JP2000319188A - 高脂血症治療剤 - Google Patents

高脂血症治療剤

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JP2000319188A
JP2000319188A JP11213688A JP21368899A JP2000319188A JP 2000319188 A JP2000319188 A JP 2000319188A JP 11213688 A JP11213688 A JP 11213688A JP 21368899 A JP21368899 A JP 21368899A JP 2000319188 A JP2000319188 A JP 2000319188A
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niruri
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phyllanthus niruri
extraction
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JP11213688A
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Kiminori Atsumi
公則 渥美
Keiichiro Kikukawa
馨一朗 菊川
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Sangi Co Ltd
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Sangi Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 血中脂質改善性を有するフィラン
タス・ニルリー抽出物及びそれを含有する食品を提供す
る。 【解決手段】 フィランタス・ニルリーを30〜
80℃の熱水で抽出後活性炭処理、又はメタノール濃度
10〜60%のメタノール含有水溶液で抽出することで
抽出物を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィランタス・ニ
ルリー(学名:Phyllanthus niruri L.)より抽出した
血中の脂質成分に対する改善性を有する血中脂質改善剤
及びそれらを含有する食品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】血中のコレステロール値又はトリグリセ
リド値の高い症状、すなわち高脂血症は、動脈硬化症を
始めとする循環器系の疾患及び心筋梗塞等の心疾患の発
症と密接な関係がある。動脈硬化や心筋梗塞等の疾患を
予防し、高脂血症を治療するには、血中のコレステロー
ルやトリグリセリドを低下させることが重要である。し
かしながら、現在医療現場で汎用されるコンパクチン、
プラバスタチン等のHMG−CoAリダクターゼ阻害剤
は血中コレステロールを抑制する効果があるものの、ト
リグリセリドを低下させる効果は低い。一方、クロフィ
ブラート等のフィブレート系薬剤はコレステロール、ト
リグリセリドの両者を低下させる作用を有するが、胃腸
障害、腎障害等の副作用があるため、より安全な薬剤の
開発が強く望まれている。また、前記疾患を予防する有
効な方法として、食生活の改善が望まれるが、前述した
薬剤は医師の充分な注意のもと、患者が服用するもので
あって、食品への応用には適さない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、動脈
硬化や心筋梗塞等の各種疾患の原因となる高脂血症を治
療する効果に優れ、且つ安全性の高い血中脂質改善性を
有する抽出物及びそれらを含む加工食品を提供すること
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
これらの問題を解決するものとして広く種々の物質につ
いて、高脂血症の治療効果を指標として広くスクリーニ
ングした結果、フィランタス・ニルリー(学名:Phylla
nthus niruri L.;以下P.niruriと表記)に
は、血中コレステロール及び血中トリグリセリド低下作
用があることを見出した。特に、フィランタス・ニルリ
ーの抽出物のうち、熱水抽出後に活性炭で処理したも
の、若しくは、P.niruriの成分をメタノール含
有水溶液で抽出して得られたものは、血中コレステロー
ル及び血中トリグリセリド低下作用が優れており、かつ
安全性も高いことを見出し、本発明を完成させた。
【0005】Phyllanthus属は、大きな属として550
以上の種類が存在する。これらのすべてが民間薬として
用いられているわけではなく、Phyllanthus亜属のおよ
そ140種類のうち、数種類が利用されているに過ぎな
い。本発明で使用する前記植物は、Phyllanthus亜属の
うち、Phyllanthus節及びPhyllanthus亜節に属し、アフ
リカ、南アメリカ、西インド、オセアニアに広く分布し
ている。Phyllanthus亜属の一般的に知られている薬効
は鎮痛、解熱、解毒等である。
【0006】現在、Phyllanthusの動脈硬化の予防剤と
して亜属であるPhyllanthus emblicaの果実とその他の
数種の異なる薬草を混合させたAnna Pavala Sindhooram
(APS)と呼ばれる、漢方薬が、一報のみ、動脈硬化
の予防薬として報告されているだけであって(Shanmuga
sundaram et al.,1983)、P.niruriの抽出物に
血中の脂質を改善する効果があることは全く知られてい
なかったが、本発明において、高脂血症に対し、P.n
iruriを乾燥物若しくは抽出物を投与すると、血中
のトリグリセリド、コレステロールが低下される効果が
見出された。
【0007】しかしながら、P.niruriから熱水
を使用して抽出した物質(以下、熱水粗抽出物)の場
合、ラットを使った急性毒性試験により、正常な動物に
は異常を起こさないにも関わらず、慢性肝炎モデル動物
に対しては、腸管障害を引き起こし、その死亡時期を早
め、死亡率を増大させることが確認された。本発明にお
いて使用するフィランタス・ニルリーは、その根、茎、
葉のいずれの部分でも良く、その形態としては、それぞ
れの単独部分又は乾燥物、それらの搾汁及び/又は搾汁
乾燥物、或いはそれらの抽出液及び/又は抽出液乾燥物
を食品の成分の一つとして、若しくは医薬組成物の剤形
に合わせて、適宜選択して使用することができる。な
お、フィランタス・ニルリーの葉の部分が他の部位と比
較して、血中のトリグリセリド及びコレステロールの抑
制効果が高いことを見出した。
【0008】P.niruriの抽出物を健康食品或い
は特定保険用食品として商品化する際には、前記の効果
を期待するにはある程度の濃度が必要であり、また、健
康食品とする際には、ある特定の疾患を持つ人までも
が、食する可能性が高い。このため、このような特殊な
生体環境下にあっても、ある程度の安全性が必要であ
る。更に、商品化の際には、万人向けで食しやすい材を
提供する必要もあり、前記の熱水粗抽出物から、前記の
弊害を除去する必要がある。また、前記熱水粗抽出物
は、苦みの原因となるタンニンが大量に含有されている
ので、苦みが強く、食品の成分として食するには不向き
である。
【0009】抽出方法の処置によって、水溶性蛋白質等
の含有量が異なる。例えば、後述するように、抽出時の
溶媒によって含有される蛋白質成分が相違する。このよ
うに、抽出法法によっては、抽出物が有する特徴が大き
く異なってくると考えられる。
【0010】そこで、まず、苦みの元であるタンニンを
除去をするとともに、抽出物中の可溶性蛋白質に相違が
生じないことを指標として、熱水粗抽出物をいくつかの
物質で処置或いは、いくつかの異なる条件の下で抽出を
行い、比較検討を行った。その結果、P.niruri
の熱水粗抽出物を活性炭で処理した場合、若しくは、メ
タノール濃度10〜60%、特にメタノール濃度20〜
40%のメタノール含有水溶液で抽出を行って得られた
抽出物が最も好ましいことがわかった。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる抽出物は、
P.niruriの葉、茎、果実、植物全草等を、常法
により溶媒中に任意の時間、温浸することにより得られ
る。このように、前記の抽出物を採取するのに用いる植
物の部位としては全草でも可能であるが、特に葉の部分
を用いるのが好ましい。
【0012】動脈硬化や高脂血症の治療効果を有する有
効成分の含有量を抽出液中に豊富にするには、P.ni
ruriの葉を乾燥した後、水或いはメタノール水溶液
の抽出溶媒に室温で1〜3日間若しくは前記抽出溶媒を
30〜80℃に保持した状態で、1〜5時間浸漬して不
溶物を濾過して除去すれば得られる。
【0013】なお、溶媒抽出時に、超音波による振動を
加えると、前記の有効成分の抽出が促進され、効率よく
抽出することができる。かくして得られた抽出物は、血
中のトリグリセリドとコレステロールの値を低減する効
果に優れている。
【0014】P.niruriの熱水粗抽出物の活性炭
処理は、前記熱水粗抽出物の水溶液に活性炭を浸漬若し
くは水溶液を活性炭で濾過することによって行われる。
前記熱水粗抽出物の水溶液に活性炭を浸漬して処理する
場合、熱水粗抽出物濃度が10重量%以下の水溶液に、
1〜50重量%の活性炭を添加して、1〜24時間攪拌
若しくは静置することによって行うのが好ましい。
【0015】10重量%以上の熱水粗抽出物の水溶液に
対して、1重量%未満の活性炭で処理を行った場合、若
しくは処理時間が1時間未満では、タンニンの除去が不
十分である。
【0016】一方、活性炭による処理を24時間以上行
うと、例えば、熱水粗抽出物濃度1%水溶液に、5重量
%の活性炭を添加して24時間以上処理した場合は、
P.niruriの有効成分である水溶性蛋白質も大量
に消失し、トリグリセリド及びコレステロール値を低減
する効果が損なわれる。
【0017】或いは、メタノール濃度10〜60%、特
にメタノール濃度20〜40%のメタノール含有水溶液
でP.niruriの成分を直接抽出する方法も、好ま
しい方法である。メタノール濃度を低くするに伴い、抽
出物中の可溶性蛋白質の量も増加するが、苦みの元であ
るタンニンの抽出量も増加し、約5%程度のメタノール
濃度で抽出した場合には、熱水粗抽出物に含有されるタ
ンニン量と同等になる。メタノール濃度を高くすると、
苦みの元であるタンニンの抽出量は低減するものの、抽
出物中の可溶性蛋白質の量は減少し、約70%程度のメ
タノール濃度で抽出した場合、前記の水溶性蛋白質がほ
とんど得られない。
【0018】前記の処方により得られたP.nirur
i成分の抽出物は、血中のトリグリセリドとコレステロ
ールの値を低減する効果に優れており、高脂血症の治
療、若しくは動脈硬化、及び心筋梗塞等の疾患の抑制の
ために医薬組成物の成分として用いられ、必要に応じた
形態で使用することができる。例えば、抽出液そのも
の、若しくは抽出液を希釈したもの、あるいは減圧等に
より濃縮したもの、フリーズドライや噴霧乾燥等の方法
により溶媒を留去させて得たものを使用できる。
【0019】前記抽出物又は乾燥物を経口的に投与する
場合は、薬理的に許容される担体等と共に、経口的に投
与することができる。経口投与用の製剤としては例えば
錠剤、カプセル剤、顆粒剤、粉末剤、トローチ剤、シロ
ップ剤等が挙げられる。錠剤、カプセル剤、顆粒剤、粉
末剤等の固型組成物においてはデンプン、ラクトース、
カルボキシメチルセルロース、沈降炭酸カルシウムなど
の賦形剤、アラビアゴム、トラガントガム、ゼラチン、
メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の結
合剤、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ロウ類、ポ
リエチレングリコールなどの潤沢剤、サッカロースなど
の甘味料、メントールなどのフレーバー剤などを含有す
ることができる。トローチ剤、シロップ剤などの液状の
組成物においてはソルビトール、ゼラチン、メチルセル
ロース、植物油、乳化剤のほか甘味剤、フレーバー剤、
着色剤などを含有することができる。その他の任意成分
としては、増量剤、被覆剤、糖衣剤、安定剤、滑沢剤、
pH調整剤、可溶化剤、分散剤、増粘剤、等張剤等が例
示できる。これら任意成分と本発明の抽出物又は乾燥物
を通常の方法に従って前記形状の剤形にすることができ
る。
【0020】本発明の抽出物又は乾燥物を使用し、食品
として調製するには、種々の食品原料にフィランタス・
ニルリーの所要量を加え、通常の製造方法により加工す
ることにより、また、健康食品、機能性食品として本発
明の抽出物を食しやすい状態にして使用することができ
る。食品の種類としては、特に限定されず、例えば、パ
ンや麺類、クッキー、キャンディー、グミ等の菓子類、
ジュースや清涼飲料等の飲料等が例示できる。加工食品
を調整する際に用いる原料はこの分野で普通に使用され
るものであってよく、例えば、ラクトース、デキストロ
ース、ソルビトール、小麦粉、砂糖、食酢、ゼラチン、
コーンスターチ、蜂蜜、動植物油脂類等を挙げることが
できる。
【0021】厚生省薬務局のガイドラインに基づいて、
ラットによる急性毒性試験を行った結果、フィランタス
・ニルリーの乾燥物及び抽出物は、いずれも2,000
mg/kg投与しても、ラットの行動や一般性状、排泄物の
異常は観察されなかった。このような結果から、P.n
iruriの抽出物の最小致死量は、経口投与では2,
000mg/kg以上であり、この用量までは急性毒性は無
いと考えられる。
【0022】高脂血症モデルのラットを作成し、P.n
iruriの抽出物を経口投与して、血清中のトリグリ
セリド値及びコレステロール値の変化を調査した結果、
約10mg/kg程度の量で、血中のトリグリセリド値及び
コレステロールを減少させ得る効果があったが、5mg/
kg程度の量では、このような効果を見出すことができな
かった。
【0023】このような結果から、抽出物の一日当たり
の用量としては、通常、体重1kgに対して、抽出物の乾
燥物換算で、約10〜2000mg、好ましくは約30〜
2000mgであると考えられる。葉の乾燥物の場合、一
日当たりの用量としては、通常、体重1kgに対して、約
100〜2000mgを使用する。この量を1回又は数回
に分けて摂取させるか又は投与する。しかし、実際の用
量は、処置を受ける対象の年齢、体重及び症状などを配
慮して決定する。
【0024】
【実施例】以下に、実施例を挙げて更に詳しく本発明に
ついて説明するが、本発明がこれら実施例に限定を受け
ないことは言うまでもない。
【0025】(実施例1)試料の調整 P.niruriの乾燥葉10gを、60℃で2時間温
水に浸漬して、抽出液を得、前記抽出液の冷却後、濾過
して濾液を取り、一部の濾液を活性炭に2時間浸漬して
処理した。一方、P.niruriの乾燥葉をメタノー
ル濃度30%の水溶液に浸漬し、抽出液を得た。各抽出
液をそれぞれ凍結乾燥して、本発明の抽出物を得た。な
お、活性炭処理前のP.niruriの温水抽出物を凍
結乾燥したものを、熱水粗抽出物とする。
【0026】(実施例2)高脂血症治療効果 (1)高脂血症モデルの作出 実験は、8週齢のSD系の雄ラットを用い、室温24
℃、湿度約60%、12L:12Dの照明に制御された
実験室で行われた。食餌性の高脂血症モデル動物の作出
は、広く用いられており、コレステロール、胆汁酸、油
類、チオウラシルなどを負荷する方法と炭水化物を負荷
する方法がとられており、前者は高コレステロール血
症、後者は高トリグリセリド血症のモデルになるといわ
れている。まず、モデル動物の作出のため、コレステロ
ールを懸濁したオリーブオイルと炭水化物としてシュー
クロースの投与を行った。実験開始時から実験終了日ま
で、オリーブオイル1ml/100g体重/日を経口投与
するとともに、飽和シュークロース溶液を2ml/100
g体重/日を経口投与した。
【0027】(2)P.niruriの投与 P.niruriの前記の各抽出物及び乾燥葉につい
て、オイル及びシュークロース投与後、およそ4時間後
に強制的に経口投与した。動物は、高脂血症モデル動物
(HL)群と、高脂血症モデルに前記の熱水粗抽出物、
活性炭処理した抽出物及びメタノール溶液抽出物につい
て、各々10mg/kg体重を投与した群(HP10)と3
0mg/kg体重を投与した群(HP30)の計7群とし、
各群は統計的な処理を行う上で必要最低限である3匹の
ラットで構成した(表1参照)。また、乾燥葉の効果を
確認するため、乾燥葉を高脂血症モデル動物に100mg
/kg体重を投与した群(HP100)と300mg/kg体
重を投与した群(HP300)について、同様に実験を
行った(表2参照)。動物は、採血前日を除いて、市販
の試料と水を自由摂取させた。
【0028】(3)サンプリング 経口投与は、25日間にわたって行ない、次の要領にて
採血した。まず、投与終了後、すべてのマウスを18時
間絶食させた。次いで、動物をエーテルで深麻酔し、後
大静脈からおよそ1mlをエッペンドルフ遠沈管に採取
し、血清サンプルとした。それぞれの血清サンプルのト
リグリセリド及びコレステロール値について、市販のキ
ットを用いて測定した。得られた各データは、Stud
entのt検定を用いて、統計的に解析された。
【0029】(4)結果 表1は、抽出物の投与をしたときのコレステロール及び
トリグリセリドの測定結果である。表中、*は5%未満
の危険率の有意差が有ったことを示す。高脂血症モデル
に対し、P.niruriの抽出物を投与された動物群
はいずれも、トリグリセリド量およびコレステロール量
が低減していた。特に、抽出物の投与量が30mg/kgの
動物群(HP30)は、5%未満の危険率で、コレステ
ロール及びトリグリセリドの低減効果の有意性を認める
ことができた。なお、表1中の「動物群」の括弧内の
「活性炭処理」及び「メタノール抽出」とは、投与した
抽出物の抽出方法を示す。表2は、乾燥葉を投与したと
きのコレステロール及びトリグリセリドの測定結果を示
す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】(実施例3)腸管異常の発現試験 (1)急性肝炎の惹起とP.niruri抽出物の投与 四塩化炭素は、オリーブオイルで1:1に希釈され、急
性肝炎を誘起する目的でラットに2ml/kg腹腔内投与さ
れた。四塩化炭素を投与後、6時間後に前記した各種の
P.niruri抽出物が、ラット用ゾンデを用いて、
50mg/kg経口的に投与された。その18時間後に、ラ
ットは解剖された。四塩化炭素の投与から、動物の解剖
までの24時間、動物は絶食させられた。動物は、四塩
化炭素投与群、四塩化炭素+P.niruri熱水粗抽
出物投与群、四塩化炭素+活性炭処理抽出物投与群、四
塩化炭素+30%メタノール抽出物投与群に分けられ、
各群は5匹のラットで構成された。実験に先立ち、およ
そ18時間絶食されたラットの後大動脈から採血を行っ
た。採取した血液は、凝固後、3000rpmで15分間
遠心分離することにより血清サンプルとした。それぞれ
の血清サンプルのトリグリセリド及びコレステロール値
について、市販のキットを用いて測定した。実験終了時
にラットをエーテルの深麻酔で屠殺し、剖検を行い、腸
管の異常発生を確認した。
【0033】(2)結果 解剖時における腸管の異常発生率を表3に示した。P.
niruriの抽出物を投与しない場合には、腸管の異
常は観察されなかった。これに対して、熱水粗抽出物を
投与した際には、80%の動物が異常を示したが、活性
炭処置あるいは30%メタノール抽出物ではその発生率
が大幅に低減した。また、活性炭処置及び30%メタノ
ール抽出物で異常が見られた動物例は、熱水粗抽出物の
投与群に比べて軽度であった。
【0034】
【表3】
【0035】表4及び表5は、それぞれ血清中のコレス
テロール及びトリグリセリドの測定結果である。表中、
*は5%未満の危険率の有意差が有ったことを示す。血
清中のコレステロール及びトリグリセリドは、四塩化炭
素の投与によっても変化しなかったが、各P.niru
riの抽出物処理により有意にその値が減少した。ま
た、各抽出物間では、統計学的に有意差が認められなか
った。
【0036】
【表4】
【0037】
【表5】
【0038】(顆粒剤)下記の組成にて、P.niru
riの抽出物(メタノール抽出によるもの)を含有する
顆粒剤を製造した。処方成分を秤量し、(A)成分をグ
ラッド造粒装置に投入し低速で混合した後、高速回転で
(B)成分を噴霧しながら造粒した。これを40℃で4
8時間送風乾燥し、20〜30メッシュで篩掛けして顆
粒剤を得た。
【0039】 (A) 結晶セルロース 40重量% 乳糖 40重量% アルミニウムステアレート 2重量% ヒドロキシプロピルメチルセルロース 8重量% P.niruriの抽出物 10重量% (B) 50%エタノール水溶液 20重量%
【0040】(軟質ゼラチンカプセル剤)下記の組成に
て、前記のP.niruriの抽出物を含有する、軟質
ゼラチンカプセル剤を製造した。下記の(A)成分を均
一に混合攪拌し、これに(B)成分を加えてニーダーに
より十分に混練し、これをカプセル充填機により軟質ゼ
ラチンカプセル剤を製造した。
【0041】 (A) スクワレン 15重量% リノレン酸トリグリセライド 15重量% 小麦胚芽油 10重量% 精製イワシ油 10重量% (B) コーン油 40重量% P.niruriの抽出物 10重量%
【0042】(錠剤)下記の組成にて、前記のP.ni
ruriの抽出物を含有する、錠剤を製造した。下記成
分を均一に混合し、流動層造粒法により造粒し、乾燥さ
せた。これを打錠機で打錠し錠剤を得た。
【0043】 デキストリン 15重量% 乳糖 5重量% パラチノース 15重量% 馬鈴薯澱粉 40重量% ステアリン酸マグネシウム 5重量% P.niruriの抽出物 20重量%
【0044】(グミ)下記の組成にて、前記のP.ni
ruriの抽出物を含有する、グミを製造した。 (A)成分を110℃で加熱溶解させ、別途膨潤溶解さ
せた(B)成分を添加し、更に(C)成分を流し込み攪
拌し、型に流し込み一昼夜放置し、型から外してグミを
得た。
【0045】 (A) 砂糖 40重量% 水飴 40重量% (B) ゼラチン 8重量% 水 5重量% (C) クエン酸 2重量% P.niruriの抽出物 5重量%
【0046】(ドリンク剤)下記の組成にて、前記の
P.niruriの抽出物を含有する、ドリンク剤を製
造した。
【0047】 100%オレンジジュース 20.0重量% 砂糖 10.0重量% アスコルビン酸 0.1重量% 香料 0.1重量% P.niruriの抽出物 5.0重量% 水 64.8重量%
【0048】(経口用懸濁液)茶さじ1つ分(約5ml)
投与量中に50mgの、前記のP.niruriの抽出物
を含有する経口投与の水性懸濁液を下記の組成にて製造
した。
【0049】 P.niruriの抽出物 1.0g クエン酸 0.2g 安息香酸溶液 0.1ml カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.5g しょ糖 70.0g 香味料 適量 着色剤 適量 水 100.0ml
【0050】(キャンディー)下記の組成にて、活性炭
処理を施したP.niruriの抽出物を含有する、キ
ャンディーを製造した。 (A)成分を150℃で加熱溶解し120℃に冷却後、
(B)成分を添加、攪拌後、均一としてものを成型、冷
却してキャンディーとした。
【0051】 (A) 砂糖 59重量% 水飴 30重量% (B) クエン酸 1重量% P.niruriの抽出物 10重量%
【0052】
【発明の効果】本発明による抽出物は、血中コレステロ
ール、トリグリセリド両者を低下させる効果を有すると
ともに、毒性がないので、食品添加剤として使用でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A23L 2/38 A23L 2/00 F Fターム(参考) 4B014 GB06 GB07 GG18 GK12 4B017 LC03 LG15 LL09 LP01 4B018 LB01 LB08 LE03 LE05 MD61 ME04 MF01 MF06 4C088 AB46 AC05 BA06 BA07 BA08 BA09 CA02 CA05 CA08 CA13 MA52 NA14 ZA40 ZA45 ZC33

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィランタス・ニルリー(学名:Phylla
    nthus niruri L.)を有効成分として含有することを特
    徴とする血中脂質量改善剤。
  2. 【請求項2】 フィランタス・ニルリーの葉の部分を有
    効成分として含有することを特徴とする請求項1記載の
    血中脂質量改善剤。
  3. 【請求項3】 フィランタス・ニルリーの有効成分とし
    て、フィランタス・ニルリーの乾燥粉砕物又は搾汁若し
    くは抽出液若しくは抽出液の乾燥物を含有することを特
    徴とする、請求項1若しくは2記載の血中脂質量改善
    剤。
  4. 【請求項4】 フィランタス・ニルリーを30〜80℃
    の水で抽出後、活性炭処理を行ったものを有効成分とし
    て含有することを特徴とする血中脂質量改善剤。
  5. 【請求項5】 フィランタス・ニルリーをメタノール濃
    度10〜60%のメタノール含有水溶液で抽出したもの
    を有効成分として含有することを特徴とする血中脂質量
    改善剤。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れかに記載の血中脂質
    改善性を有する抽出物を含有する食品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002193818A (ja) * 2000-12-22 2002-07-10 Council Scient Ind Res ググリピッドの新規使用法:認知エンハンサー、抗高血糖性の、及び皮膚の状態に関するものとして
JP2013540131A (ja) * 2010-10-04 2013-10-31 コリア インスティチュート オブ オリエンタル メディシン 烏梅抽出物を含有する痴呆(認知症)予防または治療用組成物

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JP2002193818A (ja) * 2000-12-22 2002-07-10 Council Scient Ind Res ググリピッドの新規使用法:認知エンハンサー、抗高血糖性の、及び皮膚の状態に関するものとして
JP2013540131A (ja) * 2010-10-04 2013-10-31 コリア インスティチュート オブ オリエンタル メディシン 烏梅抽出物を含有する痴呆(認知症)予防または治療用組成物

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