JP3498650B2 - 光波長合分波器 - Google Patents
光波長合分波器Info
- Publication number
- JP3498650B2 JP3498650B2 JP29983299A JP29983299A JP3498650B2 JP 3498650 B2 JP3498650 B2 JP 3498650B2 JP 29983299 A JP29983299 A JP 29983299A JP 29983299 A JP29983299 A JP 29983299A JP 3498650 B2 JP3498650 B2 JP 3498650B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- waveguide
- input
- output
- diffraction grating
- light
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Optical Integrated Circuits (AREA)
Description
関し、特に、スラブ導波路への溝形成による損失増加が
抑制され、スペクトル応答が最適化された光波長合分波
器に関する。
別々の波長の光にのせて1本の光ファイバで伝送し、こ
れにより情報量を増加させる波長分割多重方式による通
信方法が検討されている。この方法では、異なる波長の
光を合分波する光波長合分波器が重要な役割を果たすこ
とになる。なかでも、アレイ導波路回折格子を用いた光
波長合分波器は、狭い波長間隔の合分波が可能であり、
従って、通信容量の多重数を大きくできる利点を有して
いる。
波長合分波器の構成を示す。複数のチャネル導波路3よ
り構成されるアレイ導波路回折格子2の入力側に、入力
側スラブ導波路6と入力用チャネル導波路4を形成し、
一方、出力側には、出力側スラブ導波路7と出力用チャ
ネル導波路5を形成することにより光回路を構成したも
ので、1は以上の光回路が形成された石英基板を示す。
は、入力側スラブ導波路6の内部を伝搬してアレイ導波
路回折格子2との境界に到達し、到達した光波は、境界
における電界分布に応じた電力比のもとにチャネル導波
路3を伝搬し、チャネル導波路3と出力側スラブ導波路
7の境界に到達する。
の一定長ずつ長くなるように設計されており、従って、
内側からi番目のチャネル導波路3を伝搬した光波が受
ける位相変化量φ′m (λ)は、一番内側のチャネル導
波路3を基準として、式(1)により求めることができ
る。
チャネル導波路3の等価屈折率を示す。以上の式より、
チャネル導波路3と出力側スラブ導波路7の境界近傍に
おける光波の等位相面は、波長に依存して傾斜すること
になり、各チャネル導波路3によって位相変化を受けた
光波は、出力側スラブ導波路7の中で干渉を起こし、こ
の干渉波が出力用チャネル導波路5から取り出される。
に異なるため、波長が変化すると、出力側スラブ導波路
7と各出力用チャネル導波路5の境界で光の集光位置が
シフトし、このため、各出力用チャネル導波路5から
は、異なる波長の光波を取り出すことができ、この結果
光波の合分波が実現される。出力側スラブ導波路7の対
称軸12上に配置された出力用チャネル導波路5から出
力される光波の波長λは、以下の式(2)により表され
る。式中、mは回折次数を示す。
成する場合には、温度が変化すると、熱光学効果のため
に材料の屈折率が変化することによるnaの変動が生
じ、さらに、熱膨張によりチャネル導波路3の長さが変
化することを原因としたΔLの変動が生ずる。従って、
チャネル導波路3と出力側スラブ導波路7の境界近傍に
おける光波の等位相面は、温度によって傾斜し、出力さ
れる波長には変化が生ずるようになる。
上に配置された出力用チャネル導波路5から出力される
光波においては、温度TがΔTだけ変化したとすると、
その波長変化量Δλは、式(2)をTで微分した次式
(3)により求めることができる。
合において、dna/dTが石英系材料の温度係数に等
しいとすると、dna/dT≒1×10−5、1/ΔL
・d(ΔL)/dT≒5×10−7、およびna≒1.
45であるから、λ=1550〔nm〕としたとき、Δ
λ/ΔT≒0.01〔nm/℃〕の関係が成立する。従
って、たとえば、0〜60℃の環境においてこの光波長
合分波器を使用したとすると、その波長は、最大で0.
6nmのシフトを招くことになるが、このような波長の
シフトのもとで実用システムへ適用することは困難であ
り、これを可能にするためには光回路の温度制御が必要
となる。
を不要化した光波長合分波器の例を示す。チャネル導波
路3の一部に溝14を設け、この溝14に屈折率の温度
係数が光回路と異なる材料を充填し、これにより温度に
よる等位相面の傾斜をキャンセルしようとするもので、
Y.Inoue他による“Athermal sili
ca−based arrayed−waveguid
e grating(AWG)multiplexe
r”,ECOC97 technical diges
t,pp.33−36,1997に詳細に述べられてい
る。しかし、この方法によると、2次元的な光の閉じ込
め効果を有するチャネル導波路3の途中に溝14を設け
る構造としているため、溝14における回折損失が大き
くなるという問題を有している。
めに提案された光波長合分波器を示す。入力側スラブ導
波路6(あるいは出力側スラブ導波路7)に溝15を設
け、この部分に光回路と異なる屈折率の温度係数を有す
る材料を充填した構成を有するもので、スラブ導波路6
における光の閉じ込めが1次元的なものとなるため、回
折損失の増加を抑制できる利点を有している。
分波器によると、溝15の幅を図9における溝14と同
程度に設ける必要があるため、その回折損失の増大化防
止効果は、なお、不充分であり、従って、これによって
実用に耐える光波長合分波器を構成することは困難であ
るとともに、光波のスペクトル応答性に問題が生ずるよ
うになる。
への影響の度合を示す。図11に溝15を有しない場合
を、図12に有する場合を示したもので、それぞれビー
ム伝搬法による設計値が図示されており、この設計値の
最低損失は、実際の測定値の最低損失と一致させてあ
る。
11の場合には、通過域(メインローブ)Aにおける形
状は設計値とほぼ同じであり、その最低損失は4.3d
Bの低レベルにとどまっているが、溝15が形成された
図12の場合には、通過域が設計値よりも広がり、最低
損失も7.1dBと溝なしに比べて約3dB高くなる。
て示したものである。入力用チャネル導波路4の出口位
置に相当する点Oから出射して溝15の中央付近を伝搬
する光波と、中央から離れた部分を伝搬する光波とで
は、溝15による屈折角θ1およびθ2が異なるために
収差が生ずる。従って、この収差のままに光波が送り込
まれれば、光波のスペクトル応答には、溝14のないも
のに比較して大幅なズレが生ずることになる。
に溝15を形成した従来の光波長合分波器によれば、溝
15の形成による損失を低く押さえることが難しく、ま
た、スペクトル応答性においても問題を有するものであ
り、現状のままでこれを実用化することは難しい。
形成によるような損失増がなく、スペクトル応答を最適
化させた光波長合分波器を提供することにある。
達成するため、入力した波長多重光を分波して異なる波
長の複数の光を出力し、入力した異なる波長の光を合波
して波長多重光を出力する光波長合分波器において、所
定の長さずつ異なる長さを有した複数のチャネル導波路
より構成されるアレイ導波路回折格子と、前記アレイ導
波路回折格子の入力側に配置された入力用のチャネル導
波路と、前記アレイ導波路回折格子の出力側に配置され
た複数の出力用のチャネル導波路と、前記アレイ導波路
回折格子と前記入力用のチャネル導波路の間に配置され
た入力側のスラブ導波路と、前記アレイ導波路回折格子
と前記複数の出力用のチャネル導波路の間に配置された
出力側のスラブ導波路とを備え、前記入力側のスラブ導
波路は、前記アレイ導波路回折格子と前記出力側のスラ
ブ導波路との境界付近において温度変化によって生ずる
各波長の光の等位相面の変化をキャンセルする材料を光
の進行方向と交差すると共に前記材料の中央付近を伝搬
する光波の屈折角と中央から離れた部分を伝搬する光波
の屈折角を等しくするように湾曲状に形成してその一部
に含むことを特徴とする光波長合分波器を提供するもの
である。
ため、入力した波長多重光を分波して異なる波長の複数
の光を出力し、入力した異なる波長の光を合波して波長
多重光を出力する光波長合分波器において、所定の長さ
ずつ異なる長さを有した複数のチャネル導波路より構成
されるアレイ導波路回折格子と、前記アレイ導波路回折
格子の入力側に配置された入力用のチャネル導波路と、
前記アレイ導波路回折格子の出力側に配置された複数の
出力用のチャネル導波路と、前記アレイ導波路回折格子
と前記入力用のチャネル導波路の間に配置された入力側
のスラブ導波路と、前記アレイ導波路回折格子と前記複
数の出力用のチャネル導波路の間に配置された出力側の
スラブ導波路とを備え、前記入力側のスラブ導波路は、
光の進行方向と交差すると共に中央付近を伝搬する光波
の屈折角と中央から離れた部分を伝搬する光波の屈折角
を等しくするように形成された湾曲状の溝と、前記湾曲
状の溝を埋め、前記湾曲状の溝が形成された前記入力側
のスラブ導波路の構成材と異符号であり前記アレイ導波
路回折格子と前記出力側のスラブ導波路との境界付近に
おいて温度変化によって生ずる各波長の光の等位相面の
変化をキャンセルするような屈折率の温度勾配を有した
充填物より構成されることを特徴とする光波長合分波器
を提供するものである。
め、入力した波長多重光を分波して異なる波長の複数の
光を出力し、入力した異なる波長の光を合波して波長多
重光を出力する光波長合分波器において、所定の長さず
つ異なる長さを有した複数のチャネル導波路より構成さ
れるアレイ導波路回折格子と、前記アレイ導波路回折格
子の入力側に配置された入力用のチャネル導波路と、前
記アレイ導波路回折格子の出力側に配置された複数の出
力用のチャネル導波路と、前記アレイ導波路回折格子と
前記入力用のチャネル導波路の間に配置された入力側の
スラブ導波路と、前記アレイ導波路回折格子と前記複数
の出力用のチャネル導波路の間に配置された出力側のス
ラブ導波路とを備え、前記入力側あるいは出力側のスラ
ブ導波路は、温度変化によって生ずる各波長の光の等位
相面の変化をキャンセルする材料を光の進行方向と交差
すると共に前記材料の中央付近を伝搬する光波の屈折角
と中央から離れた部分を伝搬する光波の屈折角を等しく
するように湾曲状に形成してその一部に含むことを特徴
とする光波長合分波器を提供するものである。
ため、入力した波長多重光を分波して異なる波長の複数
の光を出力し、入力した異なる波長の光を合波して波長
多重光を出力する光波長合分波器において、所定の長さ
ずつ異なる長さを有した複数のチャネル導波路より構成
されるアレイ導波路回折格子と、前記アレイ導波路回折
格子の入力側に配置された入力用のチャネル導波路と、
前記アレイ導波路回折格子の出力側に配置された複数の
出力用のチャネル導波路と、前記アレイ導波路回折格子
と前記入力用のチャネル導波路の間に配置された入力側
のスラブ導波路と、前記アレイ導波路回折格子と前記複
数の出力用のチャネル導波路の間に配置された出力側の
スラブ導波路とを備え、前記出力側のスラブ導波路は、
光の進行方向と交差すると共に中央付近を伝搬する光波
の屈折角と中央から離れた部分を伝搬する光波の屈折角
を等しくするように形成された湾曲状の溝と、前記湾曲
状の溝を埋め、前記湾曲状の溝が形成された前記出力側
のスラブ導波路の構成材と異符号であり温度変化によっ
て生ずる各波長の光の等位相面の変化をキャンセルする
ような屈折率の温度勾配を有した充填物を充填より構成
されることを特徴とする光波長合分波器を提供するもの
である。
中心を、この溝が形成された入力側のスラブ導波路と入
力用のチャネル導波路の境界付近、あるいはこの溝が形
成された出力側のスラブ導波路と出力用のチャネル導波
路の境界付近に設定することが好ましく、また、その数
は、単一よりも光波の進行方向に複数に分けて形成する
ことが好ましい。溝幅をできるだけ小さく設定して複数
個形成する構成は、損失の増加度合を減少させる作用を
もたらすので多くの場合に採用される。
相面の変化をキャンセルする材料、および湾曲状の溝を
埋める充填物の構成材としては、シリコーン樹脂、エポ
キシ樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂等の各種の光
学樹脂、あるいはナトリウム、カリウムおよびカルシウ
ムを含む多成分ガラス材等が使用され、一方、入出力ス
ラブ導波路、入出力チャネル導波路、およびアレイ導波
路回折格子を構成するチャネル導波路の構成材として
は、多くの場合、石英系材料が使用される。
路を組み合わせるときには、前者の屈折率の温度依存性
が負を示すのに対して、後者の屈折率の温度依存性が正
を示すため、温度無依存型の光波長合分波器を構成する
うえにおいて顕著な効果を確保することができる。
器の実施の形態を説明する。図1において、1は石英基
板を示し、この基板1には、光回路を有する石英のコア
が形成され、このコアの表面には石英のクラッド層が形
成されている。2は光回路の中央のアレイ導波路回折格
子を示し、円弧状の複数のチャネル導波路3、3・・に
よって構成されている。4は導波路回折格子2の入力側
に配置された入力用チャネル導波路、5はアレイ導波路
回折格子2の出力側に配置された出力用チャネル導波路
を示す。
ネル導波路4の間に配置された入力側スラブ導波路、7
はアレイ導波路回折格子2と出力用チャネル導波路5の
間に配置された出力側スラブ導波路を示す。入力側スラ
ブ導波路6には、光波の進行方向と交差するように複数
の楔型の湾曲状の溝8、8・・が形成されており、これ
らの溝8、8・・は、シリコーン樹脂の充填物9により
埋められている。これらのスラブ導波路6、7は、いず
れも長さが25mmに形成されている。
長合分波器は、従来、問題とされてきた温度依存性を抑
制する特質を有しており、以下、この温度無依存化の原
理を説明する。充填物9を構成するシリコーン樹脂は、
屈折率の温度依存性がマイナスのため、温度変化が生じ
ると、これを充填した湾曲状の溝8、8・・を通過する
光波の屈折角もこの温度依存性に応じて変化する。
導波路3の境界近傍での等位相面は、温度によって傾斜
することになり、この傾斜量は、チャネル導波路3を伝
搬することによって生じる等位相面の傾斜量とキャンセ
ルできる関係となる。この結果、チャネル導波路3と出
力側スラブ導波路7の境界近傍における等位相面は、温
度が変化しても傾斜せずに一定の向きとなり、従って、
これにより温度無依存化が実現する。
する。この光波長合分波器において、出力側スラブ導波
路7の対称軸10上に配置された出力用チャネル導波路
5より出力される光波の波長λは、naをチャネル導波
路3の等価屈折率、nsを入力側スラブ導波路6の等価
屈折率、mを回析次数、およびδrを入力側スラブ導波
路6での入力用チャネル導波路4の出口11からチャネ
ル導波路3の入口12まで伝搬する光波の経路長におけ
る隣接するチャネル導波路3の間の差としたとき、以下
の式(4)によって求められる。
それぞれ入力用チャネル導波路4の出口11からほぼ等
距離にある。従って、溝8、8・・が存在しない場合に
は、入力用チャネル導波路4の出口11からチャネル導
波路3の入口12までの距離は、どのチャネル導波路3
においてもほぼ同じとなり、δr=Oとなるが、本実施
形態の場合には、湾曲状の溝8、8・・が存在するため
に光波が屈折し、この結果、δrはゼロにはならない。
微分することにより以下の式(5)となる。
でd(nsδr )/dTは、溝8、8・・の位置、形
状、および溝8、8・・を埋める光学樹脂の屈折率によ
り決定される。
存となる場合の湾曲状の溝8、8・・の位置および形状
の条件を以下に導出する。図2は、δrを導出するため
に入力側スラブ導波路6を拡大した図である。点Oは、
入力用チャネル導波路4の出口11の位置に相当する。
また、円弧hは、チャネル導波路3の入口12が並ぶ曲
線であり、溝8、8・・が存在しない場合には、入力用
チャネル導波路4から入力した光波の等位相面と一致す
る。
され、この溝8、8・・により光波の進行方向が点O′
を中心として角度θだけ回転したとすると、溝8、8・
・が存在しない場合における光波の等位相面である円弧
hと等価な等位相面は、点O′を中心として円弧hを角
度θだけ回転させた円弧h′となる。また、θが小さい
場合、入力側スラブ導波路6の対称軸13より角度Ψの
方向のチャネル導波路3の入口12までの光波の経路長
は、溝8、8・・が存在しない場合に比べて点pと点Q
の距離Δrθ(Ψ,θ)だけ増加する。
ネル導波路4の出口11から溝8、8・・までの距離)
をrwとすると、Δrθ(Ψ,θ)は、次式(7)によ
り求められる。
次以降の微少量を無視した。これにより点Oを中心とし
て隣接するチャネル導波路3の入口12における配置角
度間隔をΔΨとすると、隣接するチャネル導波路3の間
の光波の経路長差δrは、以下の式(8)により求めら
れる。
進行方向の回転角θを考察する。図3は、湾曲状の溝
8、8・・の部分を拡大して示したもので、溝8、8・
・は、屈折率nw〔≠ns(入力側スラブ導波路6の構
成材の屈折率)〕のシリコーン樹脂より構成される充填
物9によって埋められている。従って、光波は、これら
の溝8、8・・を通過することにより等位相面の角度が
変化し、θがゼロではなくなる。各溝8、8・・の開き
角度(扇形の中心角)をα1、α2・・・αnとし、n
個の溝8の開き角度の和αをα=α1+α2・・・αn
とするとき、θは式(9)により求められる。
sδr)/dTは式(10)により求められ、さらに、
ここで1/rw・drw/dT=1/ΔL・d(ΔL)
/dTであることを考慮すると、iが無依存になるため
の溝8、8・・の位置rwおよび開き角度の和αの条件
は、式(6)に式(10)を代入して、式(11)によ
り求められる。
は、ΔL=66.5〔μm〕、ΔΨ=0.046〔de
g〕である。また、光回路の構成材は、石英系材料であ
り、na≒ns≒1.45、dna/dT≒dns/d
T≒1×10−5、1/ΔL・d(ΔL)/dT≒5×
10−7である。これにより式(11)より、入力用チ
ャネル導波路4の出口11から溝8、8・・の位置まで
の距離rwと開き角度の和αの積は、rwα=128
〔mm・deg〕となる。ここでは、rw=10〔m
m〕とし、α=12.8〔deg〕とした。
・・のうちの1個の溝を示したものである。湾曲状の溝
8の形状において、入力用チャネル導波路4に近い側の
壁面Wnと遠い側の壁面Wfは、いずれもその曲率中心
を入力用チャネル導波路4の出口11付近に位置させて
いる。このため、入力用チャネル導波路4の出口11の
位置である点Oからの角度Ψが変化すると、入力用チャ
ネル導波路4の出口11から壁面Wn、Wfまでの距離
は、(b)に示されるように直線的に変化する。
する光波の屈折角θ1と中央から離れた部分を伝搬する
光波の屈折角θ2を等しくすることが可能となるため収
差が生じにくくなり、結果として、光波のスペクトル応
答を、溝8が存在しない場合とほぼ同レベルに維持する
ことが可能となる。
の和αが一定である場合において、溝8の数と過剰損失
の関係を示したものである。溝数が増えるほど過剰損失
は増加するが、その増加の度合は、溝の数が増加するの
に伴い減少する。この理由としては、スペースに制約が
あるため、溝数の増加に伴って各溝幅が小さく形成され
ること、また、複数の溝8、8・・の間隔が最適化され
ることにより溝間の導波路がレンズの役割を果たすこと
などが挙げられる。
響を示したものである。溝幅が増加すると、過剰損失は
急激に増大する。開き角度の和αが同じである場合、入
力用チャネル導波路4の出口11から或る角度Ψで出射
した光波は、溝8を通過する距離の和が同じになる。従
って、この結果、1個あたりの溝幅をできるだけ小さく
設定するほど、トータルの過剰損失は抑制されることに
なる。
溝全体を大型化するのと同じであり、入力用チャネル導
波路4の出口11から溝8の想定位置O′までの距離r
wと、実際の溝8、8・・の配置位置との対応づけが難
しくなるので注意を要する。本実施形態においてはこの
ことに配慮し、溝8の数を12個とした。
合分波器における波長損失特性をビーム伝搬による設計
値とともに示したものである。設計値の最低損失と実際
の測定値での最低損失を一致させて示してある。このグ
ラフによれば、通過域(メインローブ)Aの形状が設計
値とほぼ同じであり、また、最低損失も4.7dBと低
く、この値は、図11に示された溝のない光波長合分波
器の損失特性である4.3dBとほぼ同じである。入力
側スラブ導波路6に湾曲状の溝8を形成したことによる
効果が明確に現れている。なお、湾曲状の溝8を出力側
スラブ導波路7に形成するときも、同様の効果は得られ
る。
長合分波器によれば、入力側あるいは出力側のスラブ導
波路が、温度変化により生ずる各波長の光の等位相面の
変化をキャンセルするために、光の進行方向と交差する
と共に交差した光の屈折角が均一となるような湾曲状の
材料をその一部に有しているか、あるいはこれを具体化
した構成として、入力側あるいは出力側のスラブ導波路
に光の進行方向と交差すると共に交差した光の屈折角が
均一となるような湾曲状の溝を形成し、この溝をスラブ
導波路と異符号の屈折率の温度勾配を有した充填物によ
って埋めているため、損失増が抑制され、最適化された
スペクトル応答性の光波長合分波器を構成することがで
きる。
す説明図。
示す拡大図。
す拡大図。
り、(a)は光波の進行方向、(b)は円弧状の溝の壁
面までの距離と角度の関係を示す。
図。
明図。
損失特性を示す説明図。
図。
導波路に溝が存在しない場合の損失特性を示す説明図。
導波路に溝が存在する場合の損失特性を示す説明図。
答の問題を図解した説明図。
Claims (12)
- 【請求項1】入力した波長多重光を分波して異なる波長
の複数の光を出力し、入力した異なる波長の光を合波し
て波長多重光を出力する光波長合分波器において、 所定の長さずつ異なる長さを有した複数のチャネル導波
路より構成されるアレイ導波路回折格子と、 前記アレイ導波路回折格子の入力側に配置された入力用
のチャネル導波路と、 前記アレイ導波路回折格子の出力側に配置された複数の
出力用のチャネル導波路と、 前記アレイ導波路回折格子と前記入力用のチャネル導波
路の間に配置された入力側のスラブ導波路と、 前記アレイ導波路回折格子と前記複数の出力用のチャネ
ル導波路の間に配置された出力側のスラブ導波路とを備
え、 前記入力側のスラブ導波路は、前記アレイ導波路回折格
子と前記出力側のスラブ導波路との境界付近において温
度変化によって生ずる各波長の光の等位相面の変化をキ
ャンセルする材料を光の進行方向と交差すると共に前記
材料の中央付近を伝搬する光波の屈折角と中央から離れ
た部分を伝搬する光波の屈折角を等しくするように湾曲
状に形成してその一部に含むことを特徴とする光波長合
分波器。 - 【請求項2】入力した波長多重光を分波して異なる波長
の複数の光を出力し、入力した異なる波長の光を合波し
て波長多重光を出力する光波長合分波器において、 所定の長さずつ異なる長さを有した複数のチャネル導波
路より構成されるアレイ導波路回折格子と、 前記アレイ導波路回折格子の入力側に配置された入力用
のチャネル導波路と、 前記アレイ導波路回折格子の出力側に配置された複数の
出力用のチャネル導波路と、 前記アレイ導波路回折格子と前記入力用のチャネル導波
路の間に配置された入力側のスラブ導波路と、 前記アレイ導波路回折格子と前記複数の出力用のチャネ
ル導波路の間に配置された出力側のスラブ導波路とを備
え、 前記入力側のスラブ導波路は、光の進行方向と交差する
と共に中央付近を伝搬する光波の屈折角と中央から離れ
た部分を伝搬する光波の屈折角を等しくするように形成
された湾曲状の溝と、 前記湾曲状の溝を埋め、前記湾曲状の溝が形成された前
記入力側のスラブ導波路の構成材と異符号であり前記ア
レイ導波路回折格子と前記出力側のスラブ導波路との境
界付近において温度変化によって生ずる各波長の光の等
位相面の変化をキャンセルするような屈折率の温度勾配
を有した充填物より構成されることを特徴とする光波長
合分波器。 - 【請求項3】前記湾曲状の溝は、その壁面の曲率中心
が、前記溝部が形成された前記入力側のスラブ導波路と
前記入力用のチャネル導波路との境界付近に設定される
ことを特徴とする請求項2項記載の光波長合分波器。 - 【請求項4】前記湾曲状の溝は、光波の進行方向に配列
された複数の湾曲状の溝を含むことを特徴とする請求項
2項記載の光波長合分波器。 - 【請求項5】前記充填物は、シリコーン樹脂、エポキシ
樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂等の光学樹脂、あ
るいはナトリウム、カリウムおよびカルシウムを含む多
成分ガラス材より構成されることを特徴とする請求項2
項記載の光波長合分波器。 - 【請求項6】前記充填物は、前記光学樹脂より構成さ
れ、前記湾曲状の溝が形成された前記入力側のスラブ導
波路は、石英系材料より構成されることを特徴とする請
求項2項記載の光波長合分波器。 - 【請求項7】入力した波長多重光を分波して異なる波長
の複数の光を出力し、入力した異なる波長の光を合波し
て波長多重光を出力する光波長合分波器において、 所定の長さずつ異なる長さを有した複数のチャネル導波
路より構成されるアレイ導波路回折格子と、 前記アレイ導波路回折格子の入力側に配置された入力用
のチャネル導波路と、 前記アレイ導波路回折格子の出力側に配置された複数の
出力用のチャネル導波路と、 前記アレイ導波路回折格子と前記入力用のチャネル導波
路の間に配置された入力側のスラブ導波路と、 前記アレイ導波路回折格子と前記複数の出力用のチャネ
ル導波路の間に配置された出力側のスラブ導波路とを備
え、 前記入力側あるいは出力側のスラブ導波路は、温度変化
によって生ずる各波長の光の等位相面の変化をキャンセ
ルする材料を光の進行方向と交差すると共に前記材料の
中央付近を伝搬する光波の屈折角と中央から離れた部分
を伝搬する光波の屈折角を等しくするように湾曲状に形
成してその一部に含むことを特徴とする光波長合分波
器。 - 【請求項8】入力した波長多重光を分波して異なる波長
の複数の光を出力し、入力した異なる波長の光を合波し
て波長多重光を出力する光波長合分波器において、 所定の長さずつ異なる長さを有した複数のチャネル導波
路より構成されるアレイ導波路回折格子と、 前記アレイ導波路回折格子の入力側に配置された入力用
のチャネル導波路と、 前記アレイ導波路回折格子の出力側に配置された複数の
出力用のチャネル導波路と、 前記アレイ導波路回折格子と前記入力用のチャネル導波
路の間に配置された入力側のスラブ導波路と、 前記アレイ導波路回折格子と前記複数の出力用のチャネ
ル導波路の間に配置された出力側のスラブ導波路とを備
え、 前記出力側のスラブ導波路は、光の進行方向と交差する
と共に中央付近を伝搬する光波の屈折角と中央から離れ
た部分を伝搬する光波の屈折角を等しくするように形成
された湾曲状の溝と、 前記湾曲状の溝を埋め、前記湾曲状の溝が形成された前
記出力側のスラブ導波路の構成材と異符号であり温度変
化によって生ずる各波長の光の等位相面の変化をキャン
セルするような屈折率の温度勾配を有した充填物より構
成されることを特徴とする光波長合分波器。 - 【請求項9】前記湾曲状の溝は、その壁面の曲率中心
が、前記溝部が形成された前記出力側 のスラブ導波路と
前記出力用のチャネル導波路との境界付近に設定される
ことを特徴とする請求項8項記載の光波長合分波器。 - 【請求項10】前記湾曲状の溝は、光波の進行方向に配
列された複数の湾曲状の溝を含むことを特徴とする請求
項8項記載の光波長合分波器。 - 【請求項11】前記充填物は、シリコーン樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂等の光学樹脂、
あるいはナトリウム、カリウムおよびカルシウムを含む
多成分ガラス材より構成されることを特徴とする請求項
8項記載の光波長合分波器。 - 【請求項12】前記充填物は、前記光学樹脂より構成さ
れ、前記湾曲状の溝が形成された前記出力側のスラブ導
波路は、石英系材料より構成されることを特徴とする請
求項8項記載の光波長合分波器。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29983299A JP3498650B2 (ja) | 1999-10-21 | 1999-10-21 | 光波長合分波器 |
US09/634,581 US6549696B1 (en) | 1999-08-10 | 2000-08-08 | Optical wavelength multiplexer/demultiplexer |
CA002315458A CA2315458C (en) | 1999-08-10 | 2000-08-09 | Optical wavelength multiplexer/demultiplexer |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29983299A JP3498650B2 (ja) | 1999-10-21 | 1999-10-21 | 光波長合分波器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001116937A JP2001116937A (ja) | 2001-04-27 |
JP3498650B2 true JP3498650B2 (ja) | 2004-02-16 |
Family
ID=17877473
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29983299A Expired - Fee Related JP3498650B2 (ja) | 1999-08-10 | 1999-10-21 | 光波長合分波器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3498650B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8867873B2 (en) | 2008-07-14 | 2014-10-21 | Nippon Telegraph And Telephone Corporation | Arrayed waveguide grating |
Families Citing this family (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3721565B2 (ja) * | 2004-02-27 | 2005-11-30 | 学校法人慶應義塾 | 光機能導波路、光変調器、アレイ導波路回折格子及び分散補償回路 |
US7397986B2 (en) * | 2005-03-04 | 2008-07-08 | Gemfire Corporation | Optical device with reduced temperature dependence |
WO2009104664A1 (ja) * | 2008-02-22 | 2009-08-27 | Nttエレクトロニクス株式会社 | 導波路型光デバイス |
JP5086164B2 (ja) * | 2008-04-25 | 2012-11-28 | 日本電信電話株式会社 | 光波長合分波回路 |
JP5457661B2 (ja) | 2008-07-14 | 2014-04-02 | 日本電信電話株式会社 | 光波長合分波回路 |
JP5086207B2 (ja) * | 2008-08-26 | 2012-11-28 | 日本電信電話株式会社 | 光信号モニタ |
JP5086208B2 (ja) * | 2008-08-26 | 2012-11-28 | 日本電信電話株式会社 | 波長可変フィルタおよびそれを用いた光信号モニタ |
JP5201508B2 (ja) * | 2008-09-18 | 2013-06-05 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | 導波路型波長ドメイン光スイッチ |
JP5508331B2 (ja) * | 2011-04-15 | 2014-05-28 | 日本電信電話株式会社 | 光波長合分波器 |
JP6389443B2 (ja) * | 2015-04-30 | 2018-09-12 | 日本電信電話株式会社 | ハイブリッド集積化光デバイスとその製造方法 |
JP2018045145A (ja) * | 2016-09-15 | 2018-03-22 | Nttエレクトロニクス株式会社 | 光合波回路 |
CN108594363B (zh) * | 2018-03-30 | 2020-02-14 | 武汉光迅科技股份有限公司 | 一种阵列波导光栅及光模块 |
-
1999
- 1999-10-21 JP JP29983299A patent/JP3498650B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8867873B2 (en) | 2008-07-14 | 2014-10-21 | Nippon Telegraph And Telephone Corporation | Arrayed waveguide grating |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001116937A (ja) | 2001-04-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2315458C (en) | Optical wavelength multiplexer/demultiplexer | |
JP3498650B2 (ja) | 光波長合分波器 | |
CA2240056C (en) | Optical wavelength multiplexer/demultiplexer | |
US6968096B2 (en) | Diffraction device using photonic crystal | |
IL185661A (en) | Optical device with dependence on temperature reduction | |
JP2001141946A (ja) | 合分波素子 | |
JPH08304664A (ja) | 波長分波素子 | |
JP2000171661A (ja) | アレイ導波路回折格子型光合分波器 | |
US20040247243A1 (en) | Array waveguide diffraction grating type optical multiplexer/branching filter | |
JP4250811B2 (ja) | 光波長合分波器 | |
JP3246710B2 (ja) | 光デバイスの製造方法 | |
JP3625666B2 (ja) | 光波長合分波器 | |
JP3029028B2 (ja) | 光波長合分波器 | |
JP2001221923A (ja) | 光導波回路 | |
EP1128193A1 (en) | Array waveguide diffraction grating | |
JP2011158730A (ja) | 温度無依存光回路 | |
JPH112733A (ja) | アレイ格子型光合分波器 | |
US6134361A (en) | Optical multiplexer/demultiplexer | |
JPWO2004049027A1 (ja) | 光合分波器 | |
US6104847A (en) | Optical device having an optical waveguide structure | |
JP2002202420A (ja) | 光波長合分波器 | |
JP3698913B2 (ja) | 波長合分波光回路及びその製造方法 | |
US7058262B2 (en) | Arrayed waveguide grating | |
JP3724770B2 (ja) | 光波長ルーティング装置 | |
JP3941613B2 (ja) | 光導波回路および光導波回路モジュール |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081205 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081205 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091205 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101205 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101205 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111205 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121205 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131205 Year of fee payment: 10 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |