JP3506466B2 - カプサイシン配糖体、ジヒドロカプサイシン配糖体、それらの製造法及びそれらを含む食品 - Google Patents

カプサイシン配糖体、ジヒドロカプサイシン配糖体、それらの製造法及びそれらを含む食品

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カプサイシン配糖体、
ジヒドロカプサイシン配糖体、それらの製造法及びそれ
らを含む食品に関する。
【0002】
【従来の技術及び本発明が解決しようとする課題】図1
で示されるカプサイシン(8−Methyl−N−va
nillyl−6−nonenamide)及び/又は
図2で示されるジヒドロカプサイシン(8−Methy
l−N−vanillyl−nonanamide)は
とうがらしに含まれる辛味成分である。古くから香辛料
として食品に、又、反対刺激剤として医療に用いられ
る。近年ラットにカプサイシンを投与すると副腎からカ
テコールアミン、特にβ−アドレナリンの分泌が亢進さ
れること、それによって脂肪組織での脂質代謝回転が増
進することが判った。又、エネルギー代謝促進、コレス
テロール低下作用、辛味性、食欲増進、唾液分泌促進、
胃酸分泌促進、腸管蠕動運動促進、血管拡張及び生理活
性ペプタイド放出促進等の生理作用も報告されている。
しかしながら、その強い辛味、刺激や難溶性であること
から食品あるいは医薬品への利用は限られているのが現
状である。
【図1】
【図2】
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明にいうカプサイシ
ン配糖体及び/又はジヒドロカプサイシン配糖体は、植
物培養細胞を作用させることにより得られる。本発明に
用いる植物培養細胞とは、組織培養物、液体培養細胞、
カルス等のうちUDP−グルコース依存性のグルコシル
トランスフェラーゼ活性をもつものであれば、いずれで
もよい。例えば、コーヒー培養細胞、クチナシ培養細
胞、タバコ培養細胞がある。
【0004】植物培養細胞を培養するための培地組成や
振とう条件は特別なものではない。いわゆるMS、L
S、SH培地又はこれらの改良培地等が使える。培養温
度は好ましくは15から35℃、振とう条件は30から
150rpm、光照度は暗黒若しくは2000lux程
度が良い。例えば、植物培養細胞を1×10−8〜1×
10−4モル好ましくは5×10−7〜5×10−5
ルのオーキシンを含む(サイトカイニンをそれの1/1
00〜同量程度含んでも良い)改変ムラシゲースクーグ
培地(その組成例を表1に示す。以下、これを改変MS
培地と略す)に接種し、25℃で約1週間振とう培養す
る。この培養に用いた充分生育した植物培養細胞は培養
液100ml当たり15から20g(新鮮重)程度であ
る。
【0005】
【表1】
【0006】カプサイシン配糖体及び/又はジヒドロカ
プサイシン配糖体を製造するためには、カプサイシン及
び/又はジヒドロカプサイシンを植物培養細胞の培養液
に添加し培養する。例えば、0.01〜1%のカプサイ
シン及び/又はジヒドロカプサイシンをエチルアルコー
ル若しくはメチルアルコールに溶かしたものを無菌的に
植物培養細胞を含む培養液に添加する。カプサイシン及
び/又はジヒドロカプサイシンは培養液100ml当た
り10〜20mg程度がよい。又、カプサイシン及び/
又はジヒドロカプサイシンの添加量を増やすと植物培養
細胞が褐変し死滅することがある。又、カプサイシン及
び/又はジヒドロカプサイシンは難溶性であるため用い
る植物培養細胞及び培養条件によっては細胞に取り込ま
れにくい場合もある。その際にはカプサイシン及び/又
はジヒドロカプサイシンをモノグリセライド、シュガー
エステルなどの乳化剤で乳化し、植物培養細胞に投与す
ると効率よく配糖化することができる。例えば、カプサ
イシン及び/又はジヒドロカプサイシンに0.5%モノ
グリセライドを加え70℃で攪拌して乳化したものを植
物培養細胞に投与する。
【0007】このときの培養条件は上に記した植物培養
細胞だけの培養条件と同じである。カプサイシン配糖体
及び/又はジヒドロカプサイシン配糖体は培養後4〜6
時間で観察されるが、培養時間は24〜96時間が好ま
しい。
【0008】培養後、この植物培養細胞を破砕し、次い
で種々の溶媒により分配し、種々のクロマトグラフィー
により精製することにより、カプサイシン配糖体及び/
又はジヒドロカプサイシン配糖体の精製標品を得ること
ができる。例えば、培養を終えた植物培養細胞は、遠心
分離により回収し、次いで水洗し培養液を除いた後、少
量の水に懸濁する。この液をポリトロンで処理し、この
植物培養細胞の細胞壁を破砕する。この破砕物をジエチ
ルエーテルで抽出し、粗精製のカプサイシン配糖体及び
/又はジヒドロカプサイシン配糖体を得る。更に、TL
Cやゲルクロマトグラフィーにより純度の高い図3で示
されるカプサイシン配糖体及び/又は図4で示されるジ
ヒドロカプサイシン配糖体を得ることができる。
【図3】
【図4】
【0009】カプサイシン配糖体及び/又はジヒドロカ
プサイシン配糖体を製造するために、カプサイシン及び
/又はジヒドロカプサイシンを植物培養細胞の培養液に
添加する他、カプサイシン及び/又はジヒドロカプサイ
シンを植物培養細胞の細胞移植の時に添加する方法があ
る。但し、カプサイシン及び/又はジヒドロカプサイシ
ンが植物培養細胞の細胞を傷つけることが多いので、こ
の細胞を充分に生育させたあと添加した方がよい。又、
一定時間毎に少しずつ添加してもよい。
【0010】本発明にいう食品はあらゆる食品を指す。
特に、とうがらしを調味料として添加する食品がよい。
食品におけるカプサイシン配糖体及び/又はジヒドロカ
プサイシン配糖体の添加量はとうがらしを調味料として
添加したときのカプサイシン及び/又はジヒドロカプサ
イシンの含有量の5〜100倍がよい。
【0011】カプサイシン及び/又はジヒドロカプサイ
シンは、HPLCにより標準品と比較して定量できる。
HPLCは、ODSのカラムを用い、40℃で、移動相
としての容量比1対1の50mMのKHPOとアセ
トニトリルを0.5ml/分の流量の条件で280nm
の吸光度によりカプサイシン及び/又はジヒドロカプサ
イシンを測定する。カプサイシン配糖体及び/又はジヒ
ドロカプサイシン配糖体は、アーモンドβ−グルコシダ
ーゼ(シグマ社製)で30℃、3時間処理したあと、そ
の遠心上澄を上のODS−カラムによりカプサイシン及
び/又はジヒドロカプサイシンとして定量する。
【作用】
【0012】植物培養細胞にカプサイシン及び/又はジ
ヒドロカプサイシンを添加すると、細胞内のUDP−グ
ルコース依存性グルコシルトランスフェラーゼによりカ
プサイシン及び/又はジヒドロカプサイシンのフェノー
ル環のOH基とグルコースの1位の炭素のOH基とがβ
−結合する。
【0013】この反応は、UDP−グルコースとグルコ
シルトランスフェラーゼが共存すれば、植物培養細胞を
用いなくても起こる。
【0014】本発明で製造されたカプサイシン配糖体及
び/又はジヒドロカプサイシン配糖体は弱い辛味(カプ
サイシン及び/又はジヒドロカプサイシンと同じ性質の
辛味)を持つ。本発明で製造され精製されたカプサイシ
ン配糖体の辛味について、官能評価を行った。カプサイ
シンとカプサイシン配糖体を蒸留水で10倍ずつ希釈
し、10−8モルから10−3モルの試験液を作成し
た。これを濃度の低い方から順に官能評価し、辛味を感
じる濃度を辛味の域値とした。表2に示すようにカプサ
イシン配糖体の域値は10−4モルであるのに対し、カ
プサイシンの域値は10−6モルであった。つまり、カ
プサイシン配糖体の辛味はカプサイシンの辛味の100
分の1であった。
【0015】
【表2】
【0016】カプサイシン配糖体及び/又はジヒドロカ
プサイシン配糖体は、摂食すると腸内細菌のβ−グルコ
シダーゼにより分解しカプサイシン及び/又はジヒドロ
カプサイシンとなると考えられる。つまりカプサイシン
配糖体及び/又はジヒドロカプサイシン配糖体は腸管よ
り吸収され上で記したカプサイシンのいろいろな生理作
用を発現する。
【0017】
【実施例】
(実施例1)5μMの2,4−ジクロロフェノキシ酢酸
(オーキシンの一種、以下2,4−Dと略す)と0.5
μMのカイネチン(サイトカイニンの一種、以下Kin
と略す)を含む100mlの改変MS培地を300ml
容量の三角フラスコに注入し、殺菌して培地とした。コ
ーヒーの葉より形成されたカルス細胞を継代培養したも
のを植え付け、25℃で10日間100rpm培養し
た。次いで、エチルアルコールに溶解した15.3mg
のカプサイシンをこの培養細胞に添加し、さらに同じ条
件で48時間培養した。培養細胞(新鮮重20.5g)
を遠心分離で回収し、凍結乾燥し、その乾燥重量の10
倍量の蒸留水に溶解した。これを同量のジエチルエーテ
ルで2回抽出し、ジエチルエーテルを除去して、粗精製
のカプサイシン配糖体を得た。次いで調製用HPLC
(ODSカラムを用い、室温で1対1に混ぜた50mM
のKHPOとアセトニトリルを7ml/分で流し
た)により、単一なカプサイシン配糖体0.7mgを得
た。収率は4.6%であった。精製標品の構造を解析し
たところ、β−グルコシダーゼを作用させるとカプサイ
シンとグルコースを1対1で生成すること、α−グルコ
シダーゼでは加水分解されないこと、FAB−MSによ
りモレキュラーイオン490〔M+Na〕、フラグメン
トイオン328〔M+Na−162〕を与えること及び
プロトン−NMRスペクトル(表3に示す)により、カ
プサイシン−β−D−グルコピラノサイドであることが
確認された。
【0018】
【表3】
【0019】(実施例2)5μMの2,4−Dと0.5
μMのKinを含む100mlの改変MS培地を300
ml容量の三角フラスコに注入し、殺菌して培地とし
た。クチナシの葉より形成されたカルス細胞を継代培養
したものを植え付け、25℃で10日間100rpmで
培養した。次いで、メチルアルコールに溶解した15.
3mgのカプサイシンをこの培養細胞に添加し、さらに
同条件で72時間培養した。培養細胞(新鮮重22.5
g)を遠心分離で回収し、ポリトロンで10秒間ホモジ
ナイズした。遠心分離した上澄を濃縮乾固した。乾固物
をジエチルエーテルで3回抽出し、ジエチルエーテルを
除去して、粗精製のカプサイシン配糖体を得た。次いで
調製用HPLC(実施例1と同じ)により、単一なカプ
サイシン配糖体0.58mgを得た。収率は3.8%で
あった。
【0020】(実施例3)タバコ培養細胞に100ml
あたり15.3mgのカプサイシンを添加する代わり
に、その5分の1〜3分の1を3〜5回に分けて添加し
た。以下、実施例1に記した方法の通りに処理を行い、
細胞の褐変を生ずることなく、所期の配糖化率を得るこ
とができた。
【0021】(実施例4)5μMの2,4−Dと0.5
μMのKinを含む100mlの改変MS培地を300
ml容量の三角フラスコに注入し、殺菌して培地とし
た。コーヒーの葉より形成されたカルス細胞を継代培養
したものを植え付け、25℃で10日間100rpmで
培養した。次いで、エチルアルコールに溶解した15.
3mgのジヒドロカプサイシンをこの培養細胞に添加
し、さらに同条件で48時間培養した。以下、実施例1
に記したとおりの操作を行い、ジヒドロカプサイシン配
糖体を得た。
【0022】(実施例5)5μMの2,4−Dと0.5
μMのKinを含む100mlの改変MS培地を300
ml容量の三角フラスコに注入し、殺菌して培地とし
た。クチナシの葉より形成されたカルス細胞を継代培養
したものを植え付け、25℃で10日間100rpmで
培養した。次いで、15.3mgのカプサイシンを少量
の滅菌水に懸濁し、5mgのモノグリセライドを加え、
70℃で攪拌し乳化した。これを培養細胞に加え、以
下、実施例2に記したとおりの操作を行い、カプサイシ
ン配糖体を得た。収率は実施例2の約1.5倍であっ
た。
【0023】(実施例6)食用油脂33部、小麦粉30
部、カレー粉6部、砂糖10部、食塩8部、グルタミン
酸ナトリウム1部、ブイヨン4部、トマトパウダー1
部、ミルクパウダー1部、フルーツチャツネ3部、ソー
スパウダー1部、オニオンパウダー1部及びカプサイシ
ン配糖体0.018部から成るカレールゥ(以下、カレ
ールゥAという)をつくった。カレールゥの製法は常法
によった。試食の結果、カレールゥAの辛味の強さは上
の配合からカプサイシン配糖体を除きカレー粉7部とし
たもの(以下、カレールゥBという)と同じであった。
カレールゥAのカプサイシンの量(その中にはカプサイ
シン配糖体を構成するカプサイシンの量も含める)は、
以下の計算の結果、カレールゥAにはカレールゥBのカ
プサイシンの量の約10倍のカプサイシン配糖体を添加
することができた。
【0024】カレー粉の配合から、カレー粉はトウガラ
シを6%含む。又、成分分析から、トウガラシはカプサ
イシンを0.3%含む。次に、カプサイシン配糖体は4
67(カプサイシン配糖体の分子量)分の305(カプ
サイシンの分子量)の量のカプサイシンから成る。これ
より、カレールゥAのカプサイシンの量は0.0128
4部であり、カレールゥBのカプサイシンの量は0.0
0126部であると算出できた。
【0025】(実施例7)食用油脂4部、小麦粉4部、
カレー粉2部、砂糖0.5部、食塩0.5部、ビーフエ
キス3部、オニオン3部、ブイヨン2部、トマトピュー
レ0.5部、チャツネ0.5部、じゃがいも10部、に
んじん5部、牛肉5部、水60部及びカプサイシン配糖
体0.018部から成るレトルトカレー(以下、レトル
トカレーAという)をつくった。このレトルトカレーの
製法は常法によった。試食の結果、レトルトカレーAの
辛味の強さは上の配合からカプサイシン配糖体を除きカ
レー粉3部としたもの(以下、レトルトカレーBとい
う)の辛味の強さと同じであった。このとき、レトルト
カレーAのカプサイシンの量(その中にはカプサイシン
配糖体を構成するカプサイシンの量も含める)は、実施
例4と同様に計算すると、0.01212部であり、レ
トルトカレーBのカプサイシンの量は0.00054部
であった。従って、レトルトカレーAには、レトルトカ
レーBのカプサイシンの量の約22倍のカプサイシン配
糖体を添加することができた。
【0026】(実施例8)食用油脂33部、小麦粉30
部、カレー粉(カレー粉の配合からトウガラシを除いた
もの)7部、砂糖10部、食塩8部、グルタミン酸ナト
リウム1部、ブイヨン4部、トマトパウダー1部、ミル
クパウダー1部、フルーツチャツネ3部、ソースパウダ
ー1部、オニオンパウダー1部及びカプサイシン配糖体
0.126部から成るカレールゥ(以下、カレールゥC
という)をつくった。カレールゥの製法は常法によっ
た。試食の結果、カレールゥCの辛味の強さは上の配合
からカプサイシン配糖体を除きカレー粉(カレー粉の配
合にトウガラシを含めたもの)7部としたもの(以下、
カレールゥDという)と同じであった。カレールゥCの
カプサイシンの含量(カプサイシン配糖体を構成するカ
プサイシンの量)は、実施例4と同じ計算の結果、カレ
ールゥDのカプサイシンの含量の約65倍であった。
尚、カレールゥCのカプサイシンの含量は0.0822
3部であり、カレールゥDのカプサイシンの含量は0.
00126部であった。
【0027】(実施例9)食用油脂4部、小麦粉4部、
カレー粉(カレー粉の配合からトウガラシを除いたも
の)3部、砂糖0.5部、食塩0.5部、ビーフエキス
3部、オニオン3部、ブイヨン2部、トマトピューレ
0.5部、チャツネ0.5部、じゃがいも10部、にん
じん5部、牛肉5部、水60部及びカプサイシン配糖体
0.054部から成るレトルトカレー(以下、レトルト
カレーCという)をつくった。このレトルトカレーの製
法は常法によった。試食の結果、レトルトカレーCの辛
味の強さは上の配合からカプサイシン配糖体を除きカレ
ー粉(カレー粉の配合にトウガラシを含める)3部とし
たもの(以下、レトルトカレーDという)の辛味の強さ
と同じであった。このとき、レトルトカレーCのカプサ
イシンの量(その中にはカプサイシン配糖体を構成する
カプサイシンの量も含める)は、実施例4と同様に計算
すると、0.03527部であり、レトルトカレーDの
カプサイシンの量は0.00054部であった。従っ
て、レトルトカレーCのカプサイシンの量は、レトルト
カレーDのカプサイシンの量の約22倍であった。
【0028】
【効果】新規な物質であるカプサイシン配糖体及び/又
はジヒドロカプサイシン配糖体が製造できた。それらを
含む食品を摂食することにより、低い辛味でカプサイシ
ン及び/又はジヒドロカプサイシンと同じ力価の、或い
は通常の辛味でカプサイシン及び/又はジヒドロカプサ
イシンより強い力価のカプサイシンが持ついろいろな生
理作用が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カプサイシンの構造式である。
【図2】ジヒドロカプサイシンの構造式である。
【図3】カプサイシン配糖体(capsaicin−β
−D−glucoside)の構造式である。
【図4】ジヒドロカプサイシン配糖体(dihydro
capsaicin−β−D−glucoside)の
構造式である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 隆久 大阪市阿倍野区昭和町1丁目18−1− 301 (56)参考文献 特開 昭51−113836(JP,A) Bioscience, Biote chnology, and Bioc hemistry,1993年12月, Vo l.57, No.12,p2192−2193 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カプサイシンのフェノール環のOH基と
    グルコースの1位の炭素のOH基とがβ−結合している
    ことを特徴とするカプサイシン配糖体。
  2. 【請求項2】 ジヒドロカプサイシンのフェノール環の
    OH基とグルコースの1位の炭素のOH基とがβ−結合
    していることを特徴とするジヒドロカプサイシン配糖
    体。
  3. 【請求項3】 カプサイシン及び/又はジヒドロカプサ
    イシンにUDP−グルコース依存性のグルコシルトラン
    スフェラーゼ活性を持つ植物細胞を作用させることを特
    徴とする請求項1に記載したカプサイシン配糖体及び/
    又は請求項2に記載したジヒドロカプサイシン配糖体の
    製造法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載したカプサイシン配糖体
    及び/又は請求項2に記載したジヒドロカプサイシン配
    糖体を0.001%から1%含むことを特徴とするカプ
    サイシン配糖体及び/又はジヒドロカプサイシン配糖体
    を含む食品。
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Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry,1993年12月, Vol.57, No.12,p2192−2193

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