JP2002241551A - 弾性ローラおよびその作製に利用されるゴム組成物 - Google Patents

弾性ローラおよびその作製に利用されるゴム組成物

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JP2002241551A JP2001044966A JP2001044966A JP2002241551A JP 2002241551 A JP2002241551 A JP 2002241551A JP 2001044966 A JP2001044966 A JP 2001044966A JP 2001044966 A JP2001044966 A JP 2001044966A JP 2002241551 A JP2002241551 A JP 2002241551A
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Masaaki Harada
昌明 原田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子写真装置中、帯電ローラなどの感光体表
面と圧接した形態で使用される、導電性を有する弾性ロ
ーラの弾性体層を形成に利用可能な、低硬度で、圧縮永
久歪みも小さく新規な構成のゴム組成物の提供。 【解決手段】 加熱架橋してゴム成型物の作製に用いる
ゴム組成物を、原料ゴムとして、ゲル・パーミエーショ
ン・クロマトグラフィーにより求めた重量平均分子量が
60万以上あるが、分子量分布は5.0以上であり、ま
た、ヨウ素価が25以上であるエチレン・プロピレン・
非共役ジエン共重合体共重合体を選択することにより、
得られるゴム成型物は、低硬度とでき、さらには、圧縮
永久歪みも小さくでき、弾性ローラ1において、弾性体
層12の形成に適したものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弾性ローラと、か
かる弾性ローラを作製する際、加熱下、架橋処理を施す
ことでゴム成形物となり、その弾性体層の形成に利用さ
れるゴム組成物に関する。より具体的には、本発明は、
複写機やプリンター、ファクシミリ等の電子写真方式の
画像形成装置に利用される弾性ローラ、特には、その帯
電、現像、転写等のプロセスにおいて、感光体に対して
圧接して用いられる導電性を有する弾性ローラと、その
作製に利用されるゴム組成物に関し、また、かかるゴム
組成物を用いて作製されるゴム成形物は、その圧縮永久
歪みが小さいものとなる。
【0002】
【従来の技術】電子写真装置(複写機・光プリンター
等)・静電記録装置等の画像形成装置において、感光体
・誘電体等の像担持体面を帯電処理する手段としては、
従来は、コロナ放電装置が多く利用されている。
【0003】コロナ放電装置は、感光体等の像担持体な
ど、その被帯電体の表面を所定の電位に均一に帯電処理
する手段として有効である。しかし、コロナ放電を利用
する非接触型帯電器であり、十分なコロナ放電を発生す
るため、高価な高圧電源を必要とし、また、コロナ放電
を一定以上の面密度で維持する必要性から装置が大型に
なるという特徴がある。加えて、放電の際に、大気中に
含まれる酸素からオゾンを生成させるなどする結果、発
生したオゾン等のコロナ生成物量が多くなると、種々の
好ましくない影響を感光体表面に、場合によっては、装
置周囲の環境にお及ぼす点が問題となっている。特に
は、電子写真装置自体を更に小型化する、高速化を図る
際、コロナ放電装置自体の大きさ、あるいは、発生した
オゾン等のコロナ生成物の影響は、コロナ放電方式を利
用する限り、本質的に解決できない問題ともなってきて
いる。
【0004】このコロナ放電方式の帯電手段に代えて、
近年では、接触帯電方式のものが利用されるようになっ
ている。接触帯電方式は、電圧を印加した帯電部材を被
帯電体面に近接、または接触させて、被帯電体面を帯電
処理するものであり、コロナ放電式と比較すると、オゾ
ン等のコロナ生成物の発生は原理的には少ない。また、
帯電部の構造も被帯電体面と接触させる帯電部材を用い
るのみであり、装置の小型化が図れる、また、低コスト
化も可能となるなどの利点を有する。例えば、接触帯電
方式では、帯電部材として、金属製芯金の軸上に導電性
の弾性体層を設けた弾性ローラを使用する形態(帯電ロ
ーラ)が一般的に広く用いられている。
【0005】この帯電ローラにおいては、感光体を均一
に帯電させるために、ローラ軸方向(母線方向)での感
光体表面との均一な接触を確保する必要性があり、さら
には、帯電部材に直流電圧(DC)に交流電圧(AC)
を重畳した帯電バイアス電圧を印加して使用する際に
は、交流電圧(AC)成分に由来する、帯電ローラと感
光体との間の振動と、それに伴って発生する帯電音を抑
制するため、用いる導電性の弾性体層の低硬度化が望ま
れている。
【0006】しかしながら、低硬度の弾性ローラを用い
る場合の問題点として、長期間感光体と弾性ローラを圧
接した状態に保つと、ローラ層が永久変形をおこすこと
が指摘されている。ローラ層の永久変形は、ニップ部か
らの過剰電流の要因となり、それに伴い、異常画像を引
き起こすこともある。また、変形部分がローラー回転時
に感光体表面と不均一にしか当接できないため、帯電電
位にムラを生じ、結果として、露光ムラが起こり、画像
不良を引き起こすなどの問題も指摘されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らの検討によ
り、低硬度の弾性ローラを長期間感光体と圧接した状態
に置く際、永久変形を抑制する上では、ローラ層用の弾
性体材料として、低硬度でかつ永久歪みの小さなゴム組
成物を用いることが有効であることが判った。より具体
的には、低硬度でかつ永久歪みの小さなゴム組成物とし
ては、ウレタンゴムあるいはシリコーンゴムが利用でき
ることも見出した。
【0008】しかしながら、帯電ローラの様に、弾性体
層を導電性のゴム組成物で形成する必要がある場合、例
えば、ウレタンゴムの様にポリマー自身に導電性がある
原料ゴムを利用すると、得られる弾性体層は、室温・低
湿度条件では適当な電気抵抗を有するものの、その電気
抵抗は、湿度・温度などの環境依存性が大きく、結果と
して、使用環境(温度・湿度)によって、帯電を施され
る感光体の帯電電位の変化が大きくなるという問題があ
る。また、カーボン等の導電剤を分散させたシリコーン
ゴムを用いると、その電気抵抗は、湿度・温度などの環
境依存性が僅かであるものの、原料のシリコーンゴム自
身は高価であるため、コスト面で課題を残している。さ
らには、低硬度化した際、用いるシリコーンゴムは相当
量の低分子量成分を含む状態で利用されるが、その低分
子量成分は液体状であるので、感光体表面に付着して汚
染し、その結果、得られる画像に不良が生じるといった
新たな問題を引き起こすことが判明した。
【0009】特開平8−6354号公報には、感光体表
面の汚染の無い、圧縮永久歪みの小さい弾性ローラを作
製する際、エチレン含有量が80〜40%で、ヨウ素価
が18以上のエチレン−プロピレンゴムを使用する方法
が開示されている。ただし、エチレン−プロピレンゴム
はヨウ素価が高くなるに従い、重合時にゲル化し易くな
るため、所望のゴム状態を示す共重合体であり、非常に
高ヨウ素価のものは、その重合が困難で、取得されてい
ない。従って、エチレン−プロピレンゴムを利用して、
単にそのヨウ素価を上げるだけでは、低硬度化に加え
て、更に圧縮永久歪みを低減化を図る試みに対して、十
分な改良効果が達成するに至ってはない状況にある。
【0010】本発明は前記の課題を解決するもので、本
発明の目的は、電子写真装置において、帯電ローラなど
の感光体表面と圧接した形態で使用される、導電性を有
する弾性ローラの弾性体層を形成に利用可能な新規な構
成のゴム組成物を提供することにある。より具体的に
は、本発明の目的は、原料ゴムを加熱架橋することによ
ってゴム成型体を与えるゴム組成物であり、得られるゴ
ム成型体は、感光体表面の汚染を引き起こす液状の低分
子量成分を含有せず、同時に、低硬度であり、かつ長期
の圧縮変形を受けても永久変形を抑制できる、永久歪み
の小さなものとなり、更には、原料ゴム自体は、導電性
を示さないものの、導電剤の添加により所望の導電性を
容易に付与でき、加えて、シリコーンゴムのように高価
でなく、比較的に安価に作製可能な共重合高分子である
新規な構成のゴム組成物を提供することにある。加え
て、本発明においては、その最終的な目的は、前記の特
性を有する新規な構成のゴム組成物を利用して作製可能
な、低硬度でかつ、長期の圧縮変形を受けても、永久変
形の小さなゴム成型体で構成される弾性体層を有する、
新規な構成の導電性を有する弾性ローラを提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく、鋭意研究・検討を進め、具体的には、
エチレン・プロピレン・非共役ジエンの三成分系共重合
体を原料ゴムとして用いて、加熱架橋によってゴム成型
体を与える、新規な構成のゴム組成物を種々調製し、得
られるゴム成型体の特性を比較検討を行ったところ、様
々なエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体の中
でも、重量平均分子量は大きいものの、その分子量分布
は広く、かつ、高ヨウ素価であるものを選択すると、添
加されている架橋剤により、かかるエチレン・プロピレ
ン・非共役ジエン共重合体を加熱架橋して得られるゴム
成型物は、低硬度に加えて、圧縮永久歪みも小さく、ま
た、その加工性も良好であることを見出した。本発明者
らは、前記の知見に基づき、更なる研究を進めたとこ
ろ、前記の特徴を示すエチレン・プロピレン・非共役ジ
エン共重合体は、ゲル・パーミエーション・クロマトグ
ラフィーにより算定される重量平均分子量が60万以上
であり、且つ分子量分布が5.0以上であり、ヨウ素価
が25以上であるならば、それを原料ゴムとし、それに
対する架橋剤とを含んでなるゴム組成物とすることで、
本発明の目的が達成されることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0012】すなわち、本発明のゴム組成物は、加熱
下、架橋剤による架橋処理を施することによりゴム成型
物を与える、少なくとも、原料ゴムとそれに対する架橋
剤とを含んでなるゴム組成物であって、前記原料ゴムの
主成分として、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共
重合体を含有し、前記エチレン・プロピレン・非共役ジ
エン共重合体は、ゲル・パーミエーション・クロマトグ
ラフィーにより算定される重量平均分子量が60万以上
であり、且つ分子量分布が5.0以上であり、ヨウ素価
が25以上であることを特徴とするゴム組成物である。
その際、原料ゴムの主成分として含有される、前記エチ
レン・プロピレン・非共役ジエン共重合体は、その構成
成分エチレン、プロピレン、非共役ジエンのモル含有比
率において、エチレンのモル含有比率が50〜60%の
範囲に選択された共重合体であることが好ましい。
【0013】本発明のゴム組成物においては、前記ゴム
組成物を、導電性付与剤として、導電性粒子を含み、架
橋処理を施することにより導電性を有するゴム成型物を
与え、前記導電性粒子として、カーボンブラックが添
加、配合されていることを特徴とするゴム組成物とする
ことができる。加えて、上記ゴム組成物は、非導電性充
填剤として、非導電性の無機物粒子を、軟化剤として、
パラフィンオイルを含み、該ゴム組成物全体における、
原料ゴムの重量含有比率は、50wt%以下の範囲に選
択されていることを特徴とするゴム組成物とすることも
できる。
【0014】なお、本発明のゴム組成物においては、以
上に述べた構成成分に加えて、前記ゴム組成物は、発泡
剤を含み、加熱下、発泡、架橋処理を施することにより
発泡体状のゴム成型物を与えることを特徴とするゴム組
成物とすると一層望ましいものとなる。
【0015】加えて、本発明は、上記の本発明のゴム組
成物を利用して作製される弾性ローラをも提供してお
り、すなわち、本発明の弾性ローラは、芯金と、その外
周に設けられたローラ層とを含んでなる弾性ローラであ
って、前記ローラ層は、少なくとも、上記する各種の構
成のいずれかを有するゴム組成物を架橋処理して得られ
るゴム成型物からなる弾性体層を含んでなることを特徴
とする弾性ローラである。
【0016】好ましくは、本発明の弾性ローラにおいて
は、芯金の外周に設けられる前記弾性体層は、発泡体状
のゴム成型物からなり、そのゴム成型物の表面はスキン
層を形成しており、芯金と弾性体層とが一体化されてお
り、前記芯金と弾性体層との一体化は、芯金部材を軸中
心とし、その外周に配した上記本発明にかかる発泡剤を
含有するゴム組成物の層を、円筒形金型の内面と同心軸
上に前記芯金部材を保持する機構を具えた蓋体を両端に
有する金型内に、前記芯金部材とともに、前記保持機構
を用いて収納し、前記金型内において、加熱下、発泡と
架橋処理を施して一体成形されたものであることを特徴
とする弾性ローラとすることが望ましい。
【0017】なお、本発明の弾性ローラにおいては、ロ
ーラ層は、前記弾性体層の外表面上に被覆形成された表
面層を有する積層構造であることを特徴とする弾性ロー
ラに構成することがより好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明のゴム組成物は、原料ゴム
として、従来利用されていたエチレン・プロピレン共重
合体と比較して、より高い分子量を有し、また、高ヨウ
素価であって、分子量分布を広く選択したものを使用す
る点に特色を有している。すなわち、原料ゴムとして、
高分子量化されたものを用いると、分子鎖の絡み合いが
多くなり分子運動性か抑制されることから、加熱架橋し
て得られるゴム成形物は、圧縮永久歪みが小さくなる利
用を持つ。しかしながら、高分子量になるに従い、架橋
されていないゴム組成物においても、含有されている高
分子量の共重合体相互で、その長い分子鎖の絡み合いが
多くなり、一般に、所望の形状に押し出し成型するな
ど、未加硫時における加工性も悪化する傾向を示す。こ
の加工性の乏しさを回避するため、重量平均分子量は高
くしつつ、ただし、その分子量分布を広くすることで、
低分子量成分の分子数比率を比較的に高くして、加工性
を良好な範囲に維持している。
【0019】本発明のゴム組成物は、前記の作用・効果
をより確実とするため、原料ゴムとして利用する、高ヨ
ウ素価・高分子量でかつ、分子量分布の広いエチレン・
プロピレン・非共役ジエン共重合体を、ゲル・パーミエ
ーション・クロマトグラフィーにより求めた重量平均分
子量が60万以上となる高分子量のものであるものの、
分子量分布は5.0以上に選択することで、含有される
低分子量成分の分子数比率を高くでき、しかも、ヨウ素
価は25以上の範囲に達するものとして、所望の架橋密
度を得ることを可能としている。
【0020】特に、弾性ローラの作製に利用する際に
は、種々の添加剤を予め混合し、均一化したゴム組成物
を押出成型し、軸芯の芯金と押出成型物を一体化した
後、円筒型金型にて加熱下、発泡・架橋処理して、平坦
な表面のローラ層に成型する。この表面にスキン層を有
する弾性ローラを作製する場合、分子量分布が小さく、
重量平均分子量が60万以上となる高分子量のものを用
いると、押出成型時のダイスウェルが増加するととも
に、未加硫処理の成形物の寸法安定性が低下すると共
に、押出成型物の表面性が高分子量化に比例して悪くな
り、更には、加硫成形(例えば、金型中で施す発泡・架
橋処理)後、得られるゴム成型物の表面粗さも悪化す
る。
【0021】本発明では、高分子量化に起因する、この
加工性の低下を回避するため、重量平均分子量自体は、
60万以上と高いものの、その分子量分布を5.0以上
と広くしている。この分子量分布は、重量平均分子量
(Mw)を数平均分子量(Mn)で除した値として表さ
れ、その値が大きいことは、含有される低分子量成分の
分子数比率が高い結果、数平均分子量(Mn)は比較的
に低くなり、一方、含有される低分子量成分の分子数比
率も決して低くないので、重量平均分子量(Mw)は、
高い値となっており、この双方が寄与する結果、重量平
均分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)で除した値が
大きくなることを意味している。従って、低分子量成分
から高分子量成分まで、分子量が幅広く分布しているこ
とを反映している。
【0022】ただし、分子量分布を5.0以上と広くし
ても、重量平均分子量自体が100万を超えて高い場合
には、相対的には、含有される低分子量成分の分子数比
率がを高くする効果が減少したものとなる。より具体的
には、重量平均分子量自体が100万を超えて高い場合
には、分子量分布が5.0以上であっても、重量平均分
子量の増加とともに、分子量分布を10を超える程度ま
で高くしないならば、含有される低分子量成分の分子数
比率は相対的に減少し、結果的に加工性の向上が十分に
達成できない事態も生じてしまう。
【0023】なお、分子量分布は、5.0以上と広くす
るものの、10を超えない範囲に留めることが好まし
い。すなわち、含有される低分子量成分の分子数比率が
高いことは望ましいものの、分子量分布が10を超えて
高い値なると、重量平均分子量(Mw)によっては、過
度に低い分子量成分を含有する状態に達することにな
る。その場合、柔軟性には好ましい寄与ではあるが、圧
縮永久歪み特性が所望とする範囲を超える結果をももた
たし、本発明の目的とそぐわないものとなる。
【0024】分子量分布を広くすることで、比較的に数
比率の多い低分子量成分により、押出成型する時の応力
の緩和が起こり易くなり、押出成型物の寸法安定性が向
上すると共に、押出肌(押出成型された表面)の良化が
図られる。分子量分布を広くした際、架橋密度を従来程
度とすると、架橋されたゴム成形物を加圧変形させる
と、その変形回復性が低下し、圧縮永久歪みは悪化す
る。この悪影響を可能な限り低く抑えるために、そもそ
もの重量平均分子量を高い値とすること、また、ヨウ素
価を25以上とすることで、好適な圧縮永久歪みを達成
しつつ、押出加工性の維持を図るという二つの目標を、
両者の間でバランスさせることが可能となる。
【0025】その際、本発明では、使用する原料ゴムの
ヨウ素価は、主に、エチレン・プロピレン・非共役ジエ
ンの三成分系共重合体における非共役ジエンの含有比率
により支配される。ヨウ素価を25以上とするものの、
例えば、ヨウ素価が40を超えて高くなると、架橋処理
後においてなお残留している炭素−炭素二重結合の数
(密度)も比例して増すことになる。この残留している
炭素−炭素二重結合の数(密度)が過度に多くなると、
得られるゴム成型物において、オゾンクラック発生の誘
因となったり、また、経時的に徐々に反応を被ることに
より、物性変化の要因となる懸念がある。このようなゴ
ム成型後、使用に伴う劣化現象を許容できる範囲に留め
る上では、ヨウ素価を40を超えない範囲に選択するこ
とがより好ましい。従って、かかる条件をも満たす上か
らも、エチレン・プロピレン・非共役ジエンの三成分系
共重合体の組成は、以下に述べる好適な範囲に選択する
ことが一層望ましい。
【0026】なお、使用する原料ゴムは、単一種類の原
料である必要はなく、その重量平均分子量(Mw)と数
平均分子量(Mn)が異なる、二種類以上の原料ゴムを
混合して使用しても良い。この重量平均分子量(Mw)
と数平均分子量(Mn)が異なる、本来二種類以上の原
料ゴムを混合して使する場合、各々の原料ゴム自体でな
く、両者を均一に混合した後のものについて、上記条件
を満たしていればよい。
【0027】エチレン・プロピレン・非共役ジエンの三
成分系共重合体を構成する第三成分である非共役ジエン
については、特にその種類には限定されるものではな
い。利用可能な非共役ジエンとして、例えば、1,4−
ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサ
ジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチ
ル−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,5−ヘプ
タジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエ
ン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、5−メ
チレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノル
ボルネン、5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、
2,5−ノルボナジエン、1,6−シクロオクタジエ
ン、2−エチレン−2,5−ノルボナジエン、2−イソ
プロペニル−2,5−ノルボナジエン、ジシクロペンタ
ジエン、トリシクロペンタジエン、ならびに、ジハイド
ロジシクロペンタジエニルオキシエチレンとアクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸
等の不飽和カルボン酸とのエステルなどが挙げられる。
すなわち、非共役ジエンの主骨格に、置換している基・
原子団中にも、共役しない炭素−炭素二重結合を有する
ものをも含んでいる。原料ゴムとする、エチレン・プロ
ピレン・非共役ジエンの三成分系共重合体では、これら
非共役ジエンの1種または2種以上をその構成成分とし
て、用いることもできる。
【0028】本発明では、ゴム組成物の原料ゴムとす
る、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体は、
エチレンのモル含有比率は、プロピレン、非共役ジエン
のモル含有比率よりも高い、すなわち、主成分であるこ
とが好ましく、より具体的には、エチレンのモル含有比
率を、50〜60%の範囲に選択することがより好まし
い。
【0029】エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重
合体中の、エチレンのモル含有比率が50%に満たない
場合、未加硫状態におけるゴム組成物の強度が小さくな
り、却って、加工性が悪化する。また、エチレンのモル
含有比率が60%を超えると、未加硫状態におけるゴム
組成物の強度は大きくなるものの、強度の温度依存性も
大きくなり、適正な加工性を達成する上では、ゴム組成
物の全体組成によっては、加工温度の厳密な管理が必要
となる。一方、エチレンのモル含有比率を、上記する5
0〜60%の範囲に選択するエチレン・プロピレン・非
共役ジエン共重合体を原料ゴムに利用すると、加工性も
良好であり、多くの場合、強度の温度依存性も問題とな
ることはなく、加工温度の厳密な管理を行うこと無く、
所望の成型加工物を調製できるため、より好ましい。ま
た、エチレンのモル含有比率を、50〜60%の範囲に
選択するエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体
を原料ゴムに利用すると、加熱架橋して得られるゴム成
形物の圧縮永久歪みも目標とする大きさになる。
【0030】本発明のゴム組成物には、必須成分とし
て、原料ゴムに対する架橋剤を、原料ゴムとするエチレ
ン・プロピレン・非共役ジエン共重合体の組成に応じ
て、その添加比率を選択して含有させる。エチレン・プ
ロピレン・非共役ジエン共重合体に対しては、種々の架
橋剤が利用可能であるが、例えば、汎用される架橋剤で
ある硫黄を利用する際には、原料ゴムのエチレン・プロ
ピレン・非共役ジエン共重合体単位重量(100質量
部)当たり、硫黄の添加比率を、0.1〜2質量部の範
囲、より好ましくは、0.3〜1質量部の範囲に選択す
ることが好ましい。
【0031】本発明のゴム組成物は、必須成分として、
原料ゴムとそれに対する架橋剤とを含んでなるゴム組成
物であるが、加えて、無機充填剤ならびに、軟化剤とし
てパラフィンオイルを添加し、ゴム組成物全体に占める
原料ゴムの含有比率が50wt%以下とすることが好ま
しい。本発明のゴム組成物は、原料ゴムとして、高分子
量のエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体を利
用するため、未加硫状態のゴム組成物自体、押出加工性
はさほど高くない。加えて、相当量の無機充填剤を添加
すると、硬度はより高くなり、一般に押出加工性は更に
低下する。従って、無機充填剤を添加する際には、軟化
剤としてパラフィンオイルを併せて添加し、無機充填剤
の添加に伴う硬化を軟化剤の添加により相殺して、ゴム
組成物の押出加工性の低下を回避することが好ましい。
特に、無機充填剤と架橋剤が添加された状態で、ゴム組
成物全体に占める原料ゴムの含有率が50wt%を超え
る範囲にあると、軟化剤として機能するパラフィンオイ
ルの添加量は、十分な量とならず、押出加工性の低下が
問題化することも少なくない。逆に、ゴム組成物全体に
占める原料ゴムの含有率があまりに少なくなると、具体
的には、軟化剤として機能するパラフィンオイルの添加
量が多くなりすぎると、架橋後のゴム成形物の示す圧縮
永久歪みが却って悪化してしまう。すなわち、必須成分
として、原料ゴムとそれに対する架橋剤とを含んでなる
ゴム組成物に対して、加えて、無機充填剤を添加する際
には、併せて、軟化剤としてパラフィンオイルを添加し
て、最終的な未加硫状態のゴム組成物中における、原料
ゴムの含有比率は、50%以下、より好ましくは、30
〜40wt%の範囲となるように、無機充填剤ならび
に、軟化剤としてパラフィンオイルの添加量を選択する
ことが望ましい。
【0032】本発明のゴム組成物においては、必須成分
の架橋剤に加えて、何らかの固形成分を添加する際に
は、一般に原料ゴムの含有比率を50wt%以下にする
ことが望ましく、例えば、無機充填剤と、軟化剤として
パラフィンオイルを比較的高い含有比率となるように添
加することが好ましい。本発明のゴム組成物に添加され
る、固形成分、無機充填剤としては、ゴム組成物を導電
性ゴムに利用する際には、カーボンなどの導電剤の添加
を行う。その際、場合によっては、導電剤のカーボンな
ど以外に、非導電性の無機充填剤を添加することもでき
る。非導電性の無機充填剤としては、シリカ(ホワイト
カーボン)、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレ
ー、タルク、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム、硫
酸アルミニウム等が挙げられる。これら付加的に添加さ
れる非導電性の無機充填剤は、特に限定されるものでは
ないが、添加した際、未加硫状態のゴム組成物の粘度を
大きく増加させることはなく、また、圧縮永久歪みへの
影響も少ない材料、例ば、炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、クレーを利用することが一層好ましい。
【0033】また、本発明のゴム組成物は、低硬度であ
るが、圧縮永久歪みの小さなゴム成形物の作製に利用さ
れるものであり、軟化剤を添加して、より低硬度化に寄
与させることもできる。この軟化剤の種類については、
主成分のエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体
との相容性が良好であり、また、弾性ローラの表面に出
現した際、圧接する感光体表面の汚染要因となる懸念の
少ないパラフィンオイルを用いることが好ましい。さら
に、低硬度化を必要とする場合には、ゴム組成物中に発
泡剤を添加して、加熱架橋する際、発泡を行い、気泡を
内在するスポンジゴムとすることが好ましい。
【0034】以下に、上記する本発明のゴム組成物を利
用して、その弾性体層を作製する本発明の弾性ローラに
ついて、帯電ローラに適用する事例を用いて、より詳細
に説明する。なお、本発明の弾性ローラは、電子写真装
置において、接触帯電方式の帯電部材に多用される帯電
ローラ以外に、現像剤の感光体表面への供給に利用され
る現像ローラ、現像後の画像を、紙などの媒体上に転写
する際、転写帯電手段として利用される転写ローラな
ど、感光体表面と当接する形態で使用される各種弾性ロ
ーラにも、それぞれの用途に必須な機能を付与して適用
することができる。
【0035】以下に、本発明の弾性ローラを図面を参照
してさらに詳しく説明する。
【0036】図1は、本発明の弾性ローラを帯電ローラ
ーに形成した際の、一構成例を模式的に示す断面図であ
る。図1に例示する帯電ローラーは、そのローラ層は2
層構成をとる例である。電圧を印加する帯電ローラー
は、軸芯とローラ層いずれも、導電性材料で作製され、
図1に示す事例では、金属製の芯金11の外周に、弾性
体層として導電性ゴム層12と、その外表面上に表面層
13が被覆して設けられている。
【0037】芯金11を介して供給される帯電バイアス
電圧を感光体に印加する構成であり、導電性ゴム層12
は、非導電性の原料ゴムを用い、導電剤として、導電性
粒子を添加して、体積抵抗値で1×103〜1×108
Ω・cmの程度の半導電性を有するゴム成形物に調製さ
れている。利用される導電性粒子としては、カーボンブ
ラック、グラフアイト、酸化チタン、酸化錫などの導電
性の金属酸化物、Cu、Agなどの金属、これら導電性
材料を粒子表面に被覆して導電化した粒子などが挙げら
れる、これら導電性粒子を単独、あるいは複数種を、所
望の体積抵抗率に応じて、適宜その量を調整して、ゴム
組成物中に添加する。特に、カーボンブラックは、比較
的少量(重量比)の添加によって、目的体積抵抗値の導
電性を付与できる点で好ましい。また、導電性粒子に加
えて、補助的な導電性付与剤として、LiClO4、K
SCN、NaSCN、LiCF3SO3等のイオン性電解
質を加えることもできる。なお、イオン性電解質による
導電性付与は、一般に体積抵抗率の環境依存性が大き
く、従って、補助的な導電性付与剤として添加されるイ
オン性電解質の量は、主として、導電性粒子による体積
抵抗率に、その環境依存性が顕著化しない範囲に選択す
ることが望ましい。
【0038】帯電ローラは、感光体と均一な接触を確保
し、また、帯電効率を高めるため、直流電圧(DC)に
交流電圧(AC)を重畳した帯電バイアス電圧を印加し
て使用する際、交流電圧(AC)成分に由来する、帯電
ローラと感光体との間の振動と、それに伴って発生する
帯電音を抑制するため、弾性体層に用いる導電性ゴム層
12の低硬度化が望まれている。従って、導電性ゴム層
12をより低硬度化が可能な発泡体とすることが望まし
く、ゴム組成物には発泡剤を添加する。原料ゴムとし
て、高分子量のエチレン・プロピレン・非共役ジエン共
重合体を利用する際に、利用できる発泡剤として、ジニ
トロソペンタメチレンテトラミン、アゾジカルボンアミ
ド、パラトルエンスルフォニルヒドラジン、アゾビスイ
ソブチロニトリル、4,4’−オキシビスベンゼンスル
フォニルヒドラジン等の有機発泡剤、あるいは、重炭酸
ソーダ等の無機発泡剤が挙げられる。また、発泡体とし
た場合、その表面は、発泡気体の脱した跡に由来する凹
凸のない、平滑なスキン層とすることが望ましく、特
に、高発泡倍率で良好なスキン層を得るためには、発泡
剤として、アゾジカルポンアミド(ADCA)と4,
4’−オキシビスベンゼンスルフォニルヒドラジン(O
BSH)を併用することが好ましい。
【0039】この他、弾性体層の形成に用いるゴム組成
物には、必要に応じて、加熱架橋を行うゴム組成物に対
する添加剤として、一般に用いられている架橋助剤、架
橋促進剤、架橋促進助剤、または架橋遅延剤、更には、
粘着付与剤、分散剤等を添加することができる。
【0040】導電性ゴム層12の表面を被覆する表面層
13は、帯電ローラが圧接する感光体上にピンホール等
の欠陥が生じた場合に、そこに帯電電流が集中して、帯
電部材、ならびに感光体が破損することを防止するため
のものである。従って、表面層13は、導電性を示すも
のの、その抵抗値として、1×106〜1×1010Ω程
度が要求される。表面層13は、一般的に、アクリル、
ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフ
イン、シリコーン等のバインダー高分子に、導電剤とし
て、カーボンブラック、グラフアイト、酸化チタン、酸
化錫などの導電性の金属酸化物、Cu、Ag等の金属、
これらを粒子表面に被覆して導電化した粒子などの導電
性粒子や、LiClO4、KSCN、NaSCN、Li
CF3SO 3等のイオン性電解質を、目標の抵抗値に応じ
て、適宜添加量を選択して、分散させて、導電性被膜に
調製したものが用いられる。
【0041】表面層13の形成方法としては、上記バイ
ンダー高分子を溶剤に溶解または分散し、これに導電
剤、例えば、導電性粒子を分散させた液を、ディッピン
グ、ビーム塗工、ロールコーター等の塗工法によって導
電性ゴム層表面にコーティングする方法、あるいは、前
記バインダー高分子中に導電剤を練り込み、それを押し
出し機等によって円筒形状コート材に成形したものを利
用して、導電性ゴム層表面を被覆する方法などがある。
【0042】本発明の弾性ローラは、以上に述べたよう
に、電子写真装置に利用される接触帯電方式の帯電部材
とする帯電ローラに利用される他、同じように、感光体
表面と当接する形態で利用され、共に導電性を有するロ
ーラとされる、現像ローラや転写ローラに適用しても、
好適なものとなる。具体的には、現像ローラは、電子写
真装置において、その画像形成工程中、感光体表面に形
成された静電潜像に対して現像剤を付着させて、顕像化
させる現像工程に利用され、一般に、そのローラ表面に
前記現像剤を薄膜状に担持し、前記感光体表面と圧接す
る形態で使用される。ローラ表面に前記現像剤を薄膜状
に担持する際、ブレードとも当接されるものの、感光体
表面に現像剤を適正な量を供給する上では、現像ローラ
も感光体表面と良好な接触状態を維持する必要があり、
本発明の弾性ローラが好適に利用できる。また、転写ロ
ーラは、電子写真装置において、その画像形成工程中、
静電潜像を現像剤の付着により顕像化させた、感光体表
面上の画像を、転写紙表面に転写する転写工程に利用さ
れ、そのローラ表面と前記感光体表面の間隙にて前記転
写紙を挟送しつつ、前記感光体表面の帯電と異なる極性
に帯電する前記ローラ表面と接する転写紙裏面に帯電を
行い、感光体表面上の画像を転写紙表面へ転写させる形
態で使用される。その主目的から、転写紙を介して感光
体表面と圧接する状態も多いが、その圧縮変形は、感光
体表面と圧接する状態に長期間保持されることに起因し
ている。また、良好な接触状態の維持が画像不良の回避
の上で不可欠な点も、帯電ローラと同じであり、従っ
て、転写ローラに対しても、本発明の弾性ローラが好適
に利用できる。
【0043】なお、現像ローラや転写ローラにおいて
も、本発明のゴム組成物を利用して作製される、導電性
を有する弾性体層上に、導電性を付与された表面層を被
覆した形態で利用することが好ましい。その際用いる導
電性を付与された表面層は、現像ローラでは、その表面
に担持する現像剤の保持特性を考慮して、その材質を選
択することが望ましい。また、転写ローラにおいては、
接する転写紙裏面の性状、材質に応じて、表面層の材質
を選択することが望ましい。
【0044】加えて、本発明の弾性ローラにおいて、弾
性体層の厚さは、対象とする感光体などに対する当接
圧、所望とするニップ幅に応じて、適宜選択するもので
ある。また、表面を被覆する表面層を設ける際には、そ
の表面層の機能・目的を達成できる膜厚であることは勿
論であるが、ローラ硬度を支配すべき、弾性体層の低い
硬度を選択した利点を十分に反映可能な薄さとすること
が望ましい。
【0045】例えば、本発明の弾性ローラを、電子写真
装置用の帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラなどに利
用する際には、弾性体層の厚さは、1〜30mm、好ま
しくは、3〜8mmの範囲に選択し、また、その表面を
被覆する表面層の膜厚さは、1〜200μm、好ましく
は、5〜100μmの範囲に選択する形状とすることが
できる。加えて、低硬度の弾性体層自体は、その硬度
は、ASKER−Cの評価において、20〜60°、好ましく
は、30〜50°の範囲とすることが好ましい。
【0046】
【実施例】以下に、本発明を実施例を用いてより具体的
に説明する。なお、示す実施例は、本発明の最良の実施
の形態の一例ではあるが、本発明はこれら実施例によっ
て、限定されるものではない。
【0047】(実施例1)下記するゴム組成物を利用し
て、弾性体層を、発泡体状の導電性ゴム層に形成し、表
面層として、導電性のポリウレタン被膜を被覆して、帯
電ローラを作製した。
【0048】発泡体状の導電性ゴム層の作製に用いたゴ
ム組成物は、下記の組成を有する。原料ゴムとして、エ
チレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体
(エチレン含有量53%、ヨウ素価30、Mw=61
0,000、分子量分布5.1)100部、導電剤とし
て、ケッチェンブラック8部およびSRFカーボンブラ
ック50部、軟化剤としてパラフィンオイル70部、非
導電性充填剤として焼成クレー50部、発泡剤として、
ADCA4部とOBSH6部、加硫促進助剤として酸化
亜鉛5部、ステアリン酸1部、架橋剤として硫黄1部、
加硫促進剤としてメルカプトベンゾチアゾール(M)2
部、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnBDC)2
部、テトラメチルチウラムジスルフイド(TMTD)1
部、これらをオープンロールにて混合し、導電性ゴム層
用の未加硫ゴム組成物を得た。このゴム組成物におい
て、原料ゴムに含有比率(重量分率)は、33wt%で
ある。
【0049】原料ゴムの分子量ならびに分子量分布は、
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC
−150CWATERS社製)を使用して測定し、分子
量既知のポリスチレンに換算した値である。測定条件
を、以下に示す。
【0050】 カラム :ShodexHT−806M(昭和電工製) 溶媒 :o−ジクロロベンゼン 溶液濃度:0.04wt%(老化防止剤として、2,6
−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを0.1wt%添
加) 溶解条件:150℃ 30min 溶液濾過:金属焼結フイルター 0.5μm サンプル注入量:500μm 測定温度:135℃ 流速 :1.0ml/min
【0051】調製した未加硫ゴム組成物を、クロスヘッ
ドを用いた押出し成形によって、芯金(直径6mm、長
さ240mm)を中心として、同軸状に円筒形に同時に
押し出し、端部のカットを行い、仕込み形状を作製し
た。得られた仕込み形状を有するゴム組成物の押し出し
成形体と芯金とを一体化したものを、円筒形金型(内径
12mm)内部に、その芯金保持部材で固定した。円筒
形金型ごと、180℃に熱した加熱盤で30分加熱し、
一次加硫と発泡を行った。脱型後のローラを、二次加硫
を施すため、更に電気炉によって200℃,10分加熱
を行った。外径12mm、従って、発泡体状の導電性ゴ
ム層の肉厚は3mmのスポンジローラーが得られた。得
られた導電性ゴム層の硬度はASKER−Cで42°で
あった。
【0052】次に、導電性ゴム層の表面に、下記する手
順で導電性のポリウレタン被膜を表面層として被覆し
た。
【0053】先ず、水中に分散させたポリウレタン溶液
をPH5〜6に調整し、この液中にその界面の電気的反
発力で導電性酸化錫スラリーを分散させ、その固形分比
でポリウレタン60%、導電性酸化錫スラリー40%相
当を分散しいる塗料を調製した。予めシランカップリン
グ剤で処理した前記スポンジローラー上に、ディッピン
グによってこの塗料のコーティングを行い、膜厚約80
μmの皮膜を形成した。この皮膜を電気炉にて120
℃、30分加熟乾燥して、表面層とした。最後に、両端
部を切断して、ゴム長224mmの帯電ローラーを得
た。
【0054】この帯電ローラーについて、端部より30
mmの部分において、その表面粗さ(Rz)の測定を行
った。本例で作製した帯電ローラーは、Rzの値は3μ
mであった。
【0055】次に、この帯電ローラを、プロセスカート
リッジ(ローラー両端500g荷重でφ30mmの感光
体に同軸上で圧接)に装着し、40℃、95%R.H.
(高温、高湿)の環境条件下で30日間放置した。その
後、帯電ローラーをカートリッジから取り出し、感光体
への圧解除直後の残留歪み量を非接触のレーザー測長機
を用いて測定した。残留歪み量は、圧接個所の最大変形
部におけるローラ中心からの距離と製造時のローラ半径
との差で表され、本実施例では40μmであった。
【0056】さらに、この長期間圧接状態においた帯電
ローラを、再度プロセスカートリッジに装着し、このプ
ロセスカートリッジを電子写真装置(キヤノン株式会社
製レーザーショットLBP−320)に組み込み画像評
価を行った。その結果、帯電ローラの永久歪みに起因す
る画像不良の発生は見られなかった。
【0057】(実施例2)下記するゴム組成物を利用し
て、弾性体層を、発泡体状の導電性ゴム層に形成し、表
面層として、導電性のポリウレタン被膜を被覆して、帯
電ローラを作製した。
【0058】実施例1で原料ゴムに用いたエチレン・プ
ロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体に代えて、
エチレン含有量56%、ヨウ素価26、Mw=620,
000、分子量分布5.9のエチレン・プロピレン・エ
チリデンノルボルネン共重合体を用いて、これ以外は、
実施例1のゴム組成物と同様の添加物・添加量、調製手
順により、導電性ゴム層用のゴム組成物を作製した。こ
のゴム組成物において、原料ゴムに含有比率(重量分
率)は、33wt%である。
【0059】ここで調製した未加硫ゴム組成物を用い、
実施例1と同様の方法により、スポンジローラを作製し
た。従って、外径12mm、つまり、発泡体状の導電性
ゴム層の肉厚は3mmのスポンジローラーが得られた。
得られた導電性ゴム層の硬度はASKER−Cで46°
であった。
【0060】次いで、スポンジローラーの表面に、実施
例1と同じ方法で表面層をコーティングした。最後に、
両端部を切断して、ゴム長224mmの帯電ローラーを
得た。
【0061】この帯電ローラーについて、端部より30
mmの部分において、その表面粗さ(Rz)の測定を行
った。本例で作製した帯電ローラは、Rzの値は5μm
であった。
【0062】さらに、本実施例2で作製した帯電ローラ
についても、実施例1と同じ手順・方法により、残留歪
み量の測定と画像評価を行った。その結果、残留歪み量
は30μmであり、また、帯電ローラの永久歪みに起因
する画像不良の発生は見られなかった。
【0063】(実施例3)下記するゴム組成物を利用し
て、弾性体層を、発泡体状の導電性ゴム層に形成し、表
面層として、導電性のポリウレタン被膜を被覆して、帯
電ローラを作製した。
【0064】実施例1においては、導電剤として、ケッ
チェンブラック8部およびSRFカーボンブラック50
部、軟化剤としてパラフィンオイル70部、非導電性充
填剤として焼成クレー50部を用いていたが、本実施例
3では、導電剤として、ケッチェンブラックを7部およ
びSRFカーボンブラック50部、軟化剤としてパラフ
ィンオイルを50部、非導電性充填剤として焼成クレー
を20部に変更し、それ以外の含有成分・含有量は実施
例1と同じとし、同様の手順で導電性ゴム層用のゴム組
成物を作製した。このゴム組成物において、原料ゴムに
含有比率(重量分率)は、40wt%である。
【0065】ここで調製した未加硫ゴム組成物を用い、
実施例1と同様の方法により、スポンジローラを作製し
た。従って、外径12mm、つまり、発泡体状の導電性
ゴム層の肉厚は3mmのスポンジローラーが得られた。
得られた導電性ゴム層の硬度はASKER−Cで45°
であった。
【0066】次いで、スポンジローラーの表面に、実施
例1と同じ方法で表面層をコーティングした。最後に、
両端部を切断して、ゴム長224mmの帯電ローラーを
得た。
【0067】この帯電ローラーについて、端部より30
mmの部分において、その表面粗さ(Rz)の測定を行
った。本例で作製した帯電ローラは、Rzの値は6μm
であった。
【0068】さらに、本実施例2で作製した帯電ローラ
についても、実施例1と同じ手順・方法により、残留歪
み量の測定と画像評価を行った。その結果、残留歪み量
は30μmであり、また、帯電ローラの永久歪みに起因
する画像不良の発生は見られなかった。
【0069】(実施例4)下記するゴム組成物を利用し
て、弾性体層を、発泡体状の導電性ゴム層に形成し、表
面層として、導電性のポリウレタン被膜を被覆して、帯
電ローラを作製した。
【0070】実施例2においては、導電剤として、ケッ
チェンブラック8部およびSRFカーボンブラック50
部、軟化剤としてパラフィンオイル70部、非導電性充
填剤として焼成クレー50部を用いていたが、本実施例
4では、導電剤として、ケッチェンブラックを10部お
よびSRFカーボンブラック50部、軟化剤としてパラ
フィンオイルを90部、非導電性充填剤として焼成クレ
ーを70部に変更し、それ以外の含有成分・含有量は実
施例2と同じとし、同様の手順で導電性ゴム層用のゴム
組成物を作製した。このゴム組成物において、原料ゴム
に含有比率(重量分率)は、29wt%である。
【0071】ここで調製した未加硫ゴム組成物を用い、
実施例1と同様の方法により、スポンジローラを作製し
た。従って、外径12mm、つまり、発泡体状の導電性
ゴム層の肉厚は3mmのスポンジローラーが得られた。
得られた導電性ゴム層の硬度はASKER−Cで42°
であった。
【0072】次いで、スポンジローラーの表面に、実施
例1と同じ方法で表面層をコーティングした。最後に、
両端部を切断して、ゴム長224mmの帯電ローラーを
得た。
【0073】この帯電ローラーについて、端部より30
mmの部分において、その表面粗さ(Rz)の測定を行
った。本例で作製した帯電ローラは、Rzの値は3μm
であった。
【0074】さらに、本実施例2で作製した帯電ローラ
についても、実施例1と同じ手順・方法により、残留歪
み量の測定と画像評価を行った。その結果、残留歪み量
は50μmであったが、帯電ローラの永久歪みに起因す
る画像不良の発生は見られなかった。
【0075】(比較例1)下記するゴム組成物を利用し
て、弾性体層を、発泡体状の導電性ゴム層に形成し、表
面層として、導電性のポリウレタン被膜を被覆して、帯
電ローラを作製した。
【0076】実施例1で原料ゴムに用いたエチレン・プ
ロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体に代えて、
エチレン含有量56%、ヨウ素価22、Mw=420,
000、分子量分布4.2のエチレン・プロピレン・エ
チリデンノルボルネン共重合体を用いて、これ以外は、
実施例1のゴム組成物と同様の添加物・添加量、調製手
順により、導電性ゴム層用のゴム組成物を作製した。こ
のゴム組成物において、原料ゴムに含有比率(重量分
率)は、33wt%である。
【0077】ここで調製した未加硫ゴム組成物を用い、
実施例1と同様の方法により、スポンジローラを作製し
た。従って、外径12mm、つまり、発泡体状の導電性
ゴム層の肉厚は3mmのスポンジローラーが得られた。
得られた導電性ゴム層の硬度はASKER−Cで40°
であった。
【0078】次いで、スポンジローラーの表面に、実施
例1と同じ方法で表面層をコーティングした。最後に、
両端部を切断して、ゴム長224mmの帯電ローラーを
得た。
【0079】この帯電ローラーについて、端部より30
mmの部分において、その表面粗さ(Rz)の測定を行
った。本例で作製した帯電ローラは、Rzの値は3μm
であった。
【0080】さらに、本比較例1で作製した帯電ローラ
についても、実施例1と同じ手順・方法により、残留歪
み量の測定と画像評価を行った。その結果、残留歪み量
は80μmであり、それに伴い、帯電ローラの永久歪み
に起因する画像不良の発生が観察された。
【0081】(比較例2)下記するゴム組成物を利用し
て、弾性体層を、発泡体状の導電性ゴム層に形成し、表
面層として、導電性のポリウレタン被膜を被覆して、帯
電ローラを作製した。
【0082】実施例1で原料ゴムに用いたエチレン・プ
ロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体に代えて、
エチレン含有量54%、ヨウ素価22、Mw=380,
000、分子量分布5.4のエチレン・プロピレン・エ
チリデンノルボルネン共重合体を用いて、これ以外は、
実施例1のゴム組成物と同様の添加物・添加量、調製手
順により、導電性ゴム層用のゴム組成物を作製した。こ
のゴム組成物において、原料ゴムに含有比率(重量分
率)は、33wt%である。
【0083】ここで調製した未加硫ゴム組成物を用い、
実施例1と同様の方法により、スポンジローラを作製し
た。従って、外径12mm、つまり、発泡体状の導電性
ゴム層の肉厚は3mmのスポンジローラーが得られた。
得られた導電性ゴム層の硬度はASKER−Cで38°
であった。
【0084】次いで、スポンジローラーの表面に、実施
例1と同じ方法で表面層をコーティングした。最後に、
両端部を切断して、ゴム長224mmの帯電ローラーを
得た。
【0085】この帯電ローラーについて、端部より30
mmの部分において、その表面粗さ(Rz)の測定を行
った。本例で作製した帯電ローラは、Rzの値は2μm
であった。
【0086】さらに、本比較例2で作製した帯電ローラ
についても、実施例1と同じ手順・方法により、残留歪
み量の測定と画像評価を行った。その結果、残留歪み量
は100μmにもなっており、それに伴い、帯電ローラ
の永久歪みに起因する画像不良の発生が観察された。
【0087】(比較例3)下記するゴム組成物を利用し
て、弾性体層を、発泡体状の導電性ゴム層に形成し、表
面層として、導電性のポリウレタン被膜を被覆して、帯
電ローラを作製した。
【0088】実施例1で原料ゴムに用いたエチレン・プ
ロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体に代えて、
エチレン含有量54%、ヨウ素価22、Mw=450,
000、分子量分布5.8のエチレン・プロピレン・エ
チリデンノルボルネン共重合体を用いて、これ以外は、
実施例1のゴム組成物と同様の添加物・添加量、調製手
順により、導電性ゴム層用のゴム組成物を作製した。こ
のゴム組成物において、原料ゴムに含有比率(重量分
率)は、33wt%である。
【0089】ここで調製した未加硫ゴム組成物を用い、
実施例1と同様の方法により、スポンジローラを作製し
た。従って、外径12mm、つまり、発泡体状の導電性
ゴム層の肉厚は3mmのスポンジローラーが得られた。
得られた導電性ゴム層の硬度はASKER−Cで41°
であった。
【0090】次いで、スポンジローラーの表面に、実施
例1と同じ方法で表面層をコーティングした。最後に、
両端部を切断して、ゴム長224mmの帯電ローラーを
得た。
【0091】この帯電ローラーについて、端部より30
mmの部分において、その表面粗さ(Rz)の測定を行
った。本例で作製した帯電ローラは、Rzの値は3μm
であった。
【0092】さらに、本比較例3で作製した帯電ローラ
についても、実施例1と同じ手順・方法により、残留歪
み量の測定と画像評価を行った。その結果、残留歪み量
は60μmであったが、この帯電ローラの永久歪みに起
因する画像不良の発生が観察された。
【0093】表1と表2に、実施例1〜4ならびに比較
例1〜3において作製された帯電ローラに対する評価の
結果をそれぞれまとめて示す。本発明のゴム組成物を用
いて作製される帯電ローラは、低硬度に加えて、圧縮永
久歪みが小さく、すなわち、長期間感光体に圧接された
状態に保った後も、残留歪量は低い範囲に留めることが
できている。その結果、感光体に対する帯電ローラの良
好な接触状態が維持でき、帯電ムラもなく、画像不良の
発生を起こさないものが得られている。
【0094】
【表1】
【0095】
【表2】
【0096】
【発明の効果】本発明のゴム組成物は、加熱架橋してゴ
ム成型物を作製する際、原料ゴムとして、エチレン・プ
ロピレン・非共役ジエン共重合体の中でも、重量平均分
子量は大きいものの、その分子量分布は広く、かつ、高
ヨウ素価であるもの、より具体的には、ゲル・パーミエ
ーション・クロマトグラフィーにより求めた重量平均分
子量が60万以上の高分子量であるが、分子量分布は
5.0以上であり、また、ヨウ素価が25以上である共
重合体を選択することにより、得られるゴム成型物は、
低硬度とでき、さらには、圧縮永久歪みも小さくでき
る。加えて、本発明のゴム組成物は、用いている原料ゴ
ムの重量平均分子量は大きいにも関らず、押し出し成形
に適する、良好な加工性をも有するゴム組成物とするこ
とができる。原料ゴムのエチレン・プロピレン・非共役
ジエン共重合体自体は、導電性を示さないものの、導電
剤、例えば、カーボンなどを添加することで、電子写真
装置で使用される各種の導電性を有する弾性ローラ、例
えば、帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラの作製に利
用できる。本発明により得られる、導電性を有する弾性
ローラは、原料ゴムのエチレン・プロピレン・非共役ジ
エン共重合体は、シリコーンゴムよりも安価であるの
で、その作製コストも低くでき、一方、その特性は、目
的とする低硬度の弾性ローラとした際に、圧縮永久歪み
が小さくので、長期間感光体に圧接された状態に保った
後も、残留歪量は低い範囲に留めることができている。
その結果、感光体に対する帯電ローラの良好な接触状態
が維持でき、帯電ムラ、あるいは現像剤(トナー)の供
給ムラなどもなく、画像不良の発生を起こさないものが
得られている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の弾性ローラの構造の一例を模式的に示
す断面図である。
【符号の説明】
1 弾性ローラ(帯電口ーラ) 11 芯金 12 弾性体層(導電性ゴム層) 13 表面層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16C 13/00 F16C 13/00 A B Fターム(参考) 3J103 AA02 AA13 BA41 GA02 GA57 GA58 HA03 HA20 HA53 HA60 4F074 AA25 AB00 AB01 AC02 AD01 AG20 BA13 BA14 BA16 BA17 BA18 BA19 DA24 DA47 4J002 AE052 BB151 DE036 EQ017 EQ027 ES007 ET007 FD327 GM00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱下、架橋剤による架橋処理を施する
    ことによりゴム成型物を与える、少なくとも、原料ゴム
    とそれに対する架橋剤とを含んでなるゴム組成物であっ
    て、 前記原料ゴムの主成分として、エチレン・プロピレン・
    非共役ジエン共重合体を含有し、 前記エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体は、
    ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより算
    定される重量平均分子量が60万以上であり、且つ分子
    量分布が5.0以上であり、ヨウ素価が25以上である
    ことを特徴とするゴム組成物。
  2. 【請求項2】 原料ゴムの主成分として含有される、前
    記エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体は、 その構成成分エチレン、プロピレン、非共役ジエンのモ
    ル含有比率において、エチレンのモル含有比率が50〜
    60%の範囲に選択された共重合体であることを特徴と
    する請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 【請求項3】 前記ゴム組成物は、導電性付与剤とし
    て、導電性粒子を含み、 架橋処理を施することにより導電性を有するゴム成型物
    を与え、 前記導電性粒子として、カーボンブラックが添加、配合
    されていることを特徴とする請求項1または2に記載の
    ゴム組成物。
  4. 【請求項4】 前記ゴム組成物は、 非導電性充填剤として、非導電性の無機物粒子を、 軟化剤として、パラフィンオイルを含み、 該ゴム組成物全体における、原料ゴムの重量含有比率
    は、50wt%以下の範囲に選択されていることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
  5. 【請求項5】 前記ゴム組成物は、発泡剤を含み、 加熱下、発泡、架橋処理を施することにより発泡体状の
    ゴム成型物を与えることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれかに記載のゴム組成物。
  6. 【請求項6】 芯金と、その外周に設けられたローラ層
    とを含んでなる弾性ローラであって、 前記ローラ層は、少なくとも、請求項1〜5のいずれか
    に記載されるゴム組成物を架橋処理して得られるゴム成
    型物からなる弾性体層を含んでなることを特徴とする弾
    性ローラ。
  7. 【請求項7】 芯金の外周に設けられる前記弾性体層
    は、発泡体状のゴム成型物からなり、そのゴム成型物の
    表面はスキン層を形成しており、芯金と弾性体層とが一
    体化されており、 前記芯金と弾性体層との一体化は、 芯金部材を軸中心とし、その外周に配した請求項5に記
    載の発泡剤を含有するゴム組成物の層を、円筒形金型の
    内面と同心軸上に前記芯金部材を保持する機構を具えた
    蓋体を両端に有する金型内に、前記芯金部材とともに、
    前記保持機構を用いて収納し、前記金型内において、加
    熱下、発泡と架橋処理を施して一体成形されたものであ
    ることを特徴とする請求項6に記載の弾性ローラ。
  8. 【請求項8】 ローラ層は、前記弾性体層の外表面上に
    被覆形成された表面層を有する積層構造であることを特
    徴とする請求項6または7に記載の弾性ローラ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4885539B2 (ja) * 2003-03-13 2012-02-29 株式会社クレハ フッ化ビニリデン系樹脂多孔膜およびその製造方法

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