JP3510014B2 - 熱回収式燃焼装置を備えた工業炉及びその燃焼制御方法 - Google Patents

熱回収式燃焼装置を備えた工業炉及びその燃焼制御方法

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JP3510014B2
JP3510014B2 JP22313895A JP22313895A JP3510014B2 JP 3510014 B2 JP3510014 B2 JP 3510014B2 JP 22313895 A JP22313895 A JP 22313895A JP 22313895 A JP22313895 A JP 22313895A JP 3510014 B2 JP3510014 B2 JP 3510014B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼室から排出さ
れる排気ガスの熱を利用して燃焼室に供給される酸化剤
を予熱する熱交換器とバーナとが組み合わされてなる熱
回収式燃焼装置を備えた工業炉及びその燃焼制御方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】管式加熱炉、鉄鋼炉等の工業炉では、エ
ネルギーの節約の観点から、排気ガスの熱を利用して空
気等の酸化剤を加熱する熱交換器とバーナとを組み合わ
せてなる熱回収式燃焼装置が広く用いられている。なお
本願明細書において、「酸化剤」とは、一般に純酸素、
空気、酸素富化空気のような分子状酸素を含むガスを総
称するものである。しかし特別の場合には、酸化剤とし
てハロゲン、酸化窒素のような酸化性元素あるいは化合
物を用いることも可能である。
【0003】前述の熱回収式燃焼装置としては、例えば
米国特許第4,856,492号、ヨーロッパ特許出願
公開第526,172A2号、イギリス特許出願公開第
2,208,423号A、特開平1−159511号公
報、特開平1−222102号公報、特開平5−256
423号公報等に示されたものがある。
【0004】ここで米国特許第4,856,492号、
特開平1−159511号公報及び特開平5−2564
23号公報に示された第1のタイプの熱回収式燃焼装置
は、基本的には、1つのバーナに対して2つ以上の蓄熱
体を用いる。これらの装置では、例えば排気ガス通路ま
たは酸化剤通路となる2つ以上の通路内にそれぞれ蓄熱
体を配置する。そして1以上の通路内に配置した蓄熱体
を排気ガスで加熱し、残りの通路内に酸化剤を供給して
先に排気ガスで加熱された蓄熱体の顕熱で酸化剤を予熱
する。即ち蓄熱体を内蔵した通路に排気ガスと酸化剤を
交互に流すことにより、熱交換を行っている。通路に排
気ガスと酸化剤を交互に流すために、具体的には複数の
切換弁が用いられている。
【0005】またヨーロッパ特許出願公開第526,1
72A2号、イギリス特許出願公開第2,208,42
3号A及び特開平1−222102号公報等に示された
第2のタイプの熱回収式燃焼装置では、1つのバーナに
対して設けた1つの蓄熱体に対して、酸化剤ダクトと排
気ガスダクトとを備えた吸排気用ダクトを設け、蓄熱体
と吸排気用ダクト(通常は酸化剤ダクト)との間に相対
的な回転運動を生じさせている。このようにすると1つ
の蓄熱体の一部を通して排気ガスを排出して蓄熱体を加
熱し、この蓄熱体の残部を通して酸化剤を炉内に供給す
ることにより蓄熱体の顕熱によって酸化剤を予熱するこ
とができる。
【0006】また第2のタイプの熱回収式燃焼装置の変
形例として、特開平7−113509号公報に示される
ように、蓄熱体とダクトとの間に回転する切換手段を設
け、切換手段を回転させることにより酸化剤の予熱を行
うものもある。
【0007】これらの熱回収式燃焼装置を用いてバーナ
で連続燃焼させる場合に、熱交換器に異常が発生して、
熱交換を完全に行えないかまたは十分に熱交換を行えな
い事態が発生することがある。熱交換器における異常と
は、例えば第1のタイプの熱回収式燃焼装置では、切換
弁が切換不能になってしまう場合であり、また第2のタ
イプの熱回収式燃焼装置では、吸排気用ダクトと蓄熱体
との間に物が挟まったり、回転駆動機構に故障が発生し
て、蓄熱体と吸排気用ダクトとの間の相対的な回転速度
が低下するかまたは零になってしまうことである。
【0008】1つの工業炉には複数台の熱回収式燃焼装
置が用いられており、1台の熱回収式燃焼装置の熱交換
器で異常が発生して、熱交換が行われなくなると、誘引
送風機や制御弁を流れる排気ガスの温度がこれらの機器
の耐熱限界を越えてしまい、これらの機器の寿命が極端
に短くなることが分かっている。このような問題を解消
するための技術としては、第2のタイプの熱回収式燃焼
装置を対象として、特開平6−337110号公報に示
された技術が提案されている。特開平6−337110
号公報に示された技術では、異常が発生した熱交換器に
ついては、酸化剤ダクトだけでなく、排気ダクトからも
常温の酸化剤を供給して蓄熱体を冷却しつつ、その異常
が発生した熱交換器に対応するバーナの燃焼を維持す
る。このときこのバーナは、熱回収を行わない通常のバ
ーナとして動作している。そして残りの正常な熱交換器
を備えた熱回収式燃焼装置では、そのまま熱回収を行い
ながら燃焼を継続している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述の解決技術でも、
設置される熱回収式燃焼装置の台数がかなり多い場合
や、異常が発生した熱交換器の修理を比較的短い時間内
に行える場合には、十分な効果を得られる。しかしなが
ら設置される熱回収式燃焼装置の台数があまり多くない
場合や、修理までに比較的長い時間がかかるものでは、
正常な熱交換器を備えた熱回収燃焼装置で熱交換器に異
常が発生したり、正常な燃焼が得られなくなる問題が発
生することが分かった。
【0010】例えば1つの工業炉に、3台の熱回収式燃
焼装置が設置されているとした場合において、1台の熱
回収式燃焼装置の熱交換器に異常が発生し、この異常が
発生した熱交換器からは酸化剤だけを供給するようにす
ると、残りの2台の熱回収式燃焼装置から排出する排気
ガスの量は、3台の熱回収式燃焼装置が正常な場合と比
べて1.5倍になるが、酸化剤は3台の熱回収式燃焼装
置に供給される。ところが異常が発生した熱交換器の蓄
熱体では酸化剤だけが流れるために温度が低くなってお
り、その蓄熱体での圧力損失は小さくなる。そのために
異常が発生した熱交換器を通してこの熱交換器に対応す
るバーナに過剰の酸化剤が供給されることになる。これ
に対して正常な熱交換器からこの熱交換器に対応するバ
ーナに供給される酸化剤の量は少なくなる。しかしなが
ら正常な熱交換器では前述の通り、排気ガスの量が増え
ているため、蓄熱体の温度が高くなる。その結果、熱交
換のバランスがくずれ、正常な熱交換器の各部の温度が
上昇して正常な熱交換器で次々と異常が発生し、各バー
ナの連続燃焼を維持することができなくなる問題が発生
する。
【0011】本発明の目的は、異常が発生した熱交換器
以外の他の熱交換器で異常が発生するのを確実に防止す
ることができ、しかも各バーナの連続燃焼を維持するこ
とができる熱回収式燃焼装置を備えた工業炉及びその燃
焼制御方法を提供することにある。
【0012】本発明の他の目的は、熱交換器の異常を的
確に検出して、熱交換器の異常発生に迅速に且つ簡単に
対応できる工業炉及びその燃焼制御方法を提供すること
にある。
【0013】本発明の別の目的は、熱交換器及び熱交換
器を通して排気ガスを排出するために用いる誘引送風機
の寿命が短くなるのを確実に防止できる工業炉及びその
燃焼制御方法を提供することにある。
【0014】本発明の更に他の目的は、1以上の熱交換
器で異常が発生しても、支障なく連続燃焼を継続できる
工業炉及びその燃焼制御方法を提供することにある。
【0015】本発明の更に他の目的は、異常が発生した
熱交換器を除く他の熱交換器に異常を発生させることな
く、他の熱交換器を安全な範囲で動作させて、異常が発
生した熱交換器の修理または交換が行われる前に、通常
の燃焼装置として動作している熱回収式燃焼装置をでき
るだけ早く熱回収式燃焼装置として再動作させることが
できる工業炉及びその燃焼制御方法を提供することにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明が改良の対象とす
るまたは燃焼制御の対象とする熱回収式燃焼装置を備え
た工業炉は、連続燃焼する複数のバーナと、複数のバー
ナに対してそれぞれ1台ずつ設けられた複数の熱交換器
と、複数の熱交換器に対して設けられた送風装置とを具
備している。なお1台のバーナと1台の熱交換器との組
み合わせにより1台の熱回収式燃焼装置が構成されてい
る。熱交換器は、通気性を有する1以上の蓄熱体を有し
ており、しかも熱交換器は蓄熱体を通して排気ガスを排
出して蓄熱体に蓄熱し且つ蓄熱した蓄熱体を通して酸化
剤を対応するバーナに供給するように送風装置に接続さ
れている。
【0017】ここでいう熱交換器には、前述の第1のタ
イプの熱回収式燃焼装置で用いられている第1のタイプ
の熱交換器及び第2のタイプの熱回収式燃焼装置で用い
られている第2のタイプの熱交換器のいずれもが含まれ
る。第1のタイプ及び第2のタイプの熱交換器は、いず
れも1以上の蓄熱体に対して設けられて排気ガスを炉内
から誘引する際及び酸化剤を炉内に押込む際に作動して
1以上の蓄熱体を通しての排気ガスの排気と酸化剤の供
給とを可能にする可動機構(切換弁や回転ダクト等)と
この可動機構の動力源(モータ等)とを具備している。
第1のタイプの熱交換器(切換式熱交換器)を具体的に
説明すると、第1のタイプの熱交換器は、複数の蓄熱体
を有し、蓄熱体選択機構(切換弁等)により選択された
1以上の蓄熱体を通して誘引送風機により排気ガスを排
出し、排気ガスを排出していない1以上の蓄熱体を通し
て酸化剤が炉内に供給されるように構成される。また第
2のタイプの典型的な熱交換器(回転式熱交換器)は、
酸化剤流路及び排気ガス流路を備えた流路構造体と1つ
の蓄熱体と流路構造体との間に相対的な回転運動を付与
する回転駆動機構とを具備している。また特開平7−1
13509号公報に示される第2のタイプの他の熱交換
器(回転式熱交換器)では、蓄熱体と流路構造体との間
に配置した切換手段を回転させる回転駆動機構を備えて
いる。
【0018】本発明の工業炉では、複数の熱交換器を通
さずに炉から排気ガスを排出する排気通路を設ける。一
般的には、この排気通路は炉と煙突とを接続する通路で
ある。そしてこの排気通路に開閉制御可能なダンパを設
ける。このダンパとしては、常閉ダンパまたはスタック
ダンパ等が用いられる。また複数の熱交換器の異常を検
出する熱交換器異常検出装置とバーナ燃焼維持装置とを
設ける。この熱交換器異常検出装置は、例えば複数の熱
交換器を通る排気ガスの温度をそれぞれ検出する複数の
温度センサを備え、複数の温度センサの検出温度に基づ
いて異常が発生している1以上の熱交換器を検出するよ
うに構成することができる。また熱交換器として第1の
タイプの熱交換器(切換式熱交換器)が用いられる場合
には、熱交換器異常検出装置は、可動機構(切換弁や回
転ダクト等)の動力源(モータ等)に通電される電流値
に基づいて対応する熱交換器の異常を検出するように構
成することができる。具体的には、熱交換器として第2
のタイプの熱交換器(回転式熱交換器)が用いられる場
合には、1つの蓄熱体と流路構造体との間に相対的な回
転運動を付与する回転駆動機構の駆動源として用いられ
るモータに供給される電流値から熱交換器の異常を検出
する。
【0019】バーナ燃焼維持装置は、熱交換器異常検出
装置が1以上の熱交換器の異常を検出すると、排気通路
に設けたダンパを開き且つ複数の熱交換器を通して排気
ガスを排気しないように送風装置の運転を制御する。送
風装置が、酸化剤流路に酸化剤を供給する押込送風機と
排気ガス流路から排気ガスを誘引する誘引送風機やエジ
ェクタ等の排風装置とからなる場合には、誘引送風機等
の排風装置を停止させればよい。例えば誘引送風機から
排気する排気ガスを前述の排気通路を通して排出する場
合には、単に誘引送風機を停止させただけでは、自然に
停止した誘引送風機を通って排気が行える。したがって
このようなことを防ぐためには、誘引送風機に設けられ
た誘引送風機ダンパを閉じるのが好ましい。排風装置と
いう概念で考えると、排風装置の排風流路をダンパ等に
より閉じるのが好ましい。このようにするといかなる条
件下でも誘引送風機等の排風装置から排気ガスが排出さ
れることはない。またこの場合、熱交換器は機能しない
ため、異常な熱交換器は勿論のこと、正常な熱交換器に
おいても可動機構は停止してもよい。切換式熱交換器を
用いる場合には、蓄熱体選択機構(切換弁)の選択動作
を停止し、回転式熱交換器を用いる場合には、回転駆動
機構の回転動作を停止する。このようにすれば可動機構
を無駄に動作させないため、電力の消費を抑制できる。
【0020】本発明のように熱回収式燃焼装置を熱回収
を行わない通常の燃焼装置として用いることにより、熱
交換器の異常に対処する場合には、各燃焼装置で燃焼を
維持できなくなる実態が発生することは殆どないと考え
られる。しかしながら異常が発生した熱交換器の状態に
よっては、各燃焼装置の燃焼を維持できなくなる事態が
発生する可能性がないとも言えない。このような事態に
対処するためには、複数の熱交換器にそれぞれ供給され
る酸化剤の量を検出する複数の酸化剤供給量検出器と複
数の熱交換器への酸化剤の供給量を調節するために複数
の熱交換器に対してそれぞれ設けられた複数の酸化剤供
給量調整用ダンパとを更に装備すればよい。酸化剤供給
量検出器は、供給量を検出できるものであればよく、例
えば差圧計やベンチュリー管等でもよい。そしてバーナ
燃焼維持装置に、異常が発生した熱交換器及び正常な熱
交換器を通してそれぞれ対応するバーナに供給される酸
化剤の量が、それぞれ対応するバーナの燃焼を維持でき
る量になるように、対応する酸化剤供給量検出器の出力
に基づいて対応する酸化剤供給量調整用ダンパの開度を
調整する指令を出力する機能を付加する。この指令によ
り、複数の酸化剤供給量調整用ダンパの開度を自動調整
してもよいが、この指令を表示装置等の表示手段に表示
するだけもよい。この場合には、表示手段に表示された
内容に従って、保守点検の作業員が酸化剤供給量調整用
ダンパの開度を調整すればよい。この構造を特開平6−
337110号公報に示された技術のように、異常が発
生した熱交換器からは排気ガスを排出しないようにし
て、他の熱交換器では熱交換動作を継続することによ
り、熱交換器の異常発生に対処する技術に適用すると、
熱交換動作を継続する燃焼装置におけるバーナの燃焼を
確実に維持することができる。なおこの構造を採用する
と、特開平6−337110号公報に示された技術のよ
うにバイパスダクトを用いなくても、熱交換器の異常に
対処できる。
【0021】本発明の燃焼制御方法は、連続燃焼する複
数のバーナに対して1台ずつ複数の熱交換器が設けら
れ、複数の熱交換器がそれぞれ通気性を有する1以上の
蓄熱体を通して排気ガスを排出することにより蓄熱体に
蓄熱し且つ蓄熱した蓄熱体を通して酸化剤を炉内の対応
するバーナに供給するように構成されている熱回収式燃
焼装置を備えた工業炉の燃焼制御方法を対象とする。そ
して1以上の熱交換器に異常が発生したときには、蓄熱
体を通して排気ガスを排出することを停止し、複数の熱
交換器とは別に設けた排気通路を通して炉から排気ガス
を排出して複数のバーナの連続燃焼を維持する。これに
よって1以上の熱交換器に異常が発生しても、各燃焼装
置の燃焼を簡単且つ確実に維持することが可能になる。
【0022】熱回収式燃焼装置を、熱回収しない通常の
燃焼装置としてそのまま燃焼を維持してもよいが、異常
が発生した熱交換器の修理または交換に時間がかかる場
合も少なくない。その場合には、効率の悪い状態で工業
炉を運転し続けなければならない。そこで正常な熱交換
器を有する熱回収式燃焼装置を再度熱回収式燃焼装置と
して動作させる場合には、複数の熱交換器に供給される
酸化剤の量をそれぞれ検出する複数の酸化剤供給量検出
器と複数の熱交換器に対して設けられて対応する熱交換
器への酸化剤の供給量を調整する酸化剤供給量調整用ダ
ンパとを更に設ける。そして異常が発生した熱交換器に
対して設けられた酸化剤供給量調整用ダンパの開度をバ
ーナの燃焼維持に必要な最小範囲まで小さくした上で異
常が発生した熱交換器の排気ガスダンパを閉じる。この
排気ガスダンパは、熱交換器が回転式熱交換器の場合に
は、排気ガス流路を開いたり閉じたりするように熱交換
器の排気ガス流路に対して設けられ、熱交換器が切換式
熱交換器の場合には蓄熱体と送風装置との間に配置され
る排気ガス流路に対して設けられる。異常が発生した熱
交換器に対して設けられた酸化剤供給量調整用ダンパの
開度をバーナの燃焼維持に必要な最小範囲まで小さくす
るのは、異常が発生している熱交換器では排気ガスが流
れないため、蓄熱体の温度が低く、圧力損失が小さくな
る。そのために異常が発生した熱交換器を通してこの熱
交換器に対応するバーナにたくさんの酸化剤が供給さ
れ、このバーナの燃焼が異常に大きくなる可能性がある
ためである。ここで酸化剤供給量調整用ダンパの開度の
「最小範囲」とは、最小値を意味するものではなく、バ
ーナの燃焼が他の正常な熱交換器に対応したバーナの燃
焼よりも十分に小さくなる範囲である。その後正常な他
の熱交換器を通して僅かに排気ガスを排出する排出動作
を開始し、これら他の熱交換器をそれぞれ通して炉に供
給される酸化剤の量がそれぞれ等しくなるように、即ち
各バーナの燃焼を維持する量になるように他の熱交換器
の酸化剤供給量調整用ダンパの開度を調整する。僅かに
排気ガスを他の熱交換器を通して排出しながら開度調整
をするのは、熱交換器の数が多い場合に各熱交換器の酸
化剤供給量調整用ダンパの開度の調整に時間がかかって
も各燃焼装置の燃焼に大きな影響を与えることがないか
らである。酸化剤供給量調整用ダンパの開度の調整は、
自動でも手動でもよい。そして排気通路を閉じながら他
の熱交換器を通して排出する排気ガスの量を増加させ、
他の熱交換器をそれぞれ通して排出する排気ガスの温度
が排気ガスを排出する機器の限界温度を考慮して定めた
設定上限値を超えない範囲まで排気通路を閉じる。排気
ガスの量の増加は、送風装置で排気ガスの排出に誘引送
風機を用いる場合には、誘引送風機ダンパの開度を調整
することにより行う。なお他の熱交換器を通して排気す
る排気ガスの量は、各熱交換器から排出される排気ガス
の温度が誘引送風機の限界温度を考慮して定めた設定上
限値以下になる範囲にする。
【0023】本発明によれば、1以上の熱交換器で異常
が発生したときに、すべての熱交換器の蓄熱体を通して
排気ガスを排出することを停止し、別に設けた排気通路
を通して炉から排気ガスを排出すると、すべての熱回収
式燃焼装置は熱交換を伴わない通常の燃焼装置として動
作する。その結果、正常な熱交換器を通して排気される
排気ガスの量が増加して正常な熱交換器が耐熱限界以上
に加熱され、正常な熱交換器で異常が発生するのを防止
することができ、各バーナの連続燃焼を確実に維持でき
る。また1以上の熱交換器で異常が発生して排気ガスの
温度が高くなっても、排気ガスは送風装置の誘引送風機
を通らなくなるため、誘引送風機が耐熱限界以上に加熱
されることがなくなって、誘引送風機の寿命低下を確実
に防止できる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
例を詳細に説明する。図1は、本発明を管式加熱炉に適
用した一実施例の概略構成図を示している。図1におい
て1は、内部に燃焼室2を有する箱型の加熱炉1であ
る。加熱炉1の炉壁部の一部を構成する炉床部3には、
複数台の熱回収式燃焼装置4…が取付けられており、ま
た加熱炉1の天井部5には燃焼室と図示しない煙突とを
接続する排気通路6が取付けられている。排気通路6の
内部には、常閉ダンパとしてのスタックダンパ7が配置
されている。なお図にはこのスタックダンパ7の駆動装
置は図示していない。また図示していないが、燃焼室2
の内部には加熱管Pが配置されている。この加熱管P内
には、入り口から供給されたナフサやガソリンの前処理
(精製前)段階の被加熱流体が流れ、燃焼装置4…の図
示しないバーナからの炎の熱によって加熱されて、被加
熱流体は所定の温度になって出口から出るようになって
いる。
【0025】本実施例では、熱回収式燃焼装置4…とし
て、前述の特開平1−222102号公報等に示された
いわゆる回転式の熱交換器を備えた回転蓄熱式バーナ
(RRX)と呼ばれる熱回収式燃焼装置を用いている。
この回転蓄熱式バーナRRXの一例は図2に概略的に示
す通り、1つのバーナ4aに対して設けた1つの通気性
を有する蓄熱体4bに対して、酸化剤流路を構成する酸
化剤ダクト4cと排気ガス流路を構成する排気ガスダク
ト4dとを備えた吸排気用ダクト4eと呼ばれる流路構
造体を設け、蓄熱体4bと流路構造体との間に回転駆動
機構によって相対的な回転運動を生じさせる。通常、こ
の回転駆動機構はモータMを駆動源として、蓄熱体また
は流路構造体の酸化剤ダクト4cを回転させる。このよ
うにすると1つの蓄熱体4bの一部を通して排気ガスを
排出して蓄熱体を加熱し、この蓄熱体の残部を通して酸
化剤を炉内に供給することにより蓄熱体の顕熱によって
酸化剤を予熱できる。
【0026】図1に示すように、各回転蓄熱式バーナR
RXの酸化剤ダクトは、酸化剤としての空気を押し込む
押込送風機8に接続された共通管路9から延びる接続管
路10…にそれぞれ接続されている。また各回転蓄熱式
バーナRRXの排気ガスダクトは、排気ガスを誘引する
ための誘引送風機11に接続された共通管路12から延
びる接続管路13…にそれぞれ接続されている。この誘
引送風機11は、排風装置を構成するものである。
【0027】また図1に示すように、各回転蓄熱式バー
ナRRXの酸化剤ダクトに接続された接続管路10には
酸化剤の供給量を調整するための酸化剤供給量調整用ダ
ンパ14がそれぞれ設けられており、また排気ガスダク
トに接続された接続管路13には排気ガスの流通を制御
する排気ガスダンパ15がそれぞれ設けられている。こ
れらの酸化剤供給量調整用ダンパ14及び排気ガスダン
パ15は、自動または手動のいずれにより開閉制御され
るものであってもよい。
【0028】また本実施例では、酸化剤が流れる接続管
路10…に各回転蓄熱式バーナRRXの酸化剤ダクトに
供給される酸化剤の量を検出するための酸化剤供給量検
出器としての差圧計PdIが設けられている。この酸化
剤供給量検出器は、各回転蓄熱式バーナRRXを通して
供給される酸化剤の量を各バーナの燃焼を正常な状態に
維持するために必要な量に制限する目的または各バーナ
に供給される酸化剤の量を均等にする目的で設けられる
ものであるため、必ずしも正確な供給量を測定できる必
要はなく、相対的な供給量を検出できるものでも十分で
ある。
【0029】また各回転蓄熱式バーナRRXの回転駆動
機構の駆動源としてのモータMに対しては、モータに通
電される電流値を測定する電流センサXAが設けられて
いる。この電流センサXAは、各回転蓄熱式バーナRR
Xの熱交換器に異常が発生したか否かを検出する熱交換
器異常検出装置の異常検出器の1つを構成するものであ
る。熱交換器に異常が発生すると、負荷が増大した状態
となって蓄熱体と流路構造体との間の相対的な回転速度
が遅くなる。その結果、回転駆動源に供給される電流値
が定常値よりも大きくなる。したがってこの電流値を監
視することにより、熱交換器で異常が発生したか否かを
検出することができる。このような点から見ると、電流
センサXAは必ずしも正確な電流値を測定できる必要は
なく、ある基準値に対する相対的な電流値が測定できる
ものであればよい。したがってある電流値以上の電流が
流れるとオン状態になるサーマルリレー等を電流センサ
として用いることもできる。
【0030】更に、排気ガスダクトに接続された接続管
路13に対しては、各接続管路を流れる排気ガスの温度
を測定する温度センサTIAが設けられている。この温
度センサは、前述の電流センサと同様に各回転蓄熱式バ
ーナRRXの熱交換器に異常が発生したか否かを検出す
る熱交換器異常検出装置の異常検出器の1つを構成する
ものである。熱交換器に異常が発生すると、負荷が増大
した状態となって蓄熱体と流路構造体との間の相対的な
回転速度が遅くなるか零になる。その結果、熱交換器で
の熱交換効率が低下し、接続管路を通る排気ガスの温度
が高くなる。したがってこの排気ガスの温度を監視する
ことにより、熱交換器で異常が発生したか否かを検出す
ることができる。このような点から見ると、温度センサ
XAは必ずしも正確な温度を測定できる必要はなく、あ
る基準値に対する相対的な温度が測定できるものであれ
ばよい。そのためこの温度センサとしては、サーミスタ
等を用いることができる。
【0031】各電流センサXA…及び各温度センサTI
Aで検出した検出結果は、制御用コンピュータを内蔵す
る制御装置16に送られる。制御装置16の内部には、
制御用コンピュータを利用して各センサからの検出結果
に基づいて熱交換器に異常が発生したか否かを判定する
熱交換器異常検出装置の判定部が構成されている。また
制御装置16の内部には、制御用コンピュータを利用し
て、熱交換器異常検出装置が1以上の熱交換器の異常を
検出すると、スタックダンパ7を開き、誘引送風機11
の誘引送風機ダンパ11aを閉じ(排風装置の排風流路
を閉じ)、しかも回転駆動機構のモータM及び誘引送風
機11の運転を停止させる指令を出力するバーナ燃焼維
持装置が構成されている。なお図1には、回転駆動機構
の停止のためにモータMを停止させるための指令系統は
図示していない。
【0032】次にこの加熱炉において、例えば1台の回
転蓄熱式バーナRRXの熱交換器に異常が発生したとす
る。その熱交換器に対して設けられた温度センサTIA
または電流センサXAの検出値が大きくなり、制御装置
内に構成される熱交換器異常検出装置の判定部が異常を
発生した熱交換器の特定をする。熱交換器異常検出装置
が熱交換器の異常を検出すると、制御装置の内部に構成
されたバーナ燃焼維持装置はスタックダンパ7の図示し
ない駆動機構にスタックダンパ全開指令を出力する。ま
た同時にバーナ燃焼維持装置は、誘引送風機11の図示
しない駆動装置に誘引送風機停止指令を出力して誘引送
風機を停止させ、更に誘引送風機ダンパ11aの図示し
ない駆動機構に誘引送風機ダンパ全閉指令を出力して誘
引送風機ダンパを閉じる。また同時にバーナ燃焼維持装
置は、各熱交換器の回転駆動機構のモータMの駆動装置
にモータ停止指令を出力して各モータMを停止させる。
【0033】この状態では、停止した熱交換器の酸化剤
ダクトを通して押込送風機8から酸化剤が燃焼室に供給
される。そして誘引送風機11は停止しており、しかも
誘引送風機ダンパが閉じているため、各熱交換器の排気
ガスダクトから排気ガスが排出されることはなく、燃焼
室2内の排気ガスは全開状態になっているスタックダン
パ7が配置された排気通路6を通して全量排出される。
この状態では、各回転蓄熱式バーナRRXは熱交換を行
わない通常の燃焼装置として動作しているので、1台以
上の回転蓄熱式バーナRRXの熱交換器で異常が発生し
ても、各燃焼装置のバーナの燃焼を確実に維持すること
ができる。しかしながら異常が発生した熱交換器の状態
によっては、各回転蓄熱式バーナRRXに供給する酸化
剤の供給量を調整したほうが好ましい場合もある。その
場合には、差圧計PdIの検出値に基づいて酸化剤供給
量調整用ダンパ14を調節して、各回転蓄熱式バーナR
RXに供給する酸化剤の供給量を調整すればよい。
【0034】1以上の熱交換器で異常が発生した場合
に、取り敢えず上記の動作が行われれば、各回転蓄熱式
バーナRRXの燃焼を維持することはできる。しかしな
がらこの状態では、予熱されない酸化剤が燃焼装置に供
給されることになるため、燃焼効率が悪くなる。そこで
正常な熱交換器を有する熱回収式燃焼装置を再度熱回収
式燃焼装置として動作させるようにすることが好まし
い。その場合には、各回転蓄熱式バーナRRXの各熱交
換器に供給される酸化剤の量を適宜に調整することによ
り、正常な熱交換器を有する回転蓄熱式バーナRRXを
回転蓄熱式バーナとして運転できるようにすることがで
きる。
【0035】その場合には、異常が発生した熱交換器に
対して設けられた酸化剤供給量調整用ダンパ14の開度
をバーナの燃焼維持に必要な最小範囲まで小さくした上
でその熱交換器の排気ガスダンパ15を閉じる。異常が
発生した熱交換器の特定は、前述の熱交換器異常検出装
置により既に行われているので、例えば表示手段を別に
設けてその表示手段に異常が発生した熱交換器の位置ま
たは特定番号を表示するようにしてもよい。また各回転
蓄熱式バーナRRXに表示ライト等を設置し、熱交換器
異常検出装置からの指示で異常が発生していることを表
示するために表示ライトを点灯するようにしてもよい。
【0036】前述の排気ガスダンパ15は、接続管路1
3の流路を開いたり閉じたりするように設けられてい
る。異常が発生した熱交換器に対して設けられた酸化剤
供給量調整用ダンパ14の開度をバーナの燃焼維持に必
要な最小範囲まで小さくするのは、異常が発生している
熱交換器では排気ガスが流れないために、蓄熱体の温度
が低くなって、圧力損失が小さくなり、異常が発生した
熱交換器を通してこの熱交換器に対応するバーナにたく
さんの酸化剤が供給されることにより、他の正常なバー
ナへの酸化剤供給量が減って不完全燃焼を起こす可能性
があるからである。最も簡単には、燃焼を維持できる最
小の開度を予め求めておいて、その開度まで絞ることで
あるが、少しでも燃焼効率を高めるのであれば、適宜の
範囲で絞り込む開度を調整してもよい。そのために本実
施例では、酸化剤供給量調整用ダンパの開度を「最小範
囲」で調整することとしている。
【0037】その後、誘引送風機11の誘引送風機ダン
パ11aを僅かに開いて誘引送風機の運転を再開し、他
の回転蓄熱式バーナRRXの正常な他の熱交換器を通し
て僅かに排気ガスを排出する排出動作を開始する。そし
てこれら正常な熱交換器を通して炉に供給される酸化剤
の量が等しくなるように正常な熱交換器の酸化剤供給量
調整用ダンパ14の開度を調整する。このときの誘引送
風機ダンパ11aの開度は、誘引送風機を流れる排気ガ
スの温度が誘引送風機の耐熱限界温度よりも小さくなる
範囲で、しかも熱交換器の数が多い場合に各熱交換器の
酸化剤供給量調整用ダンパ14の開度の調整に時間がか
かっても各燃焼装置の燃焼に大きな影響を与えることが
ないように定める。酸化剤供給量調整用ダンパ14の開
度の調整は、自動でも手動でもよい。
【0038】次に、全開状態のスタックダンパ7を徐々
に閉じながら、正常な熱交換器を通して排出する排気ガ
スの量を誘引送風機ダンパ11aの開度を調整しながら
増加させ、正常な熱交換器をそれぞれ通して排出する排
気ガスの温度が排気ガスを排出する誘引送風機機器11
の限界温度を考慮して定めた設定上限値を超えない範囲
までスタックダンパ7を閉じる。なお誘引送風機ダンパ
11aの開度も、正常な熱交換器から排出されて誘引送
風機を流れる排気ガスの温度が誘引送風機の限界温度を
考慮して定めた設定上限値以下になる範囲で調整すれば
よい。
【0039】上記の説明は、すべての燃焼装置において
燃焼を維持する場合を前提としたものである。しかしな
がら正常な熱交換器を再動作させる場合において、異常
が発生している熱交換器を備えた回転蓄熱式バーナRR
Xの燃焼を停止させても差支えない場合には、異常が発
生している熱交換器を備えた回転蓄熱式バーナRRXを
消火してもよい。その場合には、異常が発生している熱
交換器に対して設けられた酸化剤供給量調整用ダンパは
完全に閉じ、このバーナに対して設けられた燃料バルブ
と蒸気手元バルブも閉じればよい。
【0040】図3は、上記の動作を実行する場合の工程
を示すフローチャートである。ステップST1〜ST4
までは、制御装置16に内蔵した制御用コンピュータを
利用して自動化することが好ましい工程である。そして
ステップST5〜ST9については、手動及び自動のい
ずれで実行しても何等差支えのない工程である。
【0041】上記実施例では、熱交換器として回転式の
熱交換器を備えた熱回収式燃焼装置を用いた工業炉に本
発明を適用したものであるが、切換式の熱交換器を備え
た熱回収式燃焼装置にも本発明を適用できるのは勿論で
ある。
【0042】以下本願明細書に記載した複数の発明のう
ち幾つかの発明の構成を以下に列挙する。
【0043】(1)炉の壁部に取り付けられた連続燃焼
する複数のバーナと、前記複数のバーナに対してそれぞ
れ1台ずつ設けられた複数の熱交換器と、前記熱交換器
に対して設けられた送風装置とを具備し、前記熱交換器
は、通気性を有する1つの蓄熱体と、酸化剤流路及び排
気ガス流路を備えた流路構造体と、前記蓄熱体と前記流
路構造体との間に相対的な回転運動を付与する回転駆動
機構とを備え、前記熱交換器は前記蓄熱体を通して排気
ガスを排出して前記蓄熱体に蓄熱し且つ蓄熱した前記蓄
熱体を通して酸化剤を加熱して前記炉内に供給するよう
に前記送風装置に接続されており、前記送風装置が、前
記酸化剤流路に酸化剤を供給する押込送風機と、前記排
気ガス流路から前記排気ガスを誘引する誘引送風機とを
具備してなる連続燃焼式バーナを備えた工業炉であっ
て、前記複数の熱交換器を通さずに前記炉から排気ガス
を煙突に排出する排気通路と、前記排気通路に設けられ
て定常時には閉じた状態にある開閉制御可能なスタック
ダンパと、前記複数の熱交換器の異常を検出する熱交換
器異常検出装置と、前記熱交換器異常検出装置が1以上
の前記熱交換器の異常を検出すると、前記スタックダン
パを開き且つ前記回転駆動機構及び前記誘引送風機の運
転を停止させるバーナ燃焼維持装置とを具備することを
特徴とする連続燃焼式バーナを備えた工業炉。
【0044】(2)前記熱交換器異常検出装置は、対応
する前記熱交換器を通る前記排気ガスの温度を検出する
温度センサ及び対応する前記熱交換器の前記回転駆動機
構の駆動源としてのモータに供給される電流値を検出す
る電流センサとを備え、前記温度センサの検出温度及び
前記電流センサの検出電流値の少なくとも一方がそれぞ
れ予め定めた基準値を超えると対応する前記熱交換器に
異常が発生したと判断するように構成されている上記
(1)に記載の連続燃焼式バーナを備えた工業炉。
【0045】(3)前記熱交換器に前記酸化剤を供給す
る前記酸化剤供給通路には酸化剤供給量調整用ダンパと
該酸化剤供給通路を流れる酸化剤の量を検出する酸化剤
供給量検出器とが更に設けられており、前記バーナ燃焼
維持装置は、異常が発生した前記熱交換器及び正常な前
記熱交換器を通してそれぞれ対応するバーナに供給され
る酸化剤の量が、各バーナの燃焼を維持できる量になる
ように、前記酸化剤供給量検出器の出力に基づいて前記
酸化剤供給量調整用ダンパの開度を調整するように構成
されていることを特徴とする上記(2)に記載の連続燃
焼式バーナを備えた工業炉。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、1以上の熱交換器で異
常が発生したときに、すべての熱交換器の蓄熱体を通し
て排気ガスを排出することを停止し、別に設けた排気通
路を通して炉から排気ガスを排出するため、各バーナの
連続燃焼を確実に維持できる利点がある。また1以上の
熱交換器で異常が発生して排気ガスの温度が高くなって
も、排気ガスは送風装置の誘引送風機を通らなくなるた
め、誘引送風機が耐熱限界以上に加熱されることがなく
なって、誘引送風機の寿命が短くなるのを確実に防止で
きる利点がある。
【0047】また本発明の方法によれば、1以上の熱交
換器で異常が発生した場合でも、正常な熱交換器を有す
る熱回収式燃焼装置を有効に利用して、燃焼を維持する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明を管式加熱炉に適用した一実施
例の概略構成図である。
【図2】回転蓄熱式バーナの一例の概略図である。
【図3】図1の実施例において燃焼制御を行う方法の工
程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 加熱炉 2 燃焼室 3 炉床部 4 熱回収式燃焼装置 5 天井部 6 排気通路 7 スタックダンパ 8 押込送風機 9 共通管路 10 接続管路 11 誘引送風機 12 共通管路 13 接続管路 14 酸化剤供給量調整用ダンパ 15 排気ガスダンパ 16 制御装置 PdI 差圧計 RRX 回転蓄熱式バーナ M モータ XA 電流センサ TIA 温度センサ
フロントページの続き (72)発明者 筒井 啓祐 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12 番1号 千代田化工建設株式会社内 (72)発明者 吉岡 利晃 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12 番1号 千代田化工建設株式会社内 (72)発明者 廣瀬 靖夫 神奈川県横浜市中区蓬▲莱▼町2丁目4 番地7 株式会社ファーネステクノ内 (56)参考文献 特開 平6−337110(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23L 15/02 F27D 17/00 101

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続燃焼する複数のバーナと、 前記複数のバーナに対してそれぞれ1台ずつ設けられた
    複数の熱交換器と、 前記複数の熱交換器に対して設けられた送風装置とを具
    備し、 前記熱交換器は通気性を有する1以上の蓄熱体を有して
    おり、しかも前記熱交換器は前記蓄熱体を通して排気ガ
    スを排出して前記蓄熱体に蓄熱し且つ蓄熱した前記蓄熱
    体を通して酸化剤を炉内の対応する前記バーナに供給す
    るように前記送風装置に接続されている熱回収式燃焼装
    置を備えた工業炉であって、 前記複数の熱交換器を通さずに前記炉から排気ガスを排
    出する排気通路と、 前記排気通路に設けられた開閉制御可能なダンパと、 前記複数の熱交換器の異常を検出する熱交換器異常検出
    装置と、 前記熱交換器異常検出装置が1以上の前記熱交換器の異
    常を検出すると、前記ダンパを開き且つ前記複数の熱交
    換器を通して前記排気ガスを排気しないように前記送風
    装置の運転を制御するバーナ燃焼維持装置とを具備する
    ことを特徴とする熱回収式燃焼装置を備えた工業炉。
  2. 【請求項2】前記熱交換器異常検出装置は、前記複数の
    熱交換器を通過後の前記排気ガスの温度をそれぞれ検出
    する複数の温度センサを備え、前記複数の温度センサの
    検出温度に基づいて異常が発生している1以上の前記熱
    交換器を検出するように構成されている請求項1に記載
    の熱回収式燃焼装置を備えた工業炉。
  3. 【請求項3】前記熱交換器は、前記1以上の蓄熱体に対
    して設けられて前記排気ガスの前記炉からの誘引と前記
    酸化剤の前記炉内への押込の際に作動して前記1以上の
    蓄熱体を通しての前記排気ガスの排気と酸化剤の供給と
    を可能にする可動機構と前記可動機構の動力源とを具備
    する請求項1に記載の熱回収式燃焼装置を備えた工業
    炉。
  4. 【請求項4】前記熱交換器異常検出装置は、前記動力源
    に通電される電流値に基づいて対応する前記熱交換器の
    異常を検出するように構成されている請求項3に記載の
    熱回収式燃焼装置を備えた工業炉。
  5. 【請求項5】前記送風装置は前記酸化剤流路に酸化剤を
    供給する押込送風機と前記排気通路から前記排気ガスを
    排風する排風装置とを具備しており、 前記バーナ燃焼維持装置は、前記熱交換器異常検出装置
    が1以上の前記熱交換器の異常を検出すると、前記排風
    装置の運転を停止し、かつ前記排風装置の排風流路を閉
    じることを特徴とする請求項3に記載の熱回収式燃焼装
    置を備えた工業炉。
  6. 【請求項6】前記送風装置は排風装置を備えており、 前記熱交換器は、複数の前記蓄熱体を有し、蓄熱体選択
    機構により選択された1以上の前記蓄熱体を通して前記
    排風装置により前記排気ガスを排出し、前記排気ガスを
    排出していない1以上の前記蓄熱体を通して前記酸化剤
    が前記炉内に供給されるように構成され、 前記バーナ燃焼維持装置は、前記熱交換器異常検出装置
    が1以上の前記熱交換器の異常を検出すると、前記蓄熱
    体選択機構及び前記排風装置の運転を停止し、かつ前記
    排風装置の排風流路を閉じることを特徴とする請求項1
    に記載の熱回収式燃焼装置を備えた工業炉。
  7. 【請求項7】前記熱交換器は、酸化剤流路及び排気ガス
    流路を備えた流路構造体と、1つの前記蓄熱体と前記流
    路構造体との間に相対的な回転運動を付与する回転駆動
    機構とを具備し、 前記送風装置は前記酸化剤流路に酸化剤を供給する押込
    送風機と前記排気通路から前記排気ガスを誘引する誘引
    送風機とを具備しており、 前記バーナ燃焼維持装置は、前記熱交換器異常検出装置
    が1以上の前記熱交換器の異常を検出すると、前記回転
    駆動機構及び前記誘引送風機の運転を停止し、かつ前記
    誘引送風機のダンパを閉じることを特徴とする請求項1
    に記載の熱回収式燃焼装置を備えた工業炉。
  8. 【請求項8】前記送風装置は誘引送風機を備えており、 前記熱交換器は、複数の前記蓄熱体を有し、蓄熱体選択
    機構により選択された1以上の前記蓄熱体を通して前記
    誘引送風機により前記排気ガスを排出し、前記排気ガス
    を排出していない1以上の前記蓄熱体を通して前記酸化
    剤が前記炉内に供給されるように構成され、 前記バーナ燃焼維持装置は、前記熱交換器異常検出装置
    が1以上の前記熱交換器の異常を検出すると、前記蓄熱
    体選択機構及び前記誘引送風機の運転を停止し、かつ前
    記誘引送風機に設けられた誘引送風機ダンパを閉じるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の熱回収式燃焼装置を備
    えた工業炉。
  9. 【請求項9】前記複数の熱交換器にそれぞれ供給される
    前記酸化剤の量を検出する複数の酸化剤供給量検出器と
    前記複数の熱交換器への前記酸化剤の供給量を調節する
    ために前記複数の熱交換器に対してそれぞれ設けられた
    複数の酸化剤供給量調整用ダンパとを更に備え、 前記バーナ燃焼維持装置は、異常が発生した前記熱交換
    器及び正常な前記熱交換器を通してそれぞれ対応するバ
    ーナに供給される酸化剤の量が、それぞれ対応するバー
    ナの燃焼を維持できる量になるように、対応する前記酸
    化剤供給量検出器の出力に基づいて対応する前記酸化剤
    供給量調整用ダンパの開度を調整する指令を出力するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の熱回収式燃焼装置を備
    えた工業炉。
  10. 【請求項10】連続燃焼する複数のバーナに対して1台
    ずつ複数の熱交換器が設けられ、 前記複数の熱交換器がそれぞれ通気性を有する1以上の
    蓄熱体を通して排気ガスを排出することにより前記蓄熱
    体に蓄熱し且つ蓄熱した前記蓄熱体を通して酸化剤を炉
    内の対応する前記バーナに供給するように構成されてい
    る熱回収式燃焼装置を備えた工業炉の燃焼制御方法であ
    って、 1以上の前記熱交換器に異常が発生したときには、すべ
    ての前記複数の熱交換器の蓄熱体を通して前記排気ガス
    を排出することを停止し、前記複数の熱交換器とは別に
    設けた排気通路を通して前記炉から排気ガスを排出して
    前記複数のバーナの連続燃焼を維持することを特徴とす
    る熱回収式燃焼装置を備えた工業炉の燃焼制御方法。
  11. 【請求項11】前記複数の熱交換器に供給される前記酸
    化剤の量をそれぞれ検出する複数の酸化剤供給量検出器
    と前記複数の熱交換器に対して設けられて対応する前記
    熱交換器への前記酸化剤の供給量を調整する酸化剤供給
    量調整用ダンパとを更に設け、 前記異常が発生した前記熱交換器及び正常な前記熱交換
    器を通して対応するバーナに供給される酸化剤の量を前
    記酸化剤供給量検出器を用いてそれぞれ測定しながら、
    前記複数のバーナに供給される酸化剤の量が各バーナの
    燃焼を維持する量になるように前記酸化剤供給量調整用
    ダンパの開度を調整することを特徴とする請求項10に
    記載の熱回収式燃焼装置を備えた工業炉の燃焼制御方
    法。
  12. 【請求項12】前記異常が発生した熱交換器に対して設
    けられた前記酸化剤供給量調整用ダンパの開度をバーナ
    の燃焼維持に必要な最小範囲まで小さくした上で前記異
    常が発生した熱交換器の排気ガスダンパを閉じ、 その後前記他の熱交換器を通して僅かに排気ガスを排出
    する排出動作を開始し、 前記他の熱交換器をそれぞれ通して前記炉に供給される
    前記酸化剤の量がそれぞれ等しくなるように前記他の熱
    交換器の前記酸化剤供給量調整用ダンパの開度を調節
    し、 前記排気通路を閉じながら前記他の熱交換器を通して排
    出する排気ガスの量を増加させ、前記他の熱交換器をそ
    れぞれ通して排出する排気ガスの温度が排気ガスを排出
    する機器の限界温度を考慮して定めた設定上限値を超え
    ない範囲まで前記排気通路を閉じることを特徴とする請
    求項11に記載の熱回収式燃焼装置を備えた工業炉の燃
    焼制御方法。
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