JPH0787788B2 - イソペニシリンn合成酵素をコ−ドしているdna化合物および組換えdna発現ベクタ− - Google Patents

イソペニシリンn合成酵素をコ−ドしているdna化合物および組換えdna発現ベクタ−

Info

Publication number
JPH0787788B2
JPH0787788B2 JP61093178A JP9317886A JPH0787788B2 JP H0787788 B2 JPH0787788 B2 JP H0787788B2 JP 61093178 A JP61093178 A JP 61093178A JP 9317886 A JP9317886 A JP 9317886A JP H0787788 B2 JPH0787788 B2 JP H0787788B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plasmid
dna
residue
isopenicillin
synthase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP61093178A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS61254192A (ja
Inventor
トーマス・ドミニック・インゴリア
ステファン・ウィアット・クウィーナー
スーレン・メアリー・サムソン
ポール・ルーサー・スケイトラド
Original Assignee
イ−ライ・リリ−・アンド・カンパニ−
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by イ−ライ・リリ−・アンド・カンパニ− filed Critical イ−ライ・リリ−・アンド・カンパニ−
Publication of JPS61254192A publication Critical patent/JPS61254192A/ja
Publication of JPH0787788B2 publication Critical patent/JPH0787788B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/93Ligases (6)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/67General methods for enhancing the expression
    • C12N15/69Increasing the copy number of the vector
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/80Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for fungi

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Mycology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、イソペニシリンN合成酵素活性をコードして
いるDNA配列に関するものである。イソペニシリンN合
成酵素は、δ−(L−α−アミノアジピル)−L−シス
テイニル−D−パリンからイソペニシリンNを形成する
触媒作用を有する。この反応は、ペニシリウム・クリソ
ゲナム(Penicillium chrysogenum)、セフアロスポリ
ウム・アクレモニウム(Cephalosporium acremoniu
m)、およびストレプトマイセス・クラブリゲルス(Str
eptomyces clavuligerus)によるペニシリン類の生合
成、C.アクレモニウムによるセフアロスポリン類の生合
成、並びにS.クラブリゲルスによる7α−メトキシセフ
アロスポリン類の生合成における、重要なステツプであ
る。
発明の目的および構成 本発明者らは、セフアロスポリウム・アクレモニウムか
らイソペニシリンN合成酵素活性をコードしている新規
なDNA配列を単離し、このDNA配列を用いて、上記の活性
を発現させることのできる組換えDNA発現ベクターを組
立てた。それらの内、2つの型の発現ベクターが特に有
用であつた。第1の型のベクターは、大腸菌(E.coli)
内で高レベルのイソペニシリンN合成酵素活性を発現
し、第2の型のベクターは、セフアロスポリウム・アク
レモニウム内でこの活性を発現するものである。
大腸菌産生性のイソペニシリンN合成酵素活性は、試験
管内テスト(インビトロテスト)において、δ−(L−
α−アミノアジピル)−L−システイニル−D−バリン
からイソペニシリンNを生成させた。本発明の大腸菌ベ
クターで形質転換された大腸菌から抽出された粗細胞エ
キス(抽出物)は、事前に活性化処理を施すことなしに
イソペニシリンN合成酵素活性を示した。従つて、本発
明の大腸菌ベクターは、大量の活性なイソペニシリンN
合成酵素を得るための有効な手段となる。イソペニシリ
ンN合成酵素は、イソペニシリンNの合成だけでなく、
δ−(L−α−アミノアジピル)−L−システイニル−
D−バリン以外のトリペプチドを縮合させ、新規な抗生
物質を得ることにも有用である。
本発明のセフアロスポリウムベクターは菌株の改良の目
的にも有用である。セフアロスポリウムは、ペニシリン
抗生物質およびセフアロスポリン抗生物質の生産に有用
な、経済的重要性を持つ生物である。本発明に係る組換
えDNA発現ベクターでセフアロスポリウムを形質転換す
ると、形質転換体内におけるイソペニシリンN合成酵素
の生物内レベル(イン・ビボ・レベル)が向上し、その
結果、これらの形質転換体が関与する発酵の効率並びに
収率が増大する。
イソペニシリンN合成酵素をコードしているDNA化合物
に修飾を施して、ペニシリウム・クリソゲナムやストレ
プトマイセス・クラブリゲルスの如き他の生物を用いた
発酵における効率および収率を増加させるベクターを組
立てることは容易である。本発明のイソペニシリンN合
成酵素をコードしているDNAはセフアロスポリウム・ア
クレモニウムから単離されたが本発明の大腸菌ベクター
の例に示されている様に、本発明のDNA化合物は、広範
な、種々の宿主細胞内でイソペニシリンN合成酵素活性
を発現させるベクターの組立てに用いることができる。
ペニシリン類およびセフアロスポリン類を合成する生物
は全て共通の前駆体、即ちδ−(L−α−アミノアジピ
ル)−L−システイニル−D−バリンとイソペニシリン
Nを用いる。従つて、本発明の、イソペニシリンN合成
酵素−暗号化DNA化合物は、あらゆる属のペニシリンお
よびセフアロスポリン抗生物質産生性生物の発酵におけ
る効率並びに収率を改善するのに有用なベクターの生産
に用いることができる。
本発明のDNA化合物はセフアロスポリウム・アクレモニ
ウムのゲノムDNAから得られた。そのヌクレオチド配列
は、ストレプトマイセス・クラブリゲルス、ペニシリウ
ム・クリソゲナム・その他のイソペニシリンN合成酵素
産生性生物内のイソペニシリンN合成酵素活性をコード
しているDNA化合物のそれと有意にホモローガス(相
同)である。このホモロジイの故に、本発明のイソペニ
シリンN合成酵素−暗号化DNA化合物をラベル(標識)
し、これを用いて、イソペニシリンNまたは同様の化合
物を産生する生物のゲノムライブラリイを、イソペニシ
リンN合成酵素型の酵素の存在に関してスクリーニング
することができる。多くの生物が、本発明のDNA化合物
がコードしているイソペニシリンN合成酵素活性と実質
上同等な活性をコードしているDNAを含有している。本
発明は、それらの同等なDNA化合物を包含するものであ
る。
本発明のイソペニシリンN合成酵素−暗号化DNA化合物
は、セフアロスポリウム・アクレモニウムのゲノムDNA
から得られた。それは、C.アクレモニウムのイソペニシ
リンN合成酵素−暗号化ゲノムDNAの発現をコントロー
ルする、転写および翻訳活性化配列と連結して単離され
た。本発明はまた、本明細書で開示する様に、ヘテロロ
ーガスな(異質の)遺伝子をC.アクレモニウム内で発現
させるために用いられるこの新規な転写および翻訳活性
化配列を包含するものである。
本発明はまた、IPS遺伝子の暗号領域の暗号鎖の3′末
端に位置する調節シグナルを包含するものである。この
3′末端調節配列はIPS遺伝子の転写終止、mRNAのポリ
アデニル化およびプロセツシングシグナルをコードして
いる。これらのシグナルが発現ベクター内で適切な位
置、即ち、発現されるべき遺伝子の暗号領域の暗号鎖の
3′末端に存在していることに基づき、このベクターに
コードされている所望の産物のセフアロスポリウム・ア
クレモニウム内での発現が促進される。
以下の節で本発明をより詳細に説明する。本明細書にお
いて開示し、特許請求している発明を明確にすると共
に、その理解を助けるために、以下の様に、語句を定義
する。
抗生物質:ある微生物が産出する物質であつて、天然の
まま、あるいは一定限度の化学的修飾が施された状態で
他の微生物、あるいは真核細胞の増殖を阻止するか、ま
たは殺す物質 抗生物質生合成遺伝子:一次代謝物質を抗生物質に変換
する工程に於ける酵素反応に必要な酵素活性をコードし
ているDNAセグメント。
抗生物質産生性生物:ストレプトマイセス、バチラス
(Bacillus)、モノスポーラ(Monospora)、セフアロ
スポリウム・ポドスポーラ(Podospora)、ペニシリウ
ムおよびノカルデイア(Nocardia)等の生物(これらに
限定されるわけではない)であつて、抗生物質を産生す
るか、あるいはもし発現されたら抗生物質を産生する遺
伝子を含有している生物。
抗生物質耐性−付与遺伝子:抗生物質に対する耐性を付
与し得る活性をコードしているDNAセグメント。
ApR−アンピシリン耐性−付与遺伝子 二機能性クローニングシヤトルベクター:2種の異なる生
物内で複製することができ、さらに/またはそれらに組
込まれ得る組換えDNAクローニング・ベクター。
CephDNA:セフアロスポリウム・アクレモニウム由来のDN
A。
Ceph ori:組換えDNAベクターを染色体外で維持させるた
めの、セフアロスポリウム・アクレモニウム、ミトコン
ドリアのDNA。
クローニング:組換えDNAクローニングベクターにDNAの
セグメントを導入する工程。
cos:フアージλの粘着末端配列。
コスミツド:プラスミドと同様に、宿主細胞内で複製可
能であると同時に、フアージの頭部にパツキングされる
ことも可能な組換えDNAクローニングベクター。
機能的ポリペプチド:回収可能な、生物学的に活性なヘ
テロローガス(異質の)またはホモローガス(同質の)
ポリペプチドまたは前駆体、ヘテロローガス・ポリペプ
チドとホモローガス・ポリペプチドの一部または全体と
からなる、回収可能な生物活性ポリペプチド、あるい
は、ヘテロローガス・ポリペプチドと、特異的に開裂さ
れ得る生物学的に不活性なポリペプチドからなる回収可
能な生物学的に不活性な融合ポリペプチド。
ゲノムライブラリイ:実質上、ある生物の全ゲノムに相
当するDNAセグメントがクローンされたDNAクローニング
ベクターのセツト。
HmR:ハイグロマイシン耐性−付与遺伝子。
ハイブリダイゼーシヨン:2本のホモローガスな一本鎖DN
A分子をアニーリングし、完全な、または不完全な塩基
対の二本鎖DNA分子を形成する工程。
IPS:イソペニシリンN合成酵素をコードしているDNA。
IPSp:セフアロスポリウム・アクレモニウムのイソペニ
シリンN合成酵素(IPS)遺伝子の転写および翻訳活性
化配列。
IPSt:IPS遺伝子の、転写終止、並びにmRNAのポリアデニ
ル化およびプロセツシングに関するシグナル。
イソペニシリンN合成酵素:サイクラーゼ(cyclase)
とも言われ、δ−(L−α−アミノアジピル)−L−シ
ステイニル−D−バリンからイソペニシリンNの形成を
触媒する酵素。
kmR:カナマイシン耐性付与遺伝子。
mel:チロシナーゼ遺伝子。
mRNA:メツセンジヤー・リボ核酸。
PGK:酵母サツカロミケス・セレビシエ(Saccharomyces
cerevisiae)のホスホグリセレート・キナーゼ遺伝子の
転写および翻訳活性化配列。
組換えDNAクローニングベクター:1またはそれ以上の付
加的なDNAセグメントを付加され得る、または既に付加
されたDNA分子からなる、自律的に複製可能な、または
組込み可能なあらゆる物質を指し、プラスミドを含む
が、これらに限定されない。
組換えDNA発現ベクター:研究上、または商業上、価値
のあるポリペプチドまたはRNAをコードしているDNAセグ
メントを発現させる位置に転写および翻訳活性化配列を
含有している、自律的に複製可能な、または組込み可能
なあらゆる物質を指し、プラスミドを含むが、これに限
定されない。
組換えDNAベクター:あらゆる組換えDNAクローニングベ
クターまたは発現ベクター。
制限フラグメント:1またはそれ以上の酵素の作用によつ
て生成するあらゆる線状DNA分子。
rRNA:リボソームのリボ核酸。
感受性宿主細胞:特定の抗生物質に対する耐性を付与す
るDNAセグメントの存在なしでは、該抗生物質の存在下
において増殖することができない宿主細胞。
TcR:テトラサイクリン耐性−付与遺伝子。
転写活性化配列:DNAの転写を促進するDNA配列。
トランスフエクタント:フアージDNAによる形質転換を
受けた受容宿主細胞。
形質転換体:形質転換を受けた受容宿主細胞。
形質転換:受容宿主細胞にDNAを導入し、該宿主細胞の
遺伝型を変化させ、その結果、該宿主細胞を変化させる
こと。
翻訳活性化配列:mRNAに翻訳されたとき、このmRNAのタ
ンパク質への翻訳を促進する配列。
trP:大腸菌のトリプトフアンオペロンの転写および翻訳
活性化配列。
図面に関する簡単な記述 第1〜7図に示した制限サイトおよび機能地図は、本明
細書中で論じている組換えDNAベクタを近似的に表わし
たものである。地図上の制限サイト(部位)の間隔はベ
クター上の制限サイトの実際の間隔と比例関係にある
が、制限サイト間の距離の実測値は、地図上の距離の計
算値と、幾分異なつているかもしれない。制限サイトに
関する情報は完璧なものではないので、実際に、地図に
示したベクター上の特定の型の制限サイトよりも多くの
制限サイトがあるかもしれない。
第1図はプラスミドpIT335の制限サイトおよび機能地
図。
第2図はプラスミドpCZ106の制限サイトおよび機能地
図。
第3図はプラスミドpIT337の制限サイトおよび機能地
図。
第4図はプラスミドpIT221の制限サイトおよび機能地
図。
第5図はプラスミドpPS20の制限サイトおよび機能地
図。
第6図はプラスミドpPS19の制限サイトおよび機能地
図。
第7図はプラスミドpPS21の制限サイトおよび機能地
図。
第8図はプラスミドpPS21Aの制限サイトおよび機能地
図。
第9図はプラスミドpPS25の制限サイトおよび機能地
図。
第10図はプラスミドpPS28の制限サイトおよび機能地
図。
第11図はプラスミドpPS29の制限サイトおよび機能地
図。
第12図はプラスミドpPS26の制限サイトおよび機能地
図。
第13図はプラスミドpPS34の制限サイトおよび機能地
図。
第14図はプラスミドpIT336の制限サイトおよび機能地
図。
第15図はプラスミドpPS35の制限サイトおよび機能地
図。
第16図はプラスミドpPS27の制限サイトおよび機能地
図。
第17図はプラスミドpPS37の制限サイトおよび機能地
図。
発明の詳細な記述 本発明は、イソペンシリンN合成酵素活性をコードして
いるDNA化合物、組換えDNAクローニングベクターおよび
組換えDNA発現ベクターを含むものである。イソペニシ
リンN合成酵素活性をコードしている特定のDNA配列を
次に示す。これには、二本鎖DNA分子の「センス」配列
または暗号配列のみが示されており、DNA配列は、左側
から右側へ、5′→3′方向に記述されている。ヌクレ
オチド配列には番号が付されており、それらは、上方に
示されている。核DNA配列の真下の数字はイソペニシリ
ンN合成酵素のアミノ酸残基配列を、左から右方へ、ア
ミノ末端→カルボキシ末端方向に向けて付したものであ
る。アミノ酸残基は、それぞれ、それをコードしている
DNAの下方に示されている。アミノ酸残基配列には番号
が付けられており、それらの番号は、アミノ酸配列の下
方に記されている。
イソペニシリンN合成酵素活性をコードしているDNA配
列、および対応するアミノ酸配列 (式中、Aはデオキシアデニル、Gはデオキシグアニ
ル、Cはデオキシシチジル、Tはチミジル、ALAはアラ
ニン残基、ARGはアルギニン残基、ASNはアスパラギン残
基、ASPはアスパラギン酸残基、CYSはシステイン残基、
GLNはグルタミン残基、GLUはグルタミン酸残基、GLYは
グリシン残基、HISはヒスチジン残基、ILEはイソロイシ
ン残基、LEUはロイシン残基、LYSはリジン残基、METは
メチオニン残基、PHEはフエニルアラニン残基、PROはプ
ロリン残基、SERはセリン残基、THRはトレオニン残基、
TRPはトリプトフアン残基、TYRはチロシン残基、VALは
バリン残基を表わす。) 上記のDNA配列のGおよびC含有率は〜63%である。こ
の配列は、分子量計算値38,476ダルトン、分子量実測値
約40,000ダルトンのポリペプチドであるイソペニシリン
N合成酵素をコードしている。
当業者ならば理解し得ることだが、上記のDNA配列は、
本発明にとつて重要な役割を担つている。上記配列は、
完全に保護されたデオキシリボヌクレオチド組立てブロ
ツクを用い、改良ホスホトリエステル法により、常法通
り合成され得る。その様な合成法は当該技術分野で周知
であり、実質上、イタクラ(Itakura)ら、1977、サイ
エンス(Science)198:1056およびクレア(Crea)ら、1
978、プロシーデイングス・オブ・ザ・ナシヨナル・ア
カデミー・オブ・サイエンスイズ(Proc.Natl.Acad.Sc
i.)USA、75:5765の方法に従い、合成することができ
る。また、シウング(Hsiung)ら、1983、ヌクレイツグ
・アシツド・リサーチ(Nucleic Acid Research)11:32
27およびナラン(Narang)ら、1980、メソツズ・イン・
エンザイモロジイ(Methods in Enzymology)68:90によ
ると、特に好ましい方法が示されている。上記引用例の
手作業による方法以外に、このDNAは、システツク(Sys
tec)1450AまたはABS 380A DNA合成装置(シンセサイザ
ー)の如き自動DNA合成装置を用いても合成され得る。
大多数のアミノ酸残基および終止シグナルに対応して1
以上のコドンが存在することから、遺伝暗号には同義性
があり、従つて、上記のイソペニシリンN合成酵素は、
複数個の異なるDNA配列によつてコードされ得る。その
様な他のDNA配列も本発明のアミノ酸残基を同一のアミ
ノ酸残基をコードしているので、これらの代替配列もま
た、本発明に含まれる。
加えて、本発明のイソペニシリンN合成酵素−暗号化DN
Aの遺伝的変異体も存在し得る。これらの遺伝的変異体
は、本発明化合物のDNA配列およびアミノ酸配列と実質
上ホモロジイな配列を持つている。それらは本発明の化
合物と類似の(同一でないとしても)活性を有するが、
幾分異なつている。これらの遺伝的変異体もまた、本発
明化合物と均等である。
本発明のイソペニシリンN合成酵素活性−暗号化DNA化
合物は、アメリカン・タイプ・カルチヤー・コレクシヨ
ン(American Type Culture Collection)、ロツクビレ
・メアリーランド(Rockville,Maryland)から寄託番号
ATCC11550の下、入手可能なセフアロスポリウム・アク
レモニウムの菌株〔一般にブロツツ(Brotzu)株として
知られている〕から単離された。C.アクレモニウム株の
全ゲノムのゲノムライブラリイを組立て、このゲノムラ
イブラリイを、一組の、64の異なるデオキシリポオリゴ
ヌクレオチドとホモローガスな配列の存在に関して検査
した。この64の異なるデオキシリボオリゴヌクレオチド
からなる組は、C.アクレモニウムのイソペニシリンN合
成酵素のアミノ末端アミノ酸配列に関する情報、並びに
遺伝コードに関する知見に基づいて組立てられた。ゲノ
ムライブラリイの種々のベクターが64の異なるデオキシ
リボオリゴヌクレオチドの1またはそれ以上とホモロー
ガスであると同定された。DNAの配列決定によつて、C.
アクレモニウムのイソペニシリンN合成酵素をコードし
ているベクターが明らかにされた。
イソペニシリンN合成酵素をコードしているベクターの
同定後、特定のイソペニシリンN合成酵素−暗号化ベク
ターの1つに改良を加え、このベクターに含まれている
イソペニシリンN合成酵素の暗号化に関与していないセ
フアロスポリウム・アクレモニウムのDNAの内、大部分
を欠失させた。得られた、プラスミドpIT335と命名され
たベクターを大腸菌K12JA221宿主細胞に導入(トランス
フオーム)した。得られた形質転換体、大腸菌K12JA221
/pIT335は、ノーザン・リージヨナル・リサーチ・ラボ
ラトリイズ(Northern Regional Research Laboratorie
s)ペオリア(Peoria)、イリノイスに寄託され、寄託
番号NRRLB-15960の下で、そのストツク・カルチヤー・
コレクシヨンの一部を形成している。プラスミドpIT335
の制限サイトおよび機能地図を添付の第1図に示す。
プラスミドpIT335は、実施例1に記載の方法に従い、大
腸菌K12 JA221から単離される。プラスミドpIT335を、
大腸菌内で高レベルにイソペニシリンN合成酵素を発現
させ得るプラスミド(pIT337と命名)の組立と出発物質
に用いた。プラスミドpIT337は、プラスミドpIT335の〜
1.5kbNcoI-BamHI制限フラグメントをプラスミドpCZ106
の〜8.7kbNcoI-NcoI制限フラグメントおよび〜1.6kbNco
I-Bam HI制限フラグメントにライゲートすることによ
り、組立てられた。
プラスミドpCZ106は、ランナウエイレプリコン、trp転
写および翻訳活性化配列、およびtrpオペレーター、並
びにウシ成長ホルモン誘導体をコードしているDNA配列
を含有している。プラスミドpCZ106上に存在しているタ
イプのランナウエイ・レプリコンの使用は、米国特許第
4,487,835号、4,499,189号および4,495,287号に記載さ
れ、開示されている。ランナウエイ・レプリコンを含有
しているプラスミドは、約25℃の低温において、実質
上、大腸菌宿主細胞当り約〜10-15コピーというコピー
数を示すが、約37℃に昇温すると、コピー数は、大腸菌
宿主細胞当り約1,000コピーに増加する。プラスミドpCZ
106を単離することのできる宿主細胞、大腸菌K12RV308/
pCZ106は、ノーザン・リージヨナル・リサーチ・ラボラ
トリイズ、ペオリア、イリノイスに、寄託番号NRRLB-15
959の下、寄託され、そのストツク・カルチヤー・コレ
クシヨンの一部となつている。プラスミドpCZ106の制限
サイトおよび機能地図を添付の第2図に示す。
プラスミドpIT337は、プラスミドpCZ106のランナウエイ
・レプリコンおよびtrp転写および翻訳活性化配列、並
びにプラスミドpIT335由来のイソペニシリンN合成酵素
遺伝子のタンパク質−暗号化配列を含有している。プラ
スミドpIT335の〜1.5kbNcoI-BamHI制限フラグメント
は、イソペニシリンN合成酵素に関する、全タンパク質
−暗号化配列、並びに式: (該配列は、イソペニシリンN合成酵素のアミノ末端メ
チオニル残基をコードしている式: で示される配列を含有している) で示されるNcoI制限酵素認識配列を含有している。プラ
スミドpIT337の制限サイトおよび機能地図を添付の第3
図に示す。プラスミドpIT337の組立ては、実施例2に、
より詳しく記載されている。
プラスミドpIT337を有する大腸菌K12RV308(NRRL B-156
24)細胞は、約37℃の温度で全細胞タンパク質の〜9%
という高レベルで、イソペニシリンN合成酵素を発現す
る。これら大腸菌K12RV308/pIT337形質転換体の粗細胞
エキスは、δ−(L−α−アミノアジピル)−L−シス
テイニル−D−バリンのイソペニシリンNへの転換を触
媒することができるが、非−形質転換体の大腸菌K12RV3
08細胞から得た細胞エキスは上記の如き転換を触媒する
ことができない。この転換反応の分析法、並びに分析結
果は実施例3に示されている。
プラスミドpIT337は、大腸菌内でイソペニシリンN合成
酵素を大量生産するのに有効な手段である。プラスミド
pIT337による大腸菌形質転換体は、全細胞タンパク質の
9%にも達するレベルでイソペニシリンN合成酵素を発
現し、また、大腸菌の培養は、イソペニシリンN合成酵
素を天然に産生する生物の培養程複雑ではないことか
ら、大腸菌/pIT337形質転換体は、非組換え体、また
は、“天然の”イソペニシリンN合成酵素産生体よりも
効率良く、かつ、経済的に組換えイソペニシリンN合成
酵素を生産する上で有用である。
イソペニシリンN合成酵素は、実施例3に示す如く、細
胞を含まない系でδ−(L−α−アミノアジピル)−L
−システイニル−D−バリンからイソペニシリンNを生
産するのに用いることができる。イソペニシリンNは有
用な抗生物質であるばかりでなく、ペニシリンN、セフ
アロキシンその他のセフアロスポリン類(米国特許第4,
307,192号)の生産における出発物質としても有用であ
る。イソペニシリンN合成酵素の最も重要な用途は、お
そらく、該酵素により、δ−(L−α−アミノアジピ
ル)−L−システイニル−D−バリン以外のトリペプチ
ドを縮合して新規なβ−ラクタム誘導体にすることにあ
る。
ペニシリン産生性生物の細胞不含有抽出物を用いて、非
天然の(天然に産生されない)β−ラクタム類を合成す
ることができる。本発明の大腸菌発現ベクターは、自然
界では本来起こらない、トリペプチドの縮合による新規
な抗生物質、または抗生物質のコア構造をインビトロで
形成するのに有用なイソペニシリンN合成酵素を安価に
効率良く得る方法を提供するものである。
イソペニシリンN合成酵素の基質となり得る非天然のト
リペプチド類の探索は、非天然のトリペプチドを基質と
して認識し得る突然変異体イソペニシリンN合成酵素の
探索によつて補うことができる。本発明は、その様な突
然変異体イソペニシリンN合成酵素の探索における出発
物質を提供するものである。大腸菌は、突然変異的なク
ローニング実験に最適な宿主である。本発明の大腸菌発
現ベクターを、当業者周知の方法、例えば、放射線(X
−線またはUV)処理または化学的突然変異誘発現(エチ
ルメタンスルホネート、ニトロソグアニジン、またはメ
チル・メタンスルホネート)処理、あるいは部位特異的
突然変異誘発等によつて突然変異させ、基質として非天
然のトリペプチドを認識すると共に、これらの非天然ト
リペプチドを縮合させて非天然のβ−ラクタム類を与え
る触媒作用を持つた突然変異体酵素を得ることができ
る。
本発明は、本明細書中に例示した特定のベクター類に限
定されるものではない。むしろ、本発明は、イソペニシ
リンN合成酵素活性をコードしているDNA化合物を含む
ものである。本発明のDNA化合物は、発現ベクターであ
つて、それが複製し、または組込むことができ、かつ、
イソペニシリンN合成酵素活性を発現させるための転写
および翻訳活性化配列が機能し得るあらゆる宿主内でイ
ソペニシリンN合成酵素を発現させ得る発現ベクターを
組立てるために用いることができる。
本明細書中で例示した大腸菌発現ベクターは、大腸菌内
で機能的なランナウエイ・レプリコンを用いるが、本発
明は、大腸菌内でイソペニシリンN合成酵素を発現させ
るあらゆる大腸菌発現プラスミドまたはベクターを包含
するものである。即ち、本発明は、イソペニシリンN合
成酵素を発現させると共に、大腸菌内で機能的なレプリ
コン(例えば、PBR322、pACYC184、F、ColV-K94、R1、
R6-5またはR100等のプラスミドに由来するレプリコン)
を利用している発現ベクターに関するものである。本発
明はプラスミドベクターに限定されるものでなく、イソ
ペニシリンN合成酵素活性を発現すると共に、宿主細胞
内で複製し、維持されるために、組込み、あるいはウイ
ルス性の複製を利用する発現ベクターを包含するもので
ある。
本発明はイソペニシリンN合成酵素活性をコードしてい
るDNAを発現させるために、特定の転写および翻訳活性
化配列の使用に限定されない。本発明は、大腸菌内で機
能的な転写および翻訳活性化配列であつて、大腸菌内で
イソペニシリンN合成酵素を発現させるのに用い得るあ
らゆる配列の使用を包含するものである。大腸菌内で機
能的な転写および翻訳活性化配列は数多く知られてお
り、それらは大腸菌内でイソペニシリンN合成酵素活性
を発現させるのに適している。その様な転写および翻訳
活性化配列には、lpp、lac、trp、tac、λpとλpR転写
および翻訳活性化配列が含まれるがこれらに限定されな
い。
上で例示した種々の、大腸菌の転写および翻訳活性化配
列に加えて、他の生物に由来する転写および翻訳活性化
配列を本発明のイソペニシリンN合成酵素−暗号化DNA
化合物とライゲートさせ、この活性化配列が機能する宿
主生物内でイソペニシリンN合成酵素活性を発現させ得
る発現ベクターを組立てることもできる。イソペニシリ
ンN合成酵素の生産および精製において大腸菌は最適の
宿主であるが、大腸菌以外の宿主内でイソペニシリンN
合成酵素活性を発現するベクター類もまた有用であり、
殊に、特定の生物内でのβ−ラクタム抗生物質の生産能
力および生産効率を増加する目的にとつて有用である。
様々な生物がβ−ラクタム抗生物質を生産する。以下の
表1に、β−ラクタム抗生物質−産生性生物を列挙する
が、これは、全てを含むものではない。
上記のβ−ラクタム抗生物質産生性生物の多くが製薬工
業において、抗生物質の生産のために用いられている。
これらの生物の抗生物質産生能力は、発酵期間中に抗生
物質生合成酵素の細胞内濃度が増加することによつて増
大し、より効率の良いものとなる。本発明のイソペニシ
リンN合成酵素活性−暗号化DNA化合物は、発現ベクタ
ーであつて、適当な宿主細胞に導入して形質転換したと
き、この宿主細胞がイソペニシリンN合成酵素活性の関
与する中間体反応を介してβ−ラクタム系抗生物質を産
生するものであれば、形質転換された該宿主細胞のイソ
ペニシリンN合成酵素活性の細胞内濃度を増加させ、そ
の結果、この細胞の抗生物質産生能力と抗生物質産生効
率を増加させる様な発現ベクターを組立てるのに有用で
ある。
特定の宿主細胞に導入されたとき、該宿主のイソペニシ
リンN合成酵素活性の濃度を増大するベクターに必要な
要素は、1)本発明のイソペニシリンN合成酵素活性−
暗号化DNA化合物、2)形質転換すべき宿主細胞内で機
能的であるのみならず、イソペニシリンN合成酵素活性
−暗号化DNAを発現させるのに適切な方向性および位置
において存在している転写および翻訳活性化配列、およ
び3)ベクターを宿主細胞内で維持させるための、複製
または組込み機能である。勿論、上記のベクターは、該
ベクターを含有している宿主細胞の選択手段を与える様
な、抗生物質耐性付与−遺伝子またはその他の何らかの
要素を含んでいて良いが、該ベクターが宿主細胞の染色
体に組込まれる場合には、その様な選択性の要素は必要
とされず、また望まれるものでもない。
プラスミドpPS20は、β−ラクタム抗生物質産生性細胞
内でのイソペニシリンN合成酵素活性の細胞内濃度を増
加させる様に計画されたタイプのベクターの1例であ
り、本発明の発現ベクターである。プラスミドpPS20
は、プラスミドpIT221D〜2.7kbHindIII制限フラグメン
トをプラスミドpIT335の単1のHindIII制限酵素認識部
位に挿入することにより組立てられた。プラスミドpIT2
21の〜2.7kbHindIII制限フラグメントは、酵母サツカロ
ミケス・セレビシエのホスホグリセレート・キナーゼ
(PGK)遺伝子の転写および翻訳活性化配列であつて、
ハイグロマイシン耐性−付与遺伝子を発現させるのに適
切な位置、並びに方向性でライゲートしている配列を含
有している。プラスミドpIT221の〜2.7kbHindIII制限フ
ラグメントは、HindIII消化プラスミドpIT335に対し
て、2つの方向性のどちらでも挿入され得るので、プラ
スミドpPS20を組立てるためのライゲーシヨンによつ
て、機能的に同等な異性体(プラスミドpPS20.1と命
名)が生成される。プラスミドpPS20の制限サイトおよ
び機能地図を添付の第5図に示す。プラスミドpPS20お
よびpPS20.1の組立て方法を、実施例4に記載した。
プラスミドpPS20およびpPS20.1の組立て出発物質である
プラスミドpIT221は、米国特許出願番号第654,919号(1
984年9月27日出願)に開示され、特許請求されてい
る。米国特許出願番号第654,919号、第29〜27頁の組立
て流れ図、並びに実施例1〜6には、プラスミドpIT221
の組立て方法が記載されている。プラスミドpIT221の制
限サイトおよび機能地図を添付の第4図に示す。
プラスミドpIT221の〜2.7kbHindIII制限フラグメント
は、酵母PGKの転写および翻訳活性化配列と結合してい
るハイグロマイシン耐性付与遺伝子を含んでいる。これ
は、ハイグロマイシン耐性付与活性(HmR)の発現にと
つて適切な位置および方向性で結合している。米国特許
出願第654,919号に記載されている様に、PGK-HmRを用い
てセフアロスポリウム・アクレモニウムおよびその近縁
宿主細胞を形質転換し、ハイグロマイシン−耐性表現型
にすることができる。
プラスミドpPS20はPGK-HmR遺伝子を含有しており、セフ
アロスポリウム・アクレモニウム/pPS20形質転換体は、
該形質転換体によつて発現されるハイグロマイシン耐性
付与活性に基づいて選択される。プラスミドpPS20はま
た、本発明のイソペニシリンN合成酵素−暗号化DNA
を、セフアロスポリウム・アクレモニウムのゲノム内
で、このイソペニシリンN合成酵素−暗号化DNAと両側
面を接しているゲノムDNAと一緒に含有している。
プラスミドpPS20は、セフアロスポリウム・アクレモニ
ウム、ゲノム内の、イソペニシリンN合成酵素−暗号化
DNAの上流に位置する約3kbのゲノムDNAを含有している
ので、必然的に、イソペニシリンN合成酵素暗号化DNA
の転写および翻訳活性化配列をも含有していることにな
る。大多数の転写および翻訳活性化配列は活性化すべき
DNAの上流にコードされているが、いくつかのリボソー
ムRNA−暗号化DNA配列は、暗号領域の上流に位置してい
ない転写活性化配列によつて活性化される。「上流」と
いう語句は分子生物学の分野で用いられる語句であつ
て、本明細書では、イソペニシリンN合成酵素−暗号化
DNAの暗号鎖の5′末端から5′方向であることを意味
するものとする。
セフアロスポリウム・アクレモニウムの転写および翻訳
活性化配列は、プラスミドpPS20の組立てに際して、こ
の転写および翻訳活性化配列に影響を及ぼす様な欠失や
挿入なしに、イソペニシリンN合成酵素活性−暗号化DN
Aの5′末端と接するDNA内に導入されているので、プラ
スミドpPS20内で、イソペニシリンN合成酵素活性−暗
号化DNAを発現させるのに適切な位置にコードされてい
ることになる。従つて、プラスミドpPS20は、アクレモ
ニウム・セフアロスポリウムの転写および翻訳活性化配
列が機能し得る、C.アクレモニウムおよびその近縁の宿
主細胞の抗生物質産生能力および生産効率を増大するた
めに用いることができる。この抗生物質産性能および生
産効率の増大は、形質転換体内に、発現したイソペニシ
リンN合成酵素活性−暗号化DNAのコピーが余分に存在
することにより、該形質転換体内のイソペニシリンN合
成酵素活性レベルが増大することに起因する。プラスミ
ドpPS20は、C.アクレモニウム内で機能的なハイグロマ
イシン耐性−付与遺伝子をも含有しており、この遺伝子
によつてC.アクレモニウム/pPS20形質転換体の選択が可
能となる。
しかし、一度、セフアロスポリウム・アクレモニウム/p
PS20が選択されたならば、形質転換体の増殖培地内に選
択のための圧力、即ち、ハイグロマイシンBを維持して
おく必要はない。C.アクレモニウム/pPS20形質転換体は
極めて安定であるために、選択のための圧力を必要とし
ない。この安定性は、プラスミドpPS20が、染色体への
組込みを介してC.アクレモニウムを形質転換することに
依ると思われる。しかしながら、本発明は、C.アクレモ
ニウム内でイソペニシリンN合成酵素活性を発現させ、
かつ染色体への組込みを介して形質転換を行うプラスミ
ドに限定されるものではない。染色体外で複製する、C.
アクレモニウムのための発現ベクターは、米国特許第4,
492,758号の教示に従つて容易に組立てられる。米国特
許第4,492,758号には、プラスミドpPS20の如きベクター
に挿入したとき、該ベクターに、C.アクレモニウムの染
色体外で複製するのに必要な機能を与え得るミトコンド
リア由来のDNAセグメントが記載されている。
上記の如く、プラスミドpPS20およびこのプラスミドpPS
20を導くためのプラスミドの1つであるプラスミドpIT3
35は、セフアロスポリウム・アクレモニウムの転写およ
び翻訳活性化配列を含有している。これらプラスミドpI
T335およびpPS20上に存在しているC.アクレモニウムの
転写および翻訳活性化配列は、広範囲に及ぶ様々なDNA
配列を発現させるのに用いることができる。従つて、こ
の活性化配列は、本発明において重要な部分を占めてい
る。C.アクレモニウムの転写および翻訳活性化配列に関
する配列のデーターは限定されているが、この活性化配
列は、プラスミドpIT335およびpPS20内で、イソペニシ
リンN合成酵素活性−暗号化DNAの直ぐ上流に隣接して
存在している〜500bpSalI-NcoI制限フラグメントにコー
ドされていることが分つている。上記の〜500bpSalI-Nc
oI制限フラグメントを含有している制限フラグメント
は、全て、必然的にC.アクレモニウムの転写および翻訳
活性化配列を含有していることになる。
プラスミドpIT335にコードされているセフアロスポリウ
ム・アクレモニウムの転写および翻訳活性化配列につい
ての配列データを示す。下記の配列は、プラスミドpIT3
35の、イソペニシリンN合成酵素活性−暗号化DNAの上
流に存在しているDNA配列である。この配列式の、「XXX
XXXXXXX」の表示が示す様に、活性化配列を含有してい
る〜500bpSalI-NcoI制限フラグメント配列の内、一部分
しか分つていない。プラスミドpIT335内における活性化
配列の方向性を更に明確にするために、制限酵素SalIお
よびNcoIによる開列に特有の一本鎖DNA重複(オバーラ
ツプ)を有する制限フラグメントを示す。
プラスミドpIT335によつてコードされているセフアロス
ポリウム・アクレモニウムの転写および翻訳活性化配列
の部分的DNA配列 →イソペニシリンN合成酵素暗号領域の開始部位。「TA
C」は、イソペニシリンN合成酵素のアミノ末端メチオ
ニル残基をコードしている5′‐ATG-3′と相補的であ
る。
セフアロスポリウム・アクレモニウムの転写および翻訳
活性化配列は、プラスミドpPS21に示されている様に、
あらゆるDNA配列を発現させるために用いることができ
る。プラスミドpPS21は、プラスミドpIT221の誘導体で
あり、ハイグロマイシン耐性付与遺伝子を発現させるた
めに用いられるPGK転写および翻訳活性化配列を、本発
明のC.アクレモニウムの転写および翻訳活性化配列で置
換することにより、得られた。この置換を行うために、
まず、プラスミドpIT221の〜300bpXmaIフラグメントを
除去してプラスミドpPS19を得た。このXmaIの欠失処理
は、pPS21の組立を妨げるBamHI制限酵素認識部位を除く
ためである。次いで、プラスミドpPS19をBamHIで消化
し、大腸菌DNAポリメラーゼIのクレノウ(Klenow)フ
ラグメントで処理した。このBamHI消化により、PGK転写
および翻訳活性化配列を含む〜230bpBamHI制限フラグメ
ントが切り出される;クレノウ処理により、一本鎖のBa
nHIオーバーラツプから二本鎖DNAが形成された。次に、
プラスミドpPS19の大きい、〜7.7kbBamHIフラグメント
を、C.アクレモニウムの転写および翻訳活性化配列を含
有している、プラスミドpIT335の〜0.8kb(クレノウ処
理した)にライゲートした。
当然、クレノウ−処理NcoI制限フラグメントは、2方向
性の内、1方向の方向性をとつて挿入される。これら2
方向の内、1方の方向性が所望の結果を与える。即ち、
ハイグロマイシン耐性−付与遺伝子を発現させるのに適
切なセフアロスポリウム・アクレモニウムの転写および
翻訳活性化配列の位置にあるものが所望の結果を与え
る。プラスミドpPS21の制限サイトおよび機能地図を添
付の第7図に、また、プラスミドpPS19の制限サイトお
よび機能地図を添付の第6図に示す。プラスミドpPS21
の詳細な組立ては、実施例5に記載されている。
プラスミドpPS21Aも、セフアロスポリウム・アクレモニ
ウム内でハイグロマイシン耐性−付与遺伝子を発現させ
るためにIPS遺伝子の転写および翻訳活性化配列を利用
している本発明のもう1つのベクターである。プラスミ
ドpPS21Aの組立てには、有用な中間体プラスミドである
プラスミドpPS23を用いた。プラスミドpPS23は、IPS遺
伝子の活性化配列を含有しているプラスミドpIT335の〜
850bpNcoI制限フラグメントを単離し、この〜850bpNcoI
フラグメントに、BamHIおよびNcoIと適合し得る、一本
鎖重複(オーバーラツプ)を有するリンカーを結合させ
てプラスミドpIT335を起源とする〜860bpBamHI制限フラ
グメントを得、これを、BamHI消化プラスミドpUC8にラ
イゲートすることにより、組立てられた。このライゲー
シヨンにより、挿入されたBamHI制限フラグメントの方
向性においてのみ異る2個のプラスミド、pPS23およびp
PS23.1が生成した。プラスミドpUC8はフアルマシア(Ph
armacia)P-Lバイオケミカルス(Biochemicals)800セ
ンテニアル・アベニユー(Centennial Ave.)、ピスキ
ヤツタウエイ(Piscataway)、N.J.08854から入手可能
である。
プラスミドpPS23を制限酵素BamHIで消化することによ
り、IPS転写および翻訳活性化配列を含有する〜860bpBa
mHI制限フラグメントを単離し、BamHI消化プラスミドpP
S19にライゲートした。このライゲーシヨンにより、プ
ラスミドpPS21A等の多くの有用なプラスミドが生成し
た。プラスミドpPS21Aは、プラスミドpPS23の〜0.86kbB
amHI制限フラグメントとプラスミドpPS19の〜7.7kbBamH
I制限フラグメントとのライゲーシヨンによつて生成
し、これは、ハイグロマイシン耐性−付与遺伝子を発現
させるのに適切な方向性で、IPS遺伝子の転写および翻
訳活性化配列を含有している。プラスミドpPS23の組立
てに用いるリンカーは、ハイグロマイシン耐性−付与遺
伝子の発現にとつて適当なリーデイング・フレームをプ
ラスミドpPS21A内に確実に維持させる。プラスミドpPS2
1Aの組立ては実施例7に記載されている。プラスミドpP
S21Aの制限サイトおよび機能地図を添付の第8図に示
す。
その他の幾つかの有用なプラスミドも、プラスミドpPS2
1Aの生成と同様のライゲーシヨンにより、生成された。
プラスミドpPS22は、プラスミドpPS21A内におけるIPS遺
伝子の活性化配列の方向性と逆の方向性で、BamHIフラ
グメントがこの活性化配列を含有していることを除い
て、プラスミドpPS21Aと同一の配列を有している。従つ
て、プラスミドpPS22は、セフアロスポリウム・アクレ
モニウムに対して高頻度でハイグロマイシン耐性を与え
ないので、C.アクレモニウムの形質転換における有用
な、負対照として作用する。
このライゲーシヨンによつて生成するもう一つのプラス
ミドは、セフアロスポリウム・アクレモニウムの形質転
換における負対照として、また、転写および翻訳活性化
配列を有しているC.アクレモニウム配列を同定するのに
用いることのできるプラスミドとして、有用である。前
記の如く、プラスミドpPS19は、ハイグロマイシン耐性
付与遺伝子を発現させるのに適当な方向性でサツカロミ
ケスセレビシエのPGK転写および翻訳活性化配列を含有
している。プラスミドpPS19を制限酵素BamHIで消化する
ことにより、2個のフラグメント(1方のフラグメント
は、大きさが約230bpであつて、PGK活性化配列を含有し
ており、もう一つのフラグメントは大きさが〜7.6kbで
あつて、ハイグロマイシン耐性付与遺伝子の暗号配列の
大部分を含有している)が得られる。
プラスミドpPS19の〜7.6kbBamHI制限フラグメントの閉
環により、プラスミドpPS24が得られる。このプラスミ
ドは、該ベクター上に存在しているハイグロマイシン耐
性付与遺伝子を発現させるのに適切な位置にある、転写
および翻訳活性化配列を含有していない。従つて、この
プラスミドpPS24は、セフアロスポリウム・アクレモニ
ウムの内因性の転写および翻訳活性化配列によつて上記
遺伝子が発現される様なC.アクレモニウムDNA上の位置
に組込まれることにより、セフアロスポリウム・アクレ
モニウムをハイグロマイシン耐性に形質転換することが
できる。従つて、ハイグロマイシン−耐性C.アクレモニ
ウム/pPS24形質転換内のプラスミドpPS24DNAの組込み箇
所を同定することにより、C.アクレモニウムの転写およ
び翻訳活性化配列を同定することができる。別法とし
て、C.アクレモニウムDNAをプラスミドpPS24の単1のBa
mHI部位に挿入し、得られたプラスミドを用いてC.アク
レモニウムを形質転換しても良い。C.アクレモニウムを
高頻度でハイグロマイシン耐性に形質転換するプラスミ
ドは、C.アクレモニウム内で機能的な転写および翻訳活
性化配列を含有しているはずである。
プラスミドpPS21Aを生産するためのライゲーシヨンにお
いて、同時に、他の有用なプラスミドが生成された。そ
れらは、プラスミドpPS25およびpPS25.1と命名され、プ
ラスミドpPS19の2個のBam HI制限フラグメントと、プ
ラスミドpPS23の〜860bp Bam HI制限フラグメントとの
ライゲーシヨンにより、生成したものである。プラスミ
ドpPS25は、PGKおよびIPSの両活性化配列が、いずれも
ハイグロマイシン耐性−付与遺伝子を発現させるのに適
切な方向性で含有している。プラスミドpPS25は、IPS活
性化配列をハイグロマイシン耐性−付与遺伝子の直ぐ上
流に、また、PGK活性化配列をIPS活性化配列の直ぐ上流
に、含有している。プラスミドpPS25は、セフアロスポ
リウム・アクレモニウムにハイグロマイシン耐性を付与
する。プラスミドpPS25の制限サイトおよび機能地図を
添付の第9図に示す。プラスミドpPS22、pPS24およびpP
S25の組立て方法は実施例7に記載されている。
プラスミドpPS25.1は、PGK活性化配列を含有している〜
0.23kb Bam HI制限フラグメントの方向性に関しての
み、プラスミドpPS25と異つている。プラスミドpPS25.1
におけるPGK活性化配列は、ハイグロマイシン耐性−付
与遺伝子を発現させる様な方向性をとつていない。しか
しながら、プラスミドpPS25およびプラスミドpPS25.1
は、同様の高頻度で、セフアロスポリウム・アクレモニ
ウムをハイグロマイシン耐性−表現型に形質転換する。
このことは、PGK活性化配列が、ハイグロマイシン耐性
−表現型の発現に必須でないことを示すものである。
その他、セフアロスポリウム・アクレモニウムにハイグ
ロマイシン耐性を付与する、本発明の有用なベクター類
は、制限酵素PstIによつてプラスミドpPS21を部分消化
した後、再結合させることにより、得られる。プラスミ
ドpPS21Aからセフアロスポリウムの複製起源を含有して
いる〜1.85kb PstI制限フラグメントを欠失させること
により、プラスミドpPS28が得られる。プラスミドpPS29
は、プラスミドpPS21AからプラスミドpPS28を得るため
に欠失されたPstIフラグメントと同一のフラグメント
と、該プラスミドpPS21A上のセフアロスポリウム複製起
源とIPS遺伝子の活性化配列との間の、〜0.49kb PstI制
限フラグメントとを欠失することにより、得られた。プ
ラスミドpPS28およびpPS29の制限サイトおよび機能地図
を添付の第10および第11図にそれぞれ示す。プラスミド
pPS28およびpPS29の組立ては、実施例8に記載されてい
る。
プラスミドpPS21Aを出発物質として用い、さらに別の有
用な誘導体が組立てられた。プラスミドpPS21Aの〜3.45
kb Hind III制限フラグメントを、プラスミドpIT335の
単1のHind III部位に挿入することにより、プラスミド
pPS21A由来の、挿入されたHind III制限フラグメントの
方向性に関してのみ異るプラスミド、pPS26およびpPS2
6.1が得られた。プラスミドpPS26およびpPS26.1は、セ
フアロスポリウム・アクレモニウム由来の無傷のIPS遺
伝子と、IPS遺伝子の活性化配列によつて機能されるハ
イグロマイシン耐性−付与遺伝子とを含有している。プ
ラスミドpPS26およびpPS26.1の組立ては実施例9に記載
されており、また、プラスミドpPS26の制限サイトおよ
び機能地図は添付の第12図に示されている。
米国特許出願番号第654,919号(1984年9月27日出願)
には、プラスミドpIT221(上記の如く、このプラスミド
も同一出願中に開示されている)と同様のベクターであ
つて、セフアロスポリウム・アクレモニウムのリボソー
ムRNA−暗号化DNAをも含有しているベクターの組立てが
記載されている。pPS6と命名されたプラスミドは、rRNA
−暗号化DNAの存在により、C.アクレモニウムの染色体D
NAへの組込み能力が大きくなつている。このプラスミド
pPS26の組立ては、上記米国特許出願第654,919号の第72
〜75頁、実施例13に記載されており、この実施例13を本
明細書に引用した。プラスミドpPS26は、プラスミドpIT
221と同じくPGK-HmR遺伝子を含有しているので、PGKの
転写および翻訳活性化配列を本発明のC.アクレモニウム
の活性化配列で置換することにより生成し得る誘導体
も、本発明の範囲内にあることは明らかである。
プラスミドpPS6はセフアロスポリウム・アクレモニウム
のrRNA遺伝子を含有する〜3.7kb XmaI制限フラグメント
を含んでいる。プラスミド上に、このXmaIフラグメント
が存在していることは、このプラスミドをC.アクレモニ
ウムに導入した際、該プラスミドがC.アクレモニウム・
ゲノム内に、ホモローガスな(同質性の)組換えによつ
て組込まれる可能性を増大することになる。そこで、C.
アクレモニウムrRNA遺伝子の一部を含有しているプラス
ミドpPS6の〜3.7kb XmaI制限フラグメントをプラスミド
pPS21Aの単1のXmaI部位に挿入することにより、プラス
ミドpPS30およびpPS30.1を組立てた。プラスミドpPS30
とpPS30.1とは、XmaI制限フラグメントの方向性におい
てのみ異つている。
プラスミドpPS6の〜3.7kb XmaI制限フラグメントをプラ
スミドpPS29の単1のXmaI部位に挿入することにより、
プラスミドpPS31およびpPS31.1を組立てた。プラスミド
pPS30pPS30.1、pPS31およびpPS31.1の組立てを実施例10
に記載する。
ハイグロマイシン耐性−付与遺伝子を発現させるのにセ
フアロスポリウム・アクレモニウムのIPS遺伝子の転写
および翻訳活性配列を利用する本発明のプラスミドベク
ターは、C.アクレモニウム内で、ハイグロマイシン耐性
−付与遺伝子を発現させるのにサツカロミケスセレビシ
エのPGK活性化配列を利用するプラスミドよりもはるか
に優れている。本発明ベクターの優位性は2つの観察結
果によつて証明される:(1)形質転換に用いたベクタ
ーDNA(μg)当りのハイグロマイシン−耐性セフアロ
スポリウム・アクレモニウム形質転換体の数によつて測
定される形質転換の頻度はベクター内のハイグロマイシ
ン耐性−付与遺伝子を発現させるためにIPS活性化配列
を用いた場合、PGK活性化配列を用いた場合よりも50〜3
00倍、高頻度である、(2)形質転換後、肉眼視し得る
コロニーが現われるまでの時間によつて測定される再生
成時間は、ベクター内のハイグロマイシン耐性−付与遺
伝子を発現させるためにIPS活性化配列を用いた場合、P
GK活性化配列を用いた場合よりも約50%短縮される。
上記の発現ベクター類が示す様に、セフアロスポリウム
・アクレモニウムへの転写および翻訳活性化配列は、C.
アクレモニウム内であらゆるDNAを発現させるのに利用
し得る。即ち、本発明は、有用な物質をコードしている
あらゆるDNA配列を発揮させるために、プラスミドpIT33
5の〜0.5kb SalI-NcoI制限フラグメント内にコードされ
ているC.アクレモニウムの転写および翻訳活性化配列を
用いる方法に関するものである。
本発明は、イソペニシリンN合成酵素のアミノ酸配列の
みならず、イソペニシリンN合成酵素をセフアロスポリ
ウム・アクレモニウム内で発現させるのに必要な転写お
よび翻訳活性化配列をもコードしている無傷の機能的な
C.アクレモニウムDNA配列をクローニングすることによ
り、完成された。同様に、本発明のIPS遺伝子は、暗号
領域の下流に存在する転写終止に関する配列、並びにmR
NAのポリアデニル化およびプロセツシングのシグナルを
与える配列をも含んでいる。転写終止、ポリアデニル
化、およびmRNAのプロセツシングに関する配列は、通
常、暗号領域の終止コドンから〜500bp下流の領域にコ
ードされている。従つて、IPSカルボキシ末端暗号化DNA
およびその下流の配列を含有している〜0.5kb Bam HI-P
stI制限フラグメントは、IPS遺伝子の転写終止、並びに
mRNAのポリアデニル化およびプロセツシングシグナルを
も含有している。
プラスミドpPS27と命名されたベクターは、IPSの転写お
よび翻訳活性化配列、ハイグロマイシン耐性−付与遺伝
子、IPS遺伝子の転写終止並びにmRNAのポリアデニル化
およびプロセツシングシグナルを順番に含有させて組立
てられた。プラスミドpPS27の組立ては、プラスミドpIT
335の〜1.4kb Bam HI-XhoI制限フラグメントをSalI-Bam
HI消化プラスミドPUC8に挿入し(SalIおよびXhoIオー
バーラツプは適合し得る)、プラスミドpIT336を得た
(第14図)。
プラスミドpIT336を制限酵素PstIで消化し、閉環するこ
とにより、IPS遺伝子の転写終止、並びにmRNAポリアデ
ニル化およびプロセツシングのシグナルを含有している
〜0.5kb Bam HI-PstI制限フラグメント以外の全セフア
ロスポリウムDNAを欠失させ、プラスミドpPS35を得た
(第15図)。
次いで、プラスミドpPS35を制限酵素Hind IIIで消化
し、このHind III消化プラスミドpPS35に、IPS遺伝子の
転写および翻訳活性化配列と、その下流のハイグロマイ
シン耐性付与遺伝子とを含有している、プラスミドpPS2
9の〜2.3kb Hind III制限フラグメントを適切な方向性
で挿入し、プラスミドpPS27を得た。プラスミドpPS27の
組立ては実施例11に記載されている。このプラスミドpP
S27の制限サイトおよび機能地図を添付の第16図に示
す。
プラスミドpPS27の有用な誘導体は、プラスミドpPS27の
〜2.3kb Hind IIIおよび〜0.5kb Hind III-Bam HI制限
フラグメントを単離し、これらのフラグメントをプラス
ミドpIT335の〜5.9kb Bg lII-Hind III制限フラグメン
ト内に、正しい方向性で挿入することにより、得られた
(プラスミドpPS34)。プラスミドpPS34は、ハイグロマ
イシン耐性付与遺伝子と、IPS遺伝子の制御因子でコン
トロールされるイソペニシリンN合成酵素−暗号化遺伝
子とを一緒に含有している。プラスミドpPS34の制限サ
イトおよび機能地図を添付の第13図に示す。
プラスミドpIT336は、セフアロスポリウム・アクレモニ
ウム・ゲノムのイソペニシリンN合成酵素遺伝子の位置
に組込まれるプラスミドの組立て出発物質として用いる
ことができる。pPS37と命名されたこのプラスミドは、
これをC.アクレモニウム株に挿入した際にIPS遺伝子の
暗号領域に組込まれると、上記株のIPS−欠損突然変異
体を生成するので、挿入による不活性の研究に有用であ
る。プラスミドpPS37は、IPS遺伝子の活性化配列のコン
トロール下にあるハイグロマイシン耐性−付与遺伝子を
含有しているプラスミドpPS21Aの〜3.45kb Hind III制
限フラグメントをNruI−消化プラスミドpIT336に挿入す
ることにより、組立てられた。プラスミドpIT336は、プ
ラスミド上のIPS暗号領域部分に位置する、単1のNruI
部位を有している。クレノウ酵素によつて平滑末端化さ
れた〜3.45kb Hind III制限フラグメントをNruI−消化
プラスミドpIT336に挿入することにより、実際には、挿
入フラグメントの方向性に関してのみ異る2個のプラス
ミド、プラスミドpPS37およびpPS37.1が生成する。プラ
スミドpPS37およびpPS37.1はいずれも、C.アクレモニウ
ムを形質転換してハイグロマイシン−耐性の、IPS−欠
損形質転換体を得るのに有用である。
本発明は、トリペプチド基質を縮合して置換されたβ−
ラクタムを与える触媒に要求される酵素活性(しばし
ば、サイクラーゼ活性と称される)をコードしているDN
A配列を初めてクローニングし、遺伝子操作することに
成功したという点で、先駆者的な発明といえる。C.アク
レモニウム以外の多くの生物が、同一でないにしても実
質上、似通つたサイクラーゼ活性を発現する。異なつた
属の抗生物質産生性生物におけるサイクラーゼ活性の類
似性は、異るサイクラーゼ相互のアミノ酸配列の類似
性、並びにサイクラーゼ活性をコードしているDNA配列
の類似性に起因している。
本発明は、サイクラーゼ酵素(特に、セフアロスポリウ
ム・アクレモニウムのイソペニシリンN合成酵素)のア
ミノ酸配列、並びにDNA配列の両者を提供するものであ
る。従つて、本発明は、β−ラクタム−産生性生物から
サイクラーゼ酵素−暗号化DNAを単離するのに用いるこ
とができる。例えば、本発明のDNA配列を用いて標識プ
ローブを調製し、これを、上記のβ−ラクタム産生性生
物内のサイクラーゼ−暗号化DNAを探し出すのに用いる
ことができる。本発明のイソペニシリンN合成酵素−暗
号化DNAはGおよびC含有率が高い(〜63%)ので、本
発明のDNA化合物は、ストレプトマイセス・クラブリゲ
ルスのイソペニシリンN合成酵素−暗号化DNAを単離す
るのに、特に有用である。ストレプトマイセスDNAは、
しばしば70%にも達する高いGおよびC含有率を示すこ
とが分つている。従つて、本発明のDNAのGおよびC含
有率が高いことは、ホモローガスなS.クラブリゲルスDN
A配列、またはその他のストレプトマイセスのDNA配列を
単離する上で、本発明DNAが特に有用であることを意味
する。本発明は、サイクラーゼ活性をコードしているDN
A化合物、さらには、種々の宿主生物内でサイクラーゼ
活性を発現させる発現ベクターを含むものである。
以下に実施例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明する
が、これらの実施例は、決して、本発明の範囲を限定す
ることを意図したものではない。
実施例1 大腸菌K12 JA221/pIT335の培養およびプラス
ミドpIT335の単離 A.大腸菌K12 JA221/pIT335の培養凍結乾燥大腸菌K12 JA
221/pIT335を、寄託番号NRRL B-15960の下、ノーザン・
リージヨナル・リサーチ・ラボラトリイズ(ペオリア、
イリノイス)から入手した。この凍結乾燥品を、直接、
下記の工程における「培養物」として用いることができ
る。
アンピシリン50μg/mlを含んだL−ブロス(トリプトン
10g、Nacl10gおよび酵母エキス5gを1中に含有)1
と大腸菌K12 JA221/pIT335の培養物とを空気振とう器
(air shaker)内、37℃において、590nmにおける光学
的密度(O.D.590)が〜1吸収単位に達するまで、イン
キユベートし、この時点で培養中にクロラムフエニコー
ル150mgを加えた。約16時間インキユベーシヨンを続け
た。このクロラムフエニコールの添加によつてタンパク
質合成が阻止され、以後の細胞分割は阻止されるが、プ
ラスミドの複製は継続される。
B.プラスミドpIT335の単離 実施例1Aで調製した培養物をソルボールGSAローター(S
orvall GSArotor)〔デユポン(Dupont)Co.,インスツ
ルメント・プロダクツ(Instrument Products)、バイ
オケミカル・デイビジヨン(Biochemical Division)、
ニユータウンCN06470〕中、4℃において、6000rpmで5
分間遠心した。上澄を捨て、細胞ペレツトをTESバツフ
アー(10mMトリス−Hcl、pH=7.5、10mM Nacl、および1
mM EDTA)40ml中で洗浄した後、再度ペレツト化した。
再び上澄を捨てた後、ドライアイス−エタノール浴中で
細胞ペレツトを凍結させ、次いで、解凍した。解凍した
細胞ペレツトを20%シヨ糖および50mMEDTAの溶液10mlに
再懸濁した。5mg/mlリゾチーム溶液、3mlの0.25MEDTA p
H=8.0、および10mg/mlRNAseA100μlを加えて混合した
後、溶液を氷上で15分間インキユーベートした。このリ
ゾチーム処理細胞に溶解溶液(3mlの10%トリトン−X10
0、75mlの0.25MEDTA、pH=8.0、15mlの1Mトリス−Hcl、
pH=8.0および水7mlを混合して調製した)3mlを加え、
混合して得られた溶液に更に15分間、氷上でインキユー
ベートした。溶解細胞をドライアイス−エタノール浴中
で凍結した後、解凍した。
溶液をSW27ローター〔ベツクマン(Beckman、7360N.リ
ンカーン・アベニユー、リンカーンウツド、IL60646)
中、25,000rpmで40分間遠心し、緩衝化フエノールで抽
出することにより、溶液中の細胞崩壊物を除去した。Cs
cl30.44gと5mg/ml臭化エチジウム溶液〜1mlとを加えた
後、液の容量を40mlに調節し、VTi50超遠心管(チユー
ブ)(ベツクマン)中にデカントして入れた。この遠心
管をシールした後、VTi50中、42,000rpmで16時間、溶液
を遠心した。紫外光下で観察し、得られたプラスミドバ
ンドを単離した後、Ti75チユーブに入れ、Ti75ローター
(ベツクマン)内に置いて50,000rpmで16時間遠心し
た。必要な容量調節はすべて、0.761/mlCscl含有TESを
用いて行つた。再度プラスミドバンドを単離して塩−飽
和イソプロパノール抽出により、臭化エチジウムを除
き、TESバツフアーで1:3に希釈した。次いで、この溶液
に2容量のエタノールを加え、−20℃で一夜インキユベ
ートした。この溶液をS334ローター(ソルボーン)中、
10,000rpmで15分間遠心することにより、プラスミドDNA
をペレツト化した。
この様にして得たプラスミドpIT335DNA〜1mgをTEバツフ
アー(10mMトリス−Hcl、pH8.0および1mMEDTA)1mlに懸
濁し、−20℃で保存した。プラスミドpIT335の制限サイ
トおよび機能地図を添付の第1図に示す。
実施例2 プラスミドpIT337の組立て A.大腸菌K12 RV308/pCZ106の培養およびプラスミドpCZ1
06の単離 大腸菌K12 RV308/pCZ106培養物の凍結乾燥品を、ノーザ
ン・リージヨナル・リサーチ・ラボラトリイズ・ペオリ
ア、イリノイスから、寄託番号NRRL B-15959の下、入手
した。この凍結乾燥品を用いて50μg/mlのカナマイシン
を含んだL-ブロス1に接種し、得られた接種ブロスを
空気振とう器中、25℃において、O.D.590が0.5〜1.0吸
収単位を示すまでインキユベートした。培養物の光学的
密度が0.5〜1.0吸収単位に達したとき、温度を37℃まで
昇温し、2〜6時間インキユベーシヨンを続けた。本明
細書中で前に述べた様に、ランナウエイレプリコンは温
度に敏感であり、37℃においてコピー数コントロールが
失なわれる。コントロールされていない複製を得るのに
充分なインキユベーシヨン時間は、37℃において、2〜
6時間である。
37℃において2〜6時間インキユベートした後、細胞を
集め、実質上、実施例1Bの方法と同様にしてプラスミド
pCZ106DNAを単離した。プラスミドpCZ106DNA約5mgを
得、これをTEバツフアー5mlに懸濁した。プラスミドpCZ
106の制限サイトおよび機能地図を添付の第2図に示
す。
B.プラスミドpCZ106のNcoIおよびBam HI消化、並びにプ
ラスミドpCZ106の〜8.7kb NcoI-NcoI制限フラグメント
および〜1.6kb NcoI-Bam HI制限フラグメントの単離 実施例2Aで調製したプラスミドpCZ106約25μg(25μl
に相当)を10×Bam HI反応バツフアー〔1.5MNacl、60mM
トリス−HCl、pH=7.9、60mM MgCl2および1mg/mlウシ血
清アルブミン(BSA)〕10μl、制限酵素Bam HI 5ml
(〜50単位)、制限酵素NcoI5μl(〜50単位)、およ
び水55μlに加え、混合した。得られた反応物を37℃で
4時間インキユベートした。この時間の経過した時点
で、反応は実質上、終了した。
次いで、NcoI-Bam HI反応混合物を1%アガロースゲル
電気泳動にかけ、所望の〜1.6kb NcoI-Bam HIフラグメ
ントと〜8.7kb NcoI-NcoIフラグメントが他の消化産
物、〜0.3kb制限フラグメントから明確に分離するまで
泳動させた。ゲルを臭化エチジウムの希薄溶液(0.5μg
/ml)中で染色し、染色されたゲルに長波長UV光を照射
することにより、電気泳動したDNAを観察した。所望の
フラグメントの位置を決定した後、所望の各フラグメン
トの前方において、ゲルに小さいスリツトを入れ、その
各スリツトにシライヒヤー(Schleicher)およびシユエ
ル(Schuell)(ケーン、NH03431)のNA-45DEAEメンブ
ランの小片を配した。さらに電気泳動すると、DNAはDEA
Eメンブランと非共有結合的に結合した。所望のフラグ
メントがDEAEメンブランに結合した後、このメンブラン
を取り、低塩バツフアー(100mM KCl、0.1mM EDTA、お
よび20mMトリス−HCl、pH=8)で洗浄した。次いで、
各メンブランを小さいチユーブに入れ、高塩バツフアー
(1M Nacl、0.1mM EDTA、および20mMトリス−Hcl、pH=
8)に浸漬した後、65℃で1時間インキユベートし、DE
AE紙からDNAを除去した。65℃でインキユベートした
後、インキユベーシヨン・バツフアーを集め、メンブラ
ンを高塩バツフアーで洗浄した。所望のDNAフラグメン
トの収集に先立ち、この洗浄液とインキユベーシヨン・
バツフアーとを一緒にプールした。
高塩DNA溶液の容量を調節してNacl濃度を0.25Mとした
後、3容量の冷たい無水エタノールを加えた。得られた
溶液を混合し、−70℃で10〜20分間放置した。冷却後、
溶液を15,000rpmで15分間遠心した。残存する塩を除く
ために再沈澱させた後、DNAペレツトをエタノールで洗
浄し、乾燥してTEバツフアー20μlに再懸濁すると、こ
れは、プラスミドpCZ106の所望の〜1.6kb NcoI-Bam HI
制限フラグメントおよび〜8.7kb NcoI-NcoI制限フラグ
メント各〜5.0μgから成つていた。得られた精製フラ
グメントをそれぞれ、TEバツフアー25μlに溶かし、−
20℃で保存した。
*特に明記しない限り、制限酵素およびライゲーシヨン
用の酵素は、ニユー・イングランド・バイオラボス(Ne
w England Biolabs)、32トザー・ロード(Tozer Roa
d)、ベバーリイ(Beverly)、MA01915から入手した。
本明細書の単位に関する定義は、業者によつて定義され
ている単位に対応している。
C.プラスミドpIT335のNcoIおよびBam HI消化、並びにイ
ソペニシリンN合成酵素をコードしている〜1.5kb NcoI
-Bam HI制限フラグメントの単離 実施例1Bで調製したプラスミドpIT335DNA約25μg(25
μlに相当)を、実質上、実施例2Bの方法に従つて制限
酵素NcoIおよびBam HIで消化した。得られたNcoI-Bam H
I消化DNAを1%アガロースゲルにのせ、実質上、実施例
2Bの方法に従い、所望の〜1.5kb NcoI-Bam HI制限フラ
グメントを単離した。約5μgの所望のフラグメントが
得られ、これをTEバツフアー25μlに懸濁し、−20℃で
保存した。
D.プラスミドpIT337の最終的な組立て 実施例2Bで精製したプラスミドpCZ106の〜1.6kb NcoI-B
am HI制限フラグメント5μl、および〜8.7kb NcoI-Nc
oI制限フラグメント2.5μlを、実施例2Cで精製したプ
ラスミドpIT335の〜1.5kb NcoI-Bam HI制限フラグメン
ト5μlにライゲートし、プラスミドpIT337を組立て
た。反応液の容量は30μlであり、上記のDNAフラグメ
ント類、T4DNAリガーゼ1.1μl(〜100単位)、10×ラ
イゲーシヨン・バツフアー〔0.5Mトリス−Hcl、pH=7.
8、100mM Mgcl2、200mMジチオトレイトール(DTT)、70
mM ATP、および1mg/mlBSA〕3μl、および水13.4μl
を含んでいた。この反応混合物を15℃で2時間インキユ
ベートした。この時点で、反応は実質上、完了してい
た。ライゲートしたDNAは所望のプラスミドpIT337DNAを
構成していた。プラスミドpIT337の制限サイトおよび機
能地図を添付の第3図に示す。
実施例3 大腸菌K12 RV308/pIT337の組立て、並びに大
腸菌−産生イソペニシリンN合成酵素の分析 A.大腸菌K12 RV308/pIT337の組立て 大腸菌K12 RV308(NRRL B-15624)の培養物をL−ブロ
ス50ml中で、O.D.590が〜0.5吸収単位となるまで、増殖
させた。この培養物を氷上で10分間冷却した後、遠心し
て細胞を集めた。細胞ペレツトを100mMの冷Cacl225mlに
再懸濁し、氷上で25分間インキユベートした。遠心して
細胞を再びペレツト化し、このペレツトを100mM冷Cacl2
2.5mlに再懸濁して氷上で一夜インキユベートした。
この細胞懸濁液200μlを実施例2Dで調製した、結合DNA
と混合して氷上で20分間インキユベートし、次いで、遠
心して細胞を集めた。細胞ペレツトをL−ブロス〜1ml
に再懸濁し、この懸濁液を25℃で1時間インキユベート
した。この細胞混合物の一部を50μg/mlのカナマイシン
を含んだL−寒天(15g/lの寒天を含んだL−ブロス)
平板上にのせ、この平板を25℃でインキユベートした。
カナマイシン耐性に基づいて形質転換体を選択すると共
に、該形質転換体のプラスミドDNAの制限酵素分析を行
うことにより、大腸菌K12 RV308/pIT337形質転換体を同
定した。より小規模であることと、Cscl−グラデイエン
ト工程を省略したことを除き、実質上、実施例2Aの方法
に従つて大腸菌K12 RV308/pIT377形質転換体からプラス
ミドDNAを得た。
B.イソペニシリンN合成酵素活性の発現のための大腸菌
K12 RV308/pIT377の培養 実施例3Aで調製した大腸菌K12 RV308/pIT377形質転換体
の幾つかの単離体を50μg/mlのカナマイシンを含んだL
−ブロス5mlづつに個別に接種し、この培養物を空気振
とう器内で25℃において、O.D.590が〜0.2吸収単位に達
するまでインキユベートした。次いで、この培養物を37
℃の空気振盪器に移し、37℃で〜6時間、インキユベー
トした。
37℃で6時間インキユベートした後、各培養物から1ml
を採取し、遠心して細胞をペレツト化した。これらの細
胞ペレツトを10mMNacl1mlで個々に洗浄した後、IPS抽出
バツフアー(0.05Mトリス−Hcl、pH=8.0、0.01MKcl、
および0.01M MgSO4)1.0mlに再懸濁した。細胞を、ソニ
フアイヤー・セル・デイスラプター(Sonifier Cell Di
srupter)、モデルW185〔ヒートシステム・ウルトラソ
ニツクス(Heat System Ultrasonics),Inc.プレインビ
ユー(Plainview)、ロングアイランド、NY)〕から発
生される音波(5−秒爆裂で6回)で、マイクロ・チツ
プを用いて音波処理した。音波の爆裂間隔は60秒であ
り、この工程の間中、混合物を、氷−エタノール浴内に
保持しておいた。音波処理の後、細胞混合物を遠心して
細胞片を除去し、そのまま分析に用いた。
C.イソペニシリンN合成酵素活性の分析 以下の分析法はシエン(Shen)ら〔1984.ジヤーナル・
オブ・アンテイバイオテイツクス(J.of Antibiotics)
37(9):1044-1048〕の方法による。
イソペニシリンN合成酵素の分析反応は全量500μl中
で行われた。反応の開始に際し、1.4mMδ−(L−α−
アミノアジピル)−L−システイニル−D−バリン溶液
1.0mlと、3.75mMDTTとを室温で30〜60分間反応させ、全
ての二量体トリペプチドを単量体の形にした。以下のス
トツク溶液5μlづつを各分析用チユーブ(滅菌したガ
ラス製の使い捨て試験管、13×100mm)に入れた。500mM
トリス−塩酸、pH=7.4、100mMKcl、100mM Mgcl2、2.0m
M FeSO4、および6.7mMアスコルビン酸。次いで、種々の
量の抽出物を水で150μlに希釈し、加えた。さらに、
各チユーブに、トリペプチド溶液約100μlづつを加え
た。このトリペプチドの添加により、反応が開始され
た。基質の添加に際して各チユーブを渦巻き混合した。
次いで、反応混合物の容器を25rpm、インキユベーシヨ
ン温度25℃の旋回振盪器浴に入れた。反応時間は45分間
であつた。
45分間反応させた後、各100μlの2標本を採取し、生
物検定用プレートのウエル内に分配し、残余標本にペニ
シリナーゼA100単位を加えた。このペニシリナーゼA
は、ライカーズ・ラボラトリイズ(Rikers′ Laborator
ies)、Inc.から入手したものであり、この酵素は、10,
000単位をバイアルに入れて販売されており、それを水
で5.0mlに再度水和させた。各反応混合物に水和向ペニ
シリナーゼA5μl(100単位)を加え、室温で5分間反
応させた後、各ペニシリナーゼA処理抽出物100μlを
生物検定用プレートのウエルに分配した。このペニシリ
ナーゼA処理は、生物検定用プレート上のゾーンがセフ
アロスポリンその他の汚染物質ではなくペニシリンの存
在に基づくものであることを検査する目的で行われた。
生物検定用のウエル中にペニシリンNを0.5、1.0、2.
0、5.0、10.0および20.0μg加えることにより、ペニシ
リンNの標準曲線を作成した。また、ペニシリナーゼA
活性の検査は、この酵素製品5μlを0.2μg/mlペニシ
リンN〜200μlに加えることにより行われた。
生物検定用プレートはK131栄養寒天で構成されており、
これはBBL抗生物質培地♯11(Antibiotic Medium♯11)
〔ベクトン・デイツキンソン&カンパニー(Becton Dic
kinson&Company)、コツキイスビレ(Cockeysvill
e)、MD〕30.5gを脱イオン水1に溶かし、この溶液を
煮沸して70℃に冷却した後、121℃、15psiで35分間オー
トクレーブ処理を行うことにより調製される。このプレ
ートに、寒天700ml当り、ミクロコツカス・ルテウス(M
icrococcus luteus)(ATCC9341)の一夜培養物(新鮮
なもの)4mlを播種した。M.ルテウスはK544栄養ブロス
中で増殖された。このK544栄養ブロスは、使用前に、脱
イオン水1中に、ジフコ(Difco)ペプトン5.0g、ジ
フコ酵母エキス1.5g、塩化ナトリウム3.5g、リン酸ニカ
リウム(無水物)3.7g、リン酸カリウム1.3g、ジフコ・
牛エキス1.5gを含有する溶液を煮沸後25℃に冷却し、1N
Hclまたは1N NaOHでpH=7.0に調節した後、121℃、15ps
iにおいて20分間、オートクレーブ処理することによ
り、調製された。播種した寒天を平板当り15mlの割合で
100×15mmの平板に分配した。使い捨て可能な5mlピペツ
トを用いて吸引することにより、ウエルを調製した。各
ウエルの直径は10mMであつた。
平板を調製した後、ウエルに標本を分配し、平板を37℃
のインキユベーター内に18時間放置した。分析の結果
は、ペニシリンの存在下では増殖し得ないM.ルテウスに
よつて生成される。各標本ウエル周辺の透明な領域の直
径を測定することにより、決定された。
分析の結果を以下の表に示す。
分析結果の直線性は、ゾーンサイズの測定にみられる如
く、ゾーンの大きさが21mm以上に増大すると著しく減少
しているが、上記の結果は大腸菌K12 RV308/pIT337形質
転換体が、大腸菌K12 RV308/pCZ106形質転換体と異な
り、イソペニシリンN合成酵素活性を発現する、という
ことを明確に示している。
この大腸菌産生物は、実質上、セフアロスポリウム・ア
クレモニウムから得たイソペニシリンN合成酵素よりも
安定である。この様な高い安定性は、最初、凍結−解凍
実験において観察された。C.アクレモニウムのイソペニ
シリンN合成酵素活性は、再凍結および再解凍によつて
急速に不活化されたが、本発明の大腸菌−産生イソペニ
シリンN合成酵素活性は凍結および解凍に対して優れた
抵抗性を示した。
この大きい安定性は、おそらく、C.アクレモニウムと大
腸菌との酵素のプロセツシングにおける相違によると思
われる。例えば、C.アクレモニウムから単離したイソペ
ニシリンN合成酵素活性は、C.アクレモニウムのイソペ
ニシリンN合成酵素活性−暗号化DNAによつてコードさ
れており、本発明の大腸菌産生物にも存在している、ア
ミノ末端の最初の2残基、即ち、メチオニンおよびグリ
シンを有していないと思われる。ツナサワ(Tsunasaw
a)ら〔1985、ジヤーナル・オブ・バイオロジカル・ケ
ミストリイ260(9):538291〕によつて開示された様
に、大腸菌は、あるタンパク質のアミノ末端のメチオニ
ン残基の次に、比較的小さい側鎖を有する残基がある場
合、このメチオニン残基を開裂する様なペプチダーゼを
産生する。
大腸菌−産生のイソペニシリンN合成酵素活性がより安
定であつて、異なるアミノ酸残基配列を有しているとい
う観点から、本発明は、新規なタンパク質、即ち、大腸
菌−産生性イソペニシリンN合成酵素をも含むものであ
る。
実施例4 プラスミドpPS20の組立て A.Hind III消化プラスミドpIT335の組立て 実施例1Bで調製したプラスミドpIT335DNA5μl(プラス
ミドDNA〜5μgに相当)を、10×Hind III反応バツフ
アー(500mM Nacl、500mMトリスHcl、pH=8.0、100mM M
gcl2、および1mg/mlBSA)5μl、制限酵素Hind III5μ
l(〜50単位)、および水35μlに加えて混合した。得
られた反応混合物を37℃で4時間インキユベートした。
Hind III−消化プラスミドpIT335DNAをフエノールで1
回抽出した後、CHcl3で1回抽出した。抽出後、Hind II
I−消化プラスミドpIT335DNAをNacl0.25Mにし、2容量
の無水エタノールで抽出してドライアイス−エタノール
浴中で冷却し、析出したDNAを遠心して集めた。この方
法で得た〜5μgのHind III−消化プラスミドpIT335DN
AをTEバツフアー10μlに溶かし、−20℃で保存した。
B.プラスミドpIT221のHind III消化、およびハイグロマ
イシン耐性付与遺伝子を含有しているプラスミドpIT221
の〜2.7kb Hind III制限フラグメントの単離 米国特許出願番号第654,919号(1984年9月27日出願に
は、セフアロスポリウム・アクレモニウムの形質転換の
ためのベクター、および条件が開示されている。この米
国特許出願第654,919号の流れ図1-6および実施例1-6に
は、プラスミドpIT221の組立て方法が開示されている。
プラスミドpIT221の制限サイトおよび機能地図を添付の
第4図に示す。
本出願明細書の実施例1の方法と実質上、同様にして大
腸菌K12 JA221/pIT221からのプラスミドpIT221を単離し
た。実質上、実施例4Aの方法に従い、プラスミドpIT221
約50μgを1×Hind III反応バツフアー100μl中、制
限酵素Hind III100単位で消化した。実施例4Aの方法に
従つてHind III消化プラスミドpIT221DNAを抽出し、沈
澱させ、再溶解した後、このDNAを1%アガロースゲル
に適用し、電気泳動を行つた。実質上、実施例2Bの方法
に従い、酵母サツカロミケスセレビシエのホスホグリセ
レート・キナーゼの転写および翻訳活性化配列を含有
し、ハイグロマイシン耐性−付与ホスホトランスフエラ
ーゼ酵素をコードしている、プラスミドpIT221の所望の
〜2.7kb Hind III制限フラグメントをこのゲル、並びに
他の消化産物から単離し、精製した。
前記の方法により、約5μgの、所望の〜2.7kb Hind I
II制限フラグメントが単離された。得られた純化フラグ
メントをTEバツフアー10μlに溶かし、−20℃で保存し
た。
C.プラスミドpPS20の最終的な組立て 実施例4Aで調製したHind III−消化プラスミドpIT335DN
A約1μlと実施例4Bで調製したプラスミドpIT221の〜
2.5kb Hind III制限フラグメント4μlとを、実質上、
実施例2Cの方法に従い、30μlのライゲーシヨン・バツ
フアー中、T4DNAリガーゼ100単位により、結合させた。
結合(ライゲート)したDNAは所望のプラスミドpPS20を
構成していた。プラスミドpPS20の制限サイトおよび機
能地図を添付の第5図に示す。
2.7kb Hind III制限フラグメントは、プラスミドpIT221
に対し、2方向のいずれの方向性においても挿入され得
るので、結合したDNAはもう一つのプラスミド(プラス
ミドpPS20.1と命名)を形成する。プラスミドpPS20.1
は、プラスミドpPS20と〜2.7kb Hind III制限フラグメ
ントの方向性においてのみ異なつており、機能的には同
等である。
D.大腸菌K12 JA221/pPS20の組立ておよびプラスミドpPS
20DNAの単離 大腸菌K12 JA221(NRRL B-15211)L−ブロス中培養物5
0mlをO.D.590が〜0.2に達するまで増殖させた。この培
養物を氷上で10分間冷却し、遠心して細胞を集めた。細
胞ペレツトを100mMの冷Cacl225mlに再懸濁し、水上で25
分間インキユベートした。遠心して細胞を再びペレツト
化し、得られたペレツトを100mMの冷Cacl22.5mlに再懸
濁し、氷上で一夜インキユベートした。
この細胞懸濁液200μlを、実施例4Cで調製した。結合
したDNAと混合し、氷上で20分間インキユベートした。
次いで、この混合物を40℃で2分間インキユベートした
後、室温で10分間インキユベートした。この細胞混合物
にL−ブロス3mlを加えた後、空気振盪器内で、37℃に
おいて2時間、細胞をインキユベートした。
この細胞混合物の一部を100μg/mlのアンピシリンを含
んだL−寒天(寒天15g/lを含んだL−ブロス)平板上
にプレートし、得られた平板を37℃でシンキユベートし
た。アンピシリン耐性形質転換体のプラスミドDNAを制
限酵素分析することにより、大腸菌K12 JA221/pPS20形
質転換体を証明した。より小規模であり、CSclグラデイ
エント工程を省略したことを除き、実質上、実施例1の
方法と同様にして大腸菌K12 JA221/pPS20および大腸菌K
12 JA221/pPS20.1形質転換体からプラスミドDNAを得
た。
実施例5 プラスミドpPS21の組立て A.プラスミドpIT335DNAのNcoI消化およびクレノウ処
理、並びに生成した、セフアロスポリウム・アクレモニ
ウム転写および翻訳活性化配列をコードしている〜0.85
kbフラグメントの単離 実施例1で調製したプラスミドpIT335DNA約50μl(50
μgに相当)を、10×Bam HIバツフアー10μl、制限酵
素NcoI5μl(〜50単位)、および水35μlに加えて混
合した。得られた反応混合物を37℃で4時間、インキユ
ベートした。次いで、この反応混合物をNacl0.25Mに
し、無水エタノール2容量で希釈し、ドライアイス−エ
タノール浴中で10分間冷却し、析出したDNAを遠心して
ペレツト化した。
このNcoI−消化プラスミドpIT335DNAペレツトを1×ク
レノウバツフアー(40mM KPO4、pH=7.5、6.6mM Mgc
l2、1.0mM2−メルカプトエタノール、33μM dATP、33μ
M dCTP、33μM dGTP、および33μM dTTP)50μlに溶か
した。大腸菌DNAポリメラーゼIの大きいフラグメント
(クレノウ(Klenow)として知られている)2μlをDN
Aに加えて混合し、得られた反応混合物を16℃で1時間
インキユベートした。緩衝化フエノールで抽出すること
により、反応を終了させた。
次いで、このNcoIで消化し、クレノウ処理したプラスミ
ドpIT335DNAを1%アガロースゲルに適用し、電気泳動
を行つた。実質上、実施例2Bの方法に従つて、セフアロ
スポリウム・アクレモニウムの、IPS遺伝子の転写およ
び翻訳活性化配列を含む〜0.85kb制限フラグメントをゲ
ルから単離し、精製した。所望のフラグメント約4μg
を得、これをTEバツフアー10μlに懸濁した。
B.中間体プラスミドpPS19の組合せ プラスミドpIT221DNA1μgを10×XmaIバツフアー(25mM
Nacl、60mMトリス−Hcl、pH=7.5、60mM Mgcl2、60mM2
−メルカプトエタノール、および1mg/ml BSA)5μl、
水43μlおよび制限酵素XmaI2μl(〜10単位)に溶か
した。得られた反応混合物を37℃で4時間インキユベー
トした。フエノール抽出によつて反応を終止させた。反
応混合物をCHcl3で更に抽出した後、Nacl0.25Mとし、2
容量の無水エタノールで希釈した後、ドライアイス−エ
タノール浴中で10分間冷却し、析出したXmaI−消化プラ
スミドpIT221DNAを遠心してペレツト化した。
このXmaI消化プラスミドpIT221DNAをT4DNAリガーゼ500
単位を含んだ1×ライゲーシヨンバツフアー100μlに
再溶解させた。このライゲーシヨン反応混合物を12℃で
16時間インキユベートした後、実質上、実施例4Dの方法
に従つて大腸菌K12 JA221の形質転換に用いた。形質転
換体のプラスミドDNAの制限酵素分析によつてアンピシ
リン−耐性のプラスミドpPS19形質転換体を同定した。
実質上、実施例1の方法に従つてプラスミドpPS19DNAを
調製した。プラスミドpPS19の制限サイトおよび機能地
図を添付の第6図に示す。
C.プラスミドpPS19DNAのBam HI消化およびクレノウ処
理、並びに〜7.7kbフラグメントの単離 プラスミドpPS19DNAの消化にNcoI制限酵素でなく、Bam
HI制限酵素を用いる外は、実質上、実施例4Aの方法に従
つてプラスミドpPS19DNA5μgを制限酵素Bam HIで消化
し、クレノウ処理した。このBam HI−消化し、クレノウ
処理したプラスミドpPS19DNAを1%アガロースゲル電気
泳動にかけ、実質上、実施例2Bの方法に従つて〜7.7kb
フラグメントを単離し、精製した。所望のフラグメント
約5μgを得、TEバツフアー10μlに溶かし、−20℃で
保存した。
D.プラスミドpPS21の最終的な組立て 実施例5Aで調製した〜0.85kbフラグメント2μlを、T4
DNAリガーゼ500単位を含んだ1×ライゲーシヨンバツフ
アー30μl中で、実施例5Cにおいて調製した〜7.7kbフ
ラグメント2μlと結合させた。このライゲーシヨン反
応混合物を、12℃で16時間インキユベートした。結合し
たDNAは、所望のプラスミドpPS21NAを構成していた。
E.大腸菌JA221/pPS21の組立て 実施例5Dで調製した結合したDNAを用い、実質上、実施
例4Dの方法と同様にして大腸菌K12 JA221を形質転換し
た。形質転換体のプラスミドDNAを制限酵素分析するこ
とにより、プラスミドpPS21の存在に関してアンピシリ
ン−耐性形質転換体をスクリーニングした。〜0.8kbフ
ラグメントは、プラスミドpPS19の〜7.7kbフラグメント
に対し、2方向のどちらの方向性においても挿入される
ことができ、さらに、ハイグロマイシン耐性−付与遺伝
子を発現させるためにセフアロスポリウム・アクレモニ
ウムの転写および翻訳活性化配列を適切に位置せしめる
のは1方の方向性のみであることから、所望の大腸菌K1
2 JA221/pPS21は形質転換体の内約半数にすぎなかつ
た。その様な大腸菌K12 JA221/pPS21形質転換体の1つ
を用い、実質上、実施例1の方法に従つてプラスミドpP
S21を調製した。
実施例6 プラスミドpPS20およびpPS21による、セフア
ロスポリウム・アクレモニウムの遺伝的形質転換 米国特許出願番号第654,919号(1984年9月27日出願)
には、以下の形質転換法が開示され、特許請求されてい
る。
A.セフアロスポリウム・アクレモニウム株 形質転換に好適なセフアロスポリウムの菌株は、アメリ
カン・タイプ・カルチヤー・コレクシヨン(ロツクビ
レ、メアリーランド)から、寄託番号ATCC11550の下で
入手できる。他のセフアロスポリウム株または、セフア
ロスポリンCの生産性を改善する目的で、突然変異、選
択または遺伝的な繁殖によつてATCC11550から導かれた
あらゆる市販の菌株も本発明のベクターおよびプラスミ
ドを用いて形質転換体を調製するのに適する。
B.細胞培養のための接種物の調製 セフアロスポリウム・アクレモニウム細胞を効率良く遺
伝的に形質転換するには、安定なプロトプラストを形成
する上で、細胞壁を除去する必要がある。その様なプロ
トプラストを調製するには、ユニフオーム(均一な)接
種を行うことから始めるのが極めて好都合である。そう
しなければ、不適当な細胞または不充分な量の細胞から
C.アクレモニウム・プロトプラストを調製することとな
り、培養中の細胞の調製は再現性のない、時間を浪費す
る作業となつてしまう。
C.細胞培養のための均一な接種物の調製 凍結されているか、あるいは、液体窒素中で保管されて
いた、アンプル内の胞子〔保存用溶媒(5%ラクトー
ス、10%グリセリンおよび0.1%Tween80)1.5ml中に分
生子約109個を含有〕を室温で解凍し、滅菌した食塩水5
mlで希釈する。この懸濁液0.1mlを、トリプチカーゼ
−ソイ・アガー(Trypticase −Soy Agar)〔BBLTM
デイヴイジヨン・オブ・ベクトン(Division of Becto
n)、デイツキンソン&カンパニー(Dickinson&Compan
y)、コツキイスビレ、メアリーランド21030〕培地20ml
を含む約50の斜面培地に接種する。接種前に表面に湿気
が認められない程度に培地を乾燥させておく。接種後、
斜面培地を25℃で4日間インキユベートする。各斜面培
地の表面を覆つている菌糸体増殖物に保存溶媒約10mlを
加える。分生子を懸濁させるために斜面培地を渦巻き攪
拌し、各斜面培地から得た分生子懸濁液をプールし、10
mlづつ、−80℃で冷凍する。この凍結分生子懸濁液の生
存性は徐々に失なわれるので、−80℃における保存の場
合、約3カ月経過後は、用いるべきでない。
D.プロトプラストの調製のための細胞増殖 500mlの振とうフラスコ内で、水性培地約106mlに、実施
例6Cで調製した凍結分生子懸濁液10mlから得た細胞を接
種する。細胞は、遠心(10分×2600rpm)して得、これ
を直接、水性培養培地に懸濁する。細胞の増殖に対し
てラクトースおよびグリセロールは不利な作用を及ぼす
ので、懸濁する前に上澄をデカンテーシヨンしておく必
要がある。細胞懸濁液の入つたフラスコを旋回水浴に入
れ、285rpmで、1インチのスロー(投げ巾)において、
29-30℃で24時間インキユベートした。形質転換可能な
プロトプラストを調製するのに特に好ましい培養工程に
おける温度は29-30℃であるが、25℃程度の低い温度で
も良い。当業者ならば理解することができるが、抗生物
質の生産を目的としてセフアロスポリウム・アクレモニ
ウムを培養するのに好ましい温度(25℃)と、この29-3
0℃という温度には差がある。
*水性培養培地は次の如くにして調製された。溶液A100
mlを500mlの振とうフラスコ内に入れ、このフラスコを
市販のおおいでカバーして121℃において20分間、オー
トクレーブ処理する。次いで、溶液Aに溶液B2mlと溶液
C4mlを加えて水性培養培地を調製する。
溶液A:シヨ糖36g/L、L−アスパラギン7.5g/L、KH2PO41
5g/L、K2HPO421g/L、Na2SO4.75g/L、MgSO4・7H2O.18g/
L、Cacl2.06g/L、塩溶液1ml/L、pHは自然の状態のまま
である。塩溶液:Fe(NH4)(SO4)2・6H2O15g/L、MnSO4・4H
2O3g/L、ZnSO4・7H2O3g/L、CuSO4・5H2O0.8g/L。
溶液B:グルコース108g/L(121℃で30分間オートクレー
ブ処理)。
溶液C:シヨ糖25g/L、強いトウモロコシ酒(4%W/V窒
素)12.5ml、酢酸アンモニウム5.5g/L、CaCO35g/L、KOH
でpH=6.5に調節し、121℃で2分間オートクレーブ処理
する。
E.セフアロスポリウム・プロトプラストの調製 24時間培養物を吸引過〔ワツトマン(Whatman)♯1
紙をブヒナー(Buchner)ロートに入れて使用〕して
細胞を収穫し、ジチオトレイトールを濃度0.01Mになる
まで加えておいた。マツキルヴアイン(Mc Ilvaine)の
バツフアー(0.1Mクエン酸および0.2Mの二塩基性りん酸
ナトリウム)に懸濁した。充分量のバツフアーを加えて
最終的な細胞濃度を、バツフアー20ml当り細胞塊1g(吸
収過後に秤量したもの)とする。この細胞懸濁液を50
mlのフラスコに入れ、旋回水浴振とう器内に置いて、ス
ロー1インチ、140rpmで、29-30℃において90分間イン
キユベートする。ジチオトレイトールで処理した細胞を
水洗した後、酵素溶液(シグマ・ケミカル・カンパニー
から入手したβ−グルクロニダーゼのMcIlvaineバツフ
アー中25g/ml溶液に0.8M Naclおよび0.02M MgSO4を補充
した溶液)中に再懸濁する。最終的な細胞濃度は、酵素
溶液10ml当り、処理細胞塊1gとする。次いで、細胞懸濁
液を29〜30℃で、スロー1インチ、120rpmの旋回水浴振
とう器内に3時間置く。このプロトプラスト懸濁液を洗
浄液(0.8M Naclおよび0.02M MgSO4)4容量で希釈した
後、2層のペーパータオルを通して重力過する。プロ
トプラストを含有している液を室温において、2600rp
mで5分間遠心する。上澄をデカントし、プロトプラス
トのペレツトを洗浄液10mlに懸濁する。洗浄工程を2回
繰返した後、プロトプラスト0.8M Naclに再懸濁し、血
球計算器で計数したプロトプラスト数が1ml当り2〜3
×108の濃度となる様にする。
F.形質転換法 形質転換すべき各プラスミドのために、セフアロスポリ
ウムのプラトプラストの0.8M Nacl中懸濁液(2〜3×1
08/ml)1mlを、蒸留したばかりのDMSO0.005mlに加え、C
acl280mMにする。形質転換に応じてプラスミドpPS20ま
たはpPS21のいずれかの形質転換用プラスミド約20μg
およびポリエチレングリコール4000〔ベーカー(Bake
r)>水中20W/V%〕をプロトプラストの懸濁液に加えて
混合物の容量を10mlにする。この混合物を室温で10分間
インキユベートした後、700rpmで5分間遠心し、次い
で、2500rpmで10分間遠心する。プロトプラストのペレ
ツトを0.8M Nacl1mlに懸濁する。一部(0.1ml)をと
り、プロトプラストを浸透圧的に安定化するために10.8
%シヨ糖で豊富化しておいたトリプチカーゼ−ソイ−ア
ガー培地(BBL)の表面に適用する。ペトリ皿を15℃で2
4時間インキユベートした後、0.8M塩化ナトリウムと終
濃度が100μg/mlとなるのに充分な量のハイグロマイシ
ンとを含有する液化寒天(42℃において0.41%V/V)4ml
を各ペトリ皿に加える。重層した部分が固化した後、恒
湿箱の内部で25℃においてインキユベートする。形質転
換後12日目に、継代培養にとつて充分な大きさの形質転
換体コロニーが現われたが、生長のより遅い形質転換体
の場合には、継代培養に適した大きさに達するまでに60
日間も要するかもしれない。不捻性形質転換体は、継代
培養に際し、ハイグロマイシン100μg/mlを含んだ新鮮
な培地で増殖し得ないので、この不捻性形質転換体と安
定な形質転換体とを識別することは容易である。
G.セフアロスポリウム・アクレモニウム/pPS20形質転換
体およびC.アクレモニウム/pPS21形質転換体の分析 セフアロスポリウム・アクレモニウム/pPS20形質転換体
は、プラスミドpIT221の如き対照プラスミドのC.アクレ
モニウム形質転換体よりも有意に高いレベルでイソペニ
シリンN合成酵素活性を発現する。この高い活性レベル
は、C.アクレモニウム/pPS20形質転換体の発酵、あるい
は細胞エキス中に、イソペニシリンN合成酵素を産生す
る形質転換体の能力が増加されたことに起因する。
セフアロスポリウム・アクレモニウム/pPS21形質転換体
はハイグロマイシン耐性であり、このことは、本発明の
C.アクレモニウム転写および翻訳活性化配列の機能性を
示している。
実施例7 プラスミドpPS21A、pPS22、pPS23、pPS23.
1、pPS24、pPS25およびpPS25.1の組立て A.中間体プラスミドpPS23およびpPS23.1の組立て (i)Bam HI消化プラスミドpUC8の組立て プラスミドpUC8(フアルマシアP-Lバイオケミカルスか
ら入手)約5μgを10×Bam HI反応バツフアおよび水40
mlに溶かした。制限酵素Bam HI約5μl(50単位)をこ
のDNA溶液に加え、得られた反応混合物を37℃で2時間
インキユベートした。緩衝化フエノールで抽出して反応
を止め、次いでクロロホルムで抽出した。
Nacl濃度を0.25Mに調節し、2容量のエタノールを加え
て−70℃で10分間冷却することにより、Bam HI消化プラ
スミドpUC8DNAを沈澱させた。遠心してBam HI消化プラ
スミドpUC8DNAを集め、水5μlに再懸濁した。
(ii)プラスミドpIT335の〜0.85kbNcoI制限フラグメン
トの単離 プラスミドpIT335約10μgを10×Bam HIバツフアー5μ
lおよび水40μlに溶かした。制限酵素NcoI約5μl
(50単位)をこのDNA溶液に加え、得られた反応混合物
を37℃で2時間インキユベートした。次いで、この反応
混合物を1%アガロースゲルに適用し実質上、実施例2B
の方法に従つて、IPS遺伝子の転写および翻訳活性化配
列を含有する待望の〜0.85kb NcoI制限フラグメントを
単離した。所望のフラグメント約1μgを得、これを、
水5μlに懸濁した。
(iii)プラスミドpPS23の組立てに用いられるリンカー
の調製 以下の式で示されるリンカーの一本鎖を自動DNA合成装
置を用いて合成した。
このリンカーの一本鎖をそれぞれ、水22.5μlおよびリ
ガーゼバツフア2.5μlに溶かした。これらの1本鎖DNA
の各溶液に、T4DNAリガーゼ(ベセスダ・リサーチ・ラ
ボラトリイズ)約1μl(10単位)を加え、反応混合物
を37℃で10分間インキユベートした。キナーゼ反応の
後、反応混合物を70℃で15分間インキユベートした。次
いで、この一本鎖DNAをアニールさせてリンカーを得る
ために、2個の反応混合物をプールし、65℃で10分間室
温で2時間さらに4℃で一夜インキユベートした。
(iv)プラスミドpPS23およびpPS23.1の最終組立て Bam HI消化プラスミドpUC8DNA1μlを、プラスミドpIT3
35の〜0.85kbNcoI制限フラグメント4μlおよびアニー
ルしたリンカー10μlに加えた。このDNA混合物に、10
×リガーゼバツフアー約4μl、T4DNAリガーゼ2μl
(500単位)、および水29μlを加え、得られた反応混
合物を4℃で一夜インキユベートした。結合したDNAは
所望のプラスミドpPS23およびpPS23.1を構成していた。
フアルマシアP-Lバイオケミカルスから入手可能な大腸
菌K12 JM109のL−ブロス中培養物50mlをO.D.590が約0.
5吸収単位を示すまで、増殖させた。この培養物を氷上
で10分間冷却した後、遠心して細胞を集めた。この細胞
ペレツトを冷い100mMCacl225mlに再懸濁し、氷上で25分
間インキユベートした。遠心して細胞を再びペレツト化
し、このペレツトを冷い100mMCacl22.5mlに再懸濁して
氷上で一夜インキユベートした。
この細胞懸濁液200μlを、前に調製した結合DNAと混合
し、氷上で20分間インキユベートした。このインキユベ
ーシヨン期間の終りに、細胞を42℃の水浴中に2分間置
き、更に10分間氷上でインキユベートした。遠心して細
胞を集め、L−ブロス1mlに再懸濁した後、37℃で2時
間インキユベートした。
細胞混合物の一部を、1ml中にアンピシリン100μg、X-
gal 40μg、およびIPTG40μgを含んだL−寒天(寒天
1中にL−ブロス15gを含有)平板上にプレートし
た。この平板を37℃で一夜インキユベートした。挿入体
を含有していないプラスミドを含んでいるコロニー、例
えば大腸菌K12 JM109/pUC8のコロニーは、これらの平板
上で青色を呈する。挿入体を含有しているプラスミドを
含んでいるコロニー、例えば、大腸菌K12 JM109/pPS23
のコロニーは、白色を呈する。幾つかの白色のコロニー
を選択し、IPS活性化配列を含有している〜0.85kb Bam
HI制限フラグメントの存在を、そのプラスミドの制限酵
素分析によつてスクリーニングした。実質上、実施例2A
の方法に従い、大腸菌K12 JM109/pPS23細胞および大腸
菌K12 JM109/pPS23.1細胞からプラスミドDNAを得た。
B.プラスミドpPS23の〜0.85kb Bam HI制限フラグメント
の単離 プラスミドpPS DNA約50μgを10×Bam HI反応バツフア
ー15μlおよび水125μlに溶かした。制限酵素Bam HI
約10μl(100単位)をこのDNA溶液に加え、得られた反
応混合物を37℃で2時間インキユベートした。このBam
HI−消化プラスミドpPS23DNAを1%アガロースゲルに適
用し、実質上、実施例2Bの方法と同様にして、IPS遺伝
子の活性化配列を含有している〜0.85kb Bam HI制限フ
ラグメントを単離した。所望のフラグメント約5μgを
得、これを水10μlに懸濁した。
C.Bam HI消化プラスミドpPS19DNAの調製 プラスミドpPS19DNA約5μgを、10×Bam HI反応バツフ
アー10μlおよび水35μlに溶かした。このプラスミド
pPS19の溶液に制限酵素Bam HI約5μl(50単位)を加
え、得られた反応混合物を37℃で2時間インキユベート
した。このBam HI消化プラスミドpPS19DNAの反応混合物
を緩衝化フエノールで1回、次いで、フエノールで2回
抽出した。次いで、DNAを析出させ、遠心して集めて水1
0μlに再懸濁させた。
D.プラスミドpPS21A、pPS22、pPS24、pPS25、およびpPS
25.1の最終的な組立て Bam HI消化プラスミドpPS19DNA1μl、10×リガーゼバ
ツフアー3μl、T4DNAリガーゼ2μl、および水23μ
lに、〜0.86kb Bam HI制限フラグメント約1μlを加
えた。得られたライゲーシヨン反応の混合物を15℃で一
夜インキユベートした。結合したDNAは、所望のプラス
ミド、pPS21A、pPS22、pPS24、pPS25およびpPS25.1を構
成していた。
結合したDNAを用い、実質上、実施例7A(iv)の方法と
同様にして、アメリカン・タイプ・カルチヤー・コレク
シヨン(ロツクビレ、MD20852)から、寄託番号ATCC335
25の下、入手可能な大腸菌K12 C600株を形質転換した。
形質転換した細胞をアンピシリン100μg/mlを含んだL
−寒天平板上にプレートし、この平板を、37℃で一夜イ
ンキユベートした。
形質転換用平板からコロニーを個別に拾い上げ、培養し
てプラスミドDNAを調製するのに用いた。制限酵素分析
により、プラスミドDNAを分析した。
種々のプラスミドの判別に用い得る、適当な制限酵素消
化を以下の図表に示す。
プラスミドpPS21AおよびpPS25の制限サイトおよび機能
地図を、それぞれ、添付の第8および9図に示す。
プラスミドpPS21A、pPA25.1およびpPS25を用い、実質
上、実施例6の方法と同様にしてセフアロスポリウム・
アクレモニウムを形質転換した。C.アクレモニウム/pPS
21A、C.アクレモニウム/pPS25.1およびC.アクレモニウ
ム/pPS25はハイグロマイシン耐性であつた。プラスミド
pPS22およびpPS24をもC.アクレモニウムの形質転換に用
いたが、これらのプラスミドがC.アクレモニウムをハイ
グロマイシン耐性に形質転換する頻度は、プラスミドpP
S21A、pPS25.1およびpPS25のそれよりもはるかに低かつ
た。このことは、多分、C.アクレモニウムのゲノムの活
性化配列がハイグロマイシン耐性付与遺伝子を発現させ
るためには、プラスミドpPS22およびプラスミドpPS24
が、C.アクレモニウム・ゲノムの適切な位置に組込まれ
る必要があるためであろう。
実施例8 プラスミドpPS28およびpPS29の組立て プラスミドpPS21AのDNA約20μlを10×PstI反応バツフ
アー(1.0M Nacl、100mMトリス−Hcl、pH=7.5、100mM
Mgcl2および1mg/ml BSA)10μlおよび水88μlに溶か
した。このDNA溶液に、制限酵素PstI約2μl(150単
位)を加え、反応混合物37℃で4分間インキユベートし
た後、70℃で10分間インキユベートして反応を止めた。
この部分的にPstI消化されたプラスミドpPS21A DNAをア
ガロースゲルに適用し、電気泳動を行つた後、ゲルを染
色することにより次のフラグメントを観察した。8.5kb
(線状化されたプラスミド)、8.0kb、7.5kb、7.0kb、
6.6kb、6.1kb、5.2kb、3.3kb、2.3kb、1.9kb、1.5kb、
1.0kbおよび0.5kb。実質上、実施例2Bの方法に従い、〜
6.6kbおよび〜6.1kb PstI制限フラグメントを個別に単
離し、各フラグメント約0.5μgを回収した。
〜6.6kb PstI制限フラグメント10×リガーゼバツフアー
3μlと水25μlに溶かした。このDNA溶液にT4DNAリガ
ーゼ約2μlを加え、得られた反応混合物を15℃で1夜
インキユベートした。結合したDNAは所望のプラスミドp
PS28を構成しており、これを用いて、実質上、実施例7
の方法に従い、大腸菌K12 C600を形質転換した。同様
に、〜6.1kb PstI制限フラグメントをライゲーシヨンに
より、閉環させてプラスミドpPS29を得、これを同様に
大腸菌K12 C600に導入した。プラスミドpPS28およびpPS
29の制限サイトおよび機能地図をそれぞれ添付の第10お
よび第11図に示す。
実質上、実施例6の方法に従い、プラスミドpPS28およ
びpPS29を用いてセフアロスポリウム・アクレモニウム
を形質転換した。C.アクレモニウム/pPS28およびC.アク
レモニウム/pPS29形質転換体はハイグロマイシン−耐性
表現型を示し、プラスミドpPS28およびpPS29はC.アクレ
モニウムを高い頻度でハイグロマイシン耐性に形質転換
した。
実施例9 プラスミドpPS26およびpPS26.1の組立て プラスミドpPS21A約20μgを10×Hind III反応バツフア
ー10μlおよび水85μlに溶かした。制限酵素Hind III
約5μl(50単位)をこのDNA溶液に加え、得られた反
応混合物を37℃で2時間インキユベートした。Hind III
消化プラスミドpPS21ADNAを1%アガロースゲルに適用
し、ゲル内で、〜3.45kb、〜3.16kb、〜1.2kbおよび〜
0.69kb Hind III制限フラグメントが明確に分離するま
で電気泳動させた。実質上、実施例2Bの方法に従い、〜
3.45kb Hind III制限フラグメントを単離した。所望の
〜3.45kb Hind III制限フラグメント約5μgを得、こ
れを水10μlに懸濁した。
〜3.45kb Hind III制限フラグメント約2μlを実施例4
Aで調製した。Hind III消化プラスミドpIT335(1μ
l)、10×リガーゼバツフアー10μl、水22μl、およ
びT4DNAリガーゼ2μlに加えた。得られたライゲーシ
ヨン混合物を15℃で一夜インキユベートした。結合した
DNAは所望のプラスミド、pPS26およびpPS26.1を構成し
ていた。結合したDNAを用い、実質上、実施例7の方法
に従つて大腸菌K12 C600を形質転換した。大腸菌K12 C6
00/pPS26および大腸菌K12 C600/pPS26.1形質転換体を、
アンピシリン耐性表現型およびそのプラスミドの制限酵
素分析により、同定した。プラスミドpPS26の制限サイ
トおよび機能地図を添付の第12図に示す。
実質上、実施例6の方法に従い、プラスミドpPS26およ
びpPS26.1を用いてセフアロスポリウム・アクレモニウ
ムを形質転換した。プラスミドpPS26およびpPS26.1は高
い頻度でC.アクレモニウムをハイグロマイシン耐性に形
質転換した。また、C.アクレモニウム/pPS26およびC.ア
クレモニウム/pPS26.1形質転換体は、マイクロコツカス
・ルテウス(Micrococcus luteus)の増殖阻止ゾーンの
測定に基づき、それらの形質転換されていない菌株と比
較して、有意に多量のイソペニシリンNを産生した。
実施例10 プラスミドpPS30、pPS30.1、pPS31、およびp
PS31.1の組立て A.プラスミドpPS6の〜3.7XmaI制限フラグメントの単離 プラスミドpPS6は、米国特許出願第654,919号(1984年
9月27日出願)の第72-75頁、実施例13に開示されてい
る。プラスミドpPS6約10μgを10×XmaI反応バツフアー
(250mM Nacl、100mMトリス−Hcl、pH=7.5、100mM Mgc
l2、100mM2−メルカプトエタノール、および1mg/ml BS
A)20μlおよび水165μlに溶かした。制限酵素XmaI約
15μl(30単位)をこのプラスミドpPS6の溶液に加えて
37℃で4時間インキユベートした。
XmaI消化プラスミドpPS6DNAを1%アガロースゲルに適
用し、〜3.7kbXmaI制限フラグメントが他の消化産物と
明確に分れるまで電気泳動させた。実質上、実施例2Bの
方法に従い、〜3.7kb XmaI制限フラグメントを単離し
た。所望の〜3.7kb XmaI制限フラグメント約5μgを
得、水10μlに懸濁した。
B.プラスミドpPS30およびpPS30.1の最終的な組立て プラスミドpPS21AのDNA約1μgを10×XmaI反応バツフ
アー2μlおよび水6μlに溶かした。制限酵素XmaI約
2μl(6単位)を、このプラスミドpPS21A DNAの溶液
に加え、得られた反応混合物を37℃で4時間インキユベ
ートした。緩衝化フエノールで抽出して反応を止めた
後、クロロホルムで2回抽出した。次いで、この反応混
合物を沈澱させ、遠心して収穫し、水23μlに再懸濁し
た。
プラスミドpPS6の〜3.7kb XmaI制限フラグメント約2μ
l、10×リガーゼバツフアー3μlおよびT4DNAリガー
ゼ2μlをXmaI消化プラスミドpPS21A DNAに加え、得ら
れたライゲーシヨン反応の混合物を15℃で一夜インキユ
ベートした。結合したDNAは所望のプラスミドpPS30およ
びpPS30.1を構成していた。これらのプラスミドは、〜
3.7kb XmaI制限フラグメントの方向性に関してのみ異つ
ている。
結合したDNAを用い、実質上、実施例7の方法に従つて
大腸菌K12 C600を形質転換した。大腸菌K12 C600/pPS30
および大腸菌K12 C600/pPS30.1形質転換体を、そのアン
ピシリン耐性表現型、並びにそのプラスミドDNAの制限
酵素分析により、同定した。
プラスミドpPS30およびpPS30.1もまた、セフアロスポリ
ウム・アクレモニウムの形質転換に用いられた。C.アク
レモニウム/pPS30およびC.アクレモニウム/pPS30.1は、
ハイグロマイシン耐性であつた。
C.プラスミドpPS31およびpPS31.1の最終的な組立て 組立て出発物質としてプラスミドpPS21Aではなくプラス
ミドpPS29を用いる以外は、実質上、実施例10Bの方法に
従つてプラスミドpPS31およびpPS31.1を組立て、次いで
これらを、大腸菌K12 C600およびセフアロスポリウム・
アクレモニウムの形質転換に用いた。
実施例11 プラスミドpPS27の組立て A.プラスミドpIT336の組立て プラスミドpUC8約1μgを10×Bam HI反応バツフアー2
μlおよび水16μlに溶かした。このプラスミドpUC8DN
Aの溶液に、制限酵素Bam HI約2μl(20単位)を加
え、得られた反応混合物を37℃で2時間、インキユベー
トした。Bam HI消化プラスミドpUC8DNAを析出させ、遠
心して集めた後、10×SalI反応バツフアー(1.5M Nac
l、60mMトリス−Hcl、pH=7.9、60mM Mgcl2、60mM2−メ
ルカプトエタノール、および1mg/ml BSA)2μlおよび
水16μlに懸濁した。このBam HI消化プラスミドpUC8DN
Aの容器に制限酵素SalI約2μl(20単位)を加え、得
られた反応混合物を37℃で2時間インキユベートした。
フエノール抽出して反応を止めた後、クロロホルムで2
回抽出した。SalI-Bam HI消化プラスミドpUC8DNAを析出
させ、遠心して集めた後、水5μlに再懸濁した。
プラスミドpIT335約10μgを、10×Bam HI反応バツフア
ー10μlおよび水80μlに溶かした。このプラスミドpI
T335DNAの溶液に、約5μl(50単位)づつの制限酵素X
hoIおよびBam HIを加え、得られた反応混合物を37℃で
2時間インキユベートした。次いで、この反応混合物を
1%アガロースゲルに適用し、〜1.4kb Bam HI-XhoI制
限フラグメントが、他の制限産物(即ち、5.6kb、1.3kb
および0.01kbフラグメント)から分離するまで電気泳動
させた。実質上、実施例2Bの方法と同様にして、IPS遺
伝子の転写終止、並びにmRNAのポリアデニル化およびプ
ロセツシングに関するシグナルを含有している〜1.4kb
Bam HI-XhoI制限フラグメントを単離した。所望のフラ
グメント約2μgを得、これを水5μlに懸濁した。
SalI-Bam HI消化プラスミドpUC8 5μlプラスミドpIT33
5の〜1.4kb Bam HI-XhoI制限フラグメント2μl、10×
リガーゼバツフアー3μl、水18μlおよびT4DNAリガ
ーゼ2μlに加えた。得られた反応混合物を15℃で一夜
インキユベートした。SalIおよびXhoIオーバーラツプは
ライゲーシヨンに適合し得るが、1度結合すると、SalI
およびXhoIのいずれも、その連結部位からDNAが開列さ
れることはない。結合したDNAは所望のプラスミドpIT33
6を構成しており、これを用いて、実質上、実施例7A(i
v)の方法に従つて、NRRLから寄託番号NRRLB-15440の
下、入手可能な大腸菌K12 RR1ΔM15を形質転換した。形
質転換した細胞を、アンピシリン100μg/ml、X-gal 40
μg/ml、およびIPTG40μg/mlを含んだL-寒天平板にプレ
ートした。この形質転換平板上で青色を呈していないコ
ロニーを培養してプラスミドの調製に用い、得られたプ
ラスミドDNAを制限酵素分析に付して大腸菌K12 RR1ΔM1
5/pIT336形質転換体を同定した。プラスミドpIT336の制
限サイトおよび機能地図を添付の第14図に示す。
B.プラスミドpPS35の組立て プラスミドpIT336約2μgを、10×PstI反応バツフアー
2μlおよび水17μlに溶かした。このpIT336DNAの溶
液に、制限酵素PstI約1μl(10単位)を加え、得られ
た反応混合物を37℃で2時間インキユベートした。フエ
ノール抽出によつて反応を止め、次いで、クロロホルム
抽出を2回行つた。次いで、PstI消化プラスミドpIT336
DNAを析出させ、遠心して集めて水86μlに再懸濁し
た。
10×リガーゼバツフアー約10μlおよびT4DNAリガーゼ
4μlを、PstI消化プラスミドpIT336DNAの溶液に加
え、得られた反応混合物を15℃で一夜インキユベートし
た。結合したDNAは所望のプラスミドpPS35を構成してお
り、これを用い、実質上、実施例7A(iv)の方法に従つ
て、NRRLから寄託番号NRRL B-15211の下、入手可能な大
腸菌K12 JA221を形質転換した。形質転換した細胞をア
ンピシリン100μg/mlを含んだL-寒天平板上にプレート
した。幾つかのアンピシリン耐性コロニーを単離し、プ
ラスミドDNAの調製に用いた。所望の大腸菌K12 JA221/p
PS35形質転換体を、そのプラスミドDNAの制限酵素分析
により、同定した。プラスミドpPS35の制限サイトおよ
び機能地図を添付の第15図に示す。
C.プラスミドpPS27の最終的な組立て プラスミドpPS35約2μgを10×Hind III反応バツフア
ー2μlおよび水17μlに溶かした。このプラスミドpP
S35DNAの溶液に制限酵素Hind III約1μl(10単位)を
加え、得られた反応混合物を37℃で2時間インキユベー
トした。フエノール抽出して反応を止め、次いで、2回
クロロホルム抽出を行つた。次いで、Hind III消化プラ
スミドpPS35DNAを析出させ、遠心して集めて10×リガー
ゼバツフアー3μlおよび水23μlに懸濁した。
プラスミドpPS21AではなくプラスミドpPS29を出発物質
に用い、実質上、実施例9の方法に従つて調製、単離さ
れた、IPS遺伝子の活性化配列によつて発現されるハイ
グロマイシン耐性付与遺伝子を含有しているプラスミド
pPS29の〜2.3kb Hind III制限フラグメント約2μl、
およびT4DNAリガーゼ2μlを、Hind III消化プラスミ
ドpPS35DNAの溶液に加えた。得られたライゲーシヨン反
応混合物を15℃で一夜インキユベートした。結合したDN
Aは所望のプラスミドpPS27を構成しており、これを用い
て実質上、実施例11Bの方法に従い、大腸菌K12 JA221を
形質転換した。
アンピシリン耐性形質転換体を培養してプラスミドDNA
の調製に用い、このプラスミドDNAを制限酵素分析に付
して所望の大腸菌K12 JA221/pPS27形質転換体を同定し
た。プラスミドpPS27の制限サイトおよび機能地図を添
付の第12図に示す。
プラスミドpPS27は、セフアロスポリウム・アクレモニ
ウムを高い頻度でハイグロマイシン耐性表現型に形質転
換する。C.アクレモニウム/pPS27形質転換体は、実質
上、実施例6の方法に従つて調製される。
【図面の簡単な説明】
第1図はプラスミドpIT335(8.24kb)の制限サイトおよ
び機能地図、第2図はプラスミドpCZ106(10.8kb)の制
限サイトおよび機能地図、第3図はプラスミドpIT337
(11.8kb)の制限サイトおよび機能地図、第4図はプラ
スミドpIT221(8.04kb)の制限サイトおよび機能地図、
第5図はプラスミドpPS20(11kb)の制限サイトおよび
機能地図、第6図はプラスミドpPS19(7.85kb)の制限
サイトおよび機能地図、第7図はプラスミドpPS21(8.5
kb)の制限サイトおよび機能地図、第8図はプラスミド
pPS21A(8.5kb)の制限サイトおよび機能地図、第9図
はプラスミドpPS25(8.71kb)の制限サイトおよび機能
地図、第10図はプラスミドpPS28(6.6kb)の制限サイト
および機能地図、第11図はプラスミドpPS29(6.1kb)の
制限サイトおよび機能地図、第12図はプラスミドpPS26
(11.6kb)の制限サイトおよび機能地図、第13図はプラ
スミドpPS34(8.7kb)の制限サイトおよび機能地図、第
14図はプラスミドpIT336(4.1kb)の制限サイトおよび
機能地図、第15図はプラスミドpPS35(4.1kb)の制限サ
イトおよび機能地図、第16図はプラスミドpPS27(5.5k
b)の制限サイトおよび機能地図、第17図はプラスミドp
PS37(6.4kb)の制限サイトおよび機能地図の模式図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12N 9/00 C12R 1:01) (C12N 9/00 C12R 1:19) (C12N 9/00 C12R 1:365) (C12N 9/00 C12R 1:465) (C12N 9/00 C12R 1:75) (C12N 9/00 C12R 1:82) (C12N 1/21 C12R 1:01) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 1/21 C12R 1:365) (C12N 1/21 C12R 1:465) (C12N 1/21 C12R 1:75) (C12N 1/21 C12R 1:82) (72)発明者 スーレン・メアリー・サムソン アメリカ合衆国 インディアナ 46226 インディアナポリス,サン・クレメント・ ドライブ 5812番 (72)発明者 ポール・ルーサー・スケイトラド アメリカ合衆国 インディアナ 46142 グリーンウッド,フィエスタ・ドライブ 1045番 (56)参考文献 Science,224(1984)P.610− 612

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】暗号鎖の配列が式: (式中、Aはデオキシアデニル、Gはデオキシグアニ
    ル、Cはデオキシシチジル、Tはチミジルを表わす) で示されるイソペニシリンN合成酵素をコードしている
    DNA化合物。
  2. 【請求項2】プラスミドpIT335の〜1.5kb NcoI-BamHI制
    限フラグメントである第1項記載のDNA化合物。
  3. 【請求項3】暗号鎖の配列が式: (式中、Aはデオキシアデニル、Gはデオキシグアニ
    ル、Cはデオキシシチジル、Tはチミジルを表わす) で示されるイソペニシリンN合成酵素をコードしている
    DNA化合物を含有している組換えDNAベクター。
  4. 【請求項4】プラスミドである第3項記載のベクター。
  5. 【請求項5】プラスミドpIT335である第4項記載のベク
    ター。
  6. 【請求項6】プラスミドpIT337である第4項記載のベク
    ター。
  7. 【請求項7】宿主細胞内でイソペニシリンN合成酵素活
    性を生産する方法であって、 (1)該宿主細胞内で機能的な転写および翻訳活性化配
    列によって発現される位置に、暗号鎖の配列が式: (式中、Aはデオキシアデニル、Gはデオキシグアニ
    ル、Cはデオキシシチジル、Tはチミジルを表わす) で示されるイソペニシリンN合成酵素をコードしている
    DNA化合物を含有している組換えDNA発現ベクターで該宿
    主細胞を形質転換し、 (2)工程(1)で形質転換した該宿主細胞を、該DNA
    を発現させる条件の下で培養することからなる方法。
  8. 【請求項8】DNA化合物がプラスミドpIT335の〜1.5kb N
    coI-BamHI制限フラグメントである第7項記載の方法。
  9. 【請求項9】DNA化合物が式: (式中、ALAはアラニン残基、ARGはアルギニン残基、AS
    Nはアスパラギン残基、ASPはアスパラギン酸残基、CYS
    はシステイン残基、GLNはグルタミン残基、GLUはグルタ
    ミン酸残基、GLYはグリシン残基、HISはヒスチジン残
    基、ILEはイソロイシン残基、LEUはロイシン残基、LYS
    はリジン残基、METはメチオニン残基、PHEはフェニルア
    ラニン残基、PROはプロリン残基、SERはセリン残基、TH
    Rはトレオニン残基、TRPはトリプトファン残基、TYRは
    チロシン残基、VALはバリン残基を表わす) で示されるアミノ酸配列をコードしているものである、
    第7または8項記載の方法。
  10. 【請求項10】宿主細胞が、アグロバクテリウム、セフ
    ァロスポリウム、クロモバクテリウム、大腸菌、グルコ
    ノバクター、ノカルディア、ペニシリウム、セラチア、
    またはストレプトマイセス属のいずれかに属するもので
    ある第7、8または9項記載の方法。
  11. 【請求項11】宿主細胞がセファロスポリウム・アクレ
    モニウム、ペニシリン・クリンゲナムまたは大腸菌のい
    ずれかに属するものである第10項記載の方法。
  12. 【請求項12】培養される宿主細胞がセファロスポリウ
    ム・アクレモニウム/pPS20である第7〜11項のいずれか
    に記載の方法。
  13. 【請求項13】暗号鎖の配列が式: (式中、Aはデオキシアデニル、Gはデオキシグアニ
    ル、Cはデオキシシチジル、Tはチミジルを表わす) で示されるイソペニシリンN合成酵素をコードしている
    DNA化合物を含有している組換えDNAベクターで形質転換
    された宿主細胞。
  14. 【請求項14】セファロスポリウム・アクレモニウムで
    ある第13項記載の宿主細胞。
  15. 【請求項15】セファロスポリウム・アクレモニウム/p
    PS21である第14項記載の宿主細胞。
  16. 【請求項16】プラスミドpPS19、pPS22またはpPS24で
    ある第3項記載のベクター。
JP61093178A 1985-04-22 1986-04-21 イソペニシリンn合成酵素をコ−ドしているdna化合物および組換えdna発現ベクタ− Expired - Fee Related JPH0787788B2 (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US72587085A 1985-04-22 1985-04-22
US725870 1985-04-22
US79938485A 1985-11-18 1985-11-18
US799384 1985-11-18

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS61254192A JPS61254192A (ja) 1986-11-11
JPH0787788B2 true JPH0787788B2 (ja) 1995-09-27

Family

ID=27111238

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61093178A Expired - Fee Related JPH0787788B2 (ja) 1985-04-22 1986-04-21 イソペニシリンn合成酵素をコ−ドしているdna化合物および組換えdna発現ベクタ−

Country Status (14)

Country Link
EP (1) EP0200425B1 (ja)
JP (1) JPH0787788B2 (ja)
KR (1) KR860008287A (ja)
CN (1) CN86102604A (ja)
AU (2) AU592791B2 (ja)
BG (2) BG45219A3 (ja)
CA (1) CA1309673C (ja)
DE (1) DE3683080D1 (ja)
DK (1) DK178386A (ja)
ES (3) ES8800344A1 (ja)
FI (1) FI95810C (ja)
HU (1) HU202279B (ja)
IE (1) IE58780B1 (ja)
IL (1) IL78531A0 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES500966A0 (es) 1980-04-03 1982-12-16 Biogen Nv Un metodo de producir un polipeptido que muestra una actividad immunologica obiologica de interferon de fibroblasto hu- mano.
GB8508800D0 (en) * 1985-04-04 1985-05-09 Glaxo Group Ltd Microbiological process
US4892819A (en) * 1985-11-25 1990-01-09 Eli Lilly And Company Recombinant DNA expression vectors and DNA compounds that encode isopenicillin N synthetase from penicillium chrysogenum
DE3789880T2 (de) * 1986-01-31 1994-09-08 Beecham Group Plc Isolierung und Expression von bei der Biosynthese von Beta-Laktamen beteiligten Genen.
IL85535A (en) * 1987-03-04 1994-02-27 Lilly Co Eli AND Recombinant expression vectors encoding datastoxysplosporin C synthetase and datacetylsephalosporin C synthetase
GB2208077A (en) * 1987-04-24 1989-02-22 Antibioticos Sa Isopenicillin n synthetase gene derived from aspergillus nidulans
EP0303364A1 (en) * 1987-08-10 1989-02-15 The Governors of the University of Alberta Cloning and nucleotide sequence determination of the isopenicillin N synthetase gene from streptomyces clavuligerus
US4885252A (en) * 1987-09-08 1989-12-05 Eli Lilly And Company Recombinant DNA expression vectors and DNA compounds that encode isopenicillin N synthetase from aspergillus nidulans
US4950603A (en) * 1987-11-02 1990-08-21 Eli Lilly And Company Recombinant DNA expression vectors and DNA compounds that encode isopenicillin N synthetase from Streptomyces lipmanii
US6258555B1 (en) 1987-12-09 2001-07-10 Beecham Group P.L.C. DNA encoding ACV synthetase
GB8728811D0 (en) * 1987-12-09 1988-01-27 Beecham Group Plc Novel substance
KR0171897B1 (ko) * 1989-12-27 1999-02-01 후지사와 도모끼찌로 7-아미노세펨 화합물 또는 그 염류의 제조 방법
EP0437378B1 (en) * 1990-01-12 1999-05-19 Glaxo Group Limited DNA sequence for an antibiotic biosynthesis enzyme
EP0783581B1 (en) * 1994-09-28 2006-07-26 Novozymes A/S Process for the production of secondary metabolites
DE19755302A1 (de) * 1997-12-12 1999-06-17 Hoechst Marion Roussel De Gmbh Neuer Transkriptionsfaktor CPCR1 zur Regulation des Isopenicillin N-Synthetase-Gens (pcbC) und des AC-/ACV-Synthetase-Gens (pcbAB)
WO2000059285A2 (en) * 1999-04-02 2000-10-12 Du Pont Pharmaceuticals Company NOVEL LACTAM INHIBITORS OF MATRIX METALLOPROTEINASES, TNF-α, AND AGGRECANASE

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3330003A1 (de) * 1982-10-21 1984-10-31 Gesellschaft für Biotechnologische Forschung mbH (GBF), 3300 Braunschweig Dna-sequenz und dna-strukturen und sie verwendendes verfahren zur herstellung von penicillin-acylase
CA1278540C (en) * 1983-07-22 1991-01-02 Eli Lilly And Company Modified antibiotic resistance gene
US4762786A (en) * 1984-09-27 1988-08-09 Eli Lilly And Company Vectors and conditions which allow genetic transformation of cephalosporium
GB8508800D0 (en) * 1985-04-04 1985-05-09 Glaxo Group Ltd Microbiological process
US4892819A (en) * 1985-11-25 1990-01-09 Eli Lilly And Company Recombinant DNA expression vectors and DNA compounds that encode isopenicillin N synthetase from penicillium chrysogenum

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Science,224(1984)P.610−612

Also Published As

Publication number Publication date
CA1309673C (en) 1992-11-03
DE3683080D1 (de) 1992-02-06
ES557829A0 (es) 1989-01-16
FI861653A0 (fi) 1986-04-18
IE861029L (en) 1986-10-22
DK178386D0 (da) 1986-04-18
ES557658A0 (es) 1988-08-16
EP0200425A3 (en) 1988-07-06
AU4234789A (en) 1990-01-11
AU5643186A (en) 1986-10-30
EP0200425B1 (en) 1991-12-27
FI861653A (fi) 1986-10-23
EP0200425A2 (en) 1986-11-05
IL78531A0 (en) 1986-08-31
KR860008287A (ko) 1986-11-14
FI95810C (fi) 1996-03-25
ES554218A0 (es) 1987-11-01
HUT40705A (en) 1987-01-28
DK178386A (da) 1986-10-23
FI95810B (fi) 1995-12-15
BG45219A3 (ja) 1989-04-14
ES8802585A1 (es) 1988-08-16
AU592791B2 (en) 1990-01-25
CN86102604A (zh) 1986-11-26
JPS61254192A (ja) 1986-11-11
ES8900142A1 (es) 1989-01-16
ES8800344A1 (es) 1987-11-01
IE58780B1 (en) 1993-11-17
AU619596B2 (en) 1992-01-30
HU202279B (en) 1991-02-28
BG45047A3 (ja) 1989-03-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100648480B1 (ko) 세팔로스포린의 개선된 생체내 생산
EP0225128B1 (en) Recombinant dna expression vectors and dna compounds that encode isopenicillin n synthetase from penicillium chrysogenum
KR100336174B1 (ko) 2-(카르복시에틸티오)아세틸-7-adca및3-(카르복시메틸티오)프로피오닐-7-adca를경유하여7-adca를제조하는효율적인방법
JPH0787788B2 (ja) イソペニシリンn合成酵素をコ−ドしているdna化合物および組換えdna発現ベクタ−
JP3574453B2 (ja) 3‐(カルボキシエチルチオ)プロピオニル‐7‐adcaを経由した7‐adcaの効果的な製造法
KR960015264B1 (ko) 데아세톡시세팔로스포린 c합성효소 및 데아세틸 세팔로스포린 c합성효소를 암호화하는 재조합 dna 발현 벡터 및 dna 화합물
JPH02227082A (ja) イソペニシリンnエピメラーゼ(ラセマーゼ)活性をコードする組換えdna発現ベクター、およびdna化合物
RU1780542C (ru) Способ конструировани рекомбинантной плазмидной ДНК pPS 20, кодирующей изопенициллин-N-синтетазу, способ получени штамма СернаLоSроRIUм асRемоNIUм, обладающего активностью изопенициллин-N-синтетазы
HU205626B (en) Process for producing recombinant exprassive dns-vectors coding isopenicillin-n synthetase enzyme of aspergillus nidulans or for producing dns-molekules
Lee et al. Mass production of thermostable D‐hydantoinase by batch culture of recombinant Escherichia coli with a constitutive expression system
JPH0587234B2 (ja)
EP0462674A1 (en) An oxido reductase enzyme system obtainable from P. chrysogenum, the set of genes encoding the same and the use of oxido reductase enzyme systems or genes encoding the same for increasing antibiotic production
CA2085806A1 (en) Recombinant dna compounds and expression vectors encoding para-nitrobenzyl esterase activity from bacillus
JP2002505587A (ja) T.バリアビリス由来のd−アミノ酸オキシダーゼプロモーター
Jiang et al. The expression of proUK in Escherichia coli: the vgb promoter replaces IPTG and coexpression of argU compensates for rare codons in a hypoxic induction model
US5766881A (en) Induction-free process for the recombinant preparation of glutarylamidase
JPH10262674A (ja) アルカリホスファターゼをコードする遺伝子
JPH06105682A (ja) β−ラクタム抗生物質産生促進法および大量のACVシンテターゼ単離法
EP0628634A2 (en) Process for preparing serine hydroxymethyltransferase

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees