JP3496394B2 - 流体式トルクコンバータ - Google Patents

流体式トルクコンバータ

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JP3496394B2
JP3496394B2 JP11381696A JP11381696A JP3496394B2 JP 3496394 B2 JP3496394 B2 JP 3496394B2 JP 11381696 A JP11381696 A JP 11381696A JP 11381696 A JP11381696 A JP 11381696A JP 3496394 B2 JP3496394 B2 JP 3496394B2
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H41/00Rotary fluid gearing of the hydrokinetic type
    • F16H41/24Details
    • F16H2041/246Details relating to one way clutch of the stator

Landscapes

  • Control Of Fluid Gearings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流体式トルクコンバー
タに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から一般的に使用されている流体式
トルクコンバータは、ポンプインペラと、タービンラン
ナと、これらの部材間の油流路に介在され、且つワンウ
ェイクラッチを介して固定部材に連結されたステータと
を有しており、ワンウェイクラッチの軸方向寸法の短縮
化、重量軽減のために該ワンウェイクラッチを構成する
部材の結合構造に工夫が行われている。
【0003】例えば、特開平3−204434号公報に
おいては、ワンウェイクラッチの部材であるアウタレー
スの外周面をその内周面に対して幅狭となるように構成
することで、ステータのボス部の軸方向寸法の短縮化及
び軽量化を図るようにしたものが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では、更なる小型化への対応は難しく、又構成部
品の部品点数も従来と同様に多いという問題がある。
【0005】本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされ
たものであり、ワンウェイクラッチの構造を簡素化し、
軸方向寸法を短縮化することでコンバータの小型化を達
成することのできる流体式トルクコンバータを提供する
ことを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポンプインペ
ラと、タービンランナと、これらの部材間の油流路に介
在され、且つワンウェイクラッチを介して固定部材に連
結されたステータと、を有する流体式トルクコンバータ
において、前記ワンウェイクラッチが、前記ステータに
連結されたアウタレースと、前記固定部材に連結された
インナレースと、前記アウタレースの前記インナレース
最外径よりも外周部分に、軸方向と平行な軸線を中心に
揺動可能に支持されたラチェットと、このラチェットよ
りも内周側に位置するように前記インナレースの半径方
向で前記ラチェットと対向する周面に設けられ、前記ラ
チェットと一方向にのみ相対回転不能に噛み合うラチェ
ットホイールと、前記ラチェットが確実にラチェットホ
イールと噛み合うように、前記ラチェットの揺動を規制
する規制手段と、前記ステータが空転する際に前記ラチ
ェットのラチェットホイールに向けた内周側への揺動を
抑え、かつ、前記アウタレースに設けられた抑制手段と
らなるラチェット型ワンウェイクラッチとしたことに
より、前記課題を解決したものである。
【0007】即ち、本発明によれば、前記アウタレース
が一方向へ回転する際、前記ラチェットが、自重や、回
転によって生ずる遠心力によって揺動しても、規制手段
の働きにより確実にラチェットホイールと噛み合い、ス
テータが固定される。又、アウタレースが他方向へ回転
する場合には、抑制手段と前記遠心力との作用によって
ラチェットとラチェットホイールの噛み合いが解放さ
れ、この方向のステータの空転が可能となり、その空転
時におけるラチェットとラチェットホイールとの打音の
発生が抑制される。このように、ワンウェイクラッチを
ラチェット型とすることにより部品点数を減少させ、構
造を簡素化することができる。その結果、トルクコンバ
ータを特に軸方向寸法において短縮し、小型化すること
ができる。また、大きな構造の変化を伴わずに、ステー
タが空転する際、ラチェットとラチェットホイールが当
り、異音が発生することを抑制すると共に、耐久性を向
上させることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】好ましい実施の形態は、前記イン
ナレースと前記固定部材との連結部位置が、前記ラチェ
ットの配設位置に対して軸方向にオフセットされること
である。これにより、ワンウェイクラッチの内周側に新
たな空間を得ることができる。その結果、例えばタービ
ンハブをよりワンウェイクラッチ側に近付ける等によ
り、軸方向寸法を更に短縮することが可能となる。
【0009】他の好ましい実施の形態は、前記ラチェッ
ト及びラチェットホイールと前記アウタレース及びステ
ータの連結部とが、軸方向に垂直な平面上に配置される
ことである。これにより、ワンウェイクラッチ全休を均
一に薄型化でき、軸方向寸法を更に短縮することができ
る。
【0010】
【0011】又、他の好ましい実施の形態は、ステータ
が空転する際にラチェットがラチェットホイールに対し
て当接することを抑える前記抑制手段と、ラチェットの
揺動を規制する規制手段とが一つの部材で兼用されるよ
うにすることである。これにより、部品点数を減少さ
せ、構成を簡素化することができる。
【0012】
【0013】以下、図面を参照して本発明の実施の形態
のより具体的な例を詳細に説明する。
【0014】図1は、本発明の第1実施形態におけるラ
チェット型ワンウェイクラッチを有する流体式トルクコ
ンバータの概略を表わす縦断面図である。
【0015】図1において、流体式トルクコンバータT
C1は、油の流れを生じさせるポンプインペラ12と、
この油の流れによって回転させられるタービンランナ1
4と、固定軸(固定部材)16と、ポンプインペラ12
及びタービンランナ14との間に配置され、油の流れか
ら回転力を受けるステータ18とを備える。
【0016】前記固定軸16は、図示しないトランスミ
ッションハウジングと一体化されて回転不能に固定され
ている。
【0017】前記ポンプインペラ12は、図示しないエ
ンジンと連結されたフロントカバーと一体化され、エン
ジンによって回転される。
【0018】前記タービンランナ14は、リベット20
によってタービンハブ22に固定されている。タービン
ハブ22はスプライン24を介して流体式トルクコンバ
ータTC1の出力軸26に連結されている。これにより
タービンランナ14の回転が出力軸26に伝達される。
【0019】前記ステータ18は内周側にステータハブ
18aを備えると共に、該ステータハブ18aの外周に
羽18bを備える。
【0020】ステータ18には、ワンウェイクラッチO
W1が付設されている。このワンウェイクラッチOW1
は、ステータ18の羽18bが油の流れから特定の一方
向の回転力を受けたときに、該ステータ18を固定軸1
6に連結して固定する。又、ワンウェイクラッチOW1
は、前記羽18bが他方向への回転力を受けたときに
は、該ステータ18を回転(空転)させる。
【0021】このワンウェイクラッチOW1は、アウタ
レース28(28a、28b)とインナレース30とを
備えている。アウタレース28は、ステータ18の内周
側のステータハブ18aと一体化されている。
【0022】アウタレース28を図のII方向から見た図
を図2に示す。アウタレース28はプレート上の2つの
部材(アウタレース部材)28a、28bからなってい
る。アウタレース部材28aには、その外周に歯車状の
突起28a1と溝部28a2が形成されている。又、ス
テータハブ18aを図のIII 方向から見た図を図3に示
す。このように、ステータハブ18aには内周側に突起
18a1と溝部18a2が形成されている。
【0023】これらの突起28a1、18a1及び溝部
18a2、28a2が、それぞれ噛み合うようにしてア
ウタレース28とステータハブ18aが連結される。
又、アウタレース部材28bの外れ防止のため、ステー
タハブ18aにスナップリング32が設けられている。
【0024】このように、ステータ18とアウタレース
28は一体化されており、ステータ18が回転するとき
は、アウタレース28も同時に回転する。この回転が円
滑に行われるようにタービンハブ22とアウタレース部
材28aの間、及びポンプインペラ12に連結したカバ
ー34とアウタレース部材28bの間に、それぞれベア
リング36a及び36bが設けられている。
【0025】インナレース30は固定軸16の外周側で
該固定軸16と、スプライン38を介して連結されてい
る。スプライン38は、従来図1においてpの範囲にあ
ったものをqの範囲へ軸方向にオフセットされて設けら
れている。このように、スプライン38によるインナレ
ース30と固定軸16との連結部位置を軸方向にオフセ
ットして設定したため、タービンハブ22をよりワンウ
ェイクラッチOW1側に近付けることができ、必要なス
プライン長さを確保したまま、トルクコンバータTC1
の軸方向寸法をより短縮することができる。
【0026】又、アウタレース28とインナレース30
の間には、ラチェット40が設けられている。インナレ
ース30の外周側端部には、該ラチェット40と係合す
るラチェットホイール30aが設けられている。
【0027】図1でπ1はラチェット40を含み軸方向
に垂直な平面を表わす。又、π2はステータハブ18a
とアウタレース部材28aの連結部を含み、軸方向に垂
直な平面を表わす。ラチェット40は、これらの平面π
1、π2がほぼ同一平面となるような位置に設置されて
いる。これにより、ワンウェイクラッチOW1全体を均
一に薄型化でき、トルクコンバータTC1の軸方向寸法
を短縮することができる。
【0028】図4に、タービンハブ22の側からラチェ
ット40を見た図を示す。但し、図4においては、ター
ビンハブ22側のアウタレース部材28aは省略されて
いる。ラチェット40はピン42によりアウタレース部
材28a及び28bに該ピン42の周りに揺動可能に取
り付けられている。
【0029】ラチェットホイール30aは、インナレー
ス30の端部を加工して前記ラチェット40と係合し得
るような形状としたものである。即ち、ラチェットホイ
ール30aはラチェット40の先端部40aと噛み合う
ような幾つかの段差部31を有している。段差部31
は、大径部31a、側面部31b、小径部31cからな
る。
【0030】側面部31bには、ラチェット40の先端
部40aの側面40bが当接し係合するようになってい
る。このとき、ラチェット40とラチェットホイール3
0aが確実に係合するように前記側面部31b及び側面
40bにはそれぞれテーパ角θが設けられている。
【0031】又、小径部31cはそのまま、なだらかに
大径部31aへ連なっており、小径部31c、大径部3
1a、側面部31bでラチェットホイール30aの外周
面を形成している。
【0032】又、図4においてラチェット40の上側と
下側にそれぞれ第1ばね(規制手段)44及び第2ばね
(抑制手段)46が設けられている。第1ばね44はラ
チェット40の外周側への揺動を規制するためのもので
ある。又、第2ばね46はアウタレース28(28b)
が空転(図のC方向へ回転)する際、ラチェット40が
ラチェットホイール30aの小径部31cに当接しない
ように該ラチェット40の内周側への揺動を抑制するた
めのものである。
【0033】なお、図4における、V−V線に沿った断
面図を図5に示す。但し、図5では図4においては省略
されていたアウタレース部材28aも描かれている。
【0034】以下、第1実施形態の作用を説明する。
【0035】まず、図4においてアウタレース部材28
b(アウタレース28)がD方向へ回転する場合につい
て説明する。
【0036】アウタレース部材28bが回転すると、遠
心力によりラチェット40の先端部40aはラチェット
ホイール30aから離れる方向(図では上方向)に移動
しようとする。しかし、第1ばね44の働きによりラチ
ェット先端部40aはラチェットホイール30a側に押
し戻される。ここで、側面部31b及び側面40bにテ
ーパ角θが設けられているため、ラチェット40は確実
にラチェットホイール30aに係合する。
【0037】インナレース30は固定軸16に連結して
固定されているため、ラチェット40がラチェットホイ
ール30aに係合すると、アウタレース28及びステー
タ18が固定される。
【0038】次に、アウタレース部材28bが図4のC
方向へ回転する場合について説明する。
【0039】アウタレース部材28bが図4のC方向へ
回転するときは、ラチェット40とラチェットホイール
30aは係合せず、アウタレース部材28bは空転す
る。従って、アウタレース28及びステータ18は空転
する。このとき、やはりラチェット先端部40aは遠心
力によりラチェットホイール30aから離れる側に移動
しようとし、第1ばね44によって押し戻される。そし
て、ラチェット先端部40aは、ラチェットホイール3
0aの大径部31aをこするようになる。回転に伴いラ
チェット先端部40aは、大径部31aによって上に持
ち上げられる。
【0040】段差部31を通過すると、第1ばね44の
力もあり、ラチェット先端部40aは今まで上に持ち上
げられていた反動で、このままだと勢い良く落下し、小
径部31cに当接し打音を発する。しかし、第2ばね4
6がラチェット40を下から支え、落下する動きを抑制
するためこの異音の発生を防止できる。
【0041】即ち、第2ばね46によってラチェット4
0が小径部31cに当接するのを抑制すると共に、その
一方で、第1ばね44によってラチェット40が確実に
段差部31に係合するようにしている。これを達成する
ために第1、第2ばね44、46の強さを適当に調整す
る必要がある。
【0042】そこで、図4に示すように、ラチェット4
0の先端部40aの回転軸中心からの距離をr1、小径
部31cの半径をr2、大径部31aの半径をr3とす
る。
【0043】このとき、ラチェット40に強制力が作用
していない場合に、上の距離及び半径r1、r2、r3
が以下の不等式(1)を満たすように第1ばね44及び
第2ばね46の強さと位置を調整する。
【0044】r3>r1>r2 …(1)
【0045】このように、第1実施形態によれば、ワン
ウェイクラッチOW1をラチェットタイプとしたため、
スプラグタイプの場合よりも部品点数が減り、簡素に構
成でき、トルクコンバータを小型化することができる。
【0046】更に、インナレース30と固定軸16との
連結部であるスプライン38の位置を、図1においてス
テータ18の真下であるpの範囲よりqの範囲まで軸方
向にオフセットしたことにより、ワンウェイクラッチO
W1内周側に空間ができるため、タービンハブ22をよ
りワンウェイクラッチOW1側に近付けることができ、
軸方向寸法が短縮される。
【0047】又、ラチェット40の取り付け位置と、ア
ウタレース28とステータ18の取り付け位置を、軸方
向に垂直なほぼ同一平面上に配置することによっても、
ワンウェイクラッチOW1全体を均一に薄型化し、軸方
向寸法を短縮することができる。
【0048】又、2枚のアウタレース部材28a、28
bを一体化してアウタレース28を構成し、一方の部材
28aとステータハブ18aが噛み合うような形状と
し、組み付け時に抜け防止のためスナップリング32を
設けるようにしたため、部品点数を減らし、ステータハ
ブ18aの加工工程を削減でき、トルクコンバータTC
1を小型化することができる。
【0049】又、ラチェット40を第2ばね46によっ
て支えることにより、ラチェット40がラチェットホイ
ール30aの小径部31cに当り打音を発生するのを抑
制することができる。更に、ラチェット40をアウタレ
ース28に取り付けることにより、大きな構造の変更を
伴わずにワンウェイクラッチOW1を簡易に構成するこ
とができる。
【0050】例えば、アウタレース28とラチェット4
0が図4のC方向に回転する場合、回転速度が十分に速
くなるとラチェット40に働く遠心力が大きくなり第1
ばね44に打ち勝つため、ラチェット40がラチェット
ホイール30aに当たる音を更に小さくすることができ
る。
【0051】以上のような様々な工夫を組み合わせるこ
とにより、一層の軸方向寸法の短縮、トルクコンバータ
の小型化を達成することができる。
【0052】なお、図2に示すアウタレース28(28
a、28b)の形状及び図3に示すステータハブ18a
の形状に注目した場合、従来のスプラグタイプのワンウ
ェイクラッチのスラストワッシャをアウタレースと一体
化して、このストラスワッシャとステータハブとの係合
部に上記形状を用いることによっても軸方向寸法の短縮
化を図ることができる。このときインナレースの軸方向
の断面形状を凸型にすることによって一層軸方向寸法を
短縮できる。
【0053】次に、本発明の第2実施形態について説明
する。
【0054】図6に、第2実施形態に係る流体式トルク
コンバータTC2の概略縦断面図を示す。
【0055】第2実施形態は、本質的な点は第1実施形
態と同様である。即ち、第1実施形態との違いはアウタ
レース部材128aとタービンハブ122との間のベア
リング136aの径をより小さく最適に設定(図6の
R)したものである。
【0056】一般に、コンバータ走行時において、ター
ビンランナ114及びステータ118は流体から図6に
おいて左向きに軸方向荷重を受ける。ポンプインペラ1
12に連結したカバー部材134は、この荷重をベアリ
ング136a、136bを介して支えている。
【0057】このとき、ベアリング136aはタービン
ランナ114からの荷重のみを受け、ベアリング136
bはタービンランナ114及びステータ118からの荷
重を受ける。そのため、ベアリング136aが受ける荷
重の方がベアリング136bが受ける荷重より小さい。
従って、ベアリング136aの径寸法は比較的小さくて
よい。
【0058】これにより、ベアリング136aの径Rを
小さくすることができ、コストを低減させることができ
る。
【0059】これ以外の構成や作用については第1実施
形態と同様であり、図中で同一又は類似部分に下2桁同
一の符号を付すことにして、詳しい説明は省略する。
【0060】次に、本発明の第3実施形態について説明
する。
【0061】第3実施形態は、第1実施形態における図
4のラチェット40の揺動規制手段である第1ばね44
と、当接抑制手段である第2ばね46を1つのばねで兼
用したものである。
【0062】図7は、上記2つのばねの働きを兼ねるば
ね248が付設されたラチェット240の斜視図であ
る。ラチェット240はピン242によってアウタレー
ス228に取り付けられる。但し図7においては、アウ
タレース228は図示を省略している。
【0063】図7のVIII方向から見た図を図8に示す。
但し、図8ではアウタレース228(228a、228
b)を断面図で表現している。ばね248は、その一端
がアウタレース部材228bに、他端がラチェット24
0にそれぞれ固定されている。
【0064】ばね248は、ラチェット240の動きを
規制する。その際、前記不等式(1)が成立するように
ばね248の強さ・構造が調整される。
【0065】このようにばねを1つにして規制手段と抑
制手段を兼用したものとして、この他、更に以下述べる
ような実施形態が考えられる。
【0066】図9は、第4実施形態に係るラチェット3
40を表わす斜視図である。
【0067】ラチェット340はピン342によってア
ウタレース328に取り付けられる。図9においては図
7と同様、アウタレース328は図示を省略されてい
る。ラチェット340は溝340cを有し、そこにばね
350の一端が差し込まれている。ばね350の他端は
2つのピン352によって支持されている。図9のX方
向から見た図を図10に示す。図10には、ラチェット
340の他にアウタレース328b及びラチェットホイ
ール330aが表示されている。
【0068】ラチェット340が外周側及び内周側へ移
動する際に、ばね350がそれぞれ異なる弾性力を発揮
するように、ばね350を支える2つのピン352はそ
の取り付け位置が工夫されている。これにより、第1実
施形態における第1、第2ばね44、46と同様の効果
を得ることができる。従って、低速空転時及び高速空転
時におけるラチェット340の打音を少ない部品構成で
効率良く低減することができる。
【0069】図11は、第5実施形態に係るラチェット
440を表わす斜視図である。
【0070】ラチェット440は、ピン442によって
アウタレース428に取り付けられる。図11では、ア
ウタレース部材428bのみを図示している。ばね45
4は、一端がラチェット440の溝440cに、他端が
アウタレース部材428bの溝428cに支持されてい
る。
【0071】本実施形態では、第4実施形態におけるば
ね350を支える2本のピン352は無く、その代わり
アウタレース部材428bが図11に示すような段付き
形状428dを有している。この段付き形状428dの
働きで、ばね454が第1実施形態の2つのばね44、
46と同様の効果を発揮する。
【0072】図11のXII 方向から見た図を図12に示
す。
【0073】本実施形態では更に部品点数を減らしたた
め、より低コストで確実なラチェット係合の実現及び空
転時の打音抑制の効果を達成することができる。
【0074】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
ワンウェイクラッチの構造を簡素化することができ、低
コスト化を図りつつ、トルクコンバータの軸方向寸法を
短縮し、トルクコンバータを小型化することができる。
【0075】又、ワンウェイクラッチが、ラチェットに
作用する遠心力を利用することが可能なように構成さ
れ、その遠心力とラチェットに抑制手段を付けることに
より空転時におけるラチェットとラチェットホイールの
打音を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る流体式トルクコン
バータの概略を表わす縦断面図
【図2】第1実施形態におけるステータハブ内周側の形
状を示す斜視図
【図3】第1実施形態におけるアウタレースの外周側の
形状を示す斜視図
【図4】第1実施形態におけるラチェットの形状を示す
側面図
【図5】図4のV−V線に関する断面図
【図6】本発明の第2実施形態に係る流体式トルクコン
バータの概略を表わす縦断面図
【図7】本発明の第3実施形態に係るラチェットの規制
・抑制手段の形状を示す斜視図
【図8】図7のVIII方向から見た一部断面を含む背面図
【図9】本発明の第4実施形態にラチェットの規制・抑
制手段の形状を示す斜視図
【図10】図9のX方向から見たラチェットの側面図
【図11】本発明の第5実施形態にラチェットの規制・
抑制手段の形状を示す斜視図
【図12】図11のXII 方向から見たラチェットの側面
【符号の説明】
TC1…流体式トルクコンバータ OW1…ワンウェイクラッチ 12…ポンプインペラ 14…タービンランナ 16…固定軸(固定部材) 18…ステータ 20…リベット 22…タービンハブ 24、38…スプライン 26…出力軸 28…アウタレース 30…インナレース 32…スナップリング 34…カバー 36a、36b…ベアリング 40…ラチェット 42…ピン 44…第1ばね 46…第2ばね
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 41/24 F16D 41/12

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポンプインペラと、タービンランナと、こ
    れらの部材間の油流路に介在され、且つワンウェイクラ
    ッチを介して固定部材に連結されたステータと、を有す
    る流体式トルクコンバータにおいて、 前記ワンウェイクラッチが、 前記ステータに連結されたアウタレースと、 前記固定部材に連結されたインナレースと、前記アウタレースの前記インナレース最外径よりも外周
    部分に、軸方向と平行な軸線を中心に 揺動可能に支持さ
    れたラチェットと このラチェットよりも内周側に位置するように前記イン
    ナレースの半径方向で前記ラチェットと対向する周面に
    設けられ、 前記ラチェットと一方向にのみ相対回転不能
    に噛み合うラチェットホイールと、 前記ラチェットが確実にラチェットホイールと噛み合う
    ように、前記ラチェットの揺動を規制する規制手段と 前記ステータが空転する際に前記ラチェットのラチェッ
    トホイールに向けた内周側への揺動を抑え、かつ、前記
    アウタレースに設けられた抑制手段とか らなるラチェッ
    ト型ワンウェイクラッチとされた、ことを特徴とする流
    体式トルクコンバータ。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記インナレースと前
    記固定部材との連結部位置が、前記ラチェットの配設位
    置に対して軸力向にオフセットされたことを特徴とする
    流体式トルクコンバータ。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記ラチェット及びラ
    チェットホイールと前記アウタレース及びステータの連
    結部とが、軸方向に垂直な平面上に配置されたことを特
    徴とする流体式トルクコンバータ。
  4. 【請求項4】請求項1において、前記抑制手段と前記規
    制手段とが一つの部材で兼用された ことを特徴とする流
    体式トルクコンバータ。
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