JP3497206B2 - 濾過機における洗浄方法 - Google Patents
濾過機における洗浄方法Info
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とにより結晶成分を含む液を結晶成分と母液とに分離す
る濾過機の洗浄方法に関する。さらに詳しくは、有機物
の結晶の精製に当り、溶剤中より目的とする結晶成分を
回収すること、共晶系の結晶から目的とする1つの結晶
を分離すること、あるいは固溶体系結晶からそこに付着
する母液を分離する際などに本発明は適用される。
母液を分離し結晶成分を取り出したり結晶成分を純化さ
せる精製操作が行われている。例えば、溶剤に溶けた有
機物の結晶成分を母液から分離して結晶として取り出す
場合、従来、遠心分離機、連続式濾過機または水平式ト
レイフィルタ等により行われている。その際、結晶成分
を含む液は飽和溶液であり、また操作開始時において、
濾材及びこれと接触する部材は、一般的に操作温度より
低い常温状態にあり、かつ操作対象物質の熱的条件を左
右する大きな熱容量を有するものからなるなどの理由に
よって、上記液がケーキ層や濾材に接触及びそれを通過
する過程で冷却され、結晶の析出が起こり、特に濾材の
開孔目や濾材支持材(グリッド)の開孔目や脚部に結晶
が付着し、目詰まりや濾液流れ空間の閉塞が生じる。こ
のような現象は回分式でも連続式でも生じることであ
り、濾材の閉塞が生じると、濾過能力が著しく低下し、
結果的に、純度の低い結晶しか得られず、しかも収率が
低下する。そこで、濾材や濾材支持材(グリッド)の洗
浄を定期的に行う必要が生じ、その結果、稼動率の低下
を招く。そして、このような問題は、共晶系のスラリー
や固溶体の結晶の精製に際して、上述した機械的濾過操
作を行う場合にも現出する。
度と結晶析出温度との温度差が10℃以内と小さい場
合、または溶解温度が30℃以下の結晶成分を母液から
分離して結晶として取り出す場合においては、特開平2
−126902号に記載の特殊濾材構造により上記問題
を解決することができるが、上記以外の温度条件での結
晶成分については、装置がより複雑化し、設備費が嵩む
という問題がある。
する課題は、濾材や濾材支持材(グリッド)に結晶が付
着して目詰まりや濾液流れ空間の閉塞を生じる問題であ
る。
で、その目的とするところは、濾材や濾材支持材に付着
している結晶を円滑に除去回収することができて、目詰
まりや濾液流れ空間の閉塞を確実に防止することができ
る濾過機における洗浄方法を提供することにある。
に、本発明の請求項1は、濾材の背面部に設置された真
空トレイにより結晶成分を含む液を上記濾材を介して結
晶成分と母液とに分離する濾過機における洗浄方法にお
いて、一部の真空トレイにおいては上記濾材の背面部に
洗浄液を供給して充満させ、この濾材の背面部に滞積付
着している結晶を溶解させて回収するとともに、他の真
空トレイはケーキ形成用、ケーキ洗浄用、脱液用として
操作し、各真空トレイごとに同様の操作を行うことによ
り洗浄を行うものである。また、本発明の請求項2は、
洗浄液の温度を、結晶成分の再結晶化が行われる温度以
上に保持するものである。
は、濾材の背面部に洗浄液を供給して所定時間濾材の背
面部(濾材及び濾材支持材)を洗浄液中に浸漬すること
により、この濾材の背面部に滞積付着している結晶を洗
浄液中に溶解させた後、洗浄液を回収する。また、一部
の真空トレイにおいて背面部の洗浄を行っている間に、
他の真空トレイはケーキ形成用、ケーキ洗浄用、脱液用
として操作し、各真空トレイごとに同様の操作を行うこ
とにより、濾過機の運転を停止することなく洗浄を行う
ことができる。また、本発明の請求項2にあっては、結
晶成分の再結晶化が行われる温度以上に保持された洗浄
液によって、濾材の背面部に滞積付着している結晶の洗
浄液中への溶解を促進する。
施例を説明する。
ベルトフィルターの一例を示すもので、この図において
符号1は無端状の濾布(濾材)で有り、この濾布1は、
駆動ロール2と、複数の案内ロール3との間に巻き掛け
られたものである。そして、上記濾布1は、その張力を
緩めたり強めたりすることにより、上記駆動ロール2の
回転力を間欠的に受け取って、移動するようになってい
る。また、上記濾布1の水平部分の下部には、4つの真
空トレイF1,F2,F3,F4が設置されており、こ
れらの真空トレイF1〜F4及び上記濾布1及び各ロー
ル2,3は、密閉室R内に収納されている。上記各真空
トレイF1〜F4の下部には、それぞれ真空ホースを介
して開閉作動用の自動弁SV1〜SV6,気液分離槽
4,5,6と、自動弁SV7,SV8,SV9とが連結
されている。そして、上記各気液分離槽4〜6には、濾
液ポンプ7,8,9と、液位計測器10,11,12の
出力により開閉制御される自動弁SV10,SV11,
SV12とがそれぞれ連結されている。さらに、上記各
気液分離槽4〜6には冷却器13が連結されており、こ
の冷却器13においては、温度計測器14の出力に応じ
て制御弁CV1の開度を操作することにより、温度制御
が行われるように構成されている。そして、上記冷却器
13において熱凝集化した溶液は、気液分離槽5内に戻
されるようになっている。さらにまた、上記冷却器13
には、真空ポンプ15が連結されており、この真空ポン
プ15には加熱器16が連結されている。この加熱器1
6においては、上記密閉室R内の温度を計測する温度計
測器17の出力に応じて制御弁CV2の開度を操作する
ことにより、加熱器16内を通過する(排ガス戻り系
の)ガスの温度が、母液の結晶化が行われる温度より5
〜20℃高くなるように制御されている。そして、上記
加熱器16には、流量計測器18の出力に応じて開度制
御される制御弁CV3と、自動弁SV13を介して上記
密閉室Rとが連結されている。
3,SV4),(SV5,SV6)間には、自動弁SV
14,SV15,SV16を介して、加熱器19が連結
されており、この加熱器19においては、温度計測器2
0の出力に応じて制御弁CV4の開度を操作することに
より、加熱器19内を通過するトレイ洗浄液の温度が、
母液の結晶化が行われる温度より5〜10℃程度高くな
るように制御されている。また、上記真空トレイF1の
上方には、スラリーSを供給する供給手段21が設置さ
れており、上記各真空トレイF2,F3の上方には、ケ
ーキ洗浄液を供給する供給手段22,23がそれぞれ設
置されている。そして、上記各供給手段22,23に
は、自動弁SV17,SV18を介して、加熱器24が
連結されており、この加熱器24においては、温度計測
器25の出力に応じて制御弁CV5の開度を操作するこ
とにより、加熱器24内を通過するケーキ洗浄液の温度
が、母液の結晶化が行われる温度より5〜10℃程度高
くなるように制御されている。さらに、上記濾布1の間
欠移動にともない、移動用シリンダによって上記各真空
トレイF1〜F4が濾布1の移動方向に沿って移動する
一方、濾布1の緊張を緩めて濾布1を停止させた際に
は、上記移動用シリンダによって上記各真空トレイF1
〜F4が元の位置に戻されるように構成されている。な
お、上記各真空トレイF1〜F4の往復移動の代わり
に、上記スラリーSを供給する供給手段21及びケーキ
洗浄液を供給する供給手段22,23を濾布1の移動方
向に沿って往復移動自在に設け、かつ濾布1の停止時に
上記各供給手段21,22,23を往復移動させるよう
に構成してもよい。
ルターを用いて、結晶を精製する場合について説明する
と、まず、通常運転時には、従来同様、供給手段21に
よって濾布1上にスラリーSを供給すると共に、各供給
手段22,23によって濾布1上に形成されたケーキ層
にケーキ洗浄液を供給する。そして、各真空トレイF1
〜F4を真空ポンプ15によって真空吸引することによ
り、真空トレイF1上の濾布1にケーキ層を形成し、か
つ各真空トレイF2,F3上の濾布1に形成されている
ケーキ層を洗浄すると共に、真空トレイF4上の濾布1
に形成されているケーキ層の脱液を行う。この場合、各
真空トレイF1〜F4において回収された濾液は、それ
ぞれ、自動弁SV1〜SV6を通って各気液分離槽4〜
6に導かれ気液分離された後、各液位計測器10〜12
による各気液分離槽4〜6内の連続的な液位計測に応じ
て各自動弁SV10〜SV12の開閉を制御することに
より、濾液ポンプ7〜9によって各気液分離槽10〜1
2から任意の工程に連続的に送出される。一方、上記各
気液分離槽4〜6から排出されたガスにおいては、多少
の溶液が混入しているため、冷却器13を通すことによ
り、熱凝集化して除去し気液分離槽5内に戻す。この結
果、真空ポンプ15が吸引するガスは乾燥状態となり、
排ガス戻り系を通って密閉室R内に戻される。この場
合、上記戻しガスの温度を母液の結晶析出温度以上に保
持する必要があるため、密閉室R内の温度を温度計測器
17によって常に検出し、かつこの温度計測器17の出
力に応じて制御弁CV2の開度を操作することにより、
加熱器16によって上記戻しガスの温度を母液の結晶化
が行われる温度より5〜20℃高くなるように制御す
る。これにより、密封室R内が所定の温度に保持された
恒温状態になる。さらに、上記ケーキ洗浄液について
も、その温度を温度計測器25によって常に検出し、か
つこの温度計測器25の出力に応じて制御弁CV5の開
度を操作することにより、加熱器24によって上記ケー
キ洗浄液の温度を母液の結晶化が行われる温度より5〜
10℃高くなるように制御する。このようにすることに
より、図2に示すように、母液及び濾液の温度を結晶化
温度以上に保持することができ、結晶の析出を阻止して
長時間安定した運転を行うことができる。
止する手段を講じながら運転を続けていった場合であっ
ても、濾布1の背面部の真空トレイF1〜F4及びそれ
に接続されている濾液回収系にどうしても結晶が滞積付
着してくる。この場合には、水平型ベルトフィルターの
運転を停止することなく洗浄を行う。すなわち、まず、
真空トレイF1及びそれに接続されている濾液回収系の
洗浄を行う場合には、スラリー供給バルブSV19を閉
めSV20を開けて真空トレイF2,F3,F4を、そ
れぞれ、ケーキ形成用、ケーキ洗浄用、脱液用として操
作する。すなわち、自動弁SV17を閉じて真空トレイ
F2上への洗浄液の供給を停止すると共に、自動弁SV
2を閉じ、かつ自動弁SV14を開いて、トレイ洗浄液
を真空トレイF1に導く。この際、上記トレイ洗浄液
は、短時間で結晶を除去するために、上記加熱器19及
び温度計測器20、制御弁CV4によって母液の温度よ
り5〜10℃程度高く保持しておく。このようにして真
空トレイF1に導かれたトレイ洗浄液は、濾布1に接触
する液位まで張り込んだ後(真空トレイ及び配管容量は
定量なため、タイマー制御等により行う)、自動弁SV
14を閉じる。そして、この状態において、所定時間濾
過運転を継続することにより、真空トレイF1及びそれ
に接続されている濾液回収系に封じ込まれたトレイ洗浄
液は、各真空トレイF1〜F4の往復移動にともない、
機械的に揺すられるため、効果的に洗浄が行われる。次
いで、所定時間経過後、自動弁SV2を開いて上記トレ
イ洗浄液を濾液として回収する。また、上記真空トレイ
F2,F3,F4とそれらに接続されている濾液回収系
についても、同様の操作を行うことにより洗浄を行う。
ここで、真空トレイF2の洗浄を行う場合には、自動弁
SV17を閉じて、真空トレイF1,F3,F4を、そ
れぞれ、ケーキ形成用、ケーキ洗浄用、脱液用として操
作すると共に、真空トレイF3の洗浄を行う場合には、
自動弁SV18を閉じて、真空トレイF1,F2,F4
を、それぞれ、ケーキ形成用、ケーキ洗浄用、脱液用と
して操作し、また、真空トレイF4の洗浄を行う場合に
は、自動弁SV18を閉じて、真空トレイF1,F2,
F3を、それぞれ、ケーキ形成用、ケーキ洗浄用、脱液
用として操作する。
は、濾材の背面部に洗浄液を供給して所定時間濾材の背
面部(濾材及び濾材支持材)を洗浄液中に浸漬して、こ
の濾材の背面部に滞積付着している結晶を洗浄液中に溶
解させた後、洗浄液を回収することにより、濾材や濾材
支持材に付着している結晶を円滑に除去回収することが
できて、目詰まりや濾液流れ空間の閉塞を確実に防止す
ることができる。また、一部の真空トレイの背面部の洗
浄を行っている間に、他の真空トレイでは結晶成分を含
む液によるケーキ形成、ケーキ洗浄、脱液を行うように
し、このような操作を各真空トレイごとに繰り返して行
うことにより、濾過機の運転を停止することなく洗浄を
行うことができて効率的である。また、本発明の請求項
2は、洗浄液の温度を、結晶成分の再結晶化が行われる
温度以上に保持するものであるから、この温度調整され
た洗浄液によって、濾材の背面部に滞積付着している結
晶の洗浄液中への溶解を促進することができて、結晶の
除去回収を迅速に行うことができる。
図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 濾材の背面部に設置された真空トレイに
より結晶成分を含む液を上記濾材を介して結晶成分と母
液とに分離する濾過機における洗浄方法において、一部
の真空トレイにおいては上記濾材の背面部に洗浄液を供
給して充満させ、この濾材の背面部に滞積付着している
結晶を溶解させて回収するとともに、他の真空トレイは
ケーキ形成用、ケーキ洗浄用、脱液用として操作し、各
真空トレイごとに同様の操作を行うことにより洗浄を行
うことを特徴とする濾過機における洗浄方法。 - 【請求項2】 洗浄液の温度を、結晶成分の再結晶化が
行われる温度以上に保持することを特徴とする請求項1
記載の濾過機における洗浄方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP19654393A JP3497206B2 (ja) | 1993-08-06 | 1993-08-06 | 濾過機における洗浄方法 |
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Publications (2)
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JPH0747209A JPH0747209A (ja) | 1995-02-21 |
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ID=16359494
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP19654393A Expired - Lifetime JP3497206B2 (ja) | 1993-08-06 | 1993-08-06 | 濾過機における洗浄方法 |
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JP6619288B2 (ja) | 2016-04-18 | 2019-12-11 | 株式会社神戸製鋼所 | 溶接および施工条件設定システム、溶接ロボットシステム、溶接および施工条件設定方法ならびに溶接および施工条件設定プログラム |
CN116165094B (zh) * | 2023-04-25 | 2023-07-04 | 江苏维科特仪器仪表有限公司 | 一种具有自洁结构的水分检测仪 |
-
1993
- 1993-08-06 JP JP19654393A patent/JP3497206B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
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