JP3497291B2 - 電子ビーム発生装置 - Google Patents

電子ビーム発生装置

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、電界放出型電子
銃を備えた電子ビーム発生装置に関する。 【0002】 【従来の技術】 図1は電界放出型電子銃を備えた電子
ビーム発生装置の一例を示したもので、エミッター1、
該エミッターから電子を引出す為の引出し電極2、該エ
ミッタから引出された電子ビームを絞る為のレンズ3、
該引出された電子ビームを加速する為の加速電極4から
構成されている。この様な電界放出型電子銃を備えた電
子ビーム発生装置で、静電レンズを使用するタイプのも
のがあるが、そのタイプのものにおいては、通常、2極
構成の静電レンズが使用されており、エミッター1の直
ぐ下の電極を上方電極、該上方電極の下に設けられた他
方の電極を下方電極と称し、前記上方電極が引出し電極
を兼ねている。 【0003】所で、通常、前記上方及び下方電極の電源
回路としてはコッククロフト・ウォルトン回路(Coc
kcroft・Walton Circuit 略して
CWC)が用いられており、これらのCWC出力は加速
電圧に重畳されている。即ち、図2に示す様に、加速電
源7からの加速電圧がエミッター1と加速電極4間に印
加され、エミッター1と上方電極5に第1CWC8から
の電圧が、エミッター1と下方電極6の間に第2CWC
9からの電圧が夫々印加されている。図3は、前記上方
電極5,下方電極6に夫々電圧を印加する為の第1,第
2CWC8,9の詳細を示したもので、各CWCは、夫
々電源Va,Vb、ゲートトランジスタGTa,GT
b、スイッチング用トランジスタSTa,STb、励振
用トランスTRa,TRb、昇圧整流回路URa,UR
bから成る。尚、前記両CWCは同一のものが使用され
ている。 【0004】さて、この様な電界放出型電子銃を備えた
電子ビーム発生装置では、エミッターを放電により破壊
させないようにすることが大きな課題となっており、そ
の為に、前記上方電極5の電位が下方電極6の電位以上
にならないようにコントロールしている。この際、前記
した様に、前記各CWC出力は、通常数KV〜数100
KVの加速電圧(高電圧)に重畳されている事から、前
記コントロールは低電圧側において、例えば、光学信号
を使用し、高圧側でその光学信号を電気信号に変換して
行っている。即ち、前記各CWCのゲートトランジスタ
GTa,GTbの各ゲートを光電変換した信号でコント
ロールし、上方電極5の電位が下方電極6の電位以上に
ならないようにしている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 しかし、この様に各
上方電極,下方電極への電位を夫々個別に設けられたC
WCをコントロールして設定していると、ちょっとした
ケアレスミス等の人為的ミスにより、上方電極5の電位
が下方電極6の電位以上になり、その為に、エミッター
1から引出された電子が逆戻りして上方電極5等に衝突
してガスが発生し、このガス発生が放電を引き起こし、
該エミッターの破壊に繋がってしまう事がある。 【0006】本発明は、このような点に鑑みてなされた
もので、新規な電子ビーム発生装置を提供するものであ
る。 【0007】 【課題を解決するための手段】 請求項1の発明に基づ
く電子ビーム発生装置は、エミッターと加速電極間に上
方電極が配置され、前記上方電極と前記加速電極間に下
方電極が配置された電子ビーム発生装置において、次の
(a)〜(c)の構成要素を有し、前記エミッターと前
記加速電極間に印加される加速電圧に重畳して出力を行
う下方電極用コッククロフト・ウォルトン回路と、 (a)電源Vb (b)前記電源Vbの出力電圧が与えられるゲートトラ
ンジスタGTb (c)前記ゲートトランジスタGTbの出力側に出た電
圧を昇圧して、その昇圧した電圧を前記下方電極に印加
する昇圧回路 次の(d),(e)の構成要素を有し、前記エミッター
と前記加速電極間に印加される加速電圧に重畳して出力
を行う上方電極用コッククロフト・ウォルトン回路 (d)前記ゲートトランジスタGTbの出力側に出た電
圧が与えられるゲートトランジスタGTa (e)前記ゲートトランジスタGTaの出力側に出た電
圧を昇圧して、その昇圧した電圧を前記上方電極に印加
する昇圧回路 とを備えたことを特徴としている。 【0008】 【0009】 【発明の実施の形態】 以下、図面を参照して本発明の
実施の形態を詳細に説明する。図4は本発明の一例とし
て電子ビーム発生装置の主要部の概略を示している。図
中前記図3で使用されている符号と同一符号の付された
ものは同一構成要素を示す。 【0010】図3に示すものと異なっている所は、上方
電極用の第1CWC8´の電源を削除し、下方電極用の
第2CWC9´のゲートトランジスタGTbの出力端
(エミッタ)と上方電極用の第1CWC8´のゲートト
ランジスタGTbの入力端(コレクタ)を電位的に共通
化したことである。 【0011】この様な構成の動作を次に説明する。 【0012】下方電極6に印加する電圧は、第2CWC
9´のゲートトランジスタGTbのゲートへの信号をコ
ントロールして電源Vbからの電圧を調整して設定す
る。該調整された電圧は該第2CWC9´のゲートトラ
ンジスタGTbの出力側に出て、励振トランスTRbの
一次電圧となり、該励振トランスTRb及び昇圧整流回
路URbで適宜昇圧され、下方電極6に印加される。
又、前記第2CWC9´のゲートトランジスタGTbの
出力側に出た電圧は、上方電極5の第1CWC8´のゲ
ートトランジスタGTaのコレクタ電圧ともなる。従っ
て、上方電極5に印加する電圧は、該ゲートトランジス
タGTbのゲートへの信号をコントロールして前記コレ
クタ電圧を調整する事により設定されるので、該調整さ
れた電圧はこのコレクタ電圧を越える事はない。この調
整された電圧は、該第1CWC8´のゲートトランジス
タGTaの出力側に出て、励振トランスTRaの一次電
圧となり、該励振トランスTRa及び昇圧整流回路UR
aで適宜昇圧され、上方電極5に印加される。尚、前記
したように前記励振トランスTRaとTRb、前記昇圧
整流回路URaとURbは同じものが使用されているの
で、前記各調整電圧に対応した電圧が夫々各上方,下方
電極5,6に印加され、上方電極5に印加される電圧が
下方電極6に印加される電圧を越える事はない。その為
に、放電によるエミッター1の破壊の心配がなくなる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 従来の電界放出型電子銃を備えた電子ビーム
発生装置の一例を示したものである。 【図2】 図1で示した装置に電源を付加した一例を示
したものである。 【図3】 図1で示した装置の電源部の詳細を示したも
のである。 【図4】 本発明の一例として電子ビーム発生装置の主
要部の概略を示したものである。 【符号の説明】 1 エミッター 4 加速電極 5 上方電極 6 下方電極 7 加速電源 8,8´ 第1CWC 9,9´ 第2CWC Va,Vb 電源 GTa,GTb ゲートトランジスタ TRa,TRb 励振トランス STa,STb スイッチングトランジスタ URa,URb 昇圧整流回路

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 エミッターと加速電極間に上方電極が配
    置され、前記上方電極と前記加速電極間に下方電極が配
    置された電子ビーム発生装置において、 次の(a)〜(c)の構成要素を有し、前記エミッター
    と前記加速電極間に印加される加速電圧に重畳して出力
    を行う下方電極用コッククロフト・ウォルトン回路と、 (a)電源Vb (b)前記電源Vbの出力電圧が与えられるゲートトラ
    ンジスタGTb (c)前記ゲートトランジスタGTbの出力側に出た電
    圧を昇圧して、その昇圧した電圧を前記下方電極に印加
    する昇圧回路 次の(d),(e)の構成要素を有し、前記エミッター
    と前記加速電極間に印加される加速電圧に重畳して出力
    を行う上方電極用コッククロフト・ウォルトン回路 (d)前記ゲートトランジスタGTbの出力側に出た電
    圧が与えられるゲートトランジスタGTa (e)前記ゲートトランジスタGTaの出力側に出た電
    圧を昇圧して、その昇圧した電圧を前記上方電極に印加
    する昇圧回路 とを備えたことを特徴とする電子ビーム発生装置。
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