JP3498705B2 - 電気式人工喉頭 - Google Patents
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Description
により喉頭摘出手術によって、声を出すことができなく
なった喉頭摘出者が、再び声を出すために使用する装置
である、電気式人工喉頭に関する。
帯音源が失われる。このため声を出すことができなくな
る。しかし、声帯音源が失われても、舌や唇などの調音
器官は残存しており、何らかの方法で声帯音源の代わり
となる音源を生成することができれば、不完全ながらも
発生が可能となる。
は、食道発声法、手術的音声言語保存法、電気式人工喉
頭等が存在する。食道発声法は、いわゆるゲップ的な空
気流を放出することにより音を出し、この音が、舌およ
び唇等により変化を加えられ、声になるものである。こ
の食道発声法は余分な機器が不要で、一旦この技法を修
得すると、どこでも自由に発声できることとなる。しか
し、食道発声法は、修得までに時間がかかること、病弱
者や高齢者にとって修得が困難なこと、その発声音を大
きくできないことが欠点となっている。
は、特許文献1(特開平6−133993)に示される
音声人工器官が挙げられる。音声人工器官は、体内に埋
め込まれるため、食道発声法と同様に、余分な機器を持
ち運ぶ煩わしさが無く、どこでも自由に発声できる長所
を有している。しかし、音声人工器官は、気管部分に余
分な手術が必要であり、しかも付着物や菌類の発生によ
り8週間前後で交換および洗浄する必要が生ずる。
る代用音源を機械的もしくは、電子機械的に生成し、こ
の代用音源を口腔内に導くことによって、喉頭摘出者が
発声を行うことを可能とする装置である。この電気式人
工喉頭は、患者が発声したいとき、人体の頚部に押し当
てると共に指でスイッチを操作して使用する。このた
め、常時、この装置を持ち運ぶ手間があると共に発声の
度に頚部に押し当ててスイッチを操作する作業が必要と
なる煩わしさが存在している。
法のように長時間の訓練は必要なく、病弱者や高齢者に
とっても簡単に使用できるものとなっている。また、音
声人工器官のように、特別な手術や定期的な交換や洗浄
が不要で、極めて扱い易いものとなっている。このよう
な利点が存在するため、代用発声法として欠かせない物
となっている。
音源の断続を行うスイッチを備えており、喉頭摘出者
は、このスイッチを指で操作しながら代用音源の断続の
みを行って発声を行っていた。一方、健常者が発声を行
う場合には、発声の内容にあわせて声帯音源の基本周波
数や音量を変化させ、これによってアクセントやイント
ネーションを表現したり、声の大きさを変化させている
ことは周知の事実である。これに対して、従来の電気式
人工喉頭が生成する代用音源は、基本周波数と音量が一
定の代用音源であるため、アクセントやイントネーショ
ンを表現したり、声の大きさを変化させたりすることが
できず、その結果として、不自然な声でしか発声を行う
ことができないという重大な問題があった。
影響は極めて大きく、声が不自然であるがために、言い
たいことを理解してもらえない、細かい感情が表現でき
ない、電話での話が伝わりにくい、人と話すのが恥ずか
しい、いらいらする、驚かれるなど、数多くの精神的苦
痛が訴えられていた。
周波数や音量の変化が必要であることは言うまでもな
い。しかし、上述のように、従来の電気式人工喉頭は、
基本周波数と音量が一定の代用音源しか生成できないた
め、歌を歌うことは不可能であった。
等は、先に特許文献2(特開平7−433)や特許文献
3(特開平8−265891)に示される電気式人工喉
頭を共同にて開発した。特開平7−433の明細書に示
される電気式人工喉頭は、生体情報検出手段によって検
出した呼吸等の情報に応じて、音響変換器から出力する
代用音源の基本周波数や音量を制御することにより、発
声中にアクセントやイントネーションを表現したり、声
の大きさを変化させたりすることができるものとなって
いる。このため、より自然な声で発声を行うことが可能
となっている。
情報を、情報記録媒体に予め記録しておき、この情報記
録媒体から読み出した情報に応じて音響変換器から出力
する代用音源の基本周波数や音量を制御できるようにな
っている。このため、特に、使用頻度の高い単語や文章
などの発声を行う場合や、歌を歌う場合などのように、
基本周波数や音量を制御するための情報があらかじめ決
まっている場合には効果が大きいものとなっている。
気式人工喉頭は、音響変換器から発声する音を断続する
ためのスイッチと、その基本周波数、音量を可変する機
構とが一体となっている。このため、操作性が大幅に向
上し、アクセントやイントネーションをつけやすく、よ
り自然な声を実現でき、また小型で安価にすることが可
能となっている。
たは、電子式発音体を利用しているので、小型で、安価
にすることが可能であり、応答も早く、周波数帯域も広
いので、より自然な声を実現できるものとなっている。
人工喉頭は、従来の問題点を解決するもので大幅に音質
が向上し、人間の発声に近づくものとなっていると共に
利便性が向上したものとなっている。
書)
書)
の特許文献2,3の各明細書に記載される電気式人工喉
頭は、従来の欠点の1つである操作性の問題を依然とし
て保有している。すなわち、従来のすべての電気式人工
喉頭は、片手で本体を持ちながら、自分の頚部に音源発
生部を押し当て、音源の断続を行うスイッチを操作する
ことにより、発声を行っている。なお、本体には、音源
発生部の他に、音源発生部を制御する制御回路や音源発
生部へ電力を供給する電源部が組み込まれており、全体
重量が100gを超え、長さも10cmを超えるものと
なっている。
に本体を頚部までもってくる必要があり、操作者(喉頭
摘出者)にとって操作の煩わしさが存在している。ま
た、電気式人工喉頭の本体を片手で持ち操作を行うた
め、発声をしながら使用できるのは、片手だけとなって
いる。したがって、電話をしながらメモがとれないと
か、両手を必要とする作業を行う時に発声することがで
きず、結果的に良好なコミニュケーションがとれず、そ
れが喉頭摘出者の社会復帰の足かせにもなり、重大な問
題となっている。
めになされたものであり、発声の度に音源発生部を頚部
にもってくる煩わしさをなくし、操作性を向上させ得る
電気式人工喉頭を提供することを目的とする。また、他
の発明は、操作者にとって、装着した際の違和感が無い
ようにできる電気式人工喉頭を提供することを目的とし
ている。
め、本発明の電気式人工喉頭は、振動板に、ボイスコイ
ルモータのコイルと一体的に動作する軸を対向させ、こ
の軸が振動板に間欠的に突き当たって音源を発生させる
音源発生部と、この音源発生部を制御する制御部とを備
え、ボイスコイルモータのヨークに両端または外周端が
固定される弾性部材によって軸またはコイルを支持する
と共に少なくともコイルとコイルの保持体をヨーク内に
収納させている。
によって軽量化が図れ、軸またはコイルを支持するゴム
がヨークに固定され、ヨークには少なくともコイルおよ
びコイルの保持体が収納されるので、厚さが大きくなら
ず扁平化が可能となる。この結果、この音源発生部を頚
部近傍に常時取り付けても操作者にとって違和感が無い
ものとなる。なお、弾性部材としては、ゴム、板バネ、
弾性を有する樹脂等が採用される。
動板に、ボイスコイルモータのコイルと一体的に動作す
る軸を対向させ、この軸が振動板に間欠的に突き当たっ
て音源を発生させる音源発生部と、この音源発生部を制
御する制御部とを備え、音源発生部を頚部に接触可能に
取り付け、制御部を音源発生部から分離させ人体を覆う
被服部材の一部に収納可能としている。
頚部に常時取り付け可能となる。この結果、発声の度に
音源発生部を頚部にもってくる煩わしさが無くなり、操
作性が向上する。また、重くなる制御部を被服の一部に
収納できるので、外観上は、小型の音源発生部のみが目
に付くだけとなり、第三者に取っての違和感も大きく減
少する。なお、被服部材としては、背広、ズボン、コー
ト、ブラウス、スラックス等のいわゆる服の他に、腰に
つけるポーチ、肩にかけるポシェット、頭につける帽子
等を採用することができる。
板に、ボイスコイルモータのコイルと一体的に動作する
軸を対向させ、この軸が振動板に間欠的に突き当たって
音源を発生させる音源発生部と、この音源発生部を制御
する制御部とを備え、音源発生部を制御部から分離さ
せ、音源発生部の厚さを5〜15mmとしている。
音源発生部を頚部に常時取り付けできることとなる。こ
の結果、発声の度に音源発生部を頚部にもってくる煩わ
しさが無くなり、操作性が向上する。また、厚さが5〜
15mmとなっているので、頚部近傍に取り付けても出
っ張らず、操作者および第三者にとって違和感が無くな
る。
タを駆動させる電源を制御部に保有させているので、制
御のための電源と音源発生部のための電源との共用が可
能となる。
たは人体を覆う被服部材に固定される介在手段に取り付
け、音源発生部から音が出る時またはその直前に、その
介在手段を基準として頚部に押し当てる方向にその音源
発生部を移動可能にしている。このため、音源発生部が
介在手段に取り付けられた状態では、頚部に当接せず、
発声時のみ頚部に押し当てることができる。この結果、
操作者は発声しないときは、頚部部分に押し当て感を感
じず、気分的にさわやかなものとなる。
をより詳細に説明する。なお、まず最初に本発明の好ま
しい第1の実施の形態とその変更例を第1図から第11
図によって説明する。
体構成を示している。この電気式人工喉頭1は、人体1
0の首部分に取り付けられる介在手段となるバンド2に
保持され、人体10の頚部10a近傍に常時配置可能と
され代用音源となる音源発生部3と、この音源発生部3
から分離されると共に、音源発生部3を動作させる携帯
可能な制御部4とで構成される。
ック11に固定された圧力スイッチ12およびこの圧力
スイッチ12で動作する圧力センサ13で構成される制
御信号発生部14と、この制御信号発生部からの信号に
よって音源発生部3の駆動制御を行うと共に音源発生部
3への電力供給を行う電源部15を有する制御ユニット
16とから構成される。
っており、その体積が小さくなると、内部の空気が伝達
チューブ21を通って圧力センサ13を動作させる。制
御ユニット16と圧力センサ13との間には、圧力セン
サ13からの信号を制御ユニット16へ伝えるためと、
電源部15の電力を圧力センサ13へ供給するための連
結ケーブル22が設けられている。さらに、制御ユニッ
ト16と音源発生部3との間には、制御ユニット16で
制御された電力を音源発生部3へ供給すると共に、後述
する押し当て機構を動作させるための電力を供給するた
めの電力供給ケーブル23が設けられる。
2は、伸縮自在でかつ所定の伸び強度を有し、頚部10
aを含め首全体に巻かれるものとなっている。音源発生
部3は、押し当て機構となるソレノイド機構24によっ
て、発声時に頚部10aに強く押し当てられる。
ノイド機構24は、バンド2で覆われ、ソレノイド機構
24を取り付けるため取り付け部25が外側に露出して
いる。ソレノイド機構24は、通常はコイル26に電流
が流れてオンとなっている。このため、非発声時には、
音源発生部3に固定された鉄製の可動鉄片27をバネ2
8の伸び力に抗して第3図の矢示V方向に引っ張ってお
り、音源発生部3は、第3図の矢示V方向に引っ込んだ
状態となっている。そして、発声時または発声直前に圧
力センサ13からの信号により、ソレノイド機構24が
オフされると、バネ28が矢示W方向に伸び、頚部10
a側に音源発生部3が強く押される。
生部3が頚部10aの方向に移動するものとなっている
が、オンによって頚部10a側に移動する構成としても
良い。なお、ソレノイド機構24によって、頚部10a
に強く押し当てなくても、バンド2によって十分に押し
当て力が生じている場合には、ソレノイド機構24を省
略した構造のものとしても良い。
ータで、その構造は第4図および第5図に示すとおりと
なっている。すなわち、円柱形の両端がNSにそれぞれ
着磁されたマグネット31と、マグネット31を囲む円
筒形状のコイル保持体32と、コイル保持体32に外周
に巻回されるコイル33と、コイル33を囲むヨーク3
4とからモータ部が構成されている。
34内に完全に収納されている。コイル保持体32の中
央には軸35が設けられ、ヨーク34の開口側端部に接
着固定された円形のゴム36に軸35が固定されてい
る。この固定は、第4図の拡大部分に示すように、軸3
5に円周に渡る切り欠き35aを設け、この切り欠き3
5aにゴム36を入れ込み、その後、接着剤37を、切
り欠き35aの周辺に付着させることにより行う。な
お、この接着剤37を設けないようにしても良い。
形成された振動板38を配置する。振動板38の外周に
は、ドーナッツ形の発泡系のゴム材39が取り付けら
れ、外枠40に固定されている。ゴム材39は、振動板
38に設けられた円形段部38aに嵌合し、その外周が
外枠40と、はさみ込み部材41にはさまれて固定され
ている。はさみ込み部材41の外周には、雄ねじ(図示
省略)が形成され、一方、外枠40の対向する部分に雌
ねじ(図示省略)が形成され、はさみ込み部材41を回
転させながら進行させることによってゴム材39をはさ
み込むようになっている。
ーボネイト等他の樹脂材や金属材としても良い。また、
振動板38から出る音質を柔らかくするために軸35が
突き当たる振動板38の一面にシリコンゴムの0.2〜
0.4mm程度の薄いフィルム(図示省略)を設けても
良い。この薄いシリコンゴムのフィルムは、0.3mm
の厚さとするのが最も好ましい。
ット31とヨーク34の間(ギャップ)に磁界が発生し
ているため、コイル33に電気を流すとフレミングの法
則により、軸35が第4図で上に持ち上がる。そのた
め、軸35が振動板38を叩き、音となる。電気を流す
のをやめると、ゴム36によって、軸24は第4図で下
に下がることになる。この構成の場合、ゴム36がヨー
ク34に直接固定され、コイル保持体32やコイル33
がヨーク34に完全に収納される構成となっているた
め、扁平化が可能となる。
mで、直径Rが20mmとなっているが、操作者の違和
感や第三者から見た目を考慮すると、厚さHは、5〜1
5mmが好ましい。一方、直径Rは、同様な観点および
頚部10aに該当する場所の大きさならびにボイルコイ
ルモータの動作力を考慮すると、10〜25mmが好ま
しい。
に示す。制御信号発生部14には、圧力スイッチ12、
圧力センサ13の他に、信号増幅部51と、圧力センサ
13がオンとなる点を決めるしきい値調整部52とが設
けられている。制御ユニット16には、電源部15の他
に、CPU(Central Processing Unit)53と、記憶
手段となるメモリカード54を受け入れ、その情報をC
PU53に伝達する記憶装置部55と、音源発生部3へ
の供給電力を増幅する電力増幅部56とが設けられてい
る。また、制御ユニット16には、音量をアナログ的に
切り替える音量調整部57と、制御ユニット16のオ
フ、オンおよび後述する呼気センサを使用するときの切
替を行う基本動作切替部58と、後述する一定音(一定
周波数音)動作、可変周波数音動作および歌機能を切り
替えるモード切替操作部59と、メモリカード54内に
記録された歌を選曲する選曲操作部60と、歌の音程を
操作者の好みの音程に上下させるトーンコントロール部
61とが設置されている。
を第7図に示す。メモリカード54には複数の曲が記録
されているが、1曲目は、行番地A00に入ると共に、
列番地B00,B01,B02,…の順に、曲の開始か
ら1音ずつの周波数データD00,D01,D02,…
が入っている。同様に、2曲目は、行番地A01に入
り、曲の開始から1音ずつの周波数データD10,D1
1,D12,D13,D14,…が入っている。さら
に、同様に、3曲目、4曲目、5曲目のデータが入って
いる。この実施の形態では、5曲分が入っているが、メ
モリ容量を大きくしたり小さくすることにより、他の曲
数とすることができる。具体的には、圧力スイッチ12
を操作することにより、1つずつメモリアドレスが更新
され、初めはD00の音、次にD01の音というように
切り替わる。この動作を行わせる場合、圧力スイッチ1
2ではなく、単なるスイッチでも同様な動作が可能とな
る。
記録しているメモリカード54を制御ユニット16に挿
入し、モード切替操作部59を歌機能に切り替え、選曲
操作部60によって歌いたい歌を選曲する。その後、指
についている圧力スイッチ12を操作することにより、
1音づつ歌のメロディにあった周波数を音源発生部3に
伝え、音にする。たとえば、「さいた、さいた、チュー
リップの花が」と歌う場合、「さ」の部分で、指につい
ている圧力スイッチ12を押すことにより、制御ユニッ
ト16が「さ」の音程に対応する周波数データD00の
音を音源発生部3に伝える。次に、再度圧力スイッチ1
2を押すことにより、次の周波数データD01である
「い」の音程に切り替わる。このようにして、順番に曲
に沿った音程を出す。出力される音程の音に合わせ、口
の形を変化させれば、歌になるのである。1つのメモリ
カード54には、複数曲の音程を記録しているが、メモ
リカード54を違うものに入れ替えることができる構成
としているので、色々な種類の歌を歌うことが可能にな
る。
出前の本人の声データを元にした音源データを記憶させ
ることもできる。本人の声データによる音源データが記
憶されたメモリカード54(以下操作者専用のメモリカ
ード54という)を使用できるようにする場合、制御ユ
ニット16の構成を若干変更する必要がある。変更する
場合の構造としては種々考えられるが、少なくとも次の
3つの変更が実現可能である。第1は、記憶装置部55
を2つ設け、1つを歌用のメモリカード54に対応する
ものとし、他の1つを操作者専用のメモリカード54に
対応させるものである。第2は、記憶装置部55は、現
状どおり1つとし、制御ユニット16内に操作者専用メ
モリカード54のデータを保存する記憶部を設けるもの
である。操作者専用のメモリカード54が記憶装置部5
5に挿入されたとき、自動的にまたは所定のスイッチ部
によって本人の音源データを制御ユニット16内の記憶
部にインストールさせる。第3は、現状の歌機能を無く
し、代わりに操作者専用のメモリカード54のための記
憶装置部55とするものである。
操作スイッチなどで、音を出す時に、操作者専用のメモ
リカード54に記憶されていたり、制御ユニット16内
の記憶部にインストールされた本人の音源データを読み
出して音とする。読み出された音は、手術前の本人の声
データが元になった音であるため、限りなく、手術前の
声に近い発声が可能となる。
メモリカード54に記憶させるのではなく、コンピュー
タのハードディスク等に保存させ、通信手段を介して制
御ユニット16内に設置する記憶部にインストールする
ようにしても良い。さらには、本人の声データによる音
源データをEEPROMに入れ込み、チップ化し、制御
ユニット16内に組み込むようにする等、音源データを
種々のものに保存し、利用できるようにすることができ
る。
を保有させるこの発明および記憶手段(メモリカード5
4)を制御部4に接離可能にする発明は、従来のような
音源発生部と制御部とが一体になった構造のものにも適
用できる。
コントロール機能は、トーンコントロール部61を操作
することにより行う。これは第8図に示すように、メモ
リカード54から読み出した音程の元データ65に音程
調整データ66を加えることにより、出力データ67を
所望の周波数データとするものである。これは、たとえ
ば、元の音程に対して、半音上げるとか下げることが可
能となり、自分の発声だけでは音程をコントロールでき
ない操作者にとっては非常に好ましいものとなる。
シュメモリが好ましいが、通常のEEPROMや他のカ
ード型の記憶手段としても良い。また、記憶手段および
記憶装置部としては、メモリカード54と記憶装置部5
5以外に、光磁気ディスクと光磁気記録装置、光ディス
クと光記録装置等他の記憶手段および記憶装置部として
も良い。
定音動作は、指10bについている圧力スイッチ12に
圧力を加え、ある圧力以上になったら、制御ユニット1
6が音源発生部3に一定周波数の信号を送り、一定音と
するものである。この場合、圧力スイッチ12ではな
く、単なるスイッチでも同様な動作が可能となる。
れる可変周波数音動作は、指10bに付いている圧力ス
イッチ12に圧力を加え、ある圧力以上になったら、制
御ユニット16が音源発生部3に加えられた圧力に相当
する周波数の信号を送り、音とし、さらに圧力が加わる
と、その圧力に相当する周波数を変化させて、音源発生
部3に信号を送るものである。つまり、圧力が小さい場
合は、低い周波数、圧力が高い場合は、高い周波数とい
うように、制御ユニット16にて圧力−周波数変換し、
音源発生部3で発生する音の周波数に変化をつけるもの
となっている。
のとおりである。
8によって、制御ユニット16をオンとする。なお、制
御ユニット16をオフとするのは、この装置を取り外し
たときや長時間に渡って発声しないことが確実な場合で
ある。また、制御ユニット16の音量調整部57によっ
て、音量を設定する。さらに、モード切替操作部59に
よって、一定音(一定周波数音)動作、可変周波数音動
作および歌機能のいずれかに設定する。
は、発声したいときには、圧力スイッチ12を押す。そ
の圧力が所定のしきい値を超えると、圧力センサ13が
作動し、制御ユニット16にその信号を伝える。制御ユ
ニット16内のCPU53は、その信号を受けると、ま
ずソレノイド機構24をオフとする。この結果、ソレノ
イド機構24は、音源発生部3を頚部10aに押し当て
る。さらにCPU53は、押し当てられた音源発生部3
に増幅された電力を供給する。これを受けて、既に頚部
10aに押し当てられた音源発生部3は、音を頚部10
aに送り込み、操作者は、それに合わせ、口を動かすこ
とにより発声できることになる。
態の変更例を説明する。この変更例となる電気式人工喉
頭70は、有線ではなく無線方式を採用した1例であ
る。なお、第9図の符号で、第1図と同じものは、同一
部材を示し、その説明を省略することとする。
イッチ12と、無線機能を有する時計型の制御ユニット
72と、音源発生部3およびソレノイド機構24の電源
となる電源部73とから構成される。制御ユニット72
は、その内部に自身の電源(図示省略)を有している。
電源部73から音源発生部3に供給される電力のコント
ロールは、制御ユニット72が電源部73の出力部分を
制御することにより行っているが、音源発生部3の入力
部分で制御するようにしても良い。
ット72とが有線となっているが、この間も無線として
も良い。また、電源部73が腰につけたポーチ74内に
入れられ、音源発生部3と有線で結ばれているが、音源
発生部3やソレノイド機構24がそれぞれ独自に小型の
電源を有するようにすれば、電源部73は不要となる。
て、第1の実施の形態のさらなる変更例となる電気式人
工喉頭80を説明する。この変更例は、生体情報を検出
するセンサとしての呼気センサ81、首の一部のみを覆
う介在手段82および音源発生部3を移動させる移動機
構83を採用した1例である。
弱を検出する。この呼気の強弱によって音源発生部3の
周波数を可変できる。なお、呼気の有無の検出だけを行
うようにしたり、呼気の強弱によって音源発生部3の音
量を調整するようにしても良い。
から形成されたセンサパット84と、空気弁85と、検
知体が納められたセンサボックス86と、呼気センサ8
1の検出しきい値を調整するための回路等を有する回路
部87とから主に構成されている。センサパット84に
は呼気をセンサボックス86側に案内する案内孔88が
設けられている。
から形成されており、呼気センサ81と音源発生部3を
支持している。また、介在手段82中には、制御ユニッ
ト16と結ぶ電力供給兼信号伝達ケーブル89が貫通し
ている。この介在手段82は、胸または肩に取り付けら
れた支持手段と一体化されまたはその支持手段に固定さ
れ、その上から服を着ることによって外部からは介在手
段82の上部すなわち呼気センサ81の周辺のみが目視
されるようになる。
を操作する人の個人差を吸収するものである。すなわ
ち、各電気式人工喉頭1,70,80は、頚部10aに
音源発生部3を押し当て、その音を皮膚を介して、のど
に送り込むことにより、声にしているが、押し当てる位
置に個人差があり、みんな同じ位置に音源発生部3を当
てれば良いものではない。そこで、この電気式人工喉頭
80は、頚部10aに固定するための介在手段82と音
源発生部3の位置関係は、常に固定ではなく、任意の位
置にずらせ得る構造としている。
ノイド機構24を介在手段82に対して第10図の矢示
X方向およびY方向にスライド可能としている。このス
ライドによって、操作者にとって最適な位置に音源発生
部3を位置させることができる。なお、介在手段82中
には、先の電力供給兼信号伝達ケーブル89が貫通して
おり、音源発生部3とソレノイド機構24は、スライド
によって接触位置が変化するものの、常時、電源の供給
を受けるようになっている。
なるソレノイド機構24は、音源発生部3を発声時また
は発声直前に頚部10aに押し当て、発声していないと
きは頚部10aと接触させないようにしている。このソ
レノイド機構24の具体的構造は、第3図に示すものと
同様で、非発声時はバネ28に抗して音源発生部3を頚
部10aから引き離している。このような構成とする
と、ソレノイド機構24を動作させるだけの電力が無く
なったとき、ソレノイド機構をオフすることによって、
電源部15の電力を音源発生部3等の主要構成部分のみ
に供給できることとなる。また、何らかの理由でソレノ
イド機構24が動作しなくなっても、バネ28により、
確実に頚部10aに音源発生部3を押し当てることがで
きる。なお、プッシュ式のソレノイド機構24を利用す
るのではなく、スライド式の押し当て機構を採用しても
良い。また、常時、頚部10aに音源発生部3を押し当
てても、操作者にとって違和感が無い場合は、ソレノイ
ドを常時オフするか、またはバネ28を残して他のソレ
ノイド機構24を無くした構造としても良い。
力センサ13等の外部スイッチや呼気センサ81等の呼
気センサが使用可能となっている。そして、制御ユニッ
ト16にディップ(DIP)スイッチ(図示省略)が設
けられており、外部スイッチや呼気センサによる一定周
波数音動作として、60Hz,80Hz,100Hz,
120Hz,140Hz,160Hzの6種類と、可変
周波数動作として、60〜220Hz,60〜180H
z,60〜260Hz,60〜300Hz,80〜32
0Hz,80〜340Hzの6種類が切り替え設定でき
るようになっている。なお、これらの値は、各電気式人
工喉頭1,70,80が採用している値であり、1例を
示しているに過ぎない。他の値、たとえば、一定周波数
を10Hzきざみとしたり、種類を7種類以上や5種類
以下としたり、可変周波数の下限や上限の値のいずれか
一方または両者を変更しても良い。また、切替手段とし
ても、ディップスイッチ以外に、ロータリスイッチ、セ
レクトスイッチなど他の手段を採用できる。
は、メインスイッチとなる基本動作切替部58がオフ状
態にない状況で放置されると、電源部15の電力が消耗
してしまう。このため、オフにした状態で放置され、何
の入力も無い状況が所定時間、たとえば20分間続く
と、音源発生部3を動作させるようにしている。さら
に、この状態が続くと、所定時間、たとえば10分間続
くと、音源発生部3を動作させるようにしている。この
ようにして、音源発生部3等の切り忘れを防止してい
る。また、各回の動作は、音源発生部3を数秒間に数回
繰り返し駆動させることにより行っている。なお、この
切り忘れ対策としては、10分間程度の間隔で計3回動
作させたり、音源発生部3を動作させる間隔を徐々に長
くしたり、短くしたりする等の方法を採用できる。
モータと振動板を利用した構成としているが、圧電式発
音体や、ICとスピーカを利用した電子式発音体とした
り、駆動部として超音波モータ等他のモータを利用した
振動板方式としたりしても良い。
本体を持って使用する必要がない。また、電気式人工喉
頭1,70,80における手につけるスイッチは、たと
えば小指10bに装着すれば、日常の多くの動作におい
て、小指10bはあまり重要な役割をしていないため、
電話をしながらメモを取るなどの両手を必要とする作業
のいくつかが、可能となる。
発生する音に周波数変化を加えることが可能なため、声
に抑揚などの調子をつけることができる。また、音源発
生部3は、頚部10aの近傍に固定し、制御ユニット1
6は、ポケットに入れたり、ベルトに固定したり、ポー
チやポシェットに入れたりなどすることができ、電気式
人工喉頭1,70,80を使用していても、あまり目立
たないものとなる。
0,80では、簡単に歌を歌える機能があり、記憶手段
となるメモリカード54を交換することにより、理論上
無限な数の歌を歌うことが可能となる。また、頚部10
aに固定するバンド2を回動させて、音源発生部3を移
動させたり、介在手段82の範囲で任意の位置に音源発
生部3をずらせることができるため、頚部10aの位置
の個人差をカバーできる。
の電気式人工喉頭90について、第12図から第14図
に基づいて説明する。第12図および第13図は、この
電気式人工喉頭90を頚部10aに取り付けた時の、正
面図と側面図である。頚部10aに取り付けるためのバ
ンド91に、生体情報の1つである呼気を検出するため
のセンサ92と、音源発生部93が取り付けられてい
る。ソレノイド94は、音源発生部93を頚部10aに
押し当てるために使用される。
呼気を検出するためのセンサ92が、呼気を検出するこ
とにより、操作者でもある使用者の発声の意志を検出す
る。検出された信号は、中央演算装置95に伝えられ、
あるしきい値を越えると、中央演算装置95は、はじめ
にソレノイド94に信号を与える。信号を受けたソレノ
イド94は、音源発生部93を頚部10aに押し当て、
さらに中央演算装置95は、押し合てられた音源発生部
93に音を出すように信号を与える。これを受けて、既
に頚部10aに押し当てられた音源発生部93は、音を
頚部10aに送り込み、使用者は、それに合わせ、口を
動かすことにより発声できることになる。なお、音源発
生部93は、頚部10aに必要以上の圧迫感を与えない
ように、ソレノイド94によって発声時のみ頚部10a
に押し当てられる構成として説明しているが、圧迫感が
気にならなければ、常時頚部10aに押し当てておいて
も良い。また、生体情報を検出する手段として、呼気を
利用することで説明しているが、別の生体情報でも同様
な効果は得られるし、生体情報でなく、別の外部信号を
利用しても同様な効果を得ることができる。
ように構成されているので、以下に記載されるような効
果を奏する。 1)発声時、両手を自由に使用することができる。 2)両手を自由に使用することができるため、両手を必
要とする動作、作業が容易となり、喉頭摘出者の社会復
帰を促進できる。 3)常に頚部10aに装着されているため、発声の意志
を抱いてから、電気式人工喉頭90を頚部10aに押し
当てるのではなく、すぐに発声することができる。 4)見た目にも違和感なく、発声することができる。
したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されず、
本発明の思想および範囲を逸脱することなく、多くの設
計変更が可能である。
摘出者の声帯音源の代わりとなる音源として利用され
る。特に、病弱者や高齢者等、食道発声法の修得が困難
な者にとって有用となる。
を頚部にもってくる煩わしさをなくし、操作性を向上さ
せ得る電気式人工喉頭を得ることができる。また、他の
発明では、操作者にとって、装着した際の違和感が無い
ようにできる電気式人工喉頭を得ることができる。 [図面の簡単な説明]
の形態の全体構成と指先部分の拡大状態を示す図であ
る。
状態を示す図である。
ソレノイド機構との関係を示す部分断面図である。
生部の断面図とその一部拡大図である。
ク図である。
える機能のために使用されるメモリカード(記憶手段)
の内部アドレスを説明するための図である。
にトーンコントロール機能を付加する場合の処理方法を
説明するための図である。
の形態の変更実施例の全体構成を示す図である。
す図である。
呼気センサを示す図である。
施の形態の要部構成を示す図である。
ロック図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 振動板に、ボイスコイルモータのコイル
と一体的に動作する軸を対向させ、この軸が振動板に間
欠的に突き当たって音源を発生させる音源発生部と、こ
の音源発生部を制御する制御部とを備え、上記ボイスコ
イルモータのヨークに、両端または外周端が固定される
弾性部材によって上記軸または上記コイルを支持すると
共に少なくとも上記コイルおよびコイルの保持体を上記
ヨーク内に収納させたことを特徴とする電気式人工喉
頭。 - 【請求項2】 振動板に、ボイスコイルモータのコイル
と一体的に動作する軸を対向させ、この軸が振動板に間
欠的に突き当たって音源を発生させる音源発生部と、こ
の音源発生部を制御する制御部とを備え、上記音源発生
部を頚部に接触可能に取り付け、上記制御部を上記音源
発生部から分離させ、人体を覆う被服部材の一部に収納
可能としたことを特徴とする電気式人工喉頭。 - 【請求項3】 振動板に、ボイスコイルモータのコイル
と一体的に動作する軸を対向させ、この軸が振動板に間
欠的に突き当たって音源を発生させる音源発生部と、こ
の音源発生部を制御する制御部とを備え、上記音源発生
部を上記制御部から分離させ、上記音源発生部の厚さを
5〜15mmとしたことを特徴とする電気式人工喉頭。 - 【請求項4】 前記制御部が前記音源発生部の電源部を
保有していることを特徴とする請求項1,2または3記
載の電気式人工喉頭。 - 【請求項5】 前記音源発生部を人体または人体を覆う
被服部材に固定される介在手段に取り付け、前記音源発
生部から音が出る時またはその直前に、その介在手段を
基準として頚部に押し当てる方向にその音源発生部を移
動可能にしたことを特徴とする請求項1から4のいずれ
か1項記載の電気式人工喉頭。
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