JP3502473B2 - 硫黄含有ポリマー - Google Patents

硫黄含有ポリマー

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JP3502473B2 JP10377995A JP10377995A JP3502473B2 JP 3502473 B2 JP3502473 B2 JP 3502473B2 JP 10377995 A JP10377995 A JP 10377995A JP 10377995 A JP10377995 A JP 10377995A JP 3502473 B2 JP3502473 B2 JP 3502473B2
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1.75以上の高い屈
折率を有し、透明性に優れ、反射防止膜、光学レンズ、
位相差フィルム等に好適に利用し得る硫黄含有ポリマー
に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック光学材料は、無機ガラスに
比べ軽量で、割れにくく、その上加工が容易であること
から、近年は眼鏡レンズ、カメラレンズ等の光学素子と
して急速に普及してきている。
【0003】上記プラスチック光学材料として現在広く
用いられているものとしては、例えば、ジエチレングリ
コールビスアリルカーボネートをラジカル重合させたも
の等がある。これらは、軽量で耐衝撃性に優れ、染色も
容易で、切削、研磨等の加工性も良好である等の優れた
性質を有しているが、屈折率(nD )が無機ガラスの
1.52に比べて1.50と低いため、例えば、ガラス
レンズと同等の光学物性を得るには、レンズの中心厚、
コバ厚及び曲率等を大きくする必要があり、このため全
体に肉厚になることが避けられない欠点を有していた。
【0004】特開昭61−28513号公報には特殊な
フマル酸ジエステルの重合物が高屈折率を有し、上記目
的に適することが開示されているが、屈折率は最高で
1.53程度であり、無機ガラスを代替するものとして
は必ずしも充分なものではなかった。
【0005】プラスチック光学材料を、選択反射膜、選
択透過膜等の光学多層膜として利用するには、1.70
以上というさらに高い屈折率が要求されるが、高屈折率
を有するプラスチック光学材料は乏しく、また、1.7
0を超える屈折率を有していても透明性や材料の着色等
の問題点を有しており、実際に利用できるものは存在し
なかった。従って、現在使用されている光学多層膜は無
機ガラスの蒸着で作成されているが、大面積の蒸着が難
しく高コストになるため、潜在的な市場要求はあるもの
の汎用的に利用されるには至っていない状態であり、簡
便な塗工法によって塗膜を形成し得る高屈折率を有する
プラスチック光学材料に対する要求が高まっていた。
【0006】プラスチック材料の屈折率を高くする方法
としては、高分子,43巻,290頁(1994)に記
載の方法等が挙げられ、芳香族基や硫黄分子をモノマー
分子構造内に導入することが理論的に知られている。上
記方法よりなる高分子としては、ポリアリーレンスルフ
ィドが知られており、特にポリフェニレンスルフィドが
よく用いられる。市販のポリフェニレンスルフィドは、
ガラス転移温度が90℃前後であるのに、融点が270
℃前後と非常に高いため、極めて高い耐熱性を示す。
【0007】しかしながら、ポリフェニレンスルフィド
はフェニレン基がパラ体であるため高結晶性であり、光
学材料としては不適当である。そこで、結晶性を低下さ
せるために、o−フェニレン、m−フェニレン構造を導
入することがなされてきたが、この方法では、ポリフェ
ニレンスルフィドの融点と、ガラス転移温度がともに低
下して耐熱性が失われるという問題が発生する。
【0008】特開昭61−231030号公報には、樹
脂のガラス転移温度を高くして耐熱性を向上させる方法
として、剛直な構造を高分子の主鎖に導入する技術が開
示されている。しかしながら、剛直な構造であるp−タ
ーフェニル構造を導入したポリアリーレンンスルフィド
も結晶性が高く、不透明であり、光学材料として不適当
であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、プラスチック光学レンズ及び位相差フィルムとして
使用できる高い屈折率を有し、しかも透明性に優れた高
屈折率材料を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、硫黄含
有ポリマーを、(A)次の一般式(I)で表される繰り
返し単位、次の一般式(II)で表される繰り返し単位
及び次の一般式(III)で表される繰り返し単のうち
少なくとも1種、並びに、(B)次の一般式(IV)で
表される繰り返し単位よりなる共重合体であって、
(A)のモル%が30〜95であり、(B)のモル%が
5〜70であり、1,1′:4′,1′′:4′′,
1′′′−クォーターフェニレン構造が全繰り返し単位
の20モル%以下であり、還元粘度が0.2〜0.7d
l/g(30℃、N−メチル−2−ピロリドン中、濃度
0.5g/dl)以下であるものとするところに存す
る。
【0011】
【化3】
【0012】式中、R1 、R2 、R3 は、同一又は異な
って、炭素数1〜9のアルキル基、、又は、置換若しく
は無置換のフェニル基を表す。aは、R1 の個数を表
し、0〜4を表す。bは、R2 の個数を表し、0〜4を
表す。cは、R3 の個数を表し、1〜4を表す。
【0013】上記一般式(I)〜(IV)の繰り返し単
位は、アルカリ金属硫化物、アルカリ金属水硫化物、硫
化水素からなる群より選択される少なくとも1種の硫黄
含有化合物と芳香族ジハライドとの反応、芳香族ジチオ
ールと芳香族ジハライドとの反応、及び、ハロゲン化芳
香族チオール同士の反応によって、又は、これらの反応
を混合することによって形成される。
【0014】上記アルカリ金属硫化物としては、例え
ば、硫化ナトリウム、硫化リチウム、硫化カリウム、硫
化ルビジウム、硫化セシウム及びこれらの水和物等が挙
げられるが、入手が容易なこと、良好な結果が得られる
ことから硫化ナトリウム水和物が好ましい。これらのア
ルカリ金属硫化物は、単独でも2種以上併用してもよ
い。
【0015】上記アルカリ金属水硫化物としては、水硫
化ナトリウム、水硫化リチウム、水硫化カリウム、水硫
化ルビジウム、水硫化セシウム及びこれらの水和物等が
挙げられるが、入手が容易なこと、良好な結果が得られ
ることから水硫化ナトリウム水和物が好ましい。。これ
らのアルカリ金属水硫化物は、単独でも2種以上併用し
てもよい。
【0016】上記一般式(I)の繰り返し単位を形成し
うるモノマーとしては、例えば、次の一般式(1)で表
される化合物を使用することができる。
【0017】
【化4】
【0018】式中、R1 は、炭素数1〜9のアルキル
基、又は、置換若しくは無置換のフェニル基を表す。a
は、R1 の個数を表し、0〜4を表す。X1 、X2 は、
同一又は異なって、ふっ素、塩素、臭素、よう素又はメ
ルカプト基を表す。
【0019】上記R1 としては特に限定されず、例え
ば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、フ
ェニル基等が挙げられる。
【0020】上記一般式(I)の繰り返し単位を形成し
うる芳香族ジハライドとしては、例えば、m−ジクロロ
ベンゼン、m−ジブロモベンゼン、m−ジヨードベンゼ
ン、m−ジフルオロベンゼン、2,4−ジクロロトルエ
ン、3,5−ジクロロトルエン、2,6−ジクロロトル
エン、2,4−ジブロモトルエン、3,5−ジブロモト
ルエン、2,6−ジブロモトルエン、2,4−ジクロロ
ビフェニル、3,5−ジクロロビフェニル、2,6−ジ
クロロビフェニル、2,4−ジブロモビフェニル、3,
5−ジブロモビフェニル、2,6−ジブロモビフェニル
等が挙げられるが、合成及び入手が容易であることか
ら、m−ジクロロベンゼン、2,4−ジクロロトルエ
ン、3,5−ジクロロトルエン、2,6−ジクロロトル
エン等が好ましい。
【0021】上記一般式(I)の繰り返し単位を形成し
うる芳香族ジチオールとしては、例えば、m−ベンゼン
ジチオール、3,3′−ジメルカプトジフェニルスルフ
ィド、1,3−ジメルカプト−4−メチルベンゼン、
1,3−ジメルカプト−5−メチルベンゼン等が挙げら
れる。
【0022】上記一般式(I)の繰り返し単位を形成し
うるハロゲン化芳香族チオールとしては、例えば、3−
クロロベンゼンチオール、3−クロロ−3′−メルカプ
トジフェニルスルフィド、1−クロロ−3−メルカプト
−4−メチルベンゼン、1−クロロ−3−メルカプト−
5−メチルベンゼン、1−クロロ−3−メルカプト−6
−メチルベンゼン等が挙げられる。
【0023】上記一般式(II)の繰り返し単位を形成
しうるモノマーとしては、例えば、次の一般式(2)で
表される化合物を使用することができる。
【0024】
【化5】
【0025】式中、R2 は、炭素数1〜9のアルキル
基、又は、置換若しくは無置換のフェニル基を表す。b
は、R2 の個数を表し、0〜4を表す。X3 、X4 は、
同一又は異なって、ふっ素、塩素、臭素、よう素又はメ
ルカプト基を表す。
【0026】上記R2 としては特に限定されず、例え
ば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、フ
ェニル基等が挙げられる。
【0027】上記一般式(II)の繰り返し単位を形成
しうる芳香族ジハライドとしては、例えば、o−ジクロ
ロベンゼン、o−ジブロモベンゼン、o−ジヨードベン
ゼン、o−ジフルオロベンゼン、2,3−ジクロロトル
エン、3,4−ジクロロトルエン、2,3−ジブロモト
ルエン、3,4−ジブロモトルエン、2,3−ジクロロ
ビフェニル、3,4−ジクロロビフェニル、2,3−ジ
ブロモビフェニル、3,4−ジブロモビフェニル等が挙
げられるが、合成及び入手が容易であることからo−ジ
クロロベンゼン、2,3−ジクロロトルエン、3,4−
ジクロロトルエン等が好ましい。
【0028】上記一般式(II)の繰り返し単位を形成
しうる芳香族ジチオールとしては、例えば、o−ベンゼ
ンジチオール、2,2′−ジメルカプトジフェニルスル
フィド、1,2−ジメルカプト−3−メチルベンゼン、
1,2−ジメルカプト−4−メチルベンゼン等が挙げら
れる。
【0029】上記一般式(II)の繰り返し単位を形成
しうるハロゲン化芳香族チオールとしては、例えば、2
−クロロベンゼンチオール、2−クロロ−2′−メルカ
プトジフェニルスルフィド、1−クロロ−2−メルカプ
ト−3−メチルベンゼン、1−クロロ−2−メルカプト
−4−メチルベンゼン、1−クロロ−2−メルカプト−
5−メチルベンゼン、1−クロロ−2−メルカプト−6
−メチルベンゼン等が挙げられる。
【0030】上記一般式(III)の繰り返し単位を形
成しうるモノマーとしては、例えば、次の一般式(3)
で表される化合物を使用することができる。
【0031】
【化6】
【0032】式中、R3 は、炭素数1〜9のアルキル
基、又は、置換若しくは無置換のフェニル基を表す。c
は、R3 の個数を表し、1〜4を表す。X5 、X6 は、
同一又は異なって、ふっ素、塩素、臭素又はメルカプト
基を表す。
【0033】上記R3 としては特に限定されず、例え
ば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、フ
ェニル基等が挙げられる。
【0034】上記一般式(III)の繰り返し単位を形
成しうる芳香族ジハライドとしては、例えば、2,5−
ジクロロトルエン、2,5−ジブロモトルエン、2,5
−ジクロロビフェニル、2,5−ジブロモビフェニル等
が挙げられる。
【0035】上記一般式(IV)の繰り返し単位を形成
しうる芳香族ジハライドとしては、例えば、4,
4′′′−ジクロロ−1,1′:2′,1′′:
2′′,1′′′−クォーターフェニル、4,4′′′
−ジクロロ−1,1′:3′,1′′:3′′,
1′′′−クォーターフェニル、4,4′′′−ジクロ
ロ−1,1′:4′,1′′:4′′,1′′′−クォ
ーターフェニル、4,4′′′−ジブロモ−1,1′:
2′,1′′:2′′,1′′′−クォーターフェニ
ル、4,4′′′−ジブロモ−1,1′:3′,
1′′:3′′,1′′′−クォーターフェニル、4,
4′′′−ジブロモ−1,1′:4′,1′′:
4′′,1′′′−クォーターフェニル、4,4′′′
−ジヨード−1,1′:2′,1′′:2′′,
1′′′−クォーターフェニル、4,4′′′−ジヨー
ド−1,1′:3′,1′′:3′′,1′′′−クォ
ーターフェニル、4,4′′′−ジヨード−1,1′:
4′,1′′:4′′,1′′′−クォーターフェニル
等が挙げられるが、合成が容易であることから、4,
4′′′−ジクロロ−1,1′:2′,1′′:
2′′,1′′′−クォーターフェニル、4,4′′′
−ジクロロ−1,1′:3′,1′′:3′′,
1′′′−クォーターフェニル、4,4′′′−ジクロ
ロ−1,1′:4′,1′′:4′′,1′′′−クォ
ーターフェニルが好ましい。
【0036】上記一般式(IV)の繰り返し単位を形成
しうる芳香族ジチオールとしては、例えば、4,
4′′′−ジメルカプト−1,1′:2′,1′′:
2′′,1′′′−クォーターフェニル、4,4′′′
−ジメルカプト−1,1′:3′,1′′:3′′,
1′′′−クォーターフェニル、4,4′′′−ジメル
カプト−1,1′:4′,1′′:4′′,1′′′−
クォーターフェニル等が挙げられる。
【0037】上記一般式(IV)の繰り返し単位を形成
しうるハロゲン化芳香族チオールとしては、例えば、
4,−クロロ−4′′′−メルカプト−1,1′:
2′,1′′:2′′,1′′′−クォーターフェニ
ル、4,−クロロ−4′′′−メルカプト−1,1′:
3′,1′′:3′′,1′′′−クォーターフェニ
ル、4,−クロロ−4′′′−メルカプト−1,1′:
4′,1′′:4′′,1′′′−クォーターフェニル
等が挙げられる。
【0038】上記一般式(IV)の繰り返し単位を形成
しうる上記芳香族化合物の中でも、合成が容易なことか
ら芳香族ジハライドが好ましく、4,4′′′−ジクロ
ロ−1,1′:2′,1′′:2′′,1′′′−クォ
ーターフェニル、4,4′′′−ジクロロ−1,1′:
3′,1′′:3′′,1′′′−クォーターフェニ
ル、4,4′′′−ジクロロ−1,1′:4′,
1′′:4′′,1′′′−クォーターフェニルが特に
好ましい。
【0039】上記一般式(IV)の繰り返し単位を形成
しうる芳香族ジハライドは、例えば、Journal
of Polymer Science:Part
A:Polymer Chemistry,31巻,8
77〜884頁に記載されている方法等で合成すること
ができる。4,4′′′−ジクロロ−1,1′:2′,
1′′:2′′,1′′′−クォーターフェニル、4,
4′′′−ジクロロ−1,1′:3′,1′′:
3′′,1′′′−クォーターフェニル、4,4′′′
−ジクロロ−1,1′:4′,1′′:4′′,
1′′′−クォーターフェニルは、次のような方法で合
成される。
【0040】−65℃に保った4−ブロモ−1−クロロ
ベンゼンの乾燥テトラヒドロフラン溶液に1.1当量の
n−ブチルリチウムのヘキサン溶液を攪拌しながらゆっ
くり添加し、30分後、さらに4−ブロモ−1−クロロ
ベンゼンに対して1.3当量のトリメチルボレートを攪
拌しながらゆっくりと添加する。その後反応系を自然に
室温に戻し、さらに一晩攪拌を続ける。その後10%の
塩酸を加え、ジエチルエーテルによる抽出を行い、抽出
液を硫酸マグネシウムにより乾燥する。その後ジエチル
エーテルを留去し、得られた固体を水から再結晶させて
生成し、4−クロロベンゼンボロン酸を得る。
【0041】次に、2,2′−ビフェノール、3,3′
−ビフェノール及び4,−4′ビフェノールのいづれか
1種を窒素雰囲気下、乾燥ピリジンに溶解し、約0℃に
保つ。ここに、上記ビフェノールに対し2.05〜2.
5当量のトリフルオロメタンスルホン酸無水物を水分が
混入しないように攪拌しながら滴下する。1時間ほど約
0℃で攪拌を続け、その後、徐々に室温に戻し、更に、
一晩攪拌する。その後、大量の水に反応溶液を注ぎ、こ
こからジエチルエーテルによる抽出を行う。抽出液を塩
酸、水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムによ
り乾燥する。その後、ジエチルエーテルを留去し、得ら
れる残査をシリカゲルカラム(移動相:ヘキサン/トル
エン=4/1(体積比)、ヘキサン/ベンゼン=5/1
(体積比))や、ヘキサンからの再結晶により精製し、
ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビフェニ
ルを得る。
【0042】次に、ビス(トリフルオロメタンスルホニ
ルオキシ)ビフェニルのトルエン等の溶液に、必要量の
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、炭
酸ナトリウム水溶液及びエタノールを加え、更に、上記
4−クロロベンゼンボロン酸(ビス(トリフルオロメタ
ンスルホニルオキシ)ビフェニルに対し2.1当量以
上)と必要量の塩化リチウムを加え、窒素雰囲気下、必
要時間還流させながら攪拌する。
【0043】上記ビフェノールとして4,4′−ビフェ
ノールを用いた場合、目的とする一般式(IV)の繰り
返し単位を有する化合物は反応溶液から結晶として析出
して得られる。この結晶はジメチルホルムアミドから再
結晶することにより精製される。
【0044】上記ビフェノールとして4,4′−ビフェ
ノール以外のものを用いた場合は、上記反応混合物を冷
却後、大量の水に注ぎ、ここからトルエンで抽出を行う
ことにより得られる。抽出液は1規定水酸化カリウム水
溶液と水と飽和食塩水により洗浄した後、硫酸マグネシ
ウムにより乾燥する。溶媒を留去した後、シリカゲルカ
ラムや再結晶等の方法による精製を行い、一般式(I
V)の繰り返し単位を有する化合物が得られる。
【0045】本発明の硫黄含有ポリマーは、(A)上記
一般式(I)で表される繰り返し単位、上記一般式(I
I)で表される繰り返し単位及び上記一般式(III)
で表される繰り返し単位のうち少なくとも1種、並び
に、(B)上記一般式(IV)で表される繰り返し単位
よりなる共重合体であって、(A)のモル%が30〜9
5であり、(B)のモル%が5〜70であり、1,
1′:4′,1′′:4′′,1′′′−クォーターフ
ェニレン構造が全繰り返し単位の20モル%以下であ
る。
【0046】(A)のモル%が30モル%未満である
と、共重合体の結晶化度が高くなり、透明性が損なわ
れ、95モル%を超えると、共重合体のガラス転移温度
が低くなり、室温で粘着性を有し、光学材料として使用
できなくなるので、上記範囲に限定される。好ましく
は、40〜85モル%である。
【0047】(B)のモル%が、5モル%未満である
と、共重合体のガラス転移温度が低くなり、室温で粘着
性を有し、70モル%を超えると、共重合体の結晶化度
が高くなり、透明性が損なわれ、光学材料として使用で
きなくなるので、上記範囲に限定される。好ましくは1
5〜60モル%である。
【0048】1,1′:4′,1′′:4′′,
1′′′−クォーターフェニレン構造が全繰り返し単位
の20モル%を超えると、共重合体の結晶化度が高くな
り、透明性が損なわれるため、上記範囲に限定される。
好ましくは15モル%以下、より好ましくは11モル%
以下である。
【0049】本発明の硫黄含有ポリマーの還元粘度は、
0.2〜0.7dl/g(30℃、N−メチル−2−ピ
ロリドン中、濃度0.5g/dl)である。還元粘度が
0.2dl/g未満であると、共重合体が脆くなり、
0.7dl/gを超えると、成形性が低下して残留複屈
折を示すので、上記範囲に限定される。
【0050】本発明の硫黄含有ポリマーは、下記の2つ
の方法等によって得られる。 米国特許3354129号に開示されているように、
有機アミド溶媒の存在下、上記硫黄含有化合物と芳香族
ジハライドを反応させる。 有機アミド溶媒や有機スルホン溶媒の存在下、上記芳
香族ジチオール又は上記ハロゲン化芳香族チオールのチ
オール基をアルカリ金属塩又はアルカリ金属水酸化物の
存在下、上記芳香族ジラハイド又はハロゲン化芳香族チ
オールと求核置換反応させる。
【0051】の方法について説明する。上記有機アミ
ド溶媒は、反応温度、反応圧力において実質上液体でな
ければならない。このような有機アミド溶媒としては、
例えば、ホルムアミド、アセトアミド、N−メチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミド、N−エチルプロピオンアミド、
N,N−ジプロピルブチルアミド、2−ピロリドン、N
−メチル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−
ピロリドン、N−メチルカプロラクタム、テトラメチル
尿素及びこれらの混合物等が挙げられるが、優れた効果
が得られること及び入手が容易であることから、N−メ
チル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシルピロリド
ン、N−メチルカプロラクタムが好ましい。
【0052】上記反応で使用される反応助剤としては、
例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リ
チウム等のアルカリ金属水酸化物;酢酸ナトリウム、酢
酸カリウム、酢酸リチウム、プロピオン酸ナトリウム、
プロピオン酸カリウム、プロピオン酸リチウム等のアル
カリ金属有機酸塩等を用いることができる。硫黄含有化
合物としてアルカリ金属水硫化物を用いる場合は、アル
カリ金属水硫化物1モルに対しアルカリ金属水酸化物を
1.0〜1.2モル使用するのが好ましい。また、硫黄
含有化合物として硫化水素を用いる場合は、硫化水素1
モルに対しアルカリ金属水酸化物を2.0〜2.2モル
使用するのが好ましい。
【0053】上記硫黄含有ポリマーを合成する際には、
先ず、上記有機アミド系溶媒に上記硫黄含有化合物を加
え、窒素やアルゴンといった不活性ガス雰囲気下に攪拌
しながら昇温し、常圧下に大部分の水を留出させる脱水
操作を行う。この際、硫黄含有化合物として、アルカリ
金属水硫化物及び硫化水素の少なくとも1種を用いるな
ら、上記アルカリ金属水酸化物も上記有機アミド系溶媒
に添加されることが望ましい。この脱水操作は100〜
204℃、好ましくは120〜200℃である。また、
水の急激な留出を防止し、水と溶媒の分離を良好に行う
ためにコンデンサーを付けた装置を用いるのが望まし
い。
【0054】上記脱水操作に引き続き、系内を室温〜1
70℃に冷却し、上記芳香族ジハライドを添加する。こ
の際、系内に仕込んだ硫黄原子に対するハロゲン基の割
合は0.85〜1.25倍、好ましくは0.95〜1.
15倍である。この割合から外れると、得られる硫黄含
有ポリマーの分子量が充分大きくならないおそれがあり
不適当である。上記芳香族ジハライドの添加方法は、通
常の一括投入以外に、分子骨格の一次構造を制御する目
的で、一部の芳香族ジハライドを重合後期に添加した
り、別途重合を行っておいた重合体を重合途中で添加し
たり、更に、上記有機アミド溶媒に溶解して添加する等
の任意の方法を用いることができる。
【0055】上記反応を行う際の反応温度は、一般に1
40〜300℃の範囲であるが、好ましくは180〜2
80℃の範囲であり、より好ましくは210〜270℃
の範囲である。180℃未満であると、分子量が上昇し
にくく、280℃を超えると、生成する樹脂が分解する
おそれがあり好ましくない。反応圧力は、芳香族ジハラ
イド、有機アミド及びその他の有機化合物が実質的に液
相で存在するに足る大きさに維持するべきである。ま
た、この際反応は不活性ガス雰囲気下又は不活性ガスに
よる若干加圧状態で行われる。反応時間は、0.5〜1
2時間であり、好ましくは1.5〜10時間である。
【0056】次にの方法について説明する。上記有機
アミド溶媒としては、の方法に用いる有機アミド溶媒
が用いられる。上記有機スルホン溶媒としては、例え
ば、ジフェニルスルホン、スルホラン、ジメチルスルホ
キシド等が挙げられるが、優れた効果が得られること及
び入手が容易であることから、N−メチル−2−ピロリ
ドン、N−シクロヘキシルピロリドン、N−メチルカプ
ロラクタムが好ましい。
【0057】上記求核置換反応に用いるアルカリ金属塩
としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭
酸ルビジウム、シュウ酸カリウム、重炭酸カリウム等が
挙げられる。上記アルカリ金属水酸化物としては、例え
ば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウ
ム等が挙げられる。上記求核置換反応には、アルカリ金
属塩及びアルカリ金属水酸化物のうち、炭酸カリウム又
は炭酸ナトリウムを用いることが好ましい。
【0058】上記アルカリ金属塩及び上記アルカリ金属
水酸化物は、チオール基に対するアルカリ金属原子の割
合が1.0〜1.3倍である。1.0倍未満であると、
チオール基の活性化が充分でなく、求核置換反応が充分
進行せず、1.3倍を超えると、生成する樹脂が着色す
る等の副反応がおこり好ましくない。
【0059】上記求核置換反応を行う際の反応温度は、
一般に100〜300℃であり、好ましくは150〜2
80℃である。より好ましくは第一段階として150℃
〜溶媒の還流温度又は200℃のうち低温の方の範囲
で、チオール基のアルカリ金属塩化を行い、生じた水分
を留出させ、第二段階として170〜280℃で求核置
換重縮合反応を行うことが好ましい。170℃未満であ
ると、分子量が上昇しにくく、280℃を超えると、生
成する樹脂が分解するおそれがあり好ましくない。ま
た、水の急激な留出を防止し、水と溶媒の分離を良好に
行うためにコンデンサーを付けた装置を用いることが望
ましい。反応圧力は、芳香族ジハライド、有機アミド及
びその他の有機化合物が実質的に液相で存在するに足る
大きさに維持するべきである。反応時間は0.5〜12
時間であり、好ましくは1.5〜10時間である。
【0060】上記求核置換反応において、チオール基に
対するハロゲン基の割合は、0.85〜1.25倍、好
ましくは0.95〜1.15倍である。この割合から外
れると、得られるポリフェニレンスルフィド共重合体の
分子量が充分大きくならないおそれがあり不適当であ
る。芳香族ジハライドの添加方法は、通常の一括投入以
外に、分子骨格の一次構造を制御する目的で一部の芳香
族ジハライドを重合後期に添加したり、別途重合を行っ
ておいた重合体を重合途中で添加したり、さらに上記有
機アミド溶媒に溶解して添加する等の任意の方法を用い
ることができる。
【0061】上記及び上記のいずれの方法において
も、反応終了後、冷却して内容物を取り出し、アセト
ン、メタノール等の溶剤;塩酸、硫酸、塩化アンモニウ
ム水溶液等の酸性の水;水等により洗浄され、濾過や遠
心分離により回収し、乾燥させることにより硫黄含有ポ
リマーが得られる。また、必要に応じて、酸素の存在下
又は不存在下に100〜280℃で熱処理することによ
って、硫黄含有ポリマーの分子量を大きくすることがで
きる。
【0062】また、本発明の硫黄含有ポリマーに、さら
に共重合可能な化合物として、例えば、4,4′−ジク
ロロジフェニルスルホン、4,4′−ジブロモジフェニ
ルスルホン、4,4′−ジヨードジフェニルスルホン、
4,4′−ジフルオロジフェニルスルホン、4,4′−
ジクロロベンゾフェノン、4,4′−ジブロモベンゾフ
ェノン、4,4′−ジヨードベンゾフェノン、4,4′
−ジフルオロベンゾフェノン等が挙げられるが、これら
の全芳香族ジハライドモノマーに対する共重合分率が大
きくなると屈折率が低下するため、これらの全芳香族ジ
ハライドモノマーに対する共重合分率は30モル%未満
であることが望ましい。
【0063】本発明2は、(A)上記一般式(I)で表
される繰り返し単位、上記一般式(II)で表される繰
り返し単位及び上記一般式(III)で表される繰り返
し単位のうち少なくとも1種、(B)上記一般式(I
V)で表される繰り返し単位、並びに、(C)次の式
(V)で表される繰り返し単位よりなる共重合体であっ
て、(A)のモル%が30〜95であり、〔(B)のモ
ル%〕+〔(C)のモル%〕が5〜70であり、
〔(B)のモル%〕÷5+〔(C)のモル%〕÷20が
1より大きく、〔(B)のモル%〕÷95+〔(C)の
モル%〕÷60が1より小さく、1,1′:4′,
1′′:4′′,1′′′−クォーターフェニレン構造
が全繰り返し単位の20モル%以下であり、還元粘度が
0.2〜0.7dl/g(30℃、N−メチル−2−ピ
ロリドン中、濃度0.5g/dl)以下であることより
なる硫黄含有ポリマーである。
【0064】
【化7】
【0065】上記式(V)の繰り返し単位は、アルカリ
金属硫化物、アルカリ金属水硫化物、硫化水素からなる
群より選択される少なくとも1種以上の硫黄含有化合物
と芳香族ジハライドとの反応、芳香族ジチオールと芳香
族ジハライドとの反応、及び、ハロゲン化芳香族チオー
ル同士の反応によって、又は、これらの反応を混合する
ことによって形成される。
【0066】上記式(V)の繰り返し単位を形成しうる
芳香族ジハライドとしては、例えば、p−ジクロロベン
ゼン、p−ジブロモベンゼン、p−ジヨードベンゼン、
p−ジフルオロベンゼン、4,4′−ジクロロジフェニ
ルスルフィド等が挙げられるが、合成及び入手が容易で
あることからp−ジクロロベンゼンが好ましい。
【0067】上記式(V)の繰り返し単位を形成しうる
芳香族ジチオールとしては、例えば、p−ベンゼンジチ
オール、4,4′−ジメルカプトジフェニルスルフィド
等が挙げられる。
【0068】上記式(V)の繰り返し単位を形成しうる
ハロゲン化芳香族チオールとしては、例えば、4−クロ
ロベンゼンチオール、4−クロロ−4′−メルカプトジ
フェニルスルフィド等が挙げられる。
【0069】〔(B)のモル%〕+〔(C)のモル%〕
が5モル%未満であると、共重合体のガラス転移温度が
低くなり、室温で粘着性を有し、70モル%を超える
と、共重合体の結晶化度が高くなり、透明性が損なわ
れ、光学材料として使用できなくなるので、上記範囲に
限定される。
【0070】〔(B)のモル%〕÷5+〔(C)のモル
%〕÷20が1以下になると、共重合体のガラス転移温
度が低くなり、室温で粘着性を有するため、上記範囲に
限定される。〔(B)のモル%〕÷95+〔(C)のモ
ル%〕÷60が1以上になると、共重合体の結晶化度が
高くなり、透明性が損なわれるため、上記範囲に限定さ
れる。
【0071】
【実施例】以下に実施例を掲げて、本発明を更に詳しく
説明する。
【0072】実施例1 分留可能なコンデンサーを備えた1Lオートクレーブ
に、硫化ナトリウム9水塩96.11g(0.4モ
ル)、水酸化ナトリウム0.16g(0.004モ
ル)、塩化リチウム17g及びN−メチル−2−ピロリ
ドン(以下、NMPと省略する)200mlを投入し、
窒素により10kgf/cm2 に加圧してから常圧に戻
す操作を3回繰り返し、系内を窒素雰囲気にした。系を
攪拌しながら200℃に昇温し、約2時間加熱した。こ
のとき61gの水が留出した。系を室温まで冷却してか
ら、m−ジクロロベンゼン41.16g(0.28モ
ル)及び4,4′′′−ジクロロ−1,1′:4′,
1′′:4′′,1′′′−クォーターフェニル45.
04g(0.12モル)及びNMP80mlを投入し、
系を密封状態にして窒素により1kgf/cm2 に加圧
し、220℃で3時間、255℃で3時間、265℃で
1時間重合した。
【0073】系を室温まで冷却した後、オートクレーブ
内の反応混合物をメタノール0.5Lとアセトン1Lか
らなる混合溶媒に攪拌しながら投入した。これをグラス
フィルターにより濾過し、固体粉末を回収した。この固
体粉末をアセトン1Lで1回、イオン交換水1Lで2回
それぞれ洗浄し、100℃で24時間減圧乾燥した。こ
うして得たポリフェニレンスルフィド共重合体の還元粘
度は0.52dl/g(30℃、N−メチル−2−ピロ
リドン中、濃度0.5g/dl)であった。得られたポ
リマーの元素分析の結果からC:H:S=77.5:
4.3:18.2(重量比)であることがわかり、ポリ
マー構造が表1に示す繰り返し単位からなる構造である
と判断した。
【0074】この粉末状析出物の還元粘度は、ウベロー
デ粘度計を用いて、N−メチル−2−ピロリドン中、
0.5g/dlの濃度で、30℃において測定した。次
にこの粉末状析出物を280℃でプレス成形し、厚み
0.5mmの試験片を作成し、以下のように、屈折率及
び透明性を測定し、結果を表1に示した。屈折率は、ア
ッベ屈折計(アタゴ社製、4T型)でジヨードメタンを
接触液として測定した。透明性は、全光線透過率が80
%以上のものを透明、80%未満のものを不透明と判断
した。
【0075】なお、表1中、Xは、4,4′′′−ジク
ロロ−1,1′:3′,1′′:3′′,1′′′−ク
ォーターフェニルを、Yは、4,4′′′−ジクロロ−
1,1′:2′,1′′:2′′,1′′′−クォータ
ーフェニルを、Zは、4,4′′′−ジクロロ−1,
1′:4′,1′′:4′′,1′′′−クォーターフ
ェニルを、それぞれ示す。
【0076】実施例2 実施例1と同様のオートクレーブに、水硫化ナトリウム
(含水率30%)32.03g(0.4モル)、水酸化
ナトリウム16.16g(0.404モル)、塩化リチ
ウム17g、イオン交換水50ml、NMP200ml
を投入し、窒素により10kgf/cm2 に加圧してか
ら常圧に戻す操作を3回繰り返し、系内を窒素雰囲気に
した。系を攪拌しながら200℃に昇温し、約2時間加
熱した。このとき56gの水が留出した。系を室温まで
冷却してから、m−ジクロロベンゼン47.04g
(0.32モル)及び4,4′′′−ジクロロ−1,
1′:3′,1′′:3′′,1′′′−クォーターフ
ェニル15.01g(0.04モル)、4,4′′′−
ジクロロ−1,1′:4′,1′′:4′′,1′′′
−クォーターフェニル15.01g(0.04モル)及
びNMP180mlを投入し、系を密封状態にして窒素
により1kgf/cm2 に加圧し、220℃で2時間、
255℃で3時間、270℃で2時間重合した。この反
応混合物からポリマーを回収する作業以降は、実施例1
と同様に試験片を作成して評価し、結果を表1に示し
た。
【0077】実施例3 m−ジクロロベンゼン及び4,4′′′−ジクロロ−
1,1′:3′,1′′:3′′,1′′′−クォータ
ーフェニル、4,4′′′−ジクロロ−1,1′:
4′,1′′:4′′,1′′′−クォーターフェニル
及び4,4′′′−ジクロロ−1,1′:2′,
1′′:2′′,1′′′−クォーターフェニルを表1
に示した量で重合したこと以外は、実施例2と同様にし
て行い、結果を表1に示した。
【0078】実施例4 実施例1と同様のオートクレーブに、m−ベンゼンチオ
ール28.45g(0.2モル)、炭酸カリウム60.
81g(0.44モル)、NMP200ml、トルエン
100mlを投入し、窒素により10kgf/cm2
加圧してから常圧に戻す操作を3回繰り返し、系内を窒
素雰囲気にした。系を攪拌しながら170℃に昇温し、
約1時間加熱した。このとき約95mlのトルエンが留
出した。系を100℃に冷却してから、o−ジクロロベ
ンゼン17.64g(0.12モル)及び4,4′′′
−ジクロロ−1,1′:3′,1′′:3′′,
1′′′−クォーターフェニル30.02g(0.08
モル)及びNMP200mlを投入し、窒素により1k
gf/cm2 に加圧し、180℃で2時間、220℃で
2時間、260℃で2時間反応させた。この反応混合物
からポリマーを回収する作業以降は、実施例1と同様に
して行い、結果を表1に示した。
【0079】比較例1〜3 m−ジクロロベンゼン及び4,4′′′−ジクロロ−
1,1′:3′,1′′:3′′,1′′′−クォータ
ーフェニル及び4,4′′′−ジクロロ−1,1′:
4′,1′′:4′′,1′′′−クォーターフェニル
を表1に示した量で重合したこと以外は実施例1と同様
にして行い、結果を表1に示した。
【0080】実施例5 実施例1と同様のオートクレーブに、水硫化ナトリウム
(含水率30%)32.03g(0.4モル)、水酸化
ナトリウム16.16g(0.404モル)、塩化リチ
ウム20g、イオン交換水50ml、NMP200ml
を投入し、窒素により10kgf/cm2 に加圧してか
ら常圧に戻す操作を3回繰り返し、系内を窒素雰囲気に
した。系を攪拌しながら200℃に昇温し、約2時間加
熱した。このとき56gの水が留出した。系を室温まで
冷却してから、m−ジクロロベンゼン41.16g
(0.28モル)及び4,4′′′−ジクロロ−1,
1′:3′,1′′:3′′,1′′′−クォーターフ
ェニル22.52g(0.06モル)、p−ジクロロベ
ンゼン2.94g(0.02モル)及びNMP180m
lを投入し、系を密封状態にして窒素により1kgf/
cm2 に加圧し、220℃で2時間、255℃で3時
間、270℃で2時間重合した。この反応混合物からポ
リマーを回収する作業以降は、実施例1と同様にして行
い、結果を表2に示した。
【0081】なお、表2中、Xは、4,4′′′−ジク
ロロ−1,1′:3′,1′′:3′′,1′′′−ク
ォーターフェニルを、Yは、4,4′′′−ジクロロ−
1,1′:2′,1′′:2′′,1′′′−クォータ
ーフェニルを、Zは、4,4′′′−ジクロロ−1,
1′:4′,1′′:4′′,1′′′−クォーターフ
ェニルを、それぞれ示す。
【0082】実施例6 実施例1と同様のオートクレーブに、硫化ナトリウム9
水塩96.11g(0.4モル)、水酸化ナトリウム
0.16g(0.004モル)、塩化リチウム17g及
びN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと省略す
る)200mlを投入し、窒素により10kgf/cm
2 に加圧してから常圧に戻す操作を3回繰り返し、系内
を窒素雰囲気にした。系を攪拌しながら200℃に昇温
し、約2時間加熱した。このとき61gの水が留出し
た。系を室温まで冷却してから、m−ジクロロベンゼン
48.22g(0.328モル)及び4,4′′′−ジ
クロロ−1,1′:4′,1′′:4′′,1′′′−
クォーターフェニル4.50g(0.012モル)、p
−ジクロロベンゼン8.82g(0.06モル)及びN
MP120mlを投入し、系を密封状態にして窒素によ
り1kgf/cm2 に加圧し、220℃で3時間、25
5℃で3時間、265℃で1時間重合した。この反応混
合物からポリマーを回収する作業以降は、実施例5と同
様にして行い、結果を表2に示した。
【0083】実施例7 m−ジクロロベンゼン及び4,4′′′−ジクロロ−
1,1′:3′,1′′:3′′,1′′′−クォータ
ーフェニル及びp−ジクロロベンゼンを表1に示した量
とし、更に、o−ジクロロベンゼンを同時にオートクレ
ーブに仕込み、重合したこと以外は実施例5と同様にし
て行い、結果を表2に示した。
【0084】実施例8 実施例1で用いたオートクレーブに、m−ベンゼンジチ
オール19.91g(014モル)、p−ベンゼンジチ
オール8.53g(0.06モル)、炭酸カリウム6
0.81g(0.44モル)、NMP200ml、トル
エン100mlを投入し、窒素により10kgf/cm
2 に加圧してから常圧に戻す操作を3回繰り返し、系内
を窒素雰囲気にした。系を攪拌しながら170℃に昇温
し、約1時間加熱した。このとき約95mlのトルエン
が留出した。系を100℃に冷却してから、4,
4′′′−ジクロロ−1,1′:3′,1′′:
3′′,1′′′−クォーターフェニル60.05g
(0.16モル)、4,4′′′−ジクロロ−1,
1′:2′,1′′:2′′,1′′′−クォーターフ
ェニル15.01g(0.04モル)、塩化リチウム1
7g及びNMP200mlを投入し、窒素により1kg
f/cm2 に加圧し、180℃で2時間、220℃で2
時間、260℃で3時間反応させた。この反応混合物か
らポリマーを回収する作業以降は、実施例5と同様にし
て行い、結果を表2に示した。
【0085】実施例9 分留可能なコンデンサーを備えた1Lオートクレーブ
に、硫化ナトリウム9水塩96.11g(0.4モ
ル)、水酸化ナトリウム0.16g(0.004モ
ル)、塩化リチウム17g及びNMP200mlを投入
し、窒素により10kgf/cm2 に加圧してから常圧
に戻す操作を3回繰り返し、系内を窒素雰囲気にした。
系を攪拌しながら200℃に昇温し、約2時間加熱し
た。このとき61gの水が溜出した。系を室温まで冷却
してからm−ジクロロベンゼン29.4g(0.20モ
ル)、2,5−ジクロロトルエン12.9g(0.08
モル)、及び、4,4′′′−ジクロロ−1,1′:
3′,1′′:3′′,1′′′−クォーターフェニル
45.0g(0.12モル)及びNMP80mlを投入
し、系を密封状態にして窒素により1kgf/cm2
圧し、220℃で3時間、255℃で3時間、265℃
で1時間重合した。系を室温まで冷却した後、オートク
レーブ内の反応混合物をメタノール0.5Lとアセトン
1Lからなる混合溶媒に攪拌しながら投入した。これを
グラスフィルターによりろ過し、固体粉末を回収した。
この固体粉末をアセトン1Lで1回、イオン交換水1L
で2回それぞれ洗浄し、100℃で24時間減圧乾燥し
た。
【0086】得られた粉末は、元素分析値より表3に示
した構造であると判断した。還元粘度は、ウベローデ粘
度計を用いてジメチルホルムアミド中0.5g/dlの
濃度で、30℃において測定した。このポリマー粉末を
280℃でプレス成形し、厚み0.5mmの試験片を作
成した。この試験片の屈折率をアッベ屈折計(アタゴ社
製、4T型)を用いて測定した。また、透明性の評価と
して、全光線透過率を測定し(80%以上を透明とす
る)結果を表3に示した。次に、この粉末を280℃で
プレス成形し、厚さ0.5mmの試験片を作成し、実施
例1と同様にして屈折率を測定した。また、透明性を全
光線透過率にり評価した。結果を表3に示した。
【0087】実施例10、11 実施例7におけるベンゼン誘導体、トルエン誘導体、及
び、クォーターフェニル誘導体の種類と量とを表3に示
したように変更したこと以外は、実施例7と同様にして
行った。結果を表3に示した。
【0088】実施例12 実施例1と同様なオートクレーブに、水硫化ナトリウム
(含水率30%)32.03g(0.4モル)、水酸化
ナトリウム16.16g(0.404モル)、塩化リチ
ウム20g、イオン交換水50ml、NMP200ml
を投入し、窒素により10kgf/cm2 に加圧してか
ら常圧に戻す操作を3回繰り返し、系内を窒素雰囲気に
した。系を攪拌しながら200℃に昇温し、約2時間加
熱した。このとき56gの水が溜出した。系を室温まで
冷却してから2,4−ジクロロトルエン25.8g
(0.16モル)、p−ジクロロベンゼン23.5g
(0.16モル)及び4,4′′′−ジクロロ−1,
1′:3′,1′′:3′′,1′′′−クォーターフ
ェニル30.0g(0.08モル)及びNMP250m
lを投入し、系を密封状態にして窒素により1kgf/
cm2 加圧し、220℃で2時間、255℃で3時間、
270℃で2時間重合した。系を室温まで冷却した後、
オートクレーブ内の反応混合物をメタノール0.5Lと
アセトン1Lからなる混合溶媒に攪拌しながら投入し
た。これをグラスフィルターによりろ過し、固体粉末を
回収した。この固体粉末をアセトン1Lで1回、イオン
交換水1Lで2回それぞれ洗浄し、100℃で24時間
減圧乾燥した。
【0089】得られた粉末は、元素分析値より表4に示
した構造であると判断した。還元粘度は、ウベローデ粘
度計を用いてジメチルホルムアミド中0.5g/dlの
濃度で、30℃において測定した。このポリマー粉末を
280℃でプレス成形し、厚み0.5mmの試験片を作
成した。この試験片の屈折率をアッベ屈折計(アタゴ社
製、4T型)を用いて測定した。また、透明性の評価と
して、全光線透過率を測定し(80%以上を透明とす
る)結果を表4に示した。次に、この粉末を280℃で
プレス成形し、厚さ0.5mmの試験片を作成し、実施
例1と同様にして屈折率を測定した。また、透明性を全
光線透過率にり評価した。結果を表4に示した。
【0090】実施例13、14 実施例7におけるベンゼン誘導体、トルエン誘導体、及
び、クォーターフェニル誘導体の種類と量を、表4に示
したように変更したこと以外は、実施例7と同様にして
行った。結果を表4に示した。
【0091】比較例4〜7 m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン、4,
4′′′−ジクロロ−1,1′:3′,1′′:
3′′,1′′′−クォーターフェニル、4,4′′′
−ジクロロ−1,1′:2′,1′′:2′′,
1′′′−クォーターフェニル、4,4′′′−ジクロ
ロ−1,1′:4′,1′′:4′′,1′′′−クォ
ーターフェニルを表1に示した量で重合したこと以外
は、実施例5と同様にして行い、結果を表2に示した。
【0092】
【表1】
【0093】
【表2】
【0094】
【表3】
【0095】
【表4】
【0096】
【発明の効果】本発明の硫黄含有ポリマーは、上述の構
成よりなるポリフェニレンスルフィド共重合体からなる
ので、1.75以上の高屈折率を有し、各種光学材料、
特に光学レンズ、光学多層膜及び液晶表示用位相差フィ
ルム等に好適に利用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 75/00 - 75/04 C08L 81/00 - 81/02 G02B 1/04 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)次の一般式(I)で表される繰り
    返し単位、次の一般式(II)で表される繰り返し単位
    及び次の一般式(III)で表される繰り返し単のうち
    少なくとも1種、並びに、(B)次の一般式(IV)で
    表される繰り返し単位よりなる共重合体であって、
    (A)のモル%が30〜95であり、(B)のモル%が
    5〜70であり、1,1′:4′,1′′:4′′,
    1′′′−クォーターフェニレン構造が全繰り返し単位
    の20モル%以下であり、還元粘度が0.2〜0.7d
    l/g(30℃、N−メチル−2−ピロリドン中、濃度
    0.5g/dl)以下であることを特徴とする硫黄含有
    ポリマー。 【化1】 式中、R1 、R2 、R3 は、同一又は異なって、炭素数
    1〜9のアルキル基、又は、置換若しくは無置換のフェ
    ニル基を表す。aは、R1 の個数を表し、0〜4を表
    す。bは、R2 の個数を表し、0〜4を表す。cは、R
    3 の個数を表し、1〜4を表す。
  2. 【請求項2】 (A)次の一般式(I)で表される繰り
    返し単位、次の一般式(II)で表される繰り返し単位
    及び次の一般式(III)で表される繰り返し単位のう
    ち少なくとも1種、(B)次の一般式(IV)で表され
    る繰り返し単位、並びに、(C)次の式(V)で表され
    る繰り返し単位よりなる共重合体であって、(A)のモ
    ル%が30〜95であり、〔(B)のモル%〕+
    〔(C)のモル%〕が5〜70であり、〔(B)のモル
    %〕÷5+〔(C)のモル%〕÷20が1より大きく、
    〔(B)のモル%〕÷95+〔(C)のモル%〕÷60
    が1より小さく、1,1′:4′,1′′:4′′,
    1′′′−クォーターフェニレン構造が全繰り返し単位
    の20モル%以下であり、還元粘度が0.2〜0.7d
    l/g(30℃、N−メチル−2−ピロリドン中、濃度
    0.5g/dl)以下であることを特徴とする硫黄含有
    ポリマー。 【化2】 式中、R1 、R2 、R3 は、同一又は異なって、炭素数
    1〜9のアルキル基、又は、置換若しくは無置換のフェ
    ニル基を表す。aは、R1 の個数を表し、0〜4を表
    す。bは、R2 の個数を表し、0〜4を表す。cは、R
    3 の個数を表し、1〜4を表す。
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