JP3498600B2 - キャリア位相推定装置とキャリア位相推定装置を用いた復調器 - Google Patents

キャリア位相推定装置とキャリア位相推定装置を用いた復調器

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディジタル無線通信シ
ステムなどにおけるキャリア位相推定装置とキャリア位
相推定装置を用いた復調器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のキャリア位相推定装置とキャリア
位相推定装置を用いた復号器としては、例えば、特開平
6−276245号公報「フィルタ及びこのフィルタを
用いたキャリア位相推定装置」に示されたキャリア位相
推定装置およびそのキャリア位相推定装置を用いた復調
器がある。
【0003】以下、従来のキャリア位相推定装置とキャ
リア位相推定装置を用いた復号器を図について説明す
る。図12は、従来のキャリア位相推定装置を用いた復
調器の構成を示す構成図である。
【0004】図12において、1は受信IF信号を入力
して準同期検波し、アナログベースバンド信号をディジ
タル複素ベースバンドデータに変換して出力する準同期
検波手段、2は準同期検波手段1が出力したディジタル
複素ベースバンドデータを入力してキャリア位相を算出
し、算出したキャリア位相をキャリア位相推定値として
出力するキャリア位相推定手段、3は準同期検波手段1
が出力したディジタル複素ベースバンドデータを入力
し、入力したディジタル複素ベースバンドデータを遅延
させてベースバンド遅延データを作成して出力するデー
タ遅延手段、4はキャリア位相推定手段2が出力したキ
ャリア位相推定値から判定軸を生成し、生成した判定軸
に基づいてデータ遅延手段3が出力したベースバンド遅
延データを判定し、判定したデータを復調データとして
出力するデータ判定手段である。
【0005】また、図12のキャリア位相推定手段2に
おいて、20は準同期検波手段1が出力したディジタル
複素ベースバンドデータに対して変調成分を除去する非
線形処理手段、25は非線形処理手段20が出力した変
調成分を除去したデータ系列を入力し、入力したデータ
系列をフィルタリングして後述する移動平均値を求める
移動平均手段、24は移動平均手段25が出力したデー
タを座標変換してキャリア位相推定値を算出して出力す
るキャリア位相算出手段である。
【0006】更に、図12の移動平均手段25におい
て、21a、21bは非線形処理手段20が変調成分を
除去して出力したデータ系列を入力し、入力したデータ
系列をm(mは奇数)段に亙って順次シフトするm段シ
フトレジスタ、22a、22bはそれぞれm段シフトレ
ジスタ21a、21b内のデータに対して重み付け値を
乗算する重み付け手段,23a、23bはそれぞれ重み
付け手段22a、22bが出力した全てのデータを加算
し、加算して得られた加算値を移動平均値として出力す
る加算手段である。なお、ここでは、説明を簡単にする
ために、加算値をそのまま移動平均値として用いている
が、加算値を加算したデータ数で除算した値を移動平均
値として用いることもある。
【0007】また、図13は、準同期検波手段1の構成
を示す構成図である。図13において、12はローカル
信号を出力する発振器、13は発振器12が出力したロ
ーカル信号をπ/2だけ移相するπ/2移相器、11a
は上記受信IF信号と発振器12が出力したローカル信
号とを乗算する乗算器、11bは上記受信IF信号とπ
/2移相器13が出力した信号とを乗算する乗算器、1
4a、14bはそれぞれ乗算器11a、11bが出力し
た信号をフィルタリングしてアナログベースバンド信号
を出力するローパスフィルタ(以降、LPFと略記す
る)、15a、15bはそれぞれLPF14a、14b
が出力したアナログベースバンド信号をアナログ・ディ
ジタル変換してディジタル複素ベースバンドデータを出
力するアナログ・ディジタル変換器(以降、A/D変換
器と略記する)である。
【0008】図14は、図12に示したデータ判定手段
4の動作を説明するための動作説明図である。次に、図
12、図13、図14を用いて、従来のキャリア位相推
定装置を用いた復調器の動作について説明する。ここで
は、PSK変調信号として、復調器が受信する受信IF
信号が、例えば、QPSK変調信号である場合の動作に
ついて説明する。
【0009】まず、図12に示すように、QPSK変調
された受信IF信号SIFが、準同期検波手段1に入力さ
れる。準同期検波手段1において、図13に示した発振
器12は、ローカル信号cos(2πfct)を出力す
る。乗算器11aは、準同期検波手段1に入力された受
信IF信号SIFと発振器12が出力したローカル信号c
os(2πfct)を乗算する。また、図13に示した
乗算器11bは、上記ローカル信号をπ/2移相器13
がπ/2だけ移相した信号cos(2πfc(t+π/
2))=sin(2πfct)と上記受信IF信号SIF
とを乗算する。次に、図13に示したLPF14a、1
4bは、各乗算器11a、11bの出力をフィルタリン
グし、アナログベースバンド信号を出力する。次に、1
2に示したA/D変換器15a、15bは、各ナイキス
ト点時刻におけるアナログベースバンド信号をディジタ
ル複素ベースバンドデータ(In,Qn){n=0,1,
2,3,……}に変換して出力する。ここで、Inはデ
ィジタル複素ベースバンドデータの同相成分、Qnはデ
ィジタル複素ベースバンドデータの直交成分である。以
上のようにして、図12、図13に示した準同期検波手
段1は受信IF信号を準同期検波する。
【0010】次に、図12を用いて従来のキャリア位相
推定装置を用いた復調器の動作について説明する。ま
ず、非線形処理手段20は、準同期検波手段1から入力
したディジタル複素ベースバンドデータ(In,Qn)に
対して、例えば、4逓倍して変調成分を除去する。4逓
倍処理は、例えば、Δθn=(4×tan-1(Qn
n))mod2πとA=(In 2+Qn 21/2(n=0,
1,2,3,……)とからCn=A×cos(Δθn)と
n=A×sin(Δθn)とを求めて出力する。変調成
分を除去したデータ系列(Cn,Sn)は、図12に示し
た移動平均手段25に入力される。
【0011】次に、図12に示した移動平均手段25に
おいて、m段シフトレジスタ21aは、データ系列Cn
{n=0,1,2,3,……}を入力する。また、移動
平均手段25において、m段シフトレジスタ21bは、
データ系列Sn{n=0,1,2,……}を入力する。
次に、重み付け手段22a、22bは、k(1≦k≦
m)段目のシフトレジスタ内のデータ系列(Ck,Sk
に対して、重み付け値W kを乗算し、乗算して得られた
結果(Wk×Ck,Wk×Sk)を加算手段23a、23b
へ出力する。
【0012】重み付け値は、W1からW(m+1)/2にかけて
増加し、W(m+1)/2からWmにかけて減少するような値、
例えば、Wk=α-L(L=|k−(m+1)/2|)と
する。従って、α=0.7、m=5の場合は、各重み付
け係数の値は、W1=0.7| 1-(5+1)/2|=0.7|-2|
0.49、W2=0.7|2-(5+1)/2|=0.7|-1|=0.
70、W3=0.7|3-(5+1)/2|=0.7|0|=1.0
0、W4|1|=0.70、W5|-2|=0.49とな
る。また、同様にして、α=0.9の場合は、W1
0.81、W2=0.90、W3=1.00、W4=0.
90、W5=0.81となる。
【0013】この従来のキャリア位相推定装置とキャリ
ア位相推定装置を用いた復調器においては、α(α≦
1)がキャリア再生用フィルタの帯域を決定するパラメ
ータとなる。αを大きくすると、重み付け値が大きくな
るため、キャリア再生用のフィルタの帯域を狭めること
になる。一方、αを小さくすると、重み付け値が小さく
なるため、キャリア再生用フィルタの帯域を広くするこ
とになる。
【0014】次に、図12に示した加算手段23aは、
重み付け手段22aから出力されるW1×C1からWm×
mまでの全てのデータを加算し、加算して得られたデ
ータWCn=Σn=1 m(Wn×Cn)をキャリア位相算出手
段24へ出力する。また、加算手段23bは、重み付け
手段22bから出力されるW1×S1からWm×Smまでの
全てのデータを加算し、加算して得られたWSn=Σn=1
m(Wn×Sn)をキャリア位相算出手段へ出力する。以
上の処理によって、データ(WCn,WSn)が移動平均
手段25からキャリア位相算出手段24へ出力される。
【0015】次に、図12に示したキャリア位相算出手
段24は、データ(WCn,WSn)を入力し、その逆正
接値を値「4」で除算した値、即ち、θCn=(1/4
×tan-1(WSn/WCn)+π/4)mod2πをキ
ャリア位相推定値として出力する。
【0016】このようにして、キャリア位相推定手段2
が出力したキャリア位相推定値θC nは、n−((m+
1)/2)シンボル分だけ前の時刻におけるキャリアの
位相であるため、図11に示したデータ遅延手段3は、
ディジタル複素ベースバンドデータ(In,Qn){n=
0,1,2,3,……}を(m+1)/2シンボル分だ
け遅延させ、ディジタル複素ベースバンドの遅延データ
(Ij,Qj)(j=n−(m+1)/2)を作成して出
力する。
【0017】次に、図12に示したデータ判定手段4
は、キャリア位相推定値θCnから(θCn+kπ/2)
mod2π(k∈{0,1,2,3})の4本の判定軸
を生成し、生成した各判定軸に基づいて複素ベースバン
ドの遅延データ(Ij,Qj)を判定し、判定したデータ
を復調データとして出力する。
【0018】例えば、差動符号化されたデータ系列を、
図14(a)に示した送信側マッピングによってQPS
K変調する復調器においては、図14(b)に示した受
信側キャリア位相推定値θCnとデータ系列(Ij
j)とが得られた場合(図14(b)において太線で
示した部分に相当する)、θCnが示す軸と図14
(b)において点線3つが示す軸の合計4つの判定軸に
よって、差動復号前のデータは(0,1)と判定され
る。図12に示したデータ判定手段4は、差動符号化さ
れたデータ系列に対しては、判定後のデータを差動復号
して復調データを求める。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
キャリア位相推定装置およびそのキャリア位相推定装置
を用いた復調器においては、キャリア再生用のフィルタ
帯域は、αの値によって決定され、αの値でキャリア位
相の安定性、追随性が異なる。即ち、αを大きくすると
キャリア位相の安定性が向上し、ガウス雑音伝送路にお
けるBER特性が向上するが、キャリア位相の追随性は
低下するため、信号電力の落込みや急激なキャリア位相
変動が生じ得るようなフェージング伝送路においては、
BER特性は低下する。一方、αを小さくするとキャリ
ア位相の追随性が向上し、このようなフェージング伝送
路におけるBER特性が向上するが、キャリア位相の安
定性は低下するため、ガウス雑音伝送路におけるBER
特性は劣化する。
【0020】即ち、従来のキャリア位相推定装置とキャ
リア位相推定装置を用いた復調器では、ガウス雑音伝送
路とフェージング伝送路との両方において、良好なBE
R特性を実現するためには、フィルタ帯域を決定する重
み付け係数の値を何らかの方法で切替えない限り不可能
であった。
【0021】また、従来のキャリア位相推定装置とキャ
リア位相推定装置を用いた復調器では、重み付け手段2
2a、22bにおける重み付け処理や、統計処理による
伝送路推定などのために、多くの回路規模を必要とし
た。
【0022】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、シフトレジスタなど簡単なディ
ジタル回路で構成が可能なキャリア再生用のフィルタの
出力値に基いて、非線形処理によって無変調成分に変換
された受信データ系列からフェージングによる信号電力
の落ち込みや急激な位相変動を短時間で高精度に検出
し、検出した信号を用いてキャリア再生用のフィルタの
帯域を、検出時には広く、それ以外の時は狭く制御する
ことによって、小さな回路規模でガウス雑音伝送路とフ
ェージング伝送路の両方において、良好なBER特性を
実現する復調器を提供することを目的とする。また、演
算処理をマイクロプロセッサなどで実現する場合には、
演算処理方法を工夫することによって、処理の高速化を
図ることを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】2N(N=1,2,3,
……)値位相変調された受信ベースバンドデータを非線
形変換して変調成分を除去したm(m=1,2,3,…
…)シンボル分の無変調複素データを出力する非線形処
理手段と、上記無変調複素データの移動平均値を求め、
求めた移動平均値を第1の移動平均値として出力する第
1の移動平均手段と、上記無変調複素データの内で過去
のr(1≦r≦m)シンボル分のデータを用いて上記第
1の移動平均手段の帯域を制御するフィルタ帯域算出手
段と、上記第1の移動平均値が示すベクトル角を求め、
求めたベクトル角を2Nで除算することによりキャリア
位相値を求め、求めたキャリア位相値をキャリア位相推
定値として出力するキャリア位相算出手段とを備えたこ
とを特徴とする。
【0024】本発明に係る第2のキャリア位相推定装置
は、上記フィルタ帯域算出手段には、上記過去のrシン
ボル分の無変調複素データの加算値または平均値を求
め、求めた加算値または平均値を第2の移動平均値とし
て出力する第2の移動平均手段と、上記第2の移動平均
値が示すベクトルの長さを求め、求めたベクトルの長さ
をベクトル長として出力するベクトル長算出手段と、上
記ベクトル長が短い場合には、上記第1の移動平均手段
の帯域を広げ、上記ベクトル長が長い場合には、上記第
1の移動平均手段の帯域を狭めた帯域制御信号を出力す
るフィルタ帯域決定手段とを備えたことを特徴とする。
【0025】本発明に係る第3のキャリア位相推定装置
は、上記フィルタ帯域算出手段には、上記過去のrシン
ボル分の無変調複素データの加算値または平均値を求
め、求めた加算値または平均値を第2の移動平均値とし
て出力する第2の移動平均手段と、上記第2の移動平均
値が示すベクトル角の位相変化量を求め、求めた位相変
化量をベクトル位相変化量として出力するベクトル位相
変化量算出手段と、上記ベクトル位相変化量が大きい場
合には、上記第1の移動平均手段の帯域を広げ、上記ベ
クトル位相変化量が小さい場合には、上記第1の移動平
均手段の帯域を狭めた帯域制御信号を出力するフィルタ
帯域決定手段とを備えたことを特徴とする。
【0026】本発明に係る第4のキャリア位相推定装置
は、上記フィルタ帯域算出手段には、上記過去のrシン
ボル分の無変調複素データの加算値または平均値を求
め、求めた加算値または平均値を第2の移動平均値とし
て出力する第2の移動平均手段と、上記第2の移動平均
値が示すベクトルの長さを算出し、算出したベクトルの
長さをベクトル長として出力するベクトル長算出手段
と、上記第2の移動平均値が示すベクトル角の位相変化
量を求め、求めた位相変化量をベクトル位相変化量とし
て出力するベクトル位相変化量算出手段と、上記ベクト
ル長が小さいかまたは上記ベクトル位相変化量が大きい
場合には、上記第1の移動平均手段の帯域を広げ、上記
ベクトル長が大きくかつ上記ベクトル長が小さい場合に
は、上記第1の移動平均手段の帯域を狭めた帯域制御信
号を出力するフィルタ帯域決定手段とを備えたことを特
徴とする。
【0027】本発明に係る第5のキャリア位相推定装置
は、上記第1の移動平均手段には、上記無変調複素デー
タを過去の上記mシンボル分だけ蓄積するm段シフトレ
ジスタと、上記フィルタ帯域算出手段から出力され、上
記第1の移動手段の帯域を制御する帯域制御信号に基づ
いて、蓄積された上記mシンボル分の無変調複素データ
の内で過去のm/2シンボル目の上記無変調複素データ
を中心としたf(1≦f≦m)シンボル分のデータをキ
ャリア位相推定用データとして出力するデータ出力制御
手段と、上記キャリア位相推定用データの加算値または
平均値を求め、求めた加算値または平均値を上記第1の
移動平均値として出力する加算手段とを備えたことを特
徴とする。
【0028】本発明に係る第6のキャリア位相推定装置
は、上記ベクトル位相変化量算出手段が、上記第2の移
動平均値が示すベクトル角の所定のy(y=1,2,
3,……)シンボル分の差分値を求め、求めたyシンボ
ル分の差分値をベクトル位相変化量として出力すること
を特徴とする。
【0029】本発明に係る第7のキャリア位相推定装置
は、上記ベクトル位相変化量算出手段が、上記第2の移
動平均値が示すベクトル角の1シンボル差分値から、所
定のyシンボル差分値の計y個の差分情報の内でz(1
≦z≦y)個分の平均値をベクトル位相変化量として出
力することを特徴とする。
【0030】本発明に係る第8のキャリア位相推定装置
は、上記ベクトル位相変化量算出手段が、上記第2の移
動平均値の同相成分をyシンボル分差分した後に絶対値
変換したデータと、上記第2の移動平均値の直交成分を
yシンボル分差分した後に絶対値変換したデータとを加
算し、加算して得られた結果をベクトル位相変化量とし
て出力することを特徴とする。
【0031】本発明に係る第9のキャリア位相推定装置
は、上記非線形処理手段が、上記2N値位相変調された
受信ベースバンド信号の位相情報だけを用い、上記位相
情報を非線形変換して変調成分を除去した無変調複素デ
ータを出力することを特徴とする。
【0032】本発明に係る第1のキャリア位相推定装置
を用いた復調器は、2N(N=1,2,3,…)値位相
変調がなされた受信IF信号を準同期検波して受信ベー
スバンド信号に変換する準同期検波手段と、上記2N
位相変調された受信ベースバンド信号を非線形変換して
変調成分を除去した無変調複素データを出力する非線形
処理手段と、上記無変調複素データの移動平均値を求
め、求めた移動平均値を第1の移動平均値として出力す
る第1の移動平均手段と、上記第1の移動平均値が示す
ベクトル角を求め、求めたベクトル角を2Nで除算する
ことによりキャリア位相値を求め、求めたキャリア位相
値をキャリア位相推定値として出力するキャリア位相算
出手段と、上記無変調複素データの内で過去のrシンボ
ル分のデータを用いて上記第1の移動平均手段の帯域を
制御するフィルタ帯域算出手段と、上記準同期検波手段
から出力される受信ベースバンド信号を遅延させるデー
タ遅延手段と、上記キャリア位相推定手段が出力した上
記キャリア位相推定値を用いて上記遅延された受信ベー
スバンド信号を判定し、判定されたデータを差動復号し
て復調データを得るデータ判定手段とを備えたことを特
徴とする。
【0033】本発明に係る第2のキャリア位相推定装置
を用いた復調器は、上記準同期検波手段には、上記2N
値位相変調がなされた受信IF信号を一定振幅に増幅す
るリミタと、上記リミタによって一定振幅にされた受信
IF信号の位相を検出し、検出した受信IF信号の位相
を受信ベースバンド位相信号として出力する位相検出手
段とを備え、上記非線形処理手段は、上記2N値位相変
調された受信ベースバンド信号の位相情報を非線形変換
して変調成分を除去した無変調複素データを出力し、上
記データ遅延手段は、上記位相検出手段から出力される
受信ベースバンド信号の位相データを遅延させ、上記デ
ータ判定手段は、上記遅延された受信ベースバンド信号
の位相データを上記キャリア位相推定手段の出力である
上記キャリア位相推定値を用いて判定し、判定されたデ
ータを差動復号して復調データを得ることを備えたこと
を特徴とする。
【0034】本発明に係る第3のキャリア位相推定装置
を用いた復調器は、上記準同期検波手段が、上記2N
位相変調がなされた受信IF信号を準同期検波して受信
ベースバンドデータに変換し、上記データ判定手段が、
上記遅延された受信ベースバンドデータを上記キャリア
位相推定手段の出力である上記キャリア位相推定値を用
いて判定し、判定されたデータを判定データとして出力
し、上記判定データに対して、位相不確定性によって生
じ得る2N通りのユニークワードパターンで相関を求
め、ユニークワード検出時において、2N個のユニーク
ワードパターンの内、どのユニークワードパターンによ
って検出したかを示す位相不確定性除去信号を出力する
ユニークワード検出手段と、上記位相不確定性除去信号
を用いて上記判定データを補正して位相不確定性を除去
し、位相不確定性が除去されたデータを復調データとし
て出力するデータ補正手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0035】
【実施の形態】実施の形態1.本発明に係る実施の形態
1によるキャリア位相推定装置とキャリア位相推定装置
を用いた復調器では、復調器は差動符号化QPSK(D
QPSK)変調されたバースト信号の振幅情報を用いて
キャリア位相を推定し、同期検波と差動復号によってデ
ータを復調する。以下、図を用いて本発明に係る実施の
形態1によるキャリア位相推定装置を用いた復調器を説
明する。
【0036】図1は、本発明に係る実施の形態1による
キャリア位相推定装置を用いた復調器の構成を示す構成
図である。図1において、2aは準同期検波手段1が出
力したディジタル複素ベースバンドデータを入力してキ
ャリア位相を算出し、算出したキャリア位相をキャリア
位相推定値として出力するキャリア位相推定手段、5は
m段シフトレジスタ21a、21bに入力されたデータ
系列からフェージング、シャドウイングなどによる受信
信号電力の落込みや急激なキャリア位相変動の有無を検
出し、その検出結果情報に基づいてキャリア位相推定用
のフィルタ帯域を決定するフィルタ帯域値(FW)を出
力するフィルタ帯域算出手段、22c、22dはフィル
タ帯域算出手段5が出力したキャリア位相推定用のフィ
ルタ帯域を決定するフィルタ帯域値(FW)に応じてシ
フトレジスタ21a、21bから加算手段23a、23
bに出力するデータを選択するデータ出力制御手段、2
5aはm段シフトレジスタ21a、21b、データ出力
制御手段22c、22d、加算手段23a、23bから
構成され、非線形処理手段20が出力した変調成分を除
去したデータ系列がシフトレジスタ21a、21bへ入
力されると、データ出力を制御するデータ出力制御手段
22c、22dは、フィルタ帯域算出手段5が出力した
フィルタ帯域値に基いて、シフトレジスタ21a、21
bに入力されたデータの中からデータを選択して加算手
段23a、23bに出力し、加算手段23a、23bは
データ出力制御手段が出力したデータを加算し、加算し
た加算値を移動平均値として出力する第1の移動平均手
段、24aは加算手段23a、23bが出力したデータ
を座標変換してキャリア位相推定値を算出して出力する
キャリア位相算出手段である。なお、上記説明では、上
記加算値をそのまま上記移動平均値として用いたが、上
記加算値を加算したデータの数で除算した値を上記移動
平均値として用いても良い。
【0037】また、図2は、本発明に係る実施の形態1
によるキャリア位相推定装置を用いた復調器におけるフ
ィルタ帯域算出手段5の構成を示す構成図である。図2
において、50aはm段シフトレジスタ21aから出力
されるC1からCrまでの全てのデータを加算し、加算値
ΣCn=Σn=1 rnを出力するCn移動平均手段、50b
はm段シフトレジスタ21bから出力されるS1からSr
までの全てのデータを加算し、加算値ΣSn=Σn=1 rn
を出力するSn移動平均手段、51aは(m−r)段の
レジスタで構成され、上記加算値ΣCnを入力するシフ
トレジスタ、51bは(m−r)段のレジスタで構成さ
れ、上記加算値ΣSnを入力するシフトレジスタ、52
はシフトレジスタ51a、51b内のデータの一部また
は全てを入力し、ベクトル位置変化量VDを求めるベク
トル位相変化量算出手段、53は各シフトレジスタ51
a、51bの段数が奇数の場合は(m−r)/2段目に
入力されているデータから、各シフトレジスタ51a、
51bの段数が偶数の場合は(m−r+1)/2段目に
入力されているデータから、それぞれ、ベクトル長VL
を求めて出力するベクトル長算出手段、54は上記ベク
トル長VLと上記ベクトル位相変化量VDからキャリア
位相推定手段2aのフィルタ帯域値を決定するフィルタ
帯域決定手段である。なお、Cn移動平均手段50a、
n移動平均手段50bは、第2の移動平均手段の1実
施の形態であり、Cn移動平均手段50aとSn移動平均
手段50bをあわせたものが第2の移動平均手段に対応
する。
【0038】なお、図1、図2において、図11に示し
た従来のキャリア位相推定装置を用いた復調器と同じ構
成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0039】次に、本発明に係る実施の形態1によるキ
ャリア位相推定装置を用いた復調器の動作について説明
する。上記従来のキャリア位相推定装置を用いた復調器
と同様に、準同期検波手段1によって同期検波された複
素ベースバンド信号は、キャリア位相推定手段2aとデ
ータ遅延手段3に入力される。キャリア位相推定手段2
aにおける非線形処理手段20は、上記従来のキャリア
位相推定装置を用いた復調器と同様に、4逓倍または逆
変調によって変調成分が除去される。変調成分除去後の
データ系列(C n,Sn)(n=0,1,2,3,……)
は、第1の移動平均手段25aにおけるm段シフトレジ
スタ21a,21bにそれぞれ入力される。
【0040】フィルタ帯域算出手段5は、m段シフトレ
ジスタ21a、21bに入力されている1段目からm段
目までのデータ(C1〜Cm,S1〜Sm)の内、それぞ
れ、1段目からr段目までのデータ(C1〜Cr,S1
r)(1≦r≦m)を入力とする。フィルタ帯域算出
手段5は、これらのデータからフェージング、シャドウ
イングなどによる受信信号電力の落込みや、急激なキャ
リア位相変動の有無を検出し、その検出結果情報に基づ
いて、キャリア位相推定用のフィルタ帯域を決定する値
であるフィルタ帯域値FWを出力する。フィルタ帯域値
FW(1≦FW≦m)は、m段シフトレジスタ21a、
21bに入力されているデータの内、何個のデータをキ
ャリア位相推定に用いるかを示す値である。
【0041】従って、データ出力制御手段22dは、フ
ィルタ帯域値FWの値に応じてC1〜Cmのデータの内、
以下のデータだけを加算手段23aに入力する。 FW=1の場合、Cm/2。 FW=2の場合、Cm/2とCm/2+1。 FW=3の場合、Cm/2-1〜Cm/2+1。 FW=4の場合、Cm/2-1〜Cm/2+2。 FW=5の場合、Cm/2-2〜Cm/2+2。 : : FW=m−1の場合、C2〜Cm。 FW=mの場合、C1〜Cm。 同様に、データ出力制御手段22cは、フィルタ帯域値
FWの値に応じてS1〜Smのデータの内、以下のデータ
だけを加算手段23bに入力する。 FW=1の場合、Sm/2。 FW=2の場合、Sm/2とSm/2+1。 FW=3の場合、Sm/2-1〜Sm/2+1。 FW=4の場合、Sm/2-1〜Sm/2+2。 FW=5の場合、Sm/2-2〜Sm/2+2。 : : FW=m−1の場合、S2〜Sm。 FW=mの場合、S1〜Sm。 なお、各データ出力制御手段22c、22dは、エクス
クルーシブ・オア(以降、XORと略記する)素子で構
成することができる。
【0042】 次に、加算手段23aは、データ出力制御
手段22dから出力されるデータを全て加算し、加算後
のデータをACnとして出力する。同様にして、加算手
段23bは、データ出力制御手段22cから出力される
データを全て加算し、加算後のデータをASnとして出
力する。次に、キャリア位相算出手段24aでは、第1
の移動平均手段25aから出力されたデータ(ACn
ASn)を入力し、キャリア位相推定値θCn=(1/4
×tan-1(ASn/ACn)+π/4)mod2πを求
めて出力する。
【0043】以降の処理は、上記従来のキャリア位相推
定装置を用いた復調器と同様である。データ判定手段4
は、データ遅延手段3で(m+1)/2シンボル分だけ
遅延された複素ベースバンドデータを、キャリア位相推
定値θCnを用いて判定し、復調データを出力する。
【0044】次に、図2を用いて、本発明に係る実施の
形態1によるキャリア位相推定装置を用いた復調器のフ
ィルタ帯域算出手段5の動作について説明する。フィル
タ帯域算出手段5では、フェージング伝送路における信
号電力の落込みや、キャリア位相の急激な変動を加算値
(ΣCn,ΣSn)が示すベクトル長とベクトル角の変動
量を用いて検出し、検出時にだけキャリア位相推定手段
2aにおけるキャリア再生用フィルタ帯域を広げ、キャ
リア位相追随特性をあげる。
【0045】フィルタ帯域算出手段5において、Cn移
動平均手段50aは、C1からCrまでの全てのデータを
加算して、加算値ΣCnとして出力する。また、Sn移
動平均手段50bは、S1からSrまでのデータ全てを加
算して、加算値ΣSnとして出力する。加算値ΣCnは、
1からCrまでの全てのデータを加算し、rで除算した
平均値を移動平均値として出力してもよい。また、加算
値ΣSnは、S1からSrまでのデータ全てを加算し、r
で除算した平均値を移動平均値として出力してもよい。
【0046】これらの加算値(ΣCn,ΣSn)が示すベ
クトルの振舞いを静止時などのガウス雑音伝送路や移動
時などのフェージング伝送路においてモニタしてみる。
ガウス雑音伝送路では、受信信号電力の落込みや、急激
なキャリア位相変動がないため、加算値(ΣCn,Σ
n)が示すベクトルは、例えば、図3に示すように、
ある一点を中心に、ほぼ図中点線で示した円内で揺ら
ぐ。この円は、信号電力対雑音電力比(以降、S/Nと
略記する)が小さくなるに従って大きくなる。また、S
/Nが小さくなるに従って加算値(ΣCn,ΣSn)が示
すベクトル長は平均的に短くなっていく。加算値(ΣC
n,ΣSn)が示すベクトル角において、S/Nが低くな
るに従って分散は拡大するが、その平均値は一定であ
る。
【0047】一方、フェージング伝送路では、受信電力
とキャリア位相は常に変動しており、受信信号電力の落
込み時には、キャリア位相変動は急激に生じ(以降、こ
の状態を「状態A」と略記する)、受信信号電力が高い
ときには、キャリア位相変動は緩慢となる(以降、この
状態を「状態B」と略記する)。図4は、例えば、フェ
ージング伝送路における加算値(ΣCn,ΣSn)が示す
ベクトルの様子を「状態A」と「状態B」を含めて示し
た動作説明図である。各点はデータ系列(ΣCn,Σ
n)を示しており、図4中の番号は、n=1,2,
3,……nに相当する。
【0048】図4に示すように、加算値(ΣCn,Σ
n)が示すベクトルの変動は、受信信号の変動と連動
して様々な状態をとる。上記状態Aでは、ベクトルの長
さは非常に小さくなり、かつ、ベクトル角の変動量は大
きくなる。一方、上記状態Bでは、ベクトルの長さは大
きくなり、かつ、ベクトル角の変動量は小さくなる。
【0049】加算値(ΣCn,ΣSn)が示すベクトル長
と、ベクトル角の変動量を求めるため、まず、ΣCn
(m−r)段のレジスタで構成されるシフトレジスタ5
1aに、ΣSnを(m−r)段のレジスタで構成される
シフトレジスタ51bに、それぞれ入力する。
【0050】各シフトレジスタ51a,51bの段数が
偶数の場合は、X=(m−r)/2段目に入力されてい
るデータ(ΣC(m-r)/2,ΣS(m-r)/2)を(CV,S
V)として、ベクトル長算出手段53に入力する。ま
た、各シフトレジスタ51a、51bの段数が奇数の場
合は、X=(m−r+1)/2段目に入力されているデ
ータ(ΣC(m-r+1)/2,ΣS(m-r+1)/2)を(CV,S
V)として、ベクトル長算出手段53に入力する。
【0051】ベクトル長算出手段53は、データ(C
V,SV)からベクトル長 VL=(CV2+SV21/2 (1) を求めて出力する。また、ベクトル位相変化量算出手段
52は、シフトレジスタ51a、51b内のデータの一
部または全てを入力し、ベクトルの位相変化量VDを以
下のようにして求める。
【0052】各シフトレジスタ51a、51bの段数が
偶数の場合は、ベクトル位相変化量VDは、X=(m−
r)/2段目に入力されているデータ(ΣC(m-r)/2
ΣS( m-r)/2)の前後の差分量で求める。例えば、VD
は、(2a)式に示す7シンボル分の差分によって求め
ることができる。また、各シフトレジスタ51a、51
bの段数が奇数の場合は、(m−r+1)/2段目に入
力されているデータ(ΣC(m-r+1)/2,ΣS(m-r+1)/2
を中心としたベクトル位相変化量VDは、例えば、(2
b)式で求めることができる。但し、θX=tan
-1(ΣSX/ΣCX)である。 VD=min{|θ(m-r)/2+3−θ(m-r)/2-3|,2π−|θ(m-r)/2+3−θ( m-r)/2-3 |}/7 (2a) VD=min{|θ(m-r+1)/2+3−θ(m-r+1)/2-3|,2π−|θ(m-r+1)/2+ 3 −θ(m-r+1)/2-3}/7 (2b)
【0053】上記ベクトル位相変化量VDは、7シンボ
ル分の差分に限る必要はなく、y(=1,2,3,…
…)シンボル分の差分でも良い。yシンボル分を差分し
た場合のVDをVDyとすると、VDyは、 (a)各シフトレジスタ51a、51bの段数が偶数で、yが奇数の場合は、 VDy=min{|θ(m-r)/2+(y-1)/2−θ(m-r)/2-(y-1)/2|,2π−|θ( m-r)/2+(y-1)/2 −θ(m-r)/2-(y-1)/2|}/y (3a) (b)各シフトレジスタ51a、51bの段数が奇数で、yが奇数の場合は、 VDy=min{|θ(m-r+1)/2+(y-1)/2−θ(m-r+1)/2-(y-1)/2|,2π− |θ(m-r+1)/2+(y-1)/2−θ(m-r+1)/2-(y-1)/2|}/y (3b) (c)各シフトレジスタ51a、51bの段数が偶数で、yが偶数の場合は、 VDy=min{|θ(m-r)/2+y/2−θ(m-r)/2-y/2-1|,2π−|θ(m-r)/2 +y/2 −θ(m-r)/2-y/2-1|}/y (3c) (d)各シフトレジスタ51a、51bの段数が奇数で、yが偶数の場合は、 VDy=min{|θ(m-r+1)/2+y/2−θ(m-r+1)/2-y/2-1|,2π−|θ(m- r+1)/2+y/2 −θ(m-r+1)/2-y/2-1|}/y (3d) によってそれぞれ求めることができる。また、ベクトル
位相の変化量を正確に求めるため、幾つかのVDy(y
=1,2,3,……)の平均値をベクトル位相変化量V
Dとしてもよい。例えば、 VD=(VD3+VD5+VD7+VD9)/4 (4) としてもよい。
【0054】フィルタ帯域決定手段54は、ベクトル長
VLとベクトル位相変化量VDから、キャリア位相推定
手段2aのフィルタ帯域値を以下に示すような基準で決
定する。本発明に係る本実施の形態1によるキャリア位
相推定装置を用いた復調器においては、キャリア再生に
用いるシフトレジスタ21a,21b内のデータ数であ
るフィルタ帯域値FWを出力する。フィルタ帯域決定手
段54は、VLが小さい場合やVDが大きい場合には、
フェージングによる受信信号電力の落込みやキャリア位
相の急激な変化が生じていると判定し、再生キャリアの
位相追随性を高めるために、キャリア位置推定用のフィ
ルタ帯域を決定するフィルタ帯域値FWを小さな値に制
御する。一方、VLが大きい場合やVDが小さい場合に
は、フィルタ帯域決定手段54は受信信号電力が高くて
キャリア位相も安定していると判断し、再生キャリアの
位相を高安定化するために、フィルタ帯域値FWを大き
な値に制御する。フィルタ帯域決定手段54は、VLま
たはVDの情報の内、一方だけを用いてフィルタ帯域値
FWを決定してもよい。VLの情報だけを用いる場合、
フィルタ帯域決定手段54はVLが大きい場合はフィル
タ帯域値FWを大きな値に制御し、VLが小さい場合は
フィルタ帯域値FWを小さな値に制御する。また、VD
の情報だけを用いる場合、フィルタ帯域決定手段54は
VDが小さい場合はフィルタ帯域値FWを大きな値に制
御し、VDが大きい場合はフィルタ帯域値FWを小さな
値に制御する。但し、VL、VDの情報の内、一方だけ
を用いてフィルタ帯域値FWを決定する場合は、フェー
ジングによる受信電力の落込みや急激なキャリア位相変
動を検出する精度が多少劣化する。
【0055】上記のように、本実施の形態1によるキャ
リア移相推定方法を用いた復調器は、受信信号の状態
(信号電力の落込みやキャリア位相の急激な変化の有
無)を非線形処理によって無変調信号に変換された過去
r個分のデータの加算値または平均値(移動平均値)を
用いて検出し、その検出信号に応じてキャリア位相推定
に用いるデータ数であるフィルタ帯域値FWを決定する
ために、以下の効果を奏する。また、回路規模は大きく
なるが、データ出力制御手段22c、22dの替りに、
上記従来の技術で示した従来のキャリア位相推定装置を
用いた復調器における重み付け手段22a、22bを用
い、データ数であるフィルタ帯域値FWの大きさに比例
してαを制御しても同様に下記の効果(ア)〜(オ)を
得ることができる。 (ア)受信信号電力の落込み時や急激なキャリア位相変
動時だけにキャリア再生用フィルタの帯域を広げるた
め、ガウス雑音伝送路における良好なBER特性と、フ
ェージング伝送路における良好なBER特性の両立を実
現することができる。 (イ)無変調信号に変換されたr個の受信データ系列の
加算値または平均値(移動平均値)を用いて、受信信号
の状態(受信信号電力の落込みや急激なキャリア位相変
動)を検出するため、小さな回路規模で受信信号の状態
を短時間で高精度に把握することができる。 (ウ)受信信号電力の落込み時や急激なキャリア位相変
動時においては、自動的にキャリア位相推定用のフィル
タ帯域を広げ(本実施の形態1においては、フィルタ帯
域値FWを小さくして)、受信信号の入力が安定してい
るときは自動的にキャリア位相推定用のフィルタの帯域
を狭めて(本実施の形態1においては、フィルタ帯域値
FWを大きくして)キャリア位相推定を行なうので、シ
ャドウイング復帰時(ビルの影等によって信号が遮断さ
れ、キャリア位相同期が外れた状態から再び信号を受信
する状態)における迅速なキャリア位相の再引込みと再
引込み後のキャリア位相の高安定化とを図ることができ
る。同様にして、バースト的に到来する信号(バースト
信号)の到来時刻を特定できない状態で受信する(バー
スト信号捕捉)場合には、本発明に係る本実施の形態1
によるキャリア位相推定装置を用いた復調器を連続動作
させることにより、バースト信号に対する迅速なキャリ
ア位相引込みと引込み後のキャリア位相の高安定化とを
図ることができる。図5に、本実施の形態1によるシャ
ドウイング復帰時のキャリア位相推定動作の動作例を示
す。また、図6に、本実施の形態1によるバースト信号
捕捉時のキャリア位相推定動作の動作例を示す。 (エ)従来のキャリア位相推定装置を用いた復調器の重
み付け手段22a、22bにおける乗算処理の替りに簡
単なXOR素子で構成可能なデータ出力制御手段22
c、22dを用いてフィルタ帯域を変えるため、データ
出力制御手段22c、22dの回路規模を小さくするこ
とができる。 (オ)AFC(Automatic Frequenc
y Control)によるキャリア周波数偏差除去が
不十分である場合でも、VDは大きく、VLは小さくな
り、フィルタ帯域値FWは小さな値に制御されるので、
遅延検波時のBER特性を満たすことができる。尚、上
記従来の技術において示した従来のキャリア位相推定装
置を用いれば、キャリア周波数偏差によってBER特性
は大きく劣化する。
【0056】本発明に係る本実施の形態1によるキャリ
ア位相推定装置を用いた復調器においては、DQPSK
変調方式を用いる場合を示したが、差動符号化とBPS
K(DBPSK)変調(2値位相変調)方式とを併用し
て用いるなど、差動符号化された2N(N=1,2,
3,……)値位相変調方式を用いるならばどのような方
式を用いて良い。この場合の変更点は、以下の通りであ
る。 (A)非線形変換手段20における逓倍処理を4逓倍か
ら2N逓倍とする。 (B)キャリア位相算出手段24aにおけるキャリア位
相の算出をθCn=(1/4×tan-1 (ΣSn/Σ
n)+4/)mod2からθCn=1/2N×tan-1
(ΣSn/ΣCn)+π/2N)mod2πにする。 (C)データ判定手段4におけるデータ判定を(θCn
+kπ/2)mod2π(k∈{0,1,2,3})の
計4本の判定軸を用いた判定から(θCn+k×2π/
N)mod2π(k∈{0,1,2,…,2N−1})
の計2N本の判定軸を用いた判定とする。
【0057】実施の形態2.本発明に係る実施の形態2
によるキャリア位相推定装置とキャリア位相推定装置を
用いた復調器は、上記実施の形態1によるキャリア移相
推定方法とキャリア位相推定装置を用いた復調器と同様
の効果を更に復調器の回路規模や消費電力を低減しなが
ら実現するものである。また、演算処理をマイクロプロ
セッサなどで実現する場合には、処理の高速化を図るも
のである。本発明に係る本実施の形態2によるキャリア
位相推定装置を用いた復調器は、PDCやPHSなどで
広く普及しているπ/4シフトQPSK変調がなされた
受信信号の位相情報のみを用いてキャリア位相を推定
し、同期検波と差動復号とによってデータを復調する。
【0058】次に、本発明に係る実施の形態2によるキ
ャリア位相推定装置とキャリア位相推定装置を用いた復
調器を図について説明する。図7は、本発明の実施の形
態2によるキャリア位相推定装置を用いた復調器の構成
を示す構成図である。図7において、6は受信IF信号
を一定幅に増幅するリミタ、7はリミタ6で一定幅に増
幅された受信IF信号を受信IF信号と同一周波数のロ
ーカル信号の位相と比較し、この比較結果をベースバン
ド位相データとして出力する位相検出手段、8は位相検
出手段7が出力したベースバンド位相データに対して1
シンボル毎に−π/4だけ位相を回転し、1シンボル毎
に位相シフトされる位相データ系列を出力する−π/4
位相回転手段、9はキャリア位相算出手段24aが出力
したキャリア位相推定値に対して1シンボル毎にπ/4
だけ位相を回転するπ/4位相回転手段、20aは−π
/4位相回転手段8が出力した1シンボル毎に位相シフ
トされた位相データ系列に対して変調成分を除去する非
線形処理手段、2bは位相検出手段7が出力したベース
バンド位相データを入力してキャリア位相を算出し、算
出したキャリア位相をキャリア位相推定値として出力す
るキャリア位相推定手段、3aはベースバンド位相デー
タを遅延させ、ベースバンド位相遅延データとして出力
する位相データ遅延手段、4aはπ/4位相回転手段9
でπ/4の位相回転が施されたキャリア位相推定値から
判定軸を生成し、生成した判定軸に基づいてベースバン
ド位相データを判定して復調データを出力するデータ判
定手段、5aはm段シフトレジスタ21a、21bに入
力されたデータの内でr段目までのデータからキャリア
位相推定用フィルタの帯域を決定する値を求めて出力す
るフィルタ帯域算出手段、24aは第1の移動平均手段
25aが出力したデータを座標変換し、キャリア位相推
定値を算出して出力するキャリア位相算出手段である。
また、図8は、本発明の実施の形態2によるキャリア位
相推定装置を用いた復調器のフィルタ帯域算出手段5a
の構成を示す。図8中、52aは加減算によってベクト
ル位相の変位量を求めるベクトル位相変化量算出手段で
ある。なお、図7、図8において、上記従来の技術およ
び上記実施の形態1に示したキャリア位相推定装置を用
いた復調器と同じ構成要素には同一符号を付して説明を
省略する。
【0059】次に、本発明の実施の形態2によるキャリ
ア位相推定装置とキャリア位相推定装置を用いた復調器
の動作について説明する。受信信号の振幅情報を用いる
上記従来の技術および上記実施の形態1に示したキャリ
ア位相推定装置を用いた復調器は、信号振幅がフェージ
ングなどによって大きく変動することによって、A/D
変換器の有効ビット数の範囲を超えてしまうことを防ぐ
ため、復調器前段にAGC(Automatic Ga
in Control)線形増幅器を必要とする。この
AGC線形増幅器やA/D変換器は、回路規模や消費電
力が共に大きいため、本発明に係る本実施の形態2によ
るキャリア位相推定装置を用いた復調器では、リミタ6
を復調器前段に有する構成とし、AGC線形増幅器やA
/D変換器を不要とする。リミタ6へ入力される受信I
F信号の振幅は、全て一定値に増幅された矩形信号にな
るため、振幅情報が失われる。そこで、本発明に係る実
施の形態2によるキャリア位相推定装置を用いた復調器
では、受信信号の位相情報だけを用いてデータを復調す
る。
【0060】一定振幅に増幅された受信IF信号は、位
相検出手段7で受信IF信号と同一周波数のローカル信
号と位相が比較される。位相検出手段7は、この比較結
果をベースバンド位相データθn(n=0,1,2,
3,……)として出力する。位相検出方法としては、例
えば、文献「ディジタル周波数変換を行なう差動PSK
ディジタル遅延検波方式」(1993年電子情報通信学
会春季大会、B−309、佐野、小島、三宅、藤野)に
記載されている位相検出方法を用いればよい。位相検出
手段7から出力されるベースバンド位相データθnは、
キャリア位相推定手段2bと位相データ遅延手段3aに
入力される。
【0061】本実施の形態2において、π/4シフトQ
PSK変調信号を受信した場合を想定しているため、キ
ャリア位相推定手段2b内の−π/4位相回転手段8に
おいて、ベースバンド位相データθnに対して1シンボ
ル毎に(−π/4)[rad]の位相回転を与える
((5)式)。 Pn=(θn−π×n/4)mod2π(n=0,1,2,3,……) ( 5) 上記により、1シンボル毎に{±π/4,±3π/4}
位相シフトされるθnが1シンボル毎に{0,±π/
2,π}位相シフトされる位相データ系列Pnに変換さ
れる。
【0062】非線形処理手段20aでは、Pnに対して
変調成分を除去する。変調成分を除去する方法は、例え
ば、以下に示す位相の4逓倍を行い、変調成分を除去す
る。 P4n=(4×Pn)mod2π (6) そして、非線形処理手段20aは、4逓倍された位相デ
ータP4nから、(Cn,Sn)=(cos(P4n),s
in(P4n))を出力する。
【0063】変調成分除去後のデータ(Cn,Sn)は、
実施の形態1と同様に、第1の移動平均手段25a内の
m段シフトレジスタ21a、21bにそれぞれ入力され
る。これ以降のキャリア位相推定手段2bにおける動作
は、上記実施の形態1と同じであり、キャリア位相推定
手段2bにおけるデータ出力制御手段22c、22d、
加算手段23a、23b、キャリア位相算出手段24a
によって、キャリア位相推定値θCnを出力する。フィ
ルタ帯域算出手段5aは、実施の形態1と同様に、m段
シフトレジスタ21a、21bに入力されているデータ
(C1〜Cm,S1〜Sm)の内、それぞれ1〜r段目まで
のデータ(C1〜Cr,S1〜Sr)から、キャリア位相推
定用のフィルタ帯域を決定するフィルタ帯域値FWを求
め、出力する。フィルタ帯域算出手段5aの動作におい
て上記実施の形態1とは異なる点は、ベクトル位相変化
量算出手段52aにおける動作だけである。
【0064】ベクトル位相変化量算出手段52aは、実
施の形態1のベクトル位相変化量算出手段52において
用いたtan-1処理は演算量(手数)が多い。そこで、
演算量(手数)が少なくて済む演算処理演算方法によっ
て(ΣCn,ΣSn)が示すベクトル位相の変動量VDを
求めるものである。図9は、上記実施の形態2における
ベクトル位相変動量VDの算出例を示したものである。
図9に示す2つのベクトル、(ΣC3,ΣS3)と(ΣC
7,ΣS7)の位相変化量を求める場合、実施の形態1で
は図9に示すΔθをVDとしていた。本実施の形態2で
は、ベクトル位相変動量VDを、例えば、点(ΣC3
ΣS3)と点(ΣC7,ΣS7)との距離とする。図9に
示した例では、 VD=(A2+B21/2 (7a) となる。または、更に演算量を削減するために、 VD=A+B (7b) としても良い。この場合は、1回の加算だけでベクトル
位相変動量VDを求めることができる。以降、(7b)
式に基づくVDの算出方法の詳細について説明する。
【0065】ベクトル位相変化量算出手段52aは、y
(y=1,2,3,……)シンボル分差分をした場合の
VDをVDyとすると、VDyは、 (a)各シフトレジスタ51a、51bの段数が偶数で、yが奇数の場合は、 VDy=|ΣC(m-r)/2+(y-1)/2−ΣC(m-r)/2-(y-1)/2|+|ΣS(m-r) /2+ (y-1) /2 −ΣS(m-r) /2-(y-1) /2| (8a) (b)各シフトレジスタ51a、51bの段数が奇数で、yが奇数の場合は、 VDy=|ΣC(m-r+1)/2+(y-1)/2−ΣC(m-r+1)/2-(y-1)/2|+|ΣS(m-r+ 1)/2+(y-1)/2 −ΣS(m-r+1)/2-(y-1)/2| (8b) (c)各シフトレジスタ51a、51bの段数が偶数で、yが偶数の場合は、 VDy=|ΣC(m-r)/2+y/2−ΣC(m-r)/2-y/2-1|+|ΣS(m-r)/2+y/2−Σ S(m-r)/2-y/2-1| (8c) (d)各シフトレジスタ51a、51bの段数が奇数で、yが偶数の場合は、 VDy=|ΣC(m-r+1)/2+y/2−ΣC(m-r+1)/2-y/2-1|+|ΣS(m-r+1)/2+y /2 −ΣS(m-r+1)/2-y/2-1| (8d) によって、それぞれ求めることができる。また、実施の
形態1と同様、ベクトル位相の変化量を正確に求めるた
めに、幾つかのVDy(y=1,2,3,……)の平均
値をベクトル位相変化量VDとしてもよい。例えば、 VD=(VD3+VD5+VD7+VD9)/4 (9) としても良い。この場合は、3回の加算と2ビットのシ
フト演算だけでベクトル位相変化量VDを求めることが
できる。
【0066】上記のようにして、算出されたVDとベク
トル長算出手段53から出力されるVLとを用いて、フ
ィルタ帯域算出手段5aはフィルタ帯域値FWを実施の
形態1と同様に出力する。π/4位相回転手段9は、キ
ャリア位相算出手段24aから出力されるキャリア位相
推定値θCnに、1シンボル毎にπ/4シフトの位相回
転を与える((10)式)。 θSn=(θCn+nπ/4)mod2π(n=0,1,2,……) (1 0) 位相データ遅延手段3aでは、ベースバンド位相データ
θn{n=0,1,2,3,……}を(m+1)/2シ
ンボル分遅延させ、ベースバンド位相遅延データθ
j(j=n−(m+1)/2)として出力する。
【0067】データ判定手段4aは、π/4シフト位相
回転が施されたキャリア位相推定値θSnから(θSn
kπ/2)mod2π(k∈{0,1,2,3})の計
4本の判定軸を生成し、生成した判定軸を基にベースバ
ンド位相データθjを判定し、復調データを出力する。
図10は、本発明に係る実施の形態2によるキャリア位
相推定装置を用いた復調器の動作を説明するための動作
説明図である。例えば、図10(a)に示すように、送
信データが(0,0)ならばπ/4だけ,送信データが
(0,1)ならば3π/4だけ,送信データが(1,
1)ならば−3π/4だけ,送信データが(1,0)な
らば−π/4だけ、それぞれ位相をシフトするπ/4シ
フトQPSK変調するシステムにおいて、図10(b)
に示すθSnとθjが得られた場合、θSnが示す軸と点
線3つとが示す軸の計4つの判定軸により、差動復号前
のデータは(0,1)と判定される。更に、データ判定
手段4aは、これら判定後のデータを差動復号して復調
データを求める。
【0068】このように、本発明に係る本実施の形態2
によるキャリア位相推定装置を用いた復調器は、上記実
施の形態1に記載の(ア)乃至(オ)の効果に加え、以
下の効果を奏する。 (カ)本発明に係る本実施の形態2によるキャリア位相
推定手段を用いた復調器は、位相情報だけを用いて実現
することができるので、回路規模と消費電力とが共に大
きいAGC増幅器やA/D変換器が不要であって、リミ
タ(増幅器)を復調器の前段に備えた簡易な構成として
小型化および低消費電力化を図ることができる。 (キ)ベクトル位相変化量VDの演算量(手数)低減す
ることができるので、本発明に係る実施の形態1による
キャリア位相推定装置を用いた復調器と比較してベクト
ル位相変化量算出手段52aの回路規模を更に低減する
ことができる。また、上記演算処理をマイクロプロセッ
サなどで実現する場合には、処理の高速化を図ることが
できる。
【0069】本発明の本実施の形態2によるキャリア位
相推定装置を用いた増幅器においては、VLとVDの両
方を用いてフィルタ帯域値FWを求めているが、VLか
VDの何れか一方からフィルタ帯域値FWを求めても良
い。また、π/4シフトQPSK変調方式を用いる場合
を示したが、−π/4位相回転手段8とπ/4位相回転
手段9を除去してPn=θn、θSn=θCnとするだけ
で、容易に差動符号化とQPSK(DQPSK)変調方
式とを併用した方式にも対応することができる。更に、
差動符号化とBPSK(DBPSK)(2値位相変調)
方式を併用した方式など差動符号化された2N(N=
1,2,3,……)値位相変調方式ならばどのような方
式にも対応することが可能である。この場合の変更点
は、−π/4位相回転手段8とπ/4位相回転手段9と
を除去してPn=θn、θSn=θCnとすることと上記実
施の形態1に記載した変更点の(A)乃至(C)とであ
る。
【0070】実施の形態3.本発明に係る実施の形態3
によるキャリア位相推定装置とキャリア位相推定装置を
用いた復号器は、上記実施の形態1に示したキャリア位
相推定装置とキャリア位相推定装置を用いた復号器と同
様の効果を、差動符号化を行ない絶対同期検波によって
実現する。QPSK変調信号を復調する場合を例に、本
発明の実施の形態3によるキャリア位相推定装置を用い
た復調器の動作について説明する。図11は、本発明に
係る実施の形態3によるキャリア位相推定手段を用いた
復調器の構成を示す構成図である。図11中、10は上
記キャリア位相推定値を用いてデータを判定した場合に
取り得るユニークワード(以降、UWと略記する)パタ
ーンを予め用意し、データ判定手段4aからの判定デー
タと各UWパターンとの相関を求め、UWパターン受信
時に最も大きい相関を示すUWパターンを検出してその
情報を出力するUW検出手段、11はUW検出手段10
から出力される情報を用いてデータ判定手段4から出力
されるデータを補正し、補正後のデータを復調データと
して出力するデータ補正手段である。なお、図11にお
いて、上記従来の技術および上記実施の形態1、2と同
じ構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0071】次に、本発明に係る実施の形態3による位
相推定方法を用いた復調器の動作について説明する。実
施の形態3の動作が実施の形態1の動作と異なる点は、
データ判定手段4から出力されるデータを更にUW検出
手段10、データ補正手段11によって位相不確定性を
除去する点である。キャリア位相推定手段2aの出力で
あるキャリア位相推定値θCnは、(θCn+kπ/2)
mod2π(k=0,1,2,3)の計4つの値を取り
得る、位相不確定性を有するが、実施の形態1で示した
差動符号化とQPSK変調方式や、上記実施の形態2で
示したπ/4シフトQPSK変調方式では、差動復号処
理によってこの位相不確定性を除去してきた。本実施の
形態3では、差動符号化を行なわないQPSK変調方式
を用いるシステムを想定し、UW検出情報を基にキャリ
ア位相の不確定性を除去するものである。次に、本発明
に係る実施の形態3によるキャリア位相推定装置を用い
た復調器の動作について説明する。本発明に係る本実施
の形態3によるキャリア位相推定装置を用いた復調器
は、データにユニークワードなど既知シンボルが挿入さ
れているようなシステムに有効なものである。
【0072】UW検出手段10では、(θCn+kπ/
2)mod2π(k=0,1,2,3)のキャリア位相
推定値でそれぞれデータを判定した場合にとり得る4つ
のUWパターン(UW0〜UW3)をあらかじめ用意し、
データ判定手段4aからの判定データと各UWパターン
との相関値を求めていく。そして、UWパターン受信時
において最も大きい相関値を示すUWk(k=0,1,
2,3)を検出し、その番号k(k={0,1,2,
3})を示す情報を出力する。データ補正手段11で
は、UW検出手段10から出力されるkの情報を用い
て、データ判定手段4から出力されるデータを補正し、
補正後のデータを復調データとして出力する。
【0073】上記のように、本発明に係る本実施の形態
3によるキャリア位相推定装置を用いた復調器は、上記
実施の形態1において示した(ア)乃至(オ)の効果に
加えて更に以下の効果を奏する。 (ク)本発明に係る本実施の形態3によるキャリア位相
推定装置を用いた復調器は、UW検出情報を用いてキャ
リア位相の不確定性を除去するので、差動符号化を行な
わないQPSK変調方式に適用することができる。
【0074】本発明に係る本実施の形態3によるキャリ
ア位相推定装置を用いた復調器は、VLとVDの両方を
用いてフィルタ帯域値FWを求めているが、VLかVD
の何れか一方からフィルタ帯域値FWを求めても良い。
また、変調方式として、QPSK変調方式を用いる場合
を示したが、BPSK(2値位相変調)方式など2
N(N=1,2,3,…)値位相変調方式ならばどのよ
うな方式を用いても良い。その場合の変更点は、実施の
形態1において示した(A)乃至(C)の変更内容と同
様である。
【0075】
【発明の効果】本発明に係る第1のキャリア位相推定装
置によれば、無変調信号に変換されたr個の受信データ
系列の加算値または平均値(移動平均値)を用いて受信
信号電力の落込みや急激なキャリア位相変動などの受信
信号の状態を検出するので、小さな回路規模によって短
時間で高精度に信号の状態を把握することができる。
【0076】また、本発明に係る第2乃至第4のキャリ
ア位相推定装置によれば、上記第1のキャリア位相推定
装置の効果に加えて、更に、次の効果がある。即ち、受
信信号電力の落込み時や急激なキャリア位相変動時だけ
にキャリア再生用フィルタの帯域を広げるので、ガウス
雑音伝送路とフェージング伝送路とにおいて良好なBE
R特性を両立させることができる。
【0077】また、本発明に係る第5のキャリア位相推
定装置によれば、上記第1のキャリア位相推定装置の効
果に加えて、更に、次の効果がある。即ち、簡単なXO
R素子で構成可能なデータ出力制御手段を用いてフィル
タ帯域を替えるため、回路規模を小さくできる。
【0078】また、本発明に係る第6、第7のキャリア
位相推定装置によれば、上記第3、第4のキャリア位相
推定装置の効果に加えて、更に、次の効果がある。即
ち、yシンボル差分値またはyシンボル差分値の内のz
個分をベクトル位相変化量として用いるので、位相変化
量を精度良く求めることができる。
【0079】また、本発明に係る第8のキャリア位相推
定装置によれば、上記第3、第4のキャリア位相推定装
置の効果に加えて、更に、以下の効果がある。即ち、本
発明に係る第8のキャリア位相推定装置は、ベクトル位
相変化量の演算を演算量(手数)を低減した処理方法で
実現するので、上記第1のキャリア位相推定装置を用い
た復調器と比較して更に回路規模を低減することができ
る。また、上記演算処理をマイクロプロセッサなどで実
現する場合には、処理の高速化を図ることができる。
【0080】また、本発明に係る第9のキャリア位相推
定装置によれば、上記第1のキャリア位相推定装置の効
果に加えて、更に、以下の効果がある。即ち、本発明に
係る第9のキャリア位相推定装置は、位相情報だけを用
いるので、AGC増幅器やA/D変換器を不要とし、回
路規模を低減することができる。
【0081】また、本発明に係る第1のキャリア位相推
定装置を用いた復調器によれば、受信信号電力の落込み
時や急激なキャリア位相変動時だけにキャリア再生用フ
ィルタの帯域を広げるので、ガウス雑音伝送路とフェー
ジング伝送路とにおいて良好なBER特性を両立させる
ことができる。
【0082】また、本発明に係る第2のキャリア位相推
定装置を用いた復調器によれば、上記第1のキャリア位
相推定装置を用いた復調器の効果に加えて、更に、以下
の効果がある。即ち、本発明に係る第2のキャリア位相
推定装置を用いた復調器は、位相情報だけを用いるの
で、回路規模と消費電力とが共に大きいAGC増幅器や
A/D変換器が不要となり、リミタ(増幅器)を復調器
前段に備えた簡易な構成として小型化および低消費電力
化を図ることができる。
【0083】また、本発明に係る第3のキャリア位相推
定装置を用いた復調器によれば、上記第1のキャリア位
相推定装置を用いた復調器の効果に加えて、更に、以下
の効果がある。即ち、本発明に係る第3のキャリア位相
推定装置を用いた復調器は、UW検出情報を用いてキャ
リア位相の不確定性を除去するため、差動符号化を行わ
ないQPSK変調方式に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る実施の形態1によるキャリア位
相推定装置を用いた復調器の構成を示す構成図である。
【図2】 本発明に係る実施の形態1によるキャリア位
相推定装置を用いた復調器のフィルタ帯域算出手段の構
成を示す構成図である。
【図3】 本発明に係る実施の形態1によるキャリア位
相推定装置を用いた復調器の動作を説明するための動作
説明図である。
【図4】 本発明に係る実施の形態1によるキャリア位
相推定装置を用いた復調器の動作を説明するための動作
説明図である。
【図5】 本発明に係る実施の形態1によるキャリア位
相推定装置を用いた復調器の動作を説明するための動作
説明図である。
【図6】 本発明に係る実施の形態1によるキャリア位
相推定装置を用いた復調器の動作を説明するための動作
説明図である。
【図7】 本発明に係る実施の形態2によるキャリア位
相推定装置を用いた復調器の構成を示す構成図である。
【図8】 本発明に係る実施の形態2によるキャリア位
相推定装置を用いた復調器のフィルタ帯域算出手段の構
成を示す構成図である。
【図9】 本発明に係る実施の形態2によるキャリア位
相推定装置を用いた復調器の動作を説明するための動作
説明図である。
【図10】 本発明に係る実施の形態2によるキャリア
位相推定装置を用いた復調器の動作を説明するための動
作説明図である。
【図11】 本発明に係る実施の形態3によるキャリア
位相推定装置を用いた復調器の構成を示す構成図であ
る。
【図12】 従来のキャリア位相推定装置を用いた復調
器の構成を示す構成図である。
【図13】 従来のキャリア位相推定装置を用いた復調
器の準同期検波手段の構成を示す構成図である。
【図14】 従来のキャリア位相推定装置を用いた復調
器の動作を説明するための動作説明図である。
【符号の説明】
1 準同期検波手段 2a、2b キャリア位相推定手段 3 データ遅延手段 4、4a データ判定手段 5、5a フィルタ帯域判定手段 6 リミタ 7 位相検出手段 8 −π/4位相回転手段 9 π/4位相回転手段 10 UW検出手段 11 データ補正手段 20、20a 非線形処理手段 21a、21b m段シフトレジスタ 22c、22d データ出力制御手段 23a、23b 加算手段 24、24a キャリア位相算出手段 25a 移動平均手段 50a Cn移動平均手段 50b Sn移動平均手段 51a、51b シフトレジスタ 52、52a ベクトル位相変化量算出手段 53 ベクトル長算出手段 54 フィルタ帯域決定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 27/227

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2N(N=1,2,3,……)値位相変調
    された受信ベースバンドデータを非線形変換して変調成
    分を除去したm(m=1,2,3,……)シンボル分の
    無変調複素データを出力する非線形処理手段と、 上記無変調複素データの加算値または平均値を求め、求
    めた加算値または平均値を第1の移動平均値として出力
    する第1の移動平均手段と、 上記無変調複素データの内で過去のr(1≦r≦m)シ
    ンボル分のデータを用いて上記第1の移動平均手段の帯
    域を制御するフィルタ帯域算出手段と、 上記第1の移動平均値が示すベクトル角を求め、求めた
    ベクトル角を2Nで除算することによりキャリア位相値
    を求め、求めたキャリア位相値をキャリア位相推定値と
    して出力するキャリア位相算出手段とを備えたことを特
    徴とするキャリア位相推定装置。
  2. 【請求項2】上記フィルタ帯域算出手段は、 上記過去のrシンボル分の無変調複素データの加算値ま
    たは平均値を求め、求めた加算値または平均値を第2の
    移動平均値として出力する第2の移動平均手段と、 上記第2の移動平均値が示すベクトルの長さを求め、求
    めたベクトルの長さをベクトル長として出力するベクト
    ル長算出手段と、 上記ベクトル長が短い場合には、上記第1の移動平均手
    段の帯域を広げ、上記ベクトル長が長い場合には、上記
    第1の移動平均手段の帯域を狭めた帯域制御信号を出力
    するフィルタ帯域決定手段とを備えたことを特徴とする
    請求項1に記載のキャリア位相推定装置。
  3. 【請求項3】上記フィルタ帯域算出手段は、 上記過去のrシンボル分の無変調複素データの加算値ま
    たは平均値を求め、求めた加算値または平均値を第2の
    移動平均値として出力する第2の移動平均手段と、 上記第2の移動平均値が示すベクトル角の位相変化量を
    求め、求めた位相変化量をベクトル位相変化量として出
    力するベクトル位相変化量算出手段と、 上記ベクトル位相変化量が大きい場合には、上記第1の
    移動平均手段の帯域を広げ、上記ベクトル位相変化量が
    小さい場合には、上記第1の移動平均手段の帯域を狭め
    た帯域制御信号を出力するフィルタ帯域決定手段とを備
    えたことを特徴とする請求項1に記載のキャリア位相推
    定装置。
  4. 【請求項4】上記フィルタ帯域算出手段は、 上記過去のrシンボル分の無変調複素データの加算値ま
    たは平均値を求め、求めた加算値または平均値を第2の
    移動平均値として出力する第2の移動平均手段と、 上記第2の移動平均値が示すベクトルの長さを算出し、
    算出したベクトルの長さをベクトル長として出力するベ
    クトル長算出手段と、 上記第2の移動平均値が示すベクトル角の位相変化量を
    求め、求めた位相変化量をベクトル位相変化量として出
    力するベクトル位相変化量算出手段と、 上記ベクトル長が小さいかまたは上記ベクトル位相変化
    量が大きい場合には、上記第1の移動平均手段の帯域を
    広げ、上記ベクトル長が大きくかつ上記ベクトル長が小
    さい場合には、上記第1の移動平均手段の帯域を狭めた
    帯域制御信号を出力するフィルタ帯域決定手段とを備え
    たことを特徴とする請求項1に記載のキャリア位相推定
    装置。
  5. 【請求項5】上記第1の移動平均手段は、 上記無変調複素データを過去の上記mシンボル分だけ蓄
    積するm段シフトレジスタと、 上記フィルタ帯域算出手段から出力され、上記第1の移
    動平均手段の帯域を制御する帯域制御信号に基づいて、
    蓄積された上記mシンボル分の無変調複素データの内で
    過去のm/2シンボル目の上記無変調複素データを中心
    としたf(1≦f≦m)シンボル分のデータをキャリア
    位相推定用データとして出力するデータ出力制御手段
    と、 上記キャリア位相推定用データの加算値または平均値を
    求め、求めた加算値または平均値を上記第1の移動平均
    値として出力する加算手段とを備えたことを特徴とする
    請求項1に記載のキャリア位相推定装置。
  6. 【請求項6】上記ベクトル位相変化量算出手段は、 上記第2の移動平均値が示すベクトル角の所定のy(y
    =1,2,3,……)シンボル分の差分値を求め、求め
    たyシンボル分の差分値をベクトル位相変化量として出
    力することを特徴とする請求項3または請求項4に記載
    のキャリア位相推定装置。
  7. 【請求項7】上記ベクトル位相変化量算出手段は、 上記第2の移動平均値が示すベクトル角の1シンボル差
    分値から、所定のyシンボル差分値の計y個の差分情報
    の内でz(1≦z≦y)個分の平均値をベクトル位相変
    化量として出力することを特徴とする請求項3または
    求項4記載のキャリア位相推定装置。
  8. 【請求項8】上記ベクトル位相変化量算出手段は、 上記第2の移動平均値の同相成分をyシンボル分差分し
    た後に絶対値変換したデータと、上記第2の移動平均値
    の直交成分をyシンボル分差分した後に絶対値変換した
    データとを加算し、加算して得られた結果をベクトル位
    相変化量として出力することを特徴とする請求項3また
    請求項4記載のキャリア位相推定装置。
  9. 【請求項9】上記非線形処理手段は、上記2N値位相変
    調された受信ベースバンド信号の位相情報だけを用い、
    上記位相情報を非線形変換して変調成分を除去した無変
    調複素データを出力することを特徴とする請求項1記載
    のキャリア位相推定装置。
  10. 【請求項10】2N(N=1,2,3,…)値位相変調
    がなされた受信IF信号を準同期検波して受信ベースバ
    ンド信号に変換する準同期検波手段と、 上記2N値位相変調された受信ベースバンド信号を非線
    形変換して変調成分を除去した無変調複素データを出力
    する非線形処理手段と、 上記無変調複素データの加算値または平均値を求め、求
    めた加算値または平均値を第1の移動平均値として出力
    する第1の移動平均手段と、 上記第1の移動平均値が示すベクトル角を求め、求めた
    ベクトル角を2Nで除算することによりキャリア位相値
    を求め、求めたキャリア位相値をキャリア位相推定値と
    して出力するキャリア位相算出手段と、 上記無変調複素データの内で過去のrシンボル分のデー
    タを用いて上記第1の移動平均手段の帯域を制御するフ
    ィルタ帯域算出手段と、 上記準同期検波手段から出力される受信ベースバンド信
    号を遅延させるデータ遅延手段と、 上記キャリア位相推定手段が出力した上記キャリア位相
    推定値を用いて上記遅延された受信ベースバンド信号を
    判定し、判定されたデータを差動復号して復調データを
    得るデータ判定手段とを備えたことを特徴とするキャリ
    ア位相推定装置を用いた復調器。
  11. 【請求項11】上記準同期検波手段は、 上記2N値位相変調がなされた受信IF信号を一定振幅
    に増幅するリミタと、 上記リミタによって一定振幅にされた受信IF信号の位
    相を検出し、検出した受信IF信号の位相を受信ベース
    バンド位相信号として出力する位相検出手段とを備え、 上記非線形処理手段は、上記2N値位相変調された受信
    ベースバンド信号の位相情報を非線形変換して変調成分
    を除去した無変調複素データを出力し、 上記データ遅延手段は、上記位相検出手段から出力され
    る受信ベースバンド信号の位相データを遅延させ、 上記データ判定手段は、上記遅延された受信ベースバン
    ド信号の位相データを上記キャリア位相推定手段の出力
    である上記キャリア位相推定値を用いて判定し、判定さ
    れたデータを差動復号して復調データを得ることを特徴
    とする請求項10に記載のキャリア位相推定装置を用い
    た復調器。
  12. 【請求項12】上記準同期検波手段は、上記2N値位相
    変調がなされた受信IF信号を準同期検波して受信ベー
    スバンドデータに変換し、 上記データ判定手段は、上記遅延された受信ベースバン
    ドデータを上記キャリア位相推定手段の出力である上記
    キャリア位相推定値を用いて判定し、判定されたデータ
    を判定データとして出力し、 上記判定データに対して、位相不確定性によって生じ得
    る2N通りのユニークワードパターンで相関を求め、ユ
    ニークワード検出時において、2N個のユニークワード
    パターンの内、どのユニークワードパターンによって検
    出したかを示す位相不確定性除去信号を出力するユニー
    クワード検出手段と、 上記位相不確定性除去信号を用いて上記判定データを補
    正して位相不確定性を除去し、位相不確定性が除去され
    たデータを復調データとして出力するデータ補正手段と
    を備えたことを特徴とする請求項10に記載のキャリア
    位相推定装置を用いた復調器。
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