JP3269282B2 - 直噴型火花点火式内燃機関 - Google Patents

直噴型火花点火式内燃機関

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JP3269282B2
JP3269282B2 JP24245894A JP24245894A JP3269282B2 JP 3269282 B2 JP3269282 B2 JP 3269282B2 JP 24245894 A JP24245894 A JP 24245894A JP 24245894 A JP24245894 A JP 24245894A JP 3269282 B2 JP3269282 B2 JP 3269282B2
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    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃焼室内に燃料を直接
噴射して混合気を形成し、この混合気を点火栓により着
火させる直噴型火花点火式内燃機関に関し、特に吸入行
程中に燃料を噴射する直噴型火花点火式内燃機関の改良
に関する。
【0002】
【従来の技術】燃焼室内に直接燃料を供給する直噴型内
燃機関としては、例えば実開昭59−196520号公
報等に示すものが知られている。そこで、この種の直噴
型内燃機関を図20に基づいて説明すると、シリンダ1
の上側はシリンダヘッド2によって施蓋されており、こ
のシリンダ1内に設けられたピストン3の冠面3A側に
は略半球状の燃焼室4が形成されている。この燃焼室4
には、その軸方向上側寄りの内面から径方向内向きに突
出する環状の凸部5が設けられており、この凸部5によ
って上側容積部6と下側容積部7とが形成されている。
【0003】燃料噴射弁8は、その噴射ノズル8Aの先
端が燃焼室4内に臨むようにしてシリンダヘッド2に取
り付けられており、燃焼室4の上側容積部6と下側容積
部7とに向けて、それぞれ燃料を噴射するようになって
いる。
【0004】従来技術による直噴型内燃機関は、大略こ
のように構成されるもので、次に、その作動を説明す
る。機関が圧縮行程に入ってピストン3が上死点近傍に
達すると、図外のコントロールユニットは、燃料噴射信
号を燃料噴射弁8に向けて出力する。この燃料噴射信号
により、燃料噴射弁8が、噴射ノズル8Aから上側容積
部6と下側容積部7とに向けてそれぞれ燃料を噴射する
と、これら2方向に向けて噴射された燃料は、上側容積
部6の壁面と下側容積部7の壁面とにそれぞれ衝突し、
これにより壁面に付着して燃料膜を形成したり、飛散し
たりする。壁面に付着した燃料はピストン3の熱を奪っ
て蒸発し、飛散した燃料は衝撃によって微粒化し、これ
により、それぞれ吸入空気と混合する。そして、このよ
うに形成された混合気は、圧縮熱によって自己着火し、
燃焼エネルギを発生させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術によ
る直噴型内燃機関では、燃料を上下2方向に噴射して燃
焼室4の壁面に燃料膜を形成し、主として、この燃料膜
を蒸発させることにより混合気を得ている。しかし、圧
縮行程の上死点近傍で小容積の燃焼室4内に高圧の燃料
を噴射する圧縮着火式であるため、燃料噴射量が大きく
なる高負荷運転時には、燃料の壁面付着率が大きくな
る。そして、噴射燃料の壁面付着率が高くなると、混合
気が生成されにくくなるため、空気利用率が低下し、H
C等の燃焼生成物が増大する可能性がある。
【0006】ところで、近年は、ガソリン等を燃料に用
いる火花点火式内燃機関においても、燃焼室内に燃料を
直接噴射する直噴型のものが提案されている。このよう
な直噴型火花点火式内燃機関の場合、点火前に燃焼室内
で均一な混合気を生成することが要求される。しかしな
がら、上述した従来技術による直噴型内燃機関は、圧縮
着火式であるため、火花点火式内燃機関にそのまま適用
すると、噴射燃料がシリンダ内壁に付着して燃料膜を形
成してしまい、均一な混合気を速やかに得ることができ
ない。
【0007】そこで、本発明は、かかる従来技術の問題
に鑑みてなされたもので、その目的は、点火前に均一な
混合気を速やかに生成することができるようにした直噴
型火花点火式内燃機関を提供することにある。
【0008】そこで、本発明が採用する直噴型火花点火
式内燃機関の採用する構成は、シリンダヘッドとピスト
ンとの間に形成されるペントルーフ型の燃焼室内に燃料
を噴射する燃料噴射弁と、前記燃焼室内に形成された混
合気に着火する点火栓とを備えた直噴型火花点火式内燃
機関であって、前記燃料噴射弁は、吸気側のシリンダヘ
ッド下側に位置して先端側が前記燃焼室内に臨んで設け
られた噴射ノズルと、前記シリンダヘッドの頂部を指向
して噴射ノズルに設けられた複数の噴射孔からなる一側
噴射孔群と、前記ピストンの冠面を指向して噴射ノズル
に設けられた複数の噴射孔からなる他側噴射孔群と、前
記噴射ノズル内に移動可能に設けられ、前記各噴射孔群
の各噴射孔を開閉する弁体とを備え、前記各噴射孔群の
各噴射孔からそれぞれ吸入行程中に噴射された燃料が噴
射ノズルの外部で互いに衝突するように各噴射孔の噴射
軸線を設定したことを特徴とする。
【0009】
【0010】また、前記各噴射孔群を形成する一の噴射
孔の断面積と他の噴射孔の断面積との平方根の比が略
1.5となるように設定するのが好ましい。
【0011】
【0012】
【作用】吸入行程中に弁体を移動させて開弁すると、一
側噴射孔群の各噴射孔からシリンダヘッド側に向けて燃
料がそれぞれ噴射されると共に、他側噴射孔群の各噴射
孔からもピストン側に向けてそれぞれ燃料が噴射され
る。これら各噴射孔群の各噴射孔から噴射された燃料
は、噴射ノズルの外部のシリンダヘッド側空間とピスト
ン側空間とにおいて、それぞれ互いに衝突し、微粒化さ
れる。そして、これらシリンダヘッド側に噴射された微
粒化燃料とピストン側に噴射された微粒化燃料とは、燃
焼室内に流入する吸入空気流に乗って移動しつつ気化
し、均一な混合気を形成する。
【0013】
【0014】さらに、好ましくは、前記各噴射孔群を形
成する一の噴射孔の断面積と他の噴射孔の断面積との平
方根の比が略1.5となるように設定すれば、異なる粒
径の液滴同士が衝突する際に、より強い発散振動現象、
共振現象を発生させることができ、微粒化を促進するこ
とができる。
【0015】
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1〜図19に基づ
いて説明する。
【0017】まず、図1〜図16は本発明の第1の実施
例に係り、図1は本実施例に係る直噴型火花点火式内燃
機関の全体構成を説明する構成説明図であって、例えば
4個あるいは6個等の複数個設けられたシリンダ11
(1個のみ図示)の開口部はシリンダヘッド12によっ
て施蓋され、シリンダ11内にはピストン13が設けら
れている。
【0018】また、シリンダヘッド12には、吸気弁1
4と排気弁15とが互いに対向して2個ずつ設けられ
(各1個のみ図示)、これによって、シリンダヘッド1
2とピストン13の冠面13Aとの間には、断面略三角
形状に形成された小容積の一側容積部16Aと断面略矩
形状に形成された大容積の他側容積部16Bとからなる
4弁ペントルーフ型の燃焼室16が設けられている。
【0019】点火栓17は、先端側が燃焼室16の一側
容積部16A内に臨むようにしてシリンダヘッド12の
略中央部に設けられており、デストリビュータ18を介
して後述のコントロールユニット38に接続されてい
る。
【0020】吸気通路19は、図2の平面図に示す如
く、その上流側が図示せぬエアフィルタに接続され、そ
の下流側はコレクタ部19Aから二股に分岐して燃焼室
16に連通する吸気ポート19Bに接続されている。ま
た、この吸気通路19には、エアフィルタの下流側に位
置するエアフローメータ(図示せず)とコレクタ部19
Aとの間に吸入空気量を調整するためのスロットル弁2
0が設けられると共に、コレクタ部19Aと吸気通路1
9の分岐点との間に所定の運転条件下で吸入空気にスワ
ールをかけるスワール制御弁21が設けられている。こ
のスワール制御弁21は、バタフライ弁として形成され
ており、その平板状の弁体には2個の吸気ポート19B
のうちの一方に対応する切欠部21Aが形成されてい
る。
【0021】一方、排気通路22は、その下流側が触媒
コンバータを介してマフラ(いずれも図示せず)に集合
し、その上流側は二股に分岐して燃焼室16に連通する
排気ポート22Aに接続されている。
【0022】燃料噴射弁23は、図2及び図3に示す如
く、各吸気ポート19Bの中間に位置してシリンダヘッ
ド12の下側に設けられている。この燃料噴射弁23
は、先端側が燃焼室16の一側容積部16A内に臨む噴
射ノズル24と、この噴射ノズル24の先端側に形成さ
れたサックホール24Aに連通して設けられた後述の一
側噴射孔群28及び他側噴射孔群29と、噴射ノズル2
4内に形成された燃料通路25と、この燃料通路25を
連通、遮断することにより各噴射孔群28,29を開閉
する弁体26と、この弁体26を駆動するソレノイド等
からなるアクチュエータ(図示せず)とから構成されて
いる。そして、この燃料噴射弁23は、アクチュエータ
によって弁体26を開弁することにより、図外の燃料ポ
ンプから燃料供給配管27を介して圧送された燃料を、
燃焼室16内に2方向に向けて噴射するものである。
【0023】一側噴射孔群28は、シリンダヘッド12
側に対向して噴射ノズル24の先端側に設けられ、他側
噴射孔群29は、ピストン13側に対向して噴射ノズル
24の先端側に設けられている。これら各噴射孔群2
8,29は、図3の断面図及び図4の平面図に示す如
く、口径寸法D1を有する大円状に形成された大噴射孔
28A,29Aと、大噴射孔28A,29Aの下流側に
位置して設けられ、口径寸法D2を有する小円状に形成
された小噴射孔28B,29Bとからそれぞれ構成され
ている。また、一側噴射孔群28の大噴射孔28Aの噴
射軸線X1と小噴射孔28Bの噴射軸線X2とは、一側容
積部16A内の点CP1で互いに交差し、同様に、他側
噴射孔群29の大噴射孔29Aの噴射軸線X1と小噴射
孔29Bの噴射軸線X2とは、他側容積部16B内の点
CP2で互いに交差している。ここで、噴射軸線X1,X
2が交差するとは、両噴射軸線X1,X2が厳密に1点で
交差することを意味せず、燃料の衝突に影響を与えない
範囲で、両軸線X1,X2間に多少の軸間距離がある場
合も含まれる。さらに、一側噴射孔群28は、点CP1
で衝突して微粒化された燃料がシリンダヘッド12の頂
部を指向するように形成され、他側噴射孔群29は、点
CP2で衝突して微粒化された燃料がピストン13の冠
面13Aを指向するように(より詳しくは、冠面13A
のうち中央から燃料噴射弁23寄りにかけての部分を指
向するように)形成されている。
【0024】図1に示す30は機関の回転数Nを検出す
るクランク角センサを示し、このクランク角センサ30
は、冷却水温Twを検出する水温センサ31と、触媒コ
ンバータの触媒温度TCを検出する触媒温度センサ32
と、触媒コンバータの上流側で排気通路22の空燃比A
/Fを検出する空燃比センサ33と、スロットル弁20
の開度θTを検出するスロットルセンサ34と、スワー
ル制御弁21の開度を検出するスワールセンサ35と、
燃焼室16内の筒内圧を検出する座金状の筒内圧センサ
36と、燃料供給配管27内の燃料の圧力(燃圧)Pを
検出する燃圧センサ37と、図示せぬエンジンスイッチ
等と共に、コントロールユニット38に接続されてい
る。
【0025】機関を電気的に集中制御するコントロール
ユニット38は、CPU等の演算回路、ROM,RAM
等の記憶回路、入出力回路(いずれも図示せず)等を備
えたマイクロコンピュータシステムとして構成され、機
関の運転条件に応じて燃料噴射量や噴射時期等を制御す
るようになっている。
【0026】本実施例に係る直噴型火花点火式内燃機関
は、上述の構成を有するもので、次に、その作用につい
て説明する。まず、各大噴射孔28A,29Aの断面積
の平方根と各小噴射孔28B,29Bの断面積の平方根
との比と、微粒化との関係について、図5を参照しつつ
説明する。
【0027】図5は、下記数1で示される大噴射孔28
A,29Aの断面積S1の平方根と小噴射孔28B,2
8Bの断面積S2の平方根との比α(以下、「口径比
α」という)と、燃料の微粒化との関係を、所定燃圧下
で観察した特性図である。
【0028】
【数1】α=(S11/2/(S21/2 口径比αが1のとき、即ち噴射孔の断面積が等しい場
合、燃料の粒径は比較的大きい値dをとるが、口径比
αを「1.2」程度のα1よりも大きくすると、異なる
粒径の液滴同士が衝突する際に生じる共振現象、発散振
動現象によって粒径は急速に小さくなっていき、口径比
αが略「1.5」程度のαmaxに達したときに、最小値
2となる。さらに、口径比αを上昇させていくと、粒
径の相違が大きくなり過ぎて、大噴射孔28A,29A
から噴射された燃料が小噴射孔28B,29Bから噴射
された燃料を貫通してしまい、共振現象が弱まるため、
粒径は急速に上昇していき、やがて口径比αが「1.
7」程度のα2を越えると、再びd1となる。
【0029】従って、口径比αを「1.2〜1.7」の
範囲に設定すれば、同径の噴射孔を用いる場合よりも微
粒化が促進されるのが理解できる。好ましくは、口径比
αを「1.4〜1.6」程度の範囲Lα1の範囲に設定
すれば、微粒化効果が大きくなる。より好ましくは、口
径比αを「1.45〜1.55」程度の範囲Lα2に設
定すれば、一層微粒化が促進される。さらに好ましく
は、口径比αを実質的に「1.5」と略等しい「1,4
8〜1.52」の範囲Lα3に設定すれば、最も微粒化
効果が大きくなる。なお、本明細書にいう「略1.5」
とは、実質的に口径比αが「1.5」とみなせる値をい
い、前記範囲Lα3が該当する。
【0030】次に、図6及び図7を参照しつつ、燃料噴
射弁23から2方向に噴射された微粒化燃料の作用につ
いて説明する。まず、図6は、スワール制御弁21が閉
弁して吸入空気流にスワールがかかった状態での噴射燃
料の挙動を、シリンダ11の側面とシリンダヘッド12
側とから見た説明図であり、吸入行程中(a)で、燃料
噴射弁23が各噴射孔群28,29から燃料を噴射する
と、これら各噴射孔群28,29から噴射された燃料
は、上述のように互いに交差点CP1,CP2で衝突して
それぞれ微粒化され、これにより吸入空気流に乗ってシ
リンダヘッド12側に向かう燃料噴霧F1とピストン1
3側に向かう燃料噴霧F2とがそれぞれ形成される。
【0031】ここで、燃料噴射弁23の一側噴射孔群2
8はシリンダヘッド12の頂部を指向して形成され、他
側噴射孔群29はピストン13の冠面13Aを指向して
形成されているため、吸入行程末期(b)に示す如く、
シリンダ11の略軸方向において(より詳しくは、シリ
ンダ11の軸線と略平行な面内、即ちシリンダ11の略
垂直面内において)、シリンダヘッド12側に向かった
一方の燃料噴霧F1は、一側容積部16A内でDR1方向
(図中右回り方向)に気化しつつ回転し、ピストン13
側に向かった他方の燃料噴霧F2は、他側容積部16B
内でDR2方向(図中左回り方向)に気化しつつ回転す
る。なお、各燃料噴霧F1,F2は、シリンダ11の略垂
直面で回転しつつも、図6中に示す通り、径方向にも拡
散しながら気化する。また、各燃料噴霧F1,F2は、ス
ワールの影響により、シリンダ11の略水平面におい
て、DR3方向に移動する傾向がある。
【0032】そして、ピストン13が反転して圧縮行程
中(c)に入ると、これらの各燃料噴霧F1,F2は、各
方向DR1,DR2に回転しつつ、やがて一側容積部16
Aと他側容積部16Bとの境界付近で互いに接触し、混
じり合いながら徐々に圧縮されていく。
【0033】このようにして、圧縮行程末期(d)に至
ると、各燃料噴霧F1,F2と吸入空気とによって燃焼室
16内に均一化された混合気が形成され、点火栓17
は、この均一化された混合気に着火して燃焼させる。
【0034】次に、図7は、スワール制御弁21が開弁
してスワールが停止した状態での噴射燃料の挙動を示す
図6と同様の説明図であるが、その詳細な内容は、ほぼ
図6に示す場合と同様であるため、省略する。但し、図
6の状態は吸入空気流にスワールがかかっているため、
シリンダ11の略水平面において、各燃料噴霧F1,F2
は、DR3方向に移動する傾向が見られたが、図7の状
態ではスワールが停止しているため、シリンダ11の略
水平面において、各燃料噴霧F1,F2は、真っすぐにD
4方向に向けて移動し、燃料噴射弁23と対向するシ
リンダヘッド12の内面やシリンダ11の内面に接触し
て左右に広がる傾向がある。
【0035】次に、コントロールユニット38による燃
料噴射量、噴射時期等の制御について、図8〜図16を
参照しつつ説明する。まず、図8及び図9は、コントロ
ールユニット38が実行する制御処理のフローチャート
であって、ステップ1で、エンジンスイッチが操作され
てスタータモータによるクランキングが始まると、ステ
ップ2では、燃圧センサ37から燃料供給配管27内の
燃圧Pを読込み、ステップ3では、この始動直後の燃圧
Pが予め設定された基準燃圧PSよりも高いか否かを判
定する。このステップ3で「NO」と判定したときは、
現在の燃圧Pが基準燃圧PSよりも低く、各噴射孔群2
8,29による燃料の微粒化性能が低下する場合のた
め、ステップ1に戻ってクランキングを続行する。即
ち、一般的に、燃圧Pが高くなるほど燃料の粒径は小さ
くなるため、上述した共振現象による微粒化性能を効果
的に実現すべく、燃圧Pの上昇を待つのである。
【0036】一方、前記ステップ3で「YES」と判定
した場合は、クランキングによって燃圧Pが十分に上昇
した場合のため、ステップ4に移って水温センサ31か
ら冷却水温Twを読込み、ステップ5では、現在の冷却
水温Twが予め設定された所定の基準冷却水温Twsより
も高いか否かを判定する。このステップ5で「NO」と
判定したときは、冷却水温Twが低い冷間始動の場合の
ため、ステップ6に移り、冷間始動時用に予め用意され
た図10に示す点火時期マップと図11に示す噴射時期
マップ等を読み出して、燃料噴射量、噴射時期、点火時
期をセットし、これらの値に基づいて制御する。なお、
燃料噴射量は、基本噴射量を水温等に基づく各種増量補
正係数に従って増加することにより設定される。
【0037】そして、ステップ7では、筒内圧センサ3
6が検出した筒内圧を読み出し、ステップ8では、この
検出された筒内圧に基づいて初爆の有無を監視する。こ
のステップ8で「NO」と判定したときは、まだ初爆が
行われずスタータモータによるクランキングを要する場
合のため、ステップ1に戻る。一方、前記ステップ8で
「YES」と判定したときは、スタータギアを外してス
テップ9に移り、スロットルセンサ34からスロットル
開度θTを読込むと共に、ステップ10では、クランク
角センサ30から機関の回転数Nを読込む。これによ
り、ステップ11では、図12に示すスワール開度マッ
プを読み出し、スロットル開度θTと回転数Nとに基づ
いて、スワール開度を設定する。即ち、例えば低負荷低
回転域ではスワール制御弁21を閉弁させてスワールを
かけ、例えば高負荷高回転域ではスワール制御弁21を
開弁させてスワールを停止する。
【0038】次に、ステップ12では、図13に示す噴
射時期マップを読み出し、スロットル開度θTと回転数
Nとに基づき、現在の運転条件に応じた噴射時期θin
設定する。同様に、図9に示すステップ13では、図1
4に示す噴射期間マップを読み出し、スロットル開度θ
Tと回転数Nとに基づいて、現在の運転条件に応じた燃
料の噴射期間Δθinを設定する。また、ステップ14で
は、図15に示す点火時期マップを読み出し、同様に、
スロットル開度θTと回転数Nとに基づき、現在の運転
条件に応じた点火時期θigを設定する。
【0039】そして、ステップ15では、再び筒内圧セ
ンサ36が検出した筒内圧を読込み、ステップ16で
は、この筒内圧に基づいてノックの有無を判定する。こ
のステップ16で「YES」と判定したときは、ノック
が生じている場合のため、図示せぬステップによって点
火時期θigを所定角度だけ遅角させた後、後述のステッ
プ20に移る。
【0040】また、前記ステップ16で「NO」と判定
したときは、ノックが生じていない場合のため、ステッ
プ17に移って、触媒温度センサ32から触媒温度TC
を読込み、次のステップ18では、現在の触媒温度TC
が予め設定された基準触媒温度TCSよりも高いか否かを
判定する。このステップ18で「YES」と判定したと
きは、排気温度が上昇して触媒温度TCが高くなった場
合のため、過熱を防止すべく、ステップ19に移って、
点火時期θigを所定角度tだけ進角させ、燃焼温度を低
下させる。
【0041】一方、前記ステップ18で「NO」と判定
したときは、触媒温度TCが低く、排気温度調整が不要
の場合のため、ステップ20で、空燃比センサ33から
排気中のA/Fを読込み、ステップ21では、スロット
ル開度θTと回転数Nとに基づいて、図16に示す設定
A/Fマップを参照することにより、現在の運転条件に
応じた設定A/Fを読み出し、ステップ22では、現在
の排気A/Fが運転条件に応じた設定A/Fと略一致す
るか否かを判定する。
【0042】このステップ22で「NO」と判定したと
きは、ステップ23に移って、燃料の噴射時期Δθin
所定期間Δθだけ修正し、ステップ13に移る。一方、
ステップ22で「YES」と判定したときは、処理を終
了する。
【0043】かくして、本実施例によれば、以下の効果
を奏する。
【0044】第1に、燃料噴射弁23の噴射ノズル24
に、シリンダヘッド12側に対向する2個の噴射孔28
A,28Bからなる一側噴射孔群28と、ピストン13
側に対向する2個の噴射孔29A,29Bからなる他側
噴射孔群29とを設け、一側噴射孔群28の噴射孔28
Aの噴射軸線X1と噴射孔28Bの噴射軸線X2とを燃焼
室16の一側容積部16A内に位置する点CP1で交差
させると共に、噴射孔29Aの噴射軸線X1と噴射孔2
9Bの噴射軸線X2とを燃焼室16の他側容積部16B
内に位置する点CP2で交差させ、これにより噴射され
た燃料同士を各点CP1,CP2でそれぞれ衝突させる構
成としたため、燃料液滴が有する自身のエネルギにより
能動的に微粒化を図って、均一な混合気を生成でき、こ
の結果、燃焼生成物の発生を抑制しつつ燃費や機関出力
を向上することができる。
【0045】即ち、従来技術では、ピストン3の内面等
に燃料を衝突させ、液膜を形成して蒸発させたりしてい
るが、専らピストン3の熱エネルギ等に依存するため受
動的であり、ピストン3が暖まっていない冷間始動時等
には、ピストン3に付着したままの液膜が増加して、混
合気の形成が遅れるばかりか、HC等の発生量が増大す
る。これに対し、本実施例では、燃料同士を互いに衝突
させて微粒化するため、微粒化性能を決定付ける可変の
パラメータは主として燃圧Pであり、この燃圧Pはピス
トン13の温度よりも応答性高く制御できる。従って、
本実施例によれば、冷間始動時でも、噴射直後から微粒
化を行うことができ、液膜の付着を防止して、均一な混
合気を生成することができる。
【0046】第2に、各噴射孔群28,29を、互いに
断面積の異なる大噴射孔28A,29Aと小噴射孔28
B,29Bとから形成したため、異なる粒径の液滴同士
が衝突する際に生じる発散振動現象、共振現象を利用し
て、一層微粒化を促進することができる。従って、この
微粒化燃料からなる燃料噴霧F1,F2を吸入空気流に乗
せて燃焼室16内を流動させることができ、均一な混合
気を生成することができる。
【0047】第3に、大噴射孔28A,29Aの断面積
の平方根と小噴射孔28B,29Bの断面積の平方根と
の比αを略1.5に設定したため、強い発散振動現象、
共振現象を利用できる。従って、より一層効果的に微粒
化して吸入空気流に乗せることができ、速やかに流動さ
せて均一な混合気を得ることができる。
【0048】第4に、一側噴射孔群28からシリンダヘ
ッド12側に向けて噴射された燃料噴霧F1の回転方向
DR1と他側噴射孔群29からピストン13側に向けて
噴射された燃料噴霧F2の回転方向DR2とが、シリンダ
11の略軸方向において、互いに逆向きとなるように、
燃料の噴射方向を設定する構成としたため、圧縮行程中
に、各燃料噴霧F1,F2を衝突させて混合することがで
き、混合気の濃度を均一化することができる。
【0049】第5に、本実施例では、一側容積部16A
と他側容積部16Bとからなる燃焼室16内に、各容積
部16A,16Bの境界付近に位置して燃料噴射弁23
を設ける構成としたため、噴射ノズル24の挿入長さを
短くして寿命等を向上できると共に、一側噴射孔群28
からシリンダヘッド12側に向けて噴射された微粒化燃
料がシリンダヘッド12に付着するのを防止することが
できる。即ち、従来技術で述べたような燃焼室4に本実
施例による燃料噴射弁23を単に適用した場合は、一側
噴射孔群28から噴射された微粒化燃料がシリンダヘッ
ド2に付着して液膜化するため、噴射ノズル24を長く
挿入してシリンダヘッド2との間に距離を置かなければ
ならない。しかし、これでは、爆発時の衝撃によって噴
射ノズル24に強い応力が加わって寿命等が低下するお
それがあるばかりか、燃焼室4の容積も低下するため、
出力が小さくなる。これに対し、本実施例では、一側噴
射孔群28とシリンダヘッド12側との間に十分な距離
が確保されているため、かかる不具合が生じない。
【0050】第6に、本実施例では、燃料噴射弁23を
吸気ポート19Bの近傍で各吸気ポート19Bの中間に
設ける構成としたため、微粒化燃料を吸入空気流に速や
かに乗せて流動させ、均一な混合気を生成することがで
きる。また、各吸気ポート19Bの中間に位置するた
め、スワール制御弁21が開弁している高負荷運転時等
には、両吸気ポート19Bから流入する空気の流れを左
右均等に利用することができる。
【0051】次に、本発明の第2の実施例について図1
7を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施例では、
上述した第1の実施例と同一の構成要素に同一の符号を
付し、その説明を省略するものとする。
【0052】本実施例に係る直噴型火花点火式内燃機関
の燃料噴射弁23も、第1の実施例で述べたと同様に、
シリンダヘッド12側に対向する大噴射孔41A及び小
噴射孔41Bからなる一側噴射孔群41と、ピストン1
3側に対向する大噴射孔42A及び小噴射孔42Bから
なる他側噴射孔群42とを備え、大噴射孔41Aの噴射
軸線X1と小噴射孔41Bの噴射軸線X2とは一側容積部
16A内の点CP1で交差すると共に、大噴射孔42A
の噴射軸線X1と小噴射孔42Bの噴射軸線X2とは他側
容積部16B内の点CP2で交差している。これに加
え、本実施例では、大噴射孔41A,42Aと小噴射孔
41B,42Bとは、横に並べて配置されている。
【0053】かくして、このように構成される本実施例
でも、上述した第1の実施例とほぼ同様の作用、効果を
得ることができる。
【0054】次に、本発明の第3の実施例について図1
8を参照しつつ説明する。本実施例の特徴は、サックレ
ス型の燃料噴射弁を用いた点にある。
【0055】即ち、本実施例による燃料噴射弁51は、
燃焼室16の一側容積部16A内に臨んで取り付けられ
た噴射ノズル52と、この噴射ノズル52内に形成され
た燃料通路53と、この燃料通路53内に移動可能に設
けられた弁体54と、この弁体54を駆動するためのソ
レノイド等からなるアクチュエータ(図示せず)と、噴
射ノズル52の先端側に互いに対向して設けられた一側
噴射孔群55及び他側噴射孔群56とから構成されてい
る。なお、図18では、図中の上下方向に燃料噴射弁5
1を示しているが、実際の取付は図3に示す状態であ
る。
【0056】そして、第1の実施例で述べたと同様に、
一側噴射孔群55はシリンダヘッド12側に対向して設
けられ、上流側に位置する大噴射孔55Aと下流側に位
置する小噴射孔55Bとからなり、各噴射孔55A,5
5Bの噴射軸線X1,X2は、一側容積部16A内の点C
1で交差している。また、同様に、他側噴射孔群56
は、ピストン13側に対向して設けられ、上流側に位置
する大噴射孔56Aと下流側に位置する小噴射孔56B
とからなり、各噴射孔56A,56Bの噴射軸線X1
2は他側容積部16B内に位置する点CP2で交差して
いる。
【0057】さらに、本実施例では、各噴射孔55A,
55B,56A,56Bを直接弁体54によって開閉し
ている点で、前記各実施例とは異なる。
【0058】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第1の実施例で述べたと同様の作用、効果を
得ることができる。これに加えて、本実施例では、サッ
クホールを介さず燃料を供給するサックレス型の燃料噴
射弁51を用いたため、サックホール内に燃料が溜まっ
て空燃比が変動したりするのを防止できる。
【0059】次に、本発明の第4の実施例について図1
9を参照しつつ説明する。本実施例の特徴は、3個の噴
射孔を放射状に配置した点にある。
【0060】即ち、シリンダヘッド12側に対向する一
側噴射孔群61は、上流側に位置する単一の大噴射孔6
1Aと、下流側に位置する2個の小噴射孔61Bとから
なり、大噴射孔61Aの噴射軸線X1と2個の小噴射孔
61Bの噴射軸線X2とは、一側容積部16A内の点C
1で交差している。しかし、これら各噴射孔61A,
61Bは、放射状に配置されている。同様に、ピストン
13側に対向する他側噴射孔群62は、上流側に位置す
る単一の大噴射孔62Aと、下流側に位置する2個の小
噴射孔62Bとからなり、大噴射孔62Aの噴射軸線X
1と2個の小噴射孔62Bの噴射軸線X2とは他側容積部
16B内の点CP2で交差し、これら各噴射孔62A,
62Bは放射状に配置されている。
【0061】かくして、このように構成される本実施例
でも、第1の実施例と同様の作用、効果を得ることがで
きる。
【0062】なお、前記各実施例では、各噴射孔の断面
を円形状に形成する場合を例示したが、本発明はこれに
限らず、例えば楕円形状、三角形状等の他の断面形状に
形成してもよく、あるいは、燃料の流入側から流出側に
向けて徐々に断面積が増加するテーパ状に形成してもよ
い。
【0063】また、前記各実施例では、各噴射孔群を2
個又は3個の噴射孔で形成する場合を説明したが、これ
に限らず、4個以上の噴射孔から形成してもよい。
【0064】さらに、前記各実施例では、一側噴射孔群
と他側噴射孔群の構成を略同一にした場合を例示した
が、各容積部16A,16Bの容積差や吸入空気流の特
性等を考慮して、両噴射孔群の構成を違えてもよい。例
えば、両噴射孔群で、噴射孔の数や口径比αを違えても
よい。
【0065】さらに、前記各実施例では、大噴射孔を燃
料供給方向の上流側に配置し、小噴射孔を大噴射孔の下
流側に配置する場合を例に挙げて説明したが、これとは
逆に、大噴射孔を小噴射孔の下流側に配置してもよい。
【0066】また、前記各実施例では、4弁ペントルー
フ型の燃焼室16を用いる場合を説明したが、これに限
らず、例えば半球状の燃焼室にも適用できる。
【0067】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明に係る直噴型
火花点火式内燃機関によれば、各噴射孔群の各噴射孔か
らそれぞれ噴射された燃料を互いに衝突させて微粒化す
ることができるため、微粒化燃料を吸入空気流に乗せて
流動させ、均一な混合気を速やかに得ることができ、燃
焼生成物の発生を抑制しつつ燃費等を向上することがで
きる。
【0068】また、互いに断面積の異なる複数の噴射孔
から各噴射孔群を形成したため、粒径の異なる液滴同士
が衝突する際に生じる発散振動現象、共振現象を利用し
て、一層微粒化を促進し、均一な混合気を生成すること
ができる。
【0069】さらに、各噴射孔群を形成する一の噴射孔
の断面積と他の噴射孔の断面積との平方根の比が略1.
5となるように設定したため、より強い発散振動現象、
共振現象を発生させることができ、微粒化を一層促進す
ることができ、混合気を均一化できる。
【0070】また、燃料噴射弁からシリンダヘッド側に
向けて噴射された燃料の回転方向と燃料噴射弁からピス
トン側に向けて噴射された燃料の回転方向とが、シリン
ダの略軸方向において互いに逆向きとなるように、燃料
の噴射方向を設定したため、圧縮行程中に、シリンダヘ
ッド側に噴射された燃料とピストン側に噴射された燃料
とを、シリンダの略軸方向において互いに衝突させて混
合することができ、混合気のより均一化することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る直噴型火花点火式
内燃機関の全体構成を示す構成説明図。
【図2】吸気弁及び排気弁を除いた状態でシリンダヘッ
ド側からみた平面図。
【図3】燃料噴射弁等を拡大して示す断面図。
【図4】噴射ノズルの先端側からみた平面図。
【図5】口径比と燃料の粒径との関係を示す特性図。
【図6】スワール制御弁の閉弁時における燃料噴霧の挙
動を示す説明図。
【図7】スワール制御弁の開弁時における燃料噴霧の挙
動を示す説明図。
【図8】コントロールユニットによる制御処理を示すフ
ローチャート。
【図9】図8に続くフローチャート。
【図10】冷間始動時用の点火時期マップを示す説明
図。
【図11】冷間始動時用の噴射時期マップを示す説明
図。
【図12】スワール開度マップを示す説明図。
【図13】噴射時期マップを示す説明図。
【図14】噴射期間マップを示す説明図。
【図15】点火時期マップを示す説明図。
【図16】設定空燃比(A/F)マップを示す説明図。
【図17】本発明の第2の実施例に係り、噴射ノズルの
先端側からみた平面図。
【図18】本発明の第3の実施例に係り、燃料噴射弁の
要部を拡大した断面図。
【図19】本発明の第4の実施例に係り、噴射ノズルの
先端側からみた平面図。
【図20】従来技術による直噴型内燃機関の要部を拡大
して示す断面図。
【符号の説明】
11…シリンダ 12…シリンダヘッド 13…ピストン 16…燃焼室 16A…一側容積部 16B…他側容積部 17…点火栓 23,51…燃料噴射弁 24,52…噴射ノズル 26,54…弁体 28,41,55,61…一側噴射孔群 28A,41A,55A,61A…大噴射孔 28B,41B,55B,61B…小噴射孔 29,42,56,62…他側噴射孔群 29A,42A,56A,62A…大噴射孔 29B,42B,56B,62B…小噴射孔
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02M 61/18 320 F02M 61/18 320D 69/04 69/04 Z (56)参考文献 特開 平1−273873(JP,A) 特開 平6−248954(JP,A) 特開 平6−81658(JP,A) 特開 平1−45950(JP,A) 特開 平1−92570(JP,A) 特開 平7−233767(JP,A) 実開 昭48−70017(JP,U) 実開 平1−127929(JP,U) 実開 昭47−24409(JP,U) 実開 昭59−172276(JP,U) 実開 昭59−196520(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02B 17/00 - 23/10 F02M 61/14 F02M 61/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダヘッドとピストンとの間に形成
    されるペントルーフ型の燃焼室内に燃料を噴射する燃料
    噴射弁と、前記燃焼室内に形成された混合気に着火する
    点火栓とを備えた直噴型火花点火式内燃機関であって、 前記燃料噴射弁は、吸気側のシリンダヘッド下側に位置
    して先端側が前記燃焼室内に臨んで設けられた噴射ノズ
    ルと、前記シリンダヘッドの頂部を指向して噴射ノズル
    に設けられた複数の噴射孔からなる一側噴射孔群と、前
    記ピストンの冠面を指向して噴射ノズルに設けられた複
    数の噴射孔からなる他側噴射孔群と、前記噴射ノズル内
    に移動可能に設けられ、前記各噴射孔群の各噴射孔を開
    閉する弁体とを備え、前記各噴射孔群の各噴射孔からそ
    れぞれ吸入行程中に噴射された燃料が噴射ノズルの外部
    で互いに衝突するように各噴射孔の噴射軸線を設定した
    ことを特徴とする直噴型火花点火式内燃機関。
  2. 【請求項2】 前記各噴射孔群を形成する一の噴射孔の
    断面積と他の噴射孔の断面積との平方根の比が略1.5
    となるように設定したことを特徴とする請求項1に記載
    の直噴型火花点火式内燃機関。
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