JP3507662B2 - 電界効果トランジスタ - Google Patents

電界効果トランジスタ

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JP3507662B2
JP3507662B2 JP18222597A JP18222597A JP3507662B2 JP 3507662 B2 JP3507662 B2 JP 3507662B2 JP 18222597 A JP18222597 A JP 18222597A JP 18222597 A JP18222597 A JP 18222597A JP 3507662 B2 JP3507662 B2 JP 3507662B2
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明 冨士原
和彦 恩田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速性、高周波特
性に優れた電界効果トランジスタに関し、特にInAl
As層中またはAlGaAs層中にドナーを添加するこ
とによってチャネルにキャリアを供給することで動作さ
せる電界効果トランジスタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】InGaAs動作層とInAlAsドナ
ー層を有するヘテロ接合電界効果トランジスタの一般的
な構造の従来例としては、ブラウン(A.S. Brown) らに
よって、アイイーイーイー・ガリウムひ素・アイシー・
シンポジウム(IEEE GaAs IC Symposium) 論文集、14
3−146頁、1989年に報告されている。この報告
例は、半絶縁性InP基板上にこれと格子整合して設け
られた高純度なInGaAs動作層と、所定の伝導帯の
不連続をもってヘテロ接合を形成するInAlAsドナ
ー層を順次結晶成長した後、該InAlAsドナー層に
ゲート電極を形成したヘテロ接合電界効果トランジスタ
に関するものである。
【0003】このInP基板上に作製されるヘテロ接合
電界効果トランジスタでは、たとえばチャネルにはIn
0.53Ga0.47Asが、ショットキー層としてI
0.52Al0.48Asが広く用いられる。この構
造でチャネルに用いるIn0.53Ga0.47層中で
は、電子移動度が室温で約10000cm2 /Vsと高
いといbう利点がある。また、In0.53Ga
0.47As/In0.52Al0.48Asヘテロ接
合は伝導帯の不連続量が0.52eVと大きいため、電
子の閉じ込め効果が大きいといった利点もある。その結
果、従来のGaAs基板上に作製されるヘテロ接合電界
効果トランジスタに比べて高い性能を示す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この構造のヘ
テロ接合電界効果トランジスタでは、InAlAsドナ
ー層上にゲート電極が形成されるため、ゲート電極形成
後に該InAlAs層が表面に曝されることになる。こ
のInAlAs層は雰囲気からフッ素を取り込み、熱工
程時にはこのフッ素が結晶内部へ侵入し、その結果、S
iなどのドナーと結合することでドナーを不活性化する
ことがHayafujiらによってアプライド・フィジックス・
レターズ(Appl. Phys. Lett.)、66巻、7号、863
−865頁、1995年に報告されている。その結果、
ドレイン電流の低下や相互コンダクタンスの減少といっ
た素子特性の劣化を招くという問題がある。
【0005】本発明の目的は、上述の問題点を解決し、
熱工程時においても外部からのフッ素の侵入を抑制する
ことができ、その結果ドナーの不活性化を防止し、ドレ
イン電流の低下や相互コンダクタンスの減少といったデ
バイス特性の劣化を避けることができるヘテロ接合電界
効果トランジスタを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、研究の結
果InAlAsショットキー層中の表面側に負に帯電し
た層、すなわちp型InAlAs層を導入することによ
り外部からのフッ素の侵入によるドナーの不活性化を防
ぎ、デバイス特性の劣化を抑制することができることを
見出し、それに基づいて本発明を完成するに至ったもの
である。
【0007】第1の本発明は、チャネルに電子を供給す
るためのドナーが少なくとも一部に添加されたInAl
As層を有する電界効果トランジスタにおいて、該In
AlAs層中であって該ドナー層とゲート電極との間に
ドナーの添加された領域よりも表面側にアクセプタが添
加されたフッ素侵入を抑制するInAlAs層を有し、
前記アクセプタの面密度が1×10 12 cm -2 以上である
ことを特徴とする電界効果トランジスタである。
【0008】本発明者らは、さらに研究の結果AlGa
Asドナー層を有する電界効果トランジスタにおいても
同様な効果があることを見出し、それに基づいて次の発
明を完成するに至った。
【0009】第2の本発明は、チャネルに電子を供給す
るためのドナーが少なくとも一部に添加されたAlGa
As層を有する電界効果トランジスタにおいて、該Al
GaAs層中であって該ドナー層とゲート電極との間に
ドナーの添加された領域よりも表面側にアクセプタが添
加されたフッ素侵入を抑制するAlGaAs層を有し、
前記アクセプタの面密度が1×10 12 cm -2 以上である
ことを特徴とする電界効果トランジスタである。
【0010】以上の第1又は2の本発明を集約して換言
すれば、本発明の電界効果トランジスタは少なくとも一
部にドナーの添加されたInAlAsドナー層またはA
lGaAsドナー層を有し、ドナーの添加された領域よ
りも表面側にアクセプタが添加されたフッ素侵入を抑制
するInAlAs層またはAlGaAs層を有し、添加
するアクセプタの面密度は1×10 12 cm -2 以上である
ことを特徴とする。
【0011】フッ素はInAlAs層表面から取り込ま
れ、熱工程時には結晶内部侵入する。その際、フッ素は
負イオンの形で存在しており、従来の電界効果トランジ
スタの構造のInAlAs層中では図6(b)に示す内
部電界が生じているため、内部から表面方向への電界に
よって、フッ素は結晶内部への侵入が促進される。
【0012】一方、本発明における電界効果トランジス
タの構造では、表面付近に添加されたアクセプタが負に
帯電することで負に帯電するため、図1(b)に示すよ
うにInAlAs層表面から内部に向かう電界が生じ
る。そのため、フッ素は結晶内部への侵入を妨げられ
る。したがって、本発明においては、熱工程時において
もフッ素侵入に伴う電流減少などの特性変動は抑制され
る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を以下に説明
する。
【0014】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に示す
が、本発明はこれに限定されるものではなく、適宜本発
明の範囲内で変更できるものである。
【0015】実施例1 図1(a)は第1の本発明に基づく実施例の主要部分の
断面図である。
【0016】この図において1は半絶縁性InP基板、
2は高純度InAlAsバッファ層、3は高純度InG
aAsチャネル層、4は高純度InAlAsスペーサ
層、5はn−InAlAs層(ドナー層)、6はノンド
ープの高純度InAlAs層、7はアクセプタが添加さ
れたp型InAlAs層、8はノンドープの高純度In
AlAs層、9はn−InGaAsオーミック接触層、
10はソース電極、11はドレイン電極、12はゲート
電極である。ゲート電極12はn−InGaAsオーミ
ック接触層9をエッチングにより除去した後に露出した
高純度InAlAs層8の上に形成した。すなわち、こ
の実施例の電界効果トランジスタにおいては、アクセプ
タが添加されたp型InAlAs層をInAlAs層中
であってドナー層とゲート電極との間に有する構成とな
っている。
【0017】図6(b)に示すように、従来の電界効果
トランジスタの構造では、ドナー層内にあってイオン化
して正に帯電したドナーからチャネル内の電子または表
面電荷に向かって電界が生じる。表面に露出したInA
lAs層は雰囲気からフッ素化合物を取り込みやすく、
取り込まれたフッ素は負イオンの形で存在しており、ド
ナーから表面に向かう電界によるクーロン力を受ける。
この状態で熱工程に曝されると、この電界によりフッ素
イオンの結晶内部への熱拡散が促進され、ドナー層に集
中することで、ドナーを不活性化する。その結果、キャ
リア密度の減少を招き、デバイス特性の劣化を引き起こ
す。
【0018】本実施例の電界効果トランジスタの構造で
は、p型InAlAs層が表面付近にあり、この層に添
加されたアクセプタが負に帯電するため、図1(b)に
示すようにInAlAs層表面から内部に向かう電界が
生じ、ドナー層から表面側に向かう電界はこのp型In
AlAs層で終端する。そのため、表面に付着してもフ
ッ素は結晶内部への侵入を妨げられる。したがって、熱
工程時においてもフッ素イオンがクーロン力により結晶
内部への侵入を促進されることはなく、フッ素侵入に伴
う電流減少などのデバイス特性変動を抑制することがで
きる。
【0019】この実施例の電界効果トランジスタは以下
のようにして作製した。まず、半絶縁性InP基板1上
に、300nmの高純度InAlAsバッファ層2と、
40nmの高純度InGaAsチャネル層3と、3nm
の高純度InAlAs層4、1×1019cm-3程度にS
iの添加された厚さ5nmのn−InAlAsドナー層
5、20nmの高純度InAlAs層6、1×1019
-3程度にBeの添加された厚さ2nmのp−InAl
As層7、3nmの高純度InAlAs層8、5×10
18cm-3程度にSiの添加された厚さ50nmのn−I
nGaAsオーミック接触層9とを順次結晶成長させ
た。続いて、素子分離を行った後、AuGe,Ni,A
uをオーミック接触層9上に堆積し、アロイ処理を行う
ことにより、ソース電極10、ドレイン電極11を形成
した。さらにソース電極10、ドレイン電極11間のn
型InGaAsオーミック接触層9を一部エッチングに
より除去した後に露出した高純度InAlAs層8上に
Ti,Pt,Auを順次堆積し、ゲート電極12を形成
することにより、本実施例の電界効果トランジスタを形
成した。ここで、n型InGaAsオーミック接触層を
エッチング除去する際に、たとえば、クエン酸と過酸化
水素からなる水溶液を用いると、InAlAs層に対し
てInGaAs層のみを高い選択比をもってエッチング
除去できることが知られている。この方法を用いること
により、高純度InAlAs層8でエッチングが停止さ
れ、p−InAlAs層7を確実に残しながら、ゲート
電極12を高純度InAlAs層8上に形成することが
可能であった。
【0020】本発明は、初期特性において従来例と比較
してほぼ同様な電流−電圧特性が得られるとともに、耐
圧の向上も見られた。図2は本発明および従来例での高
温保管試験時の電流変化を示す。本発明では、前述の通
り、p−InAlAsが作る電界により高温保管試験に
おいてもFの結晶内部への侵入を阻止することができ
た。その結果、高温保管試験においても、電流減少割合
を従来例の30%から5%以下に低減できた。
【0021】参考例 図3は本発明の参考例を示す主要部分の断面図である。
【0022】この図において1は半絶縁性InP基板、
2は高純度InAlAsバッファ層、3は高純度InG
aAsチャネル層、4は高純度InAlAsスペーサ
層、5はn−InAlAs層(ドナー層)、6はノンド
ープの高純度InAlAs層、7は低温成長されたIn
AlAs層、8はノンドープの高純度InAlAs層、
9はn−InGaAsオーミック接触層、10はソース
電極、11はドレイン電極、12はゲート電極である。
低温成長されたInAlAs層7は多数の電子トラップ
を含んでいる。この場合も実施例1と同様にゲート電極
12はn−InGaAsオーミック接触層9をエッチン
グにより除去した後に露出した高純度のInAlAs層
8の上に形成した。この参考例の電界効果トランジスタ
においては、低温成長されて多数の電子トラップを含有
するInAlAs層をInAlAs層中であってドナー
層とゲート電極との間に有する構成となっている。
【0023】本参考例の電界効果トランジスタの構造で
は、低温成長されて電子トラップを含有するInAlA
s層が表面付近にあり、実施例1の場合と同様に、ドナ
ー層から表面側に向かう電界はこのInAlAs層領域
で終端する。そのため、表面に付着してもフッ素は結晶
内部への侵入を妨げられる。したがって、熱工程におい
てもフッ素イオンがクーロン力により結晶内部への侵入
を促進されることはなく、フッ素侵入に伴う電流減少な
どのデバイス特性変動を抑制することができる。
【0024】この参考例の電界効果トランジスタは以下
のようにして作製した。まず、半絶縁性InP基板1上
に、300nmの高純度InAlAsバッファ層2と、
40nmの高純度InGaAsチャネル層3と、3nm
の高純度InAlAs層4、1×1019cm-3程度にS
iの添加された厚さ5nmのn−InAlAsドナー層
5、20nmの高純度InAlAs層6とをMBE法に
より、基板温度を450〜500℃とし、As分圧を1
×10-5Torrで成長させた。次に、基板温度を35
0℃に下げて厚さ5nmのInAlAs層17を成長さ
せた。InAlAs層中の電子トラップ密度は成長温度
を370℃以下に設定することにより急激に増えること
は確認された。次に基板温度を450〜500℃に戻
し、3nmの高純度InAlAs層8、5×1018cm
-3程度にSiの添加された厚さ50nmのn−InGa
Asオーミック接触層9とを順次結晶成長させた。続い
て、素子分離を行った後、AuGe,Ni,Auをオー
ミック接触層9上に堆積し、アロイ処理を行うことによ
り、ソース電極10、ドレイン電極11を形成した。さ
らにソース電極10、ドレイン電極11間のn型InG
aAsオーミック接触層9を一部エッチングにより除去
した後に露出した高純度InAlAs層8上にTi,P
t,Auを順次堆積し、ゲート電極12を形成すること
により、本参考例の電界効果トランジスタを形成した。
ここで、n型InGaAsオーミック接触層をエッチン
グ除去する際に、たとえば、クエン酸と過酸化水素から
なる水溶液を用いると、InAlAs層に対してInG
aAs層のみを高い選択比をもってエッチング除去でき
ることが知られている。この方法を用いることにより、
高純度InAlAs層8でエッチングが停止され、電子
トラップを含有するInAlAs層17を確実に残しな
がら、ゲート電極12を高純度InAlAs層8上に形
成することが可能であった。
【0025】本参考例においても、初期特性において従
来例と比較してほぼ同様な電流−電圧特性が得られると
ともに、高温保管試験における電流減少量を従来例より
も大幅に低減することができた。
【0026】実施例 図4は第の本発明に基づく実施例の主要部分の断面図
である。
【0027】この図において21は半絶縁性GaAs基
板、22は高純度AlGaAsバッファ層、23は高純
度InGaAsチャネル層、24は高純度AlGaAs
スペーサ層、25はn−AlGaAs層(ドナー層)、
26はノンドープ高純度AlGaAs層、27はアクセ
プタが添加されたp型AlGaAs層、28はノンドー
プの高純度AlGaAs層、29はn−GaAsオーミ
ック接触層、30はソース電極、31はドレイン電極、
32はゲート電極である。ゲート電極32はn−GaA
sオーミック接触層29をエッチングにより除去した後
に露出した高純度AlGaAs層28の上に形成した。
すなわち、この実施例の電界効果トランジスタにおいて
は、アクセプタが添加されたp型AlGaAs層をAl
GaAs層中であってドナー層とゲート電極との間に有
する構成となっている。
【0028】本実施例の電界効果トランジスタの構造で
は、p型AlGaAs層が表面付近にあり、この層に添
加されたアクセプタが負に帯電するため、前述のInA
lAs層を用いた電界効果トランジスタの実施例1の場
合と同様に、AlGaAs表面から内部に向かう電界が
生じ、ドナー層から表面に向かう電界はこのp型AlG
aAs層で終端する。そのため、表面に付着してもフッ
素は結晶内部への侵入が妨げられる。したがって、熱工
程時においてもフッ素イオンがクローン力により結晶内
部への侵入を促進されることはなく、フッ素侵入に伴う
電流減少などのデバイス特性変動を抑制することができ
る。
【0029】この実施例の電界効果トランジスタは以下
のようにして作製した。まず、半絶縁性GaAs基板2
1上に、300nmの高純度AlGaAsバッファ層2
2と、40nmの高純度InGaAsチャネル層23
と、3nmの高純度AlGaAs層24、1×1019
-3程度にSiの添加された厚さ5nmのn−AlGa
Asドナー層25、20nmの高純度AlGaAs層2
6、1×1019cm-3程度にBeの添加された厚さ2n
mのp−AlGaAs層27、3nmの高純度AlGa
As層28、5×1018cm-3程度にSiの添加された
厚さ50nmのn−GaAsオーミック接触層29とを
順次結晶成長させた。続いて、素子分離を行った後、A
uGe,Ni,Auをオーミック接触層29上に堆積
し、アロイ処理を行うことにより、ソース電極30、ド
レイン電極31を形成した。さらにソース電極30、ド
レイン電極31間のn型GaAsオーミック接触層29
を一部エッチングにより除去した後に露出した高純度A
lGaAs層28上にTi,Pt,Auを順次堆積し、
ゲート電極32を形成することにより、本実施例の電界
効果トランジスタ形成した。ここで、n型GaAsオー
ミック接触層をエッチング除去する際に、たとえば、ク
エン酸と過酸化水素からなる水溶液を用いると、AlG
aAs層に対してGaAs層のみを高い選択比をもって
エッチング除去できることが知られている。この方法を
用いることにより、高純度AlGaAs層28でエッチ
ングが停止され、p−AlGaAs層27を確実に残し
ながら、ゲート電極32を高純度AlGaAs層28上
に形成することが可能であった。
【0030】本実施例においても、初期特性においてG
aAs基板上に形成される通常のAlGaAs/InG
aAs系の電界効果トランジスタと比較してほぼ同様な
電流−電圧特性が得られるとともに、高温保管試験にお
ける電流減少量を大幅に低減することができた。
【0031】参考例 図5は本発明の参考例を示す主要部分の断面図である。
【0032】この図において21は半絶縁性GaAs基
板、22は高純度AlGaAsバッファ層、23は高純
度InGaAsチャネル層、24は高純度AlGaAs
スペーサ層、25はn−AlGaAs層(ドナー層)、
26はノンドープの高純度AlGaAs層、37は低温
成長されたAlGaAs層、28はノンドープの高純度
AlGaAs層、29はn−GaAsオーミック接触
層、30はソース電極、31はドレイン電極、32はゲ
ート電極である。低温成長されたAlGaAs層37は
多数の電子トラップを含んでいる。ゲート電極32はn
−GaAsオーミック接触層29をエッチングにより除
去した後に露出した高純度AlGaAs層28上に形成
した。この参考例の電界効果トランジスタにおいては、
低温成長されて多数の電子トラップを含有するAlGa
As層をAlGaAs層中であってドナー層とゲート電
極との間に有する構成となっている。
【0033】本参考例の電界効果トランジスタの構造で
は、低温成長されて電子トラップを含有するAlGaA
s層が表面付近にあり、上述の参考例の場合と同様に、
ドナー層から表面側に向かう電界はこのAlGaAs層
領域で終端する。そのため、表面に付着してもフッ素は
結晶内部への侵入が妨げられる。したがって、熱工程時
においてもフッ素イオンがクローン力により結晶内部へ
の侵入を促進されることはなく、フッ素侵入に伴う電流
減少などのデバイス特性変動を抑制することができる。
【0034】この参考例の電界効果トランジスタは以下
のようにして作製した。まず、半絶縁性GaAs基板2
1上に、300nmの高純度AlGaAsバッファ層2
2と、40nmの高純度InGaAsチャネル層23
と、3nmの高純度AlGaAs層24、1×1019
-3程度にSiの添加された厚さ5nmのn−AlGa
Asドナー層25、20nmの高純度AlGaAs層2
6とをMBE法により、基板温度を450〜500℃と
し、As圧を1×10-5Torroとして成長させた。
次に基板温度を350℃に下げて厚さ5nmのAlGa
As層37を成長させた。次に基板温度を450〜50
0℃に戻し、3nmの高純度AlGaAs層28、5×
1018cm-3程度にSiの添加された厚さ50nmのn
−GaAsオーミック接触層29とを順次結晶成長させ
た。続いて、素子分離を行った後、AuGe,Ni,A
uオーミック接触層29上に堆積し、アロイ処理を行う
ことにより、ソース電極30、ドレイン電極31を形成
した。さらにソース電極30、ドレイン電極31間のn
型GaAsオーミック接触層29を一部エッチングによ
り除去した後に露出した高純度AlGaAs層28上に
Ti,Pt,Auを順次堆積し、ゲート電極32を形成
することにより、本参考例の電界トランジスタを形成し
た。ここで、n型GaAsオーミック接触層をエッチン
グ除去する際に、たとえば、クエン酸と過酸化水素から
なる水溶液を用いると、AlGaAs層に対してGaA
s層のみを高い選択比をもってエッチング除去できるこ
とが知られている。この方法を用いることにより、高純
度AlGaAs層28でエッチングが停止され、電子ト
ラップを含有するAlGaAs層37を確実に残しなが
ら、ゲート電極32を高純度AlGaAs層28上に形
成することが可能であった。
【0035】本参考例においても、初期特性においてG
aAs基板上に形成される通常のAlGaAs/InG
aAs系の電界効果トランジスタと比較してほぼ同様な
電流−電圧特性が得られるとともに、高温保管試験にお
ける電流減少量を大幅に低減することができた。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、InAlAsドナ
ー層またはAlGaAsドナー層を有する電界効果トラ
ンジスタにおいて、ドナー層よりも表面側のInAlA
s層中またはAlGaAs層中にp型層を導入するこ
で、熱工程時においても外部からの不純物(F)の侵入
を抑制することができる。その結果、InAlAsドナ
ー層中またはAlGaAsドナー層中のドナーの不活性
化を防止し、電流低下や相互コンダクタンス低下といっ
た素子特性の劣化を避けることができる。
【0037】本発明によれば、従来構造のものと同等な
特性を維持しながら、信頼性高く、高速性、高周波特性
の優れた電界効果トランジスタを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の電界効果トランジスタを説
明するための図面で、(a)はその模式的断面図、
(b)はその伝導帯のエネルギーバンドと電界強度のプ
ロファイルを示す図である。
【図2】本発明と従来例における高温保管時の電流変動
を示す図である。
【図3】本発明の参考例を示す電界効果トランジスタを
説明するための模式的断面図である。
【図4】本発明の実施例の電界効果トランジスタを説
明するための模式的断面図である。
【図5】本発明の参考例を示す電界効果トランジスタを
説明するための模式的断面図である。
【図6】従来例の電界効果トランジスタを説明するため
の図面で、(a)はその模式的断面図、(b)はその伝
導帯のエネルギーバンドと電界強度のプロファイルを示
す図である。
【符号の説明】
1 半絶縁性InP基板 2 高純度InAlAs層 3 高純度InGaAs層 4 高純度InAlAs層 5 n−InAlAs層 6 高純度InAlAs層 7 p−InAlAs層 8 高純度InAlAs層 9 n−InGaAs層 10 ソース電極 11 ドレイン電極 12 ゲート電極 17 低温成長InAlAs層 21 半絶縁性GaAs基板 22 高純度AlGaAs層 23 高純度InGaAs層 24 高純度AlGaAs層 25 n−AlGaAs層 26 高純度AlGaAs層 27 p−AlGaAs層 28 高純度AlGaAs層 29 n−GaAs層 30 ソース電極 31 ドレイン電極 32 ゲート電極 37 低温成長AlGaAs層
フロントページの続き (72)発明者 分島 彰男 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−77256(JP,A) 特開 平5−211177(JP,A) 特開 平5−166844(JP,A) 特開 平8−115925(JP,A) Journal of Crysta l Growth,Vol.111,No. 1/4,p.26−29 Journal of Vacuum Science & Technol ogy B,Vol.14,No.3, (May/June 1996)p.1745− 1751

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チャネルに電子を供給するためのドナー
    が少なくとも一部に添加されたInAlAs層を有する
    電界効果トランジスタにおいて、該InAlAs層中で
    あって該ドナー層とゲート電極との間にドナーの添加さ
    れた領域よりも表面側にアクセプタが添加されたフッ素
    侵入を抑制するInAlAs層を有し、前記アクセプタ
    の面密度が1×10 12 cm -2 以上であることを特徴とす
    る電界効果トランジスタ。
  2. 【請求項2】 チャネルに電子を供給するためのドナー
    が少なくとも一部に添加されたAlGaAs層を有する
    電界効果トランジスタにおいて、該AlGaAs層中で
    あって該ドナー層とゲート電極との間にドナーの添加さ
    れた領域よりも表面側にアクセプタが添加されたフッ素
    侵入を抑制するAlGaAs層を有し、前記アクセプタ
    の面密度が1×10 12 cm -2 以上であることを特徴とす
    る電界効果トランジスタ。
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Journal of Crystal Growth,Vol.111,No.1/4,p.26−29
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