JP3508673B2 - 自己潤滑性コーティング及びその形成方法 - Google Patents

自己潤滑性コーティング及びその形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、摩擦係数の低い、
耐磨耗性に優れた自己潤滑性コーティング及びその形成
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】摺動部材、例えばシリンダライナーは、
ピストンリングとの相対的なすべり摩擦を受け、磨耗す
るため、通常適切な潤滑油を用いて接触面の金属接触を
防止している。
【0003】ところが、エンジン始動時、特にエンジン
製造後の初始動時においては、エンジン内全体に潤滑油
が循環していないため、シリンダライナー等の部品に大
きな摩擦力が発生する可能性がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な潤滑油が存在しない場合又はオイル切れが発生した場
合においても潤滑性を有する自己潤滑性コーティング及
びその形成方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明によれば、基材表面上に形成されたコーティ
ングにおいて、金属と酸素との結合を主鎖とする三次元
網目構造を有し、この三次元網目構造内に潤滑油を含有
している。
【0006】また2番目の発明では、金属アルコキシ
ド、溶媒、水及び触媒を含む金属アルコキシド溶液に潤
滑油を添加してコーティング溶液を形成し、このコーテ
ィング溶液を基材表面に被覆させ、次いで全体を加熱す
ることにより上記自己潤滑性コーティングが形成され
る。
【0007】本発明の自己潤滑性コーティングは、金属
と酸素との結合を主鎖とする三次元網目構造を有してお
り、この三次元網目構造内に潤滑油を含有しているた
め、潤滑油が存在しない場合又はオイル切れが発生した
場合においても潤滑性を有するのである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のコーティングが有する金
属と酸素との結合を主鎖とする三次元網目構造は、金属
アルコキシドを用いて、いわゆるゾル−ゲル法により形
成される構造である。このゾル−ゲル法とは、金属のア
ルコキシドを溶液とし、この溶液中でアルコキシドの加
水分解・重縮合反応を進行させてゾルをゲルにして固化
し、このゲルを加熱することによって酸化物固体を製造
する方法である。本発明では、このゲル溶液を基材表面
に被覆させ、次いで加熱することによりコーティングを
形成している。
【0009】本発明において用いられる金属アルコキシ
ドとは、下式 M(OR)n で表される化合物であり、上式中、Mは金属であり、R
はアルキルであり、nは金属Mの酸化数である。金属M
としては様々なものを用いることができ、目的とする金
属酸化物に対応するものを用いる。この金属Mとして
は、限定するものではないが、Li、Na、Cu、C
a、Sr、Ba、Zn、B、Al、Ga、Y、Si、G
e、Pb、P、Sb、V、Ta、W、La、Nd、及び
これらの混合物を用いることができる。また、アルキル
としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル等、又は
これらの混合物を用いることができる。
【0010】従って、金属アルコキシドとしては具体的
には、Si(OCH3)4 、Si(OC2 5)4 、Si
(i−OC3 7)4 、Si(i−OC4 9)4 、Ti
(OCH 3)4 、Ti(OC2 5)4 、Ti(i−OC3
7)4 、Ti(OC4 9)4 、Zr(OCH3)4 、Zr
(OC2 5)4 、Zr(i−OC3 7)4 、Zr(OC
49)4 、Al(OCH3)3 、Al(OC2 5)3 、A
l(i−OC3 7)3 、Al(OC4 9)3 等が例示さ
れる。
【0011】この金属アルコキシドに溶媒(均質溶液調
製用)、水(加水分解用)及び触媒を加え、金属アルコ
キシド溶液を調製する。溶媒としては、メタノール、エ
タノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類
が主として用いられるが、その外に金属アルコキシドを
溶解するエチレングリコール、エチレンオキシド、トリ
エタノールアミン、キシレン等も用いることができる。
触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、フッ酸等の
酸、又はアンモニア等のアルカリを用いることができ
る。
【0012】こうして調製した金属アルコキシド溶液に
潤滑油を添加して、コーティング溶液を調製する。潤滑
油としては特に制限はなく、用途に応じてガソリンエン
ジン油、ディーゼルエンジン油、ギヤ油等を用いること
ができる。
【0013】こうして調製したコーティング溶液を基材
表面上に被覆させる。この被覆法としては、例えばディ
ッピング、スプレー、スピンコート等が例示される。
【0014】このコーティング溶液は、放置すると、金
属アルコキシドが加水分解、重合し、湿潤ゲルを形成す
る。例えば金属アルコキシドとしてテトラエトキシシラ
ン(Si(OC2 5)4 )を用いる場合には、加水分解
は nSi(OC2H5)4 + 4nH2O → nSi(OH)4 + 4nC2H5OH のように進行し、重合反応は Si(OH)4 + Si(OH)4 → (OH)3-Si-O-Si(OH)3 (OH)3-Si-O-Si(OH)3 + Si(OH)4 → (OH)3Si-O-Si
(OH)2-O-Si(OH)3 のように進行し、シロキサン重合体が生成する。
【0015】このコーティングが基材表面に結合するの
は、基材表面に酸化物層が形成し、この層の表面にある
OHからH2 Oが脱離して、−M(基材表面)−O−M
(アルコキシド中の金属)−の構造を形成するからであ
る。また上記のシロキサン重合体が結合してシロキサン
骨格を形成し、金属(Si)と酸素との結合を主鎖とす
る三次元網目構造を形成する。このシロキサン骨格は多
くの細孔を有しており、この細孔内に潤滑油が保持され
ることになる。
【0016】こうして形成したコーティングを、例えば
150 〜250 ℃に5〜10分加熱することにより、十分な強
度を有する本発明のコーティングが得られる。このコー
ティングの厚さは、例えばディッピング法により形成す
る場合、1回の操作によって、コーティング溶液中の金
属アルコキシドの含有量、溶液の粘度、あるいは基材の
引上げ速度によっても異なるが、通常は0.03〜0.1 μm
程度の厚さとなる。従ってコーティング操作を繰り返す
ことによって、所望の厚さのコーティングを得ることが
できる。
【0017】
【実施例】メチルトリエトキシシラン18g 、0.05N の塩
酸10g 、エタノール30g 、オイル3.2gを容器中で混合、
攪拌してコーティング溶液を調製した。このコーティン
グ溶液にアルミ製円板試験片を浸漬し、引き上げた後、
約250 ℃で加熱し、円板試験片上にコーティングを形成
した。
【0018】こうしてコーティングを設けた試験片のコ
ーティング面に、潤滑油を1ml塗布し、内径20mm、外径
25.6mmの鉄S45C製円筒試験片を荷重下で1000rpm/min で
摺動回転させ、摩擦係数を測定した。また、比較とし
て、コーティングを施さない試験片及び潤滑油を含有し
ない同様のコーティングを施した試験片についても同様
にして摩擦係数を測定した。加えた荷重に対する摩擦係
数の結果を図1のグラフに示す。
【0019】図1より明らかなように、本発明のコーテ
ィングを施した試験片は荷重を加えても低い摩擦係数を
示し、一方コーティングを設けない試験片では荷重を高
めると共に摩擦係数は増加し、さらに潤滑油を含有しな
いコーティングを設けた試験片では低荷重においても摩
擦係数は高かった。
【0020】
【発明の効果】本発明のコーティングは、その構造中に
潤滑油を含有しているため、低い摩擦係数を示し、また
このコーティングは簡便なディップコーティングによっ
て形成することができ、容易にかつ低コストで形成する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】荷重に対する摩擦係数の関係を示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C10N 40:02 C10N 40:02 40:06 40:06 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 26/00 C10M 101/00 C10M 105/00 C10N 30:06 C10N 40:00 C10N 40:02 C10N 40:06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面上に形成された、金属と酸素と
    の結合を主鎖とする三次元網目構造を有し、この三次元
    網目構造内に潤滑油を含有していることを特徴とする、
    自己潤滑性コーティング。
  2. 【請求項2】 金属アルコキシド、溶媒、水及び触媒を
    含む金属アルコキシド溶液に潤滑油を添加してコーティ
    ング溶液を形成し、このコーティング溶液を基材表面に
    被覆させ、次いで全体を加熱することからなる、請求項
    1記載の自己潤滑性コーティングの形成方法。
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