JP3510625B2 - D−n−カルバモイル−アミノ酸アミドヒドロラーゼおよびヒダントイナーゼ - Google Patents

D−n−カルバモイル−アミノ酸アミドヒドロラーゼおよびヒダントイナーゼ

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、DNA分子および微生物宿主の形質転換に使
用するための組換えベクターに関する。特に、本発明
は、カルバモイラーゼ酵素をコードするDNA、および上
記DNAよりなる組換えベクターで形質転換された宿主に
関する。
ある種のD−α−アミノ酸はよく知られた医薬中間体
である。例えば、D(−)p−ヒドロキシフェニルグリ
シンは、抗生物質アモキシシリンの出発物質として使用
される。したがって、D−α−アミノ酸の製造法は重要
であり、ラセミ体の出発物質からD−生成物を生産する
幾つかの酵素的方法が報告されている。
例えば、英国特許第1,534,426号および1,564,982号
は、5−(置換フェニル)ヒダントインを加水分解して
中間体D−N−カルバモイル−(置換フェニル)グリシ
ンを与えるヒダントイナーゼ生産微生物を開示してい
る。しかし、対応するD−α−アミノ酸を得るために
は、生成したN−カルバモイル化合物を引き続き例えば
亜硝酸で加水分解することが必要である。
ヒダントイン出発物質からD−α−アミノ酸を製造す
るための第一の酵素的および第二の化学的工程を有する
という問題を克服するために、微生物(例、英国特許第
2,022,581号に記載のアグロバクテリウム(Agrobacteri
um)種)により生産されたカルバモイラーゼ酵素で、N
−カルバモイル中間体を酵素的にα−アミノ酸に変換す
ることが可能である。しかし、英国特許第2,022,581号
に記載のアグロバクテリウムNRRL B11291の欠点は、カ
ルバモイラーゼ酵素の生産量が制限されていることであ
る。さらに、該生物は、ある環境においては望ましくな
いかもしれない他の酵素活性を示す。
PCT出願WO92/10579(カネガフチ)は、D−N−カル
バモイル−α−アミノ酸をD−α−アミノ酸に変換する
カルバモイラーゼ酵素をコードする組換えDNAで形質転
換された細菌を使用するDαアミノ酸の製造を開示す
る。
本発明者らは、驚くべきことに、相同宿主でカルバモ
イラーゼ遺伝子が発現される場合に、より高いレベルの
酵素活性が得られることを見いだした。「相同宿主」と
は、宿主が、遺伝子が最初に単離された生物と同型であ
ることを意味する。
したがって、本発明は、カルバモイラーゼ遺伝子をコ
ードする組換えDNAを相同宿主中で発現させることによ
る、D−N−カルバモイル(所望により置換されていて
もよいフェニル)グリシンを対応するD−(所望により
置換されていてもよいフェニル)グリシンに変換する能
力を有するカルバモイラーゼ酵素の製造法を提供する。
好ましくは、相同宿主はアグロバクテリウム(Agroba
cterium)、すなわち、カルバモイラーゼ遺伝子はアグ
ロバクテリウム由来である。
さらに、本発明らは、異種宿主および相同宿主の双方
において、特定の構築が高レベルの発現につながること
を見いだした。
したがって、本発明の別の態様においては、D−N−
カルバモイル(所望により置換されていてもよいフェニ
ル)グリシンを対応するD−(所望により置換されてい
てもよいフェニル)グリシンに変換する能力を有するカ
ルバモイラーゼ酵素をコードする遺伝子よりなる組換え
DNAベクターであって、本明細書中に記載するpCAR1、pC
AR6、pCAR12、pCAR21、pCAR26、pCAR27、pCAR28、pCAR2
9、pGal2789RS3Carb、pCAR31、pCAR32、pCAR36、pCAR44
およびpCAR46よりなる群から選ばれる組換えDNAベクタ
ーを提供する。
本発明の利点は、特に大量のカルバモイラーゼ酵素が
製造できることである。このように、適切な条件下で、
活性なカルバモイラーゼ酵素が得られ、使用され、好ま
しくは固体担体上に固定化されて選択されたD−α−ア
ミノ酸を製造する。
本明細書中に記載の所望により置換されていてもよい
フェニル基の適切な置換基は、ヒドロキシ、C(1-6
アルキル、C(1-6)アルコキシおよびハロゲンを包含
する。好ましい(置換フェニル)グリシンは、(p−ヒ
ドロキシフェニル)グリシンおよび(3,4−ジヒドロキ
シフェニル)グリシン、特に(p−ヒドロキシフェニ
ル)グリシンを包含する。
以下に記載のように、上記能力を有するカルバモイラ
ーゼ酵素を生産する生物の全DNAまたは染色体DNAからカ
ルバモイラーゼ遺伝子を単離してもよい。
該カルバモイラーゼ遺伝子は、さらに遺伝子、例えば
調節因子、または特別の機能または公知の機能を有さな
いフランキングDNAよりなるものであってもよい。
関連した態様において、本発明は、D,L−(所望によ
り置換されていてもよいフェニル)ヒダントインを対応
するD−N−カルバモイル(所望により置換されていて
もよいフェニル)グリシンに変換する能力を有するヒダ
ントイナーゼ酵素をコードする遺伝子よりなるDNAを提
供する。
勿論、本発明のDNAは、かかる染色体DNAの大部分から
分離されており、その「自然な」状態、すなわち自然界
に存在している状態ではないと理解される。一つの態様
においては、本発明のDNAは、単離されおよび実質的に
精製された形態であり、および/または実質的に、上記
ヒダントイナーゼ酵素をコードするヒダントイナーゼ遺
伝子よりなる。
さらに他の態様においては、本発明は、本発明のDNA
よりなる組換えDNAを提供する。
好ましくは、ヒダントイナーゼ遺伝子をコードする組
換えDNAは、組換えベクター、より好ましくは、高レベ
ルの遺伝子転写物を発現する能力を有する高発現ベクタ
ーよりなる。
さらに、本発明は、通常の形質転換またはエレクトロ
ポレーション条件下で宿主および組換えベクターを混合
することよりなる、本発明によるカルバモイラーゼまた
はヒダントイナーゼ酵素をコードする宿主細胞を組換え
ベクターで形質転換する方法を提供する。
本発明のもう一つの態様においては、本発明による組
換えベクターで形質転換された宿主細胞が提供される。
適当な宿主は、アグロバクテリウム(Agrobacterium)
およびイー・コリ(E.coli)、例えば、イー・コリDH
1、イー・コリJM101およびイー・コリHB101を包含す
る。
本発明はまた、本発明の形質転換された宿主を培養し
て、カルバモイラーゼまたはヒダントイナーゼ酵素を製
造することを包含する。
さらに本発明の他の態様においては、カルバモイラー
ゼ酵素のための遺伝子およびヒダントイナーゼ酵素のた
めの遺伝子をコードする単離および組換えDNAが提供さ
れる。そして適切な形質転換宿主の培養により、カルバ
モイラーゼおよびヒダントイナーゼ活性を得ることがで
きる。
カルバモイラーゼおよびヒダントイナーゼ活性が、例
えばpCAR1、pCAR6、pCAR31、pCAR32およびpCAR36と同じ
構築で得られる場合、有利な結果が得られる。
一つの態様においては、本発明のDNAは、微生物、好
ましくは本明細書中に記載のとおり「80/44−2A」と称
されている土壌単離物から得られる。該単離物「80/44
−2A」はアグロバクテリウムであると考えられており、
本発明者らはこの名称に束縛されたくはないが、本明細
書中では該株をアグロバクテリウム80/44−2Aと称す
る。同様に、これから得られるDNAをアグロバクテリウ
ムDNAと称する。
本発明をより明確に定義するために、以下の添付図面
を参照する。
図1は、プラスミドpCP19の制限部位および機能地図
を示す。
略語: B=Bgl II、Ba=BamH I、E=EcoR I、H=Hind II
I、P=Pst I、C=Cla I、S=Sla I、 TcR=テトラサイクリン耐性遺伝子、 cos=バクテリオファージ・ラムダからのコス部位、 連続線はpCP19からのDNAを表す。
図2は、N−カルバモイル−p−ヒドロキシグリシン
からD(−)p−ヒドロキシフェニルグリシンへの変換
の反応順序を示す。
図3は、プラスミドpCAR1の制限部位および機能地図
を示す。
略語: C=Cla I、B=Bgl II、Ba=BamH I、E=EcoR I、
H=Hind III、P=Pst I(アグロバクテリウムDNAのマ
ッピングにはE、HおよびP酵素のみを使用してい
る)、S=Sal I、TcR=テトラサイクリン耐性遺伝子、 cos=バクテリオファージ・ラムダからのコス部位、 連続線はpCP19からのDNAを表す。
陰影部はアグロバクテリウムBO/44−2AからのDNAを表
す。
図4は、プラスミドpCAR6の制限部位および機能地図
を示す。
略語: C=Cla I、B=Bgl II、Ba=BamH I、H=Hind II
I、E=EcoR I、P=Pst I(このプラスミドの挿入断片
のマッピングにはE、HおよびP酵素(およびCla I)
のみを使用している)、S=Sla I、 連続線はpCP19からのDNAを表す。
陰影部はアグロバクテリウムからのDNAを表す。
図5は、プラスミドpIJ2925の制限部位および機能地
図を示す。
略語: ApR=アンピシリン耐性 図6は、プラスミドpCAR12の制限部位および機能地図
を示す。
「ポリリンカー」と表示した領域には、該pIJ2925DNA
中のすべての制限部位が示されているわけではない。
略語: 陰影部でない部分はpCP19DNA(pCAR6からアグロバク
テリウムDNAと共にクローニングされたもの)を表す。
陰影部はアグロバクテリウムDNAを表す。
連続線はpIJ2925DNAを表す。
図7は、プラスミドpCAR21の制限部位および機能地図
を示す。
「ポリリンカー」と表示した領域には、該pIJ2925DNA
中のすべての制限部位が示されているわけではない。
略語: 陰影部でない部分はpCP19DNA(pCAR12からアグロバク
テリウムDNAと共にクローニングされたもの)を表す。
陰影部はアグロバクテリウムDNAを表す。
連続線はpIJ2925DNAを表す。
図8は、プラスミドpCAR27の制限部位および機能地図
を示す。
略語: 連続線はM13mp19DNAを表す。
陰影部でない部分はpIJ2925DNAを表す。
陰影部はアグロバクテリウムDNAを表す。
図9は、プラスミドpCAR28の制限部位および機能地図
を示す。
略語: 連続線はM13mp19DNAを表す。
陰影部でない部分はpIJ2925DNAを表す。
陰影部はアグロバクテリウムDNAを表す。
図10は、pCAR27およびpCAR28からのアグロバクテリウ
ムDNAの配列を示す。該DNA分子の「センス」またはコー
ディング鎖のみを示す。該DNA鎖は、5'→3'で左から右
に示す。該ヌクレオチド配列の番号は、該配列の直下に
示す。該DNAによりコードされるカルバモイラーゼのア
ミノ酸配列(三字コードを使用している)は、ヌクレオ
チド配列の各線の上に示す。
図11は、pTR550の制限部位および機能地図を示す。
略語: rrnB term.はリボソームRNAオペロンからの転写ター
ミネータ−を表す。
Ptacは転写のtacプロモーターを表す。
図12は、pCAR29の制限部位および機能地図を示す。
略語: 連続線はpTR550 DNAを表す。
陰影部はアグロバクテリウムDNAを表す。
図13は、pKT210の制限部位および機能地図を示す。
略語: A=Acc I、E=EcoR I、H=Hind III、Pf=PflM
I、P=Pst I、S=Sal I。
図14は、pCAR26の制限部位および機能地図を示す。
略語: A=Acc I、B=Bgl II、Ba=BamH I、E=EcoR I、
H=Hind III、P=Pst I、Pf=PflM I、S=Sst I、Sp
h =I、Sa=Sal I、Sm=Sma I、K=Kpn I。
陰影部はアグロバクテリウムDNAを表す。
矢印はカルバモイラーゼコーディング配列を表す。
該ベクターDNAは、ポリリンカーまたはアグロバクテ
リウムDNA中で切断するすべての酵素についてマッピン
グされているわけではない。すべてのアグロバクテリウ
ムDNAがAcc IおよびPflM Iについてマッピングされてい
るわけではない。
図15は、pWOR901の制限部位および機能地図を示す。
略語: A=Acc I、E=EcoR I、H=Hind III、Pf=PflM
I、P=Pst I、S=Sst I。
図16は、pWOR902の制限部位および機能地図を示す。
略語: A=Acc I、E=EcoR I、H=Hind III、Pf=PflM I
(pWOR902中にはない)、P=Pst I、S=Sst I。
図17は、pCAR44の制限部位および機能地図を示す。
略語: A=Acc I、B=Bgl II、Ba=BamH I、E=EcoR I、
H=Hind III、P=Pst I、S=Sst I、Sa=Sal I、Sp
=Sph I、X=Xba I。
陰影部はアグロバクテリウムDNAを表す。
矢印はカルバモイラーゼコーディング配列を表す。
該ベクターDNAは、ポリリンカーまたはアグロバクテ
リウムDNA中で切断するすべての酵素についてマッピン
グされているわけではない。
図18は、pWOR903の制限部位および機能地図を示す。
略語: A=Ava I、E=EcoR V、P=Pst I、S=Sst I。
図19は、pWOR904の制限部位および機能地図を示す。
略語: A=Acc I、B=Bal II、Ba=BamH I、E=EcoR I、
H=Hind III、P=Pst I、Sm=Sma I、S=Sst I、Sa
=Sal I、Sp=Sph I、X=Xba I、V=EcoR V、C=Cal
I、K=Kpn I、Xh=Xho I、N=Nru I。
該ベクターDNAは、ポリリンカー中で切断するすべて
の酵素についてマッピングされているわけではない。
図20は、pWOR905の制限部位および機能地図を示す。
略語: A=Acc I、B=Bal II、Ba=BamH I、E=EcoR I、
H=Hind III、P=Pst I、Sm=Sma I、S=Sst I、Sa
=Sal I、Sp=Sph I、X=Xba I、V=EcoR V、C=Cal
I、K=Kpn I、Xh=Xho I、N=Nru I。
該ベクターDNAは、ポリリンカー中で切断するすべて
の酵素についてマッピングされているわけではない。
図21は、pCAR46の制限部位および機能地図を示す。
略語: A=Acc I、B=Bal II、Ba=BamH I、E=EcoR I、
H=Hind III、P=Pst I、Sm=Sma I、S=Sst I、Sa
=Sal I、Sp=Sph I、X=Xba I、V=EcoR V、C=Cal
I、K=Kpn I。
陰影部はアグロバクテリウムBO/44−2AからのDNAを表
す。
矢印はカルバモイラーゼコーディング配列を表す。
該ベクターDNAは、ポリリンカーまたはアグロバクテ
リウムDNA中で切断するすべての酵素についてマッピン
グされているわけではない。
図22は、pCAR31の制限部位および機能地図を示す。
略語: B=Bgl II、Ba=BamH I、Bs=BspH I、C=Cla I、
E=EcoR I、V=EcoR V、H=Hind III、N=Nru I、
P=Pst I、S=Sst I、Sa=Sal I、Sp=Sph I、Sc=Sc
a I、TcR=テトラサイクリン耐性遺伝子。
cos=バクテリオファージλからのコス(cos)部位。
陰影部はアグロバクテリウムDNAを表す。
図23は、pCAR32の制限部位および機能地図を示す。
略語: B=Bgl II、Ba=BamH I、Bs=BspH I、C=Cla I、
E=EcoR I、V=EcoR V、H=Hind III、N=Nru I、
P=Pst I、S=Sst I、Sa=Sal I、Sp=Sph I、Sc=Sc
a I、TcR=テトラサイクリン耐性遺伝子。
cos=バクテリオファージλからのコス(cos)部位。
陰影部はアグロバクテリウムDNAを表す。
図24は、pCAR36の制限部位および機能地図を示す。
略語: A=Acc I、B=Bgl II、Ba=BamH I、Bs=BspH I、
C=Cla I、E=EcoR I、V=EcoR V、H=Hind III、
N=Nru I、P=Pst I、Pf=PflM I、S=Sst I、Sa=S
al I、Sp=Sph I、Sc=Sca I、CmR=クロラムフェニコ
ール耐性遺伝子。
陰影部はアグロバクテリウムDNAを表す。
図25は、pDAN3の制限部位および機能地図を示す。
略語: B=Bgl II、Ba=BamH I、E=EcoR I、H=Hind II
I、P=Pst I、S=Sst I、Sa=Sal I、Sp=Sph I、X
=Xba I。
陰影部はアグロバクテリウムDNAを表す。
図26は、pDAN4の制限部位および機能地図を示す。
略語: B=Bgl II、Ba=BamH I、E=EcoR I、H=Hind II
I、P=Pst I、S=Sst I、Sa=Sal I、Sp=Sph I、X
=Xba I。
陰影部はアグロバクテリウムDNAを表す。
本発明のDNAは、いずれかの適切なベクターに連結さ
れてもよい。
通常、該ベクターはプラスミド、例えばイー・コリ由
来のプラスミド、またはテンペレートまたはビルレント
バクテリオファージである。
特別なベクターは、例えばpCP19またはpKT210または
その誘導体のような広宿主域ベクターを包含する。本明
細書中に詳細に記載されているベクターpIJ2925およびp
TR550が有利に使用され得る。
特に有用なベクターは、pKT210の誘導体である動態化
欠陥(Mob-)ベクターpWOR902である。pWOR902は、Mob-
不安定ベクターpWOR901からのDNAの自発的欠失により得
られ、pKT210ほど乱交性ではない。このようにpWOR902
の利点は、pWOR902により形質転換される場合、例えばp
KT210による場合に比べて組換え株がより安全であるこ
とである。イー・コリHB101(pWOR902)は、ナショナル
・コレクション・オブ・インダストリアル・アンド・マ
リン・バクテリア(National Collection of Industria
l and Marine Bacteria)(アバディーン、スコットラ
ンド)に1991年11月4日に、受託番号NCIMB40451で寄託
された。該寄託は、特許手続のための微生物の寄託に関
するブタペスト条約に基づき行われた。pWOR902、その
誘導体およびそれにより形質転換された宿主は、さらに
本発明の他の態様を形成する。
pWOR902の特に有用な誘導体は、以下に記載するプラ
スミドpWOR903、pWOR904およびpWOR905である。これら
は、pWOR902から標準的方法により得てもよい。
本発明による組換えベクターは、標準的な技術、例え
ば、付着末端のダイレクト・コンビネーション、ホモポ
リマー・テーリングにより、またはリンカーまたはアダ
プター分子により、カルバモイラーゼ遺伝子よりなるDN
Aを選択されたベクターに連結することにより調製して
もよい。
上記方法により調製される組換えベクターは、可能な
2つの配向の内の1つにより挿入DNAを含有してもよい
と理解される。挿入DNAを各配向で有する組換えベクタ
ーが本発明の範囲に含まれる。
特別の組換えベクターは、pCAR1、pCAR6、pCAR12、pC
AR21、pCAR26、pCAR27、pCAR28、pCAR29、pGal2789RS3C
arb、pCAR31、pCAR32、pCAR36、pCAR44およびpCAR46と
称するもの(これらの調製および性状は以下に詳細に記
載する)を包含する。
本発明の特に好ましい態様においては、プラスミドpC
AR26、pCAR44およびpCAR46が提供される。pCAR26、およ
び特に、pCAR44およびpCAR46は、宿主細胞(特にアグロ
バクテリウム)がそれにより形質転換され、適切な条件
下で培養された場合、大量のカルバモイラーゼ活性を与
える。
カルバモイラーゼタンパク質コーディング配列は、例
えばtacプロモーターのような異種プロモーターから発
現されてもよいと理解される。かかる発現は本発明の範
囲内に含まれる。
特定の態様において、本発明は、pCAR46で形質転換さ
れた宿主、特にアグロバクテリウムを提供する。特定の
態様において、本発明は、ブタペスト条約に基づき1992
年2月14日に寄託されたNCIMB40478を提供する。
カルバモイラーゼ酵素をコードするDNAを得る方法
は、 a)カルバモイラーゼ生成微生物から得られる染色体DN
A断片から遺伝子ライブラリーを構築すること、 b)上記ライブラリーから本発明のDNAを含有するクロ
ーンを選択するために、1以上のハイブリッド形成実験
を行うこと、および c)本発明のDNAを単離すること よりなる。
遺伝子ライブラリーは、 (a)カルバモイラーゼ生成微生物の染色体DNAを1以
上の適切な制限エンドヌクレアーゼ、例えばHind IIIで
部分的消化し、 (b)サイズ分画により適当な長さの断片を得、 (c)該断片をベクターに連結して組換えベクターを
得、および (d)適切な宿主を組換えベクターで形質転換またはト
ランスフェクションすることによる通常の「ショットガ
ン」法により調製してもよい。
本明細書中に記載のとおり、形質転換またはトランス
フェクションは、当該分野でよく知られた通常の方法に
より行ってもよい。
適切には、サイズ分画をショ糖密度勾配上で行い、選
ばれたサイズ範囲の断片を選択してもよい。
好ましい態様においては、「遺伝子ライブラリー」
は、約15〜30kbの長さの断片を選択し、上記断片をプラ
スミドベクター、例えばベクターpCP19に連結すること
により調製してもよい。適切な宿主はイー・コリ、例え
ばイー・コリDH1である。
カルバモイラーゼ遺伝子を含有する遺伝子ライブラリ
ー中のクローンを識別するためには、N−カルバモイル
−4−ヒドロキシフェニルグリシンをD(−)4−ヒド
ロキシフェニルグリシンに変換する能力についてコロニ
ーをスクリーニングする必要がある。「陽性」コロニー
は、標準的な方法で、例えばフェノールレッドのような
指示薬を使用してアンモニア(上記反応で生成したも
の)の生産を調べることにより、簡便に識別および単離
され得る。
当業者が本発明を容易に実施できるようにするため
に、この試験で陽性のコロニー、特に、pCAR1で形質転
換されたイー・コリAG1微生物を、ナショナル・コレク
ション・オブ・インダストリアル・アンド・マリン・バ
クテリア(National Collection of Industrial and Ma
rine Bacteria)(アバディーン、スコットランド)に1
989年4月26日に、受託番号NCIMB40133で寄託した。イ
ー・コリNCIMB40133は、本発明のさらに別の態様を形成
する。
陽性コロニー、例えばイー・コリNCIB40133中に存在
するプラスミドDNAは、それによりコードされているカ
ルバモイラーゼ酵素の配列を決定するために、以下の実
施例に記載のとおりさらに処理してもよい[以下の図10
(b)参照]。
この天然に存在する酵素のアミノ酸配列は、いくらか
変化させてもよいと理解される。以下の図10(b)に示
すように、これらは、実質的には同一のアミノ酸配列を
有し、カルバモイラーゼ活性を有する。
本発明の特定の具体例においては、以下の図10(b)
に示すヌクレオチド891からヌクレオチド1802までのコ
ーディング配列よりなるDNAまたは組換えDNAが提供され
る。該DNA配列は、推定分子量約34,100のカルバモイラ
ーゼ酵素をコードする。
本発明のさらに別の態様においては、図10(b)に示
すN−からC−末端までのアミノ酸配列を有する、実質
的に精製されたカルバモイラーゼ酵素が提供される。
さらに本発明の別の態様においては、本明細書中で上
記するような、固体担体、例えばフェノール−ホルムア
ルデヒド陰イオン交換樹脂ドゥオライト(Duolite)A56
8(ローム・アンド・ハース(Rohm and Haas))のよう
な陰イオン交換樹脂上に固定化したカルバモイラーゼ酵
素が提供される。
所望により、図10(b)に示す該DNAコーディング配
列またはアミノ酸配列は、通常手段、例えば自動合成機
により合成することができる。
遺伝コードの縮重性により、カルバモイラーゼ酵素の
アミノ酸配列は、多数の代替DNA配列によりコードされ
得る。本発明のDNAは、さらにかかる代替配列よりなる
と理解される。
さらにもう1つの態様においては、本発明は、 a)pCAR1のDNA挿入の1部分(上記部分は986塩基対のB
spH I−Hind III断片である)、 b)緊縮条件(stringent conditions)下で上記部分に
対してハイブリッド形成し、D−N−カルバモイル(所
望により置換されていてもよいフェニル)グリシンを対
応するD−(所望により置換されていてもよいフェニ
ル)グリシンに変換する能力を有するカルバモイラーゼ
酵素をコードするDNA配列 から選択されるDNA化合物を提供する。
本発明の特定の態様において、標準的な方法を用いて
は可溶性活性酵素の生成を得ることが最初は困難である
にもかかわらず、イー・コリ中ではカルバモイラーゼ酵
素が簡便に製造され得ることが見いだされた。本発明の
この態様では、適切なプロモーターの制御下イー・コリ
中で遺伝子が発現されるために処理される、または既に
処理されたいずれかの適切なベクター中にカルバモイラ
ーゼ遺伝子よりなるDNAをまずクローニングする。
好ましくは、該ベクターは高コピー数プラスミド、例
えばpUC18または天然に存在するイー・コリ・プラスミ
ドNR1の誘導体である(フォスター,ティー・ジェイ(F
oster,T.J)ら、J.Bact.,1975,124,1153)。
カルバモイラーゼ酵素の効果的発現を達成するため
に、好ましくは、該プロモーターは非誘導(non−induc
ible)である。すなわち、その抑制解除または誘導のた
めに化学物質を加えたり温度を上げたりする必要がな
い。驚くべきことに、これらの条件下、増殖周期の間じ
ゅう、可溶性かつ活性であるカルバモイラーゼ酵素をイ
ー・コリ細胞が生産することを見いだした。
イー・コリ中でのカルバモイラーゼ酵素の発現のため
の一つの好ましいプロモーターは、以下に記載のとお
り、ガラクトースプロモーターである。
イー・コリNCIMB40133中に存在するプラスミドDNAま
たはその誘導体もまた、本明細書中に記載のヒダントイ
ナーゼの高レベル発現を得るために処理されてもよい。
以下の実施例により本発明を説明する。
実施例1 アグロバクテリウム80/44−2Aの培養および染色体DNAの
単離 50mlのAJ−1ブロス(1リットル当たり酵母エキス20
g、KH2PO4 1g、K2HPO4 1g、MgSO4・7H2O 0.5g、CaCl2
2H2O 0.1g、MnSO4・4H2O 15mg、FeSO4・7H2O 20mg、グ
ルコース5g、5M NaOHでpH7.0に調整)にアグロバクテリ
ウム80/44−2A(土壌から単離)の培養を接種し、25℃
で24時間、旋回インキュベーター中でインキュベートし
た。該培養液を約1500×g、10℃で7分間遠心分離し
た。得られた上清を捨て、細胞ペレットを10mlの食塩水
リン酸緩衝液(1リットル当たりNaCl 8.5g、KH2PO4 7.
2g、K2HPO4 7.0g)で洗浄し、再度ペレット化した。上
清を捨て、3%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)および5
0mMトリス−HCl(pH8.0)の溶菌溶液(8ml)に細胞ペレ
ットを再懸濁し、水浴中65℃で15分間インキュベートし
た。溶菌細胞溶液を室温に冷却し、5mlの緩衝化フェノ
ール/クロロホルム(トリス−HCl(pH8.0)でpH約7に
緩衝化されたフェノールおよびクロロホルムの50:50混
合物)で2回抽出した。回収された水層を5mlのクロロ
ホルムで抽出した。0.1容量の3M酢酸ナトリウム(NaOA
c)を加え、混合し、2.5容量の冷(−20℃)エタノール
を該溶液に重層し、ぐるぐる回して混合することによ
り、回収された水層を沈殿させた。沈殿したDNAの凝固
をガラス棒に巻き、40μg/mlリボヌクレアーゼAを含有
する3mlのTE(10mMトリス−HCl、pH8.0;1mM EDTA、pH8.
0)に再溶解した。該溶液を37℃で30分間インキュベー
トし、緩衝化フェノール/クロロホルムで抽出し、クロ
ロホルムで抽出し、ついでNaOAcおよびエタノールで沈
殿させた。該DNAをガラス棒に巻き付け、3mlのTEに再溶
解した。
実施例2 アグロバクテリウム80/44−2Aのゲノムライブラリーの
作成 プラスミドベクターpCP19(図1)は、広い宿主域の
プラスミドpLAFR1[フリードマン(Friedman)ら、ジー
ン(Gene)18(1982)289−296]の誘導体であり、pCP1
3[ダージンズ(Darzins)およびチャクラバティ(Chak
rabaty)、ジャーナル・オブ・バクテリオロジー(Jour
nal of Bacteriology)159(1984)9−18]と類似して
いるが、pCP13中に存在するカナマイシン耐性遺伝子を
欠く。2μgのプラスミドpCP19を、Hind III消化緩衝
液(50mMトリス−HCl、pH8.0;10mM MgCl2;100mM NaCl)
中、20単位の制限酵素Hind III[ギブコ(Gibco)BRL、
ペイズリー(Paisley)、PA3 4EF、スコットランド]に
より37℃で3時間消化した。該混合物を緩衝化フェノー
ル/クロロホルムで抽出し、ついでクロロホルムで抽出
し、回収した水層を0.1容量の3M NaOAcおよび2.5容量の
エタノールで処理した。該混合物を−20℃で1時間イン
キュベートして該DNAを沈殿させた。マイクロセントリ
フュージ試験管中、12000×gで5分間遠心分離した
後、該DNAペレットを50μlの50mMトリス−HCl(pH8.
0)、0.1mM EDTA(pH8.0)に再溶解した。1単位の牛腸
アルカリホスファターゼ(CIAP;BCLから、ベーリンガー
・マンハイム・ハウス(Boehringer Mannheim Hous
e)、レウェス(Lewes)、イースト・サセックス(East
Sussex)、BN7 1LG)を加え、該混合物を37℃で30分間
インキュベートした。45μlの水および5μlの10%SD
S溶液を加え、該混合物を68℃で15分間インキュベート
した。ついで該混合物を室温に冷却し、緩衝化フェノー
ル/クロロホルムで抽出し、クロロホルムで抽出し、Na
OAcおよびエタノールを加えることにより沈殿させた。
該DNAペレットを40μlのTEに再溶解した。
アグロバクテリウム80/44−2A(実施例1)からのDNA
25μgを、Hind III消化緩衝液(50mMトリス−HCl、pH
8.0;10mM MgCl2;100mM NaCl)150μl中、12単位のHind
IIIにより37℃で10〜30分間消化して制限酵素のいくつ
かの(すべてではない)認識部位にて切断した。消化の
進行は、アリコートを取り出し、フェノール/クロロホ
ルム抽出により反応を停止することにより監視した。0.
5μg/ml臭化エチジウムを含有するTBE緩衝液(89mMトリ
ス塩基、89mMホウ酸、2mM EDTA、pH8.0)中の0.6%アガ
ロース(ウルトラピュア(Ultrapure)、ギブコBRLか
ら)ゲル上の電気泳動により、回収したDNAサンプルの
1部を分画し、紫外線を用いてDNA帯を可視化した。部
分的に消化したDNA断片の必要な大きさは約15〜約30kbp
である。部分消化物から適当なアリコートを選択し、そ
れらを合わせ、臭化エチジウムを含有するTBE緩衝液中
の0.8%低融点アガロース(ウルトラピュア、ギブコBRL
から)ゲル上での電気泳動によりそれらを分画すること
により、これらの断片を得た。DNA帯を紫外線で可視化
した後、約15kbp〜約30kbpの大きさの断片に相当するゲ
ルの1部分を切り出し、65℃で15分間融解した。該混合
物を約37℃に冷却し、トリス−HCl(pH8.0)で中性pHに
緩衝化したフェノールの溶液で2回抽出した。回収した
水層を、緩衝化したフェノール/クロロホルムで抽出
し、クロロホルムで抽出し、NaOAcおよびエタノールを
加えることによりDNAを沈殿させた。100μlのTEにDNA
を再溶解した。
約0.8μgのHind III消化、CIAP処理pCP19DNA、およ
びアグロバクテリウム80/44−2AのHind IIIで部分的に
消化された染色体DNA約4μgを、NaOAcおよびエタノー
ルを加えることにより共沈させ、12μlのDNAリガーゼ
緩衝液(30mMトリス−HCl,pH8.0;4mM MgCl2;10mMジチオ
トレイトール;50μg/mlウシ血清アルブミン、および0.5
mM ATP)に再溶解させた。1単位のT4DNAリガーゼ(ギ
ブコBRL)を加え、該混合物を12℃で約16時間インキュ
ベートした。ストラタジーン(Stratagene)、ラ・ジョ
ラ(La Jolla)(カルフォルニア州92037)からのギガ
パック・ゴールド・パッケージング・キット(Gigapack
Gold Packaging Kit)を使用して、3μlの連結DNAを
ラムダバクテリオファージ粒子にパッケージングした
[エンクイスト(Enquist)およびスターンバーグ(Ste
rnberg)、メソッズ・イン・エンザイモロジー(Method
s in Enzymology)68(1979)281−298も参照せよ]。
これによりバクテリオファージ粒子の懸濁液500μlを
得た。
ストラタジーンから得たエシェリキア・コリ(Esheri
chia coli)AG1[イー・コリ(E.coli)DH1の誘導体:
ハナハン(Hanahan)、ジャーナル・オブ・モレキュラ
ー・バイオロジー(Journal of Molecular Biology)16
6(1983)557−580]の培養10mlを、0.4%マルトースお
よび10mM MgSO4を含有するL−ブロス(1リットル当た
りバクト−トリプトン10g、酵母エキス5g、NaCl 5gおよ
びグルコース1g)中、旋回インキュベーター上、37℃で
約16時間増殖させた。約1500×gでの7分間の遠心分離
により該細胞を集め、600nmでの最終光学濃度が0.5にな
るまで10mM MgSO4中に再懸濁させた。イー・コリ培養の
細胞400μlの11個のアリコートをそれぞれ40μlのバ
クテリオファージ粒子と混合し、37℃で15分間インキュ
ベートした。各混合物を800μlのL−ブロスに加え、
振とう器上37℃で1時間インキュベートし、12000×g
で2分間遠心分離して該細胞をペレット化した。各細胞
ペレットを100μlのL−ブロス中に再懸濁し、10μg/m
lテトラサイクリンで補足された1個のL−寒天(L−
ブロスについてであるが1.5%寒天を含有する)平板上
に広げた。該平板を37℃で約16時間インキュベートし
た。テトラサイクリン(10μg/ml)を含有するL−寒天
平板に800コロニーを取り、各平板が50コロニーを有す
るようにした。これらの平板を37℃で約16時間インキュ
ベートし、ついで各平板をテトラサイクリンを含有する
2L−寒天平板へのレプリカ平板法に付し、37℃で約16時
間インキュベートした。16個の平板の2組からの結果に
よると、これらの組は、イー・コリにおけるアグロバク
テリウム80/44−2A DNAのゲノムライブラリーのコピー
であった。
実施例3 カルバモイラーゼ活性を特徴づけるクローンの単離 イー・コリAG1におけるプラスミドpCP19中のアグロバ
クテリウム80/44−2A DNAのゲノムライブラリーを表す8
00コロニー(実施例2)の1組を、N−カルバモイル−
p−ヒドロキシフェニルグリシン(N−carb.)をD
(−)p−ヒドロキシフェニルグリシン(D(−)HP
G)に変換する能力についてスクリーニングした。該ラ
イブラリーの1個の平板の半分(すなわち25個の異なる
コロニー)からの細胞を、800μlの検定緩衝液を含有
するミクロセントリヒュージ試験管中にこすり落とし
た。該検定緩衝液は、1%N−carb.、10mMリン酸緩衝
液、0.0012%フェノールレッド(N−carb.溶液100ml当
たり2%溶液0.6ml)の、NaOHでpH6.7に調整された溶液
であった。この溶液は黄色であった。チューブの内容物
を混合し、チューブを水浴中42℃で24時間インキュベー
トした。N−carb.からD(−)HPGへの変換により、ア
ンモニアが発生し(図2)、これはpHを上昇させ、該変
換はフェノール・レッドが黄色から桃赤色へ変色するこ
とにより感知できた。32本の試験管のうちの1本が桃赤
色に変色した。この試験管に対応する25個のコロニー
を、重複ライブラリーの対応する平板から、テトラサイ
クリンを含有するL−寒天平板上に再度線状に塗り、37
℃で約16時間インキュベートした。各再ストリークから
の1白金耳の細胞を、上記フェノール・レッド試験を用
いてカルバモイラーゼ活性について試験した。25コロニ
ーのうちの1つが桃赤色を生じた。該反応試験管を1200
0×gで2分間遠心分離して該細胞をペレット化し、上
清をHPLCにより検定してD(−)HPGが存在することを
確認した。カルバモイラーゼ活性をコードするクローン
は、ナショナル・コレクション・オブ・インダストリア
ル・アンド・マリーン・バクテリア(National Collect
ion of Industrial and Marine Bacteria)(スコット
ランド、アバディーン)に1989年4月26日に受託番号NC
IMB40133で寄託した。該寄託は、特許手続のための微生
物の寄託に関するブタペスト条約に基づき行った。
実施例4 エシェリキア・コリNCIMB40133からのpCAR1の単離お
よび同定 10μg/mlテトラサイクリンを含有するL−ブロス400m
lにイー・コリNCIMB40133の培養(実施例3)を接種
し、旋回インキュベーター中、37℃で約20時間インキュ
ベートした。該培養を約6000×g、4℃で10分間遠心分
離し、生じた細胞ペレットを2.5mlの25%ショ糖、50mM
トリス−HCl(pH8.0)に再懸濁した。10mg/mlリゾチー
ム溶液0.5mlを加え、該混合物を氷上で10分間インキュ
ベートした。0.25M EDTA(pH8.0)1mlをリゾチーム処理
細胞に加え、ついで溶菌溶液(0.25%トリトンX−100;
50mMトリス−HCl、pH8.0;および62.5mM EDTA、pH8.0)
を加えた。これら溶液を混合し、氷上でさらに5〜10分
間インキュベートして細胞を溶菌した。溶菌細胞を約38
000×g、4℃で30分間遠心分離し、8.0mlの上清を8.4g
のCsClに加えた。CsClが溶解したら、1.0mlの5mg/ml臭
化エチジウム溶液を加え、該混合物を16×76mmのポリア
ロマーチューブ[ベックマン・インスツルメント(Beck
man Instruments)、パロ・アルト(Palo Alto)、カリ
フォルニア州94304]に移した。該試験管を封管し、約1
85000×gで60時間遠心分離した。生じたプラスミド帯
を紫外線で可視化し、21番径の針のついたシリンジを用
いて該DNAを取り出した。5M NaClで飽和させたイソプロ
パノールで数回抽出することにより、該DNA溶液から臭
化エチジウムを除去した。回収した水層をTE緩衝液の3
回の変化に対してそれぞれ1時間透析し、緩衝化フェノ
ール/クロロホルムで抽出し、クロロホルムで抽出し、
NaOAcおよびエタノールを加えることによりDNAを沈殿さ
せた。該プラスミドDNA(約50μg)を、500μlのTEに
再懸濁した。このプラスミドをpCAR1と称した。制限部
位地図を図3に示す。
実施例5 プラスミドpCAR6の作製 約4μgのプラスミドpCAR1(実施例4)を37℃で3
時間、Hind III消化緩衝液中、Hind IIIで消化した。消
化されたDNAを、TBE緩衝液中で電気泳動することにより
0.9%低融点アガロースゲル(ギブコBRL)上で分画し
た。役12kbpのHind III断片を含有するゲルの1部を切
り出し、10分間65℃に加熱することにより融解し、約37
℃に冷却し、緩衝化フェノール(トリス−HCl(pH8.0)
でpH約7に緩衝化されたフェノール)で2回抽出した。
回収した水層を緩衝化フェノール/クロロホルムで抽出
し、クロロホルムで抽出し、0.1容量の3M NaOAcおよび
2.5容量のエタノールで処理した。該混合物を−20℃で
1時間インキュベートしてDNAを沈殿させ、ミクロセン
トリヒュージ試験管中、12000×gで5分間遠心分離す
ることによりペレット化し、20μlのTEに再溶解した。
Hind III消化、CIAP処理pCP19DNA(実施例2)約0.6
μgおよびpCAR1(上記参照)からの約12kbpのHind III
断片0.6μgを、全容量20μlのDNAリガーゼ緩衝液中で
合わせた。1単位のT4 DNAリガーゼを加え、該混合物を
12℃で約16時間インキュベートした。
イー・コリHB101[エイチ・ボイヤー(H.Boyer)およ
びディー・ローランド−ドゥソイクス(D.Roulland−Du
ssoix)、ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロ
ジー(Journal of Molecular Biology)41(1969)45
9]を、600nmのO.D.が約0.5になるまで、50mlのL−ブ
ロス中37℃で旋回インキュベーター上で増殖させた。15
00×g、4℃で7分間遠心分離することにより該細胞を
ペレット化し、4ml 100mM MgCl2中に再懸濁し、再度ペ
レット化し、2mlの100mM CaCl2中に再懸濁し、再度ペレ
ット化し、2mlの100mM CaCl2中に再懸濁した。これらの
細胞を氷上で1時間保った。イー・コリ細胞の形質転換
は以下のとおり行った。10μlの連結反応混合物を200
μlの細胞に加えた。該混合物を氷上で30分間インキュ
ベートし、42℃で2分間インキュベートし、800μlの
L−ブロスを加え、37℃で30分間インキュベートした。
この混合物の希釈物を、10μgml-1テトラサイクリンで
補足されたL−寒天平板上に広げ、該平板を37℃で16時
間インキュベートした。20個のテトラサイクリン耐性コ
ロニーを、10μgml-1のテトラサイクリンで補足された
L−寒天平板上に再度線状に塗り、37℃で一夜インキュ
ベートした。1白金耳の細胞を各平板からこすり落と
し、実施例3に記載の「フェノール・レッド試験」によ
りカルバモイラーゼ活性について試験した。20個の単離
物のうちの15個がカルバモイラーゼ活性について陽性で
あった。
20個の単離物のそれぞれから、以下のとおりプラスミ
ドDNAを単離(小規模で)した。ミクロセントリヒュー
ジ試験管中の50mMグルコース、25mMトリス−HCl(pH8.
0)、10mM EDTAの100μl中へ平板から細胞をこすり落
とし、渦を起こして混合し、室温で5分間インキュベー
トした。0.2M NaOHと1%ドデシル硫酸ナトリウムとの
新鮮な混合物200μlを加え、該チューブをひっくりか
えして内容物を混合し、氷上で5分間インキュベートし
た。酢酸でpH4.8に調整した3M酢酸カリウム150μlを試
験管に加え、試験管をひっくりかえすことにより内容物
を混合し、試験管を氷上で5分間インキュベートした。
試験管を1200×gで2分間遠心分離し、回収した上清を
緩衝化フェノール/クロロホルムで抽出し、クロロホル
ムで抽出し、回収した水層を800μlの冷(−20℃)エ
タノールで処理した。試験管の内容物を混合し、室温で
2分間インキュベートし、試験管を12000×gで2分間
遠心分離して核酸をペレット化した。該ペレットをTEに
溶解し、1部をプラスミドDNAの制限地図を確認するた
めの制限酵素消化に使用した。該プラスミドDNAの制限
酵素消化から判断すると、試験した20個の単離物のう
ち、カルバモイラーゼ酵素を全く生成しなかった5個の
単離物はpCP19 DNAを含有していた。カルバモイラーゼ
酵素を与えた全15個は、pCAR1からの12kbp Hind III断
片を有するプラスミドを含有していた。該プラスミドDN
Aは2個の型のうちの1個であり、該プラスミドベクタ
ーの残りの部分と比較して、12kbpのHind III断片の配
向のみが相違していた。カルバモイラーゼ活性を有する
イー・コリの単離物のうちの1つを、10μgml-1テトラ
サイクリンで補足されたL−ブロス400ml中、37℃で旋
回インキュベーター上で一夜インキュベートした。実施
例4に記載の方法を用いて、プラスミドDNAをこの培養
から単離した。このプラスミドをpCAR6と称した。制限
部位地図を図4に示す。
実施例6 プラスミドpCAR12の作製 プラスミドベクターpIJ2925(図5)はpUC18[ノーラ
ンダー(Norrander)ら、ジーン(Gene)26(1983)101
−106]に類似しているが、それはlacZ'遺伝子の5'末端
付近の複数のクローニング部位に異なるポリリンカーを
有している。pIJ2925 DNA2μgを、100μlのBamH I消
化緩衝液(50mMトリス−HCl、pH8.0;10mM MgCl2;100mM
NaCl)中、10単位のBamH I(ギブコ−BRL)で37℃で3
時間消化した。1単位のCIAPを加え、30分間インキュベ
ートを続けた。5μlの10%SDSを加え、該混合物を約6
8℃で15分間インキュベートした。ついで該混合物を室
温に冷却し、緩衝化フェノール/クロロホルムで抽出
し、クロロホルムで抽出し、0.1容の3M NaOAcおよび2.5
容のエタノールを加えることにより沈殿させた。−20℃
で1時間インキュベートした後、該試験管を12000×g
で5分間遠心分離し、該DNAペレットを10μlのTEに再
溶解した。
Sau3A I消化緩衝液(20mMトリスHCl、pH7.4;5mM MgCl
2、50mM KCl)中、約20μgのpCAR6 DNAを12単位のSau3
A I(ギブコ−BRL)で37℃にて1〜30分間消化して、制
限酵素の認識部位の幾つかの(すべてではない)位置で
切断した。アリコートを取り出し、フェノール/クロロ
ホルム抽出により反応を停止することにより、消化の進
行を監視した。臭化エチジウムを含有するTBE緩衝液中
0.8%アガロースゲル上で電気泳動することにより、回
収したDNAサンプルの1部を分画し、紫外線を用いてDNA
帯を可視化した。DNA断片のほとんどが1〜5kbpの範囲
のサイズである1つのアリコートからのDNAを、NaOAcお
よびエタノールを用いて沈殿させ、20μlTEに再溶解し
た。
BamH I消化、CIAP処理pIJ2925 DNA約0.5μgとSau3A
Iで部分消化したpCAR6のDNA 1μgとをDNAリガーゼ緩衝
液12μl中で混合した。T4 DNAリガーゼの1単位を加
え、該混合物を12℃で16時間インキュベートした。
実施例5のイー・コリHB101について記載したと同様
の方法で、イー・コリDH5α(ギブコ−BRLから得た)の
培養を増殖させた。この培養からの細胞をMgCl2およびC
aCl2で処理し、ついで連結DNAで形質転換した。50μlml
-1アンピシリン、12.5μgml-1イソプロピル−β−D−
ガラクトピラノシド(IPTG、ギブコ−BRLから)および4
0μgml-1 5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β
−Dガラクトピラノシド[X−ガル(gal)、ギブコ−B
RLから]を含有するL−寒天平板上で形質転換株を選択
した。X−ガルを青色化合物に変換せず、したがって恐
らく、プラスミド上のlacZ'遺伝子を崩壊させるpIJ2925
のポリリンカー中に挿入を含有する約300の「白い」コ
ロニーが、50μgml-1アンピシリンを含有するL−寒天
平板上に斑点となり、これを37℃で一夜増殖させた。1
平板当たり25個の斑点があり、重複平板を作った。平板
の1組を用いて、実施例3記載の方法によりカルバモイ
ラーゼ酵素活性を試験した。25個の斑点からの細胞を各
試験管中で試験した。12本の試験管のうちの1本が陽性
であった。問題の平板からのコロニーを再度線状に塗
り、一夜増殖させ、カルバモイラーゼ活性についてそれ
ぞれ試験した。25コロニーのうちの1つが陽性であっ
た。50μgml-1アンピシリンで補足したL−ブロス400ml
にこのクローンの培養を接種し、ついで旋回インキュベ
ーター中37℃で約20時間増殖させた。実施例4に記載の
方法を用いて、プラスミドDNAをこの培養から単離し
た。このプラスミドをpCAR12と称した。図6に制限地図
を示す。
実施例7 プラスミドpCAR21の作製 プラスミドpCAR12(実施例6)の約2μgを、Bgl II
消化緩衝液(50mMトリスHCl、pH8.0;10mM MgCl2;100mM
NaCl)中、5単位のBgl II(ギブコBRL)で37℃で3時
間消化した。TBE緩衝液中で電気泳動することにより、
消化されたDNAを0.9%低融点アガロースゲル上で分画し
た。約1.9kbp Bgl II断片を含有するゲルの1部を切
り、実施例5に記載の方法を用いて該DNAを回収した。
このDNA断片約0.5μgを、全容量12μlのDNAリガー
ゼ緩衝液中、BamH I消化、CIAP処理pIJ2925DNA(実施例
6)約0.5μgと混合した。T4DNAリガーゼの1単位を加
え、該混合物を12℃で約16時間インキュベートし、つい
でイー・コリDH5αを形質転換するために使用した。該
細胞をアンピシリン、IPTGおよびX−ガル(実施例6)
で補足されたL−寒天平板上に広げ、37℃で一夜インキ
ュベートした。4個の「白色の」コロニー(実施例6参
照)を、アンピシリン、IPTGおよびX−ガルを含有する
L−寒天平板上に再度線状に塗り、37℃で一夜増殖さ
せ、実施例5記載の方法を用いていくつかの細胞につい
て小規模プラスミドDNA調製を行った。DNAの1部を制限
酵素で消化して、プラスミドの制限地図を確認した。pC
AR12からの約1.9kbp断片およびpIJ2925からのポリリン
カー配列から予想されるとおり、試験した4個のコロニ
ーのうちの3個は約2kbpのBgl II断片を含有していた。
「フェノール・レッド試験」(実施例3)を用いてこれ
らの3コロニーからの細胞をカルバモイラーゼ活性につ
いて試験した。試験はすべて陽性であった。50μgml-1
アンピシリンを含有するL−ブロス400mlに、3個の
「陽性」クローンの1つの培養を接種し、旋回インキュ
ベーター中37℃で約20時間増殖させた。実施例4に記載
の方法を用いて、この培養からプラスミドDNAを単離し
た。このプラスミドはpCAR21と称した。図7に制限地図
を示す。
実施例8 pCAR27およびpCAR28の作製 プラスミドpCAR21約2μgを、Hind III消化緩衝液
中、5単位のHind IIIで37℃で3時間消化した。TBE緩
衝液中で電気泳動することにより、0.9%低融点アガロ
ースゲル上、消化されたDNAを分画した。約1.9kbpのHin
d III断片を含有するゲルの部分を切り、実施例5に記
載の方法を用いて該DNAを抽出し、該DNAを20μTEに溶解
した。
M13mp19[ノーランダー(Norrander)、ケンペ(Kemp
e)およびメッシング(Messing)、ジーン(Gene)26
(1983)101−106]複製型(RF)DNA約1μgを、Hind
III制限緩衝液中、5単位のHind IIIで37℃で3時間消
化した。該混合物を緩衝化フェノール/クロロホルムで
抽出し、クロロホルムで抽出し、3M NaOAcおよびエタノ
ールを用いて、回収された水層からDNAを沈殿させた。
遠心分離によりDNAを集め、20μlTEに再溶解させた。
Hind III消化M13mp19DNA0.8μgおよびpCAR21からの
約1.9kbpのHind III断片約0.2μgを、DNAリガーゼ緩衝
液15μl中で混合した。T4DNAリガーゼ1単位を加え、
該混合物を12℃で16時間インキュベートした。
イー・コリDH5αF'(ギブコ−BRLから得た)の培養
を、実施例5でイー・コリHB101について記載したと同
様の方法で増殖させた。この培養からの細胞をMgCl2
よびCaCl2で処理し(実施例5に記載と同様)、氷上で
2時間インキュベートした。イー・コリ細胞のトランス
フェクションを以下のようにして行った。200μlの細
胞に0.5μlまたは4μlの連結反応混合物を加え、氷
上で30分間インキュベートし、42℃で2分間インキュベ
ートし、室温で15分間インキュベートした。イー・コリ
DH5α’の一夜培養物100μl、2%X−ガル30μlおよ
び2.5%IPTG 30μlを、細胞およびDNAの混合物に加え
た。L−ブロスおよびL−寒天(48〜50℃で溶融状態に
保つ)の1:1混合物2.5mlにこの混合物を加え、素早く混
合し、ついでL−寒天平板上に注いで、全平板を横切る
薄層を得た。該平板を37℃で一夜インキュベートした。
青色(X−ガル上β−ガラクトシダーゼ活性により生
じた)および「白色」(すなわち青でない)のプラーク
の混合物は、DH5αF'細胞の菌叢上で見ることができ
た。該Hind III部位はM13mp19のlacZ'遺伝子内にあっ
た。したがって、この部位におけるDNAの挿入はlacZ'遺
伝子を不活性化し、したがってかかるM13mp19誘導体で
感染したDH5αF'細胞におけるβ−ガラクトシダーゼ活
性を不活性化するであろう。イー・コリDH5αF'をL−
ブロス中37℃で約16時間増殖させた。得られた培養をL
−ブロスで1:100に希釈し、「白色」プラークをこの希
釈培養1mlに接種し、旋回インキュベーター(約300rp
m)上で約5時間インキュベートした。該培養をミクロ
セントリヒュージ試験管に移し、12000×gで3分間遠
心分離して該細胞をペレット化した。該上清を4℃で保
存した。実施例5に記載のプラスミド単離のための小規
模方法を用いて、細胞の各サンプルからRF DNAを単離し
た。これらのプラスミドの制限酵素消化により、M13mp1
9にいずれかの配向で挿入された、pCAR21からの約1.9kb
pの断片を含有する2個の単離物が同定された。これら
のプラスミドが単離されたそれぞれの培養からの上清80
0μlを、イー・コリDH5αF'の一夜培養物4mlを含有す
るL−ブロス400mlに別々に接種した。該上清はバクテ
リオファージ粒子を含有する。これらをDH5αF'細胞に
感染させ、該細胞の内部に二本鎖のRF DNAを得てもよ
い。該400ml培養のそれぞれを37℃で20時間増殖させ、
実施例4に記載のとおり処理してプラスミド(RF)DNA
を精製した。該プラスミドの制限酵素消化により、該プ
ラスミドの構造が確認された。一方の培養からのプラス
ミドをpCAR27(図8)と称し、他方の培養からのプラス
ミドをpCAR28(図9)と称した。
実施例9 pCAR27およびpCAR28におけるアグロバクテリウムDNAの
ヌクレオチド配列の決定 プラスミドpCAR27およびpCAR28を同様に処理して、欠
失クローンおよび配列決定のための鋳型を得た。
RF DNA約8μgを、20mMトリスHCl(pH7.4)、5mM Mg
Cl2、50mM KClの100μl中、10単位のKpn Iおよび10単
位のBamH Iで消化した。フェノール/クロロホルム抽出
により該DNAを精製し、0.3M NaOAcの存在下、エタノー
ルを用いて沈殿させた。ヘニコフ(Henikoff)[ジーン
(Gene)28(1984)351−359]により記載されている方
法を用いて、回収されたDNAをエキソヌクレアーゼIIIで
処理して該プラスミド中のアグロバクテリウムDNA中に
欠失させた。連結生成物を用いて、実施例8に記載の方
法を用いてイー・コリDH5αF'の細胞をトランスフェク
トした。配列決定反応に用いる鋳型DNAは以下のように
して調製した。
「白色」のプラークをそれぞれ、イー・コリDH5αF'
(実施例8参照)の培養1mlに接種し、激しく振とうし
ながら(300rpm)37℃で5〜6時間増殖させ、ついで遠
心分離により該細胞をペレット化した。上清800μl
を、20%ポリエチレングリコール(PEG6000)、2.5M Na
Clの150μlを含有する新鮮な試験管に移し、混合し、
室温で12分間インキュベートした。該試験管を12000×
gで5分間遠心分離してバクテリオファージ粒子をペレ
ット化し、上清を捨てた。該試験管を再度手短に遠心分
離し、残りすべての上清を取り出し、10mMトリス−HCl
(pH8.0)、0.1mM EDTA(pH8.0)の100μlにペレット
を再懸濁した。フェノール(100mMトリス−HCl,pH8.0で
pH7に緩衝化されている)50μlを加え、混合し、該試
験管を室温で5分間インキュベートした。該試験管を12
000×gで3分間遠心分離し、水層を新鮮な試験管に移
し、クロロホルムで抽出し、NaOAcおよびエタノールで
処理してDNAを沈殿させた。遠心分離によりDNAを回収
し、16μlの水に溶解した。このDNAはM13バクテリオフ
ァージ粒子からの一本鎖DNAであり、配列決定反応の
「鋳型」として使用した。シークエナーゼ(Sequenas
e)酵素[ユナイティッド・ステイツ・バイオケミカル
・コーポレーション(United States Biochemical Corp
oration)、クリーブランド、オハイオ州44122、USA]
により、該酵素を含有するキットで供給される方法を用
いて配列決定を行った。いくつかの鋳型を配列決定して
pCAR27挿入の完全な配列を得た。pCAR28の欠失からの鋳
型を用いて、反対方向の断片の配列を決定した。DNASTA
Rインク[マジソン(Madison)、ウィスコンシン州5371
5、米国]からのソフトウェアーを用いて、両方向から
の配列を比較し、アグロバクテリウムDNA1880bpについ
ての共通性を得た。この共通性を、推定されるカルバモ
イラーゼ酵素のアミノ酸配列と共に図10に示す。
実施例10 pCAR29の作製 pCAR28(実施例8、図9)のRF DNA約2μgを、20mM
トリスHCl(pH7.4)、5mM MgCl2、50mM KClの50μl
中、5単位のBspH I[ニュー・イングランド・バイオラ
ブズ(New England Biolabs)、米国マサチューセッツ
州01915ビバリー]で消化した。フェノール/クロロホ
ルム抽出およびクロロホルム抽出により該DNAを精製
し、NaOAcおよびエタノールを用いて沈殿させ、遠心分
離により回収し、10mMトリスHCl(pH7.4)、10mM MgC
l2、50mM NaCl、50μgml-1ウシ血清アルブミン、10mM 2
−メルカプトエタノールの40μlに再溶解した。250μ
Mデオキシグアノシン三リン酸、250μMデオキシ−チ
ミジン三リン酸および250μMデオキシシチジン三リン
酸の混合物1μlを加え、ついでイー・コリDNAポリメ
ラーゼ(ギブコ−BRL)の「クレノウフラグメント」2
単位を加えた。該試験管を37℃で10分間インキュベート
し、フェノール/クロロホルムで抽出し、クロロホルム
で抽出した。回収した水層をNaOAcおよびエタノールで
処理してDNAを沈殿させ、遠心分離により回収し、50mM
トリス−HCl(pH8.0)、10mM MgCl2および50mM NaClの5
0μlに再溶解した。制限酵素Hind IIIおよびEcoR V
(ギブコ−BRL)のそれぞれの5単位を加え、試験管内
容物を混合し、試験管を37℃で3時間インキュベートし
た。TBE緩衝液中で電気泳動することにより、消化され
たDNAを0.9%低融点アガロースゲル上で分画した。990b
p断片を含有するゲルの部分を切り、実施例5に記載の
方法を用いてアガロースセグメントからDNAを回収し
た。該DNAを20μlの水に再溶解した。
pTR550(図11)は、ジー・エム・ピー・ローレンス
(G.M.P.Lawrence)博士[スミスクライン・ビーチャム
・ファーマシューティカルズ、グレート・バーグ(Grea
t Burgh)、エプソム、サリー、英国]により作製され
たプラスミドベクターであり、それはpKK223−3[ファ
ルマシアLKBバイオテクノロジー(Pharmacia LKB Biote
chnology)、S−751 82ウプサラ、スウェーデン]の誘
導体である。pTR550においては、pBR322由来のpKK223−
3のほとんどがpAT153からのDNAで置換されている。pTR
550約1μlを、20mMトリスHCl(pH7.4)、5mM MgCl2
50mM KClの30μl中、5単位の制限酵素Sma I(ギブコ
−BRL)により37℃で3時間消化した。消化したDNAをフ
ェノール/クロロホルムおよびクロロホルム抽出により
精製し、NaOAcおよびエタノールを用いて沈殿させ、遠
心分離により回収し、5単位のHind IIIを含有する50mM
トリス−HCl(pH8.0)、10mM MgCl2、100mM NaClの30μ
lに再溶解した。該混合物を37℃で3時間インキュベー
トし、フェノール/クロロホルムで抽出し、クロロホル
ムで抽出し、回収された水層をNaOAcおよびエタノール
で処理してDNAを沈殿させた。遠心分離によりDNAを集
め、20μlの水に再溶解した。
Sma IおよびHind IIIの両方で消化されたpTR550 DNA
約0.5μgをpCAR28からの990bp断片(カルバモイラーゼ
遺伝子の始めのBspH I部位から配列決定されたDNAの末
端のHind III部位まで)約0.2μgと、DNAリガーゼ緩衝
液20μl中で混合した。T4DNAリガーゼの1単位を加
え、該混合物を12℃で約16時間インキュベートした。
イー・コリJM101[メッシング(Messing)、リコンビ
ナントDNA・テクニカル・ブレティン(Recombinant DNA
Technical Bulletin)(NIH)、No.2、43〜48頁(19
79)]の培養を増殖させ、実施例5におけるイー・コリ
HB101について記載と同様の方法により、該細胞をCaCl2
およびMgCl2で処理した。実施例5に記載のとおり、連
結混合物DNAで該細胞を形質転換した。該細胞の希釈物
を、50μgml-1アンピシリンを含有するL−寒天平板上
に広げ、37℃で一夜インキュベートした。22個のアンピ
シリン耐性コロニーを、50μgml-1アンピシリンを含有
するL−寒天平板上に再度線状に塗り、37℃で一夜イン
キュベートし、ついで実施例5に記載の方法を用いて、
これらの単離物のそれぞれの細胞について小規模のプラ
スミドDNAの調製を行った。DNA調製物の制限酵素消化に
より、所望の作製物である1個のプラスミドが示され
た。このプラスミドを含有する単離物を、50μgml-1
ンピシリンを含有するL−ブロス400mlに接種し、旋回
インキュベーター上37℃で一夜増殖させ、実施例4に記
載の方法を用いてプラスミドDNAを単離した。制限酵素
消化により、このプラスミドの正確な構造が確認され
た。該プラスミドをpCAR29と称した(図12)。
実施例11 pCAR29を含有するイー・コリJM101におけるカルバモイ
ラーゼの発現 pCAR29(実施例10)を含有するイー・コリJM101を、5
0μgml-1のアンピシリンを含有するL−ブロス10mlに接
種し、旋回インキュベーター上37℃で一夜増殖させた。
250mlの円錐フラスコ中、この培養の600μlを、50μgm
l-1のアンピシリンを含有するL−ブロス60mlに接種
し、旋回インキュベーター上37℃でインキュベートし
た。2時間後(600nmの光学濃度約0.3)、最終濃度1mM
になるまでIPTGを加え、さらに3時間増殖を継続した。
培養中のイー・コリ細胞はカルバモイラーゼ活性を有し
ていた。上記の方法により増殖させた、pTR550を含有す
るイー・コリJM101の細胞は、カルボキシラーゼ活性を
全く有さなかった。
実施例12 イー・コリからアグロバクテリウムへのpCAR1の転移 プラスミド転移に必要な機能を付与する「ヘルパー
株」としてのイー・コリ(pRK2013)との細菌の接合を
含む三親交配(triparental mating)により、プラスミ
ドpCAR1をイー・コリからアグロバクテリウムに転移さ
せた。アグロバクテリウム15−10は、紫外線を用いた突
然変異誘発によるアグロバクテリウム80/44−2A由来の
株である。アグロバクテリウム15−10の培養10mlをL−
ブロス中、旋回インキュベーター上30℃で約20時間増殖
させた。イー・コリAG1(pCAR1)(実施例3参照)の培
養10mlを、10μg/mlテトラサイクリンを含有するL−ブ
ロス中、旋回インキュベーター上37℃で約16時間増殖さ
せた。イー・コリHB101(pRK2013)[フィグルスキー
(Figurski)およびヘリンスキー(Helinski)、プロシ
ーディングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オ
ブ・サイエンスUSA(Proceedings of the National Aca
demy of Science,USA)76(1979)1648−1652]を、50
μg/ml硫酸カナマイシンを含有するL−ブロス中、旋回
インキュベーター上37℃で約16時間増殖させた。各培養
800μlを細孔径0.45μmの1個の無菌HAフィルター
[ミリポア(Millipore)、ブラックモア・レイン(Bla
ckmoor Lane)、ワットフォード(Watford)、WD18YW、
英国]で濾過した。ついで、培養からの細胞を保持する
フィルターをL−寒天平板の表面に載せ、30℃で24時間
インキュベートした。フィルターを平板の表面から除い
て1mlの無菌食塩水リン酸緩衝液を含有するねじ蓋式容
器に移し、該容器を振とうしてフィルターからの細胞を
再懸濁した。100μlのこの溶液、および食塩水リン酸
緩衝液中の希釈液を、100μg/ml硫酸ストレプトマイシ
ンおよび10μg/mlテトラサイクリンを含有する最少培地
[MM:1g KH2PO4,1g K2HPO4,0.5g MgSO4・7H2O,0.1g CaC
l2・2H2O,15mg MnSO4・4H2O,20mg FeSO4・7H2O,5gグル
コース,2g(NH42SO4および15g寒天、5M NaOHでpH7.0
に調整]に入れた。イー・コリの親株は100μg/mlスト
レプトマイシンを含有するMM上で増殖できないはずであ
る。アグロバクテリウム15−10は10μg/mlテトラサイク
リンの存在下で増殖しないはずである。したがって、pC
AR1含有アグロバクテリウム15−10細胞のみがこの培地
上で増殖するはずである。30℃で5日間増殖させた後、
25μg/ml硫酸ストレプトマイシンおよび10μl/mlテトラ
サイクリンを含有するL−寒天平板上にコロニーを再度
線状に塗り、30℃でさらに3日間インキュベートした。
実施例5に記載の方法を用いて、4個の単離物からプラ
スミドDNAを調製した。該プラスミドDNAの1部の制限酵
素消化を用いて、テトラサイクリン耐性のエクスコンジ
ュガンツ(ex−conjugants)(すなわち接合からの子
孫)がpCAR1を含有することを確認した。
実施例13 イー・コリからアグロバクテリウムへのpCAR6の転移 この転移に用いた方法は、実施例12においてpCAR1に
関して記載したのと非常に類似したものである。交配の
親はイー・コリHB101(pCAR6)(実施例5参照)、イー
・コリHB101(pRK2013)(実施例12参照)およびアグロ
バクテリウム15−10(実施例12参照)であった。両方の
イー・コリの親株は栄養要求性突然変異体であるため、
アグロバクテリウム15−10(pCAR6)コロニーについて
選択するために、交配からの子孫は、10μg/mlテトラサ
イクリン(ストレプトマイシンは全く含有しない)を含
有するMM上で平板培養した。エクスコンジュガンツから
単離されたプラスミドDNAの制限酵素消化の分析によ
り、pCAR6の存在が確認された。
実施例14 イー・コリからアグロバクテリウムへのpCP19の転移 この転移に用いた方法は、イー・コリHB101(pCAR6)
でなくイー・コリHB101(pCP19)が交配における親株で
ある以外、実施例13においてpCAR6に関して記載したの
と同じ方法である。エクスコンジュガンツから単離され
たプラスミドDNAの制限酵素消化の分析により、エクス
コンジュガンツ中のpCP19の存在が確認された。
実施例15 pCAR1およびpCAR6に関連する特別の(extra)ヒダント
イナーゼ活性の証明 アグロバクテリウム15−10(pCAR1)、アグロバクテ
リウム15−10(pCAR6)およびアグロバクテリウム15−1
0(pCP19)をそれぞれ、0.1%アラニンヒダントインお
よび10μg/mlクロラムフェニコールを含有するAJ−1ブ
ロス50mlに接種し、旋回インキュベーター中30℃で24時
間増殖させた。ついで、培養のそれぞれを以下のとおり
処理した。培養5mlからの細胞を遠心分離により集め、
細胞の湿重量を測定した。50mlのねじ蓋式円錐フラスコ
中、0.2Mトリス中の1%D,L−5−(p−ヒドロキシフ
ェニル)ヒダントインの20mlに細胞を再懸濁し、水浴中
42℃で振とうした。10分間のインキュベートの後および
30分後、サンプルを取り出した。該細胞を遠心分離によ
り回転させ、D−N−カルバモイル−p−ヒドロキシフ
ェニルグリシンの存在に関してHPLCにより上清を検定し
た。30分および10分におけるD−N−カルバモイル−p
−ヒドロキシフェニルグリシン生成物の量の差を用い
て、細胞(湿重量)1g当たり1時間当たりの生成物μモ
ルとしてヒダントイナーゼ活性を算出した。pCAR1また
はpCAR6を含有するアグロバクテリウム15−10について
のヒダントイナーゼ活性は、pCP19を含有するアグロバ
クテリウム15−10についての活性より5〜6倍高く、こ
れはpCAR1およびpCAR6がヒダントイナーゼ活性コードす
る遺伝子を含有することを示す。
実施例16 プラスミドpCAR26の作製 プラスミドベクターpKT210[バグダサリアン(Bagdas
arian)ら、ジーン(Gene)16(1981)237−247頁;図1
3の地図]は、広宿主域プラスミドRSF1010のクロラムフ
ェニコール耐性誘導体である。pKT210DNA約2μgを、E
coR I消化緩衝液(50mMトリス−HCl,pH8.0;10mM MgCl2;
100mM NaCl)中、5単位のEcoR I(ギブコ−BRL)によ
り37℃で3時間消化した。消化混合物の1部を電気泳動
により分析した。消化は完全でなかったようであるが、
1単位のCIAPを加え、インキュベートを30分間続けた。
消化混合物を0.9%低融点アガロースゲル上に載せ、TBE
緩衝液中電気泳動することにより該DNAを分画した。線
状化プラスミドDNAに相当する約11.4kbpのEcoR I断片を
含有するゲル部分を切り、実施例5に記載の方法を用い
て該DNAを回収した。
約2μgのpCAR12(実施例6、図6をも参照せよ)
を、EcoR I消化緩衝液中、10単位のEcoR Iにより37℃で
3時間消化した。0.9%低融点アガロースゲル上、TBE緩
衝液中の電気泳動により、消化されたDNAを分画した。
約2.7kbpのEcoR I断片を含有するゲル部分を切り、実施
例5に記載の方法を用いて該DNAを回収した。
この約2.7kbpのDNA断片約0.5μgを、全量12μlのDN
Aリガーゼ緩衝液中、EcoR I消化、CIAP処理pKT210 DNA
約0.5μgと混合した。T4 DNAリガーゼ1単位を加え、
該混合物を12℃で約16時間インキュベートした。
実施例5においてイー・コリHB101について記載した
のと同様にして、イー・コリAG1(実施例2参照)の培
養を増殖させた。実施例5と同様にして、この培養から
の細胞をMgCl2およびCaCl2、ついで連結DNAで処理し
た。細胞−DNA混合物を、25μgml-1クロラムフェニコー
ルで補足したL−寒天平板上に広げ、該平板を37℃で16
時間インキュベートした。17個のクロラムフェニコール
耐性形質転換体を、25μg/ml-1クロラムフェニコールを
含有するL−寒天平板上に再度線状に塗り、37℃で一夜
インキュベートした。各形質転換体の細胞1白金耳を該
平板からこすり取り、「フェノール・レッド」検定緩衝
液(実施例3)600μlに再懸濁した。42℃で5時間イ
ンキュベートした後、反応液のうちの3つが桃色を呈し
た。実施例5の小規模方法を用いて、該試験において桃
色に対応する培養からプラスミドDNAを単離した。該DNA
調製物の制限酵素消化により、pCAR12からの約2.7kbpの
断片の存在が示された。該プラスミド調製物のうちの1
つは、pCAR12からの断片の2個の複製を有していた。こ
のプラスミドをpCAR26と称した。さらに制限酵素消化
は、pCAR26がpCAR12からのアグロバクテリウムDNAのす
べてを含有する、すなわち、pCAR12からの断片はカルバ
モイラーゼ遺伝子(図6および10参照)中のEcoR I部位
を越えてポリリンカーのEcoR I部位へ伸びていることを
示した。したがって、単離された断片(約2.7kbp)は部
分消化pCAR12由来であるにちがいない。pCAR26の地図を
図14に示す。プラスミドpCAR26は完全なカルバモイラー
ゼ遺伝子の2個の複製を含有する。
実施例17 イー・コリからアグロバクテリウムへのpCAR26の転移 pCP19−誘導体と同様、ヘルパープラスミドpRK2013を
用いる接合により、pKT210に基づくプラスミドを転移さ
せることができる。pCAR26の転移に用いる方法は実施例
12におけるpCAR1について記載したのと同様の方法であ
ったが、下記の修飾を施した。25μgml-1クロラムフェ
ニコールを含有するL−ブロス中、イー・コリAG1(pCA
R26)を37℃で16時間増殖させ、イー・コリHB101(pRK2
013)およびアグロバクテリウム15−10を実施例12に記
載のとおり増殖させた。これら3個の培養からの細胞を
フィルターメート化(filter−mated)し、ついで10μg
ml-1クロラムフェニコールを含有するMM上で平板培養し
た。5日後、増殖したコロニーを25μgml-1ストレプト
マイシンおよび10μgml-1クロラムフェニコールを含有
するL−寒天上に再度線状に塗り、30℃で3日間インキ
ュベートした。実施例5に記載の方法を用いて1個の単
離物からプラスミドDNAを調製した。このDNAの制限酵素
消化によりpCAR26の存在が確認された。
実施例18 pKT210の動態化−欠陥誘導体の作製 PflM I緩衝液(100mM NaCl;50mMトリス−HCl,pH7.9;1
0mM MgCl2;1mMジチオスレイトール;100μgml-1ウシ血清
アルブミン)中、約2μgのpKT210を、37℃で16時間、
5単位のPflM I(ニューイングランド・バイオラブズ
(New England Biolabs)、c/oシー・ピー・ラボラトリ
ーズ私書箱22号ビショップス・ストートフォード、ハー
トCM233DH(c/o CP Laboratories P.O.Box22 Bishop's
Stortford,Herts CM233DH))で消化した。消化されたD
NAを、0.75%アガロースゲル上、TBE緩衝液中電気泳動
により分画した。10kb断片に相当するゲル部分を切り、
モデルUEAエレクトロエリューター(Model UEA electro
eluter)[インターナショナル・バイオテクノロジーズ
・インク(International Biotechnologies Inc.)、私
書箱9558号、ニューヘブン、コネティカット、CT0653
5]を用いて、機器マニュアルに記載の条件によりDNAを
電気溶出により回収し、ついでイソプロパノールで沈殿
させ、ついで遠心分離してDNAを集めた。DNAを32μlの
TEに再溶解し、150mM酢酸ナトリウム(pH5.0)、250mM
NaCl、5mM酢酸鉛、25%グリセロールの混合物8μlを
加え、ついで20単位のマングビーン(mung bean)ヌク
レアーゼ(ニューイングランド・バイオラブズ(New En
gland Biolabs))を加えた。この混合物を37℃で30分
間インキュベートした。これはDNA断片上平滑末端を与
えるはずである。上記のとおり、消化されたDNAを分画
し該10.5kbp断片を単離した。5μlの5×連結緩衝液
(ギブコ−BRL)および1単位のT4DNAリガーゼを加えた
20μlのTE中に該DNAを再溶解した。連結混合物を12℃
で16時間インキュベートした。
実施例5に記載のとおり、イー・コリHB101を10μl
の連結混合物で形質転換した。この混合物の希釈物を、
25μgml-1のクロラムフェニコールを含有するL−寒天
平板上に広げた。この平板を37℃で48時間インキュベー
トした。わずかの形質転換体しか得られず、これらは最
初の選択平板上でゆっくりと増殖した。25μgml-1クロ
ラムフェニコールを含有するL−寒天平板上に16個のコ
ロニーを再度線状に塗り、37℃で16時間インキュベート
し、ついで該細胞をこすり落とし、迅速沸騰法(rapid
boiling method)(ホルメス,ディー・エス(Holmes,
D.S.)およびクイグレイ,エム(Quigley M.)1981、An
al.Biochem114:p193)の変法を用いて小規模調製を行っ
た。各形質転換体について、細胞をマイクロセントリヒ
ュージ試験管中300μlのSTET[8%ショ糖w/v;0.5トリ
トン(Triton)X−100w/v;50mM EDTA;50mMトリス−HC
l,pH8.0]に再懸濁し、STET中の33mg/mlのリゾチーム10
μlを加えた。該懸濁液を氷上で30分間インキュベート
し、ついで沸騰水浴中に3分間入れた。該試験管を15分
間遠心分離し、平らの側面のつまようじでペレットを除
いた。容量をSTETで330μlに調整し、さらに330μlの
イソプロパノールを加えた。該試験管を振とうして内容
物を混合し、10分間遠心分離し、上清を捨てた。ペレッ
トを乾燥し、ついで30μlのTEに再懸濁した。2μl分
を制限酵素で消化して各プラスミドの制限地図を決定し
た。5単位のAcc1を含有する制限緩衝液リアクト(Reac
t)3(50mMトリス−HCl,pH8.0;10mM MgCl2;100mM NaC
l)の全量10μl中、37℃で2時間、制限酵素Acc1によ
りDNAを消化した。コロニーの1つからのプラスミドDNA
は、pKT210(図13)中にあるAccl部位の1つを失ってい
るようであり、これは予想されるとおり、pKT210のより
大きな(526bp)PflM I断片の喪失を示す。しかしなが
ら、このpWOR901と称するプラスミドのPflM Iによる消
化に際して、2個のPflM I断片のうちの1個だけが欠失
し、より小さい断片が残っている(図15)ことが判明し
た。これは予想外であり、PflM I消化から単離された断
片が、pKT210(図13)の部分消化物からの約10.9kbpの
断片を含むにちがいないことを示唆した。三親交配(実
施例17に記載と同様の方法を用いて行った)におけるpW
OR901の転移頻度は、pKT210の転移頻度に比べて約104
105だけ減少したことが判明した。25μgml-1のクロラム
フェニコールで補足した500mlのL−ブロスにpWOR901を
含有するイー・コリHB101の単離物を接種し、旋回イン
キュベーター上37℃で一夜インキュベートした。実施例
4の方法によりプラスミドDNAを単離した。
実施例19 pWOR901のアグロバクテリウム15−10へのエレクトロポ
レーションおよびpWOR902の単離 約200ngのpWOR901DNA(実施例18)を用いて、高電圧
エレクトロポレーション(ウェン−ジュン.エス(Wen
−jun.S.)およびフォーデ,ビー・ジー(Forde B.G.)
1989.ニュークリーク・アシッズ・リサーチ(Nucleic A
cids Research)17:p8385)によりアグロバクテリウム1
5−10を形質転換した。600オームの抵抗を用いた場合に
最大効率が得られた。10μgml-1のクロラムフェニコー
ルを含有するL−寒天平板上で形質転換体を選択し、30
℃で4日間増殖させた。実施例18に記載の迅速沸騰法を
用いて、再度線状に塗られた形質転換体コロニーの細胞
から22個の小規模プラスミドを調製した。リアクト2制
限緩衝液(50mMトリス−HCl,pH8.0;10mM MgCl2;50mM Na
Cl)中、プラスミドDNA上、37℃で2時間、5単位のPst
1により制限消化した。これらの結果から、種々の制限
パターンが認められた。異なる型のプラスミドの具体例
を使用してイー・コリHB101を形質転換した(実施例5
の方法を使用)。イー・コリの形質転換に使用した場
合、1個のプラスミドのみが安定なクロラムフェニコー
ル耐性コロニーを与えた。これらのクロラムフェニコー
ル耐性コロニーから調製されたプラスミドDNAの消化に
より、さらに約500bpの欠失が生じたことが示された。
この欠失により、pWOR901のPflM I小断片が完全に除か
れた。この新しいプラスミドをpWOR902と称した。イー
・コリHB101(pWOR902)400mlの培養上、DNAの大規模調
製を行った。このDNAはPflM Iについての部位を有して
いなかった(図16に示す地図)。エレクトロポレーショ
ンによる導入後、pWOR902は、アグロバクテリウム15−1
0中に安定に維持されているようであった。したがっ
て、pWOR902は、安定で、pKT210の動態化欠損(Mob-
誘導体であり、イー・コリおよびアグロバクテリウムに
おける使用に適切である。イー・コリHB101(pWOR902)
は、ナショナル・コレクション・オブ・インダストリア
ル・アンド・マリーン・バクテリア(National Collect
ion of Industrial and Marine Bacteria)、アバディ
ーン(Aberdeen)、スコットランド(Scotland)に、19
91年11月4日、受託番号NCIMB40451にて寄託されてい
る。この寄託は、特許手続のための微生物の寄託に関す
るブタペスト条約に基づいて行った。
実施例20 pCAR44の構築およびアグロバクテリウムの転移 約2μgのプラスミドpCAR21(実施例7)を、Hind I
II消化緩衝液中、37℃で3時間、5単位のHind IIIで消
化した。TBE中で電気泳動により分画した後、アガロー
スゲル薄片から1.9kbの断片を電気溶出により単離した
(実施例18)。回収したDNAを10μlのTEに再溶解し
た。
約0.5μgのWOR902(実施例19)をHind IIIで消化
し、CIAP処理し、10μlのTEに再溶解した。多数の挿入
を得るために、ベクターへの過剰な断片(pCAR21から
の)を連結した。1単位のT4DNAリガーゼを含有する全
量15μの連結緩衝液(ギブコ−BRL)中、12℃で約16時
間、0.1μlのカットpWOR902および10μlの1.9kb断片
を混合した。5μlの連結混合物を用いてイー・コリHB
101を形質転換し(実施例5に記載と同様の方法を用い
た)、25μgml-1のクロラムフェニコールを含有するL
−寒天平板上に細胞を広げ、37℃で2日間インキュベー
トした。24個の形質転換体を25μgml-1クロラムフェニ
コールを含有するL−寒天上に再度線状に塗り、37℃で
一夜増殖させ、ついで平板から細胞をこすり落とし、小
規模なプラスミド調製に用いた(実施例18)。挿入の数
およびそれらの配向を決定するために、各調製物からの
DNAのアリコート上でEcoR I消化を行った。消化DNAの分
析により、5個のクローンがpCAR21からの断片の二重の
挿入を含有していることが示された。これらのプラスミ
ドはすべて同一の挿入配向を示し、この型のプラスミド
をpCAR44(図17の地図)と称した。16個のクローンが、
pWOR902中のpCAR21断片の1個の挿入を含有していた。
イー・コリHB101(pCAR44)単離物(実施例4の方法)
のうちの1個の500mlの培養上、大規模なプラスミド調
製を行い、このDNAの200ngを用いて、エレクトロポレー
ションによりアグロバクテリウム15−10を形質転換した
(実施例19)。形質転換体を小規模なプラスミド調製に
付した。制限酵素消化によりpCAR44の存在が確認され
た。
実施例21 アグロバクテリウムにおけるpCAR26およびpCAR44に関連
した余分のカルバモイラーゼ活性の証明 アグロバクテリウム15−10を50mlのAJ−1ブロスに接
種し、アグロバクテリウム15−10(pCAR26)およびアグ
ロバクテリウム15−10(pCAR44)をそれぞれ、10μgml
-1クロラムフェニコールを含有する50mlのAJ−1ブロス
に接種した。全3個の培養を旋回インキュベーター中、
30℃で24時間増殖させ、ついで各培養を以下のとおり処
理した。1.36mlの培養ブロスを、ミクロセントリヒュー
ジ試験管中、140μlの1%ヘキサデシルトリメチルア
ンモニウムブロミド(65mM Na2HPO4,35mM NaH2PO4,pH7.
0中)と混合し、室温で10分間インキュベートした。こ
の混合物50μlを、65mM Na2HPO4、35mM NaH2PO4(pH7.
0;反応基質を溶解後、pH7.0に再調整)中1.5%(w/v)
D−N−カルバモイル−p−ヒドロキシフェニルグリシ
ン1.45mlを含有するマイクロセントリヒュージ試験管に
移した。試験管の内容物を混合し、48℃で20分間インキ
ュベートした。遠心分離により細胞を集め、カルバモイ
ラーゼ酵素により生産されたD(−)p−ヒドロキシフ
ェニルグリシンの存在につき、上清をHPLCにより分析し
た。pCAR26またはpCAR44を含有するアグロバクテリウム
15−10についてのカルバモイラーゼ活性は、培養ブロス
1mlあたり、アグロバクテリウム15−10についての活性
より10〜30倍高かった。これはおそらく、組換え株中の
カルバモイラーゼ遺伝子の余分の複製により、より多く
のカルバモイラーゼ酵素が生産されたからであろう。
実施例22 pWOR903の構築 pWOR902DNA(実施例19)約2μgを、Hind III消化緩
衝液中、37℃で15時間、10単位のHind IIIで消化した。
フェノール/クロロホルム抽出およびクロロホルム抽出
により該DNAを精製し、NaOAcおよびエタノールを用いて
沈殿させ、遠心分離により回収し、40μlの10mMトリス
−HCl(pH7.4)、10mM MgCl2、50mM NaCl、50μgml-1
シ血清アルブミン、10mM 2−メルカプトエタノールに再
溶解した。250μMデオキシグアノシン−三リン酸、250
μMデオキシチミジン三リン酸および250μMデオキシ
シチジン三リン酸の混合物1μlを加え、イー・コリDN
AポリメラーゼI(ギブコ−BRL)の「クレノウフラグメ
ント」2単位を加えた。室温で1時間、試験管をインキ
ュベートし、フェノール/クロロホルムで抽出し、クロ
ロホルムで抽出した。回収した水層をNaOAcおよびエタ
ノールで処理してDNAを沈殿させ、これを遠心分離によ
り回収し、15μlのDNAリガーゼ緩衝液に再溶解した。T
4DNAリガーゼ1単位を加え、該混合物を12℃で約16時間
インキュベートした。
連結混合物5μlを用いてイー・コリHB101を形質転
換し(実施例5に記載と同様の方法を使用した)、25μ
gml-1クロラムエニコールを含有するL−寒天平板上に
細胞を広げ、37℃で2日間インキュベートした。16個の
形質転換体を、25μgml-1クロラムフェニコールを含有
するL−寒天上に再度線状に塗り、37℃で一夜増殖さ
せ、ついで細胞を該平板からこすり落とし、小規模のプ
ラスミド調製に使用した(実施例18)。
この実験の目的は、Hind III消化により生成したへこ
んだ末端を補充して平滑末端DNA断片をつくることであ
る。再度連結した後、これはHind IIIの認識配列を除去
するであろう。これが生じたかどうかを決めるために、
プラスミド調製物からのDNAのアリコートをHind IIIで
消化した。さらに、EcoR Vでアリコートを消化した。Hi
nd III部位を持たないがpWOR902と同様のEcoR V消化パ
ターンを有するプラスミドを、形質転換体のほとんどが
含有しているようであった。これらの単離物の1つの培
養500ml上、大規模なプラスミド調製を行った(実施例
4の方法)。このプラスミド、pWOR903(図18に示す
図)は、pWOR902(図16)と同様の制限地図を有する
が、Hind III部位を欠いている。
実施例23 pWOR904およびpWOR905の作製 pWOR903DNA(実施例22)約1μgを、EcoR I緩衝液
中、37℃で3時間、5単位のEcoR Iで消化した。該混合
物をフェノール/クロロホルムで抽出し、クロロホルム
で抽出し、NaOAcおよびエタノールで沈殿させることに
よりDNAを回収した。回収したDNAを、1単位のCIAPを含
有する50μlの50mMトリス−HCl(pH8.0)、0.1mM EDTA
(pH8.0)に溶解した。このホスファターゼ処理およびD
NAの回収は、実施例2に記載のとおりに行った。該DNA
を10μlの水に再溶解した。
プラスミドpIC20R[マーシュ(Marsh)ら、ジーン(G
ene)32(1984)pp481−485]はpUCプラスミド[ビエリ
ア(Vieria)およびメッシング(Messing)、ジーン(G
ene)19(1982)pp259−268]と類似しているが、修飾
されたポリリンカーを有している。約2μgのpIC20R D
NAを、EcoR I緩衝液中、37℃で約15時間、5単位のEcoR
Iで消化した。TBE緩衝液中での電気泳動による分画
後、アガロースゲル薄片から電気溶出により、pIC20Rの
ポリリンカーセグメントに相当する84bp断片を回収した
(実施例18)。回収したDNAを10μlの水に再溶解し
た。
1単位のT4DNAリガーゼを含有する連結緩衝液の全量1
2μl中、pIC20Rの84bpのEcoR I断片8μlを、12℃で
約16時間、0.5μlのEcoR Iカット、CIAP処理pWOR903と
混合した。該連結混合物5μlを用いてイー・コリJM10
1を形質転換し(実施例5に記載と同様の方法を使
用)、25μgml-1クロラムフェニコールを含有するL−
寒天平板上に該細胞を広げ、37℃で2日間インキュベー
トした。25μgml-1クロラムフェニコールを含有するL
−寒天上に、64個の形質転換体を再度線状に塗り、37℃
で一夜増殖させ、ついで細胞を平板からこすり落とし、
小規模なプラスミド調製に使用した(実施例18)。
該DNA調製物のアリコートをHind IIIで消化してポリ
リンカーの存在を検出した。さらにPst I、Sst Iで消化
を行い、Bgl IIおよびSst IIで二重消化してポリンカー
の配向を決定した。いずれか一方の配向のポリリンカー
を含有する単離物を得た。各型の単離物の1つの培養50
0ml上、大規模なプラスミド調製を行った(実施例4の
方法を使用)。pWOR904およびpWOR905と称するプラスミ
ドの制限地図を図19および20に示す。
実施例24 pCAR46の作製およびアグロバクテリウムへの転移 約2μgのpCAR29DNA(実施例10)を、50mMトリス−
塩酸(pH8.0)、10mM MgCl2、50mM NaClの合計50μl
中、37℃で3時間、5単位のBamH Iおよび5単位のHind
IIIで消化した。電気泳動による分画の後、アガロース
ゲル薄片から電気溶出により1.35kb断片を単離した(実
施例18)。回収したDNAを10μlのTEに再溶解した。
約2μgのpWOR904DNA(実施例23)をHind IIIで消化
し、ついでBagl IIで消化した。ついで該DNAをCIAPで処
理し(実施例2)、最後に10μlのTEに再溶解した。
1単位のT4DNAリガーゼを含有する連結緩衝液全量12
μl中、1μlのカットpWOR904をpCAR29の1.35kb断片
4μlと混合し、12℃で約16時間インキュベートした。
5μlの連結混合物を用いてイー・コリDH5αを形質
転換し(実施例5に記載と同様の方法を使用)、該細胞
を、25μgml-1クロラムフェニコールを含有するL−寒
天平板上に広げ、37℃で2日間インキュベートした。15
個の形質転換体を、25μgml-1クロラムフェニコールを
含有するL−寒天上に再度線状に塗り、37℃で一夜増殖
させ、ついで細胞を該平板からこすり落とし、小規模の
プラスミド調製に用いた(実施例18)。
DNAのアリコートをEcoR IおよびPst Iで消化して、pC
AR29由来の挿入物の存在を確認した。単離物のうちの1
つの500mlの培養上、大規模なプラスミド調製を行った
(実施例4の方法を使用)。pCAR46と称する該プラスミ
ドの制限地図を図21に示す。このDNA200ngを用いてアグ
ロバクテリウム15−10をエレクトロポレーションにより
形質転換した(実施例19)。形質転換体を小規模なプラ
スミド調製に付し、制限酵素消化によりpCAR46の存在を
確認した。アグロバクテリウム15−10(pCAR46)は、ナ
ショナル・コレクション・オブ・インダストリアル・ア
ンド・マリン・バクテリア(アバディーン、スコットラ
ンド)に1992年2月14日に、受託番号NCIMB40478にて寄
託した。この寄託は、特許手続きのための微生物の寄託
に関するブタペスト条約に基づいて行った。
実施例25 アグロバクテリウムにおけるpCAR46に関連する余分のカ
ルバモイラーゼ活性の証明 アグロバクテリウム15−10をAJ−1ブロス50mlに接種
した。アグロバクテリウム15−10(pCAR46)を、10μgm
l-1クロラムフェニコールを含有するAJ−1ブロス50ml
に接種した。該培養を旋回インキュベーター中30℃で24
時間増殖させ、ついで各培養を以下のとおり処理した。
1.36mlの培養ブロスをミクロセントリヒュージ試験管
中、140μlの1%ヘキサデシルトリメチルアンモニウ
ムブロミド(65mM Na2HPO4、35mM NaH2PO4、pH7.0)と
混合し、室温で10分間インキュベートした。50μlのこ
の混合物を、65mM Na2HPO4、35mM NaH2PO4(pH7.0;反応
基質を溶解後、pH7.0に再調整)中の1.5%(w/v)D−
N−カルバモイル−p−ヒドロキシフェニルグリシン1.
45mlを含有するミクロセントリヒュージ試験管に移し
た。試験管の内容物を混合し、48℃で20分間インキュベ
ートした。遠心分離により細胞を集め、カルバモイラー
ゼ酵素により生成したD(−)p−ヒドロキシフェニル
グリシンの存在について上清をHPLCにより分析した。pC
AR46を含有するアグロバクテリウム15−10についてのカ
ルバモイラーゼ活性は、培養ブロス1ml当たり、アグロ
バクテリウム15−10についての活性より20〜30倍高かっ
た。
実施例26 pCAR31およびpCAR32の作製 約2μgのpCAR6(実施例5)DNAを、50mMトリス−HC
l(pH8.0)、10mM MgCl2の合計50ml中、37℃で3時間、
5単位のCla Iで消化した。消化したDNAを、0.8%低融
点アガロースゲル上、TBE中電気泳動により分画した。
約4.7kb Cla I断片を含有するゲル部分を切り、実施例
5に記載の方法を用いてDNAを回収した。
DNAリガーゼ緩衝液の合計20μl中、Cla I消化、CIAP
処理pCP19DNA(実施例2)約0.6μgおよびpCAR6からの
4.7kbのCla I断片約0.6μgを合わせた。T4DNAリガーゼ
の1単位を加え、該混合物を4℃で約16時間インキュベ
ートした。
連結混合物10μlを用いてイー・コリDH5αを形質転
換し(実施例5に記載と同様の方法を使用)、該細胞
を、10μgml-1テトラサイクリンで補足されたL−寒天
平板上に広げ、37℃で一夜インキュベートした。18個の
テトラサイクリン耐性コロニーを、10μgml-1テトラサ
イクリンを含有するL−寒天平板上に再度線状に塗り、
37℃で一夜インキュベートし、ついでこれらの各単離物
の細胞上で、小規模なプラスミドDNA調製(実施例5に
記載の方法を使用)を行った。DNA調製物の制限酵素消
化により、ベクター中Cla I断片の両方の配向を有する
クローンが得られたことが示された。これらのベクター
はpCAR31およびpCAR32と称した(図22および23)。
10μgml-1テトラサイクリンを含有するL−ブロス
中、イー・コリDH5α(pCAR31)およびイー・コリDH5α
(pCAR32)の培養500mlを調製した。両方の培養物を以
下のとおり処理した。
該培養を約6000×g、4℃で10分間遠心分離し、得ら
れた細胞ペレットを10mlの50mMグルコース、25mMトリス
−塩酸(pH8.0)、10mM EDTA、5mgml-1のリゾチームに
再懸濁した。該混合物を室温で15分間インキュベートし
た。10mlの0.2M NaOH、1%SDS溶液をリゾチーム処理細
胞に加え、溶液を混合し、氷上20分間インキュベートし
た。氷冷3M酢酸カリウム(pH5.8)15mlを反応混合物に
加え、溶液を混合し、氷上さらに60分間インキュベート
した。約38000×g、4℃で約30分間、溶解細胞を遠心
分離した。上清を集め、0.6容量のイソプロパノールを
加え、室温で15分間DNAを沈殿させた。反応混合物を約6
000×g、室温で約30分間遠心分離し、沈殿したDNAをTE
4.0mlに再懸濁した。ついでCsCl勾配を調製し(実施例
4のとおり)、プラスミドDNAを500μlTEに再懸濁し
た。さらにこのDNAの制限酵素消化により、pCAR31およ
びpCAR32の正確な構造が確認された。
実施例27 pCAR31およびpCAR32のイー・コリからアグロバクテリウ
ムへの転移 ヘルパープラスミドpRK2013を用いる接合(実施例12
でpCAR1について記載したとおり)により、pCAR31およ
びpCAR32をアグロバクテリウム15−10に転移した。実施
例5に記載の方法を用いて、単離物からプラスミドDNA
を調製した。プラスミドDNAの1部分の制限酵素消化を
用いて、テトラサイクリン耐性エクスコンジュガントが
pCAR31またはpCAR32を含有することを確認した。
実施例28 pCAR31およびpCAR32に関連した余分のヒダントイナーゼ
活性の証明 アグロバクテリウム15−10(pCAR1)、アグロバクテ
リウム15−10(pCAR6)、アグロバクテリウム15−10(p
CAR26)、アグロバクテリウム15−10(pCAR31)、アグ
ロバクテリウム15−10(pCAR32)およびアグロバクテリ
ウム15−10をそれぞれ、0.1%アラニンヒダントインお
よび適当な抗生物質を含有するAJ−1ブロス50mlを含有
する別々のフラスコに接種した。該培養を旋回インキュ
ベーター中30℃で24時間増殖させた。得られた培養をヒ
ンダトイナーゼ活性について検定した(実施例15のとお
り)。pCAR1およびpCAR6はアグロバクテリウム15−10に
おいて上昇したヒダントイナーゼ活性を与えるが、pCAR
26は与えないことが確認された。pCAR31またはpCAR32を
含有する株は、アグロバクテリウム15−10についての活
性より約20倍高いヒンダトイナーゼ活性を与えた。これ
はpCAR31およびpCAR32が、ヒダントイナーゼ活性をコー
ドする遺伝子を含有することを示す。
実施例29 pCAR36の作製 約2μgのpCAR31(実施例26)DNAを、50mMトリス−
塩酸(pH8.0)、10mM MgCl2、50mM NaClの合計50μl
中、37℃で3時間、5単位のHind IIIで消化した。消化
したDNAを、0.8%低融点アガロースゲル上、TBE緩衝液
中電気泳動により分画した。約4.7kbのHind III断片を
含有するゲル部分を切り、実施例5に記載の方法を用い
てDNAを回収した。
DNAリガーゼ緩衝液20μl中、Hind III消化、CIAP処
理pKT210DNA(実施例16)約0.6μgおよびpCAR31からの
4.7kbのHind III断片約0.6μgを合わせた。T4DNAリガ
ーゼの1単位を加え、該混合物を4℃で16時間インキュ
ベートした。
連結混合物10μlを用いてイー・コリHB101コンピテ
ント細胞を形質転換し(実施例5に記載と同様の方法を
使用)、該細胞を、25μgml-1クロラムフェニコールで
補足されたL−寒天平板上に広げた。17個のクロラムフ
ェニコール耐性コロニーを、25μgml-1クロラムフェニ
コールを含有するL−寒天平板上に再度線状に塗り、37
℃で一夜インキュベートし、ついでこれらの各単離物の
細胞上、小規模なプラスミドDNA調製を行った(実施例
5に記載と同様の方法を使用)。制限酵素消化により、
pCAR36の存在が確認された。制限消化地図を図24に示
す。
25μgml-1クロラムフェニコールで補足されたL−ブ
ロス500mlにイー・コリHB101(pCAR36)を接種し、旋回
インキュベーター上37℃で一夜インキュベートした。実
施例26の方法を用いてプラスミドDNAを単離した。
実施例30 イー・コリからアグロバクテリウムへのpCAR36の転移 ヘルパープラスミドpRK2013を用いる接合により、pCA
R36をアグロバクテリウムへ転移させた(実施例12にpCA
R1について記載したとおり)。実施例5記載の方法を用
いて単離物からプラスミドDNAを調製した。プラスミドD
NAの1部分の制限酵素消化を用いて、クロラムフェニコ
ール耐性エクスコンジュガントがpCAR36を含有すること
が確認された。
実施例31 pCAR36に関連した余分のヒンダトイナーゼ活性の証明 アグロバクテリウム15−10およびアグロバクテリウム
15−10(pCAR6)をそれぞれ、0.1%アラニンヒダントイ
ン(およびアグロバクテリウム15−10(pCAR36)培養の
ための10μgml-1クロラムフェニコール)を含有するAJ
−1ブロス50mlを含有する別々のフラスコに接種し、旋
回インキュベーター中30℃で24時間増殖させた。得られ
た培養をヒンダトイナーゼ活性について検定した(実施
例15のとおり)。pCAR36を含有するアグロバクテリウム
15−10についてのヒンダトイナーゼ活性は、アグロバク
テリウム15−10についての活性より6〜7倍高かった。
これにより、pCAR36がヒンダトイナーゼ活性をコードす
る遺伝子を含有することが確認された。
実施例32 pDAN3およびpDAN4の作製 約2μgのpCAR36(実施例29)DNAを、50mMトリス−
塩酸(pH8.0)、10mM MgCl2、50mM NaClの合計50μl
中、37℃で3時間、5単位のSst I(Sca I)で消化し
た。消化したDNAを、0.8%低融点アガロースゲル上、TB
E緩衝液中電気泳動により分画した。約3.3kbのSst I断
片を含有するゲル部分を切り、実施例5に記載の方法を
用いてDNAを回収した。
DNAリガーゼ緩衝液全量20μl中、Sst I消化、CIAP処
理pWOR902DNA(実施例19)約0.5μgおよびpCAR36から
の3.3kbのSst I断片約0.5μgを合わせた。T4DNAリガー
ゼの1単位を加え、該混合物を4℃で16時間インキュベ
ートした。
反応混合物10μlを用いてイー・コリHB101コンピテ
ント細胞を形質転換し(実施例5に記載と同様の方法を
使用)、該細胞を、25μgml-1クロラムフェニコールで
補足されたL−寒天平板上に広げた。4個のクロラムフ
ェニコール耐性コロニーを、25μgml-1クロラムフェニ
コールを含有するL−寒天平板上に再度線状に塗り、37
℃で一夜インキュベートし、ついでこれらの各単離物の
細胞上、小規模なプラスミドDNA調製を行った(実施例
5に記載と同様の方法を使用)。DNA調製物の制限酵素
消化により、ベクター中Sst I断片のいずれか一方の配
向を有するクローンが得られたことが示された。これら
をpDAN3およびpDAN4と称し、制限地図を図25および26に
示す。
25μgml-1クロラムフェニコールで補足されたL−ブ
ロス500mlにイー・コリHB101(pDAN3)を接種し、さら
に、25μgml-1クロラムフェニコールで補足されたL−
ブロス500mlにイー・コリHB101(pDAN4)を接種し、旋
回インキュベーター上37℃で一夜インキュベートした。
実施例26記載の方法を用いてプラスミドDNAを単離し
た。
実施例33 pDAN3およびpDAN4のアグロバクテリウムへのエレクトロ
ポレーション pDANまたはpDAN4約200ngを用いて、エレクトロポレー
ションによりアグロバクテリウム15−10を形質転換した
(実施例19)。形質転換体を小規模なプラスミド調製に
付した。制限酵素消化によりpDAN3およびpDAN4の存在が
確認された。
実施例34 pDAN3およびpDAN4に関連した余分のヒダントイナーゼ活
性の証明 アグロバクテリウム15−10(pCAR36)、アグロバクテ
リウム15−10(pWOR902)、アグロバクテリウム15−10
(pDAN3)およびアグロバクテリウム15−10(pDAN4)を
それぞれ、5gl-1(NH42SO4および10μgml-1クロラム
フェニコールで補足されたAJ−1培地(実施例1)50ml
を含有する別々のフラスコに接種し、30℃で24時間増殖
させた。ついで得られた培養のそれぞれを以下のとおり
処理した。1M MnSO4溶液500μlを培養に加え、ついで3
0℃でさらに35分間振とうした。該ブロスを以下のとお
り検定した。原液または希釈したブロス1360μlを、エ
ッペンドルフ・チューブ(eppendorf tube)中の1%セ
チルトリメチルアンモニウムブロミド溶液140μlに加
え、混合し、室温で5分間インキュベートした。この溶
液1mlを、50mlのねじ蓋式円錐フラスコ中の0.2Mトリス
中の1%D,L−5−(p−ヒドロキシフェニル)ヒダン
トイン19mlに加え、42℃で水浴中振とうした。10分間お
よび30分間インキュベートした後サンプルを取り出し、
HPLCを用いて検定した(実施例15)。1時間当たり細胞
1ml当たりの生成物μモルで、ヒダントイナーゼ活性を
算出した。
pCAR36、pDAN3およびpDAN4はアグロバクテリウム15−
10中上昇したヒダントイナーゼ活性を与えることが証明
された。pDAN4を含有する株は、pWOR902を含有するアグ
ロバクテリウム15−10についての活性より約230倍高い
ヒダントイナーゼ活性を与えた。
実施例35 pGal2789RS3Carbの作製 天然に存在するイー・コリプラスミドNR1のコピー数
突然変異体を、自然突然変異により得た。ついで、不必
要な領域を欠失させることによりこのプラスミド(pBR2
1)のサイズを減少させ、pDPT2789を得た。これはincF1
1領域およびクロラムフェニコールおよびストレプトマ
イシン耐性マーカーを含有する125コピープラスミドで
ある。ついでpDPT2789をNdelで切断し、フィルイン(fi
lled in)し、再度連結してpDTP2789(Nde-)を作製し
た。ついでpDPT2789(Nde-)をStu1およびEsp1で消化
し、合成リボゾーム結合部位を下流に有するPgalプロモ
ーターを含有するStu−Esp1断片を挿入した。このベク
ターをpGal2789RS3V1V2と称した。
pGal2789RS3V1V2をNdelで消化し、クレノウでフィル
インし(filled−in)し、ついでBamH1で消化した。pCA
R21(実施例7)をBspH1で消化し、クレノウで補充(fi
lled−in)し、ついでBamH1で消化した。これらの消化
により、カルバモイラーゼ遺伝子をコードする配列を含
有する〜900bpの断片を遊離し、Galプロモーターのカル
バモイラーゼ遺伝子を発現するプラスミドpGal2789RSCa
rbが生じた。
ついで、標準的なCaCl2法により、このプラスミドを
幾つかのイー・コリK12宿主株中に形質転換し、細胞抽
出物が移動するSDS−PAGEゲルのクーマシーブル−染色
により、細胞増殖中、カルバモイラーゼの生成を監視し
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12N 9/86 C12N 15/00 ZNAA (73)特許権者 999999999 スミスクライン・ビーチャム・コーポレ イション アメリカ合衆国ペンシルベニア州19103、 フィラデルフィア、ワン・フランクリ ン・プラザ(番地の表示なし)、ピー・ オー・ボックス7929 (72)発明者 ニール,ロバート・ジョン イギリス国ウエスト・サセックス・ビー エヌ14・8キューエイチ、ワージング、 クラレンドン・ロード(番地の表示な し) スミスクライン・ビーチャム・フ ァーマシューティカルズ (72)発明者 グリフィン,アリソン・ミッシェル イギリス国ウエスト・サセックス・ビー エヌ14・8キューエイチ、ワージング、 クラレンドン・ロード(番地の表示な し) スミスクライン・ビーチャム・フ ァーマシューティカルズ (72)発明者 スコット,ミラー・オニール アメリカ合衆国ペンシルベニア州19406、 キング・オブ・プルシア、スウェードラ ンド・ロード709番 スミスクライン・ ビーチャム (72)発明者 シャツマン,アラン・リチャード アメリカ合衆国ペンシルベニア州19406、 キング・オブ・プルシア、スウェードラ ンド・ロード709番 スミスクライン・ ビーチャム (72)発明者 ゴーラム,ヘーゼル・クレア イギリス国オックスフォード・オーエッ クス1・3エスアール、マンスフィール ド・ロード(番地の表示なし) インス ティテュート・オブ・バイロロジー・ア ンド・エンバイロンメンタル・ミクロバ イオロジー (56)参考文献 国際公開92/010579(WO,A1) Biotechnology Let ters,1990,Vol.12,No. 4,p.259−264 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/09 - 15/90 C12N 9/80 C12N 9/86

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】D−N−カルバモイル(置換されていても
    よいフェニル)グリシンをその対応するD−(置換され
    ていてもよいフェニル)グリシンに変換する能力を有す
    るカルバモイラーゼ酵素をコードし、D,L−(置換され
    ていてもよいフェニル)ヒダントインをD−N−カルバ
    モイル(置換されていてもよいフェニル)グリシンに変
    換する能力を有するヒダントイナーゼ酵素をコードす
    る、アグロバクテリウムに内因的な単離されたDNAであ
    って、 の斜線を施した部分で特定される、DNA。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のDNAを含む、組換えDNAベ
    クター。
  3. 【請求項3】請求項2に記載のベクターで形質転換され
    る、宿主細胞。
  4. 【請求項4】細胞がイー・コリまたはアグロバクテリウ
    ムであるところの、請求項3記載の宿主細胞。
  5. 【請求項5】pCAR1、pCAR6、pCAR31、pCAR32およびpCAR
    36からなる群より選択されるところの、請求項2記載の
    ベクター。
  6. 【請求項6】請求項3または4に記載の宿主細胞をN−
    カルバモイル−p−ヒドロキシフェニルグリシンの存在
    下で培養する工程を含む、D−p−ヒドロキシフェニル
    グリシンの生成方法。
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