JP2001072806A - 導電性ゴム組成物およびそれを利用した導電性ゴムローラ - Google Patents

導電性ゴム組成物およびそれを利用した導電性ゴムローラ

Info

Publication number
JP2001072806A
JP2001072806A JP25187899A JP25187899A JP2001072806A JP 2001072806 A JP2001072806 A JP 2001072806A JP 25187899 A JP25187899 A JP 25187899A JP 25187899 A JP25187899 A JP 25187899A JP 2001072806 A JP2001072806 A JP 2001072806A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductive
rubber
conductive rubber
rubber composition
roller
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25187899A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaaki Harada
昌明 原田
Atsushi Murata
淳 村田
Yukinori Nagata
之則 永田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP25187899A priority Critical patent/JP2001072806A/ja
Publication of JP2001072806A publication Critical patent/JP2001072806A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Molding Of Porous Articles (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)
  • Dry Development In Electrophotography (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境変動による体積抵抗値の変動が小さく、
体積抵抗値のバラツキが小さく、さらに、成形後、その
表面が平滑であり、また、寸法精度を高くすることが可
能である新規な導電性ゴム組成物、ならびにそれを用い
る導電性ゴムローラの提供。 【解決手段】 原料ゴムに導電性を付与するために分散
させる導電性粒子に加えて、充填剤として、一種以上の
非導電性粒子を配合し、ゴム組成物全体に占める前記原
料ゴムの重量分率を50%以下に選択した導電性ゴム組
成物、ならびに、前記導電性ゴム組成物を用いて、芯金
11の周囲に導電性ゴム層12を形成する導電性ゴムロ
ーラ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性粒子を原料
ゴム中に分散してなる導電性ゴム組成物および前記導電
性ゴム組成物を利用して作製される導電性ゴムローラに
関する。より具体的には、複写機、ページプリンター、
ファクシミリなどの電子写真方式の画像形成装置におい
て、画像形成プロセス、特には、帯電、現像、転写など
のプロセスに使用する導電部材、すなわち導電性ゴムロ
ーラと、これら導電性ゴムローラの作製に用いる導電性
ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真装置(複写機、光プリンターな
ど)、静電記録装置などの画像形成装置においては、感
光体、あるいは誘電体などの像担持体の表面を帯電処理
が必要である。この帯電処理を行う手段として、コロナ
放電装置が従来より広く利用されている。このコロナ放
電による帯電処理は、像担持体などの被帯電体表面を、
非接触で、所定の電位に高い均一性で帯電処理する目的
には、今猶、十分に有効である。ただし、コロナ放電に
は、高圧電源が必要であり、それに伴い装置自体、相当
のスペースを要し、画像形成装置のコンパクト化を妨げ
る要因の一つともなっている。また、コロナ放電の際、
オゾンなどのコロナ生成物の発生が多く見られ、このオ
ゾンなどによる電子写真装置部材への影響などの除去
も、改善の目標となっている。
【0003】コロナ放電に代わる帯電方法として、近
年、接触帯電方式が用いられるようになっている。この
接触帯電方式は、電圧を印加した帯電部材を被帯電体面
に接触、または近接させて帯電処理を行う。コロナ放電
と異なり、本質的には、オゾンなどのコロナ生成物の発
生がなく、加えて、構造の簡素化が容易であり、装置の
小型化、低コスト化が図れるなどの利点を持つ。
【0004】接触帯電方式で用いるローラ状の帯電部材
は、感光体等の被帯電体表面に接触、または近接させた
際、被帯電体表面にピンホール・傷などがあると、局所
的な電界集中に伴い、リークが生じることがある。この
リークは、帯電部材(帯電ローラ)自体に適度な導電性
を持たすことにより、防止が可能である。また、被帯電
体表面を均一に帯電するためには、帯電部材(帯電ロー
ラ)の表面を構成する材料は、均一な半導電性であると
好ましく、電気抵抗値が、体積抵抗値で1×10〜1
×10Ω程度に選択すると好ましい。例えば、この半
導電性材料として、非導電性であるゴムに導電性を付与
したものなどが利用される。ゴムに導電性を付与する手
段の一つとして、従来より、カーボンブラックなどの導
電性粒子を配合することがなされている。ゴム原料中に
配合するカーボンブラックなどの導電性粒子の配合量
と、得られる材料の電気抵抗との間には、一応の比例関
係は認められる。しかしながら、特に、体積抵抗値で1
×103〜1×109Ω程度の半導電性領域では、導電性
粒子の配合量、分散状態に極めて敏感であり、僅かな差
異でも大きな体積抵抗値変化を引き起こす。従って、非
導電性であるゴムに導電性粒子を配合して、所望の中抵
抗領域の材料を再現性よく得るためには、配合する導電
剤の添加比率を厳密に制御するのみでなく、均一に分散
させることも必要となる。
【0005】導電性粒子を配合する方法以外に、エピク
ロロヒドリンゴムなどゴム自体が半導電性を示す材料
に、第四級アンモニウム塩などのイオン導電剤を添加し
て、所望の抵抗値を持つ帯電部材を構成する手法もあ
る。この材料では、温度・湿度などの環境変動により、
体積抵抗値の変動が引き起こされるという問題がある。
この問題を回避する手段として、例えば、特開平5−8
8509号公報には、帯電部材のローラを、多層構造に
して、電気抵抗の環境依存性を抑え、均質な半導電ロー
ラとする方法が提案されている。この多層構造のローラ
を作製する場合、その製造工程が複雑となり、それに伴
い生産性を高くすることが容易でないという新たな問題
が生まれる。
【0006】帯電ローラは、感光体などの被帯電体表面
と均一な接触を確保するため、さらに、帯電部材(帯電
ローラ)に交流電圧(AC)を印加して使用する際、帯
電部材と感光体なとの間の振動に因って発生する帯電音
を抑制するため、ローラには、低硬度の材料が望まれ
る。低硬度化は、従来、ローラの弾性体に発泡ゴムを利
用することで達成していた。例えば、発泡ゴムローラの
製造は、従来、未加硫のゴム組成物をチューブ状に押し
出し成形し、加熱・発泡形成して発泡ゴム弾性体を作製
し、この発泡ゴム弾性体中心に芯金を圧入する。その
後、表面を研磨して、所望の外径に調節して、成形した
帯電ローラを得ていた。外径を調節するため、研磨をす
る際、ゴム表面のスキン層を削り取る結果、発泡ゴム層
内の空孔部が露出し、表面粗さも増大してしまう。その
結果、帯電ローラと感光体の間に微少な隙間が形成さ
れ、その部分で放電が集中して生じるため、感光体のエ
ッチングが進み、感光体寿命を短くする一因となる。あ
るいは、表面粗さの増大に伴い、感光体上に残留する微
量なトナーが、帯電ローラ表面に付着し易くなり、その
結果、帯電ローラ表面の汚れによって、感光体の帯電不
均一が起こり、画像不良を引き起こすなどの問題も発生
する。
【0007】ローラ表面の研磨を行わない製造方法とし
て、未加硫のゴム組成物をクロスヘッドを装着した押し
出し機を用いて、芯金を中心に円筒状に押し出し、次い
で、所望の外径に合致した内面を持つ円筒型成形金型内
部に固定し、加熱・発泡処理を施して、金型成形する方
法が提案されている。この円筒形金型を用いて成形体を
得る方法では、発泡反応に伴うガス発生・体積膨張と加
硫による硬化反応を同時に行うため、金型内部に溜まっ
たガスにより、製造される発泡ローラの寸法精度の低下
が起こることもあり、あるいは、発泡ガスが局所的に滞
留すると、膨らみや凹みを生じさせるなど表面の平坦性
を低下させることもある。発泡に局部的な不均一がある
と、成形後のゴム材料中に部分的な残留応力が発生す
る、また、カーボンブラックなどの導電性粒子を配合し
た材料では、発泡に局部的な不均一があると、導電性粒
子間距離にも局部的な乱れが起こり、結果として、得ら
れる部材の体積抵抗値が不均一になるといった不具合も
起こる。
【0008】従来、電子写真装置に用いる帯電部材とな
る帯電ローラを作製する際に利用されている導電性ゴム
組成物は、上述するように改善の余地を残すものであ
り、一層の改良が望まれている。具体的には、エピクロ
ロヒドリンゴムなどゴム自体が半導電性を示す材料に、
第四級アンモニウム塩などのイオン導電剤を添加した導
電性ゴム組成物のように、複雑な工程で作製する多層構
造を採らなくとも、環境変動による体積抵抗値の変動を
抑制でき、また、体積抵抗値自体もバラツキが少なく、
再現性よく所望の体積抵抗値とすることができ、さらに
は、ローラを作製した際に、そのローラ表面を容易に平
滑にできるとともに、寸法精度の高いローラを簡便に作
製することができる導電性ゴム組成物が、なお望まれて
いる。加えて、前記の優れた特性を持つ導電性ゴム組成
物を利用して作製されるローラの提案も待たれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の課題
を解決するもので、本発明の目的は、電子写真装置に用
いる帯電部材となる帯電ローラなどに利用できる導電性
ゴム組成物であって、それ自体環境変動による体積抵抗
値の変動が小さく、体積抵抗値のバラツキが小さく、さ
らに、成形後、その表面が平滑であり、また、成形にお
ける寸法精度を高くすることが可能である、新規な導電
性ゴム組成物を提供することにある。また、本発明の目
的は、前記の新規な導電性ゴム組成物を利用して、環境
変動による体積抵抗値の変動を抑制するため、多層構造
を採る必要がなく、体積抵抗値自体もバラツキが少な
く、再現性よく所望の体積抵抗値とすることができ、し
かも、成形後、その表面が平滑であり、寸法精度も高い
導電性を示すローラを提供することにある。より具体的
には、電子写真装置に用いる帯電部材となる帯電ローラ
に好適である、前記の特性改善がなされた導電性を示す
ローラを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、体積抵抗
値が環境変動による影響がなく、また、体積抵抗値自体
のバラツキも小さな導電性ゴム組成物を得るべく、鋭意
研究を進めたところ、非導電性の原料ゴムに導電性粒子
を分散させたゴム組成物において、例えば、このゴム組
成物を金型内で加熱・発泡処理を施し、金型成形した発
泡ゴムとするとき、ゴム組成物中の原料ゴムの重量分率
を、含まれる導電性粒子を均一に分散できる範囲で、従
来のものより小さくすると、体積抵抗値のバラツキが小
さな導電性を有する発泡ゴムが得られることを見出し
た。また、ゴム組成物中の原料ゴムの重量分率を小さく
する際、非導電性粒子を充填剤として加えて、原料ゴム
の重量分率を50%以下と小さくすると、表面粗さも小
さくでき、所望の体積抵抗値をより高い再現性で得るこ
とが可能となることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0011】すなわち、本発明の導電性ゴム組成物は、
原料ゴムに少なくとも導電性粒子を分散してなる導電性
ゴム組成物であって、充填剤として、一種以上の非導電
性粒子を配合し、ゴム組成物全体に占める前記原料ゴム
の重量分率を50%以下に選択することを特徴とする導
電性ゴム組成物である。好ましくは、充填剤として配合
する前記非導電性粒子の配合量を、前記原料ゴム100
重量部に対して、5重量部〜50重量部の範囲に選択す
る。
【0012】前記、導電性ゴム組成物には、前記非導電
性粒子の一つとして、シリカを配合すると好ましい。シ
リカを配合する際、シリカの配合量を、前記原料ゴム1
00重量部に対して、5重量部〜30重量部の範囲に選
択すると好ましい。また、シリカは、pHを6.5以上
とするものが、例えば、pKa値が6.5以上のものが
好適である。
【0013】加えて、本発明の導電性ゴム組成物は、前
記非導電性粒子に加えて、発泡剤を配合して、前記発泡
剤による発泡に伴って、スポンジゴム形状となるもので
あると、より好ましい。
【0014】また、本発明の導電性ゴムローラは、芯金
と前記芯金の外周に設けられる導電性ゴム層を構成要素
に含む導電性ゴムローラであって、前記導電性ゴム層
は、上述する本発明の導電性ゴム組成物を材料に用いて
形成されていることを特徴とする導電性ゴムローラであ
る。また、本発明の導電性ゴムローラは、好ましくは、
前記芯金の外周に設けられる導電性ゴム層は、上記する
本発明の導電性ゴム組成物であって、未加硫未発泡のゴ
ム組成物を前記芯金部材を中心に円筒状に押し出し、次
いで、所望のローラ外径に合致した内面を持つ円筒型成
形金型であって、その円筒内面の中心軸上に前記芯金部
材を保持するための蓋体を両端に具える円筒型成形金型
を用い、前記円筒型成形金型内部に前記円筒状の未加硫
未発泡のゴム組成物を前記芯金部材とともに固定し、加
熱により発泡・加硫処理を施し、外形を金型成形してな
るスポンジゴム状のゴム層であり、前記金型成形により
前記芯金と中心軸を一致させて一体成形されていること
を特徴とする導電性ゴムローラとする。加えて、前記導
電性ゴム層上に、導電性を有する材料からなる表面被覆
薄膜層を設ける構成とすることもできる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の導電性ゴム組成物は、上
述するように、原料ゴムに導電性を付与するために分散
させる導電性粒子に加えて、充填剤として、一種以上の
非導電性粒子を配合し、ゴム組成物全体に占める前記原
料ゴムの重量分率を50%以下に選択した導電性ゴム組
成物とすることで、体積抵抗値のバラツキが小さな導電
性を有するゴムが得られるようにしたものである。この
構成としたとき、充填剤として、一種以上の非導電性粒
子を配合していない従来のゴム組成物と比較して、体積
抵抗値のバラツキが低下するのは、以下に述べる作用に
よる。
【0016】導電性ゴムにおいては、例えば、導電性粒
子として、汎用されているカーボンブラックなどを分散
すると、ゴム組成物中で、導電性粒子は、鎖状構造を形
成し、導電性粒子相互に接触を持つ、あるいは導電性粒
子間の距離が短くなっており、この構造により導電性が
付与されている。例えば、カーボンブラックは、その粒
子ストラクチャーが大きいほど、前記の鎖状構造を形成
した際の空隙が大きくなり、例えば、吸油量も大きくな
り、この時、導電性も良好であることが報告されてい
る。
【0017】一方、粒子ストラクチャーが大きいほど、
例えば、ストラクチャーの発達したカーボンブラックを
用いると、ゴム組成物中で、導電性粒子がより広い範囲
に鎖状構造を形成することも可能となり、ゴムの補強効
果も大きくなる。すなわち、粒子ストラクチャーが大き
い導電性粒子、例えば、ストラクチャーの発達したカー
ボンブラックが分散されていると、前記の鎖状構造など
により、その周囲に存在するゴム分子の運動性を拘束す
ることによる。
【0018】このような導電性粒子を分散して導電性を
付与するゴム材料を用いて、ゴムローラを構成する際、
ローラを製造する工程では、成形する間にゴム材料が受
ける応力により、ゴム組成物中の導電性粒子が構成して
いる鎖状構造が部分的に乱される。特に、ゴムの補強効
果が大きな導電性粒子ほど、鎖状構造が発達しており、
応力による鎖状構造に乱れが生じた際の影響はより顕著
になる。つまり、鎖状構造に乱れが生じた部分と、鎖状
構造が保持する部分が存在すると、対応して体積抵抗値
にバラツキを生じ易くなる。
【0019】本発明の導電性ゴム組成物では、導電性粒
子に加えて、充填剤として、非導電性粒子を配合するこ
とにより、また、原料ゴムの重量分率を50%以下に制
限することにより、原料ゴムの体積分率を低下させてい
るので、前記のゴム組成物中の導電性粒子が構成してい
る鎖状構造の存在に由来する弊害を緩和したものであ
る。具体的には、製造工程で加わる応力により生じる、
局所的な残留応力を小さくでき、それに伴い、局所的に
鎖状構造の乱れが大きくなる現象は大幅に緩和されるた
め、結果として、均質な体積抵抗値が得られる効果が生
まれたものと考えられる。
【0020】従って、本発明において利用される充填剤
は、非導電性粒子であると最も好ましいものとなる。ま
た、非導電性粒子自体は、導電性粒子と混ざり合って、
協同して強固な鎖状構造を形成しないものが好ましい。
通常、ゴムに配合される充填剤の中で、非導電性の粒子
は、ゴムの補強効果は無いか、僅かである限り、概ね前
記の条件を満足する。例えば、シリカ(ホワイトカーボ
ン)、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレー、タ
ルク、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム、硫酸アル
ミニウムなどを、利用可能な非導電性粒子として挙げる
ことができる。
【0021】一方、ローラを金型成形する際や、発泡剤
を配合しておき、スポンジゴム状に調製する際には、発
泡反応によるゴム材料の見掛け体積膨張などに伴い、ゴ
ム材料自体の大きな変形が起こり、また、残留応力の発
生も起こり易い。このような場合には、寸法精度や表面
の平滑性を高くする上でも、また、体積抵抗値の均一化
を維持する目的からも、ゴム組成物自体の強度は、ある
程度の高さを持つ方が好ましく、上に例示する非導電性
粒子の内では、比較的に補強性が大きい、シリカを充填
剤として配合すると好ましい。
【0022】非導電性粒子の配合量は、原料ゴム中に、
導電性粒子と非導電性粒子が均一に分散できる範囲でな
ければならず、また、配合量が少なくなりすぎると、効
果は十分でない。従って、一般に、非導電性粒子の配合
量は、原料ゴム100重量部に対して、5重量部〜50
重量部の範囲に選択するのはよい。仮に、50重量部を
超えると、原料ゴム自体の柔軟性を損ない、得られるゴ
ム組成物の硬度は大きく上昇することにもなり、本来の
目的を逸脱するものとなる。一方、5重量部に満たない
と、当然に配合する効果も僅かであり、加えて、非導電
性粒子の配合により、ゴム組成物中の原料ゴムの重量分
率を小さくすることによる、付随的な作用も僅かとな
る。特に、非導電性粒子として、シリカを配合する際に
は、上で述べたように、シリカ自体、非導電性粒子の中
では、比較的に補強性が大きいので、配合量の上限を抑
えるのが好ましく、具体的には、5重量部〜30重量部
の範囲に選択すると好ましい。
【0023】また、配合するシリカは、pHを6.5以
上とするものが、例えば、pKa値が6.5以上のもの
が好適である。シリカにシラノール基が多く存在し、p
Hを6.5より小さくするものであると、原料ゴムの加
硫速度を低下させる作用を持つ。加硫に要する時間が長
くなると、一般に、生産性の低下につながる要因の一つ
となる。例えば、発泡剤を配合して、発泡反応によりス
ポンジゴム状に形成する際、通常、ゴム組成物の粘性な
らびに加硫速度に依って、発泡の形態が大きな影響を受
ける。加硫速度が遅いと、加硫が終了するまでの間に、
発泡反応により発生した微細な気泡が、集まり比較的大
きな気泡を形成したり、発泡ゴム層の表面から、抜け出
してしまったりする頻度、可能性が高まる。それに伴
い、微細な気泡径で高い発泡倍率のスポンジゴム状成形
体を得るには、より精密な工程制御が必要となり、一層
の生産性向上を阻害する要因の一つとなる。
【0024】加えて、本発明の導電性ゴムローラについ
て、図面を参照しつつ、以下により詳しく説明する。
【0025】図1に、本発明の導電性ゴムローラの一例
に関して、その構成上の特徴を断面図により模式的に示
す。この例では、金属製の芯金11とその外周に一体に
形成されている導電性ゴム層12、ならびに、ゴムロー
ラの表面には、表面被覆薄膜層13が設けられている。
従って、表面被覆薄膜層13も、導電性ゴム層12と同
じく、導電性を示す材料で形成されている。
【0026】導電性ゴム層12は、帯電バイアス電圧を
印加して、感光体の帯電を可能とするべく、体積抵抗値
が1×103〜1×107Ω程度の半導電性領域となるよ
うに、所定量の導電性粒子を原料ゴムに配合して、均一
に分散させ、導電性の付与・調整がなされている。原料
ゴム自体は、導電性を示さないポリマー、例えば、天然
ゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム(SB
R)、エチレン-プロピレンゴム(EPDM:エチレン-
プロピレン-ジエン三元共重合体)、エチレン-プロピレ
ンゴム(EPM)、ブチルゴム、シリコンゴムなど、汎
用される各種のポリマーから選択される。利用される導
電性粒子としては、カーボンブラック、グラファイト、
酸化チタン、酸化錫などの導電性を示す金属酸化物、C
u、Agなどの金属粉、ならびに、前記の良導電性粒子
を核粒子の表面に被覆し、導電化した複合粒子などを挙
げることができる。これらの導電性粒子の一種、あるい
は複数種を原料ゴムに配合して、上述した充填剤となる
非導電性粒子とともに均一に分散させる。一般に、導電
性粒子は、体積抵抗値が1×103〜1×107Ω程度の
半導電性領域とする際には、原料ゴム100重量部に対
して、1〜100重量部の範囲で配合するとよい。例え
ば、カーボンブラックは、比較的少量配合した際にも、
上で説明した通り、鎖状構造を形成して、導電性の付与
ができ、本発明により適するものである。なお、前記の
導電性粒子の配合により付与される導電性の一層の均一
化などの目的で、補助的な導電性付与剤を加えるこのも
できる。例えば、環境変動に伴う、著しい体積抵抗値の
変動を引き起こさない範囲であれば、少量のイオン性電
解質、例えば、LiClO4,KSCN,NaSCN,
LiCF3SO3などを、補助的な導電性付与剤として配
合することもできる。導電性ゴム層を発泡体、あるいは
スポンジゴム状に形成する際には、所望の発泡倍率に応
じて、適量の発泡剤を配合する。一般に、利用される発
泡剤には、有機発泡剤、例えば、ジニトロソペンタメチ
レンテトラミン、アゾジカルボニルアミド(ADC
A)、パラトルエンスルフォニルヒドラジン、アゾビス
イソブチロニトリル、4,4′−オキシビスベンゼンス
ルフォニルヒドラジン(OBSH)など、あるいは、無
機発泡剤、例えば、重炭酸ナトリウム等の重炭酸塩など
を挙げることができる。また、二種の発泡剤を併用する
こともでき、例えば、アゾジカルボニルアミド(ADC
A)と4,4′−オキシビスベンゼンスルフォニルヒド
ラジン(OBSH)を併用すると、高い発泡倍率で、ま
た、良好なスキン表面層の性状が得られ、好ましい。
【0027】未加硫のゴム組成物において、原料ゴムに
軟化剤を配合すると好ましい。低硬度化を目的とする際
には、比較的大量の軟化剤を配合するとよく、それに伴
い、原料ゴムの重量分率を低減する作用も生じる。軟化
剤としては、原料ゴムの種類に応じて、パラフィン系オ
イル、ナフテン系オイル、芳香族系オイルなどから、適
宜選択して配合される。なかでも、パラフィン系オイル
は、感光体への汚染性が少ない点を考慮すると、好まし
いものである。なお、本発明のゴム組成物においては、
原料ゴムの重量分率を50%以下とするので、パラフィ
ン系オイルなどの軟化剤を、原料ゴム100重量部に対
して、20〜100重量部の範囲で配合するとよい。
【0028】本発明のゴム組成物には、ゴム組成物にお
いて一般的に配合される種々の添加剤、より具体的に
は、加硫剤(架橋剤)、加硫助剤(架橋助剤)、加硫促
進剤(架橋促進剤)、加硫促進助剤(架橋促進助剤)、
あるいは、架橋遅延剤、粘着付与剤、分散剤などから、
必要に応じて選択し、適宜添加するとよい。
【0029】表面被覆薄膜層13は、導電性ゴム層12
の膜厚と比較し、薄膜と見なせる程度にその膜厚を薄く
形成するものである。また、導電性ゴム層12と同じ
く、導電性を示す材料が用いられる。例えば、被帯電体
である感光体表面上にピンホールなどの欠陥が存在する
と、その欠陥点において、リーク電流、帯電電荷の流が
集中することに因り、感光体あるいは帯電部材(帯電ロ
ーラ)の破損が引き起こされることもあり、表面被覆薄
膜層13の役割は、前記の局所的なリーク電流を防止す
ることである。従って、抵抗値として、1×105〜1
×1010Ω程度の範囲に選択すると好ましい。表面被覆
薄膜層用の材料組成物は、例えば、一般的なバインダー
高分子、例えば、アクリル、ポリウレタン、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリオレフィン、シリコーンなど
に、導電性粒子、例えば、カーボンブラック、グラファ
イト、酸化チタン、酸化錫などの導電性を示す金属酸化
物、Cu、Agなどの金属粉、ならびに、前記の良導電
性粒子を核粒子の表面に被覆し、導電化した複合粒子な
どを適量分散させて、所望の抵抗値になるように調整し
たものである。また、環境変動に伴う、著しい体積抵抗
値の変動を引き起こさない範囲であれば、イオン性電解
質、例えば、LiClO4,KSCN,NaSCN,L
iCF3SO3などを、導電性付与剤として配合すること
もできる。
【0030】表面被覆薄膜層13の形成方法としては、
表面被覆薄膜層用の材料組成物、例えば、前記バインダ
ー高分子を溶剤に溶解または分散し、これに導電性粒子
などの導電フィラーを分散して調製した液を用い、ディ
ッピング、ビーム塗工、ロールコーターなどの塗工法に
よって、予め作製てある導電性ゴム層12上にコーティ
ングする方法や、前記バインダー高分子に導電フィラー
を配合し、その他に必要に応じて適宜添加物などを加え
て、均一に混練した材料組成物を、押し出し機などを用
いて、円筒状に成形したものを導電性ゴム層12に被覆
する方法などがある。表面被覆薄膜層13は、導電性ゴ
ム層12に対して、密に被覆するように、加熱処理など
を施して、一体化されたローラとする。
【0031】
【実施例】以下に、本発明の導電性ゴム組成物ならびに
導電性ゴムローラについて、具体例をあげて、さらに詳
しく説明する。なお、これら具体例は、本発明におい
て、より好ましい態様の一例ではあるが、本発明は、こ
れら具体例に挙げる態様に限定されるものではない。
【0032】(実施例1)本実施例は、感光体表面の帯
電に用いる帯電ローラの作製例であり、また、作製され
た帯電ローラが、成形されたローラの表面粗さは十分に
小さくなり、同時に、外径精度などの形状精度も高く、
適度なローラ硬度が再現性よく得られていることを検証
した例である。さらには、ローラ導電性ゴム層れの体積
抵抗値の周方向バラツキも小さく、環境変動に依る体積
抵抗値の変動も許容される程度に抑えられていることを
も検証した例である。
【0033】本実施例においては、導電性ゴム層用の未
加硫非発泡原料組成物は、原料ゴムポリマーとして、エ
チレン-プロピレン-ジエン三元共重合体(商品型番:EP
T4045 三井石油化学(株)製)100部を、導電剤
(導電粉)として、ケッチェンブラック(商品型番:ケ
ッチェンブラックEC 三菱化学(株)製))10部なら
びにSRFカーボンブラック(商品型番:旭#35 旭
カーボン社製)20部を、非導電性の充填剤として、シ
リカ(ニプシールER 日本シリカ社製 pH7.0〜
8.5)20部を、軟化剤として、パラフィンオイル6
5部を、発泡剤として、アゾジカルボニルアミド(AD
CA)5部と4,4′−オキシビスベンゼンスルフォニ
ルヒドラジン(OBSH)5部を、架橋剤(加硫剤)と
して、硫黄2部を、加硫促進剤として、メルカプトベン
ゾチアゾール(M)2部、ジブチルジチオカルバミン酸
亜鉛(ZnBDC)1部ならびにテトラメチルチウラム
ジスルフィド(TMTD)1部を、加硫促進助剤とし
て、酸化鉛5部とステアリン酸1部を、それぞれ用い
た。表1に、これら各成分の含量(重量部)と、原料組
成物中における原料ゴム重量分率の値44%を併せて示
す。混練には、オープンロールを用い、均一な組成物と
した。
【0034】前記の未加硫非発泡原料組成物をクロスヘ
ッドを用いた押し出し機により、芯金(直径6mm、長
さ240mm)を中心として、同軸状に円筒形に押し出
し成形した。端部をカットし、芯金と円筒形状の原料組
成物が一体化された、仕込み形状とした。この仕込み形
状のものを、円筒形金型(内径12mm)の蓋体をなし
ている芯金保持部材に中心の芯金を固定し、前記円筒形
金型の内部所定位置に配置した。この円筒形金型を、1
80℃に予熱してある加熱盤に挿入し、30分間加熱
し、加硫・発泡を行った。脱型後、ローラを更に電気炉
に移し、200℃、10分間加熱して、二次加硫を施し
た。この金型成形により、外径12mm、肉厚3mmの
スポンジ状導電性ゴム層を有するゴムローラが得られ
た。このスポンジローラの硬度、ASKER−C(スポ
ンジ硬度計)で40°であった。
【0035】導電性ローラの電気抵抗値の測定は、15
℃、10%R.H.の環境下(以降、L/L環境下と略記す
る)で行った。ローラ成形体は、所定の圧接圧で円柱上
の金属ドラムと接触させ、相対的に回転させつつ、ロー
ラ芯金と金属ドラムの間に直流100Vの電圧を印加
し、金属ドラムと直列に接続した抵抗体にかかる電圧を
測定し、その値から電気抵抗値を算定した。周方向に回
転した際の電気抵抗値を平均して、電気抵抗(L/L)と
表1に記した。加えて、周方向バラツキの指標として、
最大値と最小値の比を周ムラとして、併せて表1に記し
た。
【0036】高温度、高湿度環境、具体的には、32.
5℃、80%R.H.の環境下(以降、H/H環境下と略記す
る)で、同じ手順で電気抵抗値の測定を行い、周方向に
回転した際の電気抵抗値を平均して、電気抵抗(H/H)
と表1に記した。環境変動に由来する電気抵抗値の変動
幅として、前記電気抵抗(L/L)と電気抵抗(H/H)の比
を対数表示した値を代表値(環境変動幅と略記する)と
した。本実施例で作製したローラの測定結果は、電気抵
抗(L/L)は、9.0×105Ω、周ムラは、1.6倍で
あり、また、電気抵抗(H/H)は、2.8×105Ωであ
り、環境変動幅は、0.5オーダーと算定される。これ
らの値も、表1に纏めて記す。
【0037】次に、スポンジ状導電性ゴム層の上に、表
面被覆薄膜層を形成した。予め、ポリウレタンを分散し
た水溶液に、この液をpH5〜6に調整した上で、導電
性酸化錫スラリーをその界面の電気的反発力で分散させ
た塗料を調製した。なお、前記塗料中、導電性酸化錫ス
ラリーは、固形分比で40%相当分散している。スポン
ジローラの表面を、シランカップリング剤で処理した
後、前記塗料をディッピングによりコーティングし、膜
厚約80μmとした。その後、電気炉にて、120℃、
30分間加熱乾燥し、両端部を切断して、ローラ部のゴ
ム長224mmの帯電ローラとした。
【0038】得られた帯電ローラの形状について、その
外径を非接触のレーザー測長機を用いて測定した。ロー
ラ内の最大外径と最小外径との差を求め、外径精度とし
た。また、端部から30mm以内の部分を除き、ローラ
表面の表面粗さ(Rz)の測定を行った。同一条件で作
製した計10本のローラについて、形状の評価を行い、
その平均値をとると、外径精度は0.05mm、Rzは
3μmであった。
【0039】(実施例2)実施例1に記載する導電性ゴ
ム層用の未加硫非発泡原料組成物に配合する各成分とそ
の配合量のうち、充填剤の非導電性粒子として、シリカ
20部に代えて、クレー(商品型番:ハードトップクレ
ー 白石カルシウム社製)40部を配合し、軟化剤とし
て、パラフィンオイル65部を、パラフィンオイル60
部に減らし、それ以外の成分については、同じ配合量と
して、ゴム組成物を調製した。表1に、これら各成分の
含量(重量部)と、原料組成物中における原料ゴム重量
分率の値41%を併せて示す。混練には、オープンロー
ルを用い、均一な組成物とした。
【0040】実施例1に記載する工程に準じて、前記未
加硫非発泡原料組成物を用いて、スポンジローラを作製
した。また、実施例1に記載する手順により、得られた
スポンジローラの硬度、周方向での電気抵抗の分布、な
らびに、環境変動による電気抵抗の変動を評価した。そ
の結果、このスポンジローラの硬度、ASKER−C
(スポンジ硬度計)で41°であった。一方、電気抵抗
(L/L)は、1.3×106Ω、周ムラは、1.8倍であ
り、また、電気抵抗(H/H)は、3.3×105Ωであ
り、環境変動幅は、0.6オーダーと算定された。これ
らの値も、表1に纏めて記す。
【0041】加えて、実施例1に記載する方法と条件
で、スポンジローラの表面に表面被覆薄膜層を形成し、
ローラ部のゴム長224mmの帯電ローラとした。実施
例1に記載する手順に従い、得られた帯電ローラの形状
について、外径精度と表面粗さ(Rz)の評価を行っ
た。計10本の平均をとると、外径精度は0.07m
m、Rzは5μmであった。
【0042】(実施例3)実施例2に記載する導電性ゴ
ム層用の未加硫非発泡原料組成物に配合する各成分とそ
の配合量のうち、充填剤の非導電性粒子として、クレー
40部に代えて、重質炭酸カルシウム(商品型番:ホワ
イトンSB 白石カルシウム社製)40部を配合し、そ
れ以外の成分については、同じ配合量として、ゴム組成
物を調製した。表1に、これら各成分の含量(重量部)
と、原料組成物中における原料ゴム重量分率の値41%
を併せて示す。
【0043】実施例1に記載する工程に準じて、前記未
加硫非発泡原料組成物を用いて、スポンジローラを作製
した。また、実施例1に記載する手順により、得られた
スポンジローラの硬度、周方向での電気抵抗の分布、な
らびに、環境変動による電気抵抗の変動を評価した。そ
の結果、このスポンジローラの硬度、ASKER−C
(スポンジ硬度計)で42°であった。一方、電気抵抗
(L/L)は、1.2×106Ω、周ムラは、1.7倍であ
り、また、電気抵抗(H/H)は、3.0×105Ωであ
り、環境変動幅は、0.6オーダーと算定された。これ
らの値も、表1に纏めて記す。
【0044】加えて、実施例1に記載する方法と条件
で、スポンジローラの表面に表面被覆薄膜層を形成し、
ローラ部のゴム長224mmの帯電ローラとした。実施
例1に記載する手順に従い、得られた帯電ローラの形状
について、外径精度と表面粗さ(Rz)の評価を行っ
た。計10本の平均をとると、外径精度は0.08m
m、Rzは5μmであった。
【0045】(実施例4)実施例3に記載する導電性ゴ
ム層用の未加硫非発泡原料組成物に配合する各成分とそ
の配合量のうち、充填剤の非導電性粒子として、重質炭
酸カルシウム(商品型番:ホワイトンSB 白石カルシ
ウム社製)40部を、60部に増して、それ以外の成分
については、同じ配合量として、ゴム組成物を調製し
た。表1に、これら各成分の含量(重量部)と、原料組
成物中における原料ゴム重量分率の値38%を併せて示
す。
【0046】実施例1に記載する工程に準じて、前記未
加硫非発泡原料組成物を用いて、スポンジローラを作製
した。また、実施例1に記載する手順により、得られた
スポンジローラの硬度、周方向での電気抵抗の分布、な
らびに、環境変動による電気抵抗の変動を評価した。そ
の結果、このスポンジローラの硬度、ASKER−C
(スポンジ硬度計)で46°であった。一方、電気抵抗
(L/L)は、1.4×106Ω、周ムラは、1.6倍であ
り、また、電気抵抗(H/H)は、2.8×105Ωであ
り、環境変動幅は、0.7オーダーと算定された。これ
らの値も、表1に纏めて記す。
【0047】加えて、実施例1に記載する方法と条件
で、スポンジローラの表面に表面被覆薄膜層を形成し、
ローラ部のゴム長224mmの帯電ローラとした。実施
例1に記載する手順に従い、得られた帯電ローラの形状
について、外径精度と表面粗さ(Rz)の評価を行っ
た。計10本の平均をとると、外径精度は0.06m
m、Rzは4μmであった。
【0048】(実施例5)実施例1に記載する導電性ゴ
ム層用の未加硫非発泡原料組成物に配合する各成分とそ
の配合量のうち、充填剤の非導電性粒子として、シリカ
20部を、30部に増して、それ以外の成分について
は、同じ配合量として、ゴム組成物を調製した。表1
に、これら各成分の含量(重量部)と、原料組成物中に
おける原料ゴム重量分率の値42%を併せて示す。
【0049】実施例1に記載する工程に準じて、前記未
加硫非発泡原料組成物を用いて、スポンジローラを作製
した。また、実施例1に記載する手順により、得られた
スポンジローラの硬度、周方向での電気抵抗の分布、な
らびに、環境変動による電気抵抗の変動を評価した。そ
の結果、このスポンジローラの硬度、ASKER−C
(スポンジ硬度計)で49°であった。一方、電気抵抗
(L/L)は、1.0×106Ω、周ムラは、1.4倍であ
り、また、電気抵抗(H/H)は、2.5×105Ωであ
り、環境変動幅は、0.6オーダーと算定された。これ
らの値も、表1に纏めて記す。
【0050】加えて、実施例1に記載する方法と条件
で、スポンジローラの表面に表面被覆薄膜層を形成し、
ローラ部のゴム長224mmの帯電ローラとした。実施
例1に記載する手順に従い、得られた帯電ローラの形状
について、外径精度と表面粗さ(Rz)の評価を行っ
た。計10本の平均をとると、外径精度は0.04m
m、Rzは2μmであった。
【0051】(比較例1)実施例1に記載する導電性ゴ
ム層用の未加硫非発泡原料組成物に配合する各成分とそ
の配合量のうち、充填剤の非導電性粒子であるシリカを
全く配合せず、軟化剤として、パラフィンオイル65部
を、パラフィンオイル50部に減らし、それ以外の成分
については、同じ配合量として、ゴム組成物を調製し
た。表1に、これら各成分の含量(重量部)と、原料組
成物中における原料ゴム重量分率の値52%を併せて示
す。
【0052】実施例1に記載する工程に準じて、前記未
加硫非発泡原料組成物を用いて、スポンジローラを作製
した。また、実施例1に記載する手順により、得られた
スポンジローラの硬度、周方向での電気抵抗の分布、な
らびに、環境変動による電気抵抗の変動を評価した。そ
の結果、このスポンジローラの硬度、ASKER−C
(スポンジ硬度計)で40°であった。一方、電気抵抗
(L/L)は、5.8×105Ω、周ムラは、2.1倍であ
り、また、電気抵抗(H/H)は、1.5×105Ωであ
り、環境変動幅は、0.6オーダーと算定された。これ
らの値も、表1に纏めて記す。
【0053】加えて、実施例1に記載する方法と条件
で、スポンジローラの表面に表面被覆薄膜層を形成し、
ローラ部のゴム長224mmの帯電ローラとした。実施
例1に記載する手順に従い、得られた帯電ローラの形状
について、外径精度と表面粗さ(Rz)の評価を行っ
た。計10本の平均をとると、外径精度は0.11m
m、Rzは8μmであった。
【0054】(比較例2)本比較例においては、導電性
ゴム層用の未加硫非発泡原料組成物は、原料ゴムポリマ
ーとして、エピクロロヒドリン-エチレンオキシド共重
合体(商品型番:エピクロマーC ダイソー株式会社
製)100部を、イオン導電剤(導電性付与剤)とし
て、トリメチルオクタデシルアンモニウムパークロレー
ト2.5部を、加工助剤として、エステル系ワックス
(商品型番:スプレンダーR300 花王株式会社製)
2部を、発泡剤として、アゾジカルボニルアミド(AD
CA)5部と4,4′−オキシビスベンゼンスルフォニ
ルヒドラジン(OBSH)5部を、架橋剤(加硫剤)と
して、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)
2部とエチレンチオウレア(ETU)1部を、受酸剤と
して、鉛丹(Pb34)5部を、それぞれ用いた。表1
に、これら各成分の含量(重量部)と、原料組成物中に
おける原料ゴム重量分率の値82%を併せて示す。
【0055】実施例1に記載する工程に準じて、前記未
加硫非発泡原料組成物を用いて、スポンジローラを作製
した。また、実施例1に記載する手順により、得られた
スポンジローラの硬度、周方向での電気抵抗の分布、な
らびに、環境変動による電気抵抗の変動を評価した。そ
の結果、このスポンジローラの硬度、ASKER−C
(スポンジ硬度計)で38°であった。一方、電気抵抗
(L/L)は、1.0×106Ω、周ムラは、1.2倍であ
り、また、電気抵抗(H/H)は、4.0×104Ωであ
り、環境変動幅は、1.4オーダーと算定された。これ
らの値も、表1に纏めて記す。
【0056】加えて、実施例1に記載する方法と条件
で、スポンジローラの表面に表面被覆薄膜層を形成し、
ローラ部のゴム長224mmの帯電ローラとした。実施
例1に記載する手順に従い、得られた帯電ローラの形状
について、外径精度と表面粗さ(Rz)の評価を行っ
た。計10本の平均をとると、外径精度は0.21m
m、Rzは9μmであった。
【0057】
【表1】 表1には、実施例1〜5、および、比較例1,2の各導
電性ゴム組成物の組成、ならびに、評価結果を対比して
示す。一般に、帯電ローラにおいては、導電性ゴム層の
電気抵抗の周ムラは2倍以下、環境変動幅は1オーダー
以下、また、寸法精度に関しては、外径精度は0.1m
m以下、表面粗さ(Rz)は5μm以下の範囲であれ
ば、実用上問題は無いとされている。表1に示す結果を
比較すると、本発明の具体例である、実施例1〜5にお
いては、前記の電気抵抗の周ムラ、環境変動幅、外径精
度、ならびに表面粗さ(Rz)のいずれも、水準を十分
に満たすものであり、良好な帯電ローラである。また、
実施例1〜3のように、充填剤の配合量を適度な範囲と
すると、スポンジローラの硬度も、42°を超えること
はなく、低硬度化が求められる帯電ローラにおいて、一
層好ましい特性を具えたものとなる。
【0058】
【発明の効果】本発明の導電性ゴム組成物は、原料ゴム
に、導電性を付与するために配合する導電性粒子に加
え、充填剤として、非導電性粒子を配合し、均一に分散
させるとともに、軟化剤などを加えて、ゴム組成物全体
に占める原料ゴムの重量分率を50%以下とすること
で、このゴム組成物を用いて作製する導電性ゴム層の体
積抵抗値のバラツキを小さくでき、また、環境変動によ
る抵抗値自体の変動幅も小さくできる。加えて、この導
電性ゴム組成物を用いて作製する導電性ゴムローラで
は、そのローラ表面の平滑性は高く、また外径のバラツ
キも小さく、寸法精度の高いローラを再現性よく製造す
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電性ゴムローラの一例を示す図であ
り、その構成を模式的に表す断面図である。
【符号の説明】
1 帯電ローラ 11 芯金 12 導電性ゴム層 13 表面被覆薄膜層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 9/04 CEQ C08J 9/04 CEQ 4F006 103 103 4F074 C08K 3/04 C08K 3/04 4F207 3/08 3/08 4J002 3/22 3/22 5G301 3/36 3/36 F16C 13/00 F16C 13/00 B G03G 15/02 101 G03G 15/02 101 15/08 501 15/08 501D 15/16 103 15/16 103 H01B 1/24 H01B 1/24 Z // B29K 21:00 105:04 (72)発明者 永田 之則 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H003 AA01 BB11 CC05 2H032 AA05 BA03 BA19 2H077 AD06 FA00 FA13 FA22 FA26 FA27 GA02 3J103 AA02 AA13 AA14 AA32 AA33 AA51 BA41 EA02 EA05 EA11 FA06 FA18 GA02 GA57 GA58 HA03 HA04 HA05 HA12 HA15 HA18 HA20 HA31 HA36 HA38 HA52 HA53 HA60 4D075 AC01 CA22 DA15 DB01 DC16 EA02 EB12 EC03 EC41 EC54 4F006 AA04 AA51 AA55 AB37 AB67 AB74 BA06 CA08 DA04 4F074 AA05 AA25 AC02 AC32 AC33 AD01 AG01 AG08 BA02 BA12 BA13 BA18 BB05 BB06 BB29 CA23 CC04Y CC04Z CC06Y CC22X CC32Y CC32Z CC35X CE13 CE16 CE26 CE64 CE66 CE74 CE75 CE93 DA09 DA23 DA24 DA47 DA59 4F207 AA45 AB02 AE03 AG20 AH04 KA01 KA11 KB18 4J002 AC011 AC031 AC081 BB151 BB181 CP031 DA016 DA026 DA076 DE096 DE147 DE208 DE236 DE237 DG047 DJ007 DJ017 DJ037 DJ047 EQ018 ES008 ET008 EV268 FD017 FD116 FD328 GM00 5G301 DA18 DA32 DA33 DA42 DA43 DD08 DD10

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料ゴムに少なくとも導電性粒子を分散
    してなる導電性ゴム組成物であって、充填剤として、一
    種以上の非導電性粒子を配合し、ゴム組成物全体に占め
    る前記原料ゴムの重量分率を50%以下に選択すること
    を特徴とする導電性ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 充填剤として配合する前記非導電性粒子
    の配合量を、前記原料ゴム100重量部に対して、5重
    量部〜50重量部の範囲に選択することを特徴とする請
    求項1に記載の導電性ゴム組成物。
  3. 【請求項3】 前記非導電性粒子の一つとして、シリカ
    を配合することを特徴とする請求項1または2に記載の
    導電性ゴム組成物。
  4. 【請求項4】 シリカを配合する際、シリカの配合量
    を、前記原料ゴム100重量部に対して、5重量部〜3
    0重量部の範囲に選択することを特徴とする請求項3に
    記載の導電性ゴム組成物。
  5. 【請求項5】 前記シリカに、pHを6.5以上とする
    シリカを選択することを特徴とする請求項3または4に
    記載の導電性ゴム組成物。
  6. 【請求項6】 前記非導電性粒子に加えて、発泡剤を配
    合して、前記発泡剤による発泡に伴って、スポンジゴム
    形状となるゴム組成物であることを特徴とする請求項1
    〜5のいずれかに記載の導電性ゴム組成物。
  7. 【請求項7】 芯金と前記芯金の外周に設けられる導電
    性ゴム層を構成要素に含む導電性ゴムローラであって、
    前記導電性ゴム層は、請求項1〜5のいずれかに記載の
    導電性ゴム組成物を材料に用いて形成されていることを
    特徴とする導電性ゴムローラ。
  8. 【請求項8】 前記芯金の外周に設けられる導電性ゴム
    層は、請求項1〜5のいずれかに記載の導電性ゴム組成
    物であって、未加硫未発泡のゴム組成物を前記芯金部材
    を中心に円筒状に押し出し、次いで、所望のローラ外径
    に合致した内面を持つ円筒型成形金型であって、その円
    筒内面の中心軸上に前記芯金部材を保持するための蓋体
    を両端に具える円筒型成形金型を用い、前記円筒型成形
    金型内部に前記円筒状の未加硫未発泡のゴム組成物を前
    記芯金部材とともに固定し、加熱により発泡・加硫処理
    を施し、外形を金型成形してなるスポンジゴム状のゴム
    層であり、前記金型成形により前記芯金と中心軸を一致
    させて一体成形されていることを特徴とする請求項7に
    記載の導電性ゴムローラ。
  9. 【請求項9】 前記導電性ゴム層上に、さらに導電性を
    有する材料からなる表面被覆薄膜層を設ける構成をとる
    ことを特徴とする請求項7または8に記載の導電性ゴム
    ローラ。
JP25187899A 1999-09-06 1999-09-06 導電性ゴム組成物およびそれを利用した導電性ゴムローラ Pending JP2001072806A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25187899A JP2001072806A (ja) 1999-09-06 1999-09-06 導電性ゴム組成物およびそれを利用した導電性ゴムローラ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25187899A JP2001072806A (ja) 1999-09-06 1999-09-06 導電性ゴム組成物およびそれを利用した導電性ゴムローラ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001072806A true JP2001072806A (ja) 2001-03-21

Family

ID=17229291

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25187899A Pending JP2001072806A (ja) 1999-09-06 1999-09-06 導電性ゴム組成物およびそれを利用した導電性ゴムローラ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001072806A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004094512A1 (ja) * 2003-04-22 2004-11-04 Yukigaya Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha 導電性発泡体及び導電性発泡体の製造方法
JP2007146903A (ja) * 2005-11-24 2007-06-14 Tokai Rubber Ind Ltd 導電性ロール
JP2019108486A (ja) * 2017-12-19 2019-07-04 住友ゴム工業株式会社 ゴム組成物、転写ローラおよび画像形成装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004094512A1 (ja) * 2003-04-22 2004-11-04 Yukigaya Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha 導電性発泡体及び導電性発泡体の製造方法
JP2007146903A (ja) * 2005-11-24 2007-06-14 Tokai Rubber Ind Ltd 導電性ロール
JP2019108486A (ja) * 2017-12-19 2019-07-04 住友ゴム工業株式会社 ゴム組成物、転写ローラおよび画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100949644B1 (ko) 도전성 고무 롤러 및 전사 롤러
KR100739695B1 (ko) 튜브형 롤러, 그 제조방법, 및 이를 포함하는 전자사진 화상형성장치
CN1321153C (zh) 导电性弹性体组合物、利用该组合物的导电性部件、具有该导电性部件的图像形成装置
JP3424485B2 (ja) 半導電性ロール
JP6576709B2 (ja) 電子写真機器用導電性部材
EP0938032B1 (en) Charging roll with resistance adjusting layer
JP2012155263A (ja) 導電性スポンジゴムローラ及び転写ローラ
JP2010145920A (ja) 導電性スポンジゴムローラ及び画像形成装置
JP3401995B2 (ja) 半導電性ロール及びその製造方法
JP4262000B2 (ja) 導電性ローラ、導電性ローラの製造方法及び電子写真装置
JP2001072806A (ja) 導電性ゴム組成物およびそれを利用した導電性ゴムローラ
JP4227499B2 (ja) 弾性部材、弾性部材の製造方法及び量産方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP2011138004A (ja) 電子写真装置用導電性ローラー及びこれを用いた帯電ローラー
JP3656904B2 (ja) 導電性ゴムローラ
JP5164326B2 (ja) ゴム組成物、これを用いた導電性部材、及び導電性ローラーの製造方法
JPH08272209A (ja) 導電性ロールおよびその製法
JP2000120655A (ja) 半導電性ロール
JP2002241551A (ja) 弾性ローラおよびその作製に利用されるゴム組成物
JP2003345090A (ja) 導電性ローラ
JP2001074037A (ja) 発泡ゴムローラ
JP2008107622A (ja) 導電性ローラ及び導電性ローラの製造方法
JP2002249627A (ja) 弾性ローラとその作製に利用されるゴム組成物
JP2005090627A (ja) 発泡ローラ及び該発泡ローラの製造方法
JP3506558B2 (ja) 電子写真装置用ロールおよびそれを用いた装置
JP2002168234A (ja) 半導電性ゴムローラ