JP2004363489A - 圧電/電歪素子、圧電/電歪素子の製造方法、圧電/電歪デバイス及び圧電/電歪デバイスの製造方法 - Google Patents

圧電/電歪素子、圧電/電歪素子の製造方法、圧電/電歪デバイス及び圧電/電歪デバイスの製造方法 Download PDF

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幸司 池田
Kazuyoshi Shibata
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    • H10N30/2043Cantilevers, i.e. having one fixed end connected at their free ends, e.g. parallelogram type

Abstract

【課題】電極層の先端部において放電を発生しにくくすると共に、対向する電極層間における短絡を防止する。
【解決手段】圧電/電歪素子18a及び18bは、圧電/電歪層22と電極層24、26との積層状態が外部に露呈する側面150において、電極層24、26の端部24a、26aが圧電/電歪層22の端面22aよりも外部に突出し、その突出量tが電極層24、26間における圧電/電歪層22の厚みLdの1/2以下となっている。突出量tは0.5μm以上、2μm以下であることが好ましい。
【選択図】図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電/電歪層と電極層とが互い違いに櫛歯状に積層された構造を有する積層型の圧電/電歪素子と、該圧電/電歪素子の製造方法と、前記積層型の圧電/電歪素子を有する圧電/電歪デバイスと、該圧電/電歪デバイスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧電/電歪層を用いたアクチュエータ素子やセンサ素子等の圧電/電歪デバイスでは、セラミック基体上に一方の電極層からなる配線パターンを、例えば印刷にて形成し、更にその上に、圧電/電歪層を印刷によって形成した後、焼成にて固着させ、その後、他方の電極層からなる配線パターンを形成するようにしている。
【0003】
そして、配線パターンに対する電気信号の供給により、圧電/電歪層に電界が印加され、その結果、当該圧電/電歪層を変位させるというアクチュエータ素子として使用される他、前記圧電/電歪層に加えられた圧力に応じて発生した電気信号を配線パターンより取り出すセンサ素子として使用することができる(例えば特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−210887号公報(図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような圧電/電歪デバイスは、その製造過程において、多数個取りを行うためや不要な部分を切除するために、ワークをダイヤモンドカッター等で切断する切断工程を有する。
【0006】
この切断工程においては、圧電/電歪層やセラミック基体は、硬度が高いため、切断線に沿ってきれいに切断されるが、電極層は、セラミックスよりも硬度の低い金属を含むことから、切断線に沿って切断されずらく、バリとして残存する場合が多い。
【0007】
これらバリが生じると、電極層に電圧を印加した場合、該バリの先端において放電が発生し易いという問題がある。放電が生じると、過剰に電流が流れ、あるいは放電のプラズマによって圧電/電歪層の一部が破壊するおそれがある。また、バリの長さが長いと、対向する電極層間で短絡が生じるおそれもある。
【0008】
このような問題を解決するには、発生したバリを除去する必要があるが、この方法として、圧電/電歪デバイスの切断面を研磨加工する方法や、電極層の一部を選択的にエッチングする方法等が考えられる。
【0009】
しかし、研磨加工の方法では工数がかかり、製造コストの高価格化を招くおそれがあり、エッチングする方法では電極材料として白金などの耐食金属を使用した場合に、エッチングが困難になるという問題がある。
【0010】
本発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、電極層の先端部において放電が発生しにくく、対向する電極層間における短絡も防止することができる圧電/電歪素子及び圧電/電歪デバイスを提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明の他の目的は、電極層の先端部において放電が発生しにくく、対向する電極層間における短絡も防止することができる圧電/電歪素子及び圧電/電歪デバイスを簡単に製造することができる圧電/電歪素子の製造方法及び圧電/電歪デバイスの製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る圧電/電歪素子は、圧電/電歪層と電極層とが互い違いに櫛歯状に積層された構造を有し、前記圧電/電歪層と前記電極層との積層状態が外部に露呈する側面において、前記電極層の端部が前記圧電/電歪層の端面よりも外部に突出し、その突出量が前記電極層間における前記圧電/電歪層の厚みの1/2以下であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る圧電/電歪デバイスは、セラミック基体上に、積層型の圧電/電歪素子を少なくとも有し、前記圧電/電歪素子は、圧電/電歪層と電極層とが互い違いに櫛歯状に積層された構造を有し、前記圧電/電歪層と前記電極層との積層状態が外部に露呈する側面において、前記電極層の端部が前記圧電/電歪層の端面よりも外部に突出し、その突出量が前記電極層間における前記圧電/電歪層の厚みの1/2以下であることを特徴とする。
【0014】
まず、圧電/電歪層と電極層との積層状態が外部に露呈する側面において、前記電極層の端部が前記圧電/電歪層の端面よりも外部に突出していることから、圧電/電歪層の側面に何かが接触しても、突出している電極層の端部が塑性変形するだけで、圧電/電歪層からの粒子の散乱は発生しない。
【0015】
また、前記電極層の端部が前記圧電/電歪層の端面よりも外部に突出して、圧電/電歪層が金属層よりも奥に引っ込んだ形態となっているため、圧電/電歪素子の側面で放電が起きたとしても、その放電の影響は圧電/電歪層には伝わらず、圧電/電歪層が放電の衝撃で破壊して飛散するなどの不都合は生じない。
【0016】
特に、電極層間の圧電/電歪層の表面が凹状になっていれば、電極層間の圧電沿面距離が延びるため、圧電/電歪素子の側面での絶縁破壊を抑制することができる。
【0017】
ところで、前記電極層の端部が突出し過ぎると、圧電/電歪素子の側面に何かが接触した際に、電極層が変形しやすく、電極層間の距離が短くなって放電しやすくなるという不都合がある。
【0018】
また、電極層の端部が前記圧電/電歪層の端面よりも外部に突出していない、あるいは突出量が小さすぎる場合は、その後の熱処理によって圧電/電歪層と電極層との間に小さな隙間ができる。この隙間にゴミなどが入り込むと、ゴミが取りにくくなり、該ゴミが漏電の原因になるおそれがある。しかも、ゴミの除去等を目的に超音波洗浄を行うと、前記隙間でキャビテーションが起こって圧電/電歪層と電極層同士が剥がれ易くなるおそれがある。
【0019】
しかし、本発明では、電極層の端部の突出量を前記電極層間における前記圧電/電歪層の厚みの1/2以下にしているため、圧電/電歪素子の側面に何かが接触したとしても、電極層に変形は生じにくくなり、電極層間の距離が短くなるということがない。また、圧電/電歪層と電極層との間に隙間が生じるということがなく、ゴミの混入はほとんどない。そのため、上述したような問題は発生しない。
【0020】
つまり、本発明においては、電極層の端部における突出量を前記電極層間における前記圧電/電歪層の厚みの1/2以下としたので、電極層の端部において放電が生じにくくなり、しかも、対向する電極層間における短絡も防止することができる。
【0021】
そして、前記構成において、前記突出量が0.5μm以上、2μm以下であることが好ましい。なお、前記電極層はサーメットを含むようにしてもよい。
【0022】
また、本発明に係る圧電/電歪素子の製造方法は、圧電/電歪層と電極層とが互い違いに櫛歯状に積層された構造を有する圧電/電歪素子の製造方法において、幅広の圧電/電歪層と幅広の電極層とを互い違いに櫛歯状に積層し、焼成して圧電/電歪素子ブロックを作製する工程と、前記圧電/電歪素子ブロックを切断して複数の圧電/電歪素子に分離する工程と、前記圧電/電歪素子に対して熱処理を施す工程とを有し、前記熱処理は、熱処理温度と時間との関係でみたとき、前記電極層に含まれる金属が変形する臨界曲線と、前記金属が破断する臨界曲線、あるいは前記圧電/電歪層が分解する臨界曲線とで囲まれた領域で示される熱処理温度と時間で行うことを特徴とする。
【0023】
また、本発明に係る圧電/電歪デバイスの製造方法は、セラミック基体上に、積層型の圧電/電歪素子を少なくとも有し、前記圧電/電歪素子は、圧電/電歪層と電極層とが互い違いに櫛歯状に積層された構造を有する圧電/電歪デバイスの製造方法において、セラミック積層体上に、幅広の圧電/電歪層と幅広の電極層とを互い違いに櫛歯状に積層し、焼成して圧電/電歪デバイスブロックを作製する工程と、前記圧電/電歪デバイスブロックを切断して複数の圧電/電歪デバイスに分離する工程と、前記圧電/電歪デバイスの前記圧電/電歪素子に対して熱処理を施す工程とを有し、前記熱処理は、熱処理温度と時間との関係でみたとき、前記電極層に含まれる金属が変形する臨界曲線と、前記金属が破断する臨界曲線、あるいは前記圧電/電歪層が分解する臨界曲線とで囲まれた領域で示される熱処理温度と時間で行うことを特徴とする。
【0024】
ここで、前記電極層に含まれる金属が変形する臨界曲線とは、SEM(走査電子顕微鏡)にて倍率1000以上で熱処理前の電極層と熱処理後の電極層の形状を比較することによって、金属が変化しているかどうかを測定した結果から導かれる臨界曲線である。
【0025】
前記圧電/電歪層が分解する臨界曲線については、まず、圧電/電歪層を大気中で高温環境下に置くと、圧電/電歪層中の揮発しやすい成分、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)ではPbなどが揮発すると圧電/電歪層の組成がずれることになる。この状態で安定化させると、前記ずれた分に応じてPZT以外の相(異相)が析出する。つまり、圧電/電歪層が分解すると異相が析出することになる。従って、本発明では、この異相が析出しない上限を「圧電/電歪層が分解する臨界曲線」としている。圧電/電歪層が分解して異相が析出すると、圧電/電歪相の特性が低下するため、分解は起きないことが望ましい。
【0026】
そして、前記熱処理は、前記圧電/電歪層と前記電極層との積層状態が外部に露呈する側面において、前記熱処理後の前記電極層の端部が、前記圧電/電歪層の端面よりも外部に突出し、その突出量が前記電極層間における前記圧電/電歪層の厚みの1/2以下となる温度と時間で行うことが好ましい。特に、前記突出量が0.5μm以上、2μm以下となる温度と時間で行うことが更に好ましい。
【0027】
この方法によれば、電極層の先端部において放電が発生しにくく、対向する電極層間における短絡も防止することができる圧電/電歪素子及び圧電/電歪デバイスを簡単に製造することができる。
【0028】
また、前記圧電/電歪素子ブロックを切断して複数の圧電/電歪素子に分離した後に、前記圧電/電歪素子に対して熱処理を施す、あるいは前記圧電/電歪デバイスブロックを切断して複数の圧電/電歪デバイスに分離した後に、前記圧電/電歪デバイスの前記圧電/電歪素子に対して熱処理を施すようにしているため、電極層の表面が滑らかになり、バリがなくなる、あるいはバリを小さくすることができる。
【0029】
しかも、前記熱処理によって圧電/電歪層の結晶状態が修復されることから、熱処理前に発生していたマイクロクラックをほとんどなくすことができる。また、加工面(圧電/電歪層や電極層の切断面)に残った加工歪みを減少させることができるため、圧電/電歪素子あるいは圧電/電歪デバイスとしたときの特性の向上、信頼性を向上させることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る圧電/電歪素子、圧電/電歪素子の製造方法、圧電/電歪デバイス及び圧電/電歪デバイスの製造方法の実施の形態例を図1〜図15を参照しながら説明する。
【0031】
この実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10は、圧電/電歪素子により電気的エネルギと機械的エネルギとを相互に変換する素子を包含する概念である。従って、各種アクチュエータや振動子等の能動素子、特に、逆圧電効果や電歪効果による変位を利用した変位素子として最も好適に用いられるほか、加速度センサ素子や衝撃センサ素子等の受動素子としても好適に使用され得る。
【0032】
そして、この実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10は、図1に示すように、相対する一対の薄板部12a及び12bと、これら薄板部12a及び12bを支持する固定部14とが一体に形成されたセラミック基体16を具備し、一対の薄板部12a及び12bの各一部にそれぞれ圧電/電歪素子18a及び18bが形成されて構成されている。
【0033】
つまり、この圧電/電歪デバイス10は、前記圧電/電歪素子18a及び18bの駆動によって一対の薄板部12a及び12bが変位し、あるいは薄板部12a及び12bの変位を、圧電/電歪素子18a及び18bにより検出する構成を有する。従って、図1の例では、薄板部12a及び12bと圧電/電歪素子18a及び18bにてアクチュエータ部19a及び19bが構成されることになる。このことから、一対の薄板部12a及び12bは、固定部14によって振動可能に支持された振動部として機能することになる。
【0034】
更に、一対の薄板部12a及び12bは、各先端部分が内方に向かって肉厚とされ、該肉厚部分は、薄板部12a及び12bの変位動作に伴って変位する可動部として機能すると共に、物品を例えば挟持して取り付けるための物品取付部としても機能することになる。以下、一対の薄板部12a及び12bの先端部分を可動部20a及び20bと記す。
【0035】
なお、可動部20a及び20bの互いに対向する端面34a及び34b間には、空隙(空気)36を介在させるようにしてもよいし、図示しないが、これら端面34a及び34bの間に可動部20a及び20bの構成部材と同じ材質、あるいは異なる材質からなる複数の部材を介在させるようにしてもよい。この場合、各可動部20a及び20bの互いに対向する端面34a及び34bは、取付面としても機能することになる。
【0036】
なお、可動部20a及び20bは、図1に示す構造のほか、例えば図13に示すように、薄板部12a及び12bの先端部分が肉厚になっておらず、該先端部分の厚みと薄板部12a及び12bの例えば中間部分の厚みがほぼ同じであってもよい。
【0037】
セラミック基体16は、例えばセラミックグリーン積層体を焼成により一体化したセラミック積層体で構成されている。これについては後述する。
【0038】
このようなセラミックスの一体化物は、各部の接合部位に接着剤が介在しないことから、経時的な状態変化がほとんど生じないため、接合部位の信頼性が高く、かつ、剛性確保に有利な構造であることに加え、後述するセラミックグリーンシート積層法により、容易に製造することが可能である。
【0039】
そして、圧電/電歪素子18a及び18bは、後述のとおり別体として圧電/電歪素子18a及び18bを準備して、セラミック基体16に膜形成法を用いることにより、直接セラミック基体16に形成されることとなる。
【0040】
この圧電/電歪素子18a及び18bは、圧電/電歪層22と前記圧電/電歪層22の両側に形成された一対の電極層24及び26とを有して構成され、前記一対の電極層24及び26のうち、一方の電極層26が少なくとも一対の薄板部12a及び12bの上に形成されている。
【0041】
本実施の形態では、圧電/電歪層22並びに一対の電極層24及び26をそれぞれ多層構造とし、一方の電極層24と他方の電極層26が櫛歯状の断面となるようにそれぞれ互い違いに積層し、これら一方の電極層24と他方の電極層26が圧電/電歪層22を間に挟んで重なり合った結果、多段構成とされた圧電/電歪素子18a及び18bとした場合を主体に説明するが、多層構造に限らず、単層構造であってもよい。
【0042】
圧電/電歪素子18a及び18bは、図2の拡大図に示すように、圧電/電歪層22が4層構造(第1層目〜第4層目の圧電/電歪層22A〜22D)とされている。
【0043】
特に、セラミック基体16の薄板部12a及び12b、可動部20a及び20b、並びに固定部14の各側面にかけてほぼ連続して第1の配線パターン50が形成されている。この第1の配線パターン50は、固定部14の側面において空隙40によって一方の部分24A(一方の電極層24を構成する部分)と他方の部分26A(他方の電極層26を構成する部分)とに分離されている。
【0044】
また、前記空隙40には絶縁層42が充填されており、第1の配線パターン50における絶縁部44として機能することとなる。
【0045】
そして、一方の電極層24は、前記第1の配線パターン50における一方の部分24Aと、第1層目の圧電/電歪層22Aの上面に形成された第2の配線パターン24Bと、第3層目の圧電/電歪層22Cの上面に形成された第4の配線パターン24Cとで櫛歯状に構成されている。
【0046】
他方の電極層26は、前記第1の配線パターン50の他方の部分26Aと、第2層目の圧電/電歪層22Bの上面に形成された第3の配線パターン26Bと、第4層目の圧電/電歪層22Dの上面に形成された第5の配線パターン26Cとで櫛歯状に構成されている。
【0047】
また、第1の配線パターン50における一方の部分24A、第2の配線パターン24B及び第4の配線パターン24Cが積層された部分の上面には一方の端子28が形成され、最上層に位置する第5の配線パターン26Cの端部には他方の端子30が形成されている。
【0048】
前記絶縁部44は、▲1▼:圧電/電歪素子18a及び18bの後端部46(空隙40の後端側端部から固定部14の後端までの部分)におけるアクチュエータを駆動させないこと、▲2▼:一方の端子28の端部で短絡が生じにくくすること等の効果を有する。
【0049】
そして、この実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10は、図2に示すように、前記第1の配線パターン50が3層構造とされている。
【0050】
具体的には、セラミック基体16上に直接形成され、かつ、基体材料と電極材料のサーメットによる第1の層140と、当該第1の層140上に形成され、かつ、電極材料による第2の層142と、当該第2の層142上に形成され、かつ、圧電/電歪材料と電極材料のサーメットによる第3の層144とを有して構成されている。
【0051】
更に、この実施の形態では、他方の電極層26のうち、最上層の第5の配線パターン26Cが電極材料のレジネートによって構成され、圧電/電歪素子18a及び18bの内部に形成された各電極層の配線パターン(第2〜第4の配線パターン24B、26B及び24C)は、電極材料と圧電/電歪材料を含むサーメット膜を焼成することによって構成され、かつ、焼成後の前記第2〜第4の配線パターン24B、26B及び24Cは、各配線パターン24B、26B及び24Cにおける導電部分の面積が、それぞれ配線パターン24B、26B及び24Cとして占めるべき面積の80%以上を占めるように構成されている。
【0052】
また、前記第2〜第4の配線パターン24B、26B及び24Cは、導体層として機能させる必要から、電極材料と圧電/電歪材料の体積比は、4:6〜9:1であることが好ましい。
【0053】
そして、本実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10における圧電/電歪素子18a及び18bは、図3及び図4に示すように、圧電/電歪層22と電極層24、26との積層状態が外部に露呈する側面150において、電極層24、26の端部24a、26aが圧電/電歪層22の端面22aよりも外部に突出し、その突出量tが電極層24、26間における圧電/電歪層22の厚みLdの1/2以下となっている。突出量tは0.5μm以上、2μm以下であることが好ましい。
【0054】
従って、本実施の形態は、以下のような作用・効果を奏することになる。即ち、まず、圧電/電歪層22と電極層24、26との積層状態が外部に露呈する側面150において、電極層24、26の端部24a、26aが圧電/電歪層22の端面22aよりも外部に突出していることから、圧電/電歪素子18a及び18bの側面に何かが接触しても、突出している電極層24、26の端部24a、26aが塑性変形するだけであり、圧電/電歪層22からの粒子の散乱(衝撃による粒子の散乱等)は発生しない。
【0055】
また、電極層24、26の端部24a、26aが圧電/電歪層22の端面22aよりも外部に突出して、圧電/電歪層22が電極層24、26よりも奥に引っ込んだ形態となっているため、圧電/電歪素子18a及び18bの側面で放電が起きたとしても、その放電の影響は圧電/電歪層22には伝わらず、圧電/電歪層22が放電の衝撃で破壊して飛散するなどの不都合は生じない。
【0056】
特に、電極層24、26間の圧電/電歪層22の表面が凹状になっていれば、電極層24、26間の圧電沿面距離が延びるため、圧電/電歪素子18a及び18bの側面での絶縁破壊を抑制することができる。
【0057】
ところで、電極層24、26の端部24a、26aが突出し過ぎると、圧電/電歪素子18a及び18bの側面に何かが接触した際に、電極層24、26が変形しやすく、電極層24、26間の距離が短くなって放電しやすくなるという不都合がある。
【0058】
また、電極層24、26の端部24a、26aが圧電/電歪層22の端面22aよりも外部に突出していない、あるいは突出量tが小さすぎる場合は、その後の熱処理によって圧電/電歪層22と電極層24、26との間に小さな隙間ができる。この隙間にゴミなどが入り込むと、ゴミが取りにくくなり、該ゴミが漏電の原因になるおそれがある。しかも、ゴミの除去等を目的に超音波洗浄を行うと、前記隙間でキャビテーションが起こって圧電/電歪層22と電極層24、26同士が剥がれ易くなるおそれがある。
【0059】
しかし、本実施の形態では、電極層24、26の端部24a、26aの突出量tを電極層24、26間における圧電/電歪層22の厚みLdの1/2以下にしているため、圧電/電歪素子18a及び18bの側面に何かが接触したとしても、電極層24、26に変形は生じにくくなり、電極層24、26間の距離が短くなるということがない。また、圧電/電歪層22と電極層24、26との間に隙間が生じるということがなく、ゴミの混入はほとんどない。そのため、上述したような問題は発生しない。
【0060】
つまり、本実施の形態においては、電極層24、26の端部24a、26aにおける突出量tを電極層24、26間における圧電/電歪層22の厚みLdの1/2以下としたので、電極層24、26の端部24a、26aにおいて放電が生じにくくなり、しかも、電極層24、26間における短絡も防止することができる。
【0061】
上述の実施の形態では、第1の配線パターン50の一方の部分24Aと他方の部分26Aとの間の空隙40に第1の層140よりも厚みの大きい絶縁層42を充填するようにしたが、その他、図5に示す第1の変形例に係る圧電/電歪デバイス10aのように、第1の層140と厚みがほぼ同じであって、かつ、幅が空隙40の幅よりも大きい絶縁層152で空隙40を埋めるように形成するようにしてもよい。
【0062】
あるいは、図6に示す第2の変形例に係る圧電/電歪デバイス10bのように、空隙40に何も充填せずに空気としてもよい。
【0063】
次に、本実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10の各構成要素について説明する。
【0064】
可動部20a及び20bは、上述したように、薄板部12a及び12bの駆動量に基づいて作動する部分であり、圧電/電歪デバイス10の使用目的に応じて種々の部材が取り付けられる。例えば、圧電/電歪デバイス10を変位素子として使用する場合であれば、光シャッタの遮蔽板等が取り付けられ、特に、ハードディスクドライブの磁気ヘッドの位置決めや、リンギング抑制機構に使用するのであれば、磁気ヘッド、磁気ヘッドを有するスライダ、スライダを有するサスペンション等の位置決めを必要とする部材が取り付けられる。
【0065】
固定部14は、上述したように、薄板部12a及び12b並びに可動部20a及び20bを支持する部分であり、例えば前記ハードディスクドライブの磁気ヘッドの位置決めに利用する場合には、VCM(ボイスコイルモータ)に取り付けられたキャリッジアーム、前記キャリッジアームに取り付けられた固定プレート又はサスペンション等に固定部14を支持固定することにより、圧電/電歪デバイス10全体が固定される。また、この固定部14には、図1に示すように、圧電/電歪素子18a及び18bを駆動するための端子28及び30や、その他の部材が配置される場合もある。
【0066】
可動部20a及び20b並びに固定部14を構成する材料としては、剛性を有するものであれば特に限定されないが、上述したように、セラミックグリーンシート積層法を適用できるセラミックスを好適に用いることができる。
【0067】
具体的には、安定化ジルコニア、部分安定化ジルコニアをはじめとするジルコニア、アルミナ、マグネシア、窒化珪素、窒化アルミニウム、酸化チタンを主成分とする材料等が挙げられる他、これらの混合物を主成分とした材料が挙げられるが、機械的強度や靱性が高い点において、ジルコニア、特に安定化ジルコニアを主成分とする材料と部分安定化ジルコニアを主成分とする材料が好ましい。
【0068】
薄板部12a及び12bは、上述したように、圧電/電歪素子18a及び18bの変位により駆動する部分である。薄板部12a及び12bは、可撓性を有する薄板状の部材であって、表面に配置された圧電/電歪素子18a及び18bの伸縮変位を屈曲変位として増幅して、可動部20a及び20bに伝達する機能を有する。従って、薄板部12a及び12bの形状や材質は、可撓性を有し、屈曲変形によって破損しない程度の機械的強度を有するものであれば足り、可動部20a及び20bの応答性、操作性を考慮して適宜選択することができる。
【0069】
薄板部12a及び12bを構成する材料としては、可動部20a及び20bや固定部14と同様のセラミックスを好適に用いることができ、ジルコニア、中でも安定化ジルコニアを主成分とする材料と部分安定化ジルコニアを主成分とする材料は、薄肉であっても機械的強度が大きいこと、靱性が高いこと、圧電/電歪層や電極材との反応性が小さいことから最も好適に用いられる。
【0070】
前記安定化ジルコニア並びに部分安定化ジルコニアにおいては、次のように安定化並びに部分安定化されたものが好ましい。即ち、ジルコニアを安定化並びに部分安定化させる化合物としては、酸化イットリウム、酸化イッテルビウム、酸化セリウム、酸化カルシウム、及び酸化マグネシウムがあり、少なくともそのうちの1つの化合物を添加、含有させることにより、あるいは1種類の化合物の添加のみならず、それら化合物を組み合わせて添加することによっても、目的とするジルコニアの安定化は可能である。
【0071】
なお、それぞれの化合物の添加量としては、酸化イットリウムや酸化イッテルビウムの場合にあっては、1〜30モル%、好ましくは1.5〜10モル%、酸化セリウムの場合にあっては、6〜50モル%、好ましくは8〜20モル%、酸化カルシウムや酸化マグネシウムの場合にあっては、5〜40モル%、好ましくは5〜20モル%とすることが望ましいが、その中でも特に酸化イットリウムを安定化剤として用いることが好ましく、その場合においては、1.5〜10モル%、更に好ましくは2〜4モル%とすることが望ましい。また、焼結助剤等の添加物としてアルミナ、シリカ、遷移金属酸化物等を0.05〜20wt%の範囲で添加することが可能であるが、圧電/電歪素子18a及び18bの形成方法として、膜形成法による焼成一体化を採用する場合は、アルミナ、マグネシア、遷移金属酸化物等を添加物として添加することも好ましい。
【0072】
なお、機械的強度と安定した結晶相が得られるように、ジルコニアの平均結晶粒子径を0.05〜3μm、好ましくは0.05〜1μmとすることが望ましい。また、上述のように、薄板部12a及び12bについては、可動部20a及び20b並びに固定部14と同様のセラミックスを用いることができるが、好ましくは、実質的に同一の材料を用いて構成することが、接合部分の信頼性、圧電/電歪デバイス10の強度、製造の煩雑さの低減を図る上で有利である。
【0073】
圧電/電歪素子18a及び18bは、少なくとも圧電/電歪層22と、該圧電/電歪層22に電界をかけるための一対の電極層24及び26を有するものであり、ユニモルフ型、バイモルフ型等の圧電/電歪素子を用いることができるが、薄板部12a及び12bと組み合わせたユニモルフ型の方が、発生する変位量の安定性に優れ、軽量化に有利であるため、このような圧電/電歪デバイス10に適している。
【0074】
前記圧電/電歪素子18a及び18bは、図1に示すように、薄板部12a及び12bの側面に形成する方が薄板部12a及び12bをより大きく駆動させることができる点で好ましい。
【0075】
圧電/電歪層22には、圧電セラミックスが好適に用いられるが、電歪セラミックスや強誘電体セラミックス、あるいは反強誘電体セラミックスを用いることも可能である。但し、この圧電/電歪デバイス10をハードディスクドライブの磁気ヘッドの位置決め等に用いる場合は、可動部20a及び20bの変位量と駆動電圧、又は出力電圧とのリニアリティが重要とされるため、歪み履歴の小さい材料を用いることが好ましく、抗電界が10kV/mm以下の材料を用いることが好ましい。
【0076】
具体的な材料としては、ジルコン酸鉛、チタン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛、ニッケルニオブ酸鉛、亜鉛ニオブ酸鉛、マンガンニオブ酸鉛、アンチモンスズ酸鉛、マンガンタングステン酸鉛、コバルトニオブ酸鉛、チタン酸バリウム、チタン酸ナトリウムビスマス、ニオブ酸カリウムナトリウム、タンタル酸ストロンチウムビスマス等を単独で、あるいは混合物として含有するセラミックスが挙げられる。
【0077】
特に、高い電気機械結合係数と圧電定数を有し、圧電/電歪層22の焼結時における薄板部(セラミックス)12a及び12bとの反応性が小さく、安定した組成のものが得られる点において、ジルコン酸鉛、チタン酸鉛、及びマグネシウムニオブ酸鉛を主成分とする材料、もしくはチタン酸ナトリウムビスマスを主成分とする材料が好適に用いられる。
【0078】
更に、前記材料に、ランタン、カルシウム、ストロンチウム、モリブデン、タングステン、バリウム、ニオブ、亜鉛、ニッケル、マンガン、セリウム、カドミウム、クロム、コバルト、アンチモン、鉄、イットリウム、タンタル、リチウム、ビスマス、スズ等の酸化物等を単独で、もしくは混合したセラミックスを用いてもよい。
【0079】
例えば、主成分であるジルコン酸鉛とチタン酸鉛及びマグネシウムニオブ酸鉛に、ランタンやストロンチウムを含有させることにより、抗電界や圧電特性を調整可能となる等の利点を得られる場合がある。
【0080】
なお、シリカ等のガラス化し易い材料の添加は避けることが望ましい。なぜならば、シリカ等の材料は、圧電/電歪層22の熱処理時に、圧電/電歪材料と反応し易く、その組成を変動させ、圧電特性を劣化させるからである。
【0081】
一方、圧電/電歪素子18a及び18bの一対の電極層24及び26は、室温で固体であり、導電性に優れた金属で構成されていることが好ましく、例えばアルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、パラジウム、ロジウム、銀、スズ、タンタル、タングステン、イリジウム、白金、金、鉛等の金属単体、もしくはこれらの合金が用いられ、更に、これらに圧電/電歪層22あるいは薄板部12a及び12bと同じ材料を分散させたサーメット材料を用いてもよい。
【0082】
圧電/電歪素子18a及び18bにおける電極層24及び26の材料選定は、圧電/電歪層22の形成方法に依存して決定される。例えば薄板部12a及び12b上に一方の電極層24を形成した後、前記電極層24上に圧電/電歪層22を焼成により形成する場合は、一方の電極層24には、圧電/電歪層22の焼成温度においても変化しない白金、パラジウム、白金−パラジウム合金、銀−パラジウム合金等の高融点金属を使用する必要があるが、圧電/電歪層22を形成した後に、前記圧電/電歪層22上に形成される最外層の他方の電極層26は、低温で電極形成を行うことができるため、アルミニウム、金、銀等の低融点金属を主成分として使用することができる。
【0083】
また、電極層24及び26の厚みは、少なからず圧電/電歪素子18a及び18bの変位を低下させる要因ともなるため、特に圧電/電歪層22の焼成後に形成される電極には、焼成後に緻密でより薄い膜が得られる有機金属ペースト、例えば金レジネートペースト、白金レジネートペースト、銀レジネートペースト等の材料を用いることが好ましい。
【0084】
そして、この実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10は、超音波センサや加速度センサ、角速度センサや衝撃センサ、質量センサ等の各種センサに好適に利用することができ、端面34a及び34bないし薄板部12a及び12b間に取り付けられる物体のサイズを適宜調整することにより、センサの感度調整を容易に行えるという更なる利点がある。
【0085】
また、圧電/電歪デバイス10の製造方法においては、セラミック積層体の表面に圧電/電歪素子18a及び18bを形成する方法として、スクリーン印刷法、ディッピング法、塗布法、電気泳動法等の厚膜形成法や、イオンビーム法、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、化学気相成長法(CVD)、めっき等の薄膜形成法を用いることができる。
【0086】
このような膜形成法を用いて圧電/電歪素子18a及び18bを形成することにより、接着剤を用いることなく、圧電/電歪素子18a及び18bと薄板部12a及び12bとを一体的に接合、配置することができ、信頼性、再現性を確保できると共に、集積化を容易にすることができる。
【0087】
この場合、厚膜形成法により圧電/電歪素子18a及び18bを形成することが好ましい。特に、圧電/電歪層22の形成において厚膜形成法を用いれば、平均粒径0.01〜5μm、好ましくは0.05〜3μmの圧電セラミックスの粒子、粉末を主成分とするペーストやスラリー、又はサスペンションやエマルジョン、ゾル等を用いて膜化することができ、それを焼成することによって良好な圧電/電歪特性を得ることができるからである。
【0088】
なお、電気泳動法は、膜を高い密度で、かつ、高い形状精度で形成できるという利点がある。また、スクリーン印刷法は、膜形成とパターン形成とを同時に行うことができるため、製造工程の簡略化に有利である。
【0089】
また、セラミック積層体を切除する方法としては、ダイシング加工、ワイヤソー加工等の機械加工のほか、YAGレーザ、エキシマレーザ等のレーザ加工や電子ビーム加工を適用することが可能である。
【0090】
次に、この実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10の製造方法について図7〜図9を参照しながら説明する。まず、定義付けをしておく。セラミックグリーンシートを積層して得られた積層体をセラミックグリーン積層体58(例えば図8参照)と定義し、このセラミックグリーン積層体58を焼成して一体化したものをセラミック積層体60(例えば図9参照)と定義し、このセラミック積層体60から不要な部分を切除して可動部20a及び20b、薄板部12a及び12b並びに固定部14が一体化されたものをセラミック基体16(図1参照)と定義する。
【0091】
また、この製造方法においては、圧電/電歪デバイス10を同一基体内に縦方向及び横方向にそれぞれ複数個配置した形態で、最終的にセラミック積層体60をチップ単位に切断して、圧電/電歪デバイス10を同一工程で多数個取りするものであるが、説明を簡単にするために、圧電/電歪デバイス10の1個取りを主体にして説明する。
【0092】
まず、ジルコニア等のセラミック粉末にバインダ、溶剤、分散剤、可塑剤等を添加混合してスラリーを作製し、これを脱泡処理後、リバースロールコーター法、ドクターブレード法等の方法により、所定の厚みを有するセラミックグリーンシートを作製する。
【0093】
次に、金型を用いた打抜き加工やレーザ加工等の方法により、セラミックグリーンシートを図7のような種々の形状に加工して、複数枚の基体形成用のセラミックグリーンシート70A〜70D、72A、72B及び102A〜102Gを得る。
【0094】
前記セラミックグリーンシート70A〜70Dは、圧電/電歪デバイス10の端面34a及び34bを有する可動部20a及び20bを形成するための窓部100が設けられた複数枚(例えば2枚)のセラミックグリーンシートであり、一方、セラミックグリーンシート102A〜102Gは、少なくとも薄板部12a及び12b間に空間を形成するための窓部54が形成された複数枚(例えば4枚)のシートである。なお、セラミックグリーンシートの枚数は、あくまでも一例である。
【0095】
その後、セラミックグリーンシート72A及び72Bでセラミックグリーンシート70A〜70D並びに102A〜102Gを挟み込むようにして、これらセラミックグリーンシート70A〜70D、72A及び72B並びに102A〜102Gを積層した後、圧着して、セラミックグリーン積層体58とする(図8参照)。この積層にあたっては、セラミックグリーンシート102A〜102Gを中央に配置して積層する。
【0096】
このとき、窓部100の存在により、圧着時に圧力がかからない部位が発生するため、積層、圧着の順番等を変更し、そのような部位が生じないようにする必要がある。その後、セラミックグリーン積層体58を焼成してセラミック積層体60(図9参照)を得る。
【0097】
次に、図9に示すように、前記セラミック積層体60の両表面、即ち、セラミックグリーンシート72A及び72Bが積層された表面に相当する面に、幅広の圧電/電歪層と幅広の電極層とを互い違いに櫛歯状に積層し、焼成することによって、セラミック積層体60上に圧電/電歪素子ブロック160を作製する。即ち、このとき、セラミック積層体60と圧電/電歪素子ブロック160とを有する圧電/電歪デバイスブロック162が作製されることになる。
【0098】
図9の例では、セラミック積層体60の上下にそれぞれ圧電/電歪素子ブロック160を形成した例を示したが、セラミック積層体60の片方に圧電/電歪素子ブロック160を形成するようにしてもよい。
【0099】
次に、図9に示すように、圧電/電歪素子ブロック160が形成された圧電/電歪デバイスブロック162のうち、切断線C1、C2、C3に沿って切断することにより、圧電/電歪デバイスブロック162の側部と先端部を切除する。この切除によって、図1に示すように、セラミック基体16に圧電/電歪素子18a及び18bが形成され、かつ、互いに対向する端面34a及び34bを有する可動部20a及び20bが形成された圧電/電歪デバイス10を得る。
【0100】
切断のタイミングは、切断線C1及びC2に沿って切断した後に、切断線C3に沿って切断してもよく、切断線C3に沿って切断した後に、切断線C1及びC2に沿って切断してもよい。もちろん、これらの切断を同時に行うようにしてもよい。また、切断線C3と対向する固定部14の端面も適宜切断するようにしてもよい。
【0101】
その後、上述のようにして得られた圧電/電歪デバイス10の圧電/電歪素子18a及び18bに対して熱処理を施す。この熱処理は、熱処理温度と時間との関係でみたとき、電極層24、26に含まれる金属が変形する臨界曲線と、電極層24、26に含まれる金属が破断する臨界曲線、あるいは圧電/電歪層22が分解する臨界曲線とで囲まれた領域で示される熱処理温度と時間で行う。
【0102】
ここで、電極層24、26に含まれる金属が変形する臨界曲線とは、SEM(走査電子顕微鏡)にて倍率1000以上で熱処理前の電極層24、26と熱処理後の電極層24、26の形状を比較することによって、金属が変化しているかどうかを測定した結果から導かれる臨界曲線である。以下の説明では、「金属が変形する臨界曲線」を「金属の変形下限」と記す。
【0103】
圧電/電歪層22が分解する臨界曲線については、まず、圧電/電歪層22を大気中で高温環境下に置くと、圧電/電歪層22中の揮発しやすい成分、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)ではPbなどが揮発すると圧電/電歪層22の組成がずれることになる。この状態で安定化させると、前記ずれた分に応じてPZT以外の相(異相)が析出する。つまり、圧電/電歪層22が分解すると異相が析出することになる。従って、本実施の形態では、この異相が析出しない上限を「圧電/電歪層が分解する臨界曲線」としている。圧電/電歪層22が分解して異相が析出すると、圧電/電歪層22の特性が低下するため、分解は起きないことが望ましい。以下の説明では、「圧電/電歪層が分解する臨界曲線」を「圧電/電歪層の分解上限」と記す。
【0104】
図10に、圧電/電歪層22としてPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を用いた場合の該PZTの分解上限と、電極層24、26中の金属材料としてPtを用いた場合のPtの変形下限と、電極層24、26中の金属材料としてAuを用いた場合のAuの変形下限と、Auの破断上限を示す。
【0105】
そして、電極層24、26の金属材料としてPtを用いた場合、前記熱処理は、Ptの変形下限とPZTの分解上限とで囲まれた領域で示される熱処理温度と時間で行うことが好ましい。
【0106】
また、電極層24、26の金属材料としてAuを用いた場合、前記熱処理は、Auの変形下限とAuの破断上限とで囲まれた領域で示される熱処理温度と時間で行うことが好ましい。
【0107】
ここで、1つの実験例を示す。この実験例は、実施例1及び実施例2について、圧電/電歪素子18a及び18bの切断面における表面状態をSEM(走査電子顕微鏡)にて測定した。
【0108】
実施例1は、圧電/電歪層22としてPZTを用い、電極層24、26の金属材料としてPtを用い、熱処理条件として温度:600℃、時間:5時間とした。即ち、図10においてポイントP1にて示す条件で熱処理を行った。熱処理後の実施例1の表面形状を図11に示す。
【0109】
実施例2は、圧電/電歪層22としてPZTを用い、電極層24、26の金属材料としてPtを用い、熱処理条件として温度:1000℃、時間:10分とした。即ち、図10においてポイントP2にて示す条件で熱処理を行った。熱処理後の実施例2の表面形状を図12に示す。
【0110】
図11及び図12において、横軸は、圧電/電歪素子18a(及び18b)の先端を基準として厚み方向(薄板部12a(及び12b)へ向かう方向)の距離を示し、縦軸は、圧電/電歪素子18a(及び18b)の幅方向の距離を示す。
【0111】
なお、比較例として、熱処理を行わない場合の表面状態を測定したところ、切断のタイミングや切断装置の種類などによって、電極層24、26の端部24a、26aが突出し過ぎたり、電極層24、26の端部24a、26aが圧電/電歪層22の端面22aよりも外部に突出していない、あるいは突出量tが小さすぎるなど、様々な形状があり、つまり、形状にばらつきがあり、特定することができなかった。
【0112】
図11及び図12の各曲線のうち、突出している部分170が電極層24、26の端部24a、26aを示し、電極層24、26の端部24a、26a間の底部となっている部分172が圧電/電歪層22の端面22aを示す。これら図11及び図12から、実施例1及び実施例2の表面形状にほとんど違いがないことがわかる。実施例1と実施例2では共に、電極層24、26の端部24a、26a間における圧電/電歪層22の端面22aが凹状に変形していることがわかる。また、電極層24、26の端部24a、26aの突出量tは、電極層24、26間における圧電/電歪層22の厚みLdの1/2以下になっており、ほぼ1μmとなっている。
【0113】
このように、圧電/電歪デバイスブロック162を切断して圧電/電歪デバイス10とした後の熱処理について、熱処理温度と時間との関係でみたとき、電極層24、26に含まれる金属が変形する臨界曲線と、前記金属が破断する臨界曲線、あるいは圧電/電歪層22が分解する臨界曲線とで囲まれた領域で示される熱処理温度と時間で行うことで、圧電/電歪層22と電極層24、26との積層状態が外部に露呈する側面150において、前記熱処理後の電極層24、26の端部24a、26aが、圧電/電歪層22の端面22aよりも外部に突出し、その突出量tを電極層24、26間における圧電/電歪層22の厚みLdの1/2以下とすることができる。
【0114】
また、上述の製造方法においては、圧電/電歪素子ブロック160を切断して複数の圧電/電歪素子18a(及び18b)に分離した後に、圧電/電歪素子18a(及び18b)に対して熱処理を施す、あるいは圧電/電歪デバイスブロック162を切断して複数の圧電/電歪デバイス10に分離した後に、圧電/電歪デバイス10の圧電/電歪素子18a(及び18b)に対して熱処理を施すようにしているため、電極層24、26の表面が滑らかになり、バリがなくなる、あるいはバリを小さくすることができる。
【0115】
しかも、前記熱処理によって圧電/電歪層22の結晶状態が修復されることから、熱処理前に発生していたマイクロクラックをほとんどなくすことができる。また、加工面(圧電/電歪層22や電極層24、26の切断面)に残った加工歪みを減少させることができるため、圧電/電歪素子18a及び18b、あるいは圧電/電歪デバイス10としたときの特性の向上、信頼性を向上させることができる。
【0116】
ところで、本実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10を上述した種々の機器に取り付ける場合においては、その基準となる指標があれば好ましい。以下にその好ましい具体例について図13〜図15を参照しながら説明する。
【0117】
まず、第1の具体例に係る圧電/電歪デバイス10Aは、図13に示すように、上述した本実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10とほぼ同様の構成を有するが、薄板部12a及び12bの先端部分が肉厚になっていない点と、固定部14の内壁のうち、薄板部12a及び12b近傍にそれぞれ切込み(切欠き)200が形成されている点と、薄板部12a及び12bの各後端210(薄板部12a及び12bの先端212とは反対の端部)が固定部14の後端面14aよりも後方に突出している点で異なる。つまり、固定部14の後端面14aに2つの凸部214が形成された形となっている。
【0118】
この場合、まず、前記切込み200を有することから、一対の薄板部12a及び12bの長さが実質的に長くなり、変位量を大きくとることができると共に、薄板部12a及び12bが撓みやすくなるため、消費電力の低減化も図ることができる。
【0119】
また、凸部214の端面214a(この例では、薄板部12a及び12bの各後端210に対応する)を、圧電/電歪デバイス10Aの取り付けの際の突き当て面とすることで、該圧電/電歪デバイス10Aの組み立て時の基準とすることができる。また、前記凸部214は、画像処理等を用いて位置決めする際の基準点として使用することもできる。
【0120】
しかも、圧電/電歪デバイス10Aを接着剤にて取り付ける際に、前記凸部214の存在によって接触面積が増加するため、強固に固定することができる。
【0121】
凸部214を形成するには、例えば、図7で示すセラミックグリーンシート72Aの長さ等を適宜設定したり、セラミックグリーンシート72Aの積層位置を相対的にずらすことで容易に実現することができる。一般に、セラミックグリーンシートは、長さや厚さ並びに幅等の寸法を高い精度で加工することができるため、上述のような位置決め基準として十分に確保することができる。
【0122】
凸部214の端面214aは、平坦面のほか、テーパ面としてもよいし、凸部214自体を先鋭状としてもよい。テーパ面とした場合は、対向する突き当て面に対して線で接触させることができる。先鋭状とした場合は、対向する突き当て面に対して点で接触させることができる。この例のように、2つの凸部214を設ければ、対向する突き当て面に対して2点で接触させることができ、圧電/電歪デバイス10Aの位置決めを精度よく、かつ、簡単に行うことができる。
【0123】
もちろん、凸部214は、用途によって任意に形成位置を変更することができ、例えば図14に示す第2の具体例に係る圧電/電歪デバイス10Bのように、2つの凸部214を、固定部14の端面14aのうち、上述した第1の具体例に係る圧電/電歪デバイス10Aの場合よりも内方に設けることもできる。この場合、上述した凸部214は、例えば図7のセラミックグリーンシート70A〜70D、セラミックグリーンシート102A〜102Gのいずれか2つの長さ等を変えたり、積層位置を相対的にずらす等によって容易に形成することができる。
【0124】
また、図15に示す第3の具体例に係る圧電/電歪デバイス10Cのように、固定部14の端面14aには、上述した凸部214の代わりに、凹部216を形成するようにしてよい。これにより、例えば各種機器のうち、前記圧電/電歪デバイス10Cが取り付けられる部分に例えば2条のレールが存在している場合に、該レールを凹部216内に挿入することによって圧電/電歪デバイス10Cを各種機器に簡単に位置決めすることができ、圧電/電歪デバイス10Cの取り付け作業が容易になる。
【0125】
凹部の形成は、例えば図7のセラミックグリーンシート70Aと70Dの長さ等を変えたり(短くする等)、積層位置を相対的にずらす等によって容易に形成することができる。
【0126】
上述した圧電/電歪デバイス10、10a、10b、10A、10B及び10Cによれば、各種トランスデューサ、各種アクチュエータ、周波数領域機能部品(フィルタ)、トランス、通信用や動力用の振動子や共振子、発振子、ディスクリミネータ等の能動素子のほか、超音波センサや加速度センサ、角速度センサや衝撃センサ、質量センサ等の各種センサ用のセンサ素子として利用することができ、特に、光学機器、精密機器等の各種精密部品等の変位や位置決め調整、角度調整の機構に用いられる各種アクチュエータに好適に利用することができる。
【0127】
なお、この発明に係る圧電/電歪素子、圧電/電歪素子の製造方法、圧電/電歪デバイス及び圧電/電歪デバイスの製造方法は、上述の実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0128】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る圧電/電歪素子及び圧電/電歪デバイスによれば、電極層の先端部において放電が発生しにくく、対向する電極層間における短絡も防止することができる。
【0129】
また、本発明に係る圧電/電歪素子の製造方法及び圧電/電歪デバイスの製造方法によれば、電極層の先端部において放電が発生しにくく、対向する電極層間における短絡も防止することができる圧電/電歪素子及び圧電/電歪デバイスを簡単に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの構成を示す斜視図である。
【図2】本実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの圧電/電歪素子を示す拡大図である。
【図3】図2におけるIII−III線上の断面図である。
【図4】図3の一部拡大図である。
【図5】第1の変形例に係る圧電/電歪デバイスの圧電/電歪素子を示す拡大図である。
【図6】第2の変形例に係る圧電/電歪デバイスの圧電/電歪素子を示す拡大図である。
【図7】必要なセラミックグリーンシートの積層過程を示す説明図である。
【図8】セラミックグリーンシートを積層してセラミックグリーン積層体とした状態を示す説明図である。
【図9】セラミックグリーン積層体を焼成してセラミック積層体とした後、前記セラミック積層体に圧電/電歪素子ブロックを形成した状態(圧電/電歪デバイスブロックを形成した状態)を示す説明図である。
【図10】本実施の形態に係る熱処理条件を示す特性図である。
【図11】実施例1(熱処理条件:600℃、5時間)における電極層の端部と圧電/電歪層の端面の形状を示す特性図である。
【図12】実施例1(熱処理条件:1000℃、10分)における電極層の端部と圧電/電歪層の端面の形状を示す特性図である。
【図13】第1の具体例に係る圧電/電歪デバイスを示す正面図である。
【図14】第2の具体例に係る圧電/電歪デバイスを示す正面図である。
【図15】第3の具体例に係る圧電/電歪デバイスを示す正面図である。
【符号の説明】
10、10a、10b、10A〜10C…圧電/電歪デバイス
16…セラミック基体
18a、18b…圧電/電歪素子 22…圧電/電歪層
22a…端面 24…一方の電極層
24a…端部 26…他方の電極層
26a…端部 60…セラミック積層体
160…圧電/電歪素子ブロック
162…圧電/電歪デバイスブロック

Claims (8)

  1. 圧電/電歪層と電極層とが互い違いに櫛歯状に積層された構造を有し、
    前記圧電/電歪層と前記電極層との積層状態が外部に露呈する側面において、前記電極層の端部が前記圧電/電歪層の端面よりも外部に突出し、その突出量が前記電極層間における前記圧電/電歪層の厚みの1/2以下であることを特徴とする圧電/電歪素子。
  2. 請求項1記載の圧電/電歪素子において、
    前記突出量が0.5μm以上、2μm以下であることを特徴とする圧電/電歪素子。
  3. 請求項1又は2記載の圧電/電歪素子において、
    前記電極層はサーメットを含むことを特徴とする圧電/電歪素子。
  4. 圧電/電歪層と電極層とが互い違いに櫛歯状に積層された構造を有する圧電/電歪素子の製造方法において、
    幅広の圧電/電歪層と幅広の電極層とを互い違いに櫛歯状に積層し、焼成して圧電/電歪素子ブロックを作製する工程と、
    前記圧電/電歪素子ブロックを切断して複数の圧電/電歪素子に分離する工程と、
    前記圧電/電歪素子に対して熱処理を施す工程とを有し、
    前記熱処理は、熱処理温度と時間との関係でみたとき、前記電極層に含まれる金属が変形する臨界曲線と、前記金属が破断する臨界曲線、あるいは前記圧電/電歪層が分解する臨界曲線とで囲まれた領域で示される熱処理温度と時間で行うことを特徴とする圧電/電歪素子の製造方法。
  5. 請求項4記載の圧電/電歪素子の製造方法において、
    前記熱処理は、前記圧電/電歪層と前記電極層との積層状態が外部に露呈する側面において、前記熱処理後の前記電極層の端部が、前記圧電/電歪層の端面よりも外部に突出し、その突出量が前記電極層間における前記圧電/電歪層の厚みの1/2以下となる温度と時間で行うことを特徴とする圧電/電歪素子の製造方法。
  6. 請求項5記載の圧電/電歪素子の製造方法において、
    前記突出量が0.5μm以上、2μm以下であることを特徴とする圧電/電歪素子の製造方法。
  7. セラミック基体上に、積層型の圧電/電歪素子を少なくとも有し、
    前記圧電/電歪素子は、圧電/電歪層と電極層とが互い違いに櫛歯状に積層された構造を有し、
    前記圧電/電歪層と前記電極層との積層状態が外部に露呈する側面において、前記電極層の端部が前記圧電/電歪層の端面よりも外部に突出し、その突出量が前記電極層間における前記圧電/電歪層の厚みの1/2以下であることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  8. セラミック基体上に、積層型の圧電/電歪素子を少なくとも有し、
    前記圧電/電歪素子は、圧電/電歪層と電極層とが互い違いに櫛歯状に積層された構造を有する圧電/電歪デバイスの製造方法において、
    セラミック積層体上に、幅広の圧電/電歪層と幅広の電極層とを互い違いに櫛歯状に積層し、焼成して圧電/電歪デバイスブロックを作製する工程と、
    前記圧電/電歪デバイスブロックを切断して複数の圧電/電歪デバイスに分離する工程と、
    前記圧電/電歪デバイスの前記圧電/電歪素子に対して熱処理を施す工程とを有し、
    前記熱処理は、熱処理温度と時間との関係でみたとき、前記電極層に含まれる金属が変形する臨界曲線と、前記金属が破断する臨界曲線、あるいは前記圧電/電歪層が分解する臨界曲線とで囲まれた領域で示される熱処理温度と時間で行うことを特徴とする圧電/電歪デバイスの製造方法。
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