JP2006077309A - 金属表面へのシリケート化合物付与剤及び金属表面に該付与剤からなる層を形成してなる複合金属材 - Google Patents

金属表面へのシリケート化合物付与剤及び金属表面に該付与剤からなる層を形成してなる複合金属材 Download PDF

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Abstract

【課題】金属表面に任意量のシリケート化合物を強固に結合させ得るシリケート化合物付与剤及び金属表面に該付与剤からなる層を形成してなる複合金属材を提供する。
【解決手段】1)金属アルコキシドと、2)互いに重合可能な官能基を有するシリケート化合物との縮重合体からなる、金属表面へのシリケート化合物付与剤及び金属表面に該付与剤からなる層を形成してなる複合金属材。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属表面へのシリケート化合物付与剤及び金属表面に該付与剤からなる層を形成してなる複合金属材に関する。
金属表面にシリケート化合物を結合(付着)させた複合金属材は、例えば、導電材料、触媒、印刷インキ等に幅広く利用されている。該複合金属材は、有機成分を含む被覆層を有するため有機溶剤に対する分散性に優れている。また、シリケート化合物が互いに重合可能な官能基を有する場合には、自己重合(互いに重合可能な官能基どうしによる重合)若しくは該官能基と重合可能な官能基を有する高分子化合物との重合により高分子化することができる。高分子化した場合には、金属を強固に保持した高分子化合物(金属含有材料)を提供することができる。
シリケート化合物を金属表面に任意量結合させることは困難である。これは、金属表面とシリケート化合物との反応性(結合性)が低いことが主な原因である。従来、金属表面にシリケート化合物を結合させるために、例えば、反応時の温度を100℃以上にして強制的に結合反応を促進すること、金属表面に金属酸化物を被覆後、シリケート化合物を金属表面ではなく、金属酸化物膜上に被覆すること等が試みられている。
しかしながら、従来法では、金属表面(金属酸化物膜上も含む)にシリケート化合物を結合できても、結合量を任意に調整することは困難である。また、結合後、溶剤を用いて拭き取るか又は結合物を溶剤に浸漬することにより、金属表面から容易にシリケート化合物が剥離するという問題がある。
このような問題に鑑み、金属表面に任意量のシリケート化合物を強固に結合する方法の開発が望まれているが、未だ要求を満たす方法は開発されていない。この問題に関連する事項として、従来、金属表面に異種材料を強固に結合する方法として、次のような表面処理方法が知られている。
例えば、特許文献1には、銅管表面にシランカップリング剤被膜を形成する際に、予め銅管表面にコロイダルシリカ被膜を形成することが開示されている。また、特許文献2には、銅箔表面と絶縁樹脂との接合性を高めるために、銅箔表面を特定の有機ケイ素化合物からなる処理剤及び/又は有機ケイ素化合物とオレフィン系シランカップリング剤とを有効成分とする処理剤により処理することが開示されている。
特開2002−267393号公報 特開2003−128923号公報
本発明は、金属表面に任意量のシリケート化合物を強固に結合させ得るシリケート化合物付与剤を提供することを主な目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、1)金属アルコキシドと、2)互いに重合可能な官能基を有するシリケート化合物との縮重合体が上記目的の達成に寄与することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の金属表面へのシリケート化合物付与剤及び金属表面に該付与剤からなる層を形成してなる複合金属材に係るものである。
1. 1)金属アルコキシドと、2)互いに重合可能な官能基を有するシリケート化合物との縮重合体からなる、金属表面へのシリケート化合物付与剤。
2. 金属アルコキシドが、ホウ素、ケイ素、アルミニウム、チタン及びジルコニウムからなる群から選択された少なくとも1種の金属のアルコキシドである上記項1記載のシリケート化合物付与剤。
3. 互いに重合可能な官能基が、ビニル基及びエポキシ基からなる群から選択された少なくとも1種である上記項1又は2記載のシリケート化合物付与剤。
4. 1)金属アルコキシド(MA)と、2)互いに重合可能な官能基を有するシリケート化合物(SK)との含有割合が、各々に含まれる金属の酸化物換算重量で表して、MA/SK=20/80〜80/20の範囲内である上記項1〜3のいずれかに記載のシリケート化合物付与剤。
5. 金属表面に上記項1〜4のいずれかに記載のシリケート化合物付与剤からなる層を形成してなる複合金属材。
6. 金属が、鉄、ニッケル、銅、銀及びパラジウムからなる群から選択された少なくとも1種である上記項5記載の複合金属材。
7. 還元雰囲気中且つ昇温速度2℃/min.で複合金属材を加熱する場合の、250〜600℃の区間での重量減少量が0.2〜6重量%である上記項5又は6記載の複合金属材。
8. シリケート化合物付与剤からなる層の厚みが、該層に含まれる金属が全て酸化物の状態で含まれているとした場合に5〜100nmの範囲内である上記項5〜7のいずれかに記載の複合金属材。

以下、本発明のシリケート化合物付与剤及び金属表面に該付与剤からなる層を形成してなる複合金属材について詳細に説明する。
シリケート化合物付与剤
本発明の金属表面へのシリケート化合物付与剤は、1)金属アルコキシドと、2)互いに重合可能な官能基を有するシリケート化合物との縮重合体からなる。
本発明のシリケート化合物付与剤は、金属表面との結合(付着)性が高く、結合後は各種溶剤と接触してもシリケート化合物が剥離し難いという特性がある。また、シリケート化合物付与量を任意に調整し易いという特性もある。さらに、該シリケート化合物は互いに重合可能な官能基を有するため、該シリケート化合物からなる層を形成してなる複合金属材は自己重合(互いに重合可能な官能基どうしによる重合)により容易に高分子化する。そして、該付与剤は有機成分を含んでいるため、該複合金属材は有機分散媒に対して優れた分散性を発揮する。
以下、シリケート化合物付与剤について具体的に説明する。
(金属アルコキシド)
金属アルコキシドとしては特に限定されないが、ホウ素、ケイ素、アルミニウム、チタン及びジルコニウムからなる群から選択された少なくとも1種の金属のアルコキシドが好適なものとして挙げられる。
具体的には、例えば、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリn−ブトキシド、アルミニウムトリsec−ブトキシド、アルミニウムトリtert−ブトキシド、テトラメトキシトリエトキシシラン、テトラエトキシトリメトキシシラン、テトラオルソメトキシシラン、テトラオルソエトキシシラン、チタンイソプロポキシド、チタンn−ブトキシド、チタンsec−ブトキシド、チタンtert−ブトキシド、ジルコニウムイソプロポキシド、ジルコニウムn−ブトキシド、ジルコニウムsec−ブトキシド、ジルコニウムtert−ブトキシド等が挙げられる。これらの金属アルコキシドは、1種又は2種以上を混合して使用できる。
(シリケート化合物)
シリケート化合物としては、互いに重合可能な官能基を有しており、且つ、前記金属アルコキシドと縮重合体を形成し得るものである限り特に限定されない。
具体的には、例えば、γ―メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ―メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γーメタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γーグリシドキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン,N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのシリケート化合物は、1種又は2種以上を混合して使用できる。シリケート化合物が有する互いに重合可能な官能基としては、例えば、ビニル基、エポキシ基、アミノプロピル基、メルカプト基等が挙げられる。この中でも、特にビニル基及びエポキシ基からなる群から選択された少なくとも1種が好ましい。
(付与剤の調製方法)
本発明のシリケート化合物付与剤の調製方法は、上記した金属アルコキシドとシリケート化合物とを縮重合させる方法である限り特に限定されない。通常は、金属アルコキシドとシリケート化合物とを水中に共存させて加熱還流することにより縮重合させることができる。金属アルコキシド及びシリケート化合物は、必要に応じて、アルコール等により希釈して用いてもよいし、縮重合反応を促進するために各種触媒を使用してもよい。
アルコールとしては特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の低級アルコールが好ましい。その他、揮発し易いものであれば、前記アルコールに限定されず広く使用できる。
触媒としては、縮重合反応を促進できるものであれば特に限定されない。例えば、塩酸、硝酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。触媒使用量は特に限定されないが、反応系に存在する金属濃度1molに対して、通常0.001〜0.005mol程度である。かかる範囲内に調整することにより、原料に含まれる金属成分の溶解を防止しつつ縮重合反応を促進することができる。
縮重合させる際に、金属アルコキシドとしてアルミニウムアルコキシド、チタンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド等を用いる場合には、空気中の水分のみでも反応が進行するほど反応活性が高く、シリケート化合物との反応の際に加水分解反応が起こる場合が想定される。従って、この場合には、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル等のキレート剤を加えて反応系を安定化させることが好ましい。キレート剤の使用量は、反応系に含まれる金属濃度1molに対して、通常0.5〜2mol程度であることが、特に安定化、有機成分含有量等の観点から好ましい。
縮重合反応は一般に加熱還流により進行させることができる。加熱条件は限定的ではないが、通常60〜120℃、好ましくは70〜90℃程度である。反応時間は、加熱条件に応じて適宜設定すればよいが、通常、縮重合の反応終点は反応溶液の赤外スペクトル測定により確認することができる。具体的には、反応溶液の赤外スペクトル測定によりSi−O−Si逆対称伸縮振動(1000〜1200cm-1のブロードバンド)を確認できれば反応終点であると判断できる。反応時間に応じて、縮重合物(本発明のシリケート化合物付与剤)の粘度(塗布性)が異なるが、例えば、塗布性は縮重合物をガラス基板等に塗布することにより把握し、調整すればよい。
縮重合させる金属アルコキシドとシリケート化合物との割合は特に限定されず、シリケート化合物付与剤の所望の特性に応じて適宜設定できるが、シリケート化合物付与剤において、次のような量的関係を示すことが好ましい。
即ち、シリケート化合物付与剤中の1)金属アルコキシド(MA)と、2)互いに重合可能な官能基を有するシリケート化合物(SK)との含有割合が、各々に含まれる金属の酸化物換算重量で表して、MA/SK=20/80〜80/20、特に30/70〜50/50の範囲内となることが好ましい。シリケート化合物付与剤には金属アルコキシドとシリケート化合物とが別々に含まれる訳ではないが、各々に由来する金属の酸化物換算重量を比較して、MA/SKの値が上記範囲にあることが好ましい。従って、縮重合物中の金属比が上記の範囲内となるように、原料である金属アルコキシドとシリケート化合部の割合を設定すればよい。
MA/SKの値が上記範囲内の場合には、互いに重合可能な官能基量、金属表面への結合性等の観点からも好ましい。また、上記キレート剤の添加の効果は、特にMA/SKの値が上記範囲内となるように原料混合した場合に効果的である。
複合金属材
本発明の複合金属体は、金属表面に本発明のシリケート化合物付与剤からなる層を形成してなる。
金属(金属母材)としては特に限定されないが、特に鉄、ニッケル、銅、銀及びパラジウムからなる群から選択された少なくとも1種が好ましい。これらの金属は1種又は2種以上を併用することができる。
金属の形状は特に限定されないが、例えば、粒子状、鱗片状、板状等が挙げられる。この中でも、複合金属材を導電材として利用する場合には、特に粒子状、鱗片状等が好適である。金属の大きさは特に限定されず、複合金属材の用途に応じて適宜設定できる。
金属表面はそのまま(酸化被膜なし)でもよく、又は酸化され易い性質を利用して酸化被膜で被覆してもよい。酸化被膜で被覆した場合には、シリケート化合物付与剤の密着性を高めることができる。また、酸化被膜を形成することにより取り扱いが容易になる。酸化被膜は金属の活性が高いことから自然に形成されることが多いが、大気中100〜200℃付近で加熱処理等を行って金属表面に酸化被膜を形成してもよい。酸化被膜の厚みは特に限定されないが、通常2〜20nm、好ましくは5〜10nm程度である。
金属表面にシリケート化合物を結合させるには、通常はアルコール等の揮発性媒体中に被処理金属と上記したシリケート化合物付与剤を共存させて撹拌により馴染ませればよい。撹拌時間は両者が十分に馴染む(シリケート化合物が金属表面に付着する)時間であれば特に限定されないが、通常30分以上が好ましい。その他、金属表面に直接シリケート化合物付与剤のアルコール溶液等を塗布、噴霧することにより両者を馴染ませてもよい。
両者が十分に馴染んだ後、溶剤を揮発させる。通常は、減圧下において60〜120℃に加熱(乾燥)して溶剤を揮発させればよい。120℃を超える温度は金属の酸化を誘発するおそれがあるため好ましくない。
金属表面にシリケート化合物(付与剤)からなる層が形成されていることは、例えば、FT−IR拡散反射(DR)法で測定した赤外線吸収スペクトルから確認できる。
具体的には、赤外線吸収スペクトルにおいて、Si−O−Si逆対称伸縮振動(約1000〜1200cm-1のブロードバンド)、メチル及びメチレンの対称伸縮振動(約2800〜3000cm-1)、C=C及びC=O伸縮振動(1700〜1750cm-1)等の吸収が認められれば、金属表面へのシリケート化合物の付与が確認できる。例えば、図3には、実施例1で作製した複合金属材のFT−IR拡散反射法で測定した赤外線吸収スペクトルが示されており、該スペクトルには、前記の吸収帯が確認できる。
乾燥後におけるシリケート化合物(付与剤)からなる層の厚みは、該層に含まれる金属元素が全て酸化物の状態で含まれているとした場合に5〜100nm、好ましくは10〜50nm程度である。
また、複合金属材は、還元雰囲気中且つ昇温速度2℃/min.で加熱する場合の、250〜600℃の区間での重量減少量が、通常0.2〜6重量%、特に0.3〜2重量%であることが好ましい。シリケート化合物付与剤調製時に反応系の安定化のためにキレート化合物を添加した場合には、複合金属材にキレート化合物が付着しているが、重量減少量を測定する際には、該キレート化合物の重量減少分を差し引いて複合金属材の重量減少量を算出する必要がある。
なお、本明細書では昇温速度2℃/min.を採用しているが、2〜10℃/min.程度の範囲内であれば重量減少量の結果に実質差は生じないため、熱分析を行う場合には、昇温速度2〜10℃/min.の範囲内であって、好ましい昇温速度として2℃/min.を設定することができる。
重量減少量を測定するための加熱は、還元雰囲気中で行うことが好ましい。還元雰囲気は複合金属材中の金属の酸化が防止できる限り特に限定されず、例えば、窒素雰囲気が挙げられる。
上記説明した熱重量減量、被覆膜厚及び付与剤中のMA/SK比は相関関係を有している。重量減量が大きい場合には、被覆量を多くするか、被覆膜厚を一定でMA/SK比を小さくすればよい。逆に、重量減少が小さい場合には、被覆量を少なくするか、被覆膜厚を一定にしてMA/SK比を大きくすればよい。
重合可能な官能基を有するシリケート化合物により被覆された本発明の複合金属材は、該官能基を利用し重合させて高分子化することも可能である。高分子化した場合には、金属を強固に保持した高分子化合物(金属含有材料)となる。また、シリケート化合物には有機成分が含まれているため、有機分散媒への分散性も優れている。このような複合金属材は、例えば、導電材、触媒、印刷インキ材料等として有用である。
本発明のシリケート化合物付与剤は、金属表面との結合性が高く、結合後は各種溶剤と接触してもシリケート化合物が剥離し難いという特性がある。また、シリケート化合物付与量を任意に調整し易いという特性もある。さらに、該シリケート化合物は互いに重合可能な官能基を有するため、該シリケート化合物からなる層を形成してなる複合金属材は自己重合により容易に高分子化する。さらに、該付与剤は有機成分を含んでいるため、該複合金属材は有機分散媒に対して優れた分散性を発揮する。
以下に実施例及び参考例を示し、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
テトラオルソエトキシシラン(TEOS)31g(0.15mol)及び酢酸34.8g(0.58mol)をエタノール96gに溶解した。この溶液に、γ―メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン21.9g(0.088mol)及び水5.1g(0.28mol)を予めエタノール96gに溶解後、触媒であるp−トルエンスルホン酸0.1gを添加してなる液を撹拌しながら滴下した。
得られた溶液を加熱還流した。反応の終点は、FT−IR測定により1200cm-1及び1250cm-1のピークが確認できた時点とした。塗布性については、ガラス基板に塗布して成膜の良否を判断した。
得られた反応液284g(SiO2換算濃度:5重量%)をCu粉末の表面処理用シリケート化合物付与剤として用いた。
Cu粉末(粒子径5μm)50gに対して、塗布膜中の金属を酸化物換算して30nmの膜厚になるよう、且つ、還元雰囲気中且つ昇温速度2℃/min.で加熱して250〜600℃の区間での減量が0.8重量%となるように結合剤14.2gを添加し、撹拌性及び均一性を補うためにエタノール30gを入れ撹拌した。
1時間撹拌後、60℃で減圧濃縮して溶剤を揮散後、得られたCu粉末を100℃で30分間乾燥させた。次いで、FT−IRにて粉末を測定して、Si−O−Si逆対称伸縮振動(1000〜1200cm-1のブロードバンド)、C=CおよびC=O伸縮振動(1700〜1750cm-1)の主たる吸収を確認した。さらに、Ni粉末(粒子径5μm)に対しても行い同様の結果を得た。
実施例2
テトラオルソエトキシシラン(TEOS)をチタンn−ブトキシド37.9(0.11モル)に置き換え、安定化のためアセチルアセトンをTi1モルに対して1モル添加(11g)する以外は実施例1と同様にして行った。但し、得られるシリケート化合物付与剤中の金属濃度を酸化物換算濃度(SiO2+TiO2の濃度和)で5重量%とした。
この結合剤を用いて実施例1と同様の方法にてCu粉末(粒子径5μm)50gに対して、塗布膜中の金属を酸化物換算して25nmの膜厚になるように、且つ、還元雰囲気中且つ昇温速度2℃/min.で加熱して250〜600℃の区間での減量が0.6重量%となるように処理した。
さらに、Ni粉末(粒子径5μm)に対しても行い同様の結果を得た。
実施例3〜9
金属アルコキシド及びシリケート化合物を表1に示すように組み合わせた以外は、実施例1と同様にしてシリケート化合物付与剤を合成した。付与剤の濃度は含有金属の酸化物換算濃度が5重量%となるように調整した。該付与剤を用いてCu粉末(粒子径5μm)及びNi粉末(粒子径5μm)の表面処理を施した結果も表1に示す。250℃から600℃での減量を見積る際は、安定化のため添加したキレート剤からの減量を計算により差し引いた。
参考例1〜3
金属アルコキシド及びシリケート化合物を表1に示すように組み合わせた以外は、実施例1と同様にしてシリケート化合物付与剤を合成した。表1に示した条件で該付与剤を用いてCu粉末(粒子径5μm)及びNi粉末(粒子径5μm)の表面処理を施した結果も表1に示す。参考例1〜3では、付着性が十分でなく、剥離や凝集が顕著であることが分かる。
Figure 2006077309
実施例1で得られた複合金属材のSEM像である。 実施例1で得られた複合金属材を昇温速度2℃/min.で加熱(N2ガス流量400ml/min.)した場合の室温から600℃の範囲での熱分析データである。 FT−IR拡散反射法により求めた、実施例1で得られた複合金属材の赤外線吸収スペクトル図である。

Claims (8)

  1. 1)金属アルコキシドと、2)互いに重合可能な官能基を有するシリケート化合物との縮重合体からなる、金属表面へのシリケート化合物付与剤。
  2. 金属アルコキシドが、ホウ素、ケイ素、アルミニウム、チタン及びジルコニウムからなる群から選択された少なくとも1種の金属のアルコキシドである請求項1記載のシリケート化合物付与剤。
  3. 互いに重合可能な官能基が、ビニル基及びエポキシ基からなる群から選択された少なくとも1種である請求項1又は2記載のシリケート化合物付与剤。
  4. 1)金属アルコキシド(MA)と、2)互いに重合可能な官能基を有するシリケート化合物(SK)との含有割合が、各々に含まれる金属の酸化物換算重量で表して、MA/SK=20/80〜80/20の範囲内である請求項1〜3のいずれかに記載のシリケート化合物付与剤。
  5. 金属表面に請求項1〜4のいずれかに記載のシリケート化合物付与剤からなる層を形成してなる複合金属材。
  6. 金属が、鉄、ニッケル、銅、銀及びパラジウムからなる群から選択された少なくとも1種である請求項5記載の複合金属材。
  7. 還元雰囲気中且つ昇温速度2℃/min.で複合金属材を加熱する場合の、250〜600℃の区間での重量減少量が0.2〜6重量%である請求項5又は6記載の複合金属材。
  8. シリケート化合物付与剤からなる層の厚みが、該層に含まれる金属が全て酸化物の状態で含まれているとした場合に5〜100nmの範囲内である請求項5〜7のいずれかに記載の複合金属材。
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