JP3507417B2 - Mocvd用の有機金属化合物のリサイクル方法 - Google Patents

Mocvd用の有機金属化合物のリサイクル方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機金属化合物を
原料として用いるCVD法において、薄膜形成後の排ガ
スから再利用可能な状態で有機金属化合物を精製する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】化学気相蒸着法(Chemical V
apor Deposition法:以下CVD法とい
う。)は、均一な皮膜を製造することが可能で、ステッ
プカバレッジ(段差被覆能)に優れるという利点がある
ことから、半導体装置の薄膜電極の製造で一般に使用さ
れている薄膜形成技術の一つである。特に、近年におい
ては、回路、電子部材に対するより一層の高密度化が求
められていることから、この要求に応えることのできる
CVD法は今後の薄膜電極製造プロセスの主流になるも
のと考えられている。
【0003】このCVD法では、原料金属化合物を気化
させ、これを基板表面へ輸送し、輸送した原料粒子を基
板上で反応させることにより金属又は金属酸化物として
堆積して薄膜とすることにより金属又は金属酸化物薄膜
を製造する方法である。そして、金属化合物原料として
は、特に、融点が低く取り扱いが容易である有機金属化
合物(Metal Organic)が用いられている
(以下、有機金属化合物を原料としたCVD法について
MOCVD法という)。
【0004】ところで、MOCVD法による薄膜の製造
コストは、原料である有機金属化合物の価格、及び、基
板表面に導入した有機金属化合物量に対して反応に消費
された化合物量の比、つまり、利用効率に依存すると考
えられるが、従来のMOCVD法における利用効率を見
ると、10%以下と低く、導入したソースガスの大半は
排ガスとして廃棄されているのが現状である。従って、
このような利用効率の低い場合における薄膜の製造コス
トは、有機金属化合物の価格による影響が強いといえ
る。
【0005】これに対し、有機金属化合物は一般に合成
に多工程を要することから価格が高価である。例えば、
銅のように金属自体の価格はさほど高くなくとも、これ
を有機化合物へと合成した場合、その価格は相当上昇す
る。従って、利用効率の低い従来のMOCVD法による
薄膜製造コストは、高価な有機金属化合物の価格により
高騰を回避することができないと考えられる。
【0006】特に、近年、薄膜電極の高性能化のため、
ルテニウム、イリジウム等の貴金属薄膜が適用されつつ
あるが、貴金属は希少金属でありそれ自体が高価である
ため、その有機化合物も相当高価である。従って、従来
のMOCVD法により貴金属薄膜を製造した場合、その
成膜コストは極めて高くなるものと考えられる。
【0007】また、既に述べたように、有機金属化合物
は取り扱いが容易であり効率的な薄膜製造ができること
から、今後より一層利用されるものと考えられる。この
ため、利用効率の低い従来のMOCVD法では有機金属
化合物の需要が大きくなっても、薄膜製造コストの問題
に加えて、材料のロスが大きく資源の枯渇の問題も懸念
される。
【0008】本願出願人は、成膜コストを低減すると共
に資源の枯渇の問題を回避する方法として、従来廃棄さ
れていた使用済みの原料から未反応の有機金属化合物成
分を抽出し、再利用可能な状態に精製するというMOC
VD用有機金属化合物のリサイクル技術を開発し、この
リサイクル技術を組み込んだMOCVD薄膜製造プロセ
スにつき特許出願をしている(特願2000−9635
9)。このリサイクル技術は、薄膜形成後の原料を、例
えばコールドトラップに通過させることにより冷却・凝
縮して液体状態で回収し、更にこの回収分を適当な条件
下で蒸留することにより、有機金属化合物を精製・抽出
するものである。このリサイクル技術によれば、有機金
属化合物が無駄に廃棄されるのを回避することにより薄
膜製造コストを低減することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記したMOCVD薄
膜製造プロセスはそのリサイクル技術を要点するもので
あるが、かかるリサイクル技術にも改良の余地がないわ
けではない。即ち、リサイクルされる有機金属化合物か
ら新品の原料と同等の薄膜を製造するためには、その純
度が限りなく新品の原料と同程度に高くなければならな
い。また、薄膜製造コストの低減の為には使用済み原料
から少しでも多くの有機金属化合物を抽出できることも
求められる。特に、その純度はMOCVD用原料となる
有機金属化合物において極めて重要な課題であり、わず
かでも不純物が混入する有機金属化合物をMOCVD原
料とすれば、薄膜の純度も悪化し電気特性に悪影響を与
えるばかりでなく、薄膜の形態(モホロジー)に多大な
影響を与え得る。
【0010】本発明は以上のような背景の下になされた
ものであり、CVD工程を経た使用済み原料から未反応
の有機金属化合物を抽出しリサイクルするMOCVD用
の有機金属化合物のリサイクル方法について、これを更
に改良し、より高純度の有機金属化合物を効率的に抽出
する方法を提案するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記リサイ
クル技術を改良すべくその改良すべき点を検討した。そ
の結果、より優れたリサイクル技術の完成のためには、
薄膜形成反応及びその副反応により生じる反応生成物が
使用済み原料に混入する可能性及びその性状並びにその
影響を明確にする必要があるとの見解にいたった。
【0012】ここで、反応生成物の影響を考慮する場
合、その反応生成物が蒸留等の通常の分離手段で除去で
きるものであるのならば、収率の低下の問題を除けばさ
ほど問題ではないといえる。この意味において、従来の
研究例で明らかにされている反応生成物については、問
題がないと本発明者は考えた。何故ならば、これら従来
の研究例から明らかにされている不純物としては、有機
金属化合物の分解により金属原子が脱離し、この分解し
た有機金属化合物に起因して水、二酸化炭素、アルデヒ
ド、ギ酸といった低分子量の化合物が挙げられている
が、かかる低分子量の化合物は精製目的である有機金属
化合物と物性が大きく異なることから、蒸留等の通常の
分離手段により容易に分解可能であるからである。従っ
て、実際のCVD薄膜形成工程において生じる反応生成
物がこれらの化合物のみであるのならば、上記従来のリ
サイクル技術でも十分対応可能であると考えられる。
【0013】しかし、本発明者は薄膜工程後の使用済み
原料を仔細に検討したところ、実際のCVD薄膜形成工
程においては、上記した低分子量の化合物も反応生成物
として存在するが、これに加えこれまで報告例がない副
反応が発生し、これにより生じる反応生成物が存在する
ことを見出した。
【0014】この点につき、ルテニウム薄膜の原料とし
て近年注目されている有機金属化合物であり、下記化1
の式で表されるジエチルルテノセンを原料としてルテニ
ウム薄膜を製造し、その使用済み原料をリサイクルする
場合を例にとって説明する。
【0015】
【化1】
【0016】化1で示されるジエチルルテノセンは、金
属原子として1つのルテニウム原子に対して、配位子と
して2つのシクロペンタジエン環のエチレン誘導体が配
位した化合物である。そして、このジエチルルテノセン
を用いたCVD薄膜形成工程では、このジエチルルテノ
センの分解反応を基板上で生じさせることによりルテニ
ウムを積層させるものである。
【0017】本発明者は、ジエチルルテノセンを原料と
したときの薄膜形成工程後の使用済み原料についてその
組成を仔細に検討したところ、使用済み原料を構成する
物質としては、ほとんどが未反応のジエチルルテノセン
であるが、次の2種に分類される副反応生成物が存在す
ることを見出した。
【0018】第1の副反応生成物としては、例えば、シ
クロペンタジエン環のエチル基(配位子の官能基部分)
が酸化され、アルコール基、カルボニル基、エーテル基
等の官能基をとなった有機ルテニウム化合物である(次
式)。これらの化合物は、通常ジエチルルテノセンのよ
うな比較的安定な有機金属化合物を用いて薄膜形成をす
る際には反応ガスとして酸素を添加することがあるが、
この酸素と薄膜形成反応に寄与しない未反応のジエチル
ルテノセンとが反応することにより生じるものと考えら
れる。
【0019】
【化2】
【0020】第2の副反応生成物としては、薄膜形成反
応における他の副反応として、未反応のジエチルルテノ
センに脱水素化反応が生じ、次式で示される、ビニルシ
クロペンタジエニル(エチルシクロペンタジエニル)ル
テニウムである。このビニルシクロペンタジエニル(エ
チルシクロペンタジエニル)ルテニウムは、ジエチルル
テノセンの1のエチル基が脱水素化されビニル基に変化
したものである。このような脱水素化反応が生じる要因
については、必ずしも明らかではないが、本発明者によ
れば、薄膜形成反応により分解したジエチルルテノセン
から脱離するルテニウム原子の触媒作用により生じたも
のと考えられる。そして、このような脱水素化反応は、
金属原子に配位する配位子に官能基が導入されている有
機金属化合物を使用した薄膜形成反応において特に生じ
易いものと考えられる。
【0021】
【化3】
【0022】このジエチルルテノセンの例のように、実
際のMOCVD法における薄膜形成工程においては、薄
膜形成反応及びこの反応により分解した有機金属化合物
に起因する副反応のみならず、未反応の有機金属化合物
に対する酸化反応及び脱水素化反応が生じているものと
思われる。そこで、本発明者は、これら未反応の有機金
属化合物の酸化物及び脱水素化物についての除去の可否
及びその手法を検討した。そしてその結果、酸化反応に
より生じた生成物については蒸留等の通常の分離方法に
より除去することができるが、脱水素化反応により生じ
る反応生成物は、その分子量や沸点等の特性が抽出目的
となる有機金属化合物と近似しており、これを分離除去
するのは蒸留等の通常の分離手段では不可能であるとの
見解に至った。そして、この除去不可能な脱水素化物の
問題を放置することは、リサイクルされる有機金属化合
物の収率を低下させるだけではなく、その純度の低下ひ
いてはそれにより製造される薄膜の電気特性及びモホロ
ジーの悪化を招くこととなるとの結論に至った。
【0023】そこで、本発明者はこの脱水素化物の除去
方法につき鋭意検討を行った結果、次の2方向からのア
プローチによる除去方法を見出した。
【0024】第1の方法は、反応生成物を水添反応又は
還元することにより、もとの有機金属化合物に転換する
という改質処理を行った後に有機金属化合物の精製を行
う方法である。
【0025】即ち、本願請求項1記載の発明は、薄膜形
成工程を経た使用済み原料から未反応の有機金属化合物
を抽出するMOCVD用の有機金属化合物のリサイクル
方法であって、前記使用済み原料と水添触媒又は還元剤
とを接触させることにより、使用済み原料を改質処理し
た後に、未反応の有機金属化合物を抽出するMOCVD
用有機金属化合物のリサイクル方法である
【0026】この第1の方法は、使用済み原料中に含有
され分離が極めて困難な有機金属化合物の脱水素化物
を、反応前の有機金属化合物へと転換するものである。
従って、本発明によれば、不純物である脱水素化物が改
質処理により消滅することとなるため、その後に精製さ
れる有機金属化合物を高純度のものとすることができ
る。そして、この有機金属化合物は、再度MOCVD用
の原料として使用することができる。また、この第1の
方法は、不純物である脱水素化物をもとの有機金属化合
物へと転換するものであるから、使用済み原料中の有機
金属化合物の濃度も増加することとなる。従って、精製
時の有機金属化合物の収率も向上することとなる。
【0027】ここで、この方法で適用する水添触媒又は
還元剤としては、一般に水添触媒又は還元剤として知ら
れているものを適用できるが、水添触媒としては、白金
触媒、パラジウム触媒、ルテニウム触媒、ラネーニッケ
ル触媒のいずれかを用いるのが好ましい。また、還元剤
としては、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)、リ
チウムアルミニウムハイドライド(LiAlH)、カ
ルシウムハイドライド(CaH)、ジメチルアミンボ
ラン(CNBH)、トリメチルアミンボラン
(CNBH)、ヒドラジン(NHNH)を
用いるのが好ましい。
【0028】有機金属化合物の脱水素化物の除去のため
の第2の方法は、脱水素化物を蒸留等の分離手段でも除
去可能な他の化合物に転換するという改質処理を行った
後に有機金属化合物の精製を行う方法である。ここで、
この脱水素化物を蒸留等の分離手段でも除去可能な他の
化合物に転換する方法としては、脱水素化物に対してハ
ロゲン又はハロゲン化水素の付加反応、水の付加反応、
アルケンの付加反応、そしてジエンの付加反応(Die
ls−Alder反応)を生じさせるものである。
【0029】本願請求項4記載の発明は、薄膜形成工程
を経た使用済み原料から未反応の有機金属化合物を抽出
するMOCVD用の有機金属化合物のリサイクル方法で
あって、前記使用済み原料と、ハロゲン、ハロゲン化水
素、無機酸、アルケン、ジエンのいずれかとを接触させ
ることにより、使用済み原料を改質処理した後に、未反
応の有機金属化合物を抽出するMOCVD用有機金属化
合物のリサイクル方法である。
【0030】この第2の方法によれば、使用済み原料中
に含有され、分離が極めて困難な有機金属化合物の脱水
素化物がハロゲン付加、水付加等されることとなり、分
子量の増加又は沸点のシフト化等が図られた別の化合物
と変化する。その結果、その後の有機金属化合物の精製
工程での除去が可能となる。従って、この第2の方法に
よっても、高純度の有機金属化合物を精製することがで
き、これを再度MOCVD用の原料として使用すること
ができる。
【0031】尚、この場合の使用済み原料の改質処理を
行うための化合物としては、ハロゲンとして塩素、臭
素、ヨウ素を、ハロゲン化水素として塩化水素、臭化水
素、ヨウ化水素を、そして、無機酸としては塩酸又は硫
酸が適用できる。また、アルケンとしては無水マレイン
酸が、ジエンとしては2メチル−1,3−ブタジエンが
挙げられる。
【0032】以上の本願発明に係るリサイクル方法によ
れば、分離除去が不可能な未反応の有機金属化合物の脱
水素化物が、リサイクルされる有機金属化合物中に残留
するのを防止することができ、高純度の有機金属化合物
をリサイクルすることが可能となる。ここで、本発明者
によれば、より高純度の有機金属化合物をリサイクルす
るためには、請求項10記載のように、使用済み原料
と、活性炭、シリカ、活性白土のいずれかよりなる脱色
剤とを接触させることにより前記使用済み原料を脱色処
理した後、未反応の有機金属化合物を抽出するのが好ま
しい。
【0033】この脱色処理は、例えば、使用前には淡黄
色のジエチルルテノセンが、薄膜形成工程を経ることに
よって茶褐色に着色するように、MOCVD用原料は薄
膜形成工程を経ることにより着色する現象が生じること
があることに鑑みたものである。この着色の原因につい
ては、必ずしも明らかではないが、本発明者によれば、
このような着色した使用済み原料から通常の精製方法に
より有機金属化合物を精製しても、その着色現象は改善
されず着色されたままの有機金属化合物が精製されると
いう問題があり、この脱色処理はこの問題を解消するも
のである。そして、この脱色のための脱色剤として本発
明では活性炭を適用する。これは、一般に活性炭、シリ
カ、活性白土は各種物質に対して吸着作用を有し、脱
臭、脱色効果を有することが知られているが、本発明者
の試行の結果、本発明が目的とした使用済みMOCVD
用原料の着色にも効果があることが確認されたことに基
づくものである。
【0034】尚、この脱色処理は上記改質処理の前後の
いずれで行ってもよい。また、この脱色処理は上記第1
のリサイクル方法において水添触媒として、白金触媒、
パラジウム触媒、ルテニウム触媒といった貴金属触媒を
適用する場合に不要となる。これら貴金属触媒は、通
常、担体として活性炭が用いられており、この活性炭は
担体としての機能を当然有するが、同時に脱色剤として
の効果も奏するからであり、これら貴金属触媒を適用す
る場合には改質処理と脱色処理とを同時に行っているこ
ととなるからである。但し、このように白金触媒等を脱
色剤及び改質剤の双方の目的で使用する場合、着色成分
に起因した被毒物質が触媒に付着するため水素化活性の
寿命が短くなることがある。従って、このようなことが
予測される場合に、脱色処理と改質処理を水添触媒で同
時に行うか、それとも、活性炭等による脱色処理と水添
触媒による改質処理を別々に行うかの判断はそのプロセ
スの経済性を考慮して決定すればよい。
【0035】ところで、本発明は、薄膜形成工程を経た
使用済み原料について、有機金属化合物を精製する前に
改質処理及び/又は脱色処理を行うことを特徴とするも
のである。従って、これらの処理の前に使用済み原料を
回収する方法、及び、これらの処理後の使用済み原料か
ら有機金属化合物を抽出精製する方法については特に限
定されるものではない。
【0036】しかし、リサイクルされる有機金属化合物
の収率を向上させるためには、改質処理及び/又は脱色
処理の前に、薄膜形成工程を経た使用済み原料から酸素
を除去する工程を含むのが好ましい。上述のように、M
OCVD法においては、反応ガスとして酸素が混合され
ることがあるが、この酸素と有機金属化合物とを共存し
た状態で回収する場合、上記した薄膜形成工程における
未反応の有機金属化合物の酸化反応に加え、回収時にも
有機金属化合物が酸化することとなり、その結果収率が
低下することとなるからである。この際の使用済み原料
からの酸素除去方法としては、使用済み原料をシリカゲ
ル等の脱酸素剤と接触させる方法などがある。
【0037】また、使用済み原料の回収方法について
も、その後の取り扱い性を考慮するのならば、使用済み
原料を冷却して液体とした後、該液体を改質処理及び/
又は脱色するのが好ましい。この際の冷却条件は、有機
金属化合物の性状により異なるが、気体状で排出される
使用済み原料を十分液体にするためには、昇華性のない
有機金属化合物に対してはその沸点より30℃以下の温
度にまで冷却し、一方、有機金属化合物が昇華性を有す
る場合、その融点より30℃以下の温度にまで冷却する
のが好ましい。そして、この方法の具体的手法として
は、例えば、反応室の下流側にコールドトラップを設置
し、このコールドトラップにて使用済み原料を冷却して
回収する方法がある。
【0038】更に、改質処理及び脱色処理後の有機金属
化合物の精製方法としては、液体とした使用済み原料を
蒸留法により有機金属化合物を分離するのが好ましい。
一般に有機金属化合物は低融点、低沸点であり、比較的
低温で相変化を生じさせることができることから、蒸留
法によれば良好な純度の有機金属化合物を直接的に分離
できるからである。また、蒸留法は複雑な機器を要せ
ず、比較的簡易な精製法だからである。
【0039】また、改質処理及び脱色工程後の有機金属
化合物の精製方法として好ましい他の形態としては、改
質処理及び/又は脱色処理後の使用済み原料をカラムク
ロマトグラフィーに通過させる方法がある。この方法
は、適当なカラム充填剤を用いることで有機金属化合物
の高精度な分離精製が可能である。また、このカラムク
ロマトグラフィーを用いた精製法は、液体となった使用
済み原料について適用可能であるが、気体状態の使用済
み原料についても有効である。従って、精製方法として
カラムクロマトグラフィーを用いる利点としては、回収
工程において液体とする操作なく、薄膜形成工程後の気
体状態の使用済み原料を直接精製することができるとい
うものもある。尚、これらのカラムクロマトグラフィー
の充填剤としては、シリカゲル、オクタデシルシラン、
アルミナ、ポーラスポリマー、グラファイトカーボン、
ゼオライトのいずれかを用いるのが好ましい。
【0040】最後に、本発明において使用する有機金属
化合物は、特に限定されることはない。従って、従来か
ら一般に薄膜形成用の原料として用いられている、銅、
インジウム、タンタル、タングステン、モリブデン、チ
タン、レニウム、バリウム、ストロンチウムといった各
種金属の有機化合物を本発明のリサイクル方法に適用す
ることができる。これらの金属は金属自体の価格は安価
なものもあるが、有機化合物とした場合には価格が相当
上昇するものであり、これらの金属又は金属酸化物の薄
膜形成に際してそのコストを低減することができる。
【0041】また、既に述べたように、近年における貴
金属薄膜の需要の増加、及び、貴金属の有機化合物が極
めて高価であることを考慮すれば、本発明は、銀、金、
白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウ
ム、オスミウムといった貴金属の有機金属化合物のリサ
イクルに特に有用であるといえる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好適な実施形態を
図面と共に示す。
【0043】第1実施形態:本実施形態では、実際に有
機金属化合物原料としてジエチルルテノセン(淡黄色液
体)を使用して、CVD法にてルテニウム薄膜を製造
し、この際発生した使用済み原料を回収して回収分から
ジエチルルテノセンを抽出し、このリサイクルしたジエ
チルルテノセンを用いて再度ルテニウム薄膜を製造し、
その利用可能性を検討している。
【0044】図1は、初期原料として使用したジエチル
ルテノセンのガスクロマトグラフを示す。この図1よ
り、本実施形態で使用したジエチルルテノセンの純度は
99.5%以上の高純度であることがわかる。
【0045】図2は、本実施形態で使用したCVD装置
1を概略図示したものである。図2のCVD装置1にお
いて、恒温槽2に封入されたジエチルルテノセン3はア
ルゴンガス4でバブリングされつつ加熱され原料ガス5
となり、キャリアガスであるアルゴンガス6と混合され
て、チャンバー7内の基板8の表面に輸送されるように
なっている。また、チャンバー7にはジエチルルテノセ
ンの分解促進のための反応ガスとして酸素ガスが導入さ
れている。また、チャンバー7には同時に反応ガスとし
て酸素ガス9が導入される。そして、ヒーター10によ
り基板8を加熱することによりCVD薄膜形成反応が基
板表面で生じるようになっている。反応室の後方には使
用済み原料を液体状態で回収するためのコールドトラッ
プ11が取付けられており、反応後の原料ガス5‘が通
過し、液体となった使用済み原料12を回収できるよう
になっている。
【0046】そして、初期投入量100gのジエチルル
テノセンを140℃に加熱して気化させ、成膜を行っ
た。この際の薄膜製造条件は次のとおりである。
【0047】 基板温度 :240℃ チャンバ圧力 :約665Pa(5.0torr) キャリアガス流量:200sccm 反応ガス流量 :200sccm
【0048】コールドトラップ11にはその冷却面に冷
媒を流し、通過する反応後原料ガス5‘を約−10℃に
冷却した。そして、原料がなくなるまで成膜を行った
後、使用済み原料としてコールドトラップ11内の使用
済み原料12を81.5g回収した(回収率81.5
%)。この際使用済み原料の色は茶褐色に変色してい
た。
【0049】そして、このとき製造されたルテニウム薄
膜についてその性状を検討したところ、ルテニウム純度
98%であり、また、この薄膜のモホロジーをAFM
(原子間力顕微鏡)にて表面粗さを測定したところ、R
ms=2.0nmと良好な薄膜であることが確認され
た。
【0050】一方、このとき回収された使用済み原料を
ガスクロマトグラフにより分析したところ、図3のよう
なプロファイルを得た。この図3より、この使用済み原
料のガスクロマトグラフには、殆どがジエチルルテノセ
ンのピークが示されており、その純度は98.37%で
あることがわかるが、これらジエチルルテノセンのピー
クに重なるようにビニルシクロペンタジエニル(エチル
シクロペンタジエニル)ルテニウムのものと思われるピ
ークが存在することが確認された。そこで、この点を明
確にするためにGCMS(質量分析ガスクロマトグラフ
ィー)にて分析したところ、図4のようなプロファイル
が得られ、このピークがビニルシクロペンタジエニル
(エチルシクロペンタジエニル)ルテニウムのものであ
ることを確認した。尚、先の図3のガスクロマトグラフ
からビニルシクロペンタジエニル(エチルシクロペンタ
ジエニル)ルテニウムの濃度は0.93%であるとされ
る。更に、図3より、この使用済み原料にはビニルシク
ロペンタジエニル(エチルシクロペンタジエニル)ルテ
ニウムに加え、ジエチルルテノセンのエチル基が酸化し
たことに起因して発生したと思われる各種不純物のピー
クもわずかに観察されていた。
【0051】次に、この使用済み原料に0.5%パラジ
ウム触媒(担体:活性炭)に添加して反応させ、ビニル
シクロペンタジエニル(エチルシクロペンタジエニル)
ルテニウムをジエチルルテノセンに転換すると共に、使
用済み原料の着色成分を除去した。そして、触媒を濾別
し使用済み原料を、温度179℃、圧力17Paの条件
にて減圧蒸留を行い、ジエチルルテノセンを精製した。
この際精製されたジエチルルテノセンの濃度は99.6
%と高純度のものであることが確認された。尚、この際
精製されたジエチルルテノセンの重量は72.3gであ
り、初期投入量に対する収率は72.3%となる。
【0052】図5は、減圧蒸留により精製されたジエチ
ルルテノセンのガスクロマトグラフを示す。この図5よ
り、減圧蒸留後の抽出物(ジエチルルテノセン)は、初
期原料であるジエチルルテノセンと同様の形態を示し、
ビニルシクロペンタジエニル(エチルシクロペンタジエ
ニル)ルテニウム及びその他の不純物も除去され高純度
のジエチルルテノセンであることが確認された。
【0053】この精製したジエチルルテノセンを用い
て、上記と同様の条件にてCVD法によりルテニウム薄
膜を形成した。その結果、形成されたルテニウム薄膜は
純度98%と高純度であり、初期原料を用いた場合と同
等の純度であった。また、この薄膜の表面粗さを測定し
たところ、Rms=2.0nmと新品の原料を使用して
製造した薄膜と同様の形態を有することがわかった。
【0054】第2実施形態:本実施形態では、第1実施
形態と同様に、初期原料としてジエチルルテノセンを用
いてルテニウム薄膜を製造し、この際回収された使用済
み原料と、臭素とを反応させて、使用済み原料中のビニ
ルシクロペンタジエニル(エチルシクロペンタジエニ
ル)ルテニウムを、次式で示されるエチルシクロペンタ
ジエニル(1,2−ジブロモエチルシクロペンタジエニ
ル)ルテニウムとし、これを除去することにより高純度
のジエチルルテノセンを精製することとした。
【0055】
【化4】
【0056】本実施形態で使用したCVD装置、ジエチ
ルルテノセンは第1実施形態と同じものを使用した。ま
た、薄膜製造条件及び回収条件(コールドトラップの冷
却温度)も第1実施形態と同様とした。
【0057】そして、回収された使用済み原料80.7
gを四塩化炭素(CCl)500mLに溶解し、この
溶液に、0.1mol/L臭素−四塩化炭素溶液500
mLを室温下で滴下し、4時間攪拌した。その後、この
混合溶液に1mol/L亜硫酸水溶液及び1mol/L
水酸化ナトリウム水溶液を添加し余分な臭素を除去し
た。
【0058】以上の処理を行った、混合溶液を第1実施
形態と同様の条件で減圧蒸留した。
【0059】更に、本実施形態で精製したジエチルルテ
ノセンについても、第1実施形態と同様に、CVD法に
よりルテニウム薄膜を製造したところ。その純度、モホ
ロジーともに問題のない良好な薄膜を製造可能であるこ
とが確認された。
【0060】比較例:以上の第1及び第2実施形態に対
し、上記触媒通過による改質処理及び脱色処理を経てい
ない使用済み原料についても減圧蒸留を行い、ジエチル
ルテノセンを精製し、これを用いてCVD法にてルテニ
ウム薄膜を形成したところ、薄膜のルテニウム純度は9
7%と、第1実施形態でリサイクルされた原料とさほど
変わらない純度であったが、表面粗さがRms=5.4
nmとモホロジーの観点ではかなり劣ることが確認され
た。
【0061】これらの結果から、第1及び第2実施形態
で使用済み原料から精製されたジエチルルテノセンは、
MOCVD用原料として再使用しても、新品の原料から
製造される薄膜に劣らない極めて良好な薄膜を製造でき
ることが確認された。一方、比較例で示した、使用済み
原料からそのまま精製されたジエチルルテノセンを使用
した場合、特に薄膜のモホロジーの点において不十分な
薄膜が製造されることとなる。本実施形態と比較例とで
みられる薄膜のモホロジーの差は、nmオーダーと極め
て微小ではあるが、DRAM等の各種半導体デバイス用
の薄膜電極においてはかかる微小な差であっても重大な
影響を及ぼすこととなり、比較例でリサイクルされる有
機金属化合物はこれら薄膜電極製造用のMOCVD原料
としては使用できないものと考えられる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、C
VD工程を経た使用済み原料中の未反応の有機金属化合
物について、これを廃棄することなしに有効に再利用可
能な状態にすることができる。特に、本発明によりリサ
イクルされる有機金属化合物は、その純度が極めて高く
新品の原料に比べても殆ど劣化のないものである。
【0063】従って、本発明によれば、有機金属化合物
のCVD工程における利用効率が低い場合であっても材
料のロスを生じさせることがない。そしてその結果、C
VD法による薄膜の製造コストを低減することができ
る。これは、有機金属化合物の価格がその金属自体の価
格以上に高価であること、及び、有機金属化合物を利用
するCVD薄膜形成プロセスが主流であることを考慮す
れば重要な意義があるといえる。とりわけ、電子材料と
して今後貴金属が多用され、貴金属の有機金属化合物が
適用される傾向にあることを考えれば、本発明は貴金属
の有機化合物を適用する場合に特に有用であると考えら
れる。
【0064】更に、本発明のように従来廃棄されていた
有機金属化合物を再利用することで、有用な資源を無駄
にすることなく、有用資源の枯渇の問題に対しても有用
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1及び第2実施形態並びに比較例で使用した
ジエチルルテノセンのガスクロマトグラフを示す図。
【図2】第1及び第2実施形態並びに比較例で使用した
CVD装置の概略図。
【図3】第1実施形態において回収された使用済み原料
のガスクロマトグラフを示す図。
【図4】第1実施形態において回収された使用済み原料
の質量分析ガスクロマトグラフィーのプロファイルを示
す図。
【図5】第1実施形態において精製されたジエチルルテ
ノセンのガスクロマトグラフィーのプロファイルを示す
【符号の説明】
1 CVD装置 2 恒温槽 3 ジエチルルテノセン 4 アルゴンガス(バブリング用) 5、5‘ 原料ガス 6 アルゴンガス(キャリアガス) 7 チャンバー 8 基板 9 酸素ガス 10 ヒーター 11 コールドトラップ 12 使用済み原料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 16/00 - 16/56 H01L 21/205 JICSTファイル(JOIS)

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】薄膜形成工程を経た使用済み原料から未反
    応の有機金属化合物を抽出するMOCVD用の有機金属
    化合物のリサイクル方法であって、 前記使用済み原料と、水添触媒又は還元剤とを接触させ
    ることにより使用済み原料を改質処理した後に、未反応
    の有機金属化合物を抽出するMOCVD用有機金属化合
    物のリサイクル方法。
  2. 【請求項2】使用済み原料を改質処理する水添触媒とし
    て、白金触媒、パラジウム触媒、ルテニウム触媒、ラネ
    ーニッケル触媒のいずれかを用いる請求項1記載のMO
    CVD用有機金属化合物のリサイクル方法。
  3. 【請求項3】使用済み原料を改質処理する還元剤とし
    て、水素化ホウ素ナトリウム、リチウムアルミニウムハ
    イドライド、カルシウムハイドライド、ジメチルアミン
    ボラン、トリメチルアミンボラン、ヒドラジンのいずれ
    かを用いる請求項1記載のMOCVD用有機金属化合物
    のリサイクル方法。
  4. 【請求項4】薄膜形成工程を経た使用済み原料から未反
    応の有機金属化合物を抽出するMOCVD用の有機金属
    化合物のリサイクル方法であって、 前記使用済み原料と、ハロゲン、ハロゲン化水素、無機
    酸、アルケン、ジエンのいずれかとを接触させることに
    より使用済み原料を改質処理した後に、未反応の有機金
    属化合物を抽出するMOCVD用有機金属化合物のリサ
    イクル方法。
  5. 【請求項5】使用済み原料を改質処理するハロゲンとし
    て塩素、臭素、ヨウ素のいずれかを用いる請求項4記載
    のMOCVD用有機金属化合物のリサイクル方法。
  6. 【請求項6】使用済み原料を改質処理するハロゲン化水
    素として塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素のいずれかを
    用いる請求項4記載のMOCVD用有機金属化合物のリ
    サイクル方法。
  7. 【請求項7】使用済み原料を改質処理する無機酸とし
    て、塩酸又は硫酸を用いる請求項4記載のMOCVD用
    有機金属化合物のリサイクル方法。
  8. 【請求項8】使用済み原料を改質処理するアルケンとし
    て、無水マレイン酸を用いる請求項4記載のMOCVD
    用有機金属化合物のリサイクル方法。
  9. 【請求項9】使用済み原料を改質処理するジエンとし
    て、2−メチル−1,3−ブタジエンを用いる請求項4
    記載のMOCVD用有機金属化合物のリサイクル方法。
  10. 【請求項10】使用済み原料と、活性炭、シリカ、活性
    白土のいずれかよりなる脱色剤とを接触させることによ
    り前記使用済み原料を脱色処理した後、未反応の有機金
    属化合物を抽出する請求項1〜請求項9のいずれか1項
    記載のMOCVD用有機金属化合物のリサイクル方
    法。
  11. 【請求項11】改質処理及び/又は脱色処理の前に、使
    用済み原料から酸素を除去する工程を含む請求項1〜請
    求項10のいずれか1項に記載のMOCVD用有機金属
    化合物のリサイクル方法。
  12. 【請求項12】使用済み原料を冷却して液体とした後、
    該液体を改質処理及び/又は脱色処理する請求項1〜請
    求項11のいずれか1項に記載のMOCVD用有機金属
    化合物のリサイクル方法。
  13. 【請求項13】未反応の有機金属化合物の抽出を、蒸留
    により行う請求項12記載のMOCVD用有機金属化合
    物のリサイクル方法。
  14. 【請求項14】未反応の有機金属化合物の抽出を、使用
    済み原料をカラムクロマトグラフィーに通過させること
    により行う請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載
    のMOCVD用有機金属化合物のリサイクル方法。
  15. 【請求項15】カラムクロマトグラフィーの充填剤は、
    シリカゲル、オクタデシルシラン、アルミナ、ポーラス
    ポリマー、グラファイトカーボン、ゼオライトのいずれ
    かである請求項14記載のMOCVD用有機金属化合物
    のリサイクル方法。
  16. 【請求項16】有機金属化合物は、銅、インジウム、タ
    ンタル、タングステン、モリブデン、チタン、レニウ
    ム、バリウム、ストロンチウムのいずれか有機金属化合
    物である請求項1〜請求項15のいずれか1項に記載の
    MOCVD用有機金属化合物のリサイクル方法。
  17. 【請求項17】有機金属化合物は、銀、金、白金、パラ
    ジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、オスミウ
    ムのいずれかの有機金属化合物である請求項1〜請求項
    15のいずれか1項に記載のMOCVD用有機金属化合
    物のリサイクル方法。
  18. 【請求項18】請求項1〜請求項17のいずれか1項に
    記載のMOCVD用有機金属化合物のリサイクル方法に
    より抽出された有機金属化合物を用いて、CVD法によ
    り金属薄膜を製造する薄膜製造方法。
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