JP3620642B2 - (アルキルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムの製造方法及びその方法により製造される(アルキルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウム、並びにその(アルキルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムを原料とする薄膜の製造方法 - Google Patents

(アルキルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムの製造方法及びその方法により製造される(アルキルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウム、並びにその(アルキルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムを原料とする薄膜の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学気相蒸着法によりルテニウム薄膜又はルテニウム酸化物薄膜を形成させるために用いられる有機金属化合物の一つである(アルキルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
IC、LSIのコンデンサーの電極材料として近年、ルテニウム、白金、イリジウム等の貴金属薄膜又はこれら貴金属の酸化物薄膜が用いられている。これは、これらの貴金属が薄膜電極としたときに優れた電極特性を有するからであり、特にルテニウム及びルテニウム酸化物については今後の薄膜電極の中心材料になるものと注目されている。
【0003】
ルテニウム及びルテニウム酸化物薄膜の製造方法としては、一般に化学気相蒸着法(Chemical Vapor Deposition法:以下CVD法という。)が用いられている。これは、CVD法によれば、均一な皮膜を製造し易い上に、CVD法がステップカバレッジ(段差被覆能)に優れているからである。そして、このような特性によりCVD法は、近年の回路、電子部材に対するより一層の高密度化に対応でき、今後薄膜電極製造プロセスの主流になるものと考えられている。
【0004】
CVD法で使用される原料物質としては、金属化合物の中でも融点が低く取り扱い性が容易である有機金属化合物が用いられている。 従来、ルテニウム薄膜を析出させるための有機金属化合物としては、次式に示す有機金属化合物ビス(シクロペンタジエニル)ルテニウム(ルテノセン)が用いられている。
【0005】
【化5】
Figure 0003620642
【0006】
このビス(シクロペンタジエニル)ルテニウムは大気中の安定性が高く、毒性もないためCVD原料としての適性を有するものの、常温では固体であり融点が約199〜201℃と比較的高いことから、より効率的な薄膜製造のため低融点のルテニウム化合物についての研究が活発に行われている。
【0007】
ルテニウム含有有機金属化合物の低融点化の手法一つとして、ビス(シクロペンタジエニル)ルテニウムの一方のシクロペンタジエン環の水素原子をメチル基、エチル基等のアルキル基で置換した次式で示される(アルキルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムとする方法がある。
【0008】
【化6】
Figure 0003620642
(一般構造式中、Rは、直鎖又は側鎖のアルキル基を示す。)
【0009】
これまで知られている(アルキルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムとしては、置換基Rがエチル基である、(エチルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムのみである。この(エチルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムは融点が約12℃とビス(シクロペンタジエニル)ルテニウムに比して著しく低くなっており、原料気化工程及びガス状原料の輸送工程において優れたCVD原料ということができると考えられる。
【0010】
ここで、(エチルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムの製造方法としては、塩化アルミニウムを触媒としてビス(シクロペンタジエニル)ルテニウムと無水酢酸とを反応させ、ビス(シクロペンタジエニル)ルテニウムの1の水素原子がアセチル基で置換された次式で示される(アセチルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムとし、この(アセチルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムを塩化アルミニウム及びリチウムアルミニウムハイドライド(LiAlH)で還元して、(エチルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムとする方法が知られている(この技術の詳細については、M.D.RauschらのJ.Am.Chem.Soc.,vol.82,p76(1960)及びV.MarkらのInorg.Chem.,vol.3,No.7,p1067(1964)参照。)。
【0011】
【化7】
Figure 0003620642
(一般構造式中、Rは、直鎖又は側鎖のアルキル基を示す。)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記方法においては、触媒又は還元剤として使用される塩化アルミニウム及びリチウムアルミニウムハイドライドに起因して反応物がアルミニウムで汚染され、製造される(エチルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムの純度が低下するという問題がある。そして、このような純度の低い(エチルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムを用いて薄膜を製造した場合、薄膜中に不純物であるアルミニウムが混入し、薄膜の電気的特性を悪化させることがある。また、純度の低い原料の使用は、CVD装置の汚染の原因ともなる。
【0013】
更に、両反応で使用されている塩化アルミニウムは安定性が低く大気中で容易に分解し、塩酸ガスを発生し易い。従って、上記公知の方法によっては、(エチルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウム製造装置の腐食が懸念され、特別な防食対策を要し装置コストが上昇するものと考えられる。
【0014】
また、既に述べたように、(アルキルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムは低融点でCVD原料として望ましい特性を有していると考えられるにもかかわらず、従来知られているのは(エチルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムのみであり、その他の(アルキルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムについての製法、性状に関する研究はいまだ浅いのが現状である。
【0015】
本発明は以上のような背景の下なされたものであり、(エチルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムを含む(アルキルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムを容易に製造すると共に、高純度の(アルキルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムを得ることができる方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行い、上記従来の方法において、ビス(シクロペンタジエニル)ルテニウムをアシル化して(アシルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムとする際に、塩化アルミニウム触媒に替えて、リン酸を触媒とすることにより高純度の(アシルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムを製造することが可能であることを見出した。
【0017】
即ち、本願請求項1記載の発明は、次式で示されるビス(シクロペンタジエニル)ルテニウムと、次式で示される無水カルボン酸とをリン酸を触媒として反応させてアシル化することにより、次式で示される(アシルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムを製造し、前記(アシルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムを還元させてなる、次式で示される(アルキルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムの製造方法である。
【0018】
【化8】
Figure 0003620642
【0019】
【化9】
Figure 0003620642
(式中、Rは、直鎖又は側鎖のアルキル基を示す。)
【0020】
【化10】
Figure 0003620642
(一般構造式中、置換基Rの意義は上記と同様である。)
【0021】
【化11】
Figure 0003620642
(一般構造式中、Rは、直鎖又は側鎖のアルキル基を示す。)
【0022】
これは、本発明者らの研究の結果、ビス(シクロペンタジエニル)ルテニウムはリン酸を触媒として無水カルボン酸と反応させた場合、容易にアシル化できるとの知見に基づくものである。本発明によれば、不純物混入の要因となる塩化アルミニウムを触媒として使用しないことから、高純度の(アシルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムを得ることができる。
【0023】
そして、請求項1記載の発明は、リン酸触媒を用いて製造した(アシルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムを還元することにより(アルキルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムを製造するものである。ここで、請求項1の記載中「還元」とは広義に解し、ある化合物が水素と化合して新たな化合物を生成するような場合をも含むものであるが、上記従来技術のように還元の意義を狭義に解し、塩化アルミニウム及びリチウムアルミニウムハイドライドで還元しても、(アルキルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムを製造しても良い。その純度は、本発明で製造される(アシルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムが高純度であることを考えれば、従来法で製造されるものに比べ高純度だからである。
【0024】
しかしながら、より高純度の(アルキルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムとするには、請求項2記載のように、(アシルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムの還元を水素添加反応により行うのが好ましい。水素添加反応によれば、塩化アルミニウム及びリチウムアルミニウムハイドライドのような汚染の原因となる還元剤を使用することがないため、高純度の(アルキルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムを製造することができるからである。
【0025】
このように、本願発明は、ビス(シクロペンタジエニル)ルテニウムを(アシルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムへとする工程と(アシルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムを(アルキルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムとする工程の双方において、生成物の高純度化を図ることを特徴とするものである。
【0026】
そして、製造される(アルキルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムの置換基Rは、ビス(シクロペンタジエニル)ルテニウムと反応させる無水カルボン酸を選択することにより所望の置換基とすることができる。具体的には、下記表1のようになる。
【0027】
【表1】
Figure 0003620642
【0028】
この際のビス(シクロペンタジエニル)ルテニウムと無水カルボン酸との反応比(モル比)は、ビス(シクロペンタジエニル)ルテニウムを1とした場合、無水カルボン酸を等量とするのが好ましい。無水カルボン酸の比率が小さい場合、(アシルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムの収率が低下することとなり、一方、無水カルボン酸の比率が大きい場合は、ビス(シクロペンタジエニル)ルテニウムの双方のシクロペンタジエン環が置換されたビス(アシルシクロペンタジエニル)ルテニウムが同時に生成され、この場合も(アシルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムの収率が低下するからである。
【0029】
また、請求項2の記載において「触媒存在下で」とあるように、本発明において(アシルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムに水添反応を生じさせるためには、触媒の存在が不可欠である。この触媒としては、請求項4記載のように白金触媒、パラジウム触媒、ルテニウム触媒、ラネーニッケル触媒を用いるのが好ましい。また、白金触媒としては、白金カーボン触媒、酸化白金触媒(アダムス触媒)が特に好ましい。
【0030】
更に、この水添反応の際の反応条件としては、反応温度は室温〜150℃の範囲とするのが好ましい。また、水素圧は1×10〜5×10Paの範囲とするのが好ましい。
【0031】
以上説明した、本発明に係る方法により製造される(アルキルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムはアルミニウムのような不純物を含有せず高純度であり、また、これらの化合物は室温で液体または低融点の固体であり100℃付近の蒸気圧も高く、CVD原料としての適性を有するといえる。
【0032】
そして、この有機金属化合物を原料として、化学気相蒸着法により基板上にルテニウム又はルテニウム酸化物からなる薄膜を形成させることで、良好な電気的特性を有する薄膜を製造することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適と思われる実施の形態について説明する。
【0034】
第1実施形態:ビス(シクロペンタジエニル)ルテニウム3gと無水酢酸10mlと85%リン酸2.0mlとを丸底フラスコに入れ、85℃で1時間加熱後、生成した反応物を水酸化ナトリウムで中和し、再結晶してヘキサンで(アセチルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムを抽出した。この際得られた(アセチルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムは1.8gであった。
【0035】
そして、この(アセチルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムを10.8g採り、これをメタノール300ccに溶解させたものに5%Pt/C触媒を1g添加し、水素圧5×10Pa、温度80℃で24時間反応させた。反応液を100℃、5.32×10−3Pa(0.4torr)にて蒸留・精製したところ、5.1gの(エチルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムを得た。この(エチルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムの融点は12℃であった。
【0036】
第2実施形態:ビス(シクロペンタジエニル)ルテニウム3gと無水ピバリン酸10mlと85%リン酸2.0mlとを丸底フラスコに入れ、第1実施形態と同様、85℃で1時間加熱後、生成した反応物を中和、再結晶してヘキサンで(トリメチルアセチルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムを抽出した。この際得られた(トリメチルアセチルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムは2.1gであった。
【0037】
そして、この(トリメチルアセチルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムを10.8g採り、これをメタノール300ccに溶解させたものに5%Pt/C触媒を1g添加し、第1実施形態と同様の反応条件にて反応させ、蒸留・精製した。そして、4.9gの(neo−ペンチルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムを得た。
【0038】
比較例:ビス(シクロペンタジエニル)ルテニウム1.2gと触媒である塩化アルミニウム1.5gとジクロロメタン100mlとをフラスコ内で混合し、これに無水酢酸0.4mlを滴下しつつ65℃で攪拌、反応させた。そして、水を加えて加水分解してジクロロメタンを留去し、残査をアルミナクロマトグラフィーで精製、ベンゼン流出部を濃縮することで(アセチルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムを製造した。この際の(アセチルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムの量は0.5gであった。
【0039】
そして、この(アセチルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムを2.7g採り、これに塩化アルミニウム1.33gとリチウムアルミニウムハイドライド0.38gとエチルエーテル20mlとを加え、室温℃にて24時間反応させた。反応後の反応生成物を、含水エーテルを加えて分解させて濾過し、エーテル層のみを抽出後濃縮することで1.5gの(エチルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムを得た。
【0040】
第1実施形態で精製した(エチルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウム、第2実施形態で精製した(neo−ペンチルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウム、及び比較例で精製した(エチルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムの各化合物中に含有される不純物元素についてICP−MS及び原子吸光分析により測定したところ、以下の表2の結果が得られた。
【0041】
【表2】
Figure 0003620642
【0042】
表2より、第1及び第2実施形態においては、各種不純物元素量は検出限界以下であったのに対し、比較例においてはその製造工程に由来する不純物が検出された。即ち、比較例においては、触媒及び還元剤として使用した塩化アルミニウム及びリチウムアルミニウムハイドライドに起因してアルミニウムが検出された。この不純物元素濃度は数ppmのオーダーであるが、この程度の濃度でも薄膜又はCVD装置の汚染に繋がることとなり、電子材料薄膜製造用の原料としては好ましいものではない。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、(エチルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムを始めとする各種の(アルキルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムを容易に製造することができる。また、本発明によれば、高純度の(アルキルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムを製造することができる。本発明により製造される(アルキルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムは、アルミニウムのような不純物元素を全く含有することがない。また、これらの化合物は室温で液体または低融点の固体であり100℃付近の蒸気圧も高い。
【0044】
従って、本発明により製造された(アルキルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムは、CVD法に適用した場合、優れた性状の薄膜を得ることができることから、電気材料薄膜の原料として最適なものということができる。

Claims (4)

  1. 次式
    Figure 0003620642
    で示されるビス(シクロペンタジエニル)ルテニウムと、次式
    Figure 0003620642
    (式中、Rは、直鎖又は側鎖のアルキル基を示す。)
    で示される無水カルボン酸とをリン酸を触媒として反応させてアシル化することにより、次式
    Figure 0003620642
    (一般構造式中、置換基Rの意義は上記と同様である。)
    で示される(アシルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムを製造し、
    前記(アシルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムを還元させてなる、次式、
    Figure 0003620642
    (一般構造式中、Rは、直鎖又は側鎖のアルキル基を示す。)
    で示される(アルキルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムの製造方法。
  2. (アシルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムを触媒の存在下で水素添加反応させる請求項1記載の(アルキルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムの製造方法。
  3. 無水カルボン酸として、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水イソ酪酸、無水ピバリン酸、無水n−酪酸、無水2−メチルブタン酸、無水n−吉草酸、無水イソペンタン酸を反応させる請求項1又は請求項2記載の(アルキルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムの製造方法。
  4. 触媒として白金触媒、パラジウム触媒、ルテニウム触媒、ラネーニッケル触媒を用いる請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の(アルキルシクロペンタジエニル)シクロペンタジエニルルテニウムの製造方法。
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