JP2001122887A - 化学気相蒸着用の有機金属化合物及びその有機金属化合物の製造方法並びにその有機金属化合物を用いた薄膜の製造方法 - Google Patents

化学気相蒸着用の有機金属化合物及びその有機金属化合物の製造方法並びにその有機金属化合物を用いた薄膜の製造方法

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JP2001122887A JP30236099A JP30236099A JP2001122887A JP 2001122887 A JP2001122887 A JP 2001122887A JP 30236099 A JP30236099 A JP 30236099A JP 30236099 A JP30236099 A JP 30236099A JP 2001122887 A JP2001122887 A JP 2001122887A
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Masatsugu Kida
勝継 来田
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Tanaka Kikinzoku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【解決課題】化学気相蒸着法により基板上にルテニウム
又はルテニウム酸化物からなる薄膜を形成させるための
有機金属化合物に関して、融点が低く、基板上で反応さ
せた後の薄膜純度が高い有機金属化合物を提供すること
を目的とする。 【解決手段】本発明は、化学気相蒸着法により基板上に
ルテニウム又はルテニウム酸化物からなる薄膜を形成さ
せるために用いられる有機ルテニウム化合物であって、
五員環であるシクロペンタジエン環の置換基が、−CH
NR(R はアルキル基、又は、1又は2以上
のメチレン基を有する置換基を示す。但し、R、R
が1又は2以上のメチレン基を有する置換基の場合、R
、Rはそれらが結合するN原子と共にヘテロ環を形
成する。)で表されるアミノメチル基である有機ルテニ
ウム化合物である。この化合物は、化学気相蒸着原料と
して用いる場合、置換基RとRとを構成する炭素数
の合計を3以上12以下とするのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化学気相蒸着法に
より基板上にルテニウム又はルテニウム酸化物からなる
薄膜を形成させる有機金属化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のIC、LSIにおいては、その高
集積化を図るべくコンデンサー材料として、BaTiO
、SrTiO等の高誘電体材料が使用されている
が、このコンデンサーの電極材料としてはルテニウム、
白金、イリジウム等の貴金属薄膜又はこれら貴金属の酸
化物薄膜が用いられている。これは、これらの貴金属が
薄膜電極としたときに優れた電極特性を有するからであ
り、特にルテニウム及びルテニウム酸化物については今
後の薄膜電極の中心材料になるものと注目されている。
【0003】ルテニウム及びルテニウム酸化物薄膜の製
造方法としては、スパッタリング法、化学気相蒸着法
(Chemical Vapor Depositio
n法:以下CVD法という。)が用いられている。特
に、CVD法は、均一な皮膜を製造し易い上に、ステッ
プカバレッジ(段差被覆能)に優れていることから、近
年の回路、電子部材に対するより一層の高密度化に対応
できるために今後の薄膜電極製造プロセスの主流になる
ものと考えられている。
【0004】このCVD法は、原料を気化させ基板表面
に輸送可能な状態とした後、この気化原料を基板表面に
輸送し、基板表面で種々の反応を生じさせることで基板
表面に薄膜を製造する薄膜製造技術である。また、この
原料物質としては、金属化合物の中でも融点が低く取り
扱い性が容易である有機金属化合物が用いられている。
【0005】従来、ルテニウム又はルテニウム酸化物薄
膜を析出させるための有機金属化合物としては、化3に
示す有機金属化合物(ルテノセン)が用いられている。
【0006】
【化3】
【0007】化3に示すルテノセンは、それぞれのシク
ロペンタジエン環を構成するのが炭素と水素のみであ
り、2つのシクロペンタジエン環の間にルテニウム原子
が挟まれるサンドイッチ構造を有する。このルテノセン
は大気中の安定性が高く、毒性もないことからCVD原
料としての適性を有するものの、常温では固体であり融
点が約199〜201℃と比較的高いため、原料の気化
及び基板への輸送が多少困難となるという問題がある。
【0008】そこで、最近では融点の低いルテニウム化
合物についての研究が活発に行われている。このルテニ
ウム含有有機金属化合物の低融点化の手法としては、ル
テノセンのシクロペンタジエン環の少なくともひとつの
水素原子をメチル基、エチル基等のアルキル基で置換し
たルテノセン誘導体とするものがある。
【0009】例えば、特開平11-35589号公報で
は、ルテノセン誘導体として、下記化4で示される、ビ
ス(エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム及びビス
(イソプロピルシクロペンタジエニル)ルテニウムに代
表される、ビス(アルキルシクロペンタジエニル)ルテ
ニウムが開示されている。
【0010】
【化4】
【0011】これらの有機金属化合物は、いずれも常温
で液体であり、その融点もルテノセンに比してかなり低
いことから、CVD法に適用する原料物質として必要な
特性を具備するものであるとされている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
ルテノセンのアルキル誘導体を原料として、CVD法で
成膜を行った場合、皮膜中に炭素原子によるコンタミネ
ーションが生じる場合があり、製造されるルテニウム薄
膜の純度が95%前後となることがある。この皮膜純度
は、必ずしも低い純度とはいえないが、薄膜電極とした
場合、数%程度の不純物であっても電気特性に不具合を
生じさせるおそれがあることから、より高純度の薄膜を
製造し得る原料が求められる。
【0013】本発明は以上のような背景の下なされたも
のであり、化学気相蒸着法により基板上にルテニウム又
はルテニウム酸化物からなる薄膜を形成させる有機金属
化合物に関して、融点が低く、CVD工程における原
料の気化を容易に行えること、及び、基板上で反応さ
せた後の薄膜純度が高いことの2つの条件を具備する有
機金属化合物を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
ルテノセンアルキル誘導体を原料とした場合に生じる皮
膜の汚染の原因について検討したところ、その原因がル
テノセンに配位したアルキル基が、ルテニウム析出時に
解離し、ラジカルとなって薄膜中に混入する点にあると
の見解に至った。そこで、本発明者らは、ルテニウム析
出過程で薄膜中に混入するラジカルを発生させないよう
な置換基を有するルテノセン誘導体を見出すべく鋭意研
究を行った結果、これまでCVD法による薄膜製造のた
めの原料物質として全く未知のものである本発明を完成
するに至った。
【0015】本願請求項1記載の発明は、化学気相蒸着
法により基板上にルテニウム又はルテニウム酸化物から
なる薄膜を形成させるために用いられる有機金属化合物
であって、下記、化5の一般構造式で表される有機金属
化合物である。
【化5】
【0016】即ち、本発明は、ルテノセンのいずれかの
シクロペンタジエン環の水素原子をアミノメチル基で置
換した有機金属化合物である。
【0017】本発明の有機金属化合物は、いずれも室温
で液体状態であり、融点が比較的低温である。従って、
CVD法で使用する薄膜原料とした際における取り扱い
性が容易となり、製造される皮膜も均一なものができ
る。また、本発明のルテノセンのアミノメチル誘導体
は、従来のルテノセンアルキル誘導体のように、基板上
でラジカルを発生させることがなく、皮膜の汚染がない
ため、良好な性状の皮膜を形成することができる。
【0018】更に、本発明のようなCVD原料には、低
融点であることに加え、毒性がないことが必要である。
毒性を有する化合物を使用することは作業上危険であ
り、工業的に利用し難いからである。本発明の化合物は
毒性もなく化学的安定性が高いことから、この点におい
ても問題はない。
【0019】そして、R及びRで表される置換基と
しては、第1にメチル基(CH)、エチル基(C
)、ブチル基(C)等のアルキル基である。こ
の場合、下記化6で示される、N,N−ジメチルアミノ
メチルルテノセン(R,R :CH)のように、R
とRとが同一である場合に加え、下記化7で示され
る、メチルエチルアミノルテノセン(R:CH,R
:C)のように、RとRとがそれぞれ異な
る置換基である場合をも含むものである。
【0020】
【化6】
【0021】
【化7】
【0022】また、R及びRで表される置換基の第
2の形態としては、R及びRが1又は2以上のメチ
レン基であって、それらが結合するN原子と共にヘテロ
環を形成するものである。この場合の化合物としては、
例えば、下記化8で表される、窒素原子とRとR
が1−ピロリジニル基を形成する場合(ピロリジノメチ
ルルテノセン)がある。
【0023】
【化8】
【0024】尚、このように窒素原子とRとRとが
ヘテロ環を形成する際には請求項1の記載中「1又は2
以上のメチレン基を有する置換基」とあることから、R
とRとが酸素のような窒素、炭素以外の原子を介し
て結合していても良い。従って、本発明においては、例
えば、下記化9のように、窒素原子とRとRとがモ
ルホリノ基を形成している場合も含むものである(モル
ホリノルテノセン)。
【0025】
【化9】
【0026】ここで、本発明においてCVD原料として
最適なものとしては、請求項2に記載のように、置換基
の有する炭素数と置換基Rの有する炭素数との合
計が、3以上12以下であることが好ましい。炭素数の
合計が3以下であると、化合物の原子量が小さいため、
融点が若干高めになるからである。例えば、R、R
が共にメチル基であり炭素数の合計が2である、N,N
−ジメチルアミノメチルルテノセンは融点が39〜41
℃と比較的高くなる。また、炭素数の合計を12以下と
するのは、炭素数が多すぎる場合、化合物の粘性が高く
なり作業上の取り扱いを困難とするからである。
【0027】ところで、本発明のようにCVD法に用い
られる原料物質としては、量産性が良好であることも求
められる。本発明者らによれば、本発明の有機金属化合
物は、量産性も良好であり比較的簡易な反応により製造
することができる。この本発明者らが想到した有機金属
化合物の製造方法が請求項3及び請求項4に記載の発明
である。
【0028】請求項3記載の有機金属化合物の製造方法
は、下記化10の一般構造式で表されるルテノセンと、
パラホルムアルデヒドと、二級アミンとを、酢酸溶媒下
で反応させてなる有機金属化合物の製造方法である。
【0029】
【化10】
【0030】ここで、二級アミンとは、アンモニアの2
つの水素原子を炭化水素基で置換した化合物をいう。本
発明の場合、化1においてR,Rをアルキル基とす
るのであれば、同じアルキル基で置換された二級アミン
(HNR)を適用する。また、化1において
,Rが1又は2以上のメチレン基を有する置換基
であって、それらが結合するN原子と共にヘテロ環を形
成する場合には、ピロリジン(テトラメチルイミン)、
ピペリジン(ペンタメチレンイミン)、モルホリンとい
った窒素を含むへテロ環化合物を適用する。
【0031】この製造方法において生じる反応は下記化
11のように例示される。化11では、N,N−ジエチ
ルアミノメチルルテノセンの反応式である。
【0032】
【化11】
【0033】次に、請求項4記載の有機金属化合物の製
造方法は、化10のルテノセンと、三級アミンとを、酢
酸溶媒下で反応させてなるものである。
【0034】ここで、三級アミンとは、アンモニアの3
つの水素原子を炭化水素基で置換した化合物をいうが、
1分子中に1つの窒素原子のみを有するもののみなら
ず、複数の窒素原子を有する化合物(例えば、N,N,
N‘,N’テトラエチルアミノメタン)も含まれる。こ
の請求項4記載の製造方法においても、請求項3と同様
に、化1においてR,Rをアルキル基とするのであ
れば、同じアルキル基を有する三級アミン(NRR
)を適用する。
【0035】尚、請求項4記載の製造方法においては、
反応を促進させるため触媒存在下で反応させることが好
ましい。この触媒としてはリン酸系触媒を用いるのが好
ましい。
【0036】この製造方法において生じる反応は下記化
12のように例示される。化12は、N,N−ジエチル
アミノメチルルテノセン製造の反応式である。
【0037】
【化12】
【0038】上記した本発明に係る2つの有機金属化合
物の製造方法は、いずれも簡易な方法である上に効率良
く化1の有機金属化合物を製造することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の最適と思われる実
施の形態を説明する。
【0040】第1実施形態:溶媒として90mlの酢酸
を三口フラスコに入れ、これに、ルテノセン30mmo
lとパラホルムアルデヒド60mmolとジエチルアミ
ン90mmolとを加えた。この混合液を窒素雰囲気中
で還流下、8時間反応させた。そして、この反応の終了
後、反応液に純水を200ml添加し、この液をろ過し
た。次にこのろ液に500g/lの濃度の水酸化ナトリ
ウムを100ml加えた後、ジエチルエーテルにて3回
抽出し、抽出液を濃縮・乾固した。その結果、N,N−
ジエチルアミノメチルルテノセンを4.78g得た。こ
の際のN,N−ジエチルアミノメチルルテノセンの収率
は50%となった。また、本実施形態により製造された
N,N−ジエチルアミノメチルルテノセンの融点は−5
℃であった。
【0041】次にこのN,N−ジエチルアミノメチルル
テノセンを用いて、図1に示すCVD装置によりルテニ
ウム薄膜を製造した。この際の基板はガラス基板を用
い、キャリアガスとしてアルゴンガスを用いた。また、
成膜条件は、以下の通りである。
【0042】 試料温度 :130℃ 基板温度 :300℃ 真空度 :27Pa キャリアガス流量:100sccm 反応ガス流量 :50sccm
【0043】その結果、成膜速度10nm/minでル
テニウム皮膜が得られた。また、このときのルテニウム
膜の純度は99%であった。
【0044】第2実施形態:溶媒として90mlの酢酸
を三口フラスコに入れ、これに、ルテノセン30mmo
lとN,N,N’,N’−テトラエチルジアミノメタン
90mmolとを加えた。この混合液を窒素雰囲気中で
還流下、8時間反応させた。そして、この反応の終了
後、反応液に純水を200ml添加し、この液をろ過し
た。次にこのろ液に500g/lの濃度の水酸化ナトリ
ウムを100ml加えた後、ジエチルエーテルにて3回
抽出し、抽出液を捕集して濃縮・乾固した。その結果、
N,N−ジエチルアミノメチルルテノセンを4.78g
得た。この際のN,N−ジエチルアミノメチルルテノセ
ンの収率は50%となった。また、本実施形態により製
造されたN,N−ジエチルアミノメチルルテノセンの融
点は−5℃であった。
【0045】次にこのN,N−ジエチルアミノメチルル
テノセンを用いて、第1実施形態と同様、図1に示すC
VD装置によりルテニウム薄膜を製造した。この際の成
膜条件は第1実施形態と同じである。
【0046】その結果、成膜速度12nm/minでル
テニウム皮膜が得られた。また、このときのルテニウム
膜の純度は99%であった。
【0047】第3実施形態:溶媒として90mlの酢酸
を三口フラスコに入れ、これに、ルテノセン30mmo
lとピロリジン90mmolとパラホルムアルデヒド9
0mmolとを加えた。この混合液を窒素雰囲気中で還
流下、8時間反応させた。そして、この反応の終了後、
反応液に純水を200ml添加し、この液をろ過した。
次にこのろ液に500g/lの濃度の水酸化ナトリウム
を100ml加えた後、ジエチルエーテルにて3回抽出
し、抽出液を捕集して濃縮・乾固した。その結果、ピロ
リジノメチルルテノセンを4.53g得た。この際のピ
ロリジノメチルルテノセンの収率は48%となった。
【0048】次に、このピロリジノメチルルテノセンを
用いて、第1実施形態と同様、図1に示すCVD装置に
よりルテニウム薄膜を製造した。この際の成膜条件は第
1実施形態と同じである。
【0049】その結果、成膜速度13nm/minでル
テニウム皮膜が得られた。また、このときのルテニウム
膜の純度は99%であった。
【0050】第4実施形態:溶媒として90mlの酢酸
を三口フラスコに入れ、これに、ルテノセン30mmo
lとピペリジン90mmolとパラホルムアルデヒド9
0mmolとを加えた。この混合液を窒素雰囲気中で還
流下、8時間反応させた。そして、この反応の終了後、
反応液に純水を200ml添加し、この液をろ過した。
次にこのろ液に500g/lの濃度の水酸化ナトリウム
を100ml加えた後、ジエチルエーテルにて3回抽出
し、抽出液を捕集して濃縮・乾固した。その結果、ピペ
リジノメチルルテノセンを6.21g得た。この際のピ
ペリジノメチルルテノセンの収率は63%となった。
【0051】次に、このピペリジノメチルルテノセンを
用いて、第1実施形態と同様、図1に示すCVD装置に
よりルテニウム薄膜を製造した。この際の成膜条件は第
1実施形態と同じである。
【0052】その結果、成膜速度11nm/minでル
テニウム皮膜が得られた。また、このときのルテニウム
膜の純度は99%であった。
【0053】第5実施形態:溶媒として90mlの酢酸
を三口フラスコに入れ、これに、ルテノセン30mmo
lとモルホリン90mmolとパラホルムアルデヒド9
0mmolとを加えた。この混合液を窒素雰囲気中で還
流下、8時間反応させた。そして、この反応の終了後、
反応液に純水を200ml添加し、この液をろ過した。
次にこのろ液に500g/lの濃度の水酸化ナトリウム
を100ml加えた後、ジエチルエーテルにて3回抽出
し、抽出液を捕集して濃縮・乾固した。その結果、モル
ホリノルテノセンを5.84g得た。この際のモルホリ
ノルテノセンの収率は59%となった。
【0054】次に、このモルホリノルテノセンを用い
て、第1実施形態と同様、図1に示すCVD装置により
ルテニウム薄膜を製造した。この際の成膜条件は第1実
施形態と同じである。
【0055】その結果、成膜速度15nm/minでル
テニウム皮膜が得られた。また、このときのルテニウム
膜の純度は99%であった。
【0056】比較例:本発明にかかる有貴金属化合物に
対する比較として、ルテノセンを用いて上記実施形態と
同様、ルテニウム薄膜の製造を行った。装置及び成膜条
件は第1実施形態と同じである。
【0057】その結果、成膜速度10nm/minでル
テニウム皮膜が得られた。この比較例の成膜速度上記実
施形態における成膜速度との相違は、 両者の融点の相
違に基づくものであり、本実施形態で製造した有機金属
化合物によれば、皮膜の製造も効率的に行えることが確
認された。また、この比較例のルテニウム膜の純度は9
6%であった。即ち、本実施形態の有機金属化合物によ
れば、皮膜性状も良好なものが得られることが確認され
た。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る有機金
属化合物は、CVD法による薄膜形成で従来用いられて
いたルテノセンに比べて融点が極めて低いことから、本
発明に係る有機金属化合物を原料とすることで、CVD
工程における原料の気化を容易に行うことができる。
【0059】また、本発明に係る有機金属化合物は、こ
れまで開示されているルテノセンのアルキル誘導体のよ
うに、基板上の反応において皮膜のコンタミネーション
の原因となるラジカルを発生させることない。従って、
本発明に係る有機金属化合物を原料とすることで、良好
な性状の皮膜を製造することができる。
【0060】更に、本発明に係る有機金属化合物は、量
産性が良好である。特に、本願で開示した製造方法は比
較的簡易な方法でありながら、高い収率で本発明に係る
有機金属化合物を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1〜第5実施形態及び比較例で使用したCV
D装置の構成を示す図。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化学気相蒸着法により基板上にルテニウム
    又はルテニウム酸化物からなる薄膜を形成させるために
    用いられる有機金属化合物であって、下記化1の一般構
    造式で表される有機金属化合物。 【化1】 〔一般構造式中、R,Rは、アルキル基、又は、1
    又は2以上のメチレン基を有する置換基を示す。但し、
    、Rが1又は2以上のメチレン基を有する置換基
    の場合、R、Rはそれらが結合するN原子と共にヘ
    テロ環を形成する。〕
  2. 【請求項2】置換基Rの有する炭素数と置換基R
    有する炭素数との合計が、3以上12以下である請求項
    1記載の有機金属化合物。
  3. 【請求項3】下記化2の一般構造式で表されるルテノセ
    ンと、パラホルムアルデヒドと、二級アミンとを、酢酸
    溶媒下で反応させてなる請求項1記載の有機金属化合物
    の製造方法。 【化2】
  4. 【請求項4】化2のルテノセンと、三級アミンとを、酢
    酸溶媒下で反応させてなる請求項1記載の有機金属化合
    物の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1記載の有機金属化合物を原料とし
    て、化学気相蒸着法により基板上にルテニウム又はルテ
    ニウム酸化物からなる薄膜を形成させる薄膜の製造方
    法。
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