JP3503963B2 - 燃料噴射装置 - Google Patents

燃料噴射装置

Info

Publication number
JP3503963B2
JP3503963B2 JP22453793A JP22453793A JP3503963B2 JP 3503963 B2 JP3503963 B2 JP 3503963B2 JP 22453793 A JP22453793 A JP 22453793A JP 22453793 A JP22453793 A JP 22453793A JP 3503963 B2 JP3503963 B2 JP 3503963B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
fuel
intake
spray
fuel injection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP22453793A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0777139A (ja
Inventor
賢治 金原
猪頭  敏彦
郁男 渡辺
正則 岡田
純一 松平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Soken Inc
Original Assignee
Nippon Soken Inc
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Soken Inc, Toyota Motor Corp filed Critical Nippon Soken Inc
Priority to JP22453793A priority Critical patent/JP3503963B2/ja
Priority to US08/300,553 priority patent/US5501194A/en
Publication of JPH0777139A publication Critical patent/JPH0777139A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3503963B2 publication Critical patent/JP3503963B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M69/00Low-pressure fuel-injection apparatus ; Apparatus with both continuous and intermittent injection; Apparatus injecting different types of fuel
    • F02M69/04Injectors peculiar thereto
    • F02M69/042Positioning of injectors with respect to engine, e.g. in the air intake conduit
    • F02M69/044Positioning of injectors with respect to engine, e.g. in the air intake conduit for injecting into the intake conduit downstream of an air throttle valve

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の吸気ポート
内における特に吸気弁の背面に向かって燃料を噴射する
燃料噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明と対比すべき従来例(比較例)を
図3及び図4に示す。これらの図において1は吸気弁、
2は吸気弁のステム、3は吸気弁のバルブフェイスであ
って、バルブフェイス3は円錐形の表面をなしており、
研磨仕上げが施されている。4は吸気管の末端部分(吸
気ポート)を示しており、その一部に形成された窪みに
噴口6を臨ませるようにして燃料噴射弁5が取り付けら
れている。図3及び図4から明らかなように、従来は、
吸気弁1の背面に形成された回転面状の曲面からなる傘
部の一部Aを「噴霧狙い位置」として、燃料噴射弁5か
ら噴射される燃料噴霧が位置Aに向かって真正面から垂
直に衝突するように、燃料噴射弁5とその噴口6の方向
が定められるのが普通であった。なお、7は燃料噴霧の
中心線、8は吸気管4の上流側部分に設けられるスロッ
トル弁を示している。
【0003】前述のように従来の燃料噴射装置において
は、「噴霧狙い位置」を吸気弁の傘部1a上のAのよう
な部分に定めていたので、位置Aに立てた法線に対する
燃料噴霧の中心線7の入射角は略0度となっており、燃
料噴霧の中心線7が傘部1aの表面と交わる角度θは図
4に示すように略90度となっている。つまり、燃料噴
霧の中心線7は位置Aにおける法線と略一致している。
そのため、吸気弁1の位置Aに衝突した燃料噴霧は、図
3及び図4にWとして図示したような、傘部1aの一部
を含む吸気弁1の背面に付着してその周囲に拡がると共
に、燃料噴霧の一部は飛散して吸気管4の内表面にも付
着する。そしてそれらの表面に付着した燃料はそれぞれ
の面上に液膜を形成する。
【0004】ところが、吸気弁1が開弁して吸気管4内
に吸気の流れが生じたときでも、傘部1aの付近や吸気
管4の内表面では吸気の流速が比較的低いので、傘部1
a等に付着して液膜を形成している燃料の一部は蒸発が
遅れて、蒸発しないまま吸気管4内に残留する。吸気管
4内に液膜として残った部分以外の燃料はバルブフェイ
ス3の一部分まで流下し、吸気弁1が開弁したときに機
関の燃焼室内へ流入するが、噴射量が多くなる機関の始
動時や、冷間加速時等においては、バルブフェイス3の
3分の1程の狭い範囲に燃料が溜まることになるため、
開弁した吸気弁1から燃焼室内に流入するときも燃料が
液膜状になっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の燃料噴射装置に
おいては、このようにして吸気管4内の比較的広範囲に
液膜が形成されるため、燃料噴射弁5から噴射された燃
料の全量が直ちに機関の燃焼室内に供給されないので、
それが燃料噴射制御に対する応答性を低下させる原因に
なり、また、機関の運転状態によっては燃焼室内に流入
する燃料までが液膜状になっているために、燃焼室内に
おける燃料の気化状態が不完全になって燃焼状態が悪化
する。従って、それらの原因によって始動不良や加速の
不円滑などの好ましくない状態を生じたり、吸気管4内
に付着して残留している燃料の液膜が減速時に蒸発し
て、燃焼室内の空燃比がオーバーリッチとなり、HCや
COのような排気エミッションの増加を招くことがあ
る。
【0006】本発明は、従来の内燃機関における燃料噴
射装置に見られる上述のような問題を簡単な手段によっ
て解決し、とりわけ始動時や冷間加速時において、吸気
弁の傘部や吸気ポートの内面に多量に付着して液膜を形
成する燃料の量を低減することができる燃料噴射装置を
提供することを、発明の目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明においては、燃
噴射弁の噴口から噴射される燃料噴霧の中心線が、吸気
弁の背面のうちでもステムの左右いずれか一方に偏った
側の噴霧狙い位置に対して、45度以上で、且つ90度
未満という大きな入射角をもって交わるように設定する
ことにより、吸気弁のバルブフェイスとそれに対面する
バルブシート面との間に形成される環状の溝のような隙
間(バルブシートクリアランス)に燃料噴霧が導入され
るようにして、そのバルブシートクリアランス内で、燃
料噴霧がそれに沿って環状に、且つ一方向に旋回するこ
とができるようにする。
【0008】また場合によっては、バルブシートクリア
ランス内における燃料噴霧の旋回流と同じ方向に、吸気
流の一部をバイパスさせてバルブシートクリアランスの
付近へ接線方向に噴出させることにより、バルブシート
クリアランス内に形成されている燃料噴霧の旋回流を強
める。更に、本発明の効果を高めるために、バルブシー
トクリアランスの容積を燃料噴射弁の1回の最大噴射量
よりも大きくし、必要に応じて1.5〜3倍程度の大き
さにする。そして、いずれの場合においても、燃料噴霧
が実質的に吸気管の内壁面に衝突することがないよう
に、燃料噴射弁の噴口の噴霧広がり角を設定する。
【0009】
【作用】料噴射弁から噴射される燃料噴霧は、その中
心線がステムの左右いずれかの側に偏っており、しかも
吸気弁の背面の傘部表面に対する中心線の入射角が45
度以上というように大きく、換言すれば中心線と吸気弁
の傘部表面との間の角度が小さいため、燃料噴霧が傘部
表面に接触した時に吸気管の内壁面等へ飛散する量が少
なく、燃料噴霧の殆ど全部が傘部表面に沿って環状の溝
のようなバルブシートクリアランスに流入し、バルブシ
ートクリアランスの中で一方向に旋回する環状の流れを
形成する。バイパスされた吸気流がその流れと同じ方向
に供給される場合には、バルブシートクリアランス内に
おける燃料噴霧の旋回流は更に強められるし、バルブシ
ートクリアランスの容積が燃料噴射弁の1回の最大噴射
量の1.5〜3倍程度の十分な大きさを有する場合に
は、一旦流入した燃料噴霧がバルブシートクリアランス
の外へ流出することが少なくなる。
【0010】吸気弁が開弁したとき、バルブシート付近
の吸気の流速は同じ吸気弁の傘部表面の吸気の流速に比
べて高くなるため、バルブシートクリアランス内を旋回
していた燃料噴霧は、傘部等に液膜状に付着していた燃
料よりも容易に蒸発し、吸気管内に液膜として残留する
燃料の量がきわめて少なくなる。しかも、燃料噴霧がバ
ルブシートクリアランス内で旋回することによって、バ
ルブシートクリアランスの全域に燃料噴霧が行き渡って
いるので、吸気弁が開弁したときに燃料噴霧は吸気流に
乗って燃焼室の中へ均一に拡散することができる。ま
た、バルブフェイス及びそれに接触するバルブシート面
は吸気弁の密封性を良くするために研磨されており、デ
ポジットが付着し難くなっているので、たとえ僅かな量
のデポジットが形成されている場合であっても、それに
吸収される燃料噴霧の量は無視し得る程少ない。
【0011】
【実施例】本発明の第1実施例を図1及び図2に示す。
図1は多気筒内燃機関の1個の気筒を示したもので、前
述の従来例と同様に1は吸気弁、1aはその傘部、2は
吸気弁1のステム、同じく3はバルブフェイス、4は末
端部の吸気管、5は燃料噴射弁、6はその噴口、7は噴
射される燃料噴霧の中心線、更に8はスロットル弁を示
している。しかしながら、図1に示されている第1実施
例の内燃機関の構造部分の殆どは本発明の特徴とする点
ではなく、それらは通常の内燃機関におけるものと同様
なものであるが、次にそれらについても一応説明する。
【0012】従来の内燃機関と同様の構造として、シリ
ンダブロック9上にはガスケット10を介してシリンダ
ヘッド11が固定されると共に、シリンダヘッド11の
内部に前述の吸気管4が形成されている。また、吸気管
4の開口端には環状のバルブシート12が鋳込みや圧入
等の方法で取り付けられており、閉弁状態においてはそ
のバルブシート面12’に吸気弁1のバルブフェイス3
の外周縁が環状に密着して、吸気管4内と燃焼室との間
を遮断する。吸入行程以外の行程において吸気弁1の閉
弁状態を維持するために、シリンダヘッド11に圧入し
て固定されている円筒形のバルブガイド13には吸気弁
1のステム2が挿通され、ステム2の先端にはリテーナ
14が取り付けられていて、リテーナ14とシリンダヘ
ッド11との間には圧縮されたバルブスプリング15が
装着されている。
【0013】図1及び図2に示した第1実施例の燃料噴
射装置が、図3及び図4に示した従来例と異なる主な点
は噴霧狙い位置が異なっていることで、従来例のように
燃料噴霧の中心線7に対して略垂直となる(入射角が0
となる)吸気弁の傘部1aにおけるAのような真正面の
部分を噴霧狙い位置としないで、燃料噴霧の中心線7の
先端をステム2の右側又は左側の一方に偏らせることに
より、吸気弁の傘部1aの表面に対する入射角を45度
以上というように非常に大きくしていることである。こ
の点に関して、燃料噴霧の中心線7を噴口6の側から見
て、例えばステム2の右側にシフトさせた第1実施例の
場合について、図2を参照しながら詳細に説明する。
【0014】第1実施例に使用されている燃料噴射弁5
の噴口6は単孔であり、それによって発生する燃料噴霧
の形状は所謂ペンシルストリーム状であるが、図2のよ
うな吸気弁1の平面図において、噴口6の中心から伸び
て第1の接点20においてステム2の外周円2aと接す
る第1の接線21を考えると共に、同じ噴口6の中心か
ら伸びて第2の接点30においてバルブフェイス3の内
周円3aに接する第2の接線31とを考え、燃料噴霧の
中心線7がこれらの接線21及び31の間にあるよう
に、燃料噴射弁5の噴口6の方向を設定する。換言すれ
ば、第1実施例では噴霧狙い位置を、燃料噴射弁5から
見て吸気弁1の傘部1aの右側の、図2に斜線によって
示した領域Bの中から選ぶということである。なお、位
置の選定に当たっては、吸気弁の傘部1aの表面上で仮
選定された噴霧狙い位置に対して、燃料噴霧の中心線7
が45度以上の大きな入射角をもって交わるかどうかを
確認するのがよい。また、このような斜線領域Bは、燃
料噴射弁5から見てステム2の左側に偏った部分に考え
てもよい。
【0015】斜線領域Bに属する部分の中でも噴霧狙い
位置として特に望ましい位置は、接点20と接点30と
を結ぶ直線23の中点25と、噴口6の中心とを結ぶ直
線上にあるので、図2では、燃料噴霧の中心線7をこの
直線上に重なるように描いている。そして、噴霧狙い位
置は、この直線上でも特に燃料噴射弁5から見て中点2
5よりも遠い位置にある方が良いので、結局、最も望ま
しい噴霧狙い位置は、図2に示した中点25から、その
前方のバルブフェイス3の内周円3a上の点27までの
範囲にあると言える。実用的には、2つの接点20及び
30と点27を頂点とする三角形の領域内に噴霧狙い位
置を定めるのが良い。このような好適範囲がステム2の
反対側にもあることは言うまでもない。
【0016】いずれも研磨仕上げを施されている吸気弁
1のバルブフェイス3とシリンダヘッド11側のバルブ
シート面12’とは、約30度の角度をもって接触する
ようになっているので、吸気弁1の閉弁状態においては
それら2つの面3及び12’の間には、断面が三角形状
で全体が環状の溝のような空間としてのバルブシートク
リアランス16が形成されるが、前述のようにして噴霧
狙い位置を選定した第1実施例の場合には、燃料噴射弁
5の噴口6から噴射された燃料噴霧は、大部分がバルブ
シートクリアランス16内に流入する。そして、燃料噴
霧の中心線7が吸気弁1のステム2の右側(又は左側)
に偏っていることから、流入した燃料噴霧はバルブシー
トクリアランス16の溝に沿って左回り(又は右回り)
に旋回しながら滞留することになる。その間に燃料噴霧
が吸気弁1のうちでも最も高温になっているバルブフェ
イス3と、シリンダヘッド11側のバルブシート面1
2’とを一様に冷却することによって、それらの部分を
熱の害から保護すると共に、燃料噴霧自身は熱を吸収し
てその一部が蒸発する。
【0017】そして、吸気弁1が開弁すると、バルブシ
ートクリアランス16内で旋回しながら滞留していた燃
料噴霧は、吸気流に乗って至近の位置から燃焼室内に流
入する。従って、噴射された燃料のうちで吸気弁1の傘
部1aを含む吸気管4内の表面に付着して蒸発し難い液
膜を形成する量(ウエット量)が少なくなり、燃料噴射
弁5から噴射された燃料噴霧の殆ど全量が、吸気弁1の
開弁と略同時に遅滞なく燃焼室内に流入するので、燃料
噴射制御に対する応答性が向上する。また、燃料噴霧が
吸気弁1の閉弁時にバルブシートクリアランス16内で
旋回しているのと、高温のバルブフェイス3とバルブシ
ート面12’に触れて、バルブシートクリアランス16
内で蒸発する燃料噴霧の量が多いことから、第1実施例
によれば燃焼室内における気化状態も良好で、優れた燃
焼状態が得られる。その結果、機関の始動性、加速性、
燃費の向上が可能となり、減速時に空燃比がオーバーリ
ッチとなることも防止することができるので、HCやC
Oのエミッション量も減少することになる。
【0018】図5に、図1及び図2に示した本発明の第
1実施例と、比較例として図3及び図4に示した従来例
を含めて、噴霧狙い位置をステム2の右側のいろいろな
位置に移動させた場合における吸気管ウエット割合、即
ち、吸気管内残留燃料量の実測値をそのときの噴射量の
実測値によって除した値の百分率(%)を示す。
【0019】図5から明らかなように、噴霧狙い位置が
A付近にある従来例では60〜70%であった吸気管ウ
エット割合が、本発明の第1実施例に従えば50〜30
%のように低減すること、及び噴霧狙い位置を噴口6か
ら最も遠い点27に近づけるほど、また、燃料噴霧の中
心線7を中点25と噴口6とを結ぶ直線に近づけるほど
ウエット割合が減少している。従って、点27が第1実
施例において最も望ましい噴霧狙い位置であるというこ
とができる。
【0020】比較例の場合は、吸気弁1のデポジットが
付着し易い位置Aを噴霧狙い位置としているので、付着
したデポジットに燃料噴霧が衝突すると、燃料噴霧がデ
ポジットに吸収されて保持されるだけでなく、燃料噴霧
がデポジットによって乱反射されて広範囲に飛散するた
め、吸気管ウエット割合が10%程度増加する。これに
対して、第1実施例の場合は、図6に網目の領域W’と
して示したように、燃料噴霧が付着して形成される液膜
の範囲が狭く、比較例の液膜Wの範囲に比べて2分の1
程度であり、燃料噴霧の殆どが流入するバルブシートク
リアランス16は、バルブフェイス3とバルブシート面
12’に研磨加工が施されていること、通過する吸気の
流速が高いこと、吸気弁1に回転が与えられていること
等から吸気弁の傘部1aに比して堆積するデポジットの
量がきわめて少ないので、デポジットに吸収される燃料
の量も少ない。なお、図6において斜線で示した領域
は、バルブシートクリアランス16内を旋回しながら拡
散しつつある燃料噴霧を示したものである。
【0021】図7は、同じ運転条件における実験によっ
て観測された第1実施例と比較例の各機関における吸気
管ウエット割合の大きさを比較して示したもので、それ
ぞれの棒グラフの先端の斜線部分は、デポジットの付着
による吸気管ウエット割合の増加分を示している。第1
実施例の場合は比較例の場合に比べてデポジットによる
吸気管ウエット割合の増加分が2分1程度という実験結
果が得られているが、これは前項で述べたような理由に
よるものである。
【0022】第1実施例においては、燃料噴射弁5から
噴射された燃料噴霧のうちできるだけ多くの部分を、バ
ルブシートクリアランス16内に受け入れることを図っ
ているが、バルブシートクリアランス16の容積が小さ
い場合には、一旦流入した燃料噴霧が傘部1aの方へオ
ーバーフローし、それによって燃焼室への流入の状況も
変わってくる。しかしながら、容積があまりに大きい
と、バルブシートクリアランス16の一部のみに燃料噴
霧が集中すると共に、十分な強さの旋回流も得られない
ので、燃料噴霧がバルブシートクリアランス16の全域
に均等に行き渡らない。その結果、運転条件によって、
液膜として燃焼室内に流入する燃料の割合が増加し、燃
焼室内の燃料と空気の混合気の濃度が不均一となる。そ
こで、第1実施例の場合は、実験結果に基づいてバルブ
シートクリアランス16の容積を機関の最大燃料噴射量
の1.5〜3倍の範囲に定めている。
【0023】図8に本発明の第2実施例を示す。この例
では、第1実施例と同様な構造に加えて、吸気管4のス
ロットル弁8の上流側の位置から分岐してスロットル弁
8をバイパスする空気通路17を設けて、その末端をバ
ルブシート12内に噴出孔18として開口させている。
この場合は、噴出孔18が環状の溝であるバルブシート
クリアランス16に対して接線方向に開口しており、接
線方向に噴出するバイパス吸気流によってバルブシート
クリアランス16内の燃料噴霧の旋回流が強められるよ
うになっている。
【0024】第2実施例によれば、燃料噴射弁5の取り
付け位置によって決まる燃料噴霧の中心線7の方向、及
び噴霧狙い位置が、仮に第1実施例において説明した最
適のものを選択することができない場合であっても、噴
出孔18から噴出する空気の作用によって、吸気弁の傘
部1aに付着しようとする燃料噴霧をバルブシートクリ
アランス16内へ誘導すると共に、クリアランス16内
の燃料噴霧の旋回流を強めることができる。従って、第
2実施例の手段を併せて採用すれば、第1実施例におけ
る燃料噴射弁5の取り付け位置についての自由度が増加
するという好ましい効果が生じる。
【0025】また、第2実施例の構造によれば、機関の
運転状態が軽負荷の領域にあるときは吸気管4内の負圧
が高くなり、それによって噴出孔18から噴出する空気
の流速が大きくなるから、バルブシートクリアランス1
6内において燃料噴霧が拡散され易くなり、燃焼室内に
おける混合気濃度の均一化が促進される。そして負荷が
小さいほど吸気管負圧が高くなってこの作用が強く現れ
るので、吸気管4内を流れる吸気の量が減少して燃料噴
霧の蒸発、拡散が悪化する軽負荷時の運転状態を改善す
ることができる。
【0026】第1及び第2実施例においては、1気筒当
たり吸気弁1及び燃料噴射弁5の噴口6の数がいずれも
1個である機関について説明したが、1気筒当たりの吸
気弁の数が複数個であって、それらに対応する複数個の
噴口6を備えた燃料噴射弁5を用いる機関や、燃料噴射
弁5の噴口6に対する所謂エアアシストとか、吸気管4
や噴口6の周辺の加熱等によって燃料噴霧の微粒化を促
進する手段を備えている機関に対しても、本発明を有効
に適用することが可能である。なお、例えば吸気弁が各
気筒毎に2個設けられていて、それらに対して1個の燃
料噴射弁5に形成された2個の噴口から燃料噴霧を同時
に噴射する場合には、それぞれの吸気弁のバルブシート
クリアランス16内における燃料噴霧の旋回流が、相互
に反対の方向に生じるように設定することもできる。
【0027】
【発明の効果】本発明を実施することにより、始動時及
び冷間加速時における燃料の噴射量を低減させることが
可能になるので燃費の向上を図ることができる。また、
吸気弁のデポジットに吸着される燃料の量が少ないの
で、常に良好な始動性、燃料噴射制御に対する優れた応
答性(特に加速性)を維持することができる。更に、機
関の減速時に燃焼室内の空燃比がオーバーリッチとなる
のを防止することができるので、HCやCOのような排
気エミッションの大幅な増加を招くことがないというよ
うな効果をも奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による機関の一部の断面図
である。
【図2】第1実施例における噴霧狙い位置を説明するた
めの平面図である。
【図3】従来の噴霧狙い位置を示す平面図である。
【図4】従来の噴霧狙い位置を示す断面図である。
【図5】噴霧狙い位置に応じた吸気管ウエット割合の実
測値を示す平面図である。
【図6】第1実施例における燃料噴霧の拡散の状況を説
明するための平面図である。
【図7】比較例に対する本発明の効果を示す棒グラフで
ある。
【図8】本発明の第2実施例による機関の一部の断面図
である。
【符号の説明】
1…吸気弁 1a…傘部 2…ステム 2a…ステムの外周円 3…バルブフェイス 3a…バルブフェイスの内周円 4…吸気管 5…燃料噴射弁 6…噴口 7…燃料噴霧の中心線 8…スロットル弁 12…バルブシート 12’…バルブシート面 16…バルブシートクリアランス 17…空気通路 18…噴出孔 20…第1の接点 21…第1の接線 25…中点 27…最も望ましい噴霧狙い位置 30…第2の接点 31…第2の接線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 郁男 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式 会社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 岡田 正則 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 松平 純一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−56662(JP,A) 特開 平6−257432(JP,A) 実開 昭61−140174(JP,U) 実開 昭60−105869(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02M 69/04 F02M 69/00 350 F02M 69/00 310

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の吸気弁の上流側の吸気管に設
    けられて燃料噴霧を前記吸気管内へ噴射する燃料噴射弁
    を備えており、前記燃料噴射弁の噴口から噴射される燃
    料噴霧が前記吸気弁の背面の一部に接触した後に前記吸
    気弁のバルブフェイスとそれに対応するバルブシート面
    との間に形成されるバルブシートクリアランスへ流入し
    て一方向に旋回するように、燃料噴霧の中心線が前記吸
    気弁の背面に対してステムの左右いずれか一方に偏った
    側において交わる点である噴霧狙い位置が、前記吸気弁
    のステム側から見たときに、前記噴口の中心を通って前
    記ステムの外周円の一側に対して第1の接点において接
    する第1の接線と、前記ステムの外周円の前記一側にお
    いて前記噴口の中心を通って前記吸気弁のバルブフェイ
    スの内周円に対して第2の接点において接する第2の接
    線との間の領域内に設定されていると共に、前記吸気弁
    に対する燃料噴霧の中心線の入射角度が45度以上で、
    且つ90度未満であることを特徴とする燃料噴射装置。
  2. 【請求項2】 前記噴霧狙い位置が、前記噴口の位置か
    ら見て前記第1の接点と前記第2の接点とを結ぶ直線よ
    りも遠い領域内にある請求項1に記載された燃料噴射装
    置。
  3. 【請求項3】 前記噴霧狙い位置が、前記第1の接点、
    前記第2の接点、及び、前記噴口の中心を通って前記第
    1の接点と前記第2の接点との中点に伸びる直線が前記
    バルブフェイスの内周円と交わる点から構成される三角
    形の領域内にある請求項1に記載された燃料噴射装置。
  4. 【請求項4】 前記バルブシートクリアランスに対し
    て、空気の噴出孔を接線方向に開口させると共に、前記
    噴出孔に接続される空気通路を前記吸気管のスロットル
    弁の上流側の位置から分岐するように設けて、前記バル
    ブシートクリアランス内に生じる燃料噴霧の旋回流と同
    じ方向に、前記噴出孔から空気を噴出させるようにした
    請求項1乃至3のいずれかに記載された燃料噴射装置。
  5. 【請求項5】 前記吸気弁の閉弁時において前記バルブ
    シートクリアランスの容積が、最大噴射量の1.5乃至
    3倍の範囲にある請求項1乃至4のいずれかに記載され
    た燃料噴射装置。
JP22453793A 1993-09-09 1993-09-09 燃料噴射装置 Expired - Fee Related JP3503963B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22453793A JP3503963B2 (ja) 1993-09-09 1993-09-09 燃料噴射装置
US08/300,553 US5501194A (en) 1993-09-09 1994-09-07 Fuel injection apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22453793A JP3503963B2 (ja) 1993-09-09 1993-09-09 燃料噴射装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0777139A JPH0777139A (ja) 1995-03-20
JP3503963B2 true JP3503963B2 (ja) 2004-03-08

Family

ID=16815360

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22453793A Expired - Fee Related JP3503963B2 (ja) 1993-09-09 1993-09-09 燃料噴射装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US5501194A (ja)
JP (1) JP3503963B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08326634A (ja) * 1995-05-31 1996-12-10 Sanshin Ind Co Ltd 燃料噴射式エンジン
US5577481A (en) * 1995-12-26 1996-11-26 General Motors Corporation Fuel injector
DE60114344T2 (de) * 2000-10-26 2006-07-27 Hitachi, Ltd. Kraftstoffeinspritzventil und Kraftstoffeinspritzsystem
JP2005307904A (ja) * 2004-04-23 2005-11-04 Denso Corp 燃料噴射装置
FR2879672B1 (fr) 2004-12-17 2010-01-01 Renault Sas Dispositif d'injection de carburant pour moteur a injection indirecte
JP4639169B2 (ja) * 2005-09-29 2011-02-23 日立オートモティブシステムズ株式会社 内燃機関の燃料噴射装置及び燃料噴射弁
US7565894B2 (en) * 2005-09-12 2009-07-28 Hitachi, Ltd. Fuel injection apparatus for and method of internal combustion engine, and fuel injection valve
US7809494B2 (en) * 2007-09-27 2010-10-05 Hitachi, Ltd. Engine control apparatus
AU2010241768B2 (en) * 2009-05-01 2012-09-06 Scuderi Group, Llc Split-cycle engine with dual spray targeting fuel injection
US20130333656A1 (en) * 2012-02-04 2013-12-19 David Endrigo Valve seats for cylinder heads in aircraft engines
CN202883139U (zh) * 2012-02-04 2013-04-17 D.恩德里戈 飞机发动机的汽缸盖以及汽缸体与汽缸盖的组件

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5818055A (ja) * 1981-07-24 1983-02-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd 貯湯式給湯機の水漏れ防止装置
JPS59141765A (ja) * 1983-02-01 1984-08-14 Toyota Motor Corp 火花点火式燃料噴射式内燃機関の燃料噴射装置
US4779594A (en) * 1986-04-25 1988-10-25 Mazda Motor Corporation Intake system for an internal combustion engine
NL8601487A (nl) * 1986-06-09 1988-01-04 Volvo Car Bv Verbrandingsmotor.
JPH0733766B2 (ja) * 1988-08-30 1995-04-12 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の燃焼室
JPH04252867A (ja) * 1991-01-25 1992-09-08 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の燃料供給装置
EP0558080B1 (en) * 1992-02-28 1996-07-10 Mitsubishi Jidosha Kogyo Kabushiki Kaisha Internal combustion engine

Also Published As

Publication number Publication date
US5501194A (en) 1996-03-26
JPH0777139A (ja) 1995-03-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4026365B2 (ja) 筒内噴射エンジン
US6732706B2 (en) Cylinder injection type internal combustion engine, control method for internal combustion engine, and fuel injection valve
JP4419095B2 (ja) 内燃機関の吸気装置
JP3503963B2 (ja) 燃料噴射装置
US5772124A (en) Fuel injection valve
JP2000161147A (ja) 内燃機関の排気還流装置
JPS5950850B2 (ja) 内燃機関の吸気装置
JP2004316582A (ja) 内燃機関の吸気装置
JP2004225598A (ja) 燃料噴射弁
JPH08218986A (ja) 燃料噴射装置
JPS6215490Y2 (ja)
JPH09112354A (ja) 二液衝突混合弁
JP3269282B2 (ja) 直噴型火花点火式内燃機関
JPH0216041Y2 (ja)
JP2576765Y2 (ja) 燃料噴射弁
JPS581653Y2 (ja) 多気筒内燃機関の燃料供給装置
JPS61116026A (ja) 内燃機関の吸気装置
JP3286772B2 (ja) エアアシスト型燃料噴射弁
JPH0636297Y2 (ja) 燃料噴射弁
JP2906895B2 (ja) 内燃機関の燃料供給装置
JP3903941B2 (ja) 内燃機関の吸気装置
JP2023117142A (ja) 内燃機関
JPH0210292Y2 (ja)
JPH0550070U (ja) 内燃機関の吸気装置
JPH0735007A (ja) 内燃機関の燃料供給装置

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20030318

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20031111

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20031209

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D02

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091219

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101219

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees