JPH10291244A - 発泡体充填押出成形品及びその製造方法 - Google Patents

発泡体充填押出成形品及びその製造方法

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JPH10291244A
JPH10291244A JP9116246A JP11624697A JPH10291244A JP H10291244 A JPH10291244 A JP H10291244A JP 9116246 A JP9116246 A JP 9116246A JP 11624697 A JP11624697 A JP 11624697A JP H10291244 A JPH10291244 A JP H10291244A
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JP
Japan
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foam
extruded
filled
skin layer
particles
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Pending
Application number
JP9116246A
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English (en)
Inventor
Yoshiro Nakajima
嘉郎 中島
Hiroyuki Yamaji
弘行 山路
Takaichi Okudaira
岩市 奥平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical BASF Co Ltd
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Chemical BASF Co Ltd
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical BASF Co Ltd, Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Mitsubishi Chemical BASF Co Ltd
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Publication of JPH10291244A publication Critical patent/JPH10291244A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量であると共に打撃音に充実感があり,か
つ,強靱な発泡体充填押出成形品,及びその製造方法を
提供すること。 【解決手段】 中空押出成形された熱可塑性樹脂よりな
る押出表皮層11と,押出表皮層11の中空部15に充
填された芯体2とよりなる。芯体2は,押出表皮層11
の中空部15内に熱可塑性樹脂よりなる多数の発泡体粒
子21を充填すると共に発泡体粒子21を互いに融着さ
せて一体化してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,軽量かつ強靱な押出樹脂成形品
に関する。
【0002】
【従来技術】従来,塩化ビニル,ポリオレフィン,AB
Sなどの熱可塑性樹脂は,異型押出成形法等の押出成形
方法により連続的に中空状に成形され,中空パイプや中
空板状物等の軽量な中空成形品として,種々の用途に利
用されてきた。かかる中空成形品は,中空部を有してい
るので必ずしも十分な強度を有しておらず,必要に応じ
て樹脂の肉厚を厚くしたり,中空部内部にリブを設ける
等の工夫が施されている。
【0003】例えば,図4に示すごとく,従来の中空板
状体9は,異型押出成形法により表皮層91を形成する
と共に,その中空部95内に,表側の表皮層911と裏
側の表皮層912とをつなぐ複数のリブ92を形成して
なる。これらのリブ92の存在により,中空板状体9の
厚み方向の圧縮強度の向上,長手方向の曲げ剛性の向上
等を図ることができる。
【0004】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来の中
空成形品においては,次の問題がある。即ち,上記リブ
92を有する中空板状体9においては,リブ92のない
部分の圧縮強度,剛性等は依然として低く,十分な強度
向上効果を得ることは困難である。また,表皮層91の
厚みを大きくする対策は,大幅な重量増加を伴い,しか
も強度向上効果が少ない。また,従来の中空成形品にお
いては,表皮層を打撃した場合の打撃音が中空部内部に
反響し,軽量感を招くという欠点も指摘されていた。
【0005】これらの問題に対し,例えば特開平6−1
66113号公報に示されているごとく,ブロー成形装
置を用いることにより,表皮層内部の中空部に発泡体を
充填させる方法が提案されている。この方法により得ら
れた成形品は,従来の中空成形品における上記従来の問
題の改善を図ることができる。しかしながら,ブロー成
形法によれば,押出成形法と比べてコスト高になると共
に,任意の長さの長尺品の成形が困難となる。
【0006】本発明は,かかる従来の問題に鑑みてなさ
れたもので,軽量であると共に打撃音に充実感があり,
かつ,強靱な発泡体充填押出成形品,及びその製造方法
を提供しようとするものである。
【0007】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,中空押出成形さ
れた熱可塑性樹脂よりなる押出表皮層と,該押出表皮層
の中空部に充填された芯体とよりなり,該芯体は,上記
押出表皮層の中空部内に熱可塑性樹脂よりなる発泡体粒
子を充填すると共に該発泡体粒子を互いに融着させて一
体化してなることを特徴とする発泡体充填押出成形品に
ある。
【0008】本発明において注目すべきことは,押出成
形品でありながら上記押出表皮層の中空部に上記芯体を
充填してなることである。更に注目すべきことは,上記
芯体は,上記発泡体粒子を互いに融着させて一体化して
なることである。また,上記芯体における発泡体粒子
は,発泡体粒子相互間だけでなく,押出表皮層とも融着
していることが好ましい。この場合には,上記充実感及
び強靱性のさらなる向上を図ることができる。
【0009】上記押出表皮層を構成する熱可塑性樹脂と
しては,一般的に押出成形可能な熱可塑性樹脂であれば
全て適用できる。代表的には,例えばポリエチレン,ポ
リプロピレン,ABS,PVC等の樹脂がある。また,
これらは,ホモ,コポリマー,それらのブレンドのいず
れの形態であっても適用できる。更に各種フィラーなど
を混合させる等,一般的に行われている手法を採用する
こともできる。
【0010】上記芯体を構成する熱可塑性樹脂製の発泡
体粒子としては,一般的に用いられているものは全て適
用することができる。代表的には,例えばポリエチレ
ン,ポリプロピレン,ポリスチレン,ABS樹脂等のビ
ーズ発泡成形に供される発泡粒子を適用することができ
る。
【0011】また,上記押出表皮層と芯体の樹脂の組み
合わせは特に限定するものではないが,同種の樹脂を用
いることが好ましい。例えば押出表皮層にポリプロピレ
ン樹脂を用いた場合には,芯体の発泡体粒子にもポリプ
ロピレン樹脂を用いることが好ましい。これにより,芯
体と押出表皮層との融着力が向上し,発泡体充填押出成
形品の強度の向上,および発泡体充填押出成形品使用後
のリサイクルの容易化を図ることができる。
【0012】また,上記芯体を構成する発泡体粒子は,
一般的に用いられる5〜100倍の発泡倍率を有するも
のを用いる。また,発泡体粒子の直径は,10mm以下
のものが好ましい。10mmを超える場合には,中空部
の角部などに空隙を作りやすいなどの問題がある。な
お,発泡体粒子は,その強度を確保するため,独立気泡
を主とする発泡体であることが好ましい。
【0013】次に,本発明の作用につき説明する。本発
明の発泡体充填押出成形品は,押出表皮層に囲まれた中
空部に,上記芯体を充填してある。そして,芯体は,上
記発泡体粒子を融着させて一体化させてなる。即ち,発
泡体充填押出成形品は,あたかも中空部を有していない
中実品のごとき構成となっている。
【0014】そのため,本発明の発泡体充填押出成形品
は,上記芯体の存在によってその厚み方向への応力に対
する抵抗力,即ち圧縮強度が大幅に向上する。さらに
は,厚み方向の変形が少ないため,その断面形状の変化
を防止でき,これにより曲げ剛性を向上させることがで
きる。
【0015】また,本発明の発泡体充填押出成形品に打
撃を加えた際の打撃音は,上記芯体の存在によって充実
感を与えるようになる。さらには,芯体の存在によっ
て,断熱性,遮音性等の特性の向上をも得ることができ
る。また,上記芯体は,上記のごとく発泡体粒子を用い
て,その表面を相互に融着して構成してある。そのた
め,上記芯体は各発泡体粒子の発泡部分を保持しつつ一
体化されており,多孔質状となっている。それ故,本発
明の発泡体充填押出成型品は,十分な軽量性を維持する
ことができる。
【0016】また,本発明の発泡体充填押出成形品は,
押出成形により上記押出表皮層を形成してある。そのた
め,任意の長さの長尺品を容易に得ることができ,また
製造コストも低く抑えることができる。それ故,本発明
によれば,軽量であると共に打撃音に充実感があり,か
つ,強靱な押出成形品を得ることができる。
【0017】次に,上記優れた発泡体充填押出成形品を
製造する方法としては,次の発明がある。即ち,請求項
2の発明のように,押出表皮層と該押出表皮層の中空部
に充填された芯体とよりなる発泡体充填押出成形品を製
造する方法であって,熱可塑性樹脂を押出賦形ダイを用
いて連続的に中空状に押出成形して上記押出表皮層を作
製すると共に,該押出表皮層が溶融状態にある間にその
中空部内に熱可塑性樹脂製の発泡体粒子を充填し,次い
で,該発泡体粒子の表面を上記中空部内において溶融さ
せて相互に融着一体化させて芯体となすことを特徴とす
る発泡体充填押出成形品の製造方法がある。
【0018】本発明において最も注目すべきことは,上
記押出表皮層を押出成形している過程において,これが
溶融状態にある間にその中空部内に熱可塑性樹脂製の発
泡体粒子を充填することである。そして,これにより,
発泡体粒子の表面を上記中空部内において溶融させて相
互に融着一体化させることである。
【0019】上記押出表皮層は,上記のごとく熱可塑性
樹脂を用いてこれを押出賦形ダイによって中空状に押出
成形して作製する。この場合の押出成形法は,一般的に
用いられる方法と同様に行う。即ち,押出機によって加
熱溶融され,混練された溶融状態の熱可塑性樹脂を,上
記押出賦形ダイから押出して中空状の押出表皮層に賦形
する。
【0020】また,上記賦形された押出表皮層の中空部
への上記発泡体粒子の充填は上記押出表皮層が溶融状態
にある間に行う。具体的な充填方法としては,例えば,
押出賦形ダイに,上記押出表皮層の中空部内に開口する
発泡体粒子導入路を設け,該発泡体粒子導入路を通じて
行うことができる。
【0021】また,上記充填した発泡体粒子の表面の溶
融は,上記押出表皮層からの伝熱により行うことができ
る。また押出表皮層からの伝熱だけでは十分に溶融しな
い場合には,中空部内への蒸気吹き込み等による加熱を
行うことが好ましい。一方,上記伝熱により発泡体粒子
が高温になりすぎて溶融してしまうおそれがある場合に
は,中空部内への冷風吹き込みを行うことが好ましい。
【0022】次に,本製造方法における作用につき説明
する。本製造方法においては,上記押出表皮層が溶融状
態にある間にその中空部内に上記発泡体粒子を充填す
る。充填された発泡体粒子は,上記押出表皮層からの伝
熱によって加熱され,その表面が溶融状態となる。その
ため,発泡体粒子同士は,その表面が相互に融着する。
【0023】また,この発泡体粒子の充填時において
は,上記押出表皮層も溶融状態にあるため,発泡体粒子
と押出表皮層とも少なからず融着する。そのため,上記
発泡体粒子は上記融着により芯体を形成すると共に押出
表皮層とも一体化してあたかも中実品のごとき構成とな
る。また,上記芯体は発泡体粒子の表面を相互に融着さ
せて多孔質状に構成されるため,十分軽量である。それ
故,本製造方法により得られる発泡体充填押出成型品
は,軽量であると共に打撃音に充実感があり,かつ,強
靱な特性を有するものとなる。
【0024】また,本製造方法は,上記押出表皮層を押
出成形法により作製し,かつ,上記発泡体粒子を上記押
出表皮層作製時に連続的にその中空部内に充填する。そ
のため,連続的に発泡体充填押出成型品を製造すること
ができる。また,ブロー成形等の場合のように金型によ
って製品長さが制限されるということもなく,任意の長
さの発泡体充填押出成型品を連続的に製造することがで
きる。それ故,本製造方法は,製造コストの低減,量産
性の向上等を図ることもできる。
【0025】次に,請求項3の発明のように,上記発泡
体粒子の上記中空部内への充填は,上記発泡体粒子を空
気と共に送粒することにより行うことが好ましい。これ
により,発泡体粒子をスムーズに上記中空部内に充填す
ることができる。
【0026】即ち,発泡体粒子の中空部内への充填は,
例えば上記押出賦形ダイ内に設けた発泡体粒子導入路を
通じて行う。この場合に,該発泡体粒子導入路は押出表
皮層の溶融樹脂からの伝熱により高温状態となりやす
い。そのため,発泡体粒子が溶融して発泡体粒子導入路
内に付着するおそれがある。
【0027】これに対し,上記のごとく発泡体粒子を空
気と共に強制的に中空部内に送り込むことにより,発泡
体粒子導入路への付着を防止しつつスムーズに中空部内
に充填することができる。なお,空気による強制的な送
粒に代えて,ピストンポンプ等を用いて発泡体粒子を機
械的に加速して強制的に送り込む方法を用いても同様の
効果が得られる。
【0028】また,請求項4の発明のように,上記発泡
体粒子の上記中空部内への充填は,上記押出賦形ダイ内
に設けた発泡体粒子導入路を通じて行い,かつ,該発泡
体粒子導入路には,上記押出賦形ダイからの伝熱を防止
するための断熱手段を配設してあることが好ましい。こ
れにより,発泡体粒子導入路への発泡体粒子の融着を確
実に防止することができる。
【0029】なお,上記断熱防止手段の配設としては,
例えば断熱セラミック等の断熱材を発泡体粒子導入路の
周囲に配設する方法,あるいは押出賦形ダイにおける発
泡体粒子導入路近傍に冷却管を埋設して水,油等の冷媒
を通す方法等により行うことができる。
【0030】また,請求項5の発明のように,上記押出
賦形ダイは,上記発泡体粒子の充填位置における上記中
空部の断面積をA,上記押出賦形ダイの出口における上
記中空部の断面積をBとした場合に,B/Aが1/1.
1〜1/2.0となるよう構成してあることが好まし
い。これにより,上記中空部内に充填した上記発泡体粒
子の粒子間間隙を容易に埋めることができる。具体的な
手段としては,押出賦形ダイの成形孔の断面積を減少さ
せる方法をとることができる。
【0031】上記B/Aが1/1.1未満の場合には上
記粒子間間隙の減少効果が十分に発揮されないという問
題があり,一方,1/2.0を超える場合には発泡体粒
子内の充填率が高くなりすぎ,軽量化が維持できないと
いう問題がある。また,上記中空部の断面積の減少は,
発泡体充填押出成型品が板状体の場合にはその厚み方向
の絞り込みにより行うことが好ましい。これにより,外
径形状を良好に維持することができる。
【0032】なお,上記発泡体粒子として2次発泡力の
ある発泡体粒子を用いた場合には,上記中空部断面積減
少による効果と同等の効果を発泡体粒子自身に発揮させ
ることができる。即ち,内部に発泡剤を残留させている
発泡ポリスチレンや,加圧下において熟成された発泡ポ
リプロピレンのような発泡体粒子は加熱により再膨張す
るという2次発泡力を有している。そのため,これらの
2次発泡力を有する粒子を用いた場合には,発泡体粒子
自身が中空部内において高温化と共に再膨張し,粒子間
間隙を埋めることができる。なお,この2次発泡粒子を
用いた場合にも上記中空部の断面積減少による上記の方
法を併用してもよい。
【0033】
【発明の実施の形態】
実施形態例1 本発明の実施形態例にかかる発泡体充填押出成形品及び
その製造方法につき,図1,図2を用いて説明する。本
例の発泡体充填押出成型品1は,図2に示すごとく,中
空押出成形された熱可塑性樹脂よりなる押出表皮層11
と,押出表皮層11の中空部15に充填された芯体2と
よりなる。
【0034】この発泡体充填押出成型品1を製造するに
当たっては,図1に示すごとく,熱可塑性樹脂10を押
出賦形ダイ82を用いて連続的に中空状に押出成形して
押出表皮層11を作製すると共に,押出表皮層11が溶
融状態にある間にその中空部内に熱可塑性樹脂製の発泡
体粒子21を充填する。次いで,発泡体粒子21の表面
を中空部15内において溶融させて相互に融着一体化さ
せて芯体2となす。
【0035】以下,これを詳説する。まず,本例におけ
る発泡体充填押出成型品の押出成形装置8の概要を図1
に示す。押出成形装置8は,押出表皮層11を成形する
押出賦形ダイ82を有すると共にその上流側に熱可塑性
樹脂10を押出すためのスクリュー押出機81を配置し
てある。
【0036】上記押出賦形ダイ82は,通常の中空押出
成形用のものを基本として,これにその上方から押出表
皮層11の中空部15に開口するパイプ状の発泡体粒子
導入路825を設けたものである。この発泡体粒子導入
路825は,その周囲からセラミック断熱材826によ
り覆っている。
【0037】また,発泡体粒子導入路825の上方には
連結パイプ851を介して粒子供給装置85を連結して
ある。この粒子供給装置85は,タンク852内にある
発泡体粒子21を,1.5kg/cm2 の圧力をかける
ことにより発泡体粒子導入路825を通じて強制的に送
粒することができるよう構成されている。
【0038】また上記押出賦形ダイ82の下流側には,
押出賦形ダイ82から導出された発泡体充填押出成型品
を冷却,硬化させるための冷却ダイ83を配設してあ
る。この冷却ダイ83は熱伝導性の高い銅により構成し
てある。また,冷却ダイ83の下流側には発泡体充填押
出成型品を引き出すためのコンベア84を配設してあ
る。
【0039】次に,成形装置8を用いて実際に発泡体充
填押出成型品1を製造するに当たっては,押出表皮層1
1作製用の熱可塑性樹脂10としてポリプロピレンを準
備すると共に,発泡体粒子21として同種のポリプロピ
レンよりなる発泡体粒子を準備した。
【0040】次いで,まず押出表皮層11用の熱可塑性
樹脂10をスクリュー押出機81によって押出賦形ダイ
82内に供給する。そしてその押出し圧力により,熱可
塑性樹脂10を冷却ダイ83側へ押出す。これにより,
熱可塑性樹脂10は,中空部15を有する押出表皮層1
1として成形されると共に溶融状態のまま冷却ダイ83
側に押出される。
【0041】一方,上記押出表皮層11の成形に伴っ
て,上記粒子供給装置85を作動し,高圧状態の発泡体
粒子21の供給を行う。このとき,発泡体粒子導入路8
25は,上記のごとくセラミック断熱材826により覆
われている。そのため,発泡体粒子21は,発泡体粒子
導入路825内部に融着することなくスムーズに送られ
る。これにより,上記のごとく連続的に成形されてくる
押出表皮層11の中空部15内には,高圧状態の発泡体
粒子21が次々と充填されていく。
【0042】中空部15内に充填された発泡体粒子21
は,溶融状態にある高温の押出表皮層11からの伝熱に
より,その表面が溶融状態となる。また,発泡体粒子2
1は,上記のごとく高圧状態で供給されているため,互
いの粒子が密着し合うと共に押出表皮層11内面にも密
着する。
【0043】そして,発泡体粒子21を中空部15に充
填させた押出表皮層11は,冷却ダイ83を通過中に徐
々に冷却され,硬化する。これにより,上記発泡体粒子
21が一体化した芯体2を押出表皮層11内に一体的に
有する発泡体充填押出成型品1が得られる。
【0044】このように,本例においては,上記押出成
形装置8を用いて,溶融状態の押出表皮層11の中空部
15内に発泡体粒子21を供給することにより,従来の
押出成形方法と同様に連続的に発泡体充填押出成型品1
を製造することができる。また,押出成形法であるた
め,任意の長さの長尺品を容易に製造することができ
る。
【0045】また,得られた発泡体充填押出成型品1
は,上記のごとく,発泡体粒子21を互いに融着させた
芯体2を有してなる。そのため,発泡体充填押出成形品
1は,芯体2の存在によって圧縮強度が大幅に向上する
と共に曲げ剛性を向上させることができる。
【0046】また,発泡体充填押出成形品1に打撃を加
えた際の打撃音は,芯体2の存在によって充実感を与え
るようになる。さらには,芯体2の存在によって,断熱
性,遮音性等の特性の向上をも得ることができる。ま
た,芯体2は,発泡体粒子21を用いて,その表面を相
互に融着して構成してある。そのため,芯体2は各発泡
体粒子21の発泡部分を保持しつつ一体化されており,
多孔質状となっている。それ故,発泡体充填押出成型品
1は,十分な軽量性を維持することができる。
【0047】実施形態例2 本例は,実施形態例1の押出成形装置8における押出賦
形ダイ88に代えて,図3に示すごとき押出賦形ダイ8
8を用いて発泡体充填押出成型品を製造した。押出賦形
ダイ88は,図3に示すごとく,スクリュー押出機81
と連結された樹脂導入口881から樹脂導出口882ま
で続く成形孔880と,該成形孔880内に配設された
中空部形成用の中型883とよりなる。
【0048】成形孔880は,押出賦形ダイ88の中央
近辺から樹脂導出口883に向かって孔の断面積が徐々
に減少するように設けてある。本例では,図3に示すご
とく,得られる中空部15の断面積において,発泡体粒
子21の充填位置(図3矢印A)における中空部の断面
積をA,押出賦形ダイ88の出口(図3矢印B)におけ
る中空部15の断面積をBとした場合に,B/Aが1/
2.0となるよう構成してある。
【0049】また,中型883には,発泡体粒子導入路
885をくり抜き構造により形成してある。また発泡体
粒子導入路885の内壁には,セラミック断熱材886
をコーティングしてある。また,発泡体粒子導入路88
5の上方には,実施形態例1と同様の粒子供給装置を連
結パイプ851を介して連結してある。
【0050】また,図3に示すごとく,発泡体粒子導入
路885には,蒸気導入管887を開口配設してあると
共に,その下流側にさらに蒸気導出管888を開口配設
させてある。また,押出賦形ダイ88の前後には,実施
形態例1と同様のスクリュー押出機81及び冷却ダイ8
3が配置されている。その他は実施形態例1と同様であ
る。
【0051】次に,本押出成形装置を用いて発泡体充填
押出成型品を製造するに当たっては,スクリュー押出機
81から供給された熱可塑性樹脂10を中型883によ
って上下に分割して中空部15を有する押出表皮層11
を形成すると共に,発泡体粒子導入路825から発泡体
粒子21を送り込む。また,これと同時に,蒸気導入管
887から高温の蒸気を送り込む。余分な蒸気は,蒸気
導出管888から放出される。
【0052】これにより,発泡体粒子21は,蒸気によ
って加熱され,その表面が溶融した状態で押出表皮層1
1の中空部15内に充填されていく。次いで,発泡体粒
子21を充填させた押出表皮層11は,押出賦形ダイ8
8の成形孔883の形状に沿って,徐々に厚み方向に圧
縮されていく。
【0053】このとき,中空部15の断面積も徐々に減
少し,賦形ダイの樹脂導出口882(出口)において
は,その断面積Bが発泡体粒子21を充填した位置の断
面積Aの半分にまで減少する。これにより,中空部15
内の発泡体粒子21は,その粒子間間隙を埋め尽くして
互いに密着すると共に,押出表皮層11の内面にも密着
した状態となる。
【0054】また,このとき,押出表皮層11は溶融状
態にあり,かつ発泡体粒子21の表面も溶融状態にあ
る。そのため,発泡体粒子21相互間及び発泡体粒子2
1と押出表皮層11とは一体的に融着し,その後の冷却
ダイ83による冷却,硬化によって,発泡体充填押出成
型品が得られる。このように,本例においても,発泡体
粒子21を密に充填してなる芯体2を一体的に内蔵した
発泡体充填押出成型品を容易に製造することができる。
その他は,実施形態例1と同様の効果が得られる。
【0055】
【発明の効果】上述のごとく,本発明によれば,軽量で
あると共に打撃音に充実感があり,かつ,強靱な発泡体
充填押出成形品,及びその製造方法を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,押出成形装置の概要を
示す説明図。
【図2】実施形態例1の発泡体充填押出成型品を示す説
明図。
【図3】実施形態例2における,押出賦形ダイの構造を
示す説明図。
【図4】従来例の中空押出成型品を示す説明図。
【符号の説明】
1...発泡体充填押出成型品, 11...押出表皮層, 2...芯体, 21...発泡体粒子, 8...押出成形装置, 82,88...押出賦形ダイ, 825,885...発泡体粒子導入路, 85...粒子供給装置, 883...成形孔, 887...蒸気導入管, 888...蒸気導出管,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥平 岩市 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空押出成形された熱可塑性樹脂よりな
    る押出表皮層と,該押出表皮層の中空部に充填された芯
    体とよりなり,該芯体は,上記押出表皮層の中空部内に
    熱可塑性樹脂よりなる発泡体粒子を充填すると共に該発
    泡体粒子を互いに融着させて一体化してなることを特徴
    とする発泡体充填押出成形品。
  2. 【請求項2】 押出表皮層と該押出表皮層の中空部に充
    填された芯体とよりなる発泡体充填押出成形品を製造す
    る方法であって,熱可塑性樹脂を押出賦形ダイを用いて
    連続的に中空状に押出成形して上記押出表皮層を作製す
    ると共に,該押出表皮層が溶融状態にある間にその中空
    部内に熱可塑性樹脂製の発泡体粒子を充填し,次いで,
    該発泡体粒子の表面を上記中空部内において溶融させて
    相互に融着一体化させて芯体となすことを特徴とする発
    泡体充填押出成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2において,上記発泡体粒子の上
    記中空部内への充填は,上記発泡体粒子を空気と共に送
    粒することにより行うことを特徴とする発泡体充填押出
    成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項2において,上記発泡体粒子の上
    記中空部内への充填は,上記押出賦形ダイ内に設けた発
    泡体粒子導入路を通じて行い,かつ,該発泡体粒子導入
    路には,上記押出賦形ダイからの伝熱を防止するための
    断熱手段を配設してあることを特徴とする発泡体充填押
    出成形品の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項2〜4のいずれか1項において,
    上記押出賦形ダイは,上記発泡体粒子の充填位置におけ
    る上記中空部の断面積をA,上記押出賦形ダイの出口に
    おける上記中空部の断面積をBとした場合に,B/Aが
    1/1.1〜1/2.0となるよう構成してあることを
    特徴とする発泡体充填押出成形品の製造方法。
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