉末45の界面である表面部分のみが溶融
されて融着されるため、形状回復性発泡体44の形状回
復性を損なうことなく積層体4を得ることができる。
【0053】図5は請求項3の製造方法の他の実施の形
態をあらわしている。図5に示すように、この製造方法
は、一方の押出機51aから発泡性樹脂材料を、他方の
押出機51bから発熱材料としてのカーボンブラックや
金属粉末が混練された樹脂材料を両押出機51a,51
bの先端に設けられた複層サーキュラーダイ52から共
押出し、発泡性樹脂材料を発泡させて、独立気泡樹脂発
泡体53の一側面にシート状発熱材料54が一体に設け
られた原料発泡体55を得る。
【0054】つぎに、この原料発泡体55をベルトプレ
ス装置56によって圧縮し、一側面にシート状発熱材料
54が一体に設けられた形状回復性発泡体57を得る。
そして、図4の製造方法と同様にシート状発熱材料54
の上方から被積層材58を重ねたのち、高周波発生装置
59に導入し、高周波を印加してシート状発熱材料54
を発熱させて溶融し、形状回復性発泡体57と被積層材
58とを融着して積層体5を得るようになっている。
【0055】図6および図7は請求項3の製造方法の他
の実施の形態をあらわしている。この製造方法は、ま
ず、図6(a)に示すように、発泡剤が混合された発泡
性樹脂材料を押出機61から押出して発泡原反62を得
る。つぎに、図6(b)に示すように、この発泡原反6
2を電子線照射装置63に導入して樹脂を架橋させて架
橋発泡原反64を得る。
【0056】図6(c)に示すように、得られた架橋発
泡原反64を発泡炉65に導入し、発泡させたのち、得
られた原料発泡体シート66をベルトプレス装置(図示
せず)で圧縮して形状回復性発泡体シートを得る。図7
に示すように、得られた形状回復性発泡体シート68,
68を発熱材料である樹脂中にカーボンブラック、鉄
粉、銅粉等を分散させたシート状発熱材料69を間に介
在させた状態で重ね合わせ高周波発生装置70に導入
し、高周波を印加してシート状発熱材料69を発熱させ
て溶融し、形状回復性発泡体シート68,68をシート
状発熱材料69を介して融着して積層体6を得るように
なっている。
【0057】
【実施例】つぎに、本発明を、実施例を参照にしてより
詳しく説明する。 (実施例1)低密度ポリエチレン(三菱油化社製 ZC
30、融点110℃)100重量部に対し炭酸ガス4重
量部を圧入し、押出発泡して得た原料発泡体(発泡倍率
20倍、500×500mm、厚さ10mm、独立気泡率8
5%)を、発泡直後に図8の装置8の焼結金属製のプレ
ス板81,81の間に挟み込み、ボルト82,82を締
め込むことによって、スペーサ83の厚みまで厚み方向
にプレスし、プレス状態を2時間保持したのち、厚さ方
向にのみ収縮した厚さ2mmの形状回復性発泡体84を得
た。
【0058】この形状回復性発泡体84にエチレン−酢
酸ビニル共重合体シート(三菱油化社製EVA20F
(500×500mm、厚さ1mm、融点100℃))を重
ね、100℃の熱風によってエチレン−酢酸ビニル共重
合体シートのみを溶融状態したのち、この溶融状態のエ
チレン−酢酸ビニル共重合体シートの上から、別の形状
回復性発泡体84を貼り合わせ、図1に示すような積層
体を得た。得られた積層体の厚みは4mmであった。この
積層体を常温常圧下で30日間放置したところ、15mm
まで形状回復した。
【0059】(実施例2)低密度ポリエチレン(三菱油
化社製 ZC30、融点110℃)100重量部に対
し、ペンタンガス(沸点37℃)10重量部を圧入し、
発泡体(発泡倍率30倍、幅100mm、厚さ8mm、独立
気泡率85%)を押出発泡させるとともに、低密度ポリ
エチレン(三菱油化社製 ZC30、融点110℃)を
シート状(幅100mm、厚さ1mm)にして共押出し発泡
体の上面の片面だけに低密度ポリエチレン層が積層され
た積層材を得た。
【0060】この積層材を50℃に保ちながら、100
mm×400mmで2枚裁断し、この2枚積層材の内、一方
の積層材の低密度ポリエチレン層を130℃に熱したア
イロンによって溶融し、他方の積層材の発泡体側に積層
して厚さ16mmの原料積層体を製造した。この原料積層
体をダブルベルト3mmに圧縮しながら、25℃に冷却し
たところ100×400mm、厚さ4mmの積層体が得られ
た。この積層体を常温常圧下で30日間放置したとこ
ろ、13mmまで形状回復した。
【0061】(比較例1)低密度ポリエチレン(三菱油
化社製 ZC30、融点110℃)100重量部に対し
炭酸ガス4重量部を圧入し、押出発泡して厚さ20mmの
原料発泡体(発泡倍率20倍、500×500mm、独立
気泡率85%)を得た。図8に示す装置8を用いてこの
原料発泡体を厚み4mmまで圧縮したところ、所望の遅延
された形状回復性を有する発泡体となるまで4時間を要
した。
【0062】なお、上記実施例1,2および比較例1に
おいて、発泡倍率、独立気泡率は、以下のようにして求
めた。 〔発泡倍率〕得られた発泡体から縦35mm×横35mmの
小片を切り出し、その小片を、水が入れられたメスシリ
ンダー内に沈めて、その体積Aを測定するとともに、電
子天秤を用いてその重量を測定する。そして、得られた
発泡体の重量を、発泡体の小片の体積Aで除し、発泡体
の密度を算出し、発泡倍率=用いた樹脂の密度/発泡密
度の式により求める。
【0063】〔独立気泡率〕空気比較式比重計1000
型(東京サイエンス社製)を用い、1〜1/2〜1気圧
法で体積B(独立気泡体積+樹脂体積)を測定する。そ
して、独立気泡率=(体積B−重量/樹脂の密度)/
(体積A−重量/樹脂の密度)の式により求める。
【0064】(実施例3)L/D=35、スクリュー径
50mm、バレル途中から発泡剤の注入を可能とした一軸
押出機を用い、形状回復性発泡体原料としての低密度ポ
リエチレン(三菱油化社製、三菱ポリエチ−LD LF
440HB)100重量部および、気泡核形成剤として
のタルク(日本タルク社製 MS)0.1重量部の混合
物と、発泡剤としてのペンタン10重量部とを原材料と
して、金型出口厚み0.5mm、外径50mmのサーキュラ
ーダイ(金型出口温度を樹脂の融点+5℃に設定)から
原料発泡体を押出発泡させた。この原料発泡体をベルト
プレス装置によってプレスして厚さ1.5mmの形状回復
性発泡体を得たのち、この形状回復性発泡体の上面全体
に発熱材料としての平均粒径10μmの鉄粉を落下させ
て1g/m2 の割合で載せた。
【0065】つぎに、発熱材料の上にさらに同様の形状
回復性発泡体を重ねたのち、高周波発生装置内に入れ、
周波数915Mヘルツ、出力10kwの高周波を5秒間
印加して発熱材料を発熱させ、両形状回復性発泡体を融
着させて積層体を得た。
【0066】(実施例4)形状回復性発泡体原料とし
て、低密度ポリエチレン(三菱化学社製、三菱ポリエチ
−LD LF440HB)に代えてポリプロピレン(ハ
イモント社製 HMS PF814)を、発泡剤として
ペンタンに代えて炭酸ガスを用いて実施例4と同様にし
て原料発泡体を得たのち、この原料発泡体をベルトプレ
ス装置によってプレスして厚さ1.5mmの形状回復性発
泡体を得た。この形状回復性発泡体の上面に、発熱材料
として鉄粉に代えてカーボンブラック(平均粒径3μ
m)を幅50mm毎に0.5g/m2 の割合で載せたの
ち、発熱材料の上にさらに同様の形状回復性発泡体を重
ねた。その後、高周波発生装置内に入れ、周波数915
Mヘルツ、出力10kwの高周波を8秒間印加して発熱
材料を発熱させ、両形状回復性発泡体を融着させて積層
体を得た。
【0067】(実施例5)発熱材料として鉄粉に代えて
カーボンブラック(平均粒径 3μm)2重量部と低密
度ポリエチレン(三菱化学社製、三菱ポリエチ−LD
LF440HB)100重量部とを混練しシート化した
もの(厚み30μm)を用いるとともに、高周波発生装
置で周波数2450Mヘルツ、出力2kwの高周波を1
5秒間印加した以外は、実施例3と同様にして積層体を
得た。
【0068】(実施例6)形状回復性発泡体原料として
の低密度ポリエチレン(三菱化学社製、三菱ポリエチ−
LD LF440HB)100重量部および、気泡核形
成剤としてのタルク(日本タルク社製 MS)0.1重
量部の混合物と、発泡剤としてのペンタン10重量部と
の混練物を一軸押出機(L/D=35、スクリュー径5
0mm、バレル途中から発泡剤の注入を可能とした一軸押
出機)から、同時に、低密度ポリエチレン(三菱化学社
製、三菱ポリエチ−LD LF440HB)100重量
部と鉄粉(平均粒径10μm)2重量部との混練物を二
軸押出機(L/D=30、スクリュー径30mmの同方向
に二軸押出機)から、それぞれ金型出口温度を低密度ポ
リエチレン(三菱化学社製、三菱ポリエチ−LD LF
440HB)の溶融温度+10℃にセットした複層サー
キュラーダイ(一軸押出機側の金型出口厚み0.5mm、
二軸押出機側の金型出口厚み0.1mm)を介して押し出
し独立気泡樹脂発泡体層の一側面に発熱材料層が積層さ
れた原料積層材を得た。
【0069】この原料積層材をベルトプレス装置によっ
てプレスして厚さ1.7mmに収縮させたのち、発熱材料
層の上面に1.5mmの厚みの形状回復性発泡体を重ねた
のち、高周波発生装置内に入れ、周波数915Mヘル
ツ、出力10kwの高周波を15秒間印加して発熱材料
を発熱させ、両形状回復性発泡体を融着させて積層体を
得た。
【0070】(実施例7)形状回復性発泡体原料として
のポリプロピレン(ハイモント社製 HMS PF81
4)100重量部および、気泡核形成剤としてのタルク
(日本タルク社製MS)0.1重量部の混合物と、発泡
剤としての炭酸ガス6重量部との混練物を一軸押出機
(L/D=35、スクリュー径50mm、バレル途中から
発泡剤の注入を可能とした一軸押出機)から、同時に、
ポリプロピレン(ハイモント社製 HMS PF81
4)100重量部とカーボンブラック(平均粒径3μ
m)5重量部との混練物を二軸押出機(L/D=30、
スクリュー径30mmの同方向に二軸押出機)から、それ
ぞれ金型出口温度をポリプロピレン(ハイモント社製
HMS PF814)の溶融温度+10℃にセットした
複層サーキュラーダイ(一軸押出機側の金型出口厚み
0.5mm、二軸押出機側の金型出口厚み0.1mm)を介
して押し出し独立気泡樹脂発泡体層の一側面に発熱材料
層が積層された原料積層材を得た。
【0071】この原料積層材をベルトプレス装置によっ
てプレスして厚さ1.7mmに収縮させたのち、発熱材料
層の上面に1.5mmの厚みの形状回復性発泡体を重ねた
のち、高周波発生装置内に入れ、周波数2450Mヘル
ツ、出力2kwの高周波を10秒間印加して発熱材料を
発熱させ、両形状回復性発泡体を融着させて積層体を得
た。
【0072】(実施例8)低密度ポリエチレン(住友化
学社製 スミカセンG201)100重量部と、アゾジ
カルボンアミド(大塚化学社製 ユニフォームAZH)
15重量部を配合したものをL/D=35、スクリュー
径90mmの一軸押出機に導入し、材料を発泡剤の分解し
ない温度で溶融混練し、金型出口厚み3mmのTダイ(金
型出口温度を低密度ポリエチレンの融点+プラス20℃
にセット)から押し出し発泡原反を得た。
【0073】この発泡原反に電子線照射(10Mra
d)を行ったのち発泡炉で発泡させたのち、ベルトプレ
ス装置で圧縮し厚さ2mmの形状回復性発泡体を得た。こ
のようにして得た2枚の形状回復性発泡体の間に、発熱
材料として平均粒径10μmの鉄粉を0.7g/m2
割合で全面にわたって介在させた状態で、高周波発生装
置内に入れ、周波数2450Mヘルツ、出力2kwの高
周波を7秒間印加して発熱材料を発熱させ、両形状回復
性発泡体を融着させて積層体を得た。
【0074】(実施例9)発熱材料を鉄粉に代えて平均
粒径3μmのカーボンブラック粉末とし、このカーボン
ブラック粉末を50mm幅毎に0.3g/m2 の割合で2
枚の形状回復性発泡体の間に介在させるとともに、周波
数915Mヘルツ、出力10kwの高周波を8秒間印加
した以外は、実施例8と同様にして積層体を得た。
【0075】(実施例10)発熱材料をカーボンブラッ
ク粉末に代えて、低密度ポリエチレン(住友化学社製
スミカセンG201)100重量部に平均粒径3μmの
カーボンブラック粉末2重量部を加えて混練したもの
を、30μmの厚みのシート状にしたものを用いるとと
もに、周波数915Mヘルツ、出力10kwの高周波を
15秒間印加した以外は、実施例8と同様にして積層体
を得た。
【0076】(比較例2)L/D=35、スクリュー径
50mm、バレル途中から発泡剤の注入を可能とした一軸
押出機を用い、形状回復性発泡体原料としての低密度ポ
リエチレン(三菱化学社製、三菱ポリエチ−LD LF
440HB)100重量部および、気泡核形成剤として
のタルク(日本タルク社製 MS)0.1重量部の混合
物と、発泡剤としての炭酸ガス6重量部とを原材料とし
て、金型出口厚み0.5mm、外径50mmのサーキュラー
ダイ(金型出口温度を樹脂の融点+5℃に設定)から原
料発泡体を押出発泡させた。この原料発泡体をベルトプ
レス装置によってプレスして厚さ mmの形状回復性発泡
体を得たのち、この形状回復性発泡体の表面を赤外線で
加熱して溶融軟化させた状態で同様にして得た他の形状
回復性発泡体と重ね合わせて積層体を得た。
【0077】(比較例3)実施例8で得た形状回復性発
泡体を比較例2と同様にして重ね合わせ積層体を得た。
上記実施例3〜10および比較例2,3で得た積層体の
形状回復性発泡体層の発泡倍率、積層体の厚み、形状回
復性発泡体層の剥離性、積層体の形状回復性発泡体層の
形状回復率を調べ、その結果を表1に合わせて示した。
【0078】なお、剥離性は、積層した一方の形状回復
性発泡体を他方から引き剥がそうとした時の剥離形態を
観察した。形状回復率は、得られた積層体を常温常圧下
で60日間放置した時の厚みを、収縮させる前の原料発
泡体の厚みと比較した。
【0079】
【表1】
【0080】(比較例4) ・スチレン−アクリロニトリル共重合体(旭化成工業社製、スライラックAS7 69) 100重量部 ・タルク(日本タルク社製 MS) 0.2重量部 を配合してなる樹脂組成物を、スクリュー押出機(φ5
0mm、L/D=30)のホッパーに投入し、押出機内で
溶融混練した。なお、押出機のシリンダー温度は、ホッ
パーから押出機先端に向かって190℃、205℃、2
20℃、220℃に設定しておいた。
【0081】つぎに、スクリュー先端部に設けられた発
泡材注入部から、発泡剤としてトリクロロモノフルオロ
メタンを上記樹脂組成物100g当たり32gの割合で
投入し、引続き100℃になるまで充分に冷却し、直径
φ0.8mmのノズル多数個を有した口金からストランド
状に5kg/hの押出量で押し出し、直ちに冷却し、カッ
ターにて直径1mm、長さ3mmのペレット状未発泡粒子を
得た。
【0082】このペレット状未発泡粒子を室温にて熟成
放置後、ゲージ圧0.3kg/cm2 のスチーム雰囲気で4
5秒間加熱し発泡させたのち、得られた発泡体を10℃
に冷却したところ、発泡体が10分後3次元方向に自然
収縮して形状回復性の発泡体が得られた。
【0083】得られた発泡体は、発泡倍率が35.5倍
で、30日間常温、常圧で放置したところ、発泡倍率が
164倍まで3次元的に形状が回復した。また、独立気
泡率は92%であった。
【0084】本発明にかかる積層体およびその製造方法
は、上記の実施例に限定されない。たとえば、上記の実
施例では、積層体が全て2つの形状回復性発泡体層であ
ったが、形状回復性発泡体をさらに多層に積層しても構
わないし、他の成形体の表面に形状回復性発泡体層を積
層するようにしても構わない。
【0085】
【発明の効果】以上のように構成されているので、請求
項1の積層体は、所望厚みの形状回復性発泡体を積層す
るだけであるので、厚みなどが異なる積層体でも特殊な
金型や成形装置を用いることなく製造することができ
る。すなわち、搬送性や施工性に優れた断熱材やシール
材を安価に提供することができる。
【0086】しかも、形状回復性発泡体層は、積層に際
し、その表面部分のみが溶融されているだけであるの
で、形状回復性発泡体自体の形状回復性も損なわれるこ
とがない。また、請求項2および請求項3の製造方法に
よれば、請求項1の積層体を生産性よく製造することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の積層体の1例をあらわす断面図であ
る。
【図2】請求項2の製造方法の1例を説明する説明図で
ある。
【図3】請求項2の製造方法の他の例を説明する説明図
である。
【図4】請求項3の製造方法の1例を説明する説明図で
ある。
【図5】請求項3の製造方法の他の例を説明する説明図
である。
【図6】請求項3の製造方法の他の例を工程順に説明す
る説明図である。
【図7】図6の製造方法の法の他の例を説明する説明図
である。
【図8】本発明にかかる圧縮装置の他の例をあらわす説
明図である。
【符号の説明】
1,4,5,6 積層体 11 発泡体層 21 形状回復性発泡体 22 樹脂シート(融着材料) 31 形状回復性発泡体 32 樹脂シート(融着材料) 44 形状回復性発泡体 45 鉄粉(発熱材料) 46 被積層材 54 シート状発熱材料 57 形状回復性発泡体 58 被積層材 68 形状回復性発泡体 69 シート状発熱材料 84 形状回復性発泡体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−278823(JP,A) 特開 昭57−4765(JP,A) 特開 平5−138845(JP,A) 特開 平2−92912(JP,A) 特開 昭62−13441(JP,A) 特開 平9−19977(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1層の遅延された形状回復性を
    有する発泡体層を備え、この発泡体層がその表面部分で
    のみ一部溶融され、隣接する層と融着されている積層
    体。
  2. 【請求項2】予め溶融状態にした加熱により溶融する融
    着材料を間に介在させて、遅延された形状回復性を有す
    る発泡体と、被積層材とを貼り合わせる請求項1に記載
    の積層体の製造方法。
  3. 【請求項3】遅延された形状回復性を有する発泡体と、
    被積層材との間に高周波により感応し発熱する発熱材料
    を挟み込んだ状態で、高周波をかけて前記発熱材料を発
    熱させ、少なくとも前記発泡体の表面部分を溶融し、前
    記発泡体と被積層材とを融着により貼り合わせる請求項
    1に記載の積層体の製造方法。
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