JP2005206495A - 癌の予防のための健康食品及び医薬組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 癌の予防、癌の再発予防のために使用し得る健康食品、および癌予防または癌の再発予防のための医薬組成物を提供する。
【解決手段】ダイコンの種子もしくはスプラウト、その水、有機溶媒もしくは有機溶媒と水との混合物による抽出物、または該抽出物に含有される化合物もしくはその誘導体を有効成分として含有する癌の予防のための健康食品、生のダイコンスプラウト汁、その濃縮還元汁またはダイコンのスプラウトもしくは種子の水、有機溶媒もしくは有機溶媒と水との混合物による抽出物を有効成分として含有する癌を予防するための健康飲料、及びダイコンの種子もしくはスプラウト、その水、有機溶媒もしくは有機溶媒と水との混合物による抽出物、または該抽出物に含有される化合物もしくはその誘導体を有効成分として含有する癌の予防のための医薬組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、発癌抑制作用を有する、癌の予防のための健康食品及び医薬組成物に関する。
発癌物質の解毒酵素は第一相酵素と第二相酵素に分類されている。このうち、第二相酵素は、DNAの変異を起こす発癌物質を不活性化することが知られている。第二相酵素の一つにグルタチオン−S−トランスフェラーゼがあり、これを活性化することにより、癌を予防し得ることが知られている。癌は主要な死因の一つであり、これを予防することは非常に重要である。また、癌は、完治した後も再発のおそれがあるため、これを予防する必要もある。
癌の治療は、外科手術による切除、放射線治療、抗癌剤の投与等により行われるが、予防については、個人が食生活等の生活習慣に気を付ける等の努力により行うしかない。そこで、より効果的に且つ安全に癌の予防に寄与することができる健康食品の開発が望まれている。そのような健康食品のための有効成分として、ブロッコリーに含まれる成分が第二相酵素(グルタチオン−S−トランスフェラーゼとキノンリダクターゼ)の誘導作用を有することが報告されている (A major inducer of anticarcinogenic protective enzymes from broccoli: isolation and elucidatin of structure, Zhang Y, Talalay, P.,Cho. C.-G, Posner, G.H.) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1992, 89 March; 2399-2403)。
また、特開平9−110701号には、ダイコンの成分であるグルコシノレートが発癌抑制作用を有することが開示されている。
特開平9−110701号
しかしながら、ダイコン中のグルコシノレートを単離するためには、あらかじめミロシナーゼを失活させた上で抽出し、精製する必要がある。従って、製造コストが高く、健康食品として使用するには実用性に欠ける。また、上記ダイコン以外にも、ブロッコリーの成分等の発癌抑制作用を有する種々の植物成分が報告されているが、いずれも含有量及び効果の点で十分ではない。従って、さらに優れた発癌抑制作用を有し、しかも製造コストが低い健康食品の開発が望まれていた。
本発明者は、ダイコンの種子またはスプラウトが、ダイコン成体には含まれないか、または極めて微量にしか含まれない独特の成分を多量に含み、著しく高いグルタチオン−S−トランスフェラーゼ活性化作用を有することを見出した。また、本発明者は、ダイコンの種子もしくはスプラウト、またはその水、有機溶媒もしくは有機溶媒と水との混合物による抽出物、特に、酵素反応を進行させた後に抽出される抽出物によるグルタチオン−S−トランスフェラーゼ活性化作用が、ダイコン成体やその他の植物に比べて著しく高いことを見出し、本発明を完成させた。
第1に、本発明は、下記の健康食品に関する。
(1)ダイコンの種子もしくはスプラウト、その水、有機溶媒もしくは有機溶媒と水との混合物による抽出物、または該抽出物に含有される化合物もしくはその誘導体を有効成分として含有する癌の予防のための健康食品。
(2)前記ダイコンの種子もしくはスプラウトが乾燥したものである(1)の健康食品。
(3)前記抽出物が、ダイコンの種子もしくはスプラウトのホモジネートを一定時間インキュベートして酵素反応を進行させた後に水、有機溶媒もしくは有機溶媒と水との混合物により抽出したものである(1)の健康食品。
(4)前記化合物もしくはその誘導体が、下記式Iで表される化合物またはその誘導体である(1)の健康食品。
Figure 2005206495
(5)生のダイコンスプラウト汁、その濃縮還元汁またはダイコンのスプラウトもしくは種子の水、有機溶媒もしくは有機溶媒と水との混合物による抽出物を有効成分として含有する癌を予防するための健康飲料である(1)の健康食品。
また、本発明は、下記の医薬組成物に関する。
(6)ダイコンの種子もしくはスプラウト、その水、有機溶媒もしくは有機溶媒と水との混合物による抽出物、または該抽出物に含有される化合物もしくはその誘導体を有効成分として含有する癌の予防のための医薬組成物。
(7)前記ダイコンの種子もしくはスプラウトが乾燥したものである(6)の医薬組成物。
(8)前記抽出物が、ダイコンの種子もしくはスプラウトのホモジネートを一定時間インキュベートして酵素反応を進行させた後に水、有機溶媒もしくは有機溶媒と水との混合物により抽出したものである(6)の医薬組成物。
(9)前記化合物もしくはその誘導体が、上記式Iで表される化合物またはその誘導体である(6)の医薬組成物。
本発明により、癌の予防のために使用し得る健康食品および医薬組成物が提供される。
本明細書において、ダイコンは、Raphanus属、Sativus種のダイコンを意味する。本発明の健康食品または医薬組成物において、原料となるダイコンの種子またはスプラウトは、生でも乾燥したものでも良い。
本発明の健康食品または医薬組成物の製造に使用される抽出溶媒は、水、有機溶媒または有機溶媒と水との混合物である。有機溶媒の例としては、メタノール、エタノール、n−もしくはイソプロパノール、n−、イソ、第二もしくは第三ブタノール、n−、イソ、第二もしくは第三ペンタノール、n−、イソ、第二もしくは第三ヘキサノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル類、クロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ペンタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素またはこれらの混合物が挙げられ、好ましくはエタノールであるが、これらに限定されない。
抽出温度は、好ましくは100℃以下、より好ましくは60℃以下、例えば20〜40℃である。
抽出方法は、水、有機溶媒または水と有機溶媒との混合物中での冷浸、温浸、還流冷却下での加熱等であり得る。抽出は、連続式で行ってもバッチ式で行ってもよく、例えば常温から溶媒の沸点の範囲の温度で、加圧、常圧または減圧下で行う。抽出時間は、抽出方法、抽出溶媒等に応じて、適宜決定し得る。例えば、20〜40℃での抽出の場合、1分間〜2時間、好ましくは30分間〜60分間である。
抽出に先立って、ダイコン種子またはスプラウトの乾燥、破砕、恒温処理等の前処理を適宜行うのが好ましい。これは、その後の酵素反応を効率良く進行させるためである。
破砕は、例えばpH3〜12の緩衝液中、ホモジネーター、ミキサー等の機器を用いて破砕することにより行われる。
恒温処理は、例えば約5〜60℃、好ましくは20〜40℃の温度に、1分間〜2時間、好ましくは30分間〜1時間維持することにより行われる。
本発明の健康食品または医薬組成物に使用される抽出物は、水、有機溶媒または有機溶媒と水との混合物による抽出操作後、濾過、乾燥、分画などの処理を行うことによりさらに精製されたものであってもよい。濾過、乾燥、分画は当業者に周知の方法により行うことができる。
また、本発明の健康食品または医薬組成物に使用される抽出物は、上記のように抽出し、所望により精製した後、濃縮または乾固、または凍結乾燥し、所望によりさらに滅菌操作を行ったものであってもよい。濃縮または乾固は、常圧または減圧下、好ましくは100℃以下、より好ましくは60℃以下の温度で行う。120℃を超えると抽出すべき成分が分解する場合があるからである。
ただし、本発明の健康食品及び医薬組成物は、上記の抽出・精製方法により得られた抽出物を含有するものに限定されず、ダイコンの種子またはスプラウトの精油成分を含むものであればよい。
本発明の健康食品または医薬組成物は、上記式Iで表される化合物もしくはその誘導体を有効成分として含有するものであってもよい。該化合物は、抽出物から単離されたものであっても、合成により得られた化合物であってもよい。
本発明で使用されるダイコンの種子もしくはスプラウト、またはその水、有機溶媒もしくは有機溶媒と水との混合物による抽出物は、高活性及び低毒性なので医療に安全に用いることができる。
(健康食品)
本発明の「健康食品」は、上記本発明のダイコンの種子もしくはスプラウト、その水、有機溶媒もしくは有機溶媒と水との混合物による抽出物、特にミロシナーゼ等による酵素反応を進行させた後に得られる抽出物(以下、場合により単に抽出物と記す)、または上記式Iで表される化合物等の上記抽出物中に含まれる化合物もしくはその誘導体(以下、場合により本発明の活性物質と記す)を有効成分とするエキス剤(軟エキス剤、乾燥エキス剤)、カプセル剤、顆粒剤、散剤、錠剤、液剤、浸剤、煎剤、トローチ剤、流エキス剤、チンキ剤等の形態であってもよい。これらは当該分野で知られている方法により製剤化することができる。これらの製剤の形態の健康食品は、下記で医薬組成物について列挙した補助剤を含有することができる。本発明の健康食品において、本発明の活性物質の配合量は、剤形により異なる。また、一日あたりの有効成分服用量は、例えば、種子またはスプラウトの乾燥重量として、例えば50〜500g、好ましくは100〜300g、抽出物の凍結乾燥重量として、例えば1〜40g、好ましくは2〜20g、化合物もしくはその誘導体の場合、例えば0.5〜20g、好ましくは1〜10gとなる量である。
また、本発明の健康食品は、一般加工食品等の食品に、本発明の活性物質を添加した食品、いわゆる機能性食品であってもよい。そのような食品としては、例えば、上記本発明の活性物質を添加した飴、ガム、ゼリー、ビスケット、クッキー、煎餅、パン、麺、魚肉・畜肉練製品、茶、清涼飲料、コーヒー飲料、乳飲料、乳清飲料、乳酸菌飲料、ヨーグルト、アイスクリーム、プリン等が挙げられる。さらに、本発明の健康食品は、前記ダイコンの種子またはスプラウト及び所望によりその他の材料を飲用アルコールに漬けた健康酒をも含む。
そのような機能性食品である場合は、各々の食品原料に上記本発明の活性物質の所要量を添加すること以外は、その加工食品の通常の製造方法により製造することができる。この場合、本発明の活性物質の配合量は添加する食品等により異なるが、例えばダイコンの種子またはスプラウトの乾燥重量として、例えば5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%、抽出物の凍結乾燥重量として、例えば0.1〜4重量%、好ましくは0.2〜2重量%である。また、化合物もしくはその誘導体として配合する場合は、例えば0.05〜2重量%、好ましくは0.1〜1重量%である。
本発明の健康食品が、生のダイコンスプラウト汁、その濃縮還元汁またはダイコンのスプラウトもしくは種子の水、有機溶媒もしくは有機溶媒と水との混合物による抽出物を有効成分として含有する癌を予防するための健康飲料である場合、ダイコンスプラウト汁、その濃縮還元汁またはダイコンのスプラウトもしくは種子の水、有機溶媒もしくは有機溶媒と水との混合物による抽出物の含有量は、例えば1重量%以上、好ましくは10重量%以上である。また、該健康飲料は、トマト、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、ニンニク、タマネギ、アスパラガス、ピーマン、赤ピーマン、ニンジン、ホウレン草、パセリ、レタス、ビート、クレソン、カボチャ等の野菜、リンゴ、ミカン、オレンジ、レモン、ブドウ、グレープフルーツ、ピーチ、パイナップル、洋ナシ、巨峰等の果実の野菜汁または果実汁またはその濃縮還元汁、ビタミン類、アミノ酸類、糖類等の他の活性成分を含んでいてもよく、また香料、調味料、保存料等の食品添加物を含んでいてもよい。
(医薬組成物)
本発明の「医薬組成物」は、有効成分として、上記本発明のダイコンの種子もしくはスプラウト、その水、有機溶媒もしくは有機溶媒と水との混合物による抽出物、特にミロシナーゼ等による酵素反応を進行させた後に得られる抽出物、または上記式Iで表される化合物等の上記抽出物中に含まれる化合物もしくはその誘導体を含む。剤形は特に限定されないが、例えばエキス剤(軟エキス剤、乾燥エキス剤)、カプセル剤、顆粒剤、溶液、乳濁液、懸濁液、散剤、錠剤、液剤、浸剤、煎剤、トローチ剤、流エキス剤、チンキ剤、点眼剤、点鼻液、軟膏、クリーム、ローション剤、注射剤、座薬等であり得る。本発明の医薬組成物への本発明の活性成分の配合量は剤形により異なる。また、一日あたりの有効成分投与量は、ダイコンの種子またはスプラウトの乾燥重量として、例えば50〜500g、好ましくは100〜300g、抽出物の凍結乾燥重量として、例えば1〜40g、好ましくは2〜20gである。また、化合物もしくはその誘導体として配合する場合は、例えば0.5〜20g、好ましくは1〜10gである。
これらの製剤は、常法に従って主薬に賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味矯臭剤、溶解補助剤、懸濁剤、コーティング剤、希釈剤などの医薬の製剤技術分野において通常使用し得る既知の補助剤を用いて製剤化される。また、本発明の医薬組成物は、本発明の活性物質に加えて、他の薬理活性成分を含んでいてもよい。
固形の製剤は、例えば、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、糖衣錠等であり、有効成分としての本発明の活性物質と、希釈剤(例えば乳糖、デキストロース、ショ糖、セルロース、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉等)、滑沢剤(例えばシリカ、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレングリコール等)、結合剤(例えば澱粉類、アラビアゴム、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン等)、離散剤(例えば澱粉、アルギン酸、アルギン酸塩等)、飽和剤、着色料、甘味料、湿潤剤(例えばレシチン、ポリソルベート、硫酸ラウリル塩等)等を含有することができる。これらは、既知の方法、例えば混合、粒状化、錠剤化、糖衣化等の方法により製剤化することができる。
液状の製剤は、例えばシロップ、溶液、乳濁液及び懸濁液の形態とすることができる。
懸濁液及び乳濁液は、担体として、例えば天然ゴム、寒天、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等を含有することができる。
近年、癌の治療において、外科手術、抗癌剤投与、放射線治療等の治療法に加えて、食事療法、漢方による治療等を併用する療法が注目されている。本発明の健康食品または医薬組成物は、そのような治療方法において、外科手術、抗癌剤投与及び/または放射線治療と組み合わせて用いることも考えられる。また、外科手術等による腫瘍組織の切除、抗癌剤投与及び/または放射線治療等により癌を完治させた後の再発予防のための療法の一つとして用いることも考えられる。従って、本発明は、上記本発明の医薬組成物を投与することからなる癌の治療方法または予防方法、特に癌の再発の予防方法にも関する。また、本発明は、癌の治療または予防のためのダイコンの種子もしくはスプラウト、その水、有機溶媒もしくは有機溶媒と水との混合物による抽出物、特にミロシナーゼ等による酵素反応を進行させた後に得られる抽出物、または上記式Iで表される化合物等の上記抽出物中に含まれる化合物もしくはその誘導体の使用にも関する。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。しかしながら、これらは本発明を限定するものではない。
実施例1:ダイコンスプラウト抽出液の調製
スプラウトは、植物組織培養ユニット内で、26℃、昼夜各12時間の明暗サイクルで、平均2,067ルクス照射(管下40mm)で生育させ、発芽後3日目のもの及び2週間目のものを使用した。
(精油の抽出)
ミキサーに上記で栽培したスプラウト50g、純水150ml、氷少量を加え、1分間ホモジナイズした後、ナスフラスコに移した。これを37℃で30分間インキュベートすることにより酵素反応を進行させた。吸引ろ過により不純物を除去した後、三角フラスコに移した。これに、内部標準としてフェニルイソチオシアネート10μlを溶かした200mlのジクロロメタンを添加し、混合した。精油成分を十分に抽出するために、スターラーを用いて12時間攪拌し続けた。
12時間後、その溶液を分液ロートに移し、エマルジョン層とジクロロメタン層に10,000xg、15分間の遠心分離を行い、ジクロロメタン層を回収した。このジクロロメタン層を硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過後、ロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、1mlのジクロロメタンで回収してこの溶液をガスクロマトグラフィーにより分析した。
得られた精油成分中のイソチオシアネート類の同定は、標準品とのガスクロマトグラフィーリテンションタイムの比較、GC/MSにおける分子イオンピーク、フラグメントイオンピークの開裂パターンおよび、GC/MSライブラリーとの比較により行った。
分析結果を下記の表1に示す。
実施例2:ダイコン種子抽出液の調製
スプラウト50gの代わりに、コーヒーミルで粉砕したダイコンの種子50gを用いること以外は、実施例1と同じ方法によりダイコン種子抽出液を調製し、ガスクロマトグラフィーにより分析した。分析結果を下記の表1に示す。
比較例:ダイコン成体抽出液の調製
スプラウト50gの代わりにダイコン成体50gを用いること以外は、実施例1と同じ方法によりダイコン成体抽出液を調製し、ガスクロマトグラフィーにより分析した。分析結果を下記の表1に示す。
Figure 2005206495
表より明らかなように、いくつかの成分については種子及びスプラウトのみで検出されており成体では検出されておらず、また、いくつかの成分については成体における含有率よりも種子及びスプラウトにおける含有率が著しく高い。
試験例1:ダイコンスプラウトのグルタチオン−S−トランスフェラーゼ誘導効果
1.ダイコンスプラウト水抽出粉末及びブロッコリースプラウト水抽出粉末の調製
発芽後3日目の各スプラウトから種の殻を除去した後、収穫したスプラウトと同量の水を加え、1分間ジューサーミキサーでホモジナイズした。このホモジネートを適当な容量のナス型フラスコに移して密栓し、37℃で30分間インキュベートすることにより酵素反応させ、イソチオシアネートを生成させた。氷冷してイソチオシアネートを安定させた後、ガーゼろ過、さらに遠心分離(10,000xg,15分間)を行って、残渣を取り除き、上清を回収した。この上清を凍結乾燥し、スプラウト水抽出物粉末を得た。
2.肝臓の採取・解毒酵素の抽出
5週齢のSD系SPF雌ラット(日本クレア株式会社から購入)21匹を、実験用飼料(American Institute of Nutritionによるマウス・ラット用標準配合AIN-76(組成:シュークロース50%、カゼイン20%、DL−メチオニン0.3%、コーンスターチ15%、セルロース5%、コーン油5%、AIN−76ミネラル混合3.5%、AIN76ビタミン混合1%、重酒石酸コリン0.2%),DL−メチオニン及び重酒石酸コリンは和光純薬株式会社から購入、その他の成分はオリエンタル酵母株式会社から購入)を与え、3日間予備飼育した。これを、7匹ずつ3群(普通食群、ダイコンスプラウト食群、ブロッコリー食群)に分け、実験群とした。さらに、これらを金網製個別ゲージに1匹ずつ入れ、12時間の明暗サイクルの飼育室で7日間飼育した。飲料水としては水道水を与え、飼料としては、普通食群には、上記実験用飼料を与え、ダイコンスプラウト食群には上記実験用飼料のシュークロースの4%を同量の上記で調製したダイコンスプラウト水抽出粉末に換えた飼料を与え、ブロッコリースプラウト食群には上記実験用飼料のシュークロースの4%を同量の上記で調製したブロッコリースプラウト水抽出粉末に換えた飼料を与えた。飲料水としては水道水を与え、これを自由摂取させた。飼料は1日20gに制限し、解剖前18時間のみ絶食させた。
7日間の飼育後、ジエチルエーテルにより麻酔をかけ、肝臓灌流を行った。脱血後に肝臓を摘出し、重量を測定した。その後、ポッター型ホモジナイザーを用いてその4倍量のホモジナイズ緩衝液(0.25Mショ糖を含む0.1Mリン酸緩衝液,pH7.4)で肝臓をホモジナイズした。このホモジナイズ溶液を遠心分離(4℃、10,000xg,15分間)し、上清(粗タンパク溶液)を得た。さらに、この上清を超遠心分離(4℃、100.000xg,60分間)し、得られた上清を上清画分とした。また得られた沈殿をホモジナイズ緩衝液に溶解し、さらに超遠心分離(4℃、100,000xg,60分間)を行い、ここで得られた沈殿をミクロソーム画分とした。
3.グルタチオン−S−トランスフェラーゼの活性測定
グルタチオン−S−トランスフェラーゼの活性測定の方法は、「入門薬物代謝(1987)・講談社」の方法を参考にして行った。
2ml用の分光光度計用セルに30mMグルタチオン60μl(グルタチオン(ナカライ)16mgを超純水に溶かして2mlとして調製)、30mMジニトロクロロベンゼン/エタノール60μl(ジニトロクロロベンゼン(和光純薬)62mgをエタノールに溶かして10mlとして調製)、及び0.1Mリン酸カリウムバッファー(pH7.4)を1.48mlそれぞれ加え、混合撹拌し、この時の340nmにおける吸光度を初期値とした。1000倍希釈した上清画分を300μl加えて反応を開始させ、340nmにおける吸光度の上昇を1分間記録した(終了値)。340nmにおける初期値と終了値の吸光度差を求め、1分間当たりに生成した2,4−ジニトロフェニルグルタチオン生成量、すなわち酵素活性を求めた。なお、タンパク質量はFolin−Lowry法により求めた。
結果を図1に示す。
図1に示されるように、ダイコンスプラウト食群において、酵素活性の著しい上昇が認められた。
試験例2:ダイコンスプラウトのシトクロムP450の比含量測定
分光光度計の対照セルと試料セルそれぞれに、0.1Mリン酸バッファー(pH7.4)適量で希釈した試験例1で得たミクロソーム画分の溶液1.6mlを入れ、510〜400nm間のスペクトラムを記録した。次に両セルにハイドロサルファイトナトリウム約2mgをゆっくり混合させながら添加し、ミクロソーム中ヘムタンパク質のヘム鉄部位を還元させた。
試料セル中の還元させたミクロソーム溶液中に2.0mlの一酸化炭素を通じ、還元したヘムタンパクと一酸化炭素を結合させた。この溶液を再び分光光度計に挿入し、510〜400nm間のスペクトラムを記録した。この値から一酸化炭素を通じる前のスペクトラム値を差し引き、490から450nm付近の吸光度の変化を求め、次の式に代入した。
Figure 2005206495
この値をFolin−Lowry法により求めた試料溶液中のタンパク質量で割ることで比含量を算出した。
結果を図2に示す。
ダイコンスプラウト食群において、シトクロムP450の比含量は上昇していないことが明らかである。
試験例3:ダイコン種子抽出物のグルタチオン−S−トランスフェラーゼ誘導効果
1.ダイコン種子及びブロッコリー種子の水抽出物の調製
ダイコン種子及びブロッコリー種子に各々同量の水を加え、1分間ジューサーミキサーでホモジナイズした。このホモジナイズ液を適量のナス型フラスコに移して密栓し、37℃で30分間インキュベートし、酵素反応させ、イソチオシアネートを生成させた。5分間氷冷後、ガーゼろ過し、さらに遠心分離(10,000xg、15分間)を行って残渣を除去し、上清を回収した。この上清を凍結乾燥し、回収したものを種子水抽出物とした。
2.肝臓の採取・解毒酵素の抽出
5週齢のSD系SPF雌ラット(日本クレア株式会社から購入)15匹を、実験用飼料(American Institute of Nutritionによるマウス・ラット用標準配合AIN-76(組成:シュークロース50%、カゼイン20%、DL−メチオニン0.3%、コーンスターチ15%、セルロース5%、コーン油5%、AIN−76ミネラル混合3.5%、AIN76ビタミン混合1%、重酒石酸コリン0.2%),DL−メチオニン及び重酒石酸コリンは和光純薬株式会社から購入、その他の成分はオリエンタル酵母株式会社から購入)を与え、3日間予備飼育した。これを、5匹ずつ3群(普通食群、ダイコン種子食群、ブロッコリー種子食群)に分け、実験群とした。さらに、これらを金網製個別ゲージに1匹ずつ入れ、12時間の明暗サイクルの飼育室で7日間本飼育した。飲料水としては水道水を与え、飼料としては、普通食群には、上記実験用飼料を与え、ダイコン種子食群には上記実験用飼料のシュークロースの2%を同量の上記で調製したダイコン種子水抽出物に換えた飼料を与え、ブロッコリー種子食群には上記実験用飼料のシュークロースの2%を同量の上記で調製したブロッコリー種子水抽出物に換えた飼料を与えた。飲料水としては水道水を与え、これを自由摂取させた。飼料は1日20gに制限し、解剖前18時間のみ絶食させた。
7日間の本飼育後、ジエチルエーテルにより麻酔をかけ、肝臓灌流を行った。脱血後に肝臓を摘出し、重量を測定した。その後、ポッター型ホモジナイザーを用いてその4倍量のホモジナイズ緩衝液(0.25Mショ糖を含む0.1Mリン酸緩衝液,pH7.4)で肝臓をホモジナイズした。このホモジナイズ溶液を遠心分離(4℃、10,000xg,15分間)し、上清(粗タンパク溶液)を得た。さらに、この上清を超遠心分離(4℃、100,000xg,60分間)し、得られた上清を上清画分とした。また得られた沈殿をホモジナイズ緩衝液に溶解し、さらに超遠心分離(4℃、100,000xg,60分間)を行い、ここで得られた沈殿をミクロソーム画分とした。
3.グルタチオン−S−トランスフェラーゼの活性測定
グルタチオン−S−トランスフェラーゼの活性測定の方法は、「入門薬物代謝(1987)・講談社」の方法を参考にして行った。
2ml用の分光光度計用セルに30mMグルタチオン60μl(グルタチオン(ナカライ)16mgを超純水に溶かして2mlとして調製)、30mMジニトロクロロベンゼン/エタノール溶液60μl(ジニトロクロロベンゼン(和光純薬)62mgをエタノールに溶かして10mlとして調製)、及び0.1Mリン酸カリウムバッファー(pH7.4)を1.48mlそれぞれ加え、混合撹拌し、この時の340nmにおける吸光度を初期値とした。1000倍希釈した上清画分を300μl加えて反応を開始させ、340nmにおける吸光度の上昇を1分間記録した(終了値)。340nmにおける初期値と終了値の吸光度差を求め、1分間当たりに生成した2,4−ジニトロフェニルグルタチオン生成量、すなわち酵素活性を求めた。なお、タンパク質量はFolin−Lowry法により求めた。
結果を図3に示す。
図3に示されるように、ダイコン種子食群において、酵素活性の著しい上昇が認められた。
試験例4:ウリジン5’−ジホスフェートグルクロノシルトランスフェラーゼの活性測定
ウリジン5’−ジホスフェートグルクロノシルトランスフェラーゼ(UDPGT)の活性測定は、「入門薬物代謝(1987)・講談社」の方法を参考にして行った。
補助因子溶液(0.1MのTris−HCl(pH7.4)8.0ml、0.15MのMgCl1.0ml、1%w/vTritonX−100 0.5ml、0.02Mアスコルビン酸1.0ml、UDP−グルクロン酸10mg)0.5mlと1mMの2−アミノフェノール0.25mlを混合し、37℃の恒温振とう器中で試験例3で得たミクロソーム画分酵素溶液0.25mlを加えて反応を開始させ、30分間反応を行った。なお、基質ブランクには2−アミノフェノールの代わりに水0.25mlを加えた。次に氷冷した20%トリクロロ酢酸−0.1Mリン酸バッファー(pH2.7)を0.5ml加えて反応を停止させ、氷中で5分間放置し、その後遠心分離(4℃、7000xg、10分間)した。
この上清1mlを使用時直前に調製した0.1%亜硝酸ナトリウム溶液0.5mlを加え、ボルテックスで混合撹拌し、2分間放置した。次に、不要な亜硝酸ナトリウムを除去する目的で、これに0.5%スルファミン酸アンモニウム溶液0.5mlを加え、ボルテックスで混合撹拌し、室温、遮光条件下で120分間放置して呈色反応させた。この溶液を96穴プレートに100μlずつ採取し、マイクロプレートリーダーにより540nmの吸光度を測定した。検量線に従って生成物であるアゾ化合物の量を算出し、酵素活性を求めた。
UDPGT活性測定で検出する2−アミノフェノールグルクロニドは入手が非常に困難なため、同様な性質の呈色反応を示すアニリンを、代わりに検量線用として用いた。0.1mMアニリン−6%トリクロロ酢酸原液を調製し、この原液を0、0.02、0.04、0.06、0.08、0.1mlずつとり、これらに6%トリクロロ酢酸−0.1Mリン酸バッファー(pH2.7)を加えて全量を1.0mlにした。次に、使用時直前に調製した0.1%亜硝酸ナトリウム溶液1mlを加え、ボルテックスで混合撹拌、2分間放置した。次に、0.5%スルファミン酸アンモニウム溶液1mlを加え、混合撹拌し、室温、遮光条件下で120分間放置して呈色反応させた。この溶液をUDPGT活性測定と同様に96穴プレートに100μlずつ採取し、マイクロプレートリーダー(モデル550、日本バイオラッドラボラトリーズ株式会社・東京)により540nmの吸光度を測定した。540nmの吸光度により検量線を作成した。
結果を図4に示す。
図4に示されるように、ダイコン種子食群において、UDPGT活性の著しい上昇が認められた。
実施例3.ダイコンの種子からのスルホラフェンの精製
ダイコンの種子をコーヒーミルにより粉砕し、種子の10倍量の水を加え、室温にて30分間酵素反応を進行させた。得られたダイコン種子溶液をガーゼで濾過した後、セライトろ過(No.545及びNo.500の二回)を行った。得られたろ液をHP−20カラム(直径5cmx27cm)にかけ、スルホラフェンを吸着させたのち、不純物を水洗した。その後、50%メタノール溶出画分を回収し、スルホラフェン含有画分を濃縮した。この濃縮物をODSカラム(展開溶媒:20%メタノール)にて分離した。HPLCでスルホラフェンの確認を行い、純度の高い画分(スルホラフェン含量93%)をエバポレーターにより濃縮後、凍結乾燥を行った。これを、スルホラフェン含量が100μmol/mlとなるように、超純水で希釈した。
試験例5:スルホラフェンのグルタチオン−S−トランスフェラーゼ誘導効果
1.肝臓の採取・解毒酵素抽出
5週齢のSD系SPF雌ラット14匹を、飼料としてCE−2固形食を1匹当たり20g/dayの制限食で与えた。3日間の予備飼育の後、これを、7匹ずつコントロール群とスルホラフェン投与群に分けた。さらに、これらを金網製個別ゲージに1匹ずつ入れ、12時間の明暗サイクルの飼育室で7日間本飼育した。飲料水としては水道水を与え、自由摂取させた。ただし、解剖前18時間のみ絶食した。コントロール群には、超純水を、スルホラフェン投与群には100μM/mlのスルホラフェンを1mlずつ7日間経口胃内投与した。
7日間の本飼育後、ジエチルエーテルにより麻酔をかけ、肝臓灌流を行った。脱血後に肝臓を摘出し、重量を測定した。その後、ポッター型ホモジナイザーを用いてその4倍量のホモジナイズ緩衝液(0.25Mショ糖を含む0.1Mリン酸緩衝液,pH7.4)で肝臓をホモジナイズした。このホモジナイズ溶液を遠心分離(4℃、10,000xg,15分間)し、上清(粗タンパク溶液)を得た。さらに、この上清を超遠心分離(4℃、100,000xg,60分間)し、得られた上清を上清画分とした。また得られた沈殿をホモジナイズ緩衝液に溶解し、さらに超遠心分離(4℃、100,000xg,60分間)を行い、ここで得られた沈殿をミクロソーム画分とした。
2.グルタチオン−S−トランスフェラーゼの活性測定
2ml用の分光光度計用セルに30mMグルタチオン60μl、30mMジニトロクロロベンゼン/エタノール60μl、及び0.1Mリン酸カリウムバッファー(pH7.4)を1.48mlそれぞれ加え、混合撹拌し、この時の340nmにおける吸光度を初期値とした。1000倍希釈した上清画分を300μl加えて反応を開始させ、340nmにおける吸光度の上昇を1分間記録した(終了値)。340nmにおける初期値と終了値の吸光度差を求め、1分間当たりに生成した2,4−ジニトロフェニルグルタチオン生成量、すなわち酵素活性を求めた。なお、タンパク質量はFolin−Lowry法により求めた。
結果を図5に示す。
図5より、スルホラフェンが単独でもグルタチオン−S−トランスフェラーゼ酵素活性を上昇させることが明らかである。
試験例6:ウリジン5’−ジホスフェートグルクロノシルトランスフェラーゼの活性測定
補助因子溶液(0.1MのTris−HCl(pH7.4)8.0ml、0.15MのMgCl1.0ml、1%w/vTritonX−100 0.5ml、0.02Mアスコルビン酸1.0ml、UDP−グルクロン酸10mg)0.5mlと1mMの2−アミノフェノール(用時調製)0.25mlを混合し、37℃の恒温振とう器中で試験例5で得たミクロソーム画分酵素溶液0.25mlを加えて反応を開始させ、30分間反応を行った。なお、基質ブランクには2−アミノフェノールの代わりに水0.25mlを加えた。次に氷冷した20%トリクロロ酢酸−0.1Mリン酸バッファー(pH2.7)を0.5ml加えて反応を停止させ、氷中で5分間放置し、その後遠心分離(4℃、7000xg、10分間)した。
この上清1mlを使用時直前に調製した0.1%亜硝酸ナトリウム溶液0.5mlを加え、ボルテックスで混合撹拌し、2分間放置した。次に、不要な亜硝酸ナトリウムを除去する目的で、これに0.5%スルファミン酸アンモニウム溶液0.5mlを加え、ボルテックスで混合撹拌し、室温、遮光条件下で120分間放置して呈色反応させた。この溶液を96穴プレートに100μlずつ採取し、マイクロプレートリーダーにより540nmの吸光度を測定した。検量線に従って生成物であるアゾ化合物の量を算出し、酵素活性を求めた。
結果を図6に示す。
図6に示されるように、スルホラフェンの投与により、UDPGT活性の著しい上昇が認められた。
試験例7:シトクロムP450の比含量測定
分光光度計の対照セルと試料セルそれぞれに、0.1Mリン酸バッファー(pH7.4)適量で希釈した試験例5で得たミクロソーム画分の溶液1.6mlを入れ、510〜400nm間のスペクトラムを記録した。次に両セルにハイドロサルファイトナトリウム約2mgをゆっくり混合させながら添加し、ミクロソーム中ヘムタンパク質のヘム鉄部位を還元させた。
試料セル中の還元させたミクロソーム溶液中に2.0mlの一酸化炭素を通じ、還元したヘムタンパクと一酸化炭素を結合させた。この溶液を再び分光光度計に挿入し、510〜400nm間のスペクトラムを記録した。この値から一酸化炭素を通じる前のスペクトラム値を差し引き、490から450nm付近の吸光度の変化を求め、次の式に代入した。
Figure 2005206495
この値をFolin−Lowry法により求めた試料溶液中のタンパク質量で割ることで比含量を算出した。
結果を図7のグラフに示す。
図より、スルホラフェンがシトクロムP450の比含量を上昇させないことがあきらかである。
本発明により、癌の予防に有効な健康食品および医薬組成物が提供される。
ダイコンスプラウトのグルタチオン−S−トランスフェラーゼ誘導効果を示すグラフである。 ダイコンスプラウトのシトクロムP450に対する作用を示すグラフである。 ダイコン種子水抽出物のグルタチオン−S−トランスフェラーゼ誘導効果を示すグラフである。 ダイコン種子水抽出物のウリジン5’−ジホスフェートグルクロノシルトランスフェラーゼに対する作用を示すグラフである。 スルホラフェンのグルタチオン−S−トランスフェラーゼ誘導効果を示すグラフである。 スルホラフェンのウリジン5’−ジホスフェートグルクロノシルトランスフェラーゼに対する作用を示すグラフである。 スルホラフェンのシトクロムP450に対する作用を示すグラフである。

Claims (9)

  1. ダイコンの種子もしくはスプラウト、その水、有機溶媒もしくは有機溶媒と水との混合物による抽出物、または該抽出物に含有される化合物もしくはその誘導体を有効成分として含有する癌の予防のための健康食品。
  2. 前記ダイコンの種子もしくはスプラウトが乾燥したものである請求項1記載の健康食品。
  3. 前記抽出物が、ダイコンの種子もしくはスプラウトのホモジネートを一定時間インキュベートして酵素反応を進行させた後に水、有機溶媒もしくは有機溶媒と水との混合物により抽出したものである請求項1記載の健康食品。
  4. 前記化合物もしくはその誘導体が、下記式Iで表される化合物またはその誘導体である請求項1記載の健康食品。
    Figure 2005206495
  5. 生のダイコンスプラウト汁、その濃縮還元汁またはダイコンのスプラウトもしくは種子の水、有機溶媒もしくは有機溶媒と水との混合物による抽出物を有効成分として含有する癌を予防するための健康飲料である請求項1記載の健康食品。
  6. ダイコンの種子もしくはスプラウト、その水、有機溶媒もしくは有機溶媒と水との混合物による抽出物、または該抽出物に含有される化合物もしくはその誘導体を有効成分として含有する癌の予防のための医薬組成物。
  7. 前記ダイコンの種子もしくはスプラウトが乾燥したものである請求項6記載の医薬組成物。
  8. 前記抽出物が、ダイコンの種子もしくはスプラウトのホモジネートを一定時間インキュベートして酵素反応を進行させた後に水、有機溶媒もしくは有機溶媒と水との混合物により抽出したものである請求項6記載の医薬組成物。
  9. 前記化合物もしくはその誘導体が、下記式Iで表される化合物またはその誘導体である請求項6記載の医薬組成物。
    Figure 2005206495
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