JP3506558B2 - 電子写真装置用ロールおよびそれを用いた装置 - Google Patents

電子写真装置用ロールおよびそれを用いた装置

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義和 澤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレン−プロピ
レン共重合体ゴム(EPDM)組成物の発泡体を用いた
ロールからなる、感光体に接触する箇所に設けられる電
子写真装置用ロールおよびそれを用いた装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真複写機等の複写方式の一つとし
て接触複写方式がある。この接触複写方式は、帯電、現
像、転写等にロールを使用して感光体に接触させ一連の
複写工程を行うものである。この場合のロールには、ロ
ール表面が柔軟性を有することが必要とされる。このた
め転写ロールの導電層は、たとえば発泡性弾性体で構成
されている。この発泡性弾性体形成材料に用いられる導
電性発泡ゴム組成物としては主成分とする固形状のゴム
成分に可塑剤及び導電材及び発泡剤を配合することによ
り得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記導
電性発泡ゴム組成物を用いて導電性ロールの導電層を形
成すると、感光体と導電性ロールの接触部分が長期間の
停止の際に、導電性ロールのブリード又はブルーム物質
が感光体への汚染を発生させ複写紙の画質ムラを生じ
る。この画質ムラは通常、複写紙を5枚〜20枚程度通
紙する事により消失するが、長期間の停止の度にこの問
題は発生する。
【0004】この問題解決のために、従来はEPDM導
電性ロールの表面にテフロンフィルム等を被覆したもの
やウレタン発泡体に導電性を付与したロールが使用され
ているが、いずれも高価である。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、感光体に汚染を生じず、安価な導電性発泡体層
を形成しうるロールを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、四フッ化
エチレン樹脂、とくに低分子量四フッ化エチレン樹脂
(PTFE)の微粉末を含有するEPDMゴム組成物の
発泡体を軸体の外周に被覆したロールからなる、感光体
に接触する箇所に設けられる電子写真装置用ロール及び
該ロールを用いた電子写真装置を提供することによって
達成される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる発泡体は、E
PDM、発泡剤、導電材および四フッ化エチレン樹脂、
とくに低分子量四フッ化エチレン樹脂の微粉末を用い
て、好適にはこれに更に液状ゴム、充填材を併用するこ
とにより得られる。
【0008】上記EPDMとしては、エチレン−プロピ
レン共重合体に少量のエチリデンノルボルネンを共重合
させた共重合体ゴムが好適に用いられる。さらにEPD
Mは、ヨウ素価15〜30、エチレン含有率50〜80
wt%であることが好ましい。
【0009】上記発泡剤としては、従来公知のものが用
いられ、例えばN,N’−ジニトロソペンタメチレンテ
トラミン(DPT)、N,N’−ジメチル−N,N’−
ジニトロソテレフタルアミド等のニトロソ化合物、アゾ
ジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスイソブチロニ
トリル(AZDN)を主成分とする複合発泡剤等のアゾ
化合物、ベンゼンスルホニルヒドラジド(BSH)、ト
ルエンスルホニルヒドラジド(TSH)、P−P’−オ
キシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBS
H)等のスルホニルヒドラジド化合物をはじめとする有
機発泡剤、または重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウ
ムなどの無機発泡剤等がある。これら発泡剤は、単独で
若しくは併せて用いられるが、好適にはアゾジカルボン
アミド(ADCA)、ベンゼンスルホニルヒドラジド
(OBSH)あるいはこれらの併用が好ましい。これら
の配合量は、加硫装置の加硫条件により発泡倍率0.1
〜0.8好適には0.2〜0.6となるように決めるこ
とが好適である。なおここで発泡倍率とは加硫発泡させ
たゴムの密度を未加硫ゴムの密度で割った値とする。
【0010】上記四フッ化エチレン樹脂、とくに低分子
量四フッ化エチレン樹脂微粉末としては、分子量1万〜
80万(米国特許第30672号に記載されている方法
により算出した数平均分子量)好適には1〜20万、さ
らには1〜10万、粒子径(パークロルエチレン中、分
散液を光透過法にて測定)が平均30μm以下、好適に
は10μm以下、融点250℃以上、揮発分(300℃
×1hrs )0.5%以下の白色微粉末が好適に用いられ
る。このとき、四フッ化エチレン樹脂は、EPDM10
0重量部に対して、好ましくは1〜10重量部、更に好
ましくは2〜7重量部用いる。とくに低分子量四フッ化
エチレン樹脂を用いることにより、複写紙の汚れのな
い、すなわち感光体汚染のない優れた導電性ロールを得
ることが出来る。
【0011】上記導電材は、特に限定されるものではな
く従来公知のケッチェンブラック、アセチレンブラック
等の導電性カーボンブラック、SAF(super abrasion
furnace black)、ISAF(intermediate super abrasi
on furnace black)、HAF(high abrasion furnace bl
ack)、FEF(fast extruding furnace black)、GPF
(general purpose furnace black)、SRF(semi-reinf
orcing furnace black)、FT(fine thermal furnace b
lack)、MT(medium thermal furnace black)等のゴム
用カーボンブラック等があげられ、ゴム100重量部に
対して5〜150重量部配合可能であるが、導電性及び
成形加工性等考慮して、単独又は導電性カーボンブラッ
クとゴム用カーボンブラックを混合した導電材をゴム1
00重量部に対して5〜150重量部、好ましくは10
〜100重量部用いる。
【0012】本発明においては、更に液状ゴムを配合す
ることによりブリード防止効果が更に向上する。液状ゴ
ムとしては、液状イソプレンゴム、液状ブタジエンゴム
等があげられ、とくに粘度5〜2000ポイズ(25
℃、60rpm)のものが好適に用いられる。液状ゴム
はEPDM100重量部に対して5〜20重量部配合さ
れる。
【0013】また本発明においては、さらに充填材、特
に無機充填材を配合することにより、加硫ゴム表面への
移行物質(ブルーム物質)を吸着するので汚染防止効果
は更に向上する。充填材、特に無機充填材としては、水
酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、クレー(ケイ酸ア
ルミニウム)、タルク、シリカ等があげられ、このうち
特に水酸化アルミニウム等の無機水酸化物が好適であ
る。これらは、ゴム100重量部に対して5〜50重量
部、好ましくは10〜30重量部用いる。
【0014】また本発明においては、軟化剤を使用する
と、目的のムーニー粘度を得る点で好ましい場合があ
る。軟化剤としてはパラフィン系軟化剤、ナフテン系軟
化剤がある。これらは、ゴム100重量部に対して1〜
50重量部、好ましくは1〜40重量部用いる。
【0015】更に、本発明の上記導電性発泡ゴム組成物
には、上記成分以外に、従来公知の発泡ゴム用配合剤、
例えば、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤を用いる。
さらには従来公知の発泡ゴム用配合剤例えば加工助剤、
発泡助剤等を用いることが出来る。
【0016】本発明の導電性発泡ゴム組成物の加硫前の
組成物は、ムーニー粘度ML1+4 (100℃)が30〜
70となるように、上記液状ゴム及び/又は軟化剤など
の配合量を設定することが好ましい。すなわちムーニー
粘度を30〜70とすることにより加硫工程中の形状保
持性が良好となり、更に押し出し性も良好となる。
【0017】このようにして得られる導電性発泡ゴム組
成物を用いてなる加硫後のゴム製品は、抵抗値102
1012Ω、ゴム硬度(Cタイプ)5〜80に設定され
る。
【0018】本発明の導電性発泡ゴム組成物を用いた導
電性ロールは、例えば次のようにして作製される。まず
上記導電性発泡ゴム組成物をチューブ上に押し出し成形
した後、直ちに熱風炉又は高周波電場あるいはこれらを
組み合わせた炉内を通過させ、連続的に発泡・加硫する
事により、導電性スポンジチューブを製造する。次にこ
れを必要な長さに切断して軸体(芯金)を嵌挿する事に
より、導電性ロールを製造することができる。図1に導
電性ロールを示すが、1は導電性ロール、2は軸体(芯
金)、3は導電性発泡体層である。
【0019】このようにして得られた発泡ゴムロール
を、電子写真装置の感光体の接触する箇所に設けること
により感光体の汚染を防止でき、複写紙の画質ムラを防
ぐことができる。以下実施例により、本発明を更に説明
する。
【0020】
【実施例】
実施例1〜5及び比較例1〜2 下記の表1に示す各成分を準備し、同表に示す割合で配
合してニーダー又はオープンロールで混練りする事によ
り未加硫ゴム組成物を得た。次に、上記未加硫ゴム組成
物を押し出し機に投入してチューブ状に押し出し、これ
を連続的に熱風型加硫機にて170〜210℃で発泡加
硫し、内径7mm×外径21mmのチューブ状導電性発泡ゴ
ム成形体(実施例品及び比較例品)を得た。なお、上記
押し出し機の温度設定は、スクリュー部50℃、シリン
ダー部70℃、ヘッド部90℃、ダイス部100℃と設
定した。
【0021】次に、感光体汚染試験用として、上記チュ
ーブ状導電性発泡ゴム成形体を長さ270mmにカット
し、直径8mmの金属製ロールを挿入した。そして、上記
導電性発泡ゴムロールの外径が20mmとなるように外周
面を研磨した。
【0022】なお、表1において、表内の数字は重量部
を表す。また、ゴムはエチレン−プロピレン−エチリデ
ンノルボルネン共重合体ゴム(ヨウ素価24、エチレン
含有率55wt%)、軟化剤はパラフィン系オイル、液状
ゴムは液状ブタジエンゴム{粘度350ポイズ(25
℃、60rpm)}、導電性カーボンブラックはアセチ
レンブラック、補強性カーボンブラックはSRFカーボ
ン、発泡剤はアゾジカルボンアミド(ADCA)、無機
充填材は水酸化アルミニウム、四フッ化エチレン樹脂は
低分子四フッ化エチレン樹脂(粒子径5μm、融点33
0℃、数平均分子量5万、ルブロンL−2,ダイキン工
業社製)である。
【0023】このようにして得られた各導電性ロールに
ついて、硬度、抵抗値 、複写紙の汚れの有無を測定し
表2に示した。なお、抵抗値は、図2に示す測定系によ
り測定した。また、感光体汚染の有無は、感光体表面に
導電性ロールを押し当て、この感光体を40℃雰囲気下
に1週間放置した後、導電性ロールを取り除いた感光体
を複写機に装着して、複写紙を通過させ、この複写紙の
汚れの有無を観察した。尚、複写紙の汚れは、複写紙を
通過させ、汚れが消失するまでの枚数(消失枚数)で示
した。図2において芯金2及び導電性発泡体層3からな
る導電性ロールをアルミニウム板4に置き、電圧をかけ
て電流計により電流を測定し、抵抗値を測定した。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】表2の結果から、実施例品は、比較例品
の導電性ロールと同等の硬度であり、抵抗値が任意に設
定できながら、複写紙の汚れあるいは画質ムラのない、
すなわち感光体汚染のない優れた導電性ロールであるこ
とがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電性発泡ゴム組成物を用いて得られ
る導電性ロールの縦断面図である。
【図2】本発明による導電性ロールの抵抗値を測定する
ための測定系を示す構成図である。
【符号の説明】
1導電ロール 2芯金 3導電性発泡体層 4アルミニウム板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/08 501 B29D 31/00 F16C 13/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 四フッ化エチレン樹脂の微粉末を含有す
    るエチレン−プロピレン共重合体ゴム組成物の発泡体を
    軸体の外周に被覆したロールからなる、感光体に接触す
    る箇所に設けられる電子写真装置用ロール。
  2. 【請求項2】 組成物が、液状ゴムを含有する請求項1
    記載の電子写真装置用ロール。
  3. 【請求項3】 組成物が、充填材を含有する請求項1ま
    たは2記載の電子写真装置用ロール。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3記載のロールを感
    光体に接触する箇所に設けた電子写真装置。
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