JP4161796B2 - 筒内噴射式火花点火機関の暖機制御方法 - Google Patents

筒内噴射式火花点火機関の暖機制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は筒内噴射式火花点火機関の燃焼制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
筒内噴射式火花点火機関を始動する際に、機関温度が低い場合には、噴射された燃料は低温のシリンダ壁面やピストン冠面に衝突し、壁面上に大量の燃料液膜が形成される。低温壁面上の液膜は気化が悪いため燃焼が悪化し、排気中に多量の未燃炭化水素(HC)が排出されるおそれがある。また、機関低温時には触媒が未活性であるため、触媒による排気の浄化効率が低く、排気が悪化する。
【0003】
上記課題を解決するため、機関暖機時に、圧縮行程において理論空燃比より小許リーン側に空燃比を調整して燃料を噴射することで、燃焼速度を遅くし、排気温度を昇温することが知られている(例えば、特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−145510号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
暖機時に筒内噴射式火花点火機関で圧縮行程時に理論混合比付近となるように燃料を噴射すると、非常に過濃な混合気が局所的に形成され、また低温のピストン上に大量の液膜が形成されるため、煤が発生しやすくなるという問題がある。しかし特開2000−145510号公報の例では、煤の発生を抑えるための具体的手段は記載されていない。
【0006】
また、排気温度を上げるために、燃焼を緩慢にしたり、点火時期を遅角化すると、燃焼が不安定になり、エンジンの回転変動や、トルク変動が大きくなり、運転性が悪化する。従って、燃焼の緩慢化や、点火時期の遅角化による排気温度の昇温が不十分であった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明においては、点火プラグの点火時期を制御する手段と、シリンダ内に直接燃料を噴射するインジェクタと、前記インジェクタによる燃料噴射時期を制御する手段を備え、前記インジェクタは点火プラグ方向のペネトレーションが、ピストン方向のペネトレーションよりも長い噴霧を形成するものであり、機関温度が所定温度よりも低い場合に、理論混合比近傍となるように少なくとも圧縮行程の後半で前記インジェクタより燃料を噴射し、上死点近傍または上死点以降で点火する。
【0008】
ピストン側のペネトレーションが、点火プラグ側のペネトレーションより短い噴霧を用いることにより、ピストンへの液膜形成を抑えつつ、点火プラグ周りに理論混合比よりリッチな混合気を形成できる。これにより、ピストン液膜形成による煤の発生が抑制される。また、点火時期を遅角化しても安定に燃焼できる。また、点火プラグ周りにリッチ混合気が集中するため、燃焼が遅く、排気管内でHCが酸化する。これにより、排気温度が上昇し、HCが減少する。
【0009】
また、本発明においては、点火プラグの点火時期を制御する手段と、シリンダ内に直接燃料を噴射するインジェクタと、前記インジェクタによる燃料噴射時期を制御する手段と、吸気行程においてシリンダ内に順方向の縦渦を生成する手段と、圧縮行程の後期までシリンダの縦渦を保存するピストンを備え、機関温度が所定温度よりも低い場合に、前記縦渦生成手段によりシリンダ内に順方向の縦渦を生成し、理論混合比近傍となるように少なくとも圧縮行程の後半で前記インジェクタより燃料を噴射し、上死点近傍または上死点以降で点火する。
【0010】
シリンダ内に順方向の縦渦を生成し、これを圧縮行程の後期にまで保存することで、燃料のピストンへの付着がより減少し、また、点火プラグ周りにリッチ混合気を集めやすくできる。これにより、さらに煤の発生を抑えると共に、点火遅角によるより一層の排気温度上昇とHCの低減が可能となる。
【0011】
また、本発明においては、前記において、インジェクタから噴射される燃料噴霧の点火プラグ方向のペネトレーションが、ピストン方向のペネトレーションよりも長い噴霧を形成するものとする。
【0012】
このような噴霧と、順方向の縦渦を組み合わせることにより、ピストンへの燃料液膜の形成を、さらに抑制でき、また、点火プラグ周りへのリッチ混合気形成も、より確実に行える。
【0013】
また、本発明においては、前記において、シリンダ内に生成する縦渦の強さを調節する手段と、エンジンの回転変動、またはトルク変動の大きさを検出する手段を設け、前記エンジンの回転変動、またはトルク変動の大きさが所定値以下になるように、前記縦渦の強さを調節するとともに、点火時期を遅角する。
【0014】
シリンダ内の縦渦の強さを、エンジンの回転変動、またはトルク変動が小さくなるように制御することで、より一層の点火時期の遅角化が可能となり、排気の昇温,HCの低減をより効率よく行える。
【0015】
また、本発明においては、点火プラグによる点火時期を制御する手段と、シリンダ内に直接燃料を噴射するインジェクタと、前記インジェクタに供給する燃料の圧力を調節する手段と、前記インジェクタによる燃料噴射時期を制御する手段と、吸気行程においてシリンダ内に順方向の縦渦を生成する手段と、圧縮行程の後期までシリンダの縦渦を保存するピストンと、エンジンの回転変動、またはトルク変動の大きさを検出する手段とを備え、エンジンの温度が所定温度よりも低い場合に、前記縦渦生成手段によりシリンダ内に順方向の縦渦を生成し、理論混合比近傍となるように少なくとも圧縮行程の後半で前記インジェクタより燃料を噴射し、前記エンジンの回転変動、またはトルク変動の大きさが所定値以下になるように、前記燃料圧力の調節手段により、燃料圧力を調節するとともに、点火時期を遅角制御する。
【0016】
燃料の圧力を、エンジンの回転変動、またはトルク変動が小さくなるように制御することで、より一層の点火時期の遅角化が可能となり、排気の昇温,HCの低減をより効率よく行える。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下図1〜図5を用いて、本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関の暖機制御方法について説明する。
【0018】
最初に、図1を用いて、本実施形態による筒内噴射式火花点火機関の暖機制御方法を用いる筒内噴射式火花点火機関制御システムのシステム構成について説明する。
【0019】
図1は、本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関の構成を示す断面図であり、エンジンの燃焼室中心における断面図である。
【0020】
また図2は、本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関の構成を示す透視斜視図である。
【0021】
図1及び図2に示すように、シリンダヘッド26と、シリンダブロック1と、シリンダブロック1に挿入されたピストン7とにより燃焼室25が構成される。
【0022】
ピストン7の冠面には凹溝18が設けられている。この凹溝18は、円弧状の底面18aと、平面状の側面18bから構成されている。
【0023】
燃焼室25には、それぞれ2本の吸気管15と排気管16が開口している。2つの吸気管15の開口部には、この開口部を開閉する2本の吸気弁13が設けられている。また、2つの排気管16の開口部には、この開口部を開閉する2本の排気弁14が設けられている。
【0024】
燃焼室25の吸気側壁面には、燃料インジェクタ5が設けられている。燃料インジェクタ5は燃焼室25の中心軸に対して傾いて取り付けられている。燃焼室25の中心軸と燃料インジェクタ5の中心軸がなす角度は、例えば、50°から70°である。燃料インジェクタ5には、燃料タンク27と燃料ポンプ23とが、それぞれ燃料配管24によって接続されている。燃料ポンプ23は、燃焼室25内の圧力が高い場合でも、燃料インジェクタ5から充分に微粒化された燃料を噴射するため、燃料タンク27から供給される燃料を加圧する。このときの燃料圧力は、例えば3〜12MPaであり、燃料インジェクタ5から噴射される燃料噴霧のザウタ平均直径は、例えば15〜30μmである。
【0025】
燃料ポンプ23によって加圧される燃料の圧力は、エンジン制御ユニット(ECU)6からの燃圧制御信号43により、例えば3〜12MPaの範囲で任意に設定される。
【0026】
また、燃焼室25の中心上部には、点火プラグ4が設けられ、その電極部4Eが燃焼室25内部に突き出している。点火プラグ4の電極4Eの構造は沿面電極タイプまたはセミ沿面タイプが耐汚損性の高さから望ましい。沿面電極,セミ沿面電極の点火プラグ構造については既に広く公知であるため、ここではその詳細説明は割愛する。
【0027】
点火プラグ4には、図示しない点火コイルにより電気エネルギーが供給され、電極4Eにより放電し、点火を行うものであるが、このとき点火プラグ4には、できるだけ高い電気エネルギーを供給することが、リッチな混合気への安定な着火と、電極4Eの耐汚損性の高さから望ましい。点火プラグ4に供給する電気エネルギーは、例えば70〜110mJである。
【0028】
また、点火コイルから点火プラグ4に供給する電気エネルギーが、複数回に分割されるものでもよい。例えば、トータル100mJの電気エネルギーを2回に分割し、1回目で30mJの電気エネルギーを放電し、2回目で残り70mJの電気エネルギーを放電するものである。1回目と2回目の放電時間間隔は、例えば1msである。
【0029】
排気管16の後方には、図示しない触媒コンバータが設けられている。この触媒コンバータは例えば三元触媒コンバータであり、例えばNOx吸着触媒コンバータであり、例えばHC吸着触媒コンバータである。また、これらの異なる種類の触媒コンバータを組み合わせて使ってもよい。また、1つの触媒コンバータで、これら複数の触媒コンバータの機能を複合しているもの(ハイブリッド触媒コンバータ)でもよい。
【0030】
排気管16の壁面への熱伝達によって、排気温度が低下しないように、排気管16の構造は、例えば二重排気管,薄肉排気管などが望ましい。
【0031】
二重排気管は、排気管の外側に、空気層を挟んで、さらに壁面を設けた構造であり、空気層によって、断熱効果が高く、排気温度が低下しにくい。また、二重配管の間の空気層を真空層にすることで、空気の対流熱伝達が無くなるため、さらに断熱効果が高くなる。
【0032】
また、薄肉排気管は、通常の排気管に比べ、壁の肉厚を薄くすることで、排気管の熱容量を下げて、排気の熱によって容易に温度が上がるようにしたものである。排気管の温度を昇温することで、排気温度の低下を抑えることができる。
【0033】
吸気管15の上流部には、図示しないスロットル弁が設けられており、このスロットル弁の開度により、燃焼室25内に充填される空気量が制御される。また図示しないスロットル弁は、電子制御スロットル弁であり、スロットル弁の開度は、ECU6からのスロットル弁開度信号36によって、任意の開度に設定可能となっている。
【0034】
吸気管15内には、吸気行程において燃焼室25内に順方向の縦渦19(以下、順タンブル流)を生成するためのタンブル生成弁12が設けられている。このタンブル生成弁12は、図2に示すように、タンブル生成弁軸22に取り付けられ、このタンブル生成弁軸22に直結したタンブル生成弁駆動モータ21により、回転する構造となっている。タンブル生成弁12は、ECU6からのタンブル生成弁開度信号35により、任意の開度に設定できる。燃焼室25内に最も強い順タンブル流を生成する場合には、タンブル生成弁駆動モータ21により、タンブル生成弁軸22が回転し、タンブル生成弁12が吸気管15の断面の下部を塞ぐ位置に設定される。また、燃焼室25内の順タンブル流を最も弱くする場合には、タンブル生成弁駆動モータ21により、タンブル生成弁軸22が回転し、タンブル生成弁12が吸気管15の軸方向(空気の流れ方向)と平行になる位置に設定される。
【0035】
ECU6には、一定クランク角毎(例えば30°CA毎)にパルス信号を出力する、回転角センサ37からの回転角信号38と、720°CA毎にパルス信号を出力する、基準位置センサ40からの基準位置信号41、が入力される。ECU6は、これら回転角信号38と基準位置信号41からエンジン回転速度Neと、基準クランク位置を検知する。
【0036】
燃料インジェクタ5から噴射される燃料噴霧は、図1に示すように、点火プラグに向けて噴射されるリード噴霧20Lと、ピストン側に向けて噴射される主噴霧20Mで構成される。このような燃料噴霧を形成するための燃料インジェクタ5の構成については図3〜図5、及び、図14〜図16、及び、図19,図20を用いて後述する。また、燃料インジェクタ5から噴射される噴霧の形状については、図6,図7,図17,図18,図23,図24を用いて後述する。
【0037】
次に図3〜図5を用いて、本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関に用いる燃料インジェクタ5の構成について説明する。
【0038】
図3は、本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関に用いる燃料インジェクタの全体側面図である。図4は、本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関に用いる燃料インジェクタの要部拡大図である。また、図5は、本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関に用いる燃料インジェクタの要部底面図である。
【0039】
図3は、本実施形態による燃料インジェクタ5の側面構成を示している。燃料インジェクタ5の先端部の破線で囲まれた領域Xを拡大したものが、図4である。
【0040】
図4に示すように、燃料インジェクタ5のノズル部28は、円錐弁29と、円錐弁29に接続されたプランジャ30と、噴霧に旋回力を与えるスワラー31と、噴射口32と、軸方向溝33と、径方向溝34とを備えている。本実施形態においては、ノズル部28の先端に設けられた噴射口32は左右対称ではなく、その一部に切欠き32aが設けられている。図示の例では、切欠き32aは、180°の範囲で設けられている。
【0041】
円錐弁29が開くと、軸方向溝33,径方向溝34に燃料が流れ、スワラー31によって、旋回力が与えられた燃料が、噴射口32から噴射される。噴射口には切欠き32aが設けられているため、図6及び図7を用いて後述するように、リード噴霧と主噴霧とが形成される。
【0042】
図5に示す例において、矢印IGN−P方向が点火プラグ側であり、矢印PSTN方向がピストン側である。即ち、噴射口32の切欠き32aが点火プラグ側を向くように、燃料インジェクタ5を設置することにより、リード噴霧が点火プラグの方向に噴射される。
【0043】
次に、図6及び図7を用いて、本実施形態による筒内噴射式火花点火機関に用いる燃料インジェクタから噴射される噴霧の形状について説明する。
【0044】
図6は、本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関に用いる燃料インジェクタから噴射される噴霧の形状を示す側面図である。図7は、図6のA−A断面図である。
【0045】
図6に示すように、燃料インジェクタ5の噴射口32から噴射される噴霧の形状は、噴射口に切欠き32aが設けられているため、左右対称ではないものである。燃料インジェクタ5の中心線に対するリード噴霧20Lの噴霧角θ1は、例えば30°である。また、燃料インジェクタ5の中心線に対する主噴霧20Mの噴霧角θ2は、例えば20°である。
【0046】
また、図7に示すように、燃料噴霧の断面形状は、噴射口32に設けられた切欠き32aにより、噴霧の一部に隙間20Aのある形状となる。また、点火プラグ4に向けられるリード噴霧20Lの流量密度は、主噴霧20Mより高くなる。そのため、リード噴霧20LのペネトレーションL1は主噴霧20MのペネトレーションL2に比べ長くなる。主噴霧20MのペネトレーションL2に対するリード噴霧20LのペネトレーションL1の比L1/L2は、例えば1.3〜1.5である。
【0047】
なお、リード噴霧20Lの噴霧角θ1や、主噴霧20Mの噴霧角θ2は、噴射口32に設けた切欠き32aの形状によって種々変更することが可能である。噴射口32に切欠き32aを形成した燃料インジェクタの種々の構成については、本出願人は特願平11−35502号(特願平11−71412号を基礎出願とする国内優先権出願)として、出願済みであり、その詳細については、この出願に記載されている。
【0048】
また、前述した燃料インジェクタとは異なる、燃料インジェクタ構造でも、本発明の第1の実施形態を実現できる。
【0049】
図14〜図18を用いて、本発明の第1の実施形態を実現するための、別の、燃料インジェクタ構造及び噴霧形態を説明する。
【0050】
図14は、本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関に用いる燃料インジェクタの全体側面図である。図15は、本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関に用いる燃料インジェクタの要部拡大図である。また、図16は、本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関に用いる燃料インジェクタの要部底面図である。
【0051】
図14は、本実施形態による燃料インジェクタ5の側面構成を示している。燃料インジェクタ5の先端部の破線で囲まれた領域Xを拡大したものが、図15である。
【0052】
図15及び図16に示すように、燃料インジェクタ5のノズル28は、リード噴霧20Lを生成する燃料噴射口32Cと、主噴霧20Mを生成する燃料噴射口32Dを有する構造となっている。燃料噴射口32Cは、燃料インジェクタをエンジンに取り付けたときに、リード噴霧20Lが点火プラグ電極を指向するように、燃料インジェクタ5の中心軸に対して角度θ8だけ傾けて形成されている。
【0053】
また、図16に示すように、燃料噴射口32Cは、径が燃料噴射口32Dより大きく形成されている。さらに、燃料噴射口32Dは径が小さく、運転に必要な燃料量を噴射するために噴口を複数設けると共に、配置する位置を分散させて主噴霧20Mの噴霧密度が小さくなるようにしている。
【0054】
次に、図17及び図18を用いて、本実施形態による筒内噴射式火花点火機関に用いる燃料インジェクタから噴射される燃料噴霧の形状について説明する。
【0055】
図17は、本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関に用いる燃料インジェクタから噴射される燃料噴霧の形状を示す側面図である。図18は、図17のA−A断面図である。
【0056】
図17及び図18に示すように、燃料インジェクタ5の燃料噴射口32Dから噴射される主噴霧20Mの形状は、周方向に均一な形状である。また、燃料インジェクタ5の噴射口32Cからは、高圧のリード噴霧20Lが噴射される。主噴霧20Mとリード噴霧20L間の角度θ10は、例えば0〜10°となるものである。
【0057】
噴射口32Cから噴射されるリード噴霧20Lの噴霧密度は、噴射口32Dから噴射される主噴霧20Mの噴霧密度に比べ高いため、リード噴霧20LのペネトレーションL1は主噴霧20MのペネトレーションL2に比べ長くなる。主噴霧20MのペネトレーションL2に対するリード噴霧20LのペネトレーションL1の比L1/L2は、例えば1.3〜1.5である。
【0058】
また、前述した燃料インジェクタとは異なる、燃料インジェクタ構造でも、本発明の第1の実施形態を実現できる。
【0059】
図19〜図24を用いて、本発明の第1の実施形態を実現するための、別の、燃料インジェクタ構造及び噴霧形態を説明する。
【0060】
図19は、本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関に用いる燃料インジェクタの全体側面図である。図20は、本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関に用いる燃料インジェクタの要部拡大図である。
【0061】
図20に示すように、燃料インジェクタ5のノズル部28は、円錐弁29と、円錐弁29に接続されたプランジャ30と、噴霧に旋回力を与えるスワラー31と、噴射口32と、軸方向溝33と、径方向溝34とを備えている。本実施形態においては、ノズル部28の先端に設けられた噴射口32の軸方向は、燃料インジェクタ5の中心軸に対してθ5の角度だけ偏向している。噴口32は、燃料インジェクタ5をエンジンに取り付けたときに、点火プラグ側に偏向するように、偏向方向が決められている。
【0062】
円錐弁29が開くと、軸方向溝33,径方向溝34に燃料が流れ、旋回力が与えられた燃料が、噴射口32から噴射される。噴射口32が燃料インジェクタ5の中心軸に対して偏向しているため、図23及び図24を用いて後述するように、噴霧の形状は、燃料インジェクタ5の中心軸に対して非対称となる。
【0063】
図21は、図20に示す燃料インジェクタ5の噴射口32のA−A断面における燃料の流れを示している。前述したように、燃料はスワラー31によって旋回力を与えられるため、噴射口32の内部で燃料は旋回する。噴射口32が燃料インジェクタ5の中心軸に対して偏向しているため、噴射口32内での燃料の旋回中心SCは、噴射口32の中心から、PSTN側へ、ずれた位置になる。
【0064】
図22は、図21におけるA−A断面での、燃料の旋回方向速度分布を示している。噴射口燃料の旋回中心SCが、燃料インジェクタ5の中心軸からずれるため、IGN−P側での燃料の旋回方向速度は、PSTN側での燃料の旋回方向速度よりも遅くなる。
【0065】
次に、図23及び図24を用いて、本実施形態による筒内噴射式火花点火機関に用いる燃料インジェクタから噴射される燃料噴霧の形状について説明する。
【0066】
図23は、本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関に用いる燃料インジェクタから噴射される燃料噴霧の形状を示す側面図である。図24は、図23のA−A断面図である。
【0067】
噴射口32が、燃料インジェクタ5の中心軸に対して偏向しているため、燃料の噴射方向は、噴射口32の偏向方向に曲がったものとなる。また、偏向側(IGN−P側)のペネトレーションL1は、その反対側(PSTN側)のペネトレーションL2に比べ長くなる。これは、以下の理由による。
【0068】
図22に示したように、IGN−P側の旋回方向速度が、PSTN側の旋回方向速度より遅いため、噴射口32内の燃料に働く遠心力は、IGN−P側が、PSTN側に比べ弱い。従って、噴射口32直下で形成される液膜厚さは、IGN−P側で厚く、PSTN側で薄くなる。これにより、IGN−P側の液膜の微粒化が、PSTN側の微粒化に比べて悪く、IGN−P側の粒径が、PSTN側の粒径に比べて大きくなる。このため、本燃料インジェクタから噴射される噴霧は、ペネトレーションの長いリード噴霧20LがIGN−P側に形成され、ペネトレーションの短い主噴霧20MがPSTN側に形成される。
【0069】
なお、本発明の実施形態における燃料インジェクタの種々の構成について、前記したが、本発明の実施形態における燃料インジェクタでは、燃料インジェクタ内の弁体のバウンシングによる二次噴射が、できるだけ発生しないことが望ましい。すなわち、ECUからの噴射時期信号に伴い、燃料インジェクタ内の弁体(例えば円錐弁)が所定時間開き、燃料が噴射されるのであるが、噴射の所定時間が経過して燃料インジェクタ内の弁体が閉じた直後に、弁体が跳ね返って(バウンシング)、余剰の燃料が噴射される(二次噴射)ことがある。この二次噴射で噴射される燃料は、一般に粒径が大きいため、貫徹力が強く、また気化が悪いため、ピストンの冠面などに付着し、本発明の実施形態の暖機運転制御においては、煤,HCの発生原因になる。
【0070】
そこで、例えば特開2001−3840号公報に記載されているように、燃料インジェクタのノズルとプランジャ間に緩衝器を形成することで、弁体のバウンシングを抑制し、二次噴射の発生を防止することが望ましい。
【0071】
次に図1及び図8〜図13を用いて、本実施形態における筒内噴射式火花点火機関におけるエンジン始動直後の暖機運転での動作について説明する。
【0072】
まず、図1及び図8を用いて、本実施形態における筒内噴射式火花点火機関におけるエンジン始動直後の暖機運転制御全体の流れを示す。
【0073】
図8は、本実施形態における筒内噴射式火花点火機関におけるエンジン始動直後の燃焼制御のフローチャートを示す。エンジンが図示しないスターターによって起動されると、図1に示す水温センサ8によって、エンジンの冷却水2の温度が検出され、冷却水温度信号9がECU6に入力される(301)。ECU6は、水温センサ8によって検出されたエンジン冷却水2の温度Twと、予め設定された基準温度Tcとの比較を行い(302)、冷却水温Twが基準温度Tcより低い場合に、後述するエンジンの暖機運転制御を行う。また、冷却水温Twが基準温度Tcより高い場合には、非暖機運転制御を行う(307)。ここで、非暖機運転制御307とは、例えば、エンジンの燃費効率が最も高くなるように、燃料の噴射時期,点火時期,タンブル生成弁の開度が設定される運転制御を示す。また、非暖機運転制御307とは、例えば三元触媒コンバータでのHC,CO,NOxの浄化効率を最も高くするように、空燃比を理論空燃比(A/F=14.7)に設定する運転制御を示す。また、非暖機運転制御307とは、例えばエンジンの要求トルクが高いときに、ノッキングを防止するために、空燃比を若干リッチ(A/F=11〜12)に設定する運転制御を示す。
【0074】
冷却水温Twが基準温度Tcより低く、暖機運転制御が選択された場合は、ECU6から図示しないスロットル弁に開度信号を送り、スロットル弁開度がECUから指定された角度に設定される(303)。このときのスロットル弁開度は、燃焼室内25の空燃比を14〜17に設定し、かつ、点火時期を−10〜30°ATDCに設定した状態で、暖機運転に必要なエンジン出力と回転数(エンジン出力は、図示平均有効圧で、例えば200〜250kPa、エンジン回転数は、例えば1000〜2000rpm )を保つのに必要な空気量を、燃焼室25内に充填できる開度として設定される。このときの空気量は、例えば、体積効率で50%程度である。次に、ECU6からタンブル生成弁駆動モータ21へタンブル生成弁開度信号35が送られ、タンブル生成弁12が予め決められた所定の開度に設定される(304)。タンブル生成弁の角度は、暖機運転時にエンジンの回転変動が所定の回転変動より小さくなる位置として、予め予備試験等で決められるものである。例えば、タンブル生成弁12の開度は、図1に示すように全閉である。即ち、吸気管15の断面下部がタンブル生成弁12によって完全に閉塞された状態である。さらに、圧縮行程の後半で、燃焼室25内の空燃比が14〜17になるように、ECU6から燃料インジェクタ5へ、燃料噴射信号11が送られ、燃料インジェクタ5から燃焼室25内に向けて燃料が噴射される(305)。燃料インジェクタ5から燃料噴射を始める時期は例えば圧縮上死点前80〜50°CAである。また、燃料インジェクタ5からの燃料噴射期間は、例えば1.5〜2.5msである。また、燃料の圧力は例えば7〜11MPaである。燃料噴射に引き続いて、ECU6から点火プラグ4へ点火信号10が送られ、−10〜30°ATDCの範囲で、点火プラグ4により点火される(306)。なお、燃料の噴射開始から点火までの時間間隔は、9ms以上とすることが望ましい。従って、例えばエンジン回転数が1200rpm において、燃料の噴射開始時期が圧縮上死点前70°CAの場合には、点火時期は−5°ATDC以降であることが望ましい。
【0075】
次に、図9〜図13を用いて、本実施形態における筒内噴射式火花点火機関におけるエンジン暖機運転での燃焼室内での燃料噴霧,混合気の挙動について説明する。
【0076】
図9は本実施形態における筒内噴射式火花点火機関におけるエンジン暖機運転での、吸気行程における空気流動を示している。
【0077】
図10は本実施形態における筒内噴射式火花点火機関におけるエンジン暖機運転での、圧縮行程後期での空気流動及び噴霧形態を示している。
【0078】
図11は本実施形態における筒内噴射式火花点火機関におけるエンジン暖機運転での、圧縮行程後期での圧縮上死点前での混合気の挙動を示している。
【0079】
図12は本実施形態における筒内噴射式火花点火機関におけるエンジン暖機運転での、点火時期での混合気の挙動を示している。
【0080】
図13は本実施形態における筒内噴射式火花点火機関におけるエンジン暖機運転での、排気行程での排ガス流動を示している。
【0081】
本実施形態における筒内噴射式火花点火機関における、エンジン暖機運転での、吸気行程においては、図9に示すように、吸気管15内のタンブル生成弁12が閉じられているために、吸気管15内では、空気は吸気管15の上部に沿って流れる。また、吸気管15内のタンブル生成弁12が閉じられているために、吸気管15の断面積が小さくなり、吸気管15内を流れる空気流速は、タンブル生成弁12が開いている場合に比べ、速くなる。吸気管15の上部を沿って高速に流れる空気は、吸気弁13の開口部を通って、燃焼室25内へ流入し、図9に示すように燃焼室25内に順タンブル流19を生成する。このときの順タンブル流の強さは、例えば、タンブル比(タンブルの平均角速度/クランク角の角速度)で、2〜4である。
【0082】
吸気行程に続く圧縮行程では、吸気弁13が閉じられ、ピストン7が上死点に向かって上昇する。ピストン7の上昇に伴い燃焼室25内の容積が小さくなり、燃焼室25の形状が扁平になってくるが、ピストン7の冠面に設けられた凹溝18によって、圧縮行程の後半においても燃焼室25内の順タンブル流19は崩壊することなく保たれる。
【0083】
図10に示すように、圧縮行程の後半で、ECU6から燃料インジェクタ5へ噴射信号11が送られ、燃料インジェクタ5から燃焼室25内へ燃料が噴射される。このときの燃料噴射量は、燃焼室25内の平均空燃比が14〜17程度となるように噴射期間,燃料圧力が調整される。燃料の噴射開始時期は、例えば圧縮上死点前80〜50°CAであり、噴射期間は、例えば、1.5〜2.5msである。また、燃料の圧力は例えば3〜11MPaである。
【0084】
図10に示すように、本実施形態において、燃料インジェクタ5より噴射される燃料噴霧は、前述したように、点火プラグ4方向を指向するリード噴霧20Lと、ピストン7側を指向する主噴霧20Mから構成される。また、前述したように、リード噴霧20Lのペネトレーションは、主噴霧20Mのペネトレーションに比べ長い。点火プラグ4を指向するリード噴霧20Lは、燃焼室25内の順タンブル流19の流れ方向と噴霧の進行方向がほぼ一致している。噴射直後のリード噴霧20Lの速度は、例えば60〜80m/sである。これに対して、同時期における順タンブル流19の流速は、例えば、エンジン回転数が1200rpm のときに10〜20m/sである。即ち、リード噴霧20Lの速度は、順タンブル流19の空気流速よりも大幅に速い。このため、燃焼室25の上部の空気はリード噴霧20Lによって吸気側から排気側に向かって加速させられる。
【0085】
図11に示すように、リード噴霧20Lによって加速された空気は、リード噴霧20Lの気化によってリッチな混合気となり、シリンダ上部を通過してシリンダの排気側壁面で折り返し、ピストン7の表面に沿って、シリンダ中心方向に向かう混合気流れMF1となる。
【0086】
一方、図10に示すように、ピストン7の方向を指向する主噴霧20Mは、ピストン7の冠面の凹溝18に沿って流れる順タンブル流19の方向と、進行方向が相対している。また、主噴霧20Mのペネトレーションはリード噴霧20Lのペネトレーションに比べ短く、貫徹力が弱い。このため、主噴霧20Mはピストン7の冠面の凹溝18に沿って流れる順タンブル流19と衝突し、お互いの運動量が急速に失なわれる。噴射直後の主噴霧20Mの速度は、例えば40〜60m/sであり、順タンブル流19の空気流速の10〜20m/sに比べて速い。このため、図11に示すように、主噴霧20Mの貫徹力によりピストン7の表面の空気は流れの方向を変え、主噴霧20Mの気化によってリッチな混合気を形成しつつ、吸気側から燃焼室25の中心に向かう混合気流れMF2となる。なお、主噴霧20Mは、前述のように、ピストン7の冠面に向かって噴射されるが、燃焼室25内のタンブル流19の方向と相対しているため、主噴霧20Mの速度は、噴射後速やかに低下する。また、主噴霧20Mとタンブル流19間で大きな速度差が生じるため、主噴霧20Mは速やかに気化し、ピストン7の冠面には燃料液膜が生成されにくい。
【0087】
図11に示すように、ピストン7冠面の凹溝18の中央付近、即ち点火プラグ電極4Eの下部で、リード噴霧の貫徹力によって排気側から燃焼室中心に向けて流れる混合気流MF1と、主噴霧の貫徹力によって吸気側から燃焼室中心に向けて流れる混合気流MF2とが衝突し、ピストン7の冠面から点火プラグ電極4Eに向かってリッチな混合気が上昇する。
【0088】
図12に示すように、圧縮上死点付近では、相対する方向からの混合気流MF1とMF2が衝突することで運動量を失うこと、及び、ピストン7の上昇に伴う燃焼室25内のガス圧力の上昇により、混合気の動きは緩慢となり、リッチな混合気Mが点火プラグ電極4E周りに停滞する。
【0089】
このときの点火プラグ電極4E周りの空燃比は、例えばA/F=5〜10と非常に過濃な混合気となっている。
【0090】
引き続いて、上死点近傍もしくは上死点以降で、ECU6からの点火信号に基づき、点火プラグ4により燃焼室25内の混合気が点火される。
【0091】
図12に示すように、燃焼室25内では、点火時期において、点火プラグ電極4E周りに、過濃な混合気が形成され、点火プラグ電極4Eから離れた、燃焼室25の外周部は、比較的希薄な混合気が形成されている。このため、混合気は膨張行程と排気行程の燃焼室25内において、完全燃焼することなく、図13に示すように、排気行程で、排気管16内に多くのHC,CO,H2,O2等が排出される。これらのHC,CO,H2,O2が、排気管16内で酸化反応し、H2O ,CO2 が生成される。この排気管16内での酸化反応により、排気管16内の排ガス温度が上昇し、また、HC濃度が低下する。これにより、機関暖機時のHC濃度が下げられると共に、高温の排気により排気管16の下部に設けた、触媒コンバータを、排気浄化効率の高い温度にまで、早期に昇温できる。
【0092】
なお、本実施形態において、圧縮行程の後半で空燃比が14〜17となるように、燃料を噴射している。従来、圧縮行程後半で理論混合比近傍となるように、燃料を噴射すると、煤の量が増大するという問題があった。しかし、本実施形態においては、貫徹力の強いリード噴霧と貫徹力の弱い主噴霧から構成される噴霧を用い、さらに燃焼室内に順タンブル流を生成しているため、前述したように、ピストン側に向かう主噴霧のピストン冠面への衝突による、燃料液膜が形成されにくい。また、リード噴霧は、点火プラグ方向を指向し、壁面付着することなく気化し、燃焼室内の空気と混合する。このように、本実施形態においては、燃料の壁面付着が少なく、従って燃料液膜の形成が起こりにくいため、圧縮行程後半で理論混合比近傍となるように燃料を噴射しても、煤の発生を抑えることが可能である。これによって、排気管内に多くのHC,CO,O2,H2を排出し、排気管内でのHCの酸化反応による、HCの減少と、排気温度の上昇,触媒の活性化が効率よく行われる。
【0093】
なお、前記実施例においては、吸気管15内にタンブル生成弁12を設けて、燃焼室25内に強い順タンブル流動を形成した例を示したが、図40に示すようにタンブル生成弁12が無い場合においても、本発明の暖機運転制御は可能である。
【0094】
図40は、吸気管15内にタンブル生成弁が無い場合(もしくは、タンブル生成弁が全開)の、本発明の暖機運転制御における圧縮行程後期での空気流動及び噴霧形態を示している。
【0095】
リード噴霧20Lが、主噴霧20Mに比べ、より強い貫徹力を有しているため、リード噴霧20Lと燃焼室25内の空気との摩擦力により、燃焼室25内に順タンブル流動19が生成される。この順タンブル流動によって、図41,図42に示すように、点火プラグ電極4Eの周りに、リッチ混合気Mが形成され、大幅な点火遅角が可能である。
【0096】
また、噴霧形態が、燃料インジェクタの中心軸に対して、対称な噴霧であっても、本発明の暖機運転制御は可能である。
【0097】
図43は、噴霧形態が、燃料インジェクタの中心軸に対して、対称な噴霧である場合の、本発明の暖機運転制御における圧縮行程後期(燃料噴射開始直後)での空気流動及び噴霧形態を示している。
【0098】
図43に示す対称な噴霧は、例えば、図47及び図48に示す燃料噴射弁の構成で生成できる。
【0099】
図47は、対称な噴霧を形成するための、燃料インジェクタの全体側面図である。図48は、図47の要部Xの拡大図である。
【0100】
本燃料インジェクタ5では、図48に示すように、ノズル部28の先端に設けられた噴射口32の軸方向が、燃料インジェクタ5の中心軸に対して平行である。これにより図49及び図50に示すように、本燃料インジェクタから噴射される噴霧は、燃料インジェクタ5の中心軸に対して対称な形態となる。すなわち、リード噴霧20Lと主噴霧20MのペネトレーションL1とL2が等しく、また、リード噴霧20Lと主噴霧20Mの噴霧角θ1とθ2が等しい。
【0101】
図44は、噴霧形態が、燃料インジェクタの中心軸に対して、対称な噴霧である場合の、本発明の暖機運転制御における燃料噴射開始から一定期間(例えばクランク角10°)経過後の、空気流動及び噴霧形態を示している。
【0102】
タンブル生成弁12によって、吸気行程で、燃焼室25内に強い順タンブル流19が生成されているため、主噴霧20Mは、順タンブル流19によって押し戻され、リード噴霧20Lは、順タンブル流19によってペネトレーションが長くなる。このため、噴射開始から一定期間が過ぎると、燃焼室25内の噴霧は、図44に示すように、燃料インジェクタ5の中心軸に対して非対称な形態となる。すなわち、リード噴霧20L側のペネトレーションが、主噴霧20Mのペネトレーションより長くなる。
【0103】
これによって、図45,図46に示すように、点火プラグ電極4Eの周りに、リッチ混合気Mが形成され、大幅な点火遅角が可能である。
【0104】
次に図25〜図32を用いて、本発明の第2の実施形態による筒内噴射式火花点火機関の構成及び動作について説明する。
【0105】
本実施形態による、筒内噴射式火花点火機関の暖機制御方法を用いる筒内噴射式火花点火機関のシステム構成は、本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関制御のシステム構成と同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0106】
まず、本発明の第2の実施形態による筒内噴射式火花点火機関の暖機制御の目的について説明する。
【0107】
前述した本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関の暖機制御では、燃焼室25内に順タンブル流を生成するための、タンブル生成弁12は、ECU6によって、予め定められた開度に設定される。このタンブル生成弁12の開度は、予備試験等で、暖機運転時にエンジンの回転変動やトルク変動が所定の値以下になるものとして定められるものである。
【0108】
暖機運転時では、排気管16内でのHC燃焼を増やして排気温度を上げ、かつ、煤の生成を抑えるため、点火時期をできるだけ遅角するのが望ましい。しかし、点火時期を過度に遅角化すると、燃焼が悪化し、エンジンの回転変動,トルク変動が大きくなることが一般に知られている。そこで、点火時期をできるだけ遅角させるためには、点火時期において、一定濃度の混合気を確実に点火プラグ周りに集中させ、点火遅角しても、確実に点火プラグにより点火できるようにすることが必要である。
【0109】
図25は、本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関における暖機運転時の、タンブル生成弁12の開度θT に対する、エンジン回転変動率σN の関係を示す一例である。
【0110】
ここでタンブル生成弁12の開度θT は、図26に示すように、タンブル生成弁12の全閉状態を基準(0°)としたときの開度で定義される。
【0111】
また、エンジン回転変動率σN は式1,式2に示すように、平均エンジン回転数Nemに対する標準偏差として定義される。式1,式2におけるnは、エンジン回転数のサンプリング点数である。前述したように、エンジン回転数Neは、ECU6に入力される回転角センサ37からの回転角信号38と、基準位置センサ40からの基準位置信号41により、ECU6によって検知される。エンジン回転数Neは、例えばクランク軸が1回転する毎(1サイクル毎)に100サイクル分(n=100)検知され、この100サイクル分の回転数データから式1,式2を使って、ECU6によって、エンジンの回転変動率σN が算出される。
【0112】
【式1】
Figure 0004161796
【0113】
【式2】
Figure 0004161796
【0114】
図25に示すように、本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関における暖機運転時の、タンブル生成弁の開度θT と、エンジンの回転変動率σN には、相関があり、タンブル生成弁の開度θT を最適に設定することにより、エンジンの回転変動率σN を最小にでき、点火遅角をより大きくすることが可能となる。
【0115】
図27,図28は、本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関における暖機運転時において、タンブル生成弁の開度θT が過度に小さく、燃焼室25内の順タンブル流が強すぎる場合の、燃焼室25内の混合気挙動を示す。
【0116】
燃焼室25内のタンブル流が、最適なタンブル流よりも強いと、リード噴霧の噴射方向とタンブル流の方向が等しく、リード噴霧の貫徹力によって排気側から燃焼室中心に向けて流れる混合気流MF1がより強くなる。一方、主噴霧とタンブル流が相対し、主噴霧の貫徹力によって吸気側から燃焼室中心に向けて流れる混合気流MF2がより弱くなる。この結果、図27に示すように、混合気流MF1と、混合気流MF2の衝突位置が、点火プラグ電極4Eの位置より、吸気側となる。この結果、図28に示すように、リッチ混合気Mは、点火プラグ電極4Eの吸気側へ滞留し、点火プラグ電極部4Eの混合気濃度が薄くなり、混合気への着火性が悪くなり、エンジンの回転変動,トルク変動が増大する。
【0117】
図29,図30は、本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関における暖機運転時において、タンブル生成弁の開度θT が過度に大きく、燃焼室25内の順タンブル流が弱すぎる場合の、燃焼室25内の混合気挙動を示す。
【0118】
燃焼室25内のタンブル流が、最適なタンブル流よりも弱いと、リード噴霧の噴射方向とタンブル流の方向が等しく、リード噴霧の貫徹力によって排気側から燃焼室中心に向けて流れる混合気流MF1がより弱くなる。一方、主噴霧とタンブル流が相対し、主噴霧の貫徹力によって吸気側から燃焼室中心に向けて流れる混合気流MF2がより強くなる。この結果、図29に示すように、混合気流MF1と、混合気流MF2の衝突位置が、点火プラグ電極4Eの位置より、排気側となる。この結果、図30に示すように、リッチ混合気Mは、点火プラグ電極4Eの排気側へ滞留し、点火プラグ電極部4Eの混合気濃度が薄くなり、点火プラグによる混合気の着火性能が悪化し、エンジンの回転変動,トルク変動が増大する。
【0119】
すなわち、暖気運転時において、エンジンの回転変動,トルク変動を抑え、点火時期をより遅角するためには、タンブル生成弁12の開度θT を、最適開度に設定することが必要である。
【0120】
そこで、本発明の第2の実施形態による筒内噴射式火花点火機関における暖機運転時の制御では、図31,図32に示す方法により、点火時期及びタンブル生成弁の最適制御を行う。
【0121】
図31は、本発明の第2の実施形態による筒内噴射式火花点火機関における暖機運転時の点火時期制御の手順を示したフローチャートである。
【0122】
本発明の第2の実施形態による筒内噴射式火花点火機関における暖機運転において、ECUは点火時期θIGN 0に設定する(100)。θIGN 0は点火時期の初期値であり、予備試験等により、エンジンの回転変動,トルク変動が小さく、確実にエンジンの燃焼を持続できる点火時期が設定される。θIGN 0は、例えば、圧縮上死点前10°CAである。
【0123】
次に、後述するタンブル生成弁開度θT の最適化制御が行われ、タンブル生成弁開度θT が、エンジンの回転変動,トルク変動が最も小さくなるように、タンブル生成弁開度θT が設定される(101)。
【0124】
引き続いて、式1,式2によりエンジン回転変動率σN が計算される(102)。そして、計算されたエンジン回転変動率σN が、予め設定されたエンジン回転変動率の閾値σNCと比較される(103)。エンジン回転変動率の閾値σNCは、例えば、暖機運転時において、車両の乗員が許容可能な、エンジン回転変動率の上限値として設定される。
【0125】
エンジン回転変動率σN がエンジン回転変動率の閾値σNCより小さい場合には、点火時期の遅角余裕があるため、新しい点火時期を現在の点火時期θIGN 0よりもΔθIGN だけ遅角し、これをθIGN 0と置き換える(105)。ΔθIGN は、正の値を取る、点火時期変化角であり、例えば1°CAである。そして新たに設定した点火時期θIGN 0で101以降の処理を繰り返す。
【0126】
一方、処理103において、エンジン回転変動率σN がエンジン回転変動率の閾値σNCより大きい場合には、燃焼が不安定になっているため、より安定な燃焼をするために、新しい点火時期を現在の点火時期θIGN 0よりもΔθIGN だけ進角し、これをθIGN 0と置き換える(104)。そして新たに設定した点火時期θIGN 0で101以降の処理を繰り返す。
【0127】
次に、図31における、タンブル生成弁開度θT の最適化制御について、図32を用いて説明する。
【0128】
図32は、本発明の第2の実施形態による筒内噴射式火花点火機関における暖機運転における、タンブル生成弁開度θT の最適化制御のフローチャートを示す。
【0129】
タンブル生成弁開度θT の最適化制御においては、まず、カウンタKの値が0に初期化され(201)、続いて、タンブル生成弁の開度を初期値θT 0に設定する(202)。タンブル生成弁の初期開度θT 0は、全閉と全開の間に設定され、例えば45°である。
【0130】
次にカウンタKの値を1だけ更新し(203)、カウンタKの値が、予め定められた閾値Kmaxと比較される(204)。Kmaxは、タンブル生成弁開度θT の再設定を何度繰り返すかを指定する回数であり、例えば100以上の数である。
【0131】
カウンタKの値が閾値Kmaxより大きいときは、タンブル生成弁開度θT の最適化制御を終了する(213)。
【0132】
一方、カウンタKの値が閾値Kmaxより小さいときは、現在のタンブル生成弁開度θT 0における、エンジン回転変動率σT 0を式1,式2により計算する(214)。
【0133】
次に、タンブル生成弁を、現在の開度よりΔθT だけ閉じる開度θT (-)と、タンブル生成弁を現在の開度よりΔθT だけ開く開度θT (+)が計算される(205)。ここで、ΔθT は予め設定されたタンブル生成弁の開度変化量で、例えば1°である。
【0134】
続いて、タンブル生成弁の開度をθT (-)に設定し、そのときのエンジン回転変動率σN (-)を式1,式2により計算する(206)。
【0135】
続いて、タンブル生成弁の開度をθT (+)に設定し、そのときのエンジン回転変動率σN (+)を式1,式2により計算する(207)。
【0136】
次に、タンブル生成弁開度に対する、エンジン回転変動率の勾配値を式3,式4により求める(208)。ここで、[dσN/dθT(-) は、タンブル生成弁をΔθT だけ閉じた場合の、タンブル生成弁開度に対する、エンジン回転変動率の勾配値である。また、[dσN/dθT(+) は、タンブル生成弁をΔθT だけ開いた場合の、タンブル生成弁開度に対する、エンジン回転変動率の勾配値である。
【0137】
【式3】
Figure 0004161796
【0138】
【式4】
Figure 0004161796
【0139】
処理209において、[dσN/dθT(-) が負の値の場合には、タンブル生成弁を閉じると、エンジン回転変動率が下がるため、タンブル生成弁の開度を、開度θT 0からΔθT だけ閉じて、これを新たなθT 0とし(211)、処理203以降を繰り返す。
【0140】
処理209において、[dσN/dθT(-) が正の値の場合には処理210を行う。
【0141】
処理210において、[dσN/dθT(+) が負の値の場合には、タンブル生成弁を開けると、エンジン回転変動率が下がるため、タンブル生成弁の開度を、開度θT 0からΔθT だけ開けて、これを新たなθT 0とし(212)、処理203以降を繰り返す。
【0142】
処理210において、[dσN/dθT(+) が正の値の場合には、タンブル生成弁の開度を変更せず、処理203以降を繰り返す。
【0143】
処理204において、カウンタKの値がKmaxを超えたら、タンブル生成弁開度θT の最適化制御を終了し、図31の処理102に移る。
【0144】
以上、図31及び図32で示した、本発明の第2の実施形態による筒内噴射式火花点火機関における暖機運転時の制御によれば、タンブル生成弁開度を、エンジンの回転変動の最も小さくように最適制御することにより、より点火時期を遅角化することができ、排気管内でのHC燃焼によるHC低減,排気温度昇温,触媒の早期活性化の効果をより高めることができる。
【0145】
また、タンブル生成弁開度の最適制御と同様の効果を、燃圧の最適制御によっても、得ることができる。すなわち、図27〜図30を用いて前述したように、暖気運転時において、点火時期を遅角化するには、噴霧のペネトレーションと、タンブル流の強さの関係を、適切に調節すればよいので、燃圧によって噴霧のペネトレーションを調節しても、点火時期の遅角化が可能な訳である。
【0146】
そこで、本発明の第3の実施形態による筒内噴射式火花点火機関における暖機運転時の制御では、図36,図37に示す方法により、点火時期及び燃圧の最適制御を行う。
【0147】
なお、本実施形態による、筒内噴射式火花点火機関の暖機制御方法を用いる筒内噴射式火花点火機関のシステム構成は、本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関制御のシステム構成と同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0148】
図36は、本発明の第3の実施形態による筒内噴射式火花点火機関における暖機運転時の点火時期制御の手順を示したフローチャートである。
【0149】
本発明の第2の実施形態による筒内噴射式火花点火機関における暖機運転において、ECUは点火時期θIGN 0に設定する(600)。θIGN 0は点火時期の初期値であり、予備試験等により、エンジンの回転変動,トルク変動が小さく、確実にエンジンの燃焼を持続できる点火時期が設定される。θIGN 0は、例えば、圧縮上死点前10°CAである。
【0150】
次に、後述する燃圧Pf の最適化制御が行われ、燃圧Pf が、エンジンの回転変動,トルク変動が最も小さくなるように設定される(601)。
【0151】
引き続いて、式1,式2によりエンジン回転変動率σN が計算される(602)。そして、計算されたエンジン回転変動率σN が、予め設定されたエンジン回転変動率の閾値σNCと比較される(603)。エンジン回転変動率の閾値σNCは、例えば、暖機運転時において、車両の乗員が許容可能な、エンジン回転変動率の上限値として設定される。
【0152】
エンジン回転変動率σN がエンジン回転変動率の閾値σNCより小さい場合には、点火時期の遅角余裕があるため、新しい点火時期を現在の点火時期θIGN 0よりもΔθIGN だけ遅角し、これをθIGN 0と置き換える(605)。ΔθIGN は、正の値を取る、点火時期変化角であり、例えば1°CAである。そして新たに設定した点火時期θIGN 0で601以降の処理を繰り返す。
【0153】
一方、処理603において、エンジン回転変動率σN がエンジン回転変動率の閾値σNCより大きい場合には、燃焼が不安定になっているため、より安定な燃焼をするために、新しい点火時期を現在の点火時期θIGN 0よりもΔθIGN だけ進角し、これをθIGN 0と置き換える(604)。そして新たに設定した点火時期θIGN 0で601以降の処理を繰り返す。
【0154】
次に、図36における、燃圧Pf の最適化制御について、図37を用いて説明する。
【0155】
図37は、本発明の第3の実施形態による筒内噴射式火花点火機関における暖機運転における、燃圧Pf の最適化制御のフローチャートを示す。
【0156】
燃圧Pf の最適化制御においては、まず、カウンタKの値が0に初期化され(701)、続いて、燃圧を初期値Pf 0に設定する(702)。燃圧の初期値Pf 0は、最低燃圧と最高燃圧の間に設定され、例えば5MPaである。
【0157】
次にカウンタKの値を1だけ更新し(703)、カウンタKの値が、予め定められた閾値Kmaxと比較される(704)。Kmaxは、燃圧Pf の再設定を何度繰り返すかを指定する回数であり、例えば100以上の数である。
【0158】
カウンタKの値が閾値Kmaxより大きいときは、燃圧Pf の最適化制御を終了する(713)。
【0159】
一方、カウンタKの値が閾値Kmaxより小さいときは、現在の燃圧Pf 0における、エンジン回転変動率σT 0を式1,式2により計算する(714)。
【0160】
次に、燃圧を、現在の燃圧よりΔPf だけ下げた燃圧Pf (-)と、現在の燃圧よりΔPf だけ上げた燃圧Pf (+)が計算される(705)。ここで、ΔPf は予め設定された燃圧の変化量で、例えば0.2MPaである。
【0161】
続いて、燃圧をPf (-)に設定し、そのときのエンジン回転変動率σN (-)を式1,式2により計算する(706)。
【0162】
続いて、燃圧をPf (+)に設定し、そのときのエンジン回転変動率σN (+)を式1,式2により計算する(707)。
【0163】
次に、燃圧に対する、エンジン回転変動率の勾配値を式3,式4により求める(708)。ここで、[dσN/dPf(-)は、燃圧をΔPfだけ下げた場合の、燃圧に対する、エンジン回転変動率の勾配値である。また、[dσN/dPf(+)は、燃圧をΔPf だけ上げた場合の、燃圧に対する、エンジン回転変動率の勾配値である。
【0164】
処理709において、[dσN/dPf(-) が負の値の場合には、燃圧を下げると、エンジン回転変動率が下がるため、燃圧をPf 0からΔPf だけ下げて、これを新たなPf 0とし(711)、処理703以降を繰り返す。
【0165】
処理709において、[dσN/dPf(-) が正の値の場合には処理710を行う。
【0166】
処理710において、[dσN/dPf(+) が負の値の場合には、燃圧を上げると、エンジン回転変動率が下がるため、燃圧をPf 0からΔPf だけ上げて、これを新たなPf 0とし(712)、処理703以降を繰り返す。
【0167】
処理710において、[dσN/dPf(+) が正の値の場合には、燃圧を変更せず、処理703以降を繰り返す。
【0168】
処理704において、カウンタKの値がKmaxを超えたら、燃圧Pf の最適化制御を終了し、図36の処理602に移る。
【0169】
以上、図36及び図37で示した、本発明の第3の実施形態による筒内噴射式火花点火機関における暖機運転時の制御によれば、燃圧を、エンジンの回転変動の最も小さくように最適制御することにより、より点火時期を遅角化することができ、排気管内でのHC燃焼によるHC低減,排気温度昇温,触媒の早期活性化の効果をより高めることができる。
【0170】
【発明の効果】
図33,図34に本発明による、筒内噴射式火花点火機関の暖機運転制御による、HC濃度,排気温度,スモーク濃度の実機計測結果を示す。
【0171】
図33,図34の実機計測結果は、総排気量2000cm3 ,DOHC,4気筒の筒内噴射式火花点火機関の台上試験結果である。試験条件は、エンジン回転数1200rpm 、図示平均有効圧250kPa,エンジン冷却水温度40℃,燃料圧力9MPa,空燃比が15である。また、燃料噴射時期は72°BTDC(噴射開始)である。
【0172】
HC濃度,排気温度,スモーク濃度は、エンジンのエキゾーストマニホールドの集合部(触媒前)で測定した。
【0173】
図35は、筒内噴射式火花点火機関の台上試験で用いた燃料噴霧の縦断層写真である。測定は0.5MPa に加圧された静止窒素雰囲気(温度20℃)に、燃料圧力7MPa、噴射パルス幅1.3msec で噴射した燃料噴霧の中央断面を、レーザーシート光で可視化し、高速度カメラで撮影したものである。観察時期は、噴射開始後2.2msec である。
【0174】
図33,図34の実機台上試験結果から、本発明によれば、点火時期を上死点後25°CA程度まで遅角でき、HC濃度の大幅低減と、排気温度の昇温が可能である。また、圧縮行程後半で、ほぼ理論混合比となる燃料を噴射しているのにも関わらず、排気管でのスモーク濃度を抑えることが可能である。
【0175】
次に、燃料噴射から点火までの時間間隔と、HC濃度,スモーク濃度との相関について図38,図39を用いて説明する。
【0176】
図38は、燃料の噴射開始時期から点火時期までの時間間隔に対する、HC濃度の台上試験結果の相関を示している。
【0177】
図39は、燃料の噴射開始時期から点火時期までの時間間隔に対する、スモーク濃度の台上試験結果の相関を示している。
【0178】
図38及び図39のHC濃度,スモーク濃度の試験に用いた筒内噴射式火花点火機関は、図33及び図34を用いて前述した、筒内噴射式火花点火機関と同一のものである。試験条件は、エンジン回転数1200rpm ,図示平均有効圧250kPa,エンジン冷却水温度40℃,燃料圧力9MPa,空燃比が15である。また、燃料噴射時期は80°BTDC〜48°BTDC(噴射開始)であり、点火時期は0°ATDC〜25°ATDCである。
【0179】
図38,図39より、燃料の噴射開始時期から点火時期までの時間間隔とHC濃度,スモーク濃度は、強い相関があり、燃料の噴射開始時期から点火時期までの時間間隔が長くなるほど、HC濃度,スモーク濃度は下がる傾向にある。
【0180】
燃料の噴射開始時期から点火時期までの時間間隔が長くなると、点火時期が遅角するため、排気管内でのHCの酸化反応が進み、HC濃度が低下する。
【0181】
また、燃料の噴射開始時期から点火時期までの時間間隔が長くなると、燃料の気化が進むため、スモーク濃度が低下する。
【0182】
図38から、本発明による、筒内噴射式火花点火機関の暖機運転制御によれば、燃料の噴射開始時期から点火時期までの時間間隔を8ms以上にすることで、HC濃度を許容上限値以下にすることができる。
【0183】
また図39から、本発明による、筒内噴射式火花点火機関の暖機運転制御によれば、燃料の噴射開始時期から点火時期までの時間間隔を9ms以上にすることで、スモーク濃度を許容上限値以下にすることができる。
【0184】
すなわち、燃料の噴射開始時期から点火時期までの時間間隔を9ms以上にすれば、HC濃度とスモーク濃度の双方を許容上限値以下とすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関の構成を示す断面図であり、エンジンの燃焼室中心における断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関の構成を示す透視斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関に用いる燃料インジェクタの全体側面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関に用いる燃料インジェクタの要部拡大図である。
【図5】本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関に用いる燃料インジェクタの要部底面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関に用いる燃料インジェクタから噴射される噴霧の形状を示す側面図である。
【図7】図6のA−A断面図である。
【図8】本実施形態における筒内噴射式火花点火機関におけるエンジン始動直後の燃焼制御のフローチャートである。
【図9】本発明における筒内噴射式火花点火機関におけるエンジン暖機運転での、吸気行程における空気流動を示す図である。
【図10】本発明における筒内噴射式火花点火機関におけるエンジン暖機運転での、圧縮行程後期での空気流動及び噴霧形態を示す図である。
【図11】本発明における筒内噴射式火花点火機関におけるエンジン暖機運転での、圧縮行程後期での圧縮上死点前での混合気の挙動を示す図である。
【図12】本発明における筒内噴射式火花点火機関におけるエンジン暖機運転での、点火時期での混合気の挙動を示す図である。
【図13】本発明における筒内噴射式火花点火機関におけるエンジン暖機運転での、排気行程での排ガス流動を示す図である。
【図14】本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関に用いる燃料インジェクタの全体側面図である。
【図15】本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関に用いる燃料インジェクタの要部拡大図である。
【図16】本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関に用いる燃料インジェクタの要部底面図である。
【図17】本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関に用いる燃料インジェクタから噴射される燃料噴霧の形状を示す側面図である。
【図18】図17のA−A断面図である。
【図19】本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関に用いる燃料インジェクタの全体側面図である。
【図20】本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関に用いる燃料インジェクタの要部拡大図である。
【図21】図20に示す燃料インジェクタの噴射口のA−A断面における燃料の流れを示す図である。
【図22】図21におけるB−B断面での、燃料の旋回方向速度分布を示す図である。
【図23】本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関に用いる燃料インジェクタから噴射される燃料噴霧の形状を示す側面図である。
【図24】図23のA−A断面図である。
【図25】本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関における暖機運転時の、タンブル生成弁12の開度に対する、エンジン回転変動率の関係を示す図である。
【図26】タンブル生成弁の開度の定義を示す図である。
【図27】本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関における暖機運転時において、タンブル生成弁の開度が過度に小さく、燃焼室内の順タンブル流が強すぎる場合の、燃焼室内の圧縮行程後期での混合気挙動を示す図である。
【図28】本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関における暖機運転時において、タンブル生成弁の開度が過度に小さく、燃焼室内の順タンブル流が強すぎる場合の、燃焼室内の点火時期での混合気挙動を示す図である。
【図29】本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関における暖機運転時において、タンブル生成弁の開度が過度に大きく、燃焼室内の順タンブル流が弱すぎる場合の、燃焼室内の圧縮行程後期での混合気挙動を示す図である。
【図30】本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関における暖機運転時において、タンブル生成弁の開度が過度に大きく、燃焼室内の順タンブル流が弱すぎる場合の、燃焼室内の点火時期での混合気挙動を示す図である。
【図31】本発明の第2の実施形態による筒内噴射式火花点火機関における暖機運転時の点火時期制御の手順を示したフローチャートである。
【図32】本発明の第2の実施形態による筒内噴射式火花点火機関における暖機運転における、タンブル生成弁開度θT の最適化制御のフローチャートである。
【図33】本発明による、筒内噴射式火花点火機関の暖機運転制御による、HC濃度,排気温度の実機計測結果を示す図である。
【図34】本発明による、筒内噴射式火花点火機関の暖機運転制御による、スモーク濃度の実機計測結果を示す図である。
【図35】筒内噴射式火花点火機関の台上試験で用いた燃料噴霧の縦断層写真である。
【図36】本発明の第3の実施形態による筒内噴射式火花点火機関における暖機運転時の点火時期制御の手順を示したフローチャートである。
【図37】本発明の第4の実施形態による筒内噴射式火花点火機関における暖機運転における、燃圧Pfの最適化制御のフローチャートである。
【図38】本発明による、筒内噴射式火花点火機関の暖機運転制御による、HC濃度の実機計測結果であり、燃料の噴射時期から点火時期までの時間間隔と、HC濃度との相関を示す図である。
【図39】本発明による、筒内噴射式火花点火機関の暖機運転制御による、スモーク濃度の実機計測結果であり、燃料の噴射時期から点火時期までの時間間隔と、スモーク濃度との相関を示す図である。
【図40】本発明における筒内噴射式火花点火機関におけるエンジン暖機運転での、圧縮行程後期での空気流動及び噴霧形態を示す図である。
【図41】本発明における筒内噴射式火花点火機関におけるエンジン暖機運転での、圧縮行程後期での圧縮上死点前での混合気の挙動を示す図である。
【図42】本発明における筒内噴射式火花点火機関におけるエンジン暖機運転での、点火時期での混合気の挙動を示す図である。
【図43】本発明における筒内噴射式火花点火機関におけるエンジン暖機運転での、圧縮行程後期での燃料噴射直後の空気流動及び噴霧形態を示す図である。
【図44】本発明における筒内噴射式火花点火機関におけるエンジン暖機運転での、燃料噴射から一定期間経過後の空気流動及び噴霧形態を示す図である。
【図45】本発明における筒内噴射式火花点火機関におけるエンジン暖機運転での、圧縮行程後期での圧縮上死点前での混合気の挙動を示す図である。
【図46】本発明における筒内噴射式火花点火機関におけるエンジン暖機運転での、点火時期での混合気の挙動を示す図である。
【図47】本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関に用いる燃料インジェクタの全体側面図である。
【図48】本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関に用いる燃料インジェクタの要部拡大図である。
【図49】本発明の第1の実施形態による筒内噴射式火花点火機関に用いる燃料インジェクタから噴射される燃料噴霧の形状を示す側面図である。
【図50】図49のA−A断面図である。
【符号の説明】
2…冷却水、4…点火プラグ、4E…点火プラグ電極部、5…燃料インジェクタ、6…ECU、7…ピストン、8…水温センサ、12…タンブル生成弁、15…吸気管、16…排気管、18…凹溝、19…順タンブル流、20L…リード噴霧、20M…主噴霧、23…燃料ポンプ、25…燃焼室、29…円錐弁、30…プランジャ、37…回転角センサ、40…位置センサ。

Claims (4)

  1. ピストンの冠面を志向する主噴霧のペネトレーションよりも点火プラグを指向するリード噴霧のペネトレーションの方が長い噴霧を形成するインジェクタが、シリンダの吸気弁側に取り付けられた筒内噴射式火花点火機関の暖機制御方法において、
    圧縮行程後半で前記インジェクタから燃料を噴霧し、
    前記点火プラグ近傍を通過し、排気側のシリンダ壁面上を経て、前記ピストンの冠面に到達した、前記リード噴霧が気化して形成される混合気流れMF1と、
    前記主噴霧が気化して形成される混合気流れMF2とを衝突させることにより、
    前記点火プラグ近傍に混合気を成層化させ、
    ピストンが上死点近傍又は上死点以降となるタイミングで、前記点火プラグにより、前記点火プラグ近傍に成層化された混合気に点火する請求項1記載の暖機制御方法。
  2. 前記筒内噴射式点火機関は、前記点火プラグ近傍を通過し、排気側のシリンダ壁面上を経て、前記ピストン冠面に到達する縦渦を生成する縦渦生成手段を有し、
    前記筒内噴射式点火機関の回転変動又はトルク変動の大きさが所定値以下になるように前記縦渦の強度を前記縦渦生成手段を用いて制御する請求項1記載の暖機制御方法。
  3. 前記筒内噴射式点火機関は、燃料の圧力を調整する燃圧調整手段を有し、
    前記筒内噴射式点火機関の回転変動又はトルク変動の大きさが所定値以下になるように前記燃料の圧力を前記燃圧調整手段を用いて制御する請求項1記載の暖機制御方法。
  4. 前記ピストン冠面に凹溝を有する請求項1記載の暖機制御方法。
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