JPH0625677Y2 - 圧縮機の弾性支持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案は、冷蔵庫等に使用される圧縮機の弾性支持装置
に関する。

（従来の技術） 従来の冷蔵庫における圧縮機の弾性支持装置を第４図及
び第５図に示す。即ち、１は基台、２は基台１に上向き
に取付けられた支持棒である。３は下部ホルダで、その
外周部３ａは上方に向けて径小となるテーパ状をなして
おり、外周下端部にばね受け部３ｂを有している。そし
て、この下部ホルダ３は、内周部３ｃに支持棒２が所定
の間隔を存して挿通されるようにして、基台１に支持さ
れている。４は上部ホルダで、外周下端部４ａが下方に
向けて径小となるテーパ状をなし、外周中間部にばね受
け部４ｂが形成されており、ばね受け部４ｂの上部に嵌
合筒部４ｃ及びこれよりも径大な鍔部４ｄが形成されて
いる。そして、この上部ホルダ４の嵌合筒部４ｃは圧縮
機５における支持脚６の孔部６ａに嵌合され、その内周
部４ｅに小なる間隙を存して支持棒２が挿通されてい
る。７はコイルばねで、下端部が下部ホルダ３のばね受
け部３ｂに支持され、上端部が上部ホルダ４のばね受け
部４ｂに支持されている。

このような構成の弾性支持装置を組立てる場合には、第
５図に示すように、支持棒２に下部ホルダ３及びコイル
ばね７を装着し、これらの上方から支持脚６の孔部６ａ
に上部ホルダ４を装着した圧縮機５を徐徐に下降させて
上部ホルダ４の内周部４ｅに支持棒２を挿通させるよう
にしている。

（考案が解決しようとする課題） 上述の従来の弾性支持装置においては、次のような問題
点がある。第１に、下部ホルダ３の内周部３ｃと支持棒
２との間に所定の間隔があるので、その間隔分だけ上部
ホルダ４がずれて支持棒２とコイルばね７との中心が一
致せず、従って、コイルばね７が芯ずれを起こして垂直
及び水平方向の振動吸収効果が悪い。第２に、支持棒２
が上部ホルダ４に対して芯ずれを起こし、支持棒２の外
周面と上部ホルダ４の内周面との隙間に片寄りができる
ので、圧縮機５が前後左右に振動したときに内周部４ｅ
が支持棒２に接触し、この振動が支持棒２を介して基台
１に伝達されるようになり、水平方向の振動吸収効果が
悪い。第３に、上部ホルダ４を圧縮機５の支持脚６に装
着するには、支持脚６の孔部６ａにこれよりも径大な鍔
部４ｄを変形させながら挿通させなければならないの
で、組立性が悪い。

本考案は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目
的は、垂直及び水平方向の振動吸収効果を向上させるこ
とができ、しかも組立性の良い圧縮機の弾性支持装置を
提供するにある。

［考案の構成］ （課題を解決するための手段） 本考案の圧縮機の弾性支持装置は、外周部に突条部が形
成された保持筒部を有し、圧縮機の支持脚の孔部に該保
持筒部を圧入することにより該支持脚に取付けられた筒
状の上部ホルダと、この上部ホルダの外周部に所定間隔
を存して設けられたばね係止部およびばね受け部と、筒
状をなす下部ホルダと、この下部ホルダの外周部に所定
間隔を存して設けられたばね係止部およびばね受け部
と、上端部が前記上部ホルダのばね係止部およびばね受
け部間に装着され且つ下端部が前記下部ホルダのばね係
止部およびばね受け部間に装着されることにより、上部
ホルダに下部ホルダを連結するコイルばねと、基台に設
けられ、前記支持脚に取付けられた下部ホルダおよび上
部ホルダに挿通される支持棒と、前記下部ホルダの内周
部に設けられ、前記支持棒の外周部に接触することによ
り該支持棒を前記下部ホルダの内周中央部に保持する調
芯用突部と、前記支持棒の上端部に取付けられる抜止め
部材とを具備したところに特徴を有する。

（作用） 上記手段によれば、圧縮機の弾性支持装置の組立ては例
えば次のようにして行うことができる。まず、圧縮機の
支持脚の孔部に上部ホルダの保持筒部を圧入する。する
と、突条部により、上部ホルダが支持脚に取付けられ
る。この場合、径大な鍔部を支持脚の孔部に圧入してい
た従来に比べ、孔部への圧入抵抗が減少し、上部ホルダ
の取付作業性が向上する。

次に、コイルばねの上端部を上部ホルダのばね係止部お
よびばね受け部間に装着し、下端部を下部ホルダのばね
係止部およびばね受け部間に装着する。すると、上部ホ
ルダに下部ホルダが連結され、その結果、上部ホルダと
コイルばねと下部ホルダとを圧縮機に仮保持された形態
のアッセンブリとして取扱うことができるようになり、
取扱いが容易になる。

そして、最後に、下部ホルダおよび上部ホルダに支持棒
を挿通し、支持棒の上端部に抜止め部材を取付ける。こ
の場合、下部ホルダに調芯用突部が設けられているの
で、支持棒の外周部が調芯用突部に接触し、支持棒は、
下部ホルダと上部ホルダと圧縮コイルばねとの軸芯に配
置される。従って、支持棒の軸芯が圧縮コイルばねの軸
芯と一致しないことに起因する水平および垂直方向への
振動吸収効果の悪さが解消される。しかも、支持棒が上
部ホルダに片寄った状態で挿通されることに起因する水
平方向への振動吸収効果の悪さも解消される。

（実施例） 以下、本考案を冷蔵庫に適用した一実施例につき第１図
乃至第３図を参照して説明する。

１１は冷蔵庫本体の下部に取付けられた基台で、ここに
複数本（図では２本）の支持棒１２が上向きに取付けら
れている。１３は弾性材製の下部ホルダで、これは内周
部１３ａに支持棒１２が貫通するようにして基台１１に
支持されており、その内周部１３ａに突設された環状の
調芯用突部１４が支持棒１２に接触している。この下部
ホルダ１３は、外周部１３ｂの上端部は上方に向けて径
小となるテーパ状をなし、外周下端部に径大なばね受け
部１５が形成されており、このばね受け部１５の上部位
にはこれと間隔を存して複数個の突起状のばね係止部１
６が形成されている。１７は弾性材製の上部ホルダで、
その外周部１７ａにこれより径大なばね受け部１８が形
成され、外周部１７ａの下端部が下方に向けて径小とな
るテーパ状をなしており、ばね受け部１８の下部位には
これと間隔を存して複数個の突起状のばね係止部１９が
形成されている。更に、上部ホルダ１７にはばね受け部
１８の上部に位置して保持筒部２０が一体に形成されて
おり、その外周部には、第２図に示すように、複数個例
えば４本の突条部２０ａが形成されている。そして、こ
の上部ホルダ１７は、保持筒部２０がその突条部２０ａ
を介して圧縮機２１における支持脚２２の孔部２２ａに
圧入状態に挿入保持されることにより、支持脚２２に仮
保持され、その内周部１７ｂを支持棒１２がこれと所定
の間隔（従来より著しく大）を存するようにして貫通す
るようになっている。２３はコイルばねで、これの下端
部２３ａが下部ホルダ１３のばね受け部１５に当接して
いるとともに、複数個のばね係止部１６に係止され、上
端部２３ｂが上部ホルダ１７のばね受け部１８に当接し
ているとともに、複数個のばね係止部１９に係止されて
いる。２４は支持棒１２の上端部に取付けられた抜止め
部材たるワッシャである。

このような構成の弾性支持装置の組立てに際しては、第
３図に示すように、保持筒部２０の４本の突条部２０ａ
を支持脚２２の孔部２２ａに圧入状態に挿入保持するこ
とにより、上部ホルダ１７を圧縮機２１の支持脚２２に
仮保持し、コイルばね２３の上端部２３ｂをこの上部ホ
ルダ１７のばね受け部１８に当接させるとともに複数個
のばね係止部１９に係止させ、このコイルばね２３の下
端部２３ａを下部ホルダ１３のばね受け部１５に当接さ
せるとともに複数個のばね係止部１６に係止させること
により、上部ホルダ１７，コイルばね２３及び下部ホル
ダ１３を圧縮機２１の支持脚２２に装着する。そして、
この圧縮機２１を徐徐に下降させて下部ホルダ１３の内
周部１３ａを支持棒１２に相対的に挿通させ、調芯用突
部１４を支持棒１２に接触させて下部ホルダ１３のばね
受け部１５の下面部を基台１１上に載置させる。最後
に、支持棒１２の上端部に抜止め用のワッシャ２４を取
付ける。

斯様な構成の上記実施例によれば、次の効果を奏する。
即ち、下部ホルダ１３に調芯用突部１４を設けたので、
支持棒１２が、下部ホルダ１３と圧縮コイルばね２３と
上部ホルダ１７の軸芯に配置されるようになる。従っ
て、支持棒１２の軸芯がコイルばね２３の軸芯と一致し
ないことに起因する水平および垂直方向への振動吸収効
果の悪さが解消され、同方向への振動吸収効果が向上す
る。しかも、支持棒１２と上部ホルダ１７との隙間の片
寄りが解消され、その隙間が均一に広くなるので、水平
方向への振動時に、支持棒１２が上部ホルダ１７に接触
しなくなり、ひいては、水平方向の振動吸収効果がより
向上する。

また、保持筒部２０に突条部２０ａを設けたので、径大
な鍔部を支持脚２２の孔部２２ｂに圧入していた従来に
比べ、孔部２２ｂへの圧入抵抗が減少し、上部ホルダ１
７の取付作業性が向上する。

さらに、下部ホルダ１３にばね受け部１５およびばね係
止部１６を設け、上部ホルダ１７にばね受け部１８およ
びばね係止部１９を設けたので、下部ホルダ１３および
上部ホルダ１７をコイルばね２３により連結することが
できる。その結果、上部ホルダ１７とコイルばね２３と
下部ホルダ１３とを圧縮機２１に仮保持された形態のア
ッセンブリとして取扱うことができるようになり、取扱
いが容易になる上、組立て作業性も一層向上する。

尚、本考案は上記し且つ図面に示す実施例にのみ限定さ
れるものではなく、例えば冷蔵庫に限らず各種冷凍サイ
クルの圧縮機全般に適用し得る等、要旨を逸脱しない範
囲で適宜変形して実施し得ることは勿論である。

［考案の効果］ 以上の説明から明らかなように本考案の圧縮機の弾性支
持装置は、保持筒部に突条部を設けたので、保持筒部を
支持脚の孔部へ圧入する際の抵抗を従来より小さくで
き、上部ホルダの取付作業性を高めることができる。ま
た、下部ホルダに調芯用突部を設けたので、支持棒の軸
芯をコイルばねの軸芯と一致させることができ、その結
果、水平および垂直方向への振動吸収効果が向上する。
しかも、支持棒と上部ホルダとの隙間を均一に広くでき
るので、水平方向への振動吸収効果がより向上する。

さらに、下部ホルダおよび上部ホルダに夫々ばね受け部
およびばね係止部を設けたので、下部ホルダおよび上部
ホルダをコイルばねにより連結することができる。その
結果、上部ホルダとコイルばねと下部ホルダとを圧縮機
に仮保持された形態のアッセンブリとして取扱うことが
できるようになり、取扱いが容易になる上、組立て作業
性も一層向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案の一実施例を示すもので、第
１図は縦断面図、第２図は分解斜視図、第３図は組立て
の経過を示す図であり、第４図及び第５図は従来例の第
１図及び第３図相当図である。 図面中、１１は基台、１２は支持棒、１３は下部ホル
ダ、１３ａは内周部、１３ｂは外周部、１４は調芯用突
部、１５はばね受け部、１６はばね係止部、１７は上部
ホルダ、１７ａは外周部、１７ｂは内周部、１８はばね
受け部、１９はばね係止部、２０は保持筒部、２１は圧
縮機、２２は支持脚、２２ａは孔部、２３はコイルば
ね、２３ａは下端部、２３ｂは上端部、２４はワッシャ
（抜止め部材）を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】外周部に突条部が形成された保持筒部を有
   し、圧縮機の支持脚の孔部に該保持筒部を圧入すること
   により該支持脚に取付けられた筒状の上部ホルダと、 この上部ホルダの外周部に所定間隔を存して設けられた
   ばね係止部およびばね受け部と、 筒状をなす下部ホルダと、 この下部ホルダの外周部に所定間隔を存して設けられた
   ばね係止部およびばね受け部と、 上端部が前記上部ホルダのばね係止部およびばね受け部
   間に装着され且つ下端部が前記下部ホルダのばね係止部
   およびばね受け部間に装着されることにより、上部ホル
   ダに下部ホルダを連結するコイルばねと、 基台に設けられ、前記支持脚に取付けられた下部ホルダ
   および上部ホルダに挿通される支持棒と、 前記下部ホルダの内周部に設けられ、前記支持棒の外周
   部に接触することにより該支持棒を前記下部ホルダの内
   周中央部に保持する調芯用突部と、 前記支持棒の上端部に取付けられる抜止め部材とを具備
   してなる圧縮機の弾性支持装置。