JPH0828628A - 捩り振動低減装置及び組立方法 - Google Patents

捩り振動低減装置及び組立方法

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JPH0828628A
JPH0828628A JP16643594A JP16643594A JPH0828628A JP H0828628 A JPH0828628 A JP H0828628A JP 16643594 A JP16643594 A JP 16643594A JP 16643594 A JP16643594 A JP 16643594A JP H0828628 A JPH0828628 A JP H0828628A
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drive plate
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crankshaft
side plate
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Masanori Kanda
政徳 神田
Shoichi Tsuchiya
章一 土屋
Taku Murasugi
卓 村杉
Atsuhiro Mori
淳弘 森
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 サイドプレートとドリブンプレートとのセン
タリング部と、クランクシャフトとコンバータカバーと
のセンタリング部とのずれによるドライブプレート及び
サイドプレートとドリブンプレートとの回動不良を無く
す。 【構成】 ドライブプレート2をクランクシャフト4に
嵌合固定し、ドライブプレート2にサイドプレート3を
ピン1によってかしめ固定する。サイドプレート3に設
けた円筒部12に、軸受17を介してドリブンプレート
5をセンタリングする。ドリブンプレート5をコンバー
タカバー6に結合する。コンバータカバー6のパイロッ
トボス13とクランクシャフト4のパイロットブッシュ
28とを嵌合してコンバータカバー6とクランクシャフ
ト4とをセンタリングする。軸受17を、剛性が小さく
かつ摩耗し易い低摩擦の樹脂材によって形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンと自動変速機
のトルクコンバータとの間に介装される捩り振動低減装
置とその組立方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の自動変速機に用いられるトル
クコンバータとして、車速等の条件に応じてポンプとタ
ービンとを直結し、それによって動力伝達効率の向上を
図る所謂ロックアップクラッチを備えたものがある。こ
のようなトルクコンバータの場合、ロックアップクラッ
チでポンプとタービンとを直結すると、エンジンのトル
ク変動に起因した捩り振動が自動変速機側に伝達されて
しまうため、エンジンとトルクコンバータの間に捩り振
動低減装置を介装するようにしている。
【0003】ここで用いられる捩り振動低減装置として
は、従来、例えば図6に示すようなものが案出されてい
る。
【0004】この捩り振動低減装置は、外周縁部相互を
ボルト締結或はピン1によってかしめ固定された入力部
材であるドライブプレート2とサイドプレート3とが内
周縁部を重合した状態でクランクシャフト4の端部に結
合され、この両プレート2,3の間に、出力部材である
ドリブンプレート5が回動可能に介装されている。この
ドリブンプレート5は、外周縁部がトルクコンバータの
コンバータカバー6に結合されると共に、圧縮ばね等の
弾性部材7によってドライブプレート2及びサイドプレ
ート3と回動方向で弾性的に連結されている。そして、
エンジンとトルクコンバータの間の捩り振動は主にこの
弾性部材7の吸振作用によって低減するようになってい
る。尚、8は、動力伝達系の共振時等の大振幅の振動を
より速やかに低減するために、ドライブプレート2及び
サイドプレート3とドリブンプレート5との間に介装さ
れた減衰力発生手段である。
【0005】また、ドライブプレート2とサイドプレー
ト3は、夫々に中心孔9,10が形成されていて、この
両中心孔9,10をクランクシャフト4の端部の段付き
円柱部11に嵌合した状態で同シャフト4にボルト結合
されるのであるが、サイドプレート3の中心孔10は以
下のような理由から、ドライブプレート2の中心孔9よ
りも一回り大きく形成されている。
【0006】即ち、ドライブプレート2は、スタータモ
ータのピニオン(図示せず。)と噛合するリングギヤ1
5がその外周部に取り付けられる関係で、中心孔9を段
付き円柱部11と同径に形成してクランクシャフト4と
正確にセンタリングされるようにしており、これに対
し、サイドプレート3の中心孔10も前記段付き円柱部
11と同径であることが望ましいが、このとき、仮にド
ライブプレート2とサイドプレート3の中心孔9,10
が同径であるとすると、前記ピン1による両プレート
2,3のかしめ時に両中心孔9,10が径方向に僅かに
ずれた場合に両プレート2,3をクランクシャフト4に
嵌合できなくなってしまう。このため、サイドプレート
3の中心孔10はドライブプレート2の中心孔9よりも
一回り大きく形成され、かしめ時に両中心孔9,10が
径方向に僅かにずれても両プレート2,3を支障無くク
ランクシャフト4に嵌合できるようになっている。
【0007】さらに、前記サイドプレート3の中心孔1
0の径方向外側には、この中心孔10と同心の円筒部1
2が形成されていて、この円筒部12の外周側にドリブ
ンプレート5の内周部が回動可能に嵌合されている。こ
の円筒部12はドリブンプレート5をサイドプレート3
にセンタリングする機能を持ち、この例では、ドリブン
プレート5の内周部を直接嵌合しているが、外周面にメ
タルベアリングやボールベアリング等の軸受を配設し、
この軸受を介してドリブンプレート5を支持するように
したものも開発されている。尚、13は、コンバータカ
バー6の端面に突設されたパイロットボスであり、この
パイロットボス13は、クランクシャフト4の端面の位
置決め孔14に回動可能に嵌合することによってクラン
クシャフト4とコンバータカバー6とをセンタリングす
るようになっている。
【0008】この類似技術は、本願出願人が先に出願し
た特願平4−278769号の明細書及び図面に示され
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の捩
り振動低減装置の場合、ドリブンプレート5は、サイド
プレート3に対して円筒部12を介して正確にセンタリ
ングされるものの、ドライブプレート2とサイドプレー
ト3の間に径方向のずれがあると、このずれがそのまま
ドリブンプレート5とクランクシャフト4の回転中心と
のずれとなってしまう。このため、ドライブプレート2
とサイドプレート3の間に径方向のずれがあると、捩り
振動低減装置をクランクシャフト4とコンバータカバー
6とに組付た状態において、入力側部材(ドライブプレ
ート2及びサイドプレート3)と出力側部材(ドリブン
プレート5)との間の回動が両センタリング部(円筒部
12とドリブンプレート5のセンタリング部と、クラン
クシャフト4とコンバータカバー6のセンタリング部)
によって強く拘束され、この強い拘束力が捩り振動低減
装置の吸振作用を阻害することが考えられる。一方、拘
束力を緩和するために、両センタリング部の一方に隙間
を設けることも考えられるが、この場合、拘束力は弱ま
るものの回転時のアンバランスが大きくなり、振動の発
生原因となる。
【0010】そこで本発明は、入力部材と出力部材との
円滑な回動を安定して得られるようにして優れた吸振効
果を得ることのできる捩り振動低減装置及び組立方法を
提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ための手段として、請求項1の発明は、クランクシャフ
トに嵌合される入力部材と、内周部が前記入力部材にセ
ンタリングされる一方で外周縁部がトルクコンバータの
コンバータカバーに結合される出力部材と、前記入力部
材と出力部材とを回動方向で連結する弾性部材とを備え
た捩り振動低減装置であって、前記コンバータカバーと
これに対峙するクランクシャフトとがセンタリングされ
るものにおいて、前記コンバータカバーとクランクシャ
フトとのセンタリング部と、入力部材と出力部材とのセ
ンタリング部とのいずれか一方に、剛性が小さくかつ摩
耗し易い低摩擦材を用いるようにした。
【0012】また、請求項2の発明は、前記剛性が小さ
くかつ摩耗し易い低摩擦材の摺動面に凹凸状の高面圧接
触部を設けるようにした。
【0013】請求項3の発明は、クランクシャフトに嵌
合される中心孔を有するドライブプレートと、前記ドラ
イブプレートの中心孔よりも一回り大きい中心孔を有す
ると共に、この中心孔の径方向外側にこの中心孔と同心
の円筒部を有し、かつ、外周縁部が前記ドライブプレー
トと一体に固定されると共に、内周縁部がドライブプレ
ートと共にクランクシャフトに結合されるサイドプレー
トと、内周部が前記円筒部にセンタリングされる一方で
外周縁部がトルクコンバータのコンバータカバーに結合
されるドリブンプレートと、前記ドライブプレート及び
サイドプレートとドリブンプレートとを回動方向で連結
する弾性部材とを備えた捩り振動低減装置であって、前
記コンバータカバーとこれに対峙するクランクシャフト
とがセンタリングされるものの組立方法において、前記
ドライブプレートとサイドプレートを固定するにあたっ
て、ドライブプレートの中心孔とサイドプレートの中心
孔とを、テーパ状または段付き円柱状の治具を用いてセ
ンタリングするようにした。
【0014】
【作用】請求項1の発明の場合、両センタリング部のう
ちのいずれか一方に用いた部材が剛性の小さい低摩擦材
であることより、入力部材と出力部材の中心が径方向に
僅かにずれていても、入力部材と出力部材との間の回動
は両センタリング部によって拘束を受けにくくなる。ま
た、前記センタリング部に用いた低摩擦材がさらに摩耗
し易い部材であることより、経時使用によってこの部材
が両センタリング部のずれを小さくするように摩耗す
る。
【0015】請求項2の発明の場合、凹凸状の高面圧接
触部は両センタリング部のずれを補正するように変形し
易いうえ、経時使用につれて両センタリング部のずれを
小さくするように摩耗し易い。
【0016】請求項3の発明の場合、入力部材であるド
ライブプレートとサイドプレートがほぼ正確にセンタリ
ングされた状態で一体に固定されるため、サイドプレー
トの円筒部にセンタリングされる出力部材であるドリブ
ンプレートはクランクシャフト並びにコンバータカバー
に対してもほぼ正確にセンタリングされることとなる。
したがって、ドライブ及びサイドプレートとドリブンプ
レートとの間の回動は両センタリング部によって拘束を
受けにくくなる。
【0017】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。尚、図6に示した従来のものと同一部分には同一
符号を用いるものとする。
【0018】まず、請求項1の発明の実施例を図1,図
2によって説明する。
【0019】図1,図2は、請求項1の発明にかかる捩
り振動低減装置をエンジンのクランクシャフト4とトル
クコンバータのコンバータカバー6とに組み付けた状態
を示すもので、図中2,3は、クランクシャフト4の端
部に結合される入力部材たるドライブプレートとサイド
プレートであり、5は、コンバータカバー6の端面に結
合される出力部材たるドリブンプレートである。
【0020】ドライブプレート2は、その中心部にクラ
ンクシャフト4の端部の段付き円柱部11と嵌合される
中心孔9が形成されると共に、外周部に、スタータモー
タのピニオン(図示せず。)が噛合されるリングギヤ1
5が結合されている。前記ドライブプレート2の中心孔
9は段付き円柱部11と同径に形成されている。
【0021】また、サイドプレート3は、その中心部に
ドライブプレート2の中心孔9よりも一回り大きい中心
孔10が形成されると共に、この中心孔10の径方向外
側位置に円筒部12が設けられており、この円筒部12
からさらに径方向外側に延出する外周縁部が複数個のピ
ン1によってドライブプレート2の外周縁部と軸方向に
所定間隔離間した状態で結合されている。そして、ドラ
イブプレート2とサイドプレート3の内周縁部は重合状
態でクランクシャフト4の端部にボルト16によって結
合されるようになっている。
【0022】一方、ドリブンプレート5は環状の板材に
よって形成されていて、前記ドライブプレート2とサイ
ドプレート3の間に回動可能に介装されている。ここ
で、前記サイドプレート3の円筒部12の外周には断面
略L字状の軸受17が嵌装されており、ドリブンプレー
ト5の内周部はこの軸受17の外周に嵌合されている。
この軸受17は、剛性が小さくかつ摩耗し易い低摩擦の
樹脂材によって形成されている。尚、この実施例におい
ては、軸受17部分が本発明における一方のセンタリン
グ部となっている。また、ドリブンプレート5の外周縁
部は、サイドプレート3を貫通する複数のボルト18に
よってコンバータカバー6の端面に結合されるようにな
っている。サイドプレート3とドライブプレート2に
は、ドリブンプレート5の回動時に、前記ボルト18の
頭部やコンバータカバー6の螺合用突起19が干渉する
ことのないようにこれらに対応する位置に長孔20が形
成されている。さらに、ドリブンプレート5の外周縁部
には、前記結合用のピン1が遊挿される円弧状のストッ
パ孔21が形成されており、ピン1とストッパ孔21の
当接によってドライブプレート2及びサイドプレート3
とドリブンプレート5との相対回動角度を規制するよう
になっている。
【0023】また、前記ドリブンプレート5には周方向
に沿う窓22が複数個形成され、これらの各窓22に弾
性部材たる入れ子型の圧縮ばね23が直列配置の状態で
収容されている。そして、ドライブプレート2とサイド
プレート3の間には、これらのプレート2,3とドリブ
ンプレート5に対して回動可能な環状の遊動子24が介
装されており、この遊動子24に形成された複数個の突
起25が各窓22内の一対の圧縮ばね23,23の間に
介装されて、この両圧縮ばね23,23を円周方向に沿
って直列に作用させるようになっている。ここで、前記
ドライブプレート2には、ドリブンプレート5の各窓2
2の端部に対応するようにドライブピース26がリベッ
ト止めされ、サイドプレート3には、ドリブンプレート
5の各窓22に対応して同様の窓27が形成されてお
り、ドライブプレート2とサイドプレート3の間にドリ
ブンプレート5を介装した状態において各窓22内の圧
縮ばね23の端部が前記ドライブピース26と窓27と
に当接するようになっている。したがって、ドライブプ
レート2及びサイドプレート3とドリブンプレート5と
は圧縮ばね23を介して回動方向で弾性的に連結されて
いる。
【0024】尚、コンバータカバー6の端面の中心部と
これに対峙するクランクシャフト4の端面の中心部とに
は、パイロットボス13とパイロットブッシュ28とが
夫々配設されており、捩り振動低減装置をクランクシャ
フト4とコンバータカバー6とに結合する際に、前記パ
イロットボス13とパイロットブッシュ28とを嵌合す
ることでクランクシャフト4とコンバータカバー6とを
直接センタリングできるようになっている。この実施例
ではパイロットボス13とパイロットブッシュ28とが
本発明における他のセンタリング部となっている。
【0025】この捩り振動低減装置は以上のような構成
であるため、エンジンの駆動トルクは、クランクシャフ
ト4からドライブプレート2とサイドプレート3、圧縮
ばね23、ドリブンプレート5を順次介してコンバータ
カバー6へと伝達され、このとき、弾性部材たる圧縮ば
ね23の吸振作用によって動力伝達系の捩り振動が低減
される。
【0026】また、この捩り振動低減装置においては、
クランクシャフト4とコンバータカバー6とをパイロッ
トボス13とパイロットブッシュ28の嵌合によってセ
ンタリングする一方で、ドリブンプレート5を軸受17
を介してサイドプレート3にセンタリングしているた
め、ドライブプレート2とサイドプレート3とをピン1
によってかしめ固定する際に両者が径方向にわずかにず
れると、その分前記両センタリング部の中心がずれるこ
ととなるが、ドリブンプレート5をセンタリングする軸
受17が剛性の小さい低摩擦の樹脂材によって形成され
ていることより、両センタリング部が入力部材たるドラ
イブプレート2及びサイドプレート3と出力部材たるド
リブンプレート5との回動を強く拘束するようなことは
ない。そして、さらに前記軸受17を形成する樹脂材が
摩耗し易い材質であることより、軸受17のうちのサイ
ドプレート3の円筒部12やドリブンプレート5の内周
部と強く当たる部分は経時使用によって次第に摩耗し、
両センタリング部による入出力部材間の回動の拘束はよ
り小さくなる。したがって、この捩り振動低減装置の場
合、ドライブプレート2とサイドプレート3の径方向の
僅かなずれがあっても入出力部材間の円滑な回動を安定
して得ることができるため、圧縮ばね23による充分な
吸振効果を得ることができる。
【0027】尚、以上ではドリブンプレート5を円筒部
12にセンタリングする軸受17を、剛性が小さくかつ
摩耗し易い低摩擦の樹脂材によって形成した例について
説明したが、パイロットボス13やパイロットブッシュ
28を上記の樹脂材によって形成することも可能であ
る。この場合にも上記と同様の作用効果を得ることがで
きる。
【0028】つづいて、請求項2の発明の実施例を図
3,図4によって説明する。
【0029】この捩り振動低減装置は、ドリブンプレー
ト5を円筒部12にセンタリングする軸受部分のみが図
1,図2に示したものと異なり、他の部分の構成は同一
となっている。したがって、以下では異なる部分につい
てのみ説明する。
【0030】この捩り振動低減装置の軸受29は、剛性
が小さくかつ摩耗し易い低摩擦の樹脂によって形成され
ていて、円筒部12の外周面と摺動接触するその内周面
に、凹凸状の高面圧接触部たるセレーション30が設け
られている。このセレーション30は、その歯面が軸方
向に沿って形成されているために円筒部12に対する軸
受29の組付を容易に行うことができ、しかも、軸受2
9が剛性の小さい低摩擦の樹脂であることと相俟って容
易に変形して両センタリング部のずれに起因した入出力
部材間の拘束力を小さくすることができる。さらに、セ
レーション30は円筒部12の外周面に対して高面圧で
接触するため、経時使用によってより容易に摩耗し、前
記拘束力をより小さくする望ましい状態を早期に得るこ
とができる。
【0031】尚、この発明の実施例は図3,図4に示し
たものに限るものでなく、例えば、ドリブンプレート5
との摺動接触部である軸受29の外周面にセレーション
30等の高面圧接触部を設けるようにしても良い。この
場合も、前記同様の効果が得られる。
【0032】次に、請求項3の発明の実施例を図1,図
2と図5によって説明する。
【0033】図5は、図1,図2に示したような捩り振
動低減装置の組立過程を示したものであり、31は、ド
ライブプレート2とサイドプレート3とをセンタリング
するための治具である。この治具31は、ドライブプレ
ート2とサイドプレート3とを重合した状態において、
径の異なる各中心孔9,10に同時に嵌合するができる
ようにテーパ状に形成されている。
【0034】本発明にかかる捩り振動低減装置の組立方
法は、ドライブプレート2とサイドプレート3とをピン
1によってかしめ固定する前の段階において、両プレー
ト2,3を前記治具31によってセンタリングする。即
ち、ドライブプレート2とサイドプレート3とをかしめ
固定する前の段階で、まず、圧縮ばね23や遊動子24
を組み付けたドリブンプレート5をサイドプレート3の
円筒部12に軸受17を介して嵌装し、この状態におい
てドライブプレート2とサイドプレート3の内周縁部相
互を重合させて、両プレート2,3の中心孔9,10に
前記治具31を嵌合する。このとき、治具31はテーパ
状に形成されているため、両プレート2,3はほぼ正確
にセンタリングされる。この後、こうして両プレート
2,3をセンタリングした状態において両プレート2,
3の外周縁部相互をピン1によってかしめ固定する。
尚、上記各実施例では両プレート2,3をピン1により
かしめ固定しているが、ボルト等により固定しても良
い。
【0035】捩り振動低減装置は以上のようにして組立
てられるため、クランクシャフト4とコンバータカバー
6とに結合した状態においてドリブンプレート5がクラ
ンクシャフト4の回転中心にほぼ正確にセンタリングさ
れることとなる。したがって、ドリブンプレート5のセ
ンタリング部の中心と、クランクシャフト4とコンバー
タカバー6とのセンタリング部の中心とがほぼ正確に一
致し、この両センタリング部による入出力部材間の拘束
はほとんど生じなくなる。また、ドライブプレート2と
ドリブンプレート5の回動中心がほぼ一致することよ
り、入出力部材間の回転アンバランスも生じなくなる。
【0036】この実施例では、図1,図2に示した捩り
振動低減装置や図3,図4に示した捩り振動低減装置の
組立にあたって本願の方法発明を採用したため、上述し
た捩り振動低減装置自体の構造とも相俟って入出力部材
間の回動が極めて円滑になり、圧縮ばね23のよる充分
な吸振効果を得ることが可能となる。
【0037】尚、以上の実施例においては、テーパ状の
治具31を用いてドライブプレート2とサイドプレート
3のセンタリングを行ったが、テーパ状の治具31に代
えて、各中心孔9,10に対応する二つの径を持つ段付
き円柱状の治具32(図5の鎖線参照。)を用いても同
様の効果を得ることができる。
【0038】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明は、コンバ
ータカバーとクランクシャフトとのセンタリング部と、
入力部材と出力部材とのセンタリング部とのいずれか一
方に、剛性が小さくかつ摩耗し易い低摩擦材を用い、入
力部材と出力部材とが径方向に僅かにずれていても、入
力部材と出力部材との間の回動が両セタンリング部によ
って強い拘束を受けないようにしたため、入力部材と出
力部材との円滑な回動を安定して得ることができる。ま
た、両セタンリング部のいずれか一方に用いた低摩擦材
が摩耗し易い部材であることより、経時使用によって前
記部材が両セタンリング部のずれを小さくするように摩
耗し、入出力部材間の回動をより円滑にするという効果
も得られる。
【0039】請求項2の発明は、両センタリング部のう
ちのいずれか一方に剛性が小さくかつ摩耗し易い低摩擦
材を用い、この低摩擦材の摺動面に凹凸状の高面圧接触
部を設けたため、この高面圧接触部が容易に変形し、か
つ、経時使用によって容易に摩耗して両センタリング部
の径方向のずれをより小さくすることができる。
【0040】請求項3の発明は、ドライブプレートとサ
イドプレートを一体に固定するにあたって、ドライブプ
レートの中心孔とサイドプレートの中心孔とを、テーパ
状または段付き円柱状の治具を用いてセンタリングし、
ドライブプレートとサイドプレートとがほぼ正確にセン
タリングされた状態で固定されるようにしたため、両セ
ンタリング部の中心のずれを小さくして、両センタリン
グ部による入出力部材間の回動の拘束をより小さく抑え
ることができる。また、ドライブプレートとドリブンプ
レートの回動中心がほぼ一致することより、入出力部材
間のアンバランスが生じなくなるという利点もある。
【0041】したがって、本発明によれば入力部材と出
力部材との円滑な回動を安定して得ることができ、入出
力部材間に介装した弾性部材の吸振作用を充分に機能さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の実施例を示す図2のA−A線
に沿う断面図。
【図2】同実施例を示す部分破断断面図。
【図3】請求項2の発明の実施例を示す図4のC−C線
に沿う断面図。
【図4】同実施例を示す図3のB−B線に沿う断面図。
【図5】請求項3の発明の実施例を説明するための断面
図。
【図6】従来の技術を示す断面図。
【符号の説明】
2…ドライブプレート、 3…サイドプレート、 4…クランクシャフト、 5…ドリブンプレート、 6…コンバータカバー、 9,10…中心孔、 12…円筒部、 13…パイロットボス(センタリング部)、 17…軸受(センタリング部)、 23…圧縮ばね(弾性部材)、 28…パイロットブッシュ(センタリング部)、 29…軸受(センタリング部)、 30…センタリング(高面圧接触部)、 31,32…治具。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村杉 卓 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 森 淳弘 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランクシャフトに嵌合される入力部材
    と、内周部が前記入力部材にセンタリングされる一方で
    外周縁部がトルクコンバータのコンバータカバーに結合
    される出力部材と、前記入力部材と出力部材とを回動方
    向で連結する弾性部材とを備えた捩り振動低減装置であ
    って、前記コンバータカバーとこれに対峙するクランク
    シャフトとがセンタリングされるものにおいて、前記コ
    ンバータカバーとクランクシャフトとのセンタリング部
    と、入力部材と出力部材とのセンタリング部とのいずれ
    か一方に、剛性が小さくかつ摩耗し易い低摩擦材を用い
    たことを特徴とする捩り振動低減装置。
  2. 【請求項2】 前記剛性が小さくかつ摩耗し易い低摩擦
    材の摺動面に凹凸状の高面圧接触部を設けたことを特徴
    とする請求項1記載の捩り振動低減装置。
  3. 【請求項3】 クランクシャフトに嵌合される中心孔を
    有するドライブプレートと、前記ドライブプレートの中
    心孔よりも一回り大きい中心孔を有すると共に、この中
    心孔の径方向外側にこの中心孔と同心の円筒部を有し、
    かつ、外周縁部が前記ドライブプレートと一体に固定さ
    れると共に、内周縁部がドライブプレートと共にクラン
    クシャフトに結合されるサイドプレートと、内周部が前
    記円筒部にセンタリングされる一方で外周縁部がトルク
    コンバータのコンバータカバーに結合されるドリブンプ
    レートと、前記ドライブプレート及びサイドプレートと
    ドリブンプレートとを回動方向で連結する弾性部材とを
    備えた捩り振動低減装置であって、前記コンバータカバ
    ーとこれに対峙するクランクシャフトとがセンタリング
    されるものの組立方法において、前記ドライブプレート
    とサイドプレートを固定するにあたって、ドライブプレ
    ートの中心孔とサイドプレートの中心孔とを、テーパ状
    または段付き円柱状の治具を用いてセンタリングするこ
    とを特徴とする捩り振動低減装置の組立方法。
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JP2002181131A (ja) * 2000-12-12 2002-06-26 Valeo Unisia Transmission Kk トルク伝達装置
JP2009257542A (ja) * 2008-04-21 2009-11-05 Valeo Unisia Transmission Kk 捩り振動低減装置
JP2010071431A (ja) * 2008-09-22 2010-04-02 Valeo Unisia Transmission Kk 捩り振動低減装置

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