JP3509985B2 - 半導体デバイスのチップ分離方法 - Google Patents

半導体デバイスのチップ分離方法

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JP3509985B2
JP3509985B2 JP6599495A JP6599495A JP3509985B2 JP 3509985 B2 JP3509985 B2 JP 3509985B2 JP 6599495 A JP6599495 A JP 6599495A JP 6599495 A JP6599495 A JP 6599495A JP 3509985 B2 JP3509985 B2 JP 3509985B2
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雅治 森安
信一 寺薗
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】この発明は、導体金属層と半導体ウエハ層
の積層体である半導体デバイスに関し、詳しくは放熱用
の導体金属である金とGaAsウエハの積層体である高
周波デバイスなど、チップ分離部に導体金属層と半導体
ウエハ層の積層体が存在する半導体デバイスのチップ分
離方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体デバイスのチップ分離法と
してはダイヤモンドホイールによるダイシングカット方
式がある。この方式には、例えば、「産業工具事典」
(産業工具事典編集委員会編集、株式会社産業調査会出
版部発行)の第634および635頁に記載されている
ように、ウエハ厚さの1/2以上を切り込んで分離(ブ
レーキング)する方法と、片面が粘着テープとなったシ
ート状材料にウエハを貼り付けてシート状材料を少し切
り込んで完全切断する方法がある。
【0003】ダイシングカット方式においては、分離部
のほとんどの部分が硬脆材料である半導体ウエハで構成
されている場合には、その硬脆性のため良好に切断分離
が可能である。しかし、分離部が金属のみで構成されて
いる場合や半導体ウエハに対して金属の割合が多く構成
されている場合には、金属の存在により柔らかく粘りが
あるため、バリが発生し易くチップの信頼性を大きく低
下させるという問題点があった。また、高周波デバイス
等ではウエハ厚さが約30μm程度と非常に薄くなる
が、このようにウエハ厚さが薄くなると割れやすくなり
切断速度を速くできないため、切断効率が著しく低下す
るという問題点があった。このような理由から、ダイシ
ングカット方式を、放熱用の厚い導体金属層と半導体ウ
エハ層の積層体であるGaAs高周波デバイス等には適
用することは困難であった。
【0004】このような問題点を解決する手段として、
エッチカット方式がある。図12はエッチカット方式に
よる半導体デバイスのチップ分離方法を示す各工程の断
面図であり、図において、1は放熱用の導体金属層、2
は半導体ウエハ層、13は導体金属層1と半導体ウエハ
層2の積層体である半導体デバイス、3はチップ分離
溝、4は半導体チップ層除去部、5は導体金属層除去
部、11は半導体ウエハ層2を貼り付けるガラス板、1
2は半導体ウエハ層2とガラス板11とを貼り付けるた
めのワックスである。
【0005】次に動作について説明する。図12(a)
に示すように、表面に回路を裏面に放熱用の導体金属層
1をそれぞれ形成させた半導体ウエハ層2の表面に、ワ
ックス12を用いてガラス板11を貼り付ける。次に、
図12(b)に示すように、裏面からチップ分離部の導
体金属層1をスパッタリングにより除去して、導体金属
層除去部5を形成させる。次に、図12(c)に示すよ
うに、分離部の半導体ウエハ層2であるGaAsを酸を
用いたウエットエッチングにより除去して、半導体チッ
プ層除去部4を形成させる。このようにして、分離溝3
が形成される。そして、この半導体ウエハ層2を貼り付
けたガラス板11を剥離液の中に投入し、ワックス12
を溶解させ、分離したチップを剥離液中から拾い上げる
ことによりチップ分離が完了する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の半導体デバイス
のチップ分離方法は以上のように構成されているので、
剥離液中で分離したチップ同士が接触しチップ表面に傷
が生じること、剥離液中のワックス残渣などの異物がチ
ップに付着すること、さらにチップは全て人間の手によ
り回収されるため全てのチップを完全に回収することが
困難であること等の理由により、チップの歩留りを低下
させるという問題点があった。
【0007】また、剥離液中でバラバラになったチップ
を再び並べ直さなければならないため、チップ分離の自
動化が不可能であるという問題点もあった。
【0008】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、チップ分離部にバリ等を発生さ
せない、高効率な、そして自動化が容易で歩留りの良好
な半導体デバイスのチップ分離方法を得ることを目的と
する
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る半
導体デバイスのチップ分離方法は、分離部の半導体ウエ
ハ層部分を除去し露出した導体金属層にエネルギビーム
を照射してこれを溶断するものである。
【0010】請求項2の発明に係る半導体デバイスのチ
ップ分離方法は、分離に先立って分離部の導体金属層の
厚さをその分離部以外の導体金属層の厚さよりも小さく
するものである。
【0011】請求項3の発明に係る半導体デバイスのチ
ップ分離方法は、分離に先立って導体金属層の半導体ウ
エハ層に接しない側の表面に、エネルギビームの吸収係
数が20cm-1以下のエキスパンドシートを貼り付けた
ものである。
【0012】請求項4の発明に係る半導体デバイスのチ
ップ分離方法は、導体金属層の溶融幅が分離部の照射導
体金属層の最小厚さの1.8倍以上となるようにエネル
ギビームを照射して導体金属層を溶融させ、この溶融部
分を表面張力により溶断するものである。
【0013】請求項5の発明に係る半導体デバイスのチ
ップ分離方法は、分離部の半導体ウエハ層部分を除去す
ることなく、半導体デバイスの導体金属層側からチップ
分離部分にエネルギビームを照射して、分離部において
導体金属層を溶断し半導体ウエハ層を割断するものであ
る。
【0014】請求項6の発明に係る半導体デバイスのチ
ップ分離方法は、分離に先立って分離部の半導体ウエハ
層の厚さをその分離部以外の半導体ウエハ層の厚さより
も小さくするものである。
【0015】請求項7の発明に係る半導体デバイスのチ
ップ分離方法は、導体金属層の半導体ウエハ層に接しな
い側の表面に貼り付けるエキスパンドシートにガス抜き
用の微細孔を設けるものである。
【0016】請求項8の発明に係る半導体デバイスのチ
ップ分離方法は、エネルギビームの形状をエネルギビー
ムと半導体デバイスの相対移動方向に長く、これに直交
する方向に短い偏平状とするものである。
【0017】
【0018】
【作用】請求項1の発明における半導体デバイスのチッ
プ分離方法は、分離部の半導体ウエハ層部分を除去し露
出した導体金属層にエネルギビームを照射してこれを溶
断することにより、分離部においてバリが発生すること
なく、ウエハ厚さが薄くても割れにくいため加工速度を
速くできる。
【0019】請求項2の発明における半導体デバイスの
チップ分離方法は、分離部の導体金属層の厚さをその分
離部以外の導体金属層の厚さより小さくすることによ
り、分離部に投入するエネルギビームのエネルギを小さ
くでき、これにより、半導体チップへの熱的なダメージ
を低減できるため、チップの周縁部を分離部により近づ
けることが可能となる。
【0020】請求項3の発明における半導体デバイスの
チップ分離方法は、分離に先立って導体金属層の半導体
ウエハ層に接しない側の表面にエネルギビームの吸収係
数が20cm-1以下のエキスパンドシートを貼り付け、
導体金属層にエネルギビームを照射することにより、こ
の導体金属の照射部分はエネルギビームを吸収して溶断
されるが、エキスパンドシートはエネルギビームの吸収
係数が20cm-1以下と低いため完全には分離しない。
このため、エネルギビーム照射によりチップ分離が完了
した後でも、チップは互いにバラバラになることがな
い。
【0021】請求項4の発明における半導体デバイスの
チップ分離方法では、半導体ウエハ層部分を除去し露出
した導体金属層にエネルギビームを照射してこれを溶断
する場合において、この導体金属層部分を溶融させる
と、この溶融部分は表面張力によって、溶融端に接する
溶融していない導体金属部分にその両端をそれぞれ引き
寄せられる。ここで、溶融幅を溶融前の導体金属層の最
小厚さの1.8倍以上とした場合には、上記の溶融端に
接する溶融していない導体金属層部分に溶融部分の両端
がそれぞれ引き寄せられると、溶融部分は二つの部分に
完全に分離し、もはや互いに接触しなくなる。これによ
り、バリやスプラッシュなどの飛散物が発生しない。
【0022】請求項5の発明における半導体デバイスの
チップ分離方法では、分離部の導体金属層の厚さがその
分離部以外の厚さよりも小さい導体金属層の半導体ウエ
ハ層に接しない側の表面に、エキスパンドシートを貼り
付けることにより、分離部裏側には導体金属とエキスパ
ンドシートに囲まれたトンネル状の空間ができる。この
分離部にエネルギビームをエキスパンドシート側から
キスパンドシートを透過させて照射し、分離部の導体金
属層部分を溶断すると、溶断時に発生するスプラッシュ
はトンネル状の空間に閉じこめられるため周囲に飛散す
ることがなくなる。また、このエネルギビームの照射時
に分離部に発生する熱によって半導体ウエハ部分には熱
応力によるクラックが発生するため、これによって導体
金属層の溶断と同時に半導体ウエハ層を割断してチップ
分離が可能となる。
【0023】請求項6の発明における半導体デバイスの
チップ分離方法では、半導体ウエハの割断に先だって、
分離部の半導体ウエハ層の厚さをその分離部以外の厚さ
よりも小さくすることにより、割断に必要なエネルギを
減少させることができる。このため、分離部に投入する
エネルギビームのエネルギを小さくでき、これにより、
半導体チップへの熱的なダメージを小さくできるため、
チップの周縁部を分離部により近づけることが可能とな
る。
【0024】請求項7の発明における半導体デバイスの
チップ分離方法は、導体金属層の半導体ウエハ層に接し
ない側の表面に貼り付けるエキスパンドシートにガス抜
き用の微細孔を設けることにより、エネルギビーム照射
時に加工部から発生するスプラッシュ等の比較的大きな
粒子の飛散抑制効果を損なうことなく、加工部から発生
する蒸気を逃がすことができるので、分離加工中に導体
金属層とエキスパンドシートに囲まれた空間の圧力上昇
を防止できる。
【0025】請求項8の発明における半導体デバイスの
チップ分離方法は、エネルギビームの形状をエネルギビ
ームと半導体デバイスの相対移動方向に長くこれに直交
する方向に短い偏平状とすることにより、投入エネルギ
を下げることなく、また分離溝幅を拡げることなしに、
加工部のピークパワー密度を低く保ちつつエネルギビー
ムを加工部に照射できる。このため、被加工物の蒸発を
抑制させつつスプラッシュの発生なしに加工速度を増大
できる。また、半導体チップへの熱的なダメージも低減
できるため、チップの周縁部を分離部により近づけるこ
とができる。
【0026】
【0027】
【実施例】
実施例1.以下この発明の一実施例を図について説明す
る。図1はこの発明の実施例1による半導体デバイスの
チップ分離方法を示す各工程の断面図である。なお、従
来のものと同一符号は同一または相当部分を示すので説
明を省略する。図において、6はYAGレーザを用いた
エネルギビーム、7はエネルギビーム6を導体金属層1
に照射することにより生じる溶融凝固部である。
【0028】次に動作について説明する。まず、図1
(a)に示すように、半導体ウエハ層2である厚さ約3
0μmのGaAsウエハ層裏面に、放熱用の導体金属層
1である厚さ5〜40μmの金をめっきにより形成さ
せ、このようにして得られる半導体デバイス13を真空
チャックにより直接、導体金属層側より固定した。
【0029】そして、図1(b)に示すように、過酸化
水素と酒石酸の混合液によるウエットエッチングによっ
て、チップ分離部を中心として幅約100μmにわたり
半導体ウエハ層2を除去し、半導体ウエハ層除去部4を
形成させた。この半導体ウエハ層除去部4側から露出し
た導体金属層1にエネルギビーム6を照射して、導体金
属層1を約80μmの幅で溶融させた。この溶融幅の決
定方法については後述する。用いたYAGレーザは、平
均出力2W、パルス幅300μs、周波数400Hzで
発振し、焦点距離80mmのレンズを用いて集光点が導
体金属層1の照射側表面から1mm離れたこの導体金属
層1の内部位置となるように照射し、0.1m/分の速
度でレーザ光とチップ分離部を相対移動させた。ここ
で、相対移動とは、レーザ光とチップ分離部のうちいず
れか一方を静止させておいて他の一方を移動させる場
合、ならびに両方を移動させる場合を意味する。なお、
このとき通常のレーザ切断で用いられるようなアシスト
ガスは用いなかった。
【0030】このようにして、図1(c)に示すよう
に、溶融凝固部7が生じチップ分離溝3が形成された。
この時、エネルギビーム照射部で導体金属層1は溶融す
るだけで、スプラッシュや蒸気等の発塵物は全く発生し
なかった。また、ビーム照射部周辺には、エネルギ密度
の高いレーザ光が照射されないように真空チャックに溝
を設けたため、チャック部がレーザにより損傷すること
もなかった。この実施例1によれば、従来、ダイシング
カット方式ではウエハ1枚を処理するのに8時間を要し
ていたのが3時間に短縮され、またチップ分離後も真空
チャック上にチップが並んでおり、エッチカット方式の
ようにバラバラになることがないため、チップの歩留り
を向上させることができる。
【0031】次に、導体金属層1を溶融させて、この溶
融部分を表面張力により溶断する場合の導体金属層1の
厚さと溶融溝幅の関係を図について説明する。図2は表
面張力により溶断したチップ分離部の断面図であり、図
において、hは導体金属層1の厚さ、Wは溶融溝幅、r
は導体金属層1の溶融凝固部7の半径、Sは溶融凝固部
7の面積、θは図中の角度とすると、 S=(π−θ+cosθ・sinθ)r2 (1) 2S=Wh (2) h=2rsinθ (3) となり、式(1)に式(2)および(3)を代入して、 W/h=(π−θ+cosθ・sinθ)/2sin2 θ (4) となる。2つの溶融凝固部7が接触しない条件は、 2r(1+cosθ)<W (5) だから、式(4)および(5)から W/h=(π−θ+cosθ・sinθ)/2sin2 θ >(1+cosθ)/sinθ (6) が得られる。
【0032】したがって、接触しない限界溶融溝幅をW
cとすると、このときのθは式(6)において>を=と
して約57度となる。よって、式(6)においてθ=5
7度として、限界溶融幅Wcと導体金属層1の厚さhの
関係を求めると、 Wc=1.8h (7) となり、溶融溝幅Wが導体金属層1の厚さhの1.8倍
以上では表面張力による溶断が生じることになる。この
結果に基づいて、実際に溶融溝幅Wと導体金属層1の厚
さhとの関係を調べたところ、実測値と式(7)で示さ
れる計算値とはよく一致した。
【0033】実施例2.上記実施例1では、分離部の導
体金属層1を加工していないものについて示したが、図
3(b)に示すように、分離に先立って導体金属層除去
部5を形成してもよく、上記実施例1と同様の効果を奏
することができる。
【0034】図3(a)に示すように、上記実施例1で
用いたのと同じ半導体デバイス13を用いた。図3
(b)に示すように、ウエットエッチングによって、チ
ップ分離部を中心として幅約50μmにわたり半導体ウ
エハ層2を除去し、半導体ウエハ層除去部4を形成させ
た。さらに、Arイオンによるイオンミリングでこの分
離部の導体金属層1を裏面から最小厚さ約5μmまでエ
ッチングして導体金属層除去部5を形成した。そして、
この半導体ウエハ層除去部4側から導体金属層1にエネ
ルギビーム6を照射して、導体金属層1を約20μmの
幅で溶融した。これによって、図3(c)に示すよう
に、溶融凝固部7が生じチップ分離溝3が形成された。
なお、用いたYAGレーザは、ビームスプリッタにより
1/10の出力とした上で、焦点距離80mmのレンズ
を用いて集光点が、導体金属層1の表面となるように照
射した。
【0035】このように、エネルギビーム6によって投
入される熱量が少なくて済むため、上記実施例1より
も、半導体チップへの熱的なダメージを低減することが
でき、チップ分離溝3の中心位置からチップ端までの距
離を上記実施例1の場合の50μmから25μmにまで
低減することができた。その結果、1枚のウエハから採
取できるチップ量を増加できる。
【0036】実施例3.上記実施例2では、分離したチ
ップを保持するシート状材料を用いないものについて示
したが、図4(b)に示すように、分離に先立って導体
金属層1の半導体ウエハ層2に接しない側の表面に、Y
AGレーザに対する吸収係数が20cm-1のシート状材
料8を貼り付けてもよく、上記実施例2と同様の効果を
奏することができる。このような、シート状材料8とし
ては、例えば、YAGレーザに対する吸収係数が17.
2cm-1のウエハ固定用エキスパンドシートを用いるこ
とができる。
【0037】図4(a)に示すように、上記実施例2で
用いたのと同じ半導体デバイス13を用いた。図4
(b)に示すように、半導体ウエハ層2を除去して半導
体ウエハ層除去部4を形成させ、さらに導体金属層1を
エッチングして導体金属層除去部5を形成させ、次いで
導体金属層1の半導体ウエハ層2に接しない側の表面
に、シート状材料8であるYAGレーザに対する吸収係
数が17.2cm-1のウエハ固定用エキスパンドシート
を貼り付けた。さらに、この半導体ウエハ層除去部4側
から導体金属層1にエネルギビーム6を照射して、導体
金属層1を約20μmの幅で溶融した。これにより、図
4(c)に示すように、溶融凝固部7が生じチップ分離
溝3が形成された。
【0038】このように、この実施例3によれば、導体
金属層1の表面にシート状材料8を貼り付けているた
め、分離したチップがエッチカット方式のようにバラバ
ラにならないのは勿論のこと、真空チャック上からチッ
プを移動させても、シート状材料8上にチップが保持さ
れて並んでいるため、上記実施例2よりも、チップの歩
留まりが向上する。さらに、シート状材料8を引き延ば
すことにより個々のチップ間には十分な隙間が形成され
るため、チップをひとつずつ容易に移動させることがで
きるようになり、ハンドリングが容易で自動化が可能と
なる。なお、用いたエキスパンドシートは、エネルギビ
ーム照射による温度上昇はほとんどなく、損傷もみられ
なかった。
【0039】ここで、シート状材料8の吸収係数につい
て検討した結果について説明する。吸収係数が10〜3
0cm-1の範囲の種々のシート状材料について、用いた
YAGレーザによる損傷を調べたところ、導体金属層1
を溶断できるエネルギ範囲では吸収係数が20cm-1
越えると、シート状材料8が溶断されることが判明し
た。このことから、エネルギビーム6に対する吸収係数
が20cm-1以下のシート状材料が用いられることが明
らかになった。
【0040】実施例4.上記実施例3では、エネルギビ
ーム6を半導体ウエハ層除去部4側から照射した場合を
示したが、図5(b)に示すように、導体金属層1の半
導体ウエハ層2に接しない表面にシート状材料8を貼り
付け、この状態でウエハ周辺のシート状材料8をチャッ
クに固定することによって、この半導体デバイスを導体
金属層側である裏面側に空間をあけた状態で固定し、導
体金属層除去部5側から導体金属層1にエネルギビーム
6であるYAGレーザを照射してもよく、上記実施例3
と同様の効果を奏することができる。なお、図5(a)
に示すように、用いた半導体デバイス13は上記実施例
3で用いたものと同じであり、レーザはビームスプリッ
タによりレーザ出力を低下させずに照射し、レーザ光と
チップ分離部の相対移動速度は0.2m/分とした。
【0041】これにより図5(c)に示すように、導体
金属層1に溶断による切断部9が生じチップ分離溝3が
形成された。この時、ビーム照射部で導体金属層1は蒸
発・溶融し、ビーム照射側にスプラッシュや蒸気等の発
塵物が発生したが、これらは導体金属層1とシート状材
料8に囲まれた空間中にトラップされ周辺に飛散するこ
とはなかった。また、半導体ウエハ層除去部4側には、
切断加工中にアシストガスを用いなかったため、スプラ
ッシュ等はほとんど発生しなかった。ここで、用いたエ
キスパンドシートは、エネルギビーム照射による温度上
昇はほとんどなく、損傷もみられなかった。また、エネ
ルギ密度の高いレーザ光を用いて導体金属層1を溶断す
るため、レーザ出力を低下させて用いている実施例3よ
りもウエハ1枚の処理時間が2時間に更に短縮できる。
【0042】実施例5.上記実施例4では、導体金属層
1をエネルギ密度の高いレーザで切断した場合を示した
が、エネルギ密度を低くして導体金属層1を溶融させ表
面張力により溶断してチップ分離を行ってもよく、上記
実施例4と同様の効果を奏することができる。なお、こ
の実施例5では、導体金属層1を溶融させ表面張力によ
り溶断しているため、上記実施例4のように、ビーム照
射側にスプラッシュや蒸気等の発塵物が発生しないとい
う利点がある。
【0043】実施例6.上記実施例4では、ウエットエ
ッチングによってチップ分離部の半導体ウエハ層2を除
去し、半導体ウエハ層除去部4を形成させたものについ
て示したが、図6(b)に示すように、このような半導
体ウエハ層除去部4を形成させなくてもよく、上記実施
例4と同様の効果を奏することができる。なお、図6
(a)に示すように、用いた半導体デバイス13は上記
実施例4で用いたものと同じであり、レーザ光とチップ
分離部の相対移動速度は0.1m/分とした。
【0044】これにより図6(c)に示すように、切断
部9が生じた。また、半導体ウエハ層2であるGaAs
には切断部を通して照射されるレーザ光によってクラッ
ク10が生じ完全に割断され、チップ分離溝3が形成さ
れた。また、1回のエネルギビーム照射によって導体金
属層1を溶断し、かつ半導体ウエハ層2を割断できるた
め、上記実施例4よりも、ウエットエッチング工程を省
略できこれによりプロセスを簡素化できるとともに、半
導体ウエハ層除去部4がないためチップ同士をより近接
することができ、1枚のウエハから採取できるチップ量
を増加できる。
【0045】実施例7.上記実施例6では、導体金属層
1をエネルギ密度の高いレーザで切断した場合を示した
が、エネルギ密度を低くして導体金属層1を溶融させ表
面張力により溶断してチップ分離を行ってもよく、上記
実施例6と同様の効果を奏することができる。なお、こ
の実施例7では、導体金属層1を溶融させ表面張力によ
り溶断しているため、上記実施例6のように、エネルギ
ビーム照射側にスプラッシュや蒸気等の発塵物が発生し
ないという利点がある。
【0046】実施例8.上記実施例6では、半導体ウエ
ハ層除去部4を形成させない場合について示したが、図
7(a)に示すように、ウエットエッチングによって、
チップ分離部を中心として幅約30μmにわたり半導体
ウエハ層2を表面から最小厚さ約5μmまで除去し、半
導体ウエハ層除去部4を形成させてもよく、上記実施例
6と同様の効果を奏することができる。なお、図7
(c)に示すように、レーザ光は導体金属層除去部5側
から照射し、レーザ光とチップ分離部の相対移動速度は
0.2m/分とした。
【0047】これにより図7(c)に示すように、切断
部9が生じた。また、半導体ウエハ層2であるGaAs
には切断部を通して照射されるレーザ光によってクラッ
ク10が生じ完全に割断され、チップ分離溝3が形成さ
れた。また、1回のエネルギビーム照射によって導体金
属層1を溶断し、かつ半導体ウエハ層2を割断できるな
ど上記実施例6の効果とともに、分離部の半導体ウエハ
層2の厚さを予めウエットエッチングによって薄くして
おくため、上記実施例6よりも加工速度を増大すること
ができる。
【0048】実施例9.上記実施例8では、導体金属層
1をエネルギ密度の高いレーザで切断した場合を示した
が、エネルギ密度を低くして導体金属層1を溶融させ表
面張力により溶断してチップ分離を行ってもよく、上記
実施例8と同様の効果を奏することができる。なお、こ
の実施例9によれば、導体金属層1を溶融させ表面張力
により溶断しているため、上記実施例8のように、エネ
ルギビーム照射側にスプラッシュや蒸気等の発塵物が発
生しないという利点がある。
【0049】実施例10.上記実施例4では、シート状
材料8としてエキスパンドシートを用いたが、図8
(b)に示すように、このエキスパンドシートに予めガ
ス抜きの微細孔14を設けたものを用いてもよく、上記
実施例4と同様の効果を奏することができる。このよう
なシート状材料8としては、孔径約20μmの貫通孔を
1cm2 当たり約1万個から約16万個設けたものを用
いることができる。なお、図8(a)に示すように、用
いた半導体デバイス13は実施例4で用いたものと同じ
である。
【0050】これにより図8(c)に示すように、導体
金属層1に溶断による切断部9が生じチップ分離溝3が
形成された。この時、エネルギビーム照射部で導体金属
層1は蒸発・溶融し、エネルギビーム照射側にスプラッ
シュや蒸気等の発塵物が発生したが、これらは導体金属
層1とシート状材料8に囲まれた空間中にトラップされ
周辺に飛散することはなく、シート状材料8の微細孔1
4から出た蒸気はチップ表面には付着することはなかっ
た。このように、シート状材料8にガス抜きの微細孔1
4を設けたことににより、実施例4のように、導体金属
層1とシート状材料8に囲まれた空間が加工時の熱等で
圧力上昇することがないため、分離したチップがシート
状材料8から剥離しないように制御できる。
【0051】実施例11.上記実施例10では、導体金
属層1をエネルギ密度の高いレーザで切断した場合を示
したが、エネルギ密度を低くして導体金属層1を溶融さ
せ表面張力により溶断してチップ分離を行ってもよく、
上記実施例10と同様の効果を奏することができる。な
お、この実施例11によれば、導体金属層1を溶融させ
表面張力により溶断しているため、上記実施例10のよ
うに、エネルギビーム照射側にスプラッシュや蒸気等の
発塵物が発生しないという利点がある。
【0052】実施例12.上記実施例3では、エネルギ
ビーム6としてビームスプリッタにより1/10の出力
としたYAGレーザを用いたが、焦点距離80mmのシ
リンドリカルレンズを用いて、導体金属層1の表面にお
ける集光スポット形状が、図9に示すような、エネルギ
ビーム6と半導体デバイス13の相対移動方向に長く、
その相対移動方向に直行する方向に短い偏平状のものを
用いてもよく、実施例3と同様の効果を得ることができ
る。この実施例12では、集光スポットの形状は、長軸
方向幅4mm、短軸方向幅20μmの偏平状で、そのエ
ネルギ分布が図10に示すような、長軸方向および短軸
方向の分布が長軸中心線および短軸中心線に対してそれ
ぞれ対称であるものを用い、チップ分離部をレーザ光に
対して0.4m/分の相対速度で移動させた。
【0053】このように、分離部の導体金属層1の照射
面での集光スポット形状を上記のような偏平状とするこ
とにより、ビームスプリッタによりレーザ出力を低下さ
せることなく、導体金属層1への照射面積を長軸方向で
あるチップの分離方向に飛躍的に増大させることが可能
となる。したがって、加工部のピークパワー密度および
加工溝幅を変化させずに、実施例3に比べて導体金属層
1の蒸発を抑制させつつ加工速度を増大させることがで
きる。
【0054】実施例13.上記実施例12では、エネル
ギビーム6の集光スポットのエネルギ分布が、長軸方向
および短軸方向において、長軸中心線および短軸中心線
に対してそれぞれ対称のものを用いたが、長軸方向のエ
ネルギ分布が長軸中心線に対して対称でないものを用い
ても実施例12と同様の効果を奏することができる。こ
の実施例13では、エネルギビーム6であるYAGレー
ザ発振器内の全反射鏡と部分反射鏡のアライメントをず
らすことにより、図11に示すように、初期の立ち上が
り部分を除いてエネルギ分布の高い方がエネルギビーム
6の相対的進行方向に向かって常に前となるようにし
て、チップ分離部をレーザ光に対して0.6m/分の相
対速度で移動させた。
【0055】一般に、金属材料にレーザ光を照射した場
合、溶融するまではレーザ光に対する吸収率は低く、溶
融すると急激に吸収率が増加する。このため、図11に
示すような、初期の部分に比較的高いエネルギ密度をも
つエネルギビーム6が照射されると、表面が直ちに溶融
状態となり吸収率が増加し、その後のエネルギビーム6
を効率よく吸収できる。上記実施例12で用いた図10
に示すような、初期の部分のエネルギ密度が低いエネル
ギビーム6が照射されると、この間はエネルギビームの
有効吸収量が少ないため効率が低い。したがって、この
実施例13によれば、エネルギビーム照射後に表面が直
ちに溶融状態となり吸収率が増加するため、実施例12
のようにエネルギビームの吸収率が低下せず、さらに加
工速度を増大させることが可能となる。
【0056】なお、上記実施例1〜3、5、7、9およ
び11〜13においては、エネルギビームの照射によっ
て溶融した導体金属層の溶融幅は、いずれの場合も照射
導体金属層の最小厚さの1.8倍以上であった。
【0057】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
分離部の半導体ウエハ層部分を除去し露出した導体金属
層部分にエネルギビームを照射してこれを溶断すること
によってチップを分離するように構成したので、チップ
分離部においてバリやスプラッシュなどの飛散物を発生
させることなく、高効率に半導体ウエハのチップ分離を
行うことができる効果がある。
【0058】請求項2の発明によれば、分離に先立っ
て、分離部の露出した導体金属層の厚さをその分離部以
外の導体金属層の厚さよりも小さくするように構成した
ので、半導体チップへの熱的なダメージを低減できるた
め、チップの周縁部を分離部により近づけることが可能
となり、したがって、1枚のウエハから採取できるチッ
プ量を増加できる効果がある。
【0059】請求項3の発明によれば、分離に先立っ
て、導体金属層の半導体ウエハ層に接しない側の表面
に、エネルギビームの吸収係数が20cm-1以下のエキ
スパンドシートを貼り付けるように構成したので、この
導体金属層の照射部分はエネルギビームを吸収して溶断
されるが、エキスパンドシートは完全には分離しない。
したがって、エネルギビーム照射によりチップ分離が完
了した後でも、チップは互いにバラバラにならずエキス
パンドシートに保持されるため、自動化が容易となる効
果がある。
【0060】請求項4の発明によれば、導体金属層の溶
融幅が、エネルギビームが照射される導体金属層の最小
厚さの1.8倍以上となるようにエネルギビームを照射
して導体金属層を溶融させ、この溶融部分を表面張力に
より溶断することによってチップを分離するように構成
したので、溶融端に接する溶融していない導体金属部分
に溶融部分の両端が引き寄せられると、溶融部分は二つ
の部分に完全に分離し、もはや互いに接触しなくなるの
で、チップ分離が完了した後でも、チップはバラバラに
なることがない。したがって、分離加工の自動化が容易
となることに加えて、チップ分離時の発塵によるチップ
歩留まりの低下を防止できる効果がある。
【0061】請求項5の発明によれば、分離に先立っ
て、分離部の導体金属層の厚さをその分離部以外の導体
金属層の厚さよりも小さくし、その後導体金属層の半導
体ウエハ層に接しない側の表面にエキスパンドシート
貼り付け、このエキスパンドシート側からこのエキスパ
ンドシートに対する吸収係数が20cm-1以下であるエ
ネルギビームを照射して、分離部の導体金属層を溶断
し、かつ分離部の半導体ウエハ層を割断することによっ
てチップを分離するように構成したので、分離中にチッ
プ表面には溶融物が存在しなくなるため、チップ表面へ
の発塵を防止できチップ歩留まりの低下を更に抑制する
ことができる。また、エネルギビームの照射時に分離部
に発生する熱によって半導体ウエハ部分には熱応力によ
るクラックが発生するため、導体金属層の溶断と同時に
半導体ウエハ層を割断してチップ分離を可能とする効果
がある。
【0062】請求項6の発明によれば、分離に先立っ
て、分離部の半導体ウエハ層の厚さをその分離部以外の
半導体ウエハ層の厚さよりも小さくするように構成した
ので、分離部に投入するエネルギビームのエネルギを小
さくでき、これにより、半導体チップへの熱的なダメー
ジを小さくできる。したがって、チップの周縁部を分離
部により近づけることが可能となり、1枚のウエハから
採取できるチップ量を増加できる効果がある。
【0063】請求項7の発明によれば、エキスパンドシ
ートにガス抜き用の微細孔を設けるように構成したの
で、エネルギビーム照射時に加工部から発生するスプラ
ッシュ等の比較的大きな粒子の飛散抑制効果を損なうこ
となく、加工部から発生する蒸気を逃がすことができる
ので、分離加工中に導体金属層とエキスパンドシート
囲まれた空間の圧力上昇を防止でき、チップがエキスパ
ンドシートから剥離することを防止できる効果がある。
【0064】請求項8の発明によれば、分離部の導体金
属層の照射表面におけるエネルギビームの形状を、エネ
ルギビームと半導体デバイスの相対移動方向に長く、そ
の相対移動方向に直交する方向に短い偏平状とするよう
に構成したので、投入エネルギを下げることなく、また
分離溝幅を拡げることなしに、加工部のピークパワー密
度を低く保ちつつエネルギビームを加工部に照射でき
る。また、被加工物の蒸発を抑制させつつスプラッシュ
の発生なしに、加工速度を大幅に増大させることが可能
となる。したがって、半導体チップへの熱的なダメージ
も小さくできるため、チップを分離部により近づけるこ
とができ、これにより1枚のウエハから採取できるチッ
プ量を増加できる効果がある。
【0065】
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1による半導体デバイスの
チップ分離方法を示す各工程の断面図である。
【図2】 この発明の実施例1による半導体デバイスの
チップ分離部を示す断面図である。
【図3】 この発明の実施例2による半導体デバイスの
チップ分離方法を示す各工程の断面図である。
【図4】 この発明の実施例3による半導体デバイスの
チップ分離方法を示す各工程の断面図である。
【図5】 この発明の実施例4による半導体デバイスの
チップ分離方法を示す各工程の断面図である。
【図6】 この発明の実施例6による半導体デバイスの
チップ分離方法を示す各工程の断面図である。
【図7】 この発明の実施例8による半導体デバイスの
チップ分離方法を示す各工程の断面図である。
【図8】 この発明の実施例10による半導体デバイス
のチップ分離方法を示す各工程の断面図である。
【図9】 この発明の実施例12による半導体デバイス
のチップ分離方法に用いるエネルギビームの照射面での
形状を示す斜視図である。
【図10】 この発明の実施例12による半導体デバイ
スのチップ分離方法に用いるエネルギビームの照射面で
の形状を、エネルギ分布と共に示した平面図である。
【図11】 この発明の実施例13による半導体デバイ
スのチップ分離方法に用いるエネルギビームの照射面で
の形状を、エネルギ分布と共に示した平面図である。
【図12】 従来の半導体デバイスのチップ分離方法を
示す各工程の断面図である。
【符号の説明】
1 導体金属層、2 半導体ウエハ層、6 エネルギビ
ーム、8 シート状材料、13 半導体デバイス、14
微細孔。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 一夫 伊丹市瑞原4丁目1番地 三菱電機株式 会社 北伊丹製作所内 (56)参考文献 特開 平7−7113(JP,A) 特開 昭53−114669(JP,A) 特開 平8−55824(JP,A) 特公 昭47−39150(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/301 B28D 5/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体金属層と半導体ウエハ層の積層体で
    ある半導体デバイスのチップ分離方法において、分離部
    の半導体ウエハ層部分を除去し露出した導体金属層部分
    にエネルギビームを照射してこれを溶断することによっ
    て、チップを分離することを特徴とする半導体デバイス
    のチップ分離方法。
  2. 【請求項2】 分離に先立って、上記分離部の露出した
    導体金属層の厚さをその分離部以外の導体金属層の厚さ
    よりも小さくしたことを特徴とする請求項1記載の半導
    体デバイスのチップ分離方法。
  3. 【請求項3】 分離に先立って、上記導体金属層の上記
    半導体ウエハ層に接しない側の表面に、上記エネルギビ
    ームの吸収係数が20cm-1以下のエキスパンドシート
    を貼り付けたことを特徴とする請求項1または請求項2
    記載の半導体デバイスのチップ分離方法。
  4. 【請求項4】 上記分離部の導体金属層の溶融幅が、上
    記エネルギビームが照射される上記導体金属層の最小厚
    さの1.8倍以上となるように上記エネルギビームを照
    射して上記導体金属層を溶融させ、この溶融部分を表面
    張力により溶断することによって、チップを分離するこ
    とを特徴とする請求項1から請求項3のうち何れか1項
    記載の半導体デバイスのチップ分離方法。
  5. 【請求項5】 導体金属層と半導体ウエハ層の積層体で
    ある半導体デバイスのチップ分離方法において、分離に
    先立って、分離部の導体金属層の厚さをその分離部以外
    の導体金属層の厚さよりも小さくし、その後上記導体金
    属層の上記半導体ウエハ層に接しない側の表面にエキス
    パンドシートを貼り付け、このエキスパンドシート側か
    らこのエキスパンドシートに対する吸収係数が20cm
    -1であるエネルギビームを照射して、上記分離部の導体
    金属層を溶断し、かつ上記分離部の半導体ウエハ層を割
    断することによって、チップを分離することを特徴とす
    る半導体デバイスのチップ分離方法。
  6. 【請求項6】 分離に先立って、上記分離部の半導体ウ
    エハ層の厚さをその分離部以外の半導体ウエハ層の厚さ
    よりも小さくしたことを特徴とする請求項5記載の半導
    体デバイスのチップ分離方法。
  7. 【請求項7】 上記エキスパンドシートにガス抜き用の
    微細孔を設けたことを特徴とする請求項3から請求項6
    のうち何れか1項記載の半導体デバイスのチップ分離方
    法。
  8. 【請求項8】 上記分離部の導体金属層の照射表面にお
    ける上記エネルギビームの形状を、そのエネルギビーム
    と上記半導体デバイスの相対移動方向に長く、その相対
    移動方向に直交する方向に短い偏平状としたことを特徴
    とする請求項1から請求項7のうち何れか1項記載の半
    導体デバイスのチップ分離方法。
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