JP3497063B2 - アキュムレータ用スプリング組立体及びそれを用いたアキュムレータ - Google Patents

アキュムレータ用スプリング組立体及びそれを用いたアキュムレータ

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JP3497063B2
JP3497063B2 JP19059697A JP19059697A JP3497063B2 JP 3497063 B2 JP3497063 B2 JP 3497063B2 JP 19059697 A JP19059697 A JP 19059697A JP 19059697 A JP19059697 A JP 19059697A JP 3497063 B2 JP3497063 B2 JP 3497063B2
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彰 深津
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恵章 廣田
慎吾 前塚
景範 福村
康夫 北條
英樹 宮田
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秀夫 友松
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Togo Seisakusho Corp
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Aisin AW Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、自動変速機の油
圧制御装置等の油圧制御要素としてのアキュムレータに
関し、特に、それに使用されるスプリングのアキュムレ
ータへの組み込みに関する。
【0002】
【従来の技術】 油圧制御要素としてのアキュムレータ
には、そのピストンに所定の負荷を与える手段として圧
縮コイルスプリングが組み込まれる。圧縮コイルスプリ
ングは、その反発力に抗して関連部品を組み付けなけれ
ばならないため、他の部品の組み込みを難しくする要素
であり、アキュムレータにおいては、この反発力に抗し
てピストンを組み込むことになる。こうしたことから、
アキュムレータ作動時のストロークに支障のない範囲
で、スプリングを自由長より若干短縮する予圧縮を与え
てピストンの組み込みを容易にする技術が、実開平6−
63941号公報に開示されている。この技術では、コ
イルスプリングの両端に当接させたシートから延びる剛
性の拘束部材を、それらの先端部で相互に係合させてス
プリングの伸長方向への戻りを防いでスプリング長を規
制している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 ところで、上記技術
のように、スプリング長の規制に剛体を規制部材として
用いた場合、スプリングの両端を押さえるシートから延
びる規制部材の先端がスプリングの圧縮時に、互いに相
手方のシートに当接する方向に移動するため、原理的に
いって、スプリング長の半分以下には圧縮できない。し
たがって、このような技術を自由長に比して大きな圧縮
量で作動させるスプリングに適用することは不可能であ
る。
【0004】 そこで本発明は、大きな圧縮量で使用し
ても規制手段がシートと干渉しないように可撓性とし、
そのようにすると、スプリングの圧縮時の規制手段の撓
み変形で、コイルスプリングの捲線の間に噛みこまれ、
スプリングの作動を妨げる可能性があるのを、可撓性の
規制手段がコイルスプリングの捲線の間に噛みこまれな
いようにした、特にアキュムレータに組み込むのに適し
たスプリング組立体を提供することを第1の目的とす
る。
【0005】 更に、本発明は、可撓性の規制手段がコ
イルスプリングの捲線の間にたとえ噛みこまれた場合で
も、コイルスプリングの荷重特性に影響しないようにす
ることを第の目的とする。
【0006】 更に、本発明は、規制手段が撓み変形し
てもコイルスプリングの捲線の間に噛みこまれにくい特
性を利用して、圧縮量に応じてばね定数が変化する多重
ばねを予圧縮状態に設定することを第の目的とする。
【0007】 ところで、上記のように規制手段を可撓
性とすると、図7にその形態を想定して示すように、軸
長の長いスプリング組立体Sでは、座屈方向に湾曲する
現象が生じる。こうした状態となったスプリング組立体
Sを例えば図8に示すようなシリンダ穴B内に落とし込
んだ場合、ピストンPの嵌め込みで手前側を心出しする
ことで奥側が心ずれし、スプリング組立体Sの先端側シ
ートIが所期の位置に着座せずに、傾いた状態で組み込
まれて、作動に支障を生じる可能性がある。
【0008】 そこで本発明は、予圧縮を与えることで
当初湾曲状態にあっても、組み付け時に圧縮されること
で、シリンダ穴の底部側のシートが開口側のシートと自
ずと並行になるようにして、コイルスプリングの組み込
み後の湾曲状態を解消可能とすることを第の目的とす
る。
【0009】 更に本発明は、規制手段を両シートに対
して心だしし、組み込み前にずれを生じることがないよ
うにして、コイルスプリングの組み込み時の湾曲状態の
解消が一層確実に行われるようにすることを第の目的
とする。
【0010】 ところで、アキュムレータでは、ピスト
ンストロークを大きく採って容量を稼ぐため、圧縮量を
自由長の2倍以上とする設定でコイルスプリングが用い
られることがあるが、こうした使用形態では、コイルス
プリングの圧縮量が大きいのに見合って自由長も長くな
る。したがって、こうした長いスプリングにピストンを
嵌め込みながら、なおかつシリンダ内にピストンを押し
込む作業はかなりの熟練を要するものである。また、上
記のように組み込み時の湾曲状態が解消されるとして
も、相互のシートの心がずれていると、コイルスプリン
グが圧縮作動したときに湾曲が増大し、ピストンと干渉
して、その作動を妨げることが懸念される。
【0011】 そこで本発明は、自由長の長いスプリン
グを使用するアキュムレータの組立てを容易にするとと
もに、スプリングの両端を押さえるシートが並行になる
ときに、併せてシート同士の心合わせも行われるように
することを第の目的とする。
【0012】 また、自動変速機のケース内に配設され
るアキュムレータでは、コイルスプリングを組み込む場
合、従来の方法では、図8に示すように、自動変速機ケ
ースCのシリンダB穴内にまずコイルスプリングSを落
とし込み、シリンダ穴BとコイルスプリングSの後部と
に内外周部を案内させてピストンPを嵌め込み、その後
にバルブボディを被せることになるが、その際、ピスト
ンPがケースC壁面から大幅に浮き上がっていて、荷重
に抗して大型部品であるバルブボディの位置を合わせな
がらピストンPを押し込む作業は非常な困難を伴うもの
である。ましてアキュムレータが複数並設されていると
きはなおさらであり、無理な押し込みでピストンの外周
に嵌合されているOリングを損傷させるおそれもある。
【0013】 そこで、本発明は、上記のような自動変
速機ケースへのバルブボディの組み込みを容易にするこ
とを第の目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】 上記第1の目的を達成
するため、本発明のアキュムレータ用スプリング組立体
は、コイルスプリングと、該コイルスプリングのそれぞ
れの端部に当接する第1及び第2のシートと、該第1及
び第2のシート間の間隔を規制してコイルスプリングに
予圧縮をかける規制手段とからなり、該規制手段は、可
撓性部材で構成され、該可撓性部材は、互いに交差させ
て組み合わされた一対のワイヤの両端部をそれぞれ第1
及び第2のシートに係止して端部間に形成されるループ
部を有する構成とされる。
【0015】 更に、第の目的を達成するため、前記
一対のワイヤは、それらの線径をコイルスプリングの最
大圧縮時のコイルスプリングの線間隙間より小径とされ
る。
【0016】 更に、第の目的を達成するため、前記
コイルスプリングをアウタスプリングとし、その径方向
内側に、該アウタスプリングより小径のインナコイルス
プリングが非圧縮状態に配設された構成とされる。
【0017】 次に、第の目的を達成するため、前記
第1のシートは、スプリング組立体が組み込まれるアキ
ュムレータのシリンダ穴の内周と連携し、シリンダ穴の
軸心に対するスプリングの心振れを規制する心振れ規制
手段を有する構成とされる。
【0018】 次に、第の目的を達成するため、前記
ワイヤの一端部は、該端部に固定したブッシュと、該ブ
ッシュを係止するプレートを介して第2のシートに係止
され、該第2のシートは、プレートを心だし嵌合する凹
部を有し、前記プレートは、ブッシュを心だしするずれ
止め手段を有する構成とされる。
【0019】 更に、第の目的を達成するため、前記
アキュムレータ用スプリング組立体を組み込むアキュム
レータにおいて、アキュムレータのシリンダ穴は、その
底部に凹部を有し、アキュムレータ用スプリング組立体
の第1のシートは、凹部に符合する凸部に心出し曲面を
有し、コイルスプリングは、その圧縮により心出し曲面
が凹部の縁に案内されて第1のシートの凸部がシリンダ
穴の凹部に嵌合して心出しされることを特徴とする。
【0020】 次に、第の目的を達成するため、前記
シリンダ穴は、自動変速機のケースに設けられ、その開
口側をケースとは別体のバルブボディにより閉じられる
構成とされる。
【0021】
【発明の作用及び効果】 上記の構成を採る請求項1記
載のアキュムレータ用スプリング組立体では、予圧縮の
ための規制手段が可撓性部材で構成されているので、コ
イルスプリングの圧縮変形につれて第1及び第2のシー
トの間で撓み、それらの接近を妨害することがないの
で、スプリングの圧縮量を大きく採ることができる。
た、規制手段を構成するループ状のワイヤがループ部を
若干広げながら相互に重なりあい、完全に重なった後も
更にループ部が押し広げられることで両シートの接近を
許容する変形をするので、コイルスプリングの圧縮量を
スプリング長の半分以上に大きくすることができる。し
かも、ループ状のワイヤは、不規則な形態に変形するこ
とがないので、コイルスプリングの捲線間に挟みこまれ
ることもなく、スプリングの圧縮変形を阻害することが
ない。
【0022】 更に、請求項に記載の構成では、ワイ
ヤの線径がコイルスプリングの線間隙間より小径とされ
ているので、通常作動時及びワイヤの破損時に、万一コ
イルスプリングの線間隙間にワイヤが噛みこまれた場合
でも、コイルスプリングの圧縮は支障なく行われるの
で、常にコイルスプリングの所期の荷重特性を維持する
ことができる。
【0023】 更に、請求項に記載の構成では、上記
のような規則性を持った規制手段の変形により挟み込み
が回避されるので、コイルスプリングと可撓性部材との
間の間隙を広く採る必要がなく、それによりアウタスプ
リングの内側にインナコイルスプリングを配設しても両
スプリングを支障無く作動させることができる。
【0024】 更に、請求項に記載の構成では、規制
手段としてのワイヤ自体も両シートに対して組み込み前
に心ずれすることがなくなるので、コイルスプリングの
組み込み時の湾曲状態の解消が一層確実に行われるよう
になる。
【0025】 更に、請求項に記載の構成では、第1
のシートに心振れの規制手段が設けられているので、予
圧縮によりコイルスプリングが湾曲していても、第1の
シートをシリンダ穴の底部側に向けてスプリング組立体
を落とし込むことで、第1のシートがシリンダ穴の内周
に案内されて所定の振れの範囲に納めるので、その後の
圧縮力によりシリンダ穴の底部に押しつけられることで
自ずと第2のシートと平行になり、コイルスプリングの
湾曲を解消することができる。
【0026】 次に、請求項に記載の構成では、アキ
ュムレータのシリンダ穴の底部に凹部が設けられ、アキ
ュムレータ用スプリング組立体の第1のシートには、凹
部に符合する凸部に心出し曲面が形成されているので、
コイルスプリングは、その組み込み時の圧縮により心出
し曲面が凹部の縁に案内されて第1のシートの凸部がシ
リンダ穴の凹部に嵌合して心出しされることで容易に所
定の位置に設定される。したがって、この構成によれ
ば、自由長の長いスプリングを使用するアキュムレータ
の組立てを容易にすることができる。
【0027】 更に、請求項に記載の構成では、前記
スプリング組立体の組み込みにより自動変速機ケースへ
のバルブボディの組み込みを無理なく容易にすることが
できる。それにより、無理な押し込みでピストンの外周
に嵌合されているOリングを損傷させるおそれもなくな
る。
【0028】
【発明の実施の形態】 以下、図面に沿い、本発明の実
施形態について説明する。図1は実施形態に係るスプリ
ング組立体を示すもので、これは、円筒形の圧縮コイル
スプリング1と、コイルスプリング1のそれぞれの端部
に当接する第1及び第2のシート2,3と、第1及び第
2のシート2,3間の間隔を規制してコイルスプリング
1に予圧縮をかける規制手段4とから構成されている。
そして、規制手段4は、可撓性部材で構成されている。
この形態では、可撓性部材は、それぞれ両端部41a,
41b,42a,42bをブッシュ43,44に埋め込
み固定された一対のループ状のワイヤ41,42で構成
されており、これらのワイヤ41,42は、線径をコイ
ルスプリング1の最大圧縮時の線間隙間より小径とされ
ている。
【0029】 そして、ワイヤ41を固定したブッシュ
43は、シート2の心孔2aに嵌め込まれ、ワイヤ42
を固定したブッシュ44は、プレート45を介してシー
ト3の大きめの心孔3aに嵌め込まれて、ワイヤ41,
42をシート2,3に係止している。図2はワイヤ42
のシート3への係止状態を示すもので、ワイヤ42を埋
め込まれたブッシュ44は、その軸部をその軸径に対応
する溝奥形状(図に破線で示す)を有するプレート45
に設けられた溝45aに嵌められて、半周を溝45aに
当接され、鍔部44bの外周をプレート45に突設され
たずれ止め手段としての一対の突起45bに当接され
て、溝奥と両突起45bによる周方向の3点支持でプレ
ート45に対して心だしされている。そして、このよう
にブッシュ44を心だししたプレート45は、正方形と
された該プレートの4角の面取り部をシート3の凹部3
0円筒面に嵌合させてシート3に対して心だし係止され
ている。かくして、ワイヤ42の端部は、ブッシュ44
とプレート45を介してシート3に対して心だし係止さ
れている。
【0030】 1に戻って、ワイヤ41,42は、端
部41a,41b,42a,42b間に形成されるルー
プ部41c,42cを互いに交差させて組み合わされて
いる。このように組み合わせて設定された一対のワイヤ
41,42は、それらのループ部41c,42cが交差
部40で引っ張られて、図に示すような最も偏平な平行
線となる位置で、シート2,3間の間隔を規制し、それ
によりコイルスプリング1を所期の予圧縮状態の長さと
する設定とされている。また、この形態では、コイルス
プリング1の径方向内側には、コイルスプリング1をア
ウタスプリングとして、より小径で自由長がアウタスプ
リングの予圧縮長のほぼ半分のばね定数の大きなインナ
コイルスプリング1Aが非圧縮状態に配設されている。
【0031】 上記構成からなるスプリング組立体は、
コイルの巻径に比してスプリング長が長い場合に、実際
にはコイルスプリング1への予圧縮の負荷で、図3に示
すように、座屈方向に弧状に湾曲する(なお、図3にお
いてインナコイルスプリングの図示は省略されてい
る)。そこで、本発明に従い、シート2は、アキュムレ
ータのシリンダ穴の内周と連携し、シリンダ穴の軸心に
対するスプリング1の心振れを規制する心振れ規制手段
20を有する。本形態における心振れ規制手段20は、
図1及び図3に示すシート2とシート3との比較で明ら
かなように、シート2の拡径により形成されるフランジ
部で構成されている。
【0032】 このように構成されたスプリング組立体
は、図4に示すように、アキュムレータのシリンダ穴5
0に組み込まれることになる(なお、図4においてもイ
ンナコイルスプリングの図示は省略されている)。この
形態におけるシリンダ穴50は、それに摺動自在に嵌合
され、背圧制御のために段付ピストン6とされるピスト
ン径に合わせて開口側を大径とし、底部側を小径とする
段付穴とされている。したがって、上記シート2のフラ
ンジ部20は、具体的には、シート2のフランジ径がシ
リンダ穴50の小径部51の内径より若干小さい外径と
されている。この内外径差は、図3に示すように弧状に
湾曲したスプリング組立体が円滑にシリンダ穴50の底
部53まで落ち込むことが可能で、かつシリンダ穴50
の軸心に対してできるだけシート2の心振れを少なくす
るものとされる。
【0033】 シリンダ穴50は、その底部53に凹部
54を有し、スプリング組立体のシート2は、凹部54
に符合する凸部21に、その底面と周面との間をつなぐ
心出し曲面21aを有し、コイルスプリング1は、その
圧縮により心出し曲面21aが凹部54の縁54aに案
内されてシート2の凸部21がシリンダ穴50の凹部5
4に嵌合して心出しされる。この心出し曲面21aは、
皿状のシート2のプレス成形時に截頭円錐形の凸部21
の底面と周面との間に生じるコーナアールで構成され
る。
【0034】 次に、このように構成されたスプリング
組立体の変速機ケースへの組込みについて説明する。ま
ず、図3に示すように、当初、スプリング組立体は、湾
曲した状態にある。この状態のスプリング組立体を変速
機ケース5のシリンダ穴50内に落とし込み、図に示す
ようなH字状断面のピストン6をシリンダ穴50内に挿
入すると、スプリング組立体のシリンダ穴50の開口側
の部分がピストン6の内周に嵌まって心出しされるた
め、底部53側の部分はスプリング1の反りでシリンダ
穴50の一方に偏った位置に置かれる。この状態で、従
来例を示す図9との比較から明らかなように、ピストン
6の飛び出し量は、極端に小さくなる。この形態では、
段付のシリンダ穴50の大小径部にそれぞれ段付ピスト
ン6の大小径部が、辛うじて嵌まり込んで、ピストン6
の心出しがなされるようにスプリング1の予圧縮量を設
定しているため、ピストン6の大小径部の外周に嵌合し
た両Oリング61,62はシリンダ穴50の小径部51
及び大径部52に嵌まる寸前の状態となる。
【0035】 この状態で、図5に示すように、上方か
ら開口側にケース5とは別体のバルブボディ7を被せる
と、その重量でピストン6は若干沈み込み、更に上から
バルブボディ7を押圧することで、傾斜していたシート
2は心出し曲面21aを凹部54と底部53とで形成さ
れる段差の角部で案内されて正規の位置に滑り込み、シ
ート2のシート3との平行化と心出しが同時になされ
て、図5に示す組み込み状態が得られる。
【0036】 こうして組み立てられたアキュムレータ
は、シリンダ穴50内への油圧供給によるスプリングの
最大圧縮時には、図6に示すように、当初のスプリング
長の半分以下まで圧縮することができる。このとき、ワ
イヤ4のループ状部41c,42cは、楕円状に広がる
分だけストローク方向に余裕を与えることができる。し
かもこの変形は、インナコイルスプリング1Aの巻方向
に対して直角方向となるため、たとえ撓みによりインナ
コイルスプリング1Aに摺接する状態まで広がっても捲
線間に挟み込まれることはない。
【0037】 以上詳述したように、このスプリング組
立体では、予圧縮のための規制手段がループ状のワイヤ
41,42で構成され、それらがループ部41c,42
cを若干広げながら相互に重なりあい、完全に重なった
後も更にループ部41c,42cが押し広げられること
で両シート2,3の接近を許容する変形をするので、コ
イルスプリング1の圧縮量をスプリング長の半分以上に
大きくすることができる。しかも、ループ状のワイヤ4
1,42は、不規則な形態に変形することがないので、
コイルスプリング1Aの捲線間に挟みこまれることもな
く、万が一噛み込まれたとしても、その線径の細さで、
スプリングの圧縮変形を阻害することがない。
【0038】 更に、上記のような規則性を持ったワイ
ヤ41,42の変形により挟み込みが回避されるので、
コイルスプリング1とワイヤ41,42との間の間隙を
広く採る必要がなく、それによりアウタスプリング1の
内側にインナコイルスプリング1A配設しても両スプリ
ングを支障無く作動させることができる。
【0039】 更に、シート2に心振れの規制手段20
とアキュムレータのシリンダ穴50の底部53の凹部5
4に符合する凸部21に心出し曲面21aが形成されて
いるので、予圧縮によりコイルスプリング1が湾曲して
いても、シート2をシリンダ穴50の底部側に向けてス
プリング組立体を落とし込むことで、シート2がシリン
ダ穴50の小径部51内周に案内されて所定の振れの範
囲に納まり、その後の圧縮力によりシリンダ穴50の底
部53に押しつけられることで自ずとシート3と平行に
なり、コイルスプリング1の湾曲を解消し、しかも心出
し曲面21aが凹部54の縁に案内されてシートの凸部
21がシリンダ穴50の凹部54に嵌合して心出しされ
ることで容易に所定の位置に設定される。したがって、
この構成により、自由長の長いスプリングを使用するア
キュムレータを備える自動変速機ケース5へのバルブボ
ディ7の組み込みを無理なく容易にすることができる。
それにより、無理な押し込みでピストン6の外周に嵌合
されているOリング61,62を損傷させるおそれもな
くなる。
【0040】以上、本発明を一実施形態に基づき詳説し
たが、本発明は上記実施形態の開示内容のみに限定され
ることなく、特許請求の範囲に記載の事項の範囲内で種
々に細部の具体的構成を変更して実施可能なものである
ことはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係るアキュムレータ用
スプリング組立体の断面図である。
【図2】 上記スプリング組立体の一方の端部を示す平
面図である。
【図3】 上記スプリング組立体の実際の形態を示す断
面図である。
【図4】 上記スプリング組立体のシリンダ穴への組み
込みを示す断面図である。
【図5】 上記スプリング組立体を組み込んだアキュム
レータの断面図である。
【図6】 上記アキュムレータのピストン最大ストロー
ク状態を示す断面図である。
【図7】 上記スプリング組立体に心振れ規制手段を設
けない場合の予圧縮状態の形態を示す断面図である。
【図8】 上記スプリング組立体に心振れ規制手段を設
けない場合のシリンダ穴への組み込みを示す断面図であ
る。
【図9】 従来のアキュムレータにおけるスプリングの
シリンダ穴への組み込みを示す断面図である。
【符号の説明】 1 コイルスプリング 1A インナコイルスプリング 2,3 シート 4 ワイヤ(規制手段) 5 ケース 7 バルブボディ 20 シリンダ部(心振れ規制手段) 21 凸部 21a 心出し曲面 30 凹部 41c,42c ループ部 44 ブッシュ 45 プレート 45b 突起(ずれ止め手段) 50 シリンダ穴 53 底部 54 凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 和典 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 杉浦 史一 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 尾崎 和久 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 深津 彰 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 前 利之 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 廣田 恵章 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 前塚 慎吾 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 福村 景範 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 北條 康夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 宮田 英樹 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 佐用 正一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 友松 秀夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 岡本 智則 愛知県愛知郡東郷町大字春木字蛭池1番 地 株式会社東郷製作所内 (56)参考文献 特開 平2−62437(JP,A) 特開 平7−127785(JP,A) 実開 平3−49436(JP,U) 実開 平6−56531(JP,U) 実開 平6−63941(JP,U) 実開 平2−126082(JP,U) 実開 昭57−113742(JP,U) 実開 平5−14697(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 3/04 F16F 15/067

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コイルスプリングと、該コイルスプリン
    グのそれぞれの端部に当接する第1及び第2のシート
    と、 該第1及び第2のシート間の間隔を規制してコイルスプ
    リングに予圧縮をかける規制手段とからなり、 該規制手段は、可撓性部材で構成され、該可撓性部材
    は、互いに交差させて組み合わされた一対のワイヤの両
    端部をそれぞれ第1及び第2のシートに係止して端部間
    に形成されるループ部を有することを特徴とする、アキ
    ュムレータ用スプリング組立体。
  2. 【請求項2】 前記一対のワイヤは、それらの線径をコ
    イルスプリングの最大圧縮時のコイルスプリングの線間
    隙間より小径とされた、請求項記載のアキュムレータ
    用スプリング組立体。
  3. 【請求項3】 前記コイルスプリングをアウタスプリン
    グとし、その径方向内側に、該アウタスプリングより小
    径のインナコイルスプリングが非圧縮状態に配設され
    た、請求項1又は2記載のアキュムレータ用スプリング
    組立体。
  4. 【請求項4】 前記第1のシートは、スプリング組立体
    が組み込まれるアキュムレータのシリンダ穴の内周と連
    携し、シリンダ穴の軸心に対するスプリングの心振れを
    規制する心振れ規制手段を有する、請求項1、2又は3
    記載のアキュムレータ用スプリング組立体。
  5. 【請求項5】 前記ワイヤの一端部は、該端部に固定し
    たブッシュと、該ブッシュを係止するプレートを介して
    第2のシートに係止され、該第2のシートは、プレート
    を心だし嵌合する凹部を有し、前記プレートは、ブッシ
    ュを心だしするずれ止め手段を有する、請求項1〜
    いずれか1項記載のアキュムレータ用スプリング組立
    体。
  6. 【請求項6】 前記請求項1〜のいずれか1項記載の
    アキュムレータ用スプリング組立体を組み込むアキュム
    レータにおいて、アキュムレータのシリンダ穴は、その
    底部に凹部を有し、アキュムレータ用スプリング組立体
    の第1のシートは、凹部に符合する凸部に心出し曲面を
    有し、コイルスプリングは、その圧縮により心出し曲面
    が凹部の縁に案内されて第1のシートの凸部がシリンダ
    穴の凹部に嵌合して心出しされることを特徴とする、ア
    キュムレータ。
  7. 【請求項7】 前記シリンダ穴は、自動変速機のケース
    に設けられ、その開口側をケースとは別体のバルブボデ
    ィにより閉じられる、請求項記載のアキュムレータ。
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