JP3503966B2 - 油中水型乳化組成物 - Google Patents
油中水型乳化組成物Info
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Description
関する。即ち、特定の粒径、配合組成を持つセルロース
類及び特定の乳化剤を配合した、安定性に優れ、滑らか
な食感あるいは滑らかな感触のある油中水型乳化組成物
に関する。
および低カロリースプレッドを含むファットスプレッド
類、クリームチーズ、乳化油脂、ショートニング、離型
油、化粧品クリーム、医薬用軟膏剤等で見られる形態で
あるが、安定性が充分でない場合があった。特に最近低
カロリー化の観点から興味を引いているのは、油脂量を
低減させた低脂肪のファットスプレッドであるが、油脂
量を減らした場合の安定性、滑らかさが問題になること
が多い。この問題の解決のために、例えば特開昭62−
232335号公報では澱粉類が、また特開平5−18
4294号公報では、ゼラチン加水分解物を配合するこ
とが提案されているが、低脂肪となったとしても、澱粉
類あるいはゼラチン自身が栄養価を持つため、低カロリ
ー化と言う点では不十分である。また、特開平2−19
0145号公報のスプレッドは熱硬化性たんぱく質を配
合しているが滑らかな口当たりを減少させる傾向があっ
た。
微細セルロースを含有する複合体を用いた食品組成物が
提案され、その中でW/O型(油中水型)エマルジョン
の記載があるが、通常使用される乳化剤では安定なW/
O型エマルジョンは得られなかった。またW/O型エマ
ルジョンでは、複合体を直接油脂中に強制的に分散させ
るとあるが、本発明者らの試験によると、複合体は水中
に分散させたほうが良好な結果を得た。またファットス
プレッドの実施例も記載があるが、本発明者らが追試し
たところ、水中油型乳化物のクリーム状であり、油中水
型乳化のファットスプレッドは得られなかった。
的な安定性に優れ、また滑らかな食感あるいは滑らかな
感触がある油中水型乳化組成物を提供することであり、
さらにファットスプレッド類のように乳化物が固形状の
場合にあっては、組織が滑らかで、伸展性の優れた油中
水型乳化組成物を提供することである。
結果、特定のセルロース類及び特定の乳化剤を配合する
ことにより、経時的な安定性に優れ、また滑らかな感触
がある油中水型乳化組成物が得られることを見いだし
た。即ち、本発明はポリフリセリンエステルを含有し、
セルロース類が分散している油中水型乳化組成物であっ
て、該乳化組成物中のセルロース類分散粒子の平均粒子
径が15μm以下である、経時的な安定性に優れ、また
ザラツキなく滑らかな感触のある油中水型乳化組成物に
関するものであり、さらにファットスプレッド類のよう
に乳化物が見掛が固形状の場合にあっては、組織が滑ら
かで、食感も滑らかで、伸展性の優れた油中水型乳化組
成物に関する。
15μm以下の微細セルロースを含有する水分散体ある
いは、平均粒径15μm以下の微細セルロース30〜9
8重量%、水溶性ガム類及びまたは親水性物質2〜70
重量%から成る複合体であって、水に分散したときの平
均粒径が15μm以下となる水分散性の乾燥した複合体
であることが好ましい。
ルとは、ポリグリセリン脂肪酸エステルあるいはポリグ
リセリン縮合リシノレイン酸エステルをいう。以下、本
発明を詳しく説明する。本発明で言う油中水型乳化組成
物とは、バターあるいはマーガリンあるいは低カロリー
スプレッドを含むファットスプレッド類、クリームチー
ズ、乳化油脂、天板油、ショートニング、離型油、化粧
品クリーム、医薬用軟膏剤等の形態で知られる、水と実
質的に混和しない油成分を連続相とし、その中に水相が
微小球となって分散したものを言う。また、本発明の油
中水型乳化組成物には、その水球の中に更に油球が乳化
されて含まれる多重型乳化物や、見掛上は水中油型乳化
物であっても油球の中に更に水球が乳化されて含まれる
多重型乳化物も含まれる。ここで言うファットスプレッ
ド類とは、パンに塗ったり料理に使ういわゆるバター、
マーガリン様の組成物であるが、その油と水の重量比率
が10/90〜90/10の範囲のものを言う。
により適宜選択されるが、バターに代表される乳脂、豚
脂等の動物性油脂、ヤシ油、パーム油等の固体植物性油
脂、大豆油、菜種油、綿実油、コーン油等の液体植物性
油脂、それらの硬化油、水に不溶性の炭化水素類等の溶
剤類等が含まれる。油と水の重量比は10/90〜90
/10である。この範囲を超えると油中水型乳化物が安
定とはならない。好ましくは30/70〜70/30で
ある。
中で、固形分として0.1〜20重量%であることが好
ましい。配合量が0.1重量%未満では安定性の良い、
組織・伸展性の良好な油中水型乳化組成物はできない。
また、20重量%を超えると、混合時の粘度が高くなり
すぎ充分な乳化ができない。特に好ましくは、1〜15
重量%である。
物中の油に対して、0.05〜20重量%であることが
好ましい。配合量が0.05重量%未満では安定性の良
い油中水型乳化組成物はできない。また、20重量%を
超えると風味の点で好ましくなくなる。特に好ましく
は、0.2〜10重量%である。更に好ましくは、0.
3〜5重量%である。
ンパク質、澱粉類、糖類、ガム類、有機酸およびその
塩、着色料、香料、保存料等の添加剤を必要に応じて加
えるのは自由である。ここでいう微細セルロースを含有
する水分散体は、酸加水分解等により解重合処理したセ
ルロース系素材に機械的なシアーをかけ湿式磨砕するこ
とにより得られ、平均粒径15μm以下の微細セルロー
スを含有する。乳化安定性の指標となるコロイド分画は
50%以上で、固形分濃度が0.1〜20重量%の水分
散体であることが好ましい。
プ、精製リンター等を酸加水分解、アルカリ酸化分解、
爆砕、酵素分解等により解重合処理し、次いでビーズミ
ル等のミル類、ニーダー、エクストルーダー等の混練磨
砕機、高圧ホモジナイザー等の乳化機等により機械的な
シアーをかけ湿式磨砕することにより得られる。解重合
処理後に乾燥していてもかまわない。平均粒径が小さい
ほど乳化組成物の安定性や食感に与える効果は高く、平
均粒径が15μmを超えるとザラツキ感が生じたり、乳
化安定性が不十分となるため好ましくない。特に好まし
くは8μm以下であって、コロイド分画は65%以上で
ある。更に好ましくは4μm以下である。水分散体の濃
度は0.1〜20重量%であることが好ましい。濃度が
0.1重量%以下では微細セルロース類の添加量を上げ
ることができず、水相の粘度を上げることができないた
め乳化組成物の安定性が不十分となるため好ましくな
い。また、濃度が20重量%を超えると機械的なシアー
による湿式磨砕ができないため、微細セルロースの平均
粒径を15μm以下とできないので好ましくない。特に
好ましくは、1〜15重量%である。
の形態で配合しようとすれば、前記の微細セルロースを
含有する水分散体をそのまま乾燥しただけでは、再分散
性が劣るため機能を発揮しない。本発明で言う微細セル
ロースの乾燥した複合体は、固形分比で微細セルロース
30〜98重量%、水溶性ガム類、親水性物質2〜70
重量%から成り、水に分散したときの平均粒径が15μ
m以下となる水分散性の乾燥した複合体であることが好
ましい。水溶性ガム類は、微細化セルロースの水中への
分散を迅速に行わせると共に、セルロースの分散安定性
を更に高め、かつ保護コロイドとしての機能を果たすこ
とにより、コロイド分画の向上に寄与する。また、親水
性物質は、自身が水中で迅速に溶解することにより、セ
ルロースの水中への分散を促進する効果がある。
親水性物質の合計は2〜70重量%である。水溶性ガム
類及びまたは親水性物質の合計が2重量%未満の場合
は、水の存在下での微細セルロースの乾燥複合体の分散
が不十分となり、70重量%を超えた場合はセルロース
含量の低下に伴い所期の効果が低下する。水溶性ガム類
及びまたは親水性物質の種類に依って多少異なるが、好
ましくは微細セルロース50〜90重量%、水溶性ガム
類及びまたは親水性物質10〜50重量%である。
粒径が8μm以下であって、コロイド分画が65%以上
であることが好ましい。更に好ましくは、平均粒径が4
μm以下であって、コロイド分画が80%以上であるこ
とがより好ましい。この水分散性の微細セルロースの乾
燥した複合体は、磨砕して得た微細セルロースに水溶性
ガム類及びまたは親水性物質を分散し均質なスラリーと
なし、これを乾燥することによって得られる。乾燥方法
として好ましい方法は、噴霧乾燥、凍結乾燥であるが、
特に好ましくは、ドラム乾燥機のようにスラリーを流延
してフィルム状で乾燥する方法である。微細セルロース
の乾燥した複合体の水分率は2〜20%であることが好
ましい。特に好ましくは、水分率2〜10%である。
ースとの相溶性が良好な水溶性のガム類であり、ローカ
ストビーンガム、グアーガム、タマリンドガム、クイン
スシードガム、カラヤガム、アラビアガム、トラガント
ガム、ガッティーガム、アラビノガラクタン、寒天、カ
ラギーナン、アルギン酸及びその塩、ファーセレラン、
ペクチン、マルメロ、キサンタンガム、カードラン、プ
ルラン、デキストラン、ジェランガム、ゼラチン、カル
ボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース誘導
体等である。2種以上組み合わせてもかまわない。
性を殆どもたらさない、25℃で固体状の有機物であ
り、澱粉加水分解物、デキストリン類、蔗糖、ブドウ
糖、果糖、乳糖、麦芽糖、異性化糖、カップリングシュ
ガー、パラチノース、ネオシュガー、マンニトール、還
元澱粉糖化飴、マルトース、キシロース、キシリトー
ル、ラクツロース、ポリデキストロース等の水溶性糖
類、マルチトール、マンニット、ソルビット等の糖アル
コール類、ソルボース等があげられる。2種以上組み合
わせてもかまわない。
化することによって、水の存在化での微細セルロースの
乾燥した複合体の分散を迅速に行わせることができる。
微細セルロースの乾燥した複合体の分散を妨げない程度
に他の成分を配合することは自由である。ポリグリセリ
ンエステルは、ポリグリセリン脂肪酸エステルあるいは
ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルをいう。こ
れらを組み合わせて使用してもかまわない。
ン重合度は2〜10であって、脂肪酸としては炭素数が
6〜24の飽和または不飽和の、脂肪酸であることが好
ましい。炭素数は12〜18であることが特に好まし
い。また、エステル化度は1〜10程度であるが、特に
4〜10が好ましい。ポリグリセリン縮合リシノレイン
酸エステルはグリセリン重合度が2〜10であって、リ
シノレイン酸を2〜10個、好ましくは3〜5個縮合し
たポリリシノレイン酸がポリグリセリンと結合したもの
である。
リセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビ
タン脂肪酸エステル等を併用してもかまわない。特にレ
シチンを組み合わせた場合、さらに乳化物の安定性が向
上する場合があり、好ましい。但し、もちろん他の乳化
剤だけでは安定性の良い油中水型乳化組成物はできない
し、全乳化剤中でポリグリセリンエステルの比率は20
%以上あることが好ましい。特に好ましくは50%以上
である。
べる。セルロース類が水分散体であるときは、必要であ
れば乳化剤あるいは他の添加剤あるいは水を加えて、ま
ず水相を作る。別に、油中にポリグリセリンエステルを
溶解させ、必要で有れば他の乳化剤あるいは添加剤を加
えて油相とする。ポリグリセリンエステルは水相で分散
させても良いが、油相で分散させるほうが効果的であ
る。これらを作成する場合は、プロペラ撹拌のような弱
い撹拌でも、ホモミキサーのような強い撹拌でもかまわ
ない。また、油の融点が常温以上である場合には加温が
必要であるが、そうでない場合も必要に応じて加温す
る。次に油相をホモミキサーのような強い撹拌を行いな
がら、水相を加えていき、全量添加後更にしばらく撹拌
して乳化を行い、油中水型乳化物とする。乳化機として
は、例えば、高速ミキサー、ホモミキサー等の各種ミキ
サー、コロイドミル、ビーズミル、ディスパミル等のミ
ル類、高圧ホモジナイザー及びマイクロフルイダイザ
ー、ナノマイザー等の超高圧ホモジナイザーに代表され
る分散、乳化機が挙げられる。2種以上の乳化機を組み
合わせて使用してもかまわない。また、加温しながら行
ったほうが乳化は容易である。ファットスプレッドのよ
うに組成物が固形状となる物は、さらにプラネタリーミ
キサーのような混練機で混練しながら冷却し、組織を固
化させると良い。水相と油相を別個に作らず、全量を混
合した後、すぐに乳化操作を行っても良いが、別個に作
ったほうが組織の良好な乳化物となり易く好ましい。
体である場合は、複合体を予め水に分散して水相とする
ほうが良い。分散機としては、上記の乳化機のような強
い分散力を持つ機種以外に、プロペラ撹拌機のような弱
い分散力の機種でも使用可能である。油中であるいは水
と油の混合物に複合体を分散させても油中水型乳化物に
できるが、予め水に分散するほうが複合体の再分散は容
易であり好ましい。後の工程は、セルロース類の水分散
体を用いる場合と同様である。
す。 <コロイド分画> (1)サンプルを固形分で0.75gを、蒸留水を入れ
たエースホモジナイザー(日本精機製AM−7)に入れ
全量を300gとする。 (2)15000rpmで5分間分散する。(但し、微
細セルロースの水分散体にあっては、上記の分散操作は
不要であるが、濃度調整を行う。) (3)分散液10mlを正確に秤量瓶にとり重量を精秤
する。
0rpmで15分間遠心分離する。(国産遠心器製H−
300)その上澄み液10mlを正確に秤量瓶にとり重
量を精秤する。 (5) (3)、(4)の秤量瓶を105℃の乾燥器で
10時間乾固する。 (6) (3)の固形分重量を精秤する。Ag (7) (4)の固形分重量を精秤する。Bg (8)水溶性成分(水溶性ガムと親水性物質の合計)の
補正を行う。
(1−S/100))×100 <平均粒径> (1)サンプルを固形分で3.0gを、蒸留水を入れた
エースホモジナイザーに入れ全量を300gとする。
る。 (3)堀場レーザー回折式粒度分布測定装置(LA−5
00)を用いて粒度分布を測定する。平均粒径は積算体
積50%の粒径である。(但し、微細セルロースの水分
散体にあっては、上記の分散操作は不要) <複合体の水分率>複合体を約3.0g計りとり、赤外
線水分計(株式会社ケツト科学研究所製FD−220)
にて乾燥温度105℃で、20分乾燥したときの乾燥減
量を水分率(%)とする。
g計りとり、赤外線水分計(株式会社ケツト科学研究所
製FD−220)にて乾燥温度105℃で、30分乾燥
したときの水分率(C%)を測定する。 固形分濃度(%)=100−C
に説明する。
105℃20分間加水分解して得られた酸不溶性残渣を
濾過、洗浄した後、固形分10%のセルロース分散液を
調製した。このセルロース分散液を媒体撹拌湿式粉砕装
置(コトブキ技研工業株式会社製アペックスミル,AM
−1型)で、媒体として直径1mmのジルコニアビーズ
を用いて、撹拌翼回転数1800rpm、セルロース分
散液供給量0.4l/minの条件で2回通過で粉砕処
理を行い、水分散体であるセルロースAを得た。セルロ
ースAの平均粒径は3.1μmで、コロイド分画は73
%であった。
エステル(旭電化製)5gを溶解させた。セルロースA
80g、ゼラチン2gを加温溶解させた水100gを添
加し、エースホモジナイザー(日本精機製作所製)を用
い、10000rpmで10分間撹拌したあと、高圧ホ
モジナイザーで150kg/cm2で1パスして乳化した後、
冷蔵庫に入れ、ファットスプレッドタイプの油中水型乳
化組成物を得た。
感がなく、滑らかな食感であった。
ム、マルトデキストリンを配合組成がそれぞれ固形分比
で75/5/20とした総固形分濃度が10%の分散液
を調製した。この分散液をアプリケーターにより厚さ3
mmでアルミニウム板上にキャストし、熱風乾燥機で8
0℃60分間乾燥してフィルムを得た。このフィルムを
フラッシュミルで粉砕して複合体であるセルロースBを
得た。セルロースBの水分率は4.5%で、水に分散し
た時の平均粒径は3.5μmで、コロイド分画は92%
であった。
0℃の温水を用いて全量250gとし、フードカッター
(ナショナル製)で15分間分散した後、45℃水浴に
放置し、水相とした。別に、45℃水浴でバター(雪印
乳業製、油分比率約8割)250gを溶解した後、ポリ
グリセリン縮合リシノレイン酸エステル3.5g(太陽
化学製)および大豆レシチン0.5gを添加し、TKホ
モミキサー(特殊機化工業製)5000rpmで撹拌し
て、油相とした。次に油相を45℃水浴中でTKホモミ
キサー10000rpmで撹拌しながら、水相を順次添
加し、さらに10分間撹拌し、乳化した。油中水型乳化
物をプラネタリーミキサー(三英製作所製)を使用し
て、ボウルを氷水で冷却しながらフック型パドルを用い
て10分間混練して、バターを半分含んだ低カロリーの
ファットスプレッドタイプの油中水型乳化組成物を得
た。これを容器にいれ、冷蔵庫で1日放置した。
態を観察すると、表面のきめは細かく組織良好で、パン
に塗ると非常に良く伸び、伸展性に優れていた。また、
舌に乗せ転がしたときの伸び具合も良く、ザラツキはな
かった。30℃において24時間放置したとき、ダレは
見られたものの乳化の破壊は見られなかった。
中で105℃15分間加水分解して得られた酸不溶性残
渣を濾過、洗浄した後、流動層乾燥機(フロイント産業
株式会社製FL−90)で入口温度80℃で乾燥した。
その後バンタムミル(不二パウダル製)で粉砕しセルロ
ース結晶子集合体を得た。このセルロース結晶子集合体
の平均粒径は25μmであった。このセルロース結晶子
集合体を固形分13%の分散液とし、ゴーリンホモジナ
イザー(日本精機製作所製5M)を使用し、圧力550
kg/cm2 で4パス処理し、平均粒径7.0μm、コ
ロイド分画65%の水分散体であるセルロースCを得
た。
ロースC80gを混合した後、45℃水浴に放置して、
水相とした。バターの量を150gとする以外は、以降
の操作を実施例2と同様に行い、油中水型乳化組成物を
得た。この組成物を冷蔵庫から取り出し、観察したとこ
ろ、実施例2と同様の効果が見られた。
ルセルロースナトリウムを固形分比90/10とした総
固形分濃度10%の分散液を調製した。次に、ドラムド
ライヤー(株式会社楠木機械製作所製KDD−1型)
で、蒸気圧1.8kg/cm2、回転数1.5rpmで
乾燥した。次に乾燥物をフラッシュミルで粉砕して複合
体であるセルロースDを得た。セルロースDの水分率は
6.5%で、水に分散した時の平均粒径は6.8μm
で、コロイド分画は75%であった。
操作を行い、油中水型乳化組成物を得た。この組成物を
冷蔵庫から取り出し、観察したところ、実施例2と同様
の効果が見られた。
モミキサー10000rpmで5分間撹拌し、分散させ
た後、60℃に保つ。別に流動パラフィン200g、ワ
セリン50g、ミツロウ20g,ポリグリセリン縮合リ
シノレイン酸エステル5g、パラオキシ安息香酸エチル
0.2g、ベンジルアルコール2gから成る油相を60
℃に加温した溶解した後、TKホモミキサーを用いて1
0000rpmで撹拌しながら、水相を加えて、さらに
20分間撹拌し乳化したあと冷却して、油中水型乳化し
た化粧品用コールドクリームを得た。
く、また肌に塗ったときの伸びも良く、ザラツキがなか
った。
ロース結晶子集合体を、セルロースBの替わりに用い
て、実施例2と同様の操作で、ファットスプレッドタイ
プの油中水型乳化組成物を得た。これを容器にいれ、冷
蔵庫で1日放置した。この組成物を冷蔵庫から取り出
し、表面状態を観察すると、表面のきめが粗く、パンに
塗った時の伸びも悪く、伸展性に劣っていた。また、舌
に乗せなめたところ、ザラツキが感じられた。
ン酸エステルの替わりに、ステアリン酸モノグリセリド
(花王製)あるいは蔗糖脂肪酸エステル(第一工業製薬
製)を用いて、油中水型乳化組成物の作成をそれぞれ試
みた。しかし、ステアリン酸モノグリセリドの場合、3
0℃で放置してしばらくすると油の分離がみられ、安定
な乳化物と成らなかった。蔗糖脂肪酸エステルの場合
は、不安定な状態の水中油型乳化物になってしまい、フ
ァットスプレッドはできなかった。
Bに準じた方法でファットスプレッド作成を試みた。即
ち、油脂100g,モノグリセライド0.5g、色素、
香料各0.25gを70℃で加熱撹拌した。別に、塩
6.5g、脱脂粉乳14.5g、セルロースBの12.
5%水懸濁液378gを70℃で加熱撹拌した。水相に
油相を入れ70℃で10分間撹拌した。更に冷却しなが
ら撹拌し、粘りが出たら、成形し冷蔵庫に入れた。
り、油中水型乳化していなかった。
ロース類とポリグリセリンエステルを併用することによ
り、経時的な安定性に優れ、またザラツキ感無く、滑ら
かな感触の油中水型乳化組成物が製造でき、さらにファ
ットスプレッド類にあっては、表面のきめが細かく組織
良好で、パンに塗ると非常に良く伸び、伸展性の優れた
油中水型乳化組成物が得られる。また油中水型乳化物と
することで、油量を低減することが可能で、低カロリー
なスプレッドとなる。また、セルロース類は生体に吸収
されないので、食物繊維としての整腸作用等の生理機能
も期待される。
Claims (5)
- 【請求項1】 ポリグリセリンエステルを含有し、セル
ロース類が分散している油中水型乳化組成物であって、
該乳化組成物中のセルロース類分散粒子の平均粒子径が
15μm以下であることを特徴とする油中水型乳化組成
物。 - 【請求項2】 セルロース類が、平均粒径が15μm以
下である微細セルロースから成る水分散体であることを
特徴とする請求項1記載の油中水型乳化組成物。 - 【請求項3】 セルロース類が、微細セルロース30〜
98重量%、水溶性ガム類及びまたは親水性物質2〜7
0重量%から成り、水に分散したときの平均粒径が15
μm以下となる水分散性の乾燥した複合体であることを
特徴とする請求項1記載の油中水型乳化組成物。 - 【請求項4】 ポリグリセリンエステルがポリグリセリ
ン脂肪酸エステルあるいはポリグリセリン縮合リシノレ
イン酸エステルであることを特徴とする請求項1ないし
3のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。 - 【請求項5】 油中水型乳化組成物がファットスプレッ
ド類であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれ
かに記載の油中水型乳化組成物。
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JP25297593A JP3503966B2 (ja) | 1993-10-08 | 1993-10-08 | 油中水型乳化組成物 |
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JPH07107906A JPH07107906A (ja) | 1995-04-25 |
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