JP3508617B2 - 電子線描画装置および電子線を用いた描画方法 - Google Patents
電子線描画装置および電子線を用いた描画方法Info
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Description
パターン等を半導体ウェハ等に描画する電子線描画装置
および電子線を用いた描画方法に関する。
である。いくつか例を挙げると、プロセス条件,近接効
果,電子線のぼけ(クーロン効果,電子線偏向器によっ
て生じる誤差),機構システムの精度(ウェハ,マスク
の移動時の位置精度)などが精度に影響する。
密により生じる誤差である。例えば、ウェハの描画する
領域全体に対して、パターンとパターンの間隔が広い孤
立したパターンではその線幅が細くなり、べたパターン
とよばれる面積の広い、すなわち領域全体に対しては密
度の高いパターンでは太りが生じる様な現象である。近
年、ウェハに描画されるパターンのデザインルールとよ
ばれる線幅の微細化の必要性により、上記問題の解決は
重要になってきている。
画されてしまうという問題を解決するものとして、文献
村井二三夫他「ファスト・プロキシミティ・イフェク
ト・コレクション・メソッド・ユージング・ア・パター
ン・エリア・デンシティ・マップ」、ジャーナル・オブ
・バキューム・サイエンス・テクノロジー・ビー、第1
0巻、第6号、1992年11月/12月、3072か
ら3076頁(F.Muraiet al,“Fast proximity effect
correction method using a pattern areadensity ma
p”, J.Vac.Sci.Technol.B 10(6), Nov/Dec 1992, pp.3
072-3076)、特開平3−225816号公報,特開平8−213315
号公報,特開平10−229047号公報,米国特許第5,149,97
5号,米国特許第5,278,421号に記載されている面積密度
マップあるいは露光量マップを用いて近接効果補正を行
う露光量決定方法がある。
仮定して、このメッシュ毎にパターンの面積密度を求
め、描画領域全体の面積密度の変化を表わしたものを面
積密度マップもしくは露光量マップとよび、その面積密
度の大小に応じて露光量を決定してパターンを描画する
方法である。例えば、上述した孤立パターンの場合には
面積密度が小さいので、露光量を増やし、一方、面積密
度の高いパターンでは露光量を小さくする。
作成するための空描画と、実際の描画の2度の描画がな
される。空描画とは、ウェハへの電子線の照射はせずに
電子線の偏向制御までの演算を実行することである。こ
れによって面積密度マップが作成され、この面積密度マ
ップのデータに基づいて実際の露光量を演算して実際の
描画が行われる。
明する。図5は、従来技術における近接効果補正の構成
を表す機能ブロック図、図6はその手順を示すフローチ
ャートであり、以下説明する。
て図形分解(パターンデータを実際の電子線が描画でき
るパターンに分解すること)されたショット(実際の電
子線が一度の露光で描画できるパターン図形)毎のデー
タが存在し、このショット毎に以下の処理が実行され
る。
(図6中のブロック201)、面積密度マップ作成手段
2に送られる。
ュ内に含まれる領域の面積値が計算され(図6中のブロ
ック202)、同じメッシュの面積値に累積加算される
(図6中のブロック203)。次のショットがある場合
(図6中のブロック204)、さらに次のショットを取
り込む(図6中のブロック205)。メッシュの面積値
は予め決められているので、ショットの面積値との比が
メッシュあたりの面積密度と定義される。次のショット
も同様な処理を行ったのち、メッシュあたりの面積密度
p(x)を計算し、描画領域全体の面積密度をマップ化し
て、全ショットの処理が終了する(図6中のブロック2
04)とともに、面積密度マップメモリ3に面積密度p
(x)の面積密度マップが完成する(図6中のブロック2
06)。
密度マップp(x)を読み出し、平滑化手段4を用いて平
滑化を実施する(図6中のブロック207)。ここで、
平滑化を行う理由は次のとおりである。本来、近接効果
補正の役割は、ショットによるウェハのレジスト内での
電子線の広がりである後方散乱を模擬して補正を行うこ
とにあり、この平滑化は後方散乱に模擬させるための手
段である。
される様に、ガウス分布に近似できるため、ガウシアン
・フィルターなどのフィルターを加えることで、その模
擬が可能になる。
を再び面積密度マップメモリ3に格納する。これを繰り
返し行い、後方散乱の模擬が完了して(図6中のブロッ
ク208)、平滑化された面積密度Q0(x)のデータに
より構成された面積密度マップが完成する。
プをもとに、露光量を求める。
読み込み) (1)と同様に、同じ最初の描画パターンのデータが入
力部1より取り込まれ(図6中のブロック210)、面
積密度マップ作成手段2に送られる。
算 面積密度マップ作成手段2において、面積密度マップメ
モリ3内のアドレスが演算され、このアドレスにより面
積密度マップメモリ3からショット毎の面積密度Q0
(x)の値が算出される(図6中のブロック211)。
(x)をもとに、前方散乱エネルギーと後方散乱エネルギ
ーの両方を考慮した係数であるショット毎の露光量比
[(1+η)/{1+2ηQ0(x)}]を算出する(図6中
のブロック212)。ここでηは前方散乱エネルギーに
対する後方散乱エネルギーの比を表す反射係数である。
この反射係数ηは、レジストや、プロセスの影響で変化
するため、ウェハのパターンを形成する材料、工程の個
々に対して決定する必要がある。
量I(x)は次の式(1)で与えられる。
ーンに対する最適露光量である。
光量変換手段5,演算処理6を経て出力部7へ送られる
(図6中のブロック213)。
ク214)、さらに次のショットを取り込み(図6中の
ブロック215)、Step4からStep6までを繰り返し行
い、全ショット終了(図6中のブロック214)により
近接効果補正が終了する。
で描画するパターンの誤差が数十nm程度になるが、ウ
ェハに形成されたパターンに許される誤差が10%程度
である場合には精度としては充分であり、問題とならな
い。しかし、半導体装置の回路パターンの微細化の進展
は早く、近年、0.3μm 以下のパターンが多くなっ
てきているため、数十nm程度の誤差も問題となるよう
になってきた。つまり、0.3μmであれば30nm以
下、0.1μmでは10nm程度の誤差に抑える必要が
ある。
いた補正方法では、パターン密度が急変する部位におい
て誤差が生じ、高密度なパターンのエッジ付近に配置さ
れたパターンなどは、痩せや太りが発生する。その量
は、数nmから数10nmにおよび、今後の微細化にお
いて非常に問題となり得る。
ては、パターン密度が後方散乱径(ウェハのレジスト内
での電子線の散乱の大きさ)の範囲で殆ど変化しないこ
とを前提に導出された近似式(1)を用いた近接効果補
正であることが考えられる。
やメモリの追加をせずに近接効果補正の補正誤差を低減
でき、高密度なパターンのエッジ付近に配置されたパタ
ーンなどの痩せや太りの発生を防止できる電子線描画装
置および電子線を用いた描画方法を提供することを目的
とする。
め、本発明は、上述した式(1)で表わされる補正を理
論的見地から見直し、後方散乱径の範囲でのパターン密
度の変化を考慮して後方散乱エネルギーと前方散乱エネ
ルギーを高次近似する方法を採用し、これによって面積
密度を修正して露光量を決める方法を採用した新しい近
接効果補正方法を採用したものである。
た寸法の仮想メッシュに分割し、メッシュ毎の描画パタ
ーンの面積密度を演算し、描画領域全体の面積密度マッ
プを求めてメモリへ記憶し、面積密度に電子線による試
料のレジスト内の後方散乱エネルギーと前方散乱エネル
ギーを考慮した補正を施して修正面積密度を求めて、描
画領域全体の修正面積密度マップを求めてメモリへ記憶
し、これを繰り返して、露光量を決定する構成としたも
のである。
いて説明する。
について説明する。
線は、レジスト内にエネルギーを与えた後にシリコン基
板中に入り、シリコン基板中で後方散乱された電子が再
びレジスト内に到達してエネルギーを与える。前者によ
ってレジスト内に蓄積されたエネルギーを「前方散乱に
よる蓄積エネルギー」とよび、後者によって蓄積された
エネルギーを「後方散乱による蓄積エネルギー」とよん
で区別する。
う散乱であると仮定し、後方散乱による全蓄積エネルギ
ーの、前方散乱による全蓄積エネルギーに対する比率を
反射係数ηとおくと、後方散乱による蓄積エネルギー分
布Eは、式(2)で与えられる。
ルギー、pはパターンの面積密度である。また、x′は
x座標上のある位置を示す。
ーと電子線非照射部の蓄積エネルギーは、それぞれ次の
ように計算される。
エネルギーの中間値を一定のレベルDとする露光基準を
採用するとすれば、式(5)なる積分方程式が得られ
る。
なわち、パターンの面積密度を表す関数であるp(x)に
対して、上記積分方程式を満足する前方散乱による蓄積
エネルギーI(x)を求めて露光量I(x)とし、それに比
例する電子線強度でパターンを描画すれば、近接効果に
影響されない描画結果を得ることができると予想され
る。
Fredholm積分方程式と呼ばれ、解析的に解くことが難し
く、通常は逐次近似法で近似解を得る。そこで、ここで
は次のステップでより良い近似解を得るものとする。
得る。
等しいとおき、積分記号の外に出すと、式(7)とな
る。
る。
補正された面積密度である。
+η)I(x)/2を代入すると、式(8)に一致する。例
えば、面積密度が50%のときの最適露光量をI[0]50%
(x)とすると、式(1)と同じ形であり、式(10)と
なる。
る。
める。
とおいて、元の積分方程式の式(6)に代入すると式
(11)が得られる。
ると、αが積分の外に出せ、式(12)が得られる。
て、式(13),式(14),式(15)が得られる。
(x)はそれぞれ面積密度を表す。
を、以下説明する。
機能ブロック図であり、図中右方に示された装置の電子
線鏡体部分は縦断面図で表されている。図7において、
ウェハ66は試料台67に保持されている。電子源64
から発射された電子線は、鏡体内のレンズ62によって
形状が整えられ、さらに偏向器61によって偏向され、
ウェハ66上の目標位置に照射される。照射される電子
線の断面形状は、マスク65の選択によって変えること
ができる。レンズ電源63はレンズ62を安定に動作さ
せる機能を有する。
能ブロック図である。EB制御用計算機51からの指示
により、大容量データディスク52に格納された描画を
行うためのパターンデータをパターンメモリ53へ送
る。このパターンデータは電子線の偏向データへ連続的
(パイプライン的)に変換され、偏向器61に送られて
電子線が偏向される。
データを格納する。
へ復元する。
で描画可能な形状のショットに置き換え、各ショットの
位置,形状,露光量の各データを作成する。
描画するパターンの単位面積あたりの面積密度を求め、
描画領域全体の面積密度マップを求めて面積密度マップ
メモリ57へストアする。また、その値を参照しながら
ショット単位で露光量を補正し、そのデータを追従絶対
校正58へ送る。
御69へ入力される試料台の位置の情報に基づいて、電
子線がウェハ66の目標位置に照射される様に電子線の
偏向位置を計算し、試料台制御69に制御データを送る
とともに、電子線鏡体部の偏向歪み量なども補正する。
これによって連続描画が可能になる。
る。
制御を受け持つ。
の偏向を制御する信号を生成し、偏向器の制御を行う。
を実現する構成を示す機能ブロック図であり、図2はこ
の手順を示すフローチャートである。手順は大きく分け
て[1]マップ作成のための描画と[2]実際の描画と
になる。
形分解(パターンデータを実際の電子線が描画できるパ
ターンに分解すること)されたショット(実際の電子線
が一度の露光で描画できるパターン図形)毎のデータが
存在し、このショット毎に以下の処理が実行される。
(図2中のブロック101)、面積密度マップ作成手段
2に送られる。
れる面積値が計算され(図2中のブロック102)、同
じメッシュの面積値に累積加算される(図2中のブロッ
ク103)。
ク104)、さらに次のショットを取り込む(図2中の
ブロック105)。次のショットも同様な処理を行った
のち、1個のメッシュあたりに含まれる面積密度p(x)
を計算し、全ショットの処理が終了(図2中のブロック
104)して、面積密度マップメモリ3に面積密度マッ
プが完成する(図2中のブロック106)。
4において平滑化を実施し(図2中のブロック10
7)、再び面積密度マップメモリ3に格納する。この
際、先に作成した平滑化前の面積密度マップに上書きは
行わない様にし、これを繰り返し行い(図2中のブロッ
ク108)、後方散乱を模擬した平滑化補正後の補正面
積密度Q0(x)の面積密度マップを作成する(図2中の
ブロック109)。
径で模擬し、平滑化された次の式(16)に示される平
滑化補正後の補正面積密度Q0(x)が求められたことに
なる。
が従来法による補正である。
対して、さらに高精度な計算を行う場合には、以下のSt
ep4以降を追加する(図2中のブロック110)。
モリ3中の平滑化前の面積密度p(x)を、前方散乱エネ
ルギーに対する後方散乱エネルギーの比を表す反射係数
ηを用いて、第0次近似の露光量で修正する。すなわ
ち、次の式(17)から修正面積密度p1(x)を求める。
を求めるために面積密度p(x′)を面積密度p1
(x′)におきかえ、式(15)に代入すれば得られ
る。
る同じアドレスの平滑化前の面積密度p(x)と平滑化補
正後の補正面積密度Q0(x)をそれぞれ読み出し、加
算,積算,除算などの演算処理(図2中のブロック11
1)を行い、同じアドレスを示す修正面積密度p1(x)
を面積密度マップメモリ3に格納する(図2中のブロッ
ク112)必要がある。
ドレスの面積密度p(x)を平滑化手段4で、補正面積密
度Q0(x)を修正量計算手段8で処理する。このとき、
平滑化は行わず、データはスルーとする。そのため、平
滑化手段4の内部には、スルーを行うための選択機能も
設けておく。
能ブロック図である。例えば、図8に示すように、平滑
化有処理手段31とこれをとおらないスルーの機能を設
けておき、必要に応じて選択器33で選択する機能を設
けておけばよい。上記の場合は、スルーを選択器33で
選択する。
ルターの場合、このフィルターの中央値のみ1とし、そ
の他の位置で0と設定しておけば、フィルターを面積密
度に加えても変化なく、スルーと同じ効果を得ることが
できる。
成を示す機能ブロック図である。上述した式(17)内
の(2ηQ0(x))の演算を積算手段41で処理し、それ
に加算手段42により上述した式(17)内の{1+2
ηQ0(x)}の演算を行う。しかし、その逆数[1/{1
+2ηQ0(x)}]を演算回路で実行するためには除算
回路が必要であり、非常に複雑となる。そこで、式(1
7)内の{1+2ηQ0(x)}の逆数をとったデータを予
めTable メモリ10に格納しておく。すなわち、図7中
のEB制御用計算機51でこのデータを求め、空描画の
開始より前にEB制御用計算機51と近接効果補正56
の間の通信経路を介してTable メモリ10に送る。Tabl
e メモリ10から逆数[1/{1+2ηQ0(x)}]を出
力するときは、{1+2ηQ0(x)}をTable メモリ10
のアドレスとするので、除算器を含まずに非常に簡単な
回路を構成できる。
面積密度p(x)と修正量計算手段8において、Table メ
モリ10から求められた式(17)内の[1/{1+2
ηQ0(x)}]を処理した後、演算回路9で積算するこ
とで所望の値を出力する。但しこの場合、面積密度p
(x)と式(17)内の[1/{1+2ηQ0(x)}]は同
じアドレスのものを処理する必要がある。処理する方法
としては、面積密度p(x)または式(17)内の[1/
{1+2ηQ0(x)}]の処理前後のメモリを準備してお
き、交互に処理しても良いが、処理時間の無駄を省くた
め、並列処理することが望ましい。
0,Q0(x)>0であるので、式中のp1(x)の値は
p(x)の最大値を越えることはない。したがって、面積
密度p(x)の最大値を大きくする必要はない。つまり実
際の装置構成ではメモリのビット数を増加させることも
なく、従来の面積密度マップメモリ3そのものを用いる
ことができる。
ップメモリ3に格納する際、面積密度p(x)の上に上書
きすれば、別途、面積密度マップメモリ3と同様なメモ
リを用意せずとも、面積密度マップメモリ3の容量を節
約できる。
後方散乱模擬) 次に、図2中のStep4 で算出した修正面積密度p1(x)
を平滑化手段4に送り、平滑化を行い(図2中のブロッ
ク113)、後方散乱径で模擬するまで繰り返し(図2
中のブロック114)、上述の式(15)と式(17)よ
り、次式(18)で平滑化した補正面積密度Q1(x)を
求める(図2中のブロック115)。
プメモリ3に格納する際、面積密度マップメモリ3上の
修正面積密度p1(x)に上書きすれば、別途、面積密度
マップメモリ3と同様なメモリを用意せずとも、面積密
度マップメモリ3の容量を節約できる。
滑化後の補正面積密度Q0(x)と平滑化後の補正面積密
度Q1(x)とを合成して面積密度Q2(x)を求める。
アドレスの平滑化後の補正面積密度Q0(x)と平滑化後
の補正面積密度Q1(x)を呼び出し、演算処理を行なっ
た結果を(図2中のブロック116)、同じ位置を示す
アドレスに再び修正面積密度p1(x)を格納する(図2
中のブロック117)。そして、面積密度Q2(x)を求
めるには、以下の処理を行う。
ドレスの平滑化した補正面積密度Q1(x)を図1中の平
滑化手段4で処理し、平滑化後の補正面積密度Q0(x)
を修正量計算手段8で処理する。このとき平滑化は行わ
ないものとし、補正面積密度Q1(x)のデータはスルー
とする。すなわち、図8において選択器33でスルーを
選択する。
(x)のデータは、図1中の修正量計算手段8に送る。こ
のとき、上述した式(19)中の{1+2ηQ0(x)}の
演算を行う様に、修正量計算手段8の内部に、図9の様
に加算手段42と積算手段41を含めた演算回路を予め
設けておく。前述した図2中のStep4の様に、図9中の
Table メモリ10を参照する場合は、選択器43におい
てそれを選択できるように、加算手段42と積算手段4
1の後段に選択器43をおいておく。
(19)中の{1+2ηQ0(x)}を図1中の演算回路9
で積算し、面積密度Q2(x)を出力する。
式(19)中の{1+2ηQ0(x)}は、同じアドレスの
ものを処理する必要がある。処理する方法としては、補
正面積密度Q1(x)か式(19)中の{1+2ηQ0
(x)}の処理前後のメモリを準備しておき、交互に処理
しても良いが、処理時間の無駄を省くため、並列処理す
ることが望ましい。つまり、基本的には、前述した図2
中のStep4における処理手順と同じとなるため、装置構
成は共通化して使用できる。
Q0(x)}の演算を図1中の修正量計算手段8の内部に
設けたが、演算回路9の内部にも加算器と積算器を複数
個用意しておけば、同様な処理が可能である。
を面積密度マップメモリ3に格納する際、補正面積密度
Q1(x)の面積密度マップに上書きすれば、面積密度マ
ップメモリ3の容量を節約できる。
て、理論的な1次解を得ることができる。これで得られ
た露光用の面積密度Q2(x)は露光量を求めるために用
いられる。
次近似解を求めれば、さらに理想に近い近接効果補正を
行うことができる。このためには、式(11)から式(1
9)までのStepと同様に演算を繰り返せばよい。これを
繰り返せば所望の高次近似解を得ることができるが、時
間がかかるので、許容される寸法精度と時間とから、解
の次数を決めればよい。
中のブロック110),Q2=Q0(図2中のブロック
118)と考えて[2]以下の処理を行う。
プをもとに、露光量の補正を行う。
読み込み) [1]と同様に、最初のショットデータが図1中の入力
部1より取り込まれ(図2中のブロック119)、面積
密度マップ作成手段2に送られる。
算 図2中の面積密度マップ作成手段2において、面積密度
マップメモリ3の中のアドレスが演算され、このアドレ
スにより面積密度マップメモリ3からショットごとの面
積密度Q2(x)の値が算出される(図2中のブロック1
20)。
量比[(1+η)/({1+2ηQ2(x)}]を算出する
(図2中のブロック121)。そして、次の式 (2
0)より、露光量I(x)が求められる(図2中のブロッ
ク122)。
(1+η)I50%(x)/2を代入したものである。
量変換手段5,演算処理6を経て、出力部7へ送られ
る。
定し(図2中のブロック123)、ある場合はさらに次
のショトデータを取り込み(図2中のブロック12
4)、Step8からStep9までを繰り返し行い、全ショッ
ト終了を判定して(図2中のブロック123)、近接効
果補正が終了する。
をいたずらに増やさないためにその内部で演算を処理す
る方法を述べたが、2個以上の面積密度マップメモリで
演算処理することはもちろん可能である。
エム・パブコビッチ「プロキシミティ・イフェクト・コ
レクション・カルキュレイションズ・バイ・ザ・インテ
グラル・イクエイション・アプロキシメイト・ソリュー
ション・メソッド」、ジャーナル・オブ・バキューム・
サイエンス・テクノロジー・ビー、第4巻、第1号、1
986年1月/2月、159から163頁(J.M.Pavkov
ich,“Proximity effect correction calculations by
the integral equation approximate solution metho
d”, J.Vac.Sci.Technol.B 4(1), Jan/Feb 1986, pp.15
9-163)に記載されたダブルガウシアン法を用いて、実
際に描画をしなくても、確認することができる。図3は
ダブルガウシアン法を用いたシミュレーションで対象と
した評価パターンを示す平面図である。寸法の単位はμ
mである。本評価パターンは2つの大面積のパターン
と、これらに挟まれて中心部に位置する幅0.15μmの
ライン状の中心部ラインパターンと、大面積のパターン
のひとつの側面(エッジ部)に隣接した幅0.15μm
のライン状のエッジ部ラインパターンからなっている。
シミュレーションでは、これらのラインパターンについ
て、上記文献に記載されたダブルガウシアン法を用いて
評価を行う。従来の近接効果補正は前述の式(1)を用
いたもの、本発明による近接効果補正は前述の式(1
3),式(14),式(15)を用いたものである。
関係のシミュレーションの結果を示す関係図である。座
標は図3中の原点と記した位置を0とし、負側は大面積
のパターン側(高密度側)、正側はその反対側(孤立
側)の位置を示す。また、図4(1)は、図3中の2つ
の大面積のパターンに挟まれる幅0.15μm の中心部
ラインパターン、図4(2)は、図3中の大面積のパタ
ーンのひとつの側面に隣接した幅0.15μm のエッジ
部ラインパターンについてのシミュレーションの結果で
ある。また、黒丸,黒四角の印は従来法、白丸,白四角
の印は本発明による補正を示す。
の場合、高密度側から孤立側へと密度が急変する部分
で、従来法による補正では、黒丸印で示されるように、
線幅に15nm程度の「痩せ」を生じているが、本発明
による補正では、白丸印で示されるように、線幅はそれ
ほど寸法変化していず、線幅の設計値 0.15μmに対
する寸法誤差は5nm以下に収まっており、他の部分の
寸法または設計値である0.15μmの4%以内であ
る。
ンの場合、高密度側の部分で、従来法による補正では、
黒四角印で示されるように、大面積パターンの影響で、
線幅に15nm程度の「痩せ」を生じているが、本発明
による補正では、白四角印で示されるように、線幅はそ
れほど寸法変化していず、線幅の設計値0.15μmに
対する寸法誤差は6nm以下に収まっており、他の部分
の寸法または設計値である0.15μmの4%以内であ
る。
る補正と比較して露光されるパターンの線幅の設計値に
対する誤差を小さくすることができるという優れた効果
を得ることができる。
加をせずに実現することができるので、開発期間の短
縮,開発コストや製品コストの低減にも多大な効果をも
たらす。
別な回路やメモリの追加をせずに近接効果補正の補正誤
差を低減でき、高密度なパターンのエッジ付近に配置さ
れたパターンなどの痩せや太りの発生を防止できる電子
線描画装置および電子線を用いた描画方法を提供できる
という効果がある。
ブロック図。
ト。
示す平面図。
レーションの結果を示す関係図。
能ブロック図。
図。
図。
度マップメモリ、4…平滑化手段、5…露光量変換手
段、6…演算処理、7…出力部、8…修正量計算手段、
9…演算回路、10…Table メモリ、31…平滑化有処
理手段、33,43…選択器、41…積算手段、42…
加算手段、51…EB制御用計算機、52…大容量デー
タディスク、53…パターンメモリ、60…アナログ制
御部、61…偏向器、62…レンズ、63…レンズ電
源、64…電子源、65…マスク、66…ウェハ、67
…試料台。
Claims (2)
- 【請求項1】試料に電子線を照射して描画パターンを露
光する電子線描画装置において、前記試料を予め定めら
れた寸法の仮想メッシュに分割し、該仮想メッシュ毎の
前記描画パターンの面積密度p(x)を演算して前記試料
の描画領域全体の面積密度マップを作成する面積密度演
算手段と、前記面積密度演算手段で演算された前記面積
密度に対して、ある座標x′における前記電子線による
前記試料のレジスト内の後方散乱エネルギーと前方散乱
エネルギーとをガウス関数Φ(x−x′)を用いて考慮し
た平滑化補正を前記面積密度p(x)に施して、式(ア)
により第1の補正面積密度Q0(x)を求め、 Q0(x)=∫Φ(x−x′)p(x′)dx′ 式(ア) 前記第1の補正面積密度Q0(x)から前記描画領域全体
の第1の補正面積密度マップを作成し、前記電子線によ
る前記試料のレジスト内の前方散乱エネルギーに対する
後方散乱エネルギーの比である反射係数ηを用いて、式
(イ)により、前記第1の補正面積密度Q0(x) と前
記面積密度p(x) とから修正面積密度p1(x)を求
め、 p1(x)=p(x)/{1+2ηQ0(x)} 式(イ) 前記修正面積密度p1(x)から前記描画領域全体の修正
面積密度マップを作成し、該修正面積密度p1(x)に前
記電子線による前記試料のレジスト内の後方散乱エネル
ギーと前方散乱エネルギーとを考慮した平滑化補正を施
して、式(ウ)により第2の補正面積密度Q1(x)を求
める補正面積密度演算手段と、 Q1(x)=∫Φ(x−x′)p1(x′)dx′ 式(ウ) 前記第2の補正面積密度Q1(x)から前記描画領域全体
の第2の補正面積密度マップを作成し、前記第2の補正
面積密度Q1(x)と前記第1の補正面積密度Q0(x)と
から、式(エ)により露光面積密度Q2(x)を求め、 Q2(x)={1+2ηQ0(x)}・Q1(x) 式(エ) 前記露光面積密度Q2(x)から前記描画領域全体の露光
面積密度マップを作成する露光面積密度演算手段と、 前記面積密度p(x)が50%の描画パターンに対する露
光量I0(x)と、前記露光面積密度Q2(x)とから、式
(オ)により露光量I(x)を求め、 I(x)=I0(x)・(1+η)/{1+2ηQ2(x)} 式(オ) 前記露光量I(x)から前記描画領域全体の露光量マップ
を作成し、該露光量マップに基づいて前記描画パターン
を露光する露光量を決定する露光量決定手段とを有する
ことを特徴とする電子線描画装置。 - 【請求項2】試料に電子線を照射して描画パターンを露
光する電子線を用いた描画方法において、前記試料を予
め定められた寸法の仮想メッシュに分割し、該仮想メッ
シュ毎の前記描画パターンの面積密度p(x)を演算して
前記試料の描画領域全体の面積密度マップを作成し、あ
る座標x′における前記電子線による前記試料のレジス
ト内の後方散乱エネルギーと前方散乱エネルギーとをガ
ウス関数Φ(x−x′)を用いて考慮した平滑化補正を前
記面積密度p(x)に施して、式(ア)により第1の補正
面積密度Q0(x)を求め、 Q0(x)=∫Φ(x−x′)p(x′)dx′ 式(ア) 前記第1の補正面積密度Q0(x)から前記描画領域全体
の第1の補正面積密度マップを作成し、前記電子線によ
る前記試料のレジスト内の前方散乱エネルギーに対する
後方散乱エネルギーの比である反射係数ηを用いて、式
(イ)により、前記第1の補正面積密度Q0(x) と前
記面積密度p(x) とから修正面積密度p1(x)を求
め、 p1(x)=p(x)/{1+2ηQ0(x)} 式(イ) 前記修正面積密度p1(x)から前記描画領域全体の修正
面積密度マップを作成し、該修正面積密度p1(x)に前
記電子線による前記試料のレジスト内の後方散乱エネル
ギーと前方散乱エネルギーとを考慮した平滑化補正を施
して、式(ウ)により第2の補正面積密度Q1(x)を求
め、 Q1(x)=∫Φ(x−x′)p1(x′)dx′ 式(ウ) 前記第2の補正面積密度Q1(x)から前記描画領域全体
の第2の補正面積密度マップを作成し、前記第2の補正
面積密度Q1(x)と前記第1の補正面積密度Q0(x)と
から、式(エ)により露光面積密度Q2(x)を求め、 Q2(x)={1+2ηQ0(x)}・Q1(x) 式(エ) 前記露光面積密度Q2(x)から前記描画領域全体の露光
面積密度マップを作成し、前記面積密度p(x)が50%
の描画パターンに対する露光量I0(x)と、前記露光面
積密度Q2(x)とから、式(オ)により露光量I(x)を
求め、 I(x)=I0(x)・(1+η)/{1+2ηQ2(x)} 式(オ) 前記露光量I(x)から前記描画領域全体の露光量マップ
を作成し、該露光量マップに基づいて前記描画パターン
を露光する露光量を決定することを特徴とする電子線を
用いた描画方法。
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