JP3495877B2 - プリンタ制御システム、プリンタ制御装置およびそれらの方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はプリンタ制御システ
ム、プリンタ制御装置およびそれらの方法に関し、例え
ば、圧縮ビットマップデータをプリンタに転送する制御
に関する。

【０００２】

【従来の技術】図1はホストコンピュータとプリンタの
間における印刷処理を説明するための図である。

【０００３】同図において、ホストコンピュータ3000と
プリンタ1000はプリンタケーブル21で接続されている。
アプリケーションプログラム101とプリンタドライバ102
は、ホストコンピュータ3000で動作するプログラムであ
る。プリンタ1000は、プリンタコントローラ1001と印刷
部30とから構成され、プリンタコントローラ1001は、入
力部26、解析部201、展開部202、フレームメモリ203、
および、印刷部インタフェイス(I/F)28で構成されてい
る。

【０００４】ホストコンピュータ3000とプリンタ1000の
利用者は、アプリケーションプログラム101を操作して
印刷を指示する。プリンタドライバ102は、アプリケー
ションプログラム101から出力された印刷データを、プ
リンタ1000が解釈可能なページ記述言語（例えばPostSc
ript、LIPS、PCL等: 以下「PDL」と略す）のデータに変
換し、プリンタケーブル21を介してプリンタ1000に転送
する。

【０００５】ホストコンピュータ3000からプリンタ1000
に転送されたPDLデータは、一旦入力部26に格納された
後、解析部201に送られる。解析部201は、PDLデータを
解析して、展開部202でビットマップ展開するのに好適
なデータ形式をもつ中間コードを作成する。展開部202
は、解析部201で作成された中間コードをビットマップ
データに展開して、フレームメモリ203に格納する。印
刷部I/F28は、フレームメモリ203から所定の順に読出し
たビットマップデータをビデオ信号として印刷部30へ送
る。印刷部30は、入力されたビデオ信号従ってレーザビ
ームをオン/オフ制御することにより、記録紙などの記
録媒体に画像を印刷する。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した技術
においては、次のような問題点がある。

【０００７】(1)ホストコンピュータ3000から転送され
たPDLデータをプリンタコントローラ1001で解析し、一
旦中間コードに変換した後、ビットマップ展開するた
め、プリンタ1000側で行う印刷処理の負荷が重くなる。
そのため、印刷速度を上げるにはプリンタコントローラ
1001に高速なCPUを搭載する必要があり、プリンタ1000
のコストアップを招く。

【０００８】(2)プリンタコントローラ1001にフォント
データをもたせる必要があり、プリンタ1000のコストア
ップを招く。

【０００９】(3)例えば、600dpi、A4サイズの印刷を行
う場合は、フレームメモリ203に4MバイトのRAMが必要で
あり、プリンタ1000のコストアップを招く。

【００１０】(4)近年、ホストコンピュータの処理速度
の向上は目覚ましいものがある。しかし、ホストコンピ
ュータ3000とプリンタ1000の間のデータ転送時間、およ
び、プリンタ1000の処理時間がネックになり、ユーザが
印刷を指示してから実際に印刷結果を手にするまでの時
間の短縮については、ホストコンピュータの処理速度向
上の割に向上が見られない。

【００１１】本発明は、上述した問題を解決するための
もので、総合的な印刷処理速度の向上を目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明は、前記の目的を
達成する一手段として、以下の構成を備える。

【００１３】本発明にかかるプリンタ制御システムは、
プリンタ、および、前記プリンタで印刷すべき印刷デー
タを生成するプリンタドライバを備えるホストコンピュ
ータを有するプリンタ制御システムであって、前記ホス
トコンピュータは、前記プリンタドライバにより生成さ
れたビットマップデータを圧縮ビットマップデータに圧
縮する圧縮手段と、前記圧縮ビットマップデータのデー
タサイズを計算する計算手段と、前記圧縮ビットマップ
データのデータサイズに基づく圧縮率、並びに、前記プ
リンタの印刷速度および印刷解像度に基づき、前記プリ
ンタに対して印刷開始を指示する前に、前記圧縮ビット
マップデータを前記プリンタに転送する先送処理が必要
か否かを判断する判断手段と、前記先送処理が必要と判
断される場合は前記圧縮ビットマップデータを前記プリ
ンタに出力した後、前記印刷開始を指示し、一方、前記
先送処理が不要と判断される場合は前記印刷開始を指示
し、前記圧縮ビットマップデータを前記プリンタに出力
する制御手段とを備え、前記プリンタは、前記ホストコ
ンピュータから圧縮ビットマップデータを受信する受信
手段と、前記受信手段により受信した圧縮ビットマップ
データを伸長する伸長手段と、前記伸長手段により伸長
したビットマップデータに基づく印刷を行う印刷手段と
を備えることを特徴とする。

【００１４】本発明にかかるプリンタ制御装置は、プリ
ンタで印刷すべき印刷データを生成するプリンタドライ
バを備えるホストコンピュータとしてのプリンタ制御装
置であって、プリンタドライバにより生成されたビット
マップデータを圧縮ビットマップデータに圧縮する圧縮
手段と、前記圧縮ビットマップデータのデータサイズを
計算する計算手段と、前記圧縮ビットマップデータのデ
ータサイズに基づく圧縮率、並びに、前記プリンタの印
刷速度および印刷解像度に基づき、前記プリンタに対し
て印刷開始を指示する前に、前記圧縮ビットマップデー
タを前記プリンタに転送する先送処理が必要か否かを判
断する判断手段と、前記先送処理が必要と判断される場
合は前記圧縮ビットマップデータを前記プリンタに出力
した後、前記印刷開始を指示し、一方、前記先送処理が
不要と判断される場合は前記印刷開始を指示し、前記圧
縮ビットマップデータを前記プリンタに出力する制御手
段とを有することを特徴とする。

【００１５】本発明にかかる制御方法は、プリンタ、お
よび、前記プリンタで印刷すべき印刷データを生成する
プリンタドライバを備えるホストコンピュータを有する
システムの制御方法であって、前記ホストコンピュータ
は、前記プリンタドライバにより生成されたビットマッ
プデータを圧縮ビットマップデータに圧縮し、前記圧縮
ビットマップデータのデータサイズを計算し、前記圧縮
ビットマップデータのデータサイズに基づく圧縮率、並
びに、前記プリンタの印刷速度および印刷解像度に基づ
き、前記プリンタに対して印刷開始を指示する前に、前
記圧縮ビットマップデータを前記プリンタに転送する先
送処理が必要か否かを判断し、前記先送処理が必要と判
断される場合は前記圧縮ビットマップデータを前記プリ
ンタに出力した後、前記印刷開始を指示し、一方、前記
先送処理が不要と判断される場合は前記印刷開始を指示
し、前記圧縮ビットマップデータを前記プリンタに出力
する各ステップを備え、前記プリンタは、前記ホストコ
ンピュータから圧縮ビットマップデータを受信し、受信
した圧縮ビットマップデータを伸長し、伸長したビット
マップデータに基づく印刷を行う各ステップを備えるこ
とを特徴とする。

【００１６】また、プリンタで印刷すべき印刷データを
生成するプリンタドライバを備えるホストコンピュータ
としてのプリンタ制御装置の制御方法であって、プリン
タドライバにより生成されたビットマップデータを圧縮
ビットマップデータに圧縮し、前記圧縮ビットマップデ
ータのデータサイズを計算し、前記圧縮ビットマップデ
ータのデータサイズに基づく圧縮率、並びに、前記プリ
ンタの印刷速度および印刷解像度に基づき、前記プリン
タに対して印刷開始を指示する前に、前記圧縮ビットマ
ップデータを前記プリンタに転送する先送処理が必要か
否かを判断し、前記先送処理が必要と判断される場合は
前記圧縮ビットマップデータを前記プリンタに出力した
後、前記印刷開始を指示し、一方、前記先送処理が不要
と判断される場合は前記印刷開始を指示し、前記圧縮ビ
ットマップデータを前記プリンタに出力することを特徴
とする。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる一実施形態
の画像処理装置を図面を参照して詳細に説明する。

【００１８】［新しいプリンタ制御システム］図2は新
しいプリンタ制御システムにおける印刷処理を説明する
ための図である。なお、図1と同様の構成には、同一符
号を付して、その詳細説明を省略する。

【００１９】同図において、圧縮部103は、アプリケー
ションプログラム101およびプリンタドライバ102と同様
に、ホストコンピュータ3000で動作するプログラムであ
る。プリンタ1000のプリンタコントローラ1001は、入力
部26、バッファメモリ204、伸長部27、および、印刷部I
/F28で構成されている。

【００２０】ホストコンピュータ3000とプリンタ1000の
利用者は、アプリケーションプログラム101を操作して
印刷を指示する。プリンタドライバ102は、アプリケー
ションプログラム101から出力された印刷データをビッ
トマップ展開し、圧縮部103はビットマップデータを圧
縮する。圧縮ビットマップデータは、プリンタケーブル
21を介してプリンタ1000に転送される。

【００２１】ホストコンピュータ3000からプリンタ1000
に転送された圧縮ビットマップデータは、入力部26を介
してメモリ204に格納される。伸長部27は、メモリ204か
ら読出した圧縮ビットマップデータを伸長して、伸長し
たビットマップデータを印刷部I/F28へ送る。以降の動
作は、図1の場合と同じである。

【００２２】このようなプリンタ制御システムを使用す
ることにより、以下の改善を図ることができる。

【００２３】(1)プリンタコントローラ1001は、PDLデー
タではなく、既にビットマップ展開されたデータを受取
るので、その処理負荷は軽減される。その結果、プリン
タコントローラ1001に高速なCPUを搭載する必要がなく
なり、プリンタ1000のコストアップを抑えることができ
る。

【００２４】(2)プリンタコントローラ1001にフォント
データをもたせる必要がなくなり、プリンタのコストダ
ウンを図れる。

【００２５】(3)ホストコンピュータ3000からプリンタ1
000へのデータ転送速度が充分に速ければ、バッファメ
モリ204の記憶容量を大幅に減らすことが可能になり、
プリンタのコストダウンを図れる。

【００２６】(4)プリンタコントローラ1001におけるPDL
変換やPDL解析処理をなくし、高速処理が必要なビット
マップ展開をホストコンピュータ3000で行うことによ
り、トータルの印刷時間を短縮することができる。

【００２７】しかしながら、上述した新しいプリンタ制
御システムにおいても、ホストコンピュータ3000とプリ
ンタ1000との間のデータ転送に使用するインタフェイス
に、例えばセントロニクスなどの汎用インタフェイスを
用いる場合、データ転送速度に物理的な限界があるた
め、写真画像など圧縮率が低く、かつ、高解像度の画像
を印刷する場合は、圧縮ビットマップデータの転送が間
に合わなくなり、印刷が途中で切れてしまうなど、正常
な印刷ができない場合が生じ得る。

【００２８】以下では、このような問題を解決した本発
明にかかる一実施形態の画像処理装置を説明する。

【００２９】［レーザビームプリンタ概要］図3は本発
明を適用するのに好適なレーザビームプリンタの構成例
を示す図である。なお、本実施形態を適用するプリンタ
は、レーザビームプリンタに限られるものではなく、所
謂ページプリンタと呼ばれるものであれば、他の方式の
プリンタでもよいことはいうまでもない。

【００３０】同図において、1000はプリンタ本体であ
り、1001はホストコンピュータ3000から供給される圧縮
ビットマップデータを処理するプリンタコントローラで
ある。プリンタコントローラ1001は、入力された圧縮ビ
ットマップデータを、対応するパターンのビデオ信号に
変換して、レーザドライバ1002に出力するとともに、プ
リンタ1000の各種ステータスをホストコンピュータ3000
に通知する。

【００３１】レーザドライバ1002は、半導体レーザ素子
1003を駆動するための回路であり、入力されたビデオ信
号に応じて、半導体レーザ素子1003から出力されるレー
ザ光1004を、例えばオン/オフする。レーザ光1004は、
回転多面鏡1005により感光ドラム1006の軸方向に走査さ
れ、感光ドラム1006上を露光走査することにより、感光
ドラム1006上に文字パターンや図形パターンの静電潜像
を形成する。この潜像は、感光ドラム1006の周囲に配置
された現像ユニット1007により現像された後、記録紙に
転写される。

【００３２】このようにして、外部に接続されたホスト
コンピュータ3000から供給される圧縮ビットマップデー
タに基づく画像が、記録媒体である記録紙上に形成され
る。なお、記録紙は、プリンタ1000に装着された記録紙
カセット1008に収納され、給紙カム1009および搬送ロー
ラ1010，1011により、画像形成部へ供給される。

【００３３】［プリンタ制御システム］図4は本発明に
かかる一実施形態のプリンタ制御システムの構成例を示
すブロック図である。なお、以下で説明する機能が実行
されるものであれば、プリンタ制御システムは、単体の
機器として構成してもよいし、複数の機器から構成して
もよい。さらに、LANなどのネットワークを介して処理
を行うシステムであってもよい。

【００３４】ホストコンピュータ3000において、CPU1
は、RAM2をワークメモリに用いて、その詳細を後述する
外部メモリ11などに予め記憶された文書処理プログラム
などに基づいて、図形、イメージ、文字、表（スプレッ
ドシートを含む）などが混在した文書処理を実行し、シ
ステムバス4に接続される各デバイスを総括的に制御す
る。さらに、プログラムROM3bには、CPU1のブートプロ
グラムをはじめとする各種の制御プログラムなども格納
されている。また、フォントROM3aには、文書処理など
の際に使用するフォントデータなどが格納され、データ
ROM3cには、文書処理などを行う際に使用する各種デー
タが格納されている。

【００３５】キーボードコントローラ(KBC)5は、キーボ
ード(KB)9や不図示のポインティングデバイス（マウス
など）からの入力を制御する。CRTコントローラ(CRTC)6
は、CRTディスプレイ(CRT)10の表示を制御する。メモリ
コントローラ(MC)7は、オペレーティングシステム(OS)
や種々のアプリケーションプログラム、フォントデー
タ、ユーザファイル、編集ファイルなどを記憶するハー
ドディスク(HD)、フロッピディスク(FD)などの外部メモ
リ11とのアクセスを制御する。プリンタコントローラ(P
RTC)8は、所定の双方向性インタフェイス21を介してプ
リンタ1000に接続され、プリンタ1000との通信を制御す
る。

【００３６】CPU1は、例えばRAM2上に設定された表示情
報領域へ、アウトラインフォントなどを展開（ラスタラ
イズ）し、CRT10における所謂WYSIWYGを可能にしてい
る。また、CPU1は、CRT10の画面上に表示されたマウス
カーソルなどにより指示されるコマンドに基づき、種々
のウィンドウを開き、外部メモリ11に格納されたアプリ
ケーションプログラムを実行するとともに、種々のデー
タを処理する。

【００３７】プリンタ1000において、CPU22は、プログ
ラムROM24aに予め格納された制御プログラムに基づき、
RAM23をワークメモリにして、システムバス25に接続さ
れた各デバイスを総括的に制御し、伸長部27や印刷部I/
F28を介して接続される印刷部（プリンタエンジン）30
へビデオ信号を出力する。また、プログラムROM24aに
は、図7にフローチャートで示すようなCPU22の制御プロ
グラムなどが予め格納されている。また、データROM24b
には、各種のデータが格納されている。

【００３８】CPU22は、入力部26を介して、ホストコン
ピュータ3000との通信が可能であり、プリンタ1000内の
情報などをホストコンピュータ3000に通知することがで
きる。また、CPU22は、ビデオ信号の出力開始時間を表
す情報などをRAM23に記憶する。また、RAM23は、入力部
26で受信された圧縮ビットマップデータを格納する図2
のメモリ204としても機能し、図示しない増設ポートに
接続されるオプションRAMにより、記憶容量を容易に拡
張することができる。

【００３９】伸長部27は、RAM23から読出した圧縮ビッ
トマップデータを伸長して、ビットマップデータを印刷
部I/F28に送る。印刷部I/F28は、ビットマップデータを
ビデオ信号に変換して印刷部30に送る。

【００４０】勿論、CPU22、プログラムROM24a、データR
OM24bなどを、必要な機能を組み込んだASICで置換える
ことにより、コストダウンを図ることもできる。

【００４１】［圧縮ビットマップデータの転送速度とビ
デオ信号の送出速度］印刷部I/F28から印刷部30へビデ
オ信号を送出する速度は、毎分何枚印刷できるかを示す
印刷部30の印刷速度と、印刷解像度とに依存する。ホス
トコンピュータ3000からプリンタ1000へ圧縮ビットマッ
プデータを転送する速度が、圧縮ビットマップデータが
ビデオ信号に変換される速度に対して速ければ、プリン
タ制御システムは問題なく動作することが可能である。
しかし、ビットマップデータの圧縮率が低い場合、プリ
ンタ部の印刷速度が速い場合、印刷解像度が高い場合な
ど、圧縮ビットマップデータの転送速度が、圧縮ビット
マップデータをビデオ信号に変換する速度に追いつかな
い場合があり得る。こうした場合、一頁の印刷中にビデ
オ信号が途切れることになり、ページプリンタにおいて
は正常な印刷ができない。

【００４２】こうした問題を解消するために、RAM23の
記憶容量を充分に大きくして、印刷部I/F28から印刷部3
0へのビデオ信号の出力を開始する前に、圧縮ビットマ
ップデータをすべてフレームメモリに予め格納した後、
ビデオ信号の出力を開始する方法もあるが、これは印刷
のスループットを低下させる恐れがある。

【００４３】以下では、できるだけ印刷スループットを
低下させずに、正常な印刷を行う方法を説明する。

【００４４】［第一の方法］第一の方法は、ホストコン
ピュータ3000からプリンタ1000に圧縮ビットマップデー
タ転送を開始する前に、プリンタドライバ102によりプ
リンタ1000へ転送する一頁分の圧縮ビットマップデータ
のデータサイズを調べる。そして、プリンタドライバ10
2は、ビットマップデータの圧縮率、プリンタ1000から
得たプリンタ部の印刷速度、印刷解像度などから、圧縮
ビットマップデータの転送速度が、圧縮ビットマップデ
ータをビデオ信号に変換する速度に追い付くか否かを判
断し、その判断に応じた圧縮ビットマップデータの転送
方法を選択するものである。

【００４５】図5は第一の方法におけるプリンタドライ
バ102の処理例を示すフローチャートである。

【００４６】同図において、プリンタドライバ102は、
ステップS1で、一頁分の圧縮ビットマップデータのデー
タサイズを計算し、ステップS2で、計算したデータサイ
ズに基づき、プリンタ1000に対して印刷開始を指示する
前に圧縮ビットマップデータを転送する、所謂先送りを
行うか否かを判定する。つまり、プリンタドライバ102
は、圧縮ビットマップデータの転送速度が、圧縮ビット
マップデータをビデオ信号に変換する速度に追い付かな
いと判断した場合、先送りを行う。

【００４７】先送りの必要がなければステップS3で、プ
リンタ1000に対して印刷開始を指示した後、ステップS4
で圧縮ビットマップデータを送出し、処理を終了する。
一方、圧縮ビットマップデータを先送りする必要がある
場合はステップS5で、先送りする分の圧縮ビットマップ
データを送出し、ステップS6で、プリンタ1000に対して
印刷開始を指示し、ステップS7で、残りの圧縮ビットマ
ップデータの送出し、処理を終了する。

【００４８】［第二の方法］第二の方法は、ホストコン
ピュータ3000からプリンタ1000に圧縮ビットマップデー
タ転送を開始する前に、プリンタドライバ102によりプ
リンタ1000へ転送する一頁分の圧縮ビットマップデータ
のデータサイズを調べ、データサイズをプリンタコント
ローラ1001に通知する。プリンタコントローラ1001は、
通知されたデータサイズを基に、圧縮ビットマップデー
タの受信を開始してからビデオ信号の出力を開始するま
での時間を計算し、その時間分遅らせて印刷開始命令を
印刷部30に送る。

【００４９】図6は第二の方法におけるプリンタドライ
バ102の処理例を示すフローチャートである。

【００５０】同図において、プリンタドライバ102は、
ステップS11で、一頁分の圧縮ビットマップデータのデ
ータサイズを計算し、ステップS12で、計算したデータ
サイズをプリンタコントローラ1001へ送り、ステップS1
3で、印刷開始をプリンタコントローラ1001に指示し、
ステップS14で、圧縮ビットマップデータを送出し、処
理を終了する。

【００５１】図7は第二の方法におけるプリンタコント
ローラ1001の一頁分の印刷処理例を示すフローチャート
である。

【００５２】同図において、プリンタコントローラ1001
は、ステップS1において、ホストコンピュータ3000から
印刷開始を指示されるのを待つ。印刷開始が指示される
と、ステップS22で、既に受信した圧縮ビットマップデ
ータのデータサイズを調べる。ステップS23で、ホスト
コンピュータ3000から予め受信した一頁分の圧縮ビット
マップデータのデータサイズおよびステップS22で調べ
たデータサイズに基づき、印刷部30に対して印刷開始を
指示してよいか否かを判定する。つまり、プリンタコン
トローラ1001は、圧縮ビットマップデータの転送速度
が、圧縮ビットマップデータをビデオ信号に変換する速
度に追い付かないと判断した場合、印刷開始を印刷部30
へ指示するのを遅らせる。

【００５３】もし、印刷開始を待つ場合はその待ち時間
を計算し、ステップS24でその待ち時間分待った後、ス
テップS25に進む。そして、ステップS25で、印刷部30へ
印刷開始を指示した後、ステップS26で、印刷部30がビ
デオ信号を受信できるようになるのを待った後、ステッ
プS27で、一頁分のビデオ信号を印刷部30へ送出する。

【００５４】［第三の方法］第三の方法は、プリンタコ
ントローラ1001のCPU22は、圧縮ビットマップデータの
受信を開始してから、ビデオ信号の出力を開始するまで
の時間を管理し、所定時間、圧縮ビットマップデータを
受信した後、印刷部30に対して印刷開始を指示する。

【００５５】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、ビットマップデータの圧縮率が低い場合、プリンタ
部の印刷速度が速い場合、印刷解像度が高い場合などで
も、圧縮ビットマップデータの転送速度が、圧縮ビット
マップデータをビデオ信号に変換する速度に追いつかな
いという問題を防ぎ、一頁の印刷中にビデオ信号を途切
らせることなく、ページプリンタにおいても正常に印刷
することができる。さらに、印刷のスループットを低下
させることも防ぐことができる。

【００５６】

【他の実施形態】なお、本発明は、複数の機器（例えば
ホストコンピュータ，インタフェイス機器，リーダ，プ
リンタなど）から構成されるシステムに適用しても、一
つの機器からなる装置（例えば、複写機，ファクシミリ
装置など）に適用してもよい。

【００５７】また、本発明の目的は、前述した実施形態
の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記
録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そ
のシステムあるいは装置のコンピュータ（またはCPUやM
PU）が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し
実行することによっても、達成されることは言うまでも
ない。この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコ
ード自体が前述した実施形態の機能を実現することにな
り、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明
を構成することになる。プログラムコードを供給するた
めの記憶媒体としては、例えば、フロッピディスク，ハ
ードディスク，光ディスク，光磁気ディスク，CD-ROM，
CD-R，磁気テープ，不揮発性のメモリカード，ROMなど
を用いることができる。

【００５８】また、コンピュータが読出したプログラム
コードを実行することにより、前述した実施形態の機能
が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示
に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS（オペレー
ティングシステム）などが実際の処理の一部または全部
を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実
現される場合も含まれることは言うまでもない。

【００５９】さらに、記憶媒体から読出されたプログラ
ムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カード
やコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わる
メモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に
基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わ
るCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その
処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合
も含まれることは言うまでもない。

【００６０】本発明を上記記憶媒体に適用する場合、そ
の記憶媒体には、先に説明したフローチャートに対応す
るプログラムコードを格納することになるが、簡単に説
明すると、図8のメモリマップ例に示す各モジュールを
記憶媒体に格納することになる。すなわち、少なくとも
「圧縮データサイズ計算」「出力方法決定」および「デ
ータ圧縮出力」の各モジュール、または、少なくとも
「データ入力」「圧縮データ格納」「出力方法決定」お
よび「データ伸長出力」の各モジュールのプログラムコ
ードを記憶媒体に格納すればよい。

【００６１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
圧縮ビットマップデータの圧縮率が低い、印刷速度が速
い、印刷解像度が高いなどの場合は先送処理が実行さ
れ、印刷が途中で切れるなどの問題を防ぐことができ
る。従って、例えば、プリンタにおいて圧縮ビットマッ
プデータをすべてバッファした後、伸長し、ビデオ信号
へ変換するといった構成を取らずに済み、印刷スループ
ットを低下させることなく正常な印刷を行うことができ
るので、総合的な印刷処理速度の向上を達成することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】ホストコンピュータとプリンタの間における印
刷処理を説明するための図、

【図２】新しいプリンタ制御システムにおける印刷処理
を説明するための図、

【図３】本発明を適用するのに好適なレーザビームプリ
ンタの構成例を示す図、

【図４】本発明にかかる一実施形態のプリンタ制御シス
テムの構成例を示すブロック図、

【図５】第一の方法におけるプリンタドライバの処理例
を示すフローチャート、

【図６】第二の方法におけるプリンタドライバの処理例
を示すフローチャート、

【図７】第二の方法におけるプリンタコントローラの一
頁分の印刷処理例を示すフローチャートである。

【図８】本発明にかかるプログラムコードを格納した記
憶媒体のメモリマップ例を示す図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G06F 3/12 B41J 5/00 H04N 1/00

Claims (9)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 プリンタ、および、前記プリンタで印刷
   すべき印刷データを生成するプリンタドライバを備える
   ホストコンピュータを有するプリンタ制御システムであ
   って、前記ホストコンピュータは、 前記プリンタドライバにより生成されたビットマップデ
   ータを圧縮ビットマップデータに圧縮する圧縮手段と、 前記圧縮ビットマップデータのデータサイズを計算する
   計算手段と、 前記圧縮ビットマップデータのデータサイズに基づく圧
   縮率、並びに、前記プリンタの印刷速度および印刷解像
   度に基づき、前記プリンタに対して印刷開始を指示する
   前に、前記圧縮ビットマップデータを前記プリンタに転
   送する先送処理が必要か否かを判断する判断手段と、 前記先送処理が必要と判断される場合は前記圧縮ビット
   マップデータを前記プリンタに出力した後、前記印刷開
   始を指示し、一方、前記先送処理が不要と判断される場
   合は前記印刷開始を指示し、前記圧縮ビットマップデー
   タを前記プリンタに出力する制御手段とを備え、前記プ
   リンタは、 前記ホストコンピュータから圧縮ビットマップデータを
   受信する受信手段と、 前記受信手段により受信した圧縮ビットマップデータを
   伸長する伸長手段と、 前記伸長手段により伸長したビットマップデータに基づ
   く印刷を行う印刷手段とを備えることを特徴とするプリ
   ンタ制御システム。
2. 【請求項２】 前記判断手段は、前記圧縮ビットマップ
   データのデータサイズに基づく圧縮率、並びに、前記プ
   リンタの印刷速度および印刷解像度に基づき、前記圧縮
   ビットマップデータの転送速度が、前記プリンタが前記
   圧縮ビットマップデータをビデオ信号に変換する速度に
   追い付くか否かを判定して、前記先送処理が必要か否か
   を判断することを特徴とする請求項1に記載されたプリ
   ンタ制御システム。
3. 【請求項３】 プリンタで印刷すべき印刷データを生成
   するプリンタドライバを備えるホストコンピュータとし
   てのプリンタ制御装置であって、 プリンタドライバにより生成されたビットマップデータ
   を圧縮ビットマップデータに圧縮する圧縮手段と、 前記圧縮ビットマップデータのデータサイズを計算する
   計算手段と、 前記圧縮ビットマップデータのデータサイズに基づく圧
   縮率、並びに、前記プリンタの印刷速度および印刷解像
   度に基づき、前記プリンタに対して印刷開始を指示する
   前に、前記圧縮ビットマップデータを前記プリンタに転
   送する先送処理が必要か否かを判断する判断手段と、 前記先送処理が必要と判断される場合は前記圧縮ビット
   マップデータを前記プリンタに出力した後、前記印刷開
   始を指示し、一方、前記先送処理が不要と判断される場
   合は前記印刷開始を指示し、前記圧縮ビットマップデー
   タを前記プリンタに出力する制御手段とを有することを
   特徴とするプリンタ制御装置。
4. 【請求項４】 前記判断手段は、前記圧縮ビットマップ
   データのデータサイズに基づく圧縮率、並びに、前記プ
   リンタの印刷速度および印刷解像度に基づき、前記圧縮
   ビットマップデータの転送速度が、前記プリンタが前記
   圧縮ビットマップデータをビデオ信号に変換する速度に
   追い付くか否かを判定して、前記先送処理が必要か否か
   を判断することを特徴とする請求項3に記載されたプリ
   ンタ制御装置。
5. 【請求項５】 プリンタ、および、前記プリンタで印刷
   すべき印刷データを生成するプリンタドライバを備える
   ホストコンピュータを有するシステムの制御方法であっ
   て、前記ホストコンピュータは、 前記プリンタドライバにより生成されたビットマップデ
   ータを圧縮ビットマップデータに圧縮し、 前記圧縮ビットマップデータのデータサイズを計算し、 前記圧縮ビットマップデータのデータサイズに基づく圧
   縮率、並びに、前記プリンタの印刷速度および印刷解像
   度に基づき、前記プリンタに対して印刷開始を指示する
   前に、前記圧縮ビットマップデータを前記プリンタに転
   送する先送処理が必要か否かを判断し、 前記先送処理が必要と判断される場合は前記圧縮ビット
   マップデータを前記プリンタに出力した後、前記印刷開
   始を指示し、一方、前記先送処理が不要と判断される場
   合は前記印刷開始を指示し、前記圧縮ビットマップデー
   タを前記プリンタに出力する各ステップを備え、前記プ
   リンタは、 前記ホストコンピュータから圧縮ビットマップデータを
   受信し、 受信した圧縮ビットマップデータを伸長し、 伸長したビットマップデータに基づく印刷を行う各ステ
   ップを備えることを特徴とする制御方法。
6. 【請求項６】 前記圧縮ビットマップデータのデータサ
   イズに基づく圧縮率、並びに、前記プリンタの印刷速度
   および印刷解像度に基づき、前記圧縮ビットマップデー
   タの転送速度が、前記プリンタが前記圧縮ビットマップ
   データをビデオ信号に変換する速度に追い付くか否かを
   判定して、前記先送処理が必要か否かを判断することを
   特徴とする請求項5に記載された制御方法。
7. 【請求項７】 プリンタで印刷すべき印刷データを生成
   するプリンタドライバを備えるホストコンピュータとし
   てのプリンタ制御装置の制御方法であって、 プリンタドライバにより生成されたビットマップデータ
   を圧縮ビットマップデータに圧縮し、 前記圧縮ビットマップデータのデータサイズを計算し、 前記圧縮ビットマップデータのデータサイズに基づく圧
   縮率、並びに、前記プリンタの印刷速度および印刷解像
   度に基づき、前記プリンタに対して印刷開始を指示する
   前に、前記圧縮ビットマップデータを前記プリンタに転
   送する先送処理が必要か否かを判断し、 前記先送処理が必要と判断される場合は前記圧縮ビット
   マップデータを前記プリンタに出力した後、前記印刷開
   始を指示し、一方、前記先送処理が不要と判断される場
   合は前記印刷開始を指示し、前記圧縮ビットマップデー
   タを前記プリンタに出力することを特徴とする制御方
   法。
8. 【請求項８】 前記圧縮ビットマップデータのデータサ
   イズに基づく圧縮率、並びに、前記プリンタの印刷速度
   および印刷解像度に基づき、前記圧縮ビットマップデー
   タの転送速度が、前記プリンタが前記圧縮ビットマップ
   データをビデオ信号に変換する速度に追い付くか否かを
   判定して、前記先送処理が必要か否かを判断することを
   特徴とする請求項7に記載された制御方法。
9. 【請求項９】 コンピュータ装置を制御して、請求項7
   または請求項8に記載された制御を実現するプログラム
   が記録されたことを特徴とする記録媒体。