JP3495123B2 - 光学的ヘッド装置 - Google Patents

光学的ヘッド装置

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JP3495123B2
JP3495123B2 JP02089395A JP2089395A JP3495123B2 JP 3495123 B2 JP3495123 B2 JP 3495123B2 JP 02089395 A JP02089395 A JP 02089395A JP 2089395 A JP2089395 A JP 2089395A JP 3495123 B2 JP3495123 B2 JP 3495123B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば光ディスク等の
光学的情報記録媒体から情報を記録/再生する光学的情
報記録/再生装置に係り、特にそれに用いられる光学的
ヘッド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスクに光ビームを照射し、その反
射光を検出して光ディスクに記録されている情報を再生
する技術は、CD(コンパクトディスク)、LD(レー
ザディスク)装置等として広く実用化されている。この
ような光ディスク再生装置では、半導体レーザなどの光
源から出射された光ビームを対物レンズにより光ディス
クの記録面に集束照射し、光ディスクからの反射光を光
検出器により検出することにより光ディスクに記録され
ている情報を再生する。
【0003】このような光ディスクにおいては、記録密
度の高密度化が図られており、従来の光ディスクとは規
格の異なる光ディスクが存在するようになってきた。例
えば、情報が記録される単位であるピットの大きさは、
現在は1ミクロン程度であるが、サブミクロン程度に縮
小される可能性が高い。
【0004】光ディスクの記録密度は、光ディスク上に
形成された情報記録用の微小なピットを読取るためにピ
ックアップ(光学的ヘッド)により光ディスク上に照射
される記録・再生用の光スポットの大きさによって決ま
る。
【0005】このスポットの径は、使用するレーザの波
長と、対物レンズの開口数( NA:Numerical Apertur
e) によって決まり、 スポット径=k×レーザ波長/NA で表わされる。kは定数である。
【0006】このため、小さなスポットを用いて、より
高密度の光ディスクを読取ろうとすると、レーザ波長の
短いものを用いるか、またはNAの大きなレンズを用い
る必要がある。
【0007】従来の情報記録・再生装置は、対物レンズ
を1つのみ有する構成であったため、高密度の光ディス
クを、従来の光ディスクに対応した対物レンズを備えた
ピックアップで読取ることはできなかった。
【0008】すなわち、高密度用のピックアップが、N
Aの大きな対物レンズを用いている場合は、対物レンズ
に対する光ディスクの傾きがあると、スポットの乱れが
大きくなるため、共通に用いることができない場合が多
い。これは、従来の規格では、光ディスクの反りなど
を、大きな値のものまで許容していたが、新しい光ディ
スクでは、反りの小さいものしか許容しないようになっ
ているため、反りの大きな光ディスクは読めないという
こと等による。
【0009】なお、スポットの乱れは、光ディスクの厚
さによって影響を受け、厚さの薄い光ディスクは、光デ
ィスクが傾いてもスポットの乱れが小さいことから、厚
さの薄い光ディスクを高密度の光ディスクの基板に用い
る例もある。
【0010】また、同一の光ディスクであっても、記録
時と再生時で、最適の対物レンズの仕様が異なる場合が
あるが、対物レンズを1つのみ有する構成であったた
め、これに対処できないといった問題があった。
【0011】また、基板厚みの異なるディスクも新たな
規格として誕生しており、新しい装置では従来規格のデ
ィスクの情報を記録または再生することがきなくなって
しまう危険性がある。
【0012】規格としてはディスク基板の厚さがある。
この種の光ディスクは、一般にピットなどの形で情報が
記録された透明基板(以下、ディスク基板という)上に
反射膜を形成し、その上に保護層を形成した構造を有す
る。光ビームは、透明基板側から記録面である反射膜に
照射される。この場合、ディスク基板の厚さによって再
生特性が変化する。図1(a)、(b)に対物レンズに
対して光ディスクが傾いた時の透過波面収差の変化を示
す。図1(a)はディスク基板の厚さが1.2mmのと
き、図1(b)は0.6mmのときである。これから、
同じ開口数の対物レンズであっても、ディスク基板が薄
い方がディスク傾きによる透過波面収差は小さく、記録
面上の集光スポットの集光特性がよいので、再生情報信
号の品位も高いものが得られることがわかる。このた
め、ディスク基板の厚さを薄くした光ディスクを使った
光ディスク装置が出現してきた。このようにディスク基
板の厚さが異なる光ディスクが存在するようになると、
当然これらを同一の装置で再生できるようにするという
要求が生じる。
【0013】このようなディスク基板の厚さの異なる複
数種の光ディスクに記録されている情報を良好に再生す
るために、光ディスクと対物レンズの間に平行に平板を
挿入するようにしたものが提案されている((1) 特開平
4−372734、(2) 特開平5−266492、(3)
特開昭62−66433)。これは平行平板の光学的厚
さと、光ディスクの光学的厚さの和が対物レンズの設計
上のレンズ負荷に等しくなるように、再生に供される光
ディスクに応じて厚さの異なる平行平板を光ディスクと
対物レンズとの間の光路中に挿入することにより、常に
透過波面収差の小さい状態で光ディスクから安定に情報
を再生できるようにしたものである。
【0014】このような平行平板を用いる装置では、平
板を光ディスクと対物レンズに対して傾きを生じないよ
うに平行に光路中に挿入することが重要であり、平行平
板の移動機構に高精度が要求されるという問題がある。
また、平行平板が光ディスクと対物レンズに対して傾く
とコマ収差が発生するので、平行平板の挿入により球面
収差が軽減されても集光スポットの形状は改善されな
い。しかも、対物レンズと光ディスクとの間隔(作動距
離)は僅かであり、この空間に平行平板を挿入すること
は甚だ困難であるという問題がある。
【0015】また、同様の目的で対物レンズと光源の間
に平行平板を挿入したり((4) 特開平5−24109
5)、あるいは補償レンズを挿入することにより、ディ
スク基板の厚さが種々異なる光ディスクから情報を良好
に再生できるようにしたものも提案されている((5) 特
開平5−54406、(6) 特開平5−205282、
(7) 特開平5−266511)。これは対物レンズの設
計上のレンズ負荷に対して光ディスクの厚さが異なると
きは、球面収差が発生して光ディスクの記録面に集光さ
れるべき光スポットの形状が大きくなり、正確に情報の
再生ができないため、対物レンズに入射する光ビームの
波面を操作して球面収差の発生を防ぎ、微小な光スポッ
トを形成して光ディスクから安定な情報の再生を達成す
るものである。
【0016】球面収差の発生を防ぐ手段として、(5) 特
開平5−54406では凹レンズのような波面補正レン
ズ(例えば凹レンズ)、(6) 特開平5−205282で
は例えば液晶材料からなる補償レンズ、(7) 特開平5−
266511では可変の空隙を持つ複数個のレンズ要素
からなる補正レンズがそれぞれ用いられている。
【0017】しかし、光ディスク装置では光ディスクの
反りに追従して対物レンズが光軸方向に移動することか
ら、このように対物レンズに入射する光ビームの波面を
加工して球面収差を相殺する方法では、光ディスクの反
りが大きいと対物レンズに入射する光ビームの曲率の変
化が無視できなくなり、十分に球面収差を相殺すること
ができない。
【0018】さらに、基板の厚さの異なる複数種類の光
ディスクに記録されている情報を良好に再生するため
に、基板の厚さの異なるそれぞれの光ディスクの対応し
た複数の光学的ヘッドを選択的に用いるようにしたもの
も提案されている((8) 特開昭4−95224)。具体
的には、それぞれの光学的ヘッドは光源である半導体レ
ーザと対物レンズおよび光検出器を備えている。また、
これらの光学的ヘッドを選択的に使用するために、選択
された光学的ヘッドを光ディスクの半径方向に沿って移
動させるためのヘッド移動機構がそれぞれの光学的ヘッ
ドに対応して設けられている。
【0019】しかし、このようにディスク基板の厚さに
対応して複数の光学的ヘッドとヘッド移動機構を備えた
構成では、光ディスク装置全体の構成が非常に複雑化
し、かつ大型化するという問題がある。すなわち、基板
の厚さが異なる複数の仕様の光ディスクからの情報再生
を同一の光ディスク装置で行うという本来のメリットが
損なわれる結果となってしまう。
【0020】一方、記録密度の異なる複数種の光ディス
クから情報を安定に再生するための手段として、焦点距
離を可変するようにしたものが提案されている((9) 特
開平5−54414)。これは液晶を封入したレンズの
曲率を電気的に制御して焦点距離を可変できるように構
成した液晶レンズを用い、光ディスクに記録されている
情報の密度が高いときは焦点距離を短くするようにし
て、異なる記録密度の光ディスクに対して常に安定に情
報の再生を達成する。レンズの口径は変化しないので、
焦点距離が短くなると開口数が大きくなり、光ディスク
の記録面に微小な光スポットを形成することができる。
【0021】この方法は、対物レンズの開口数(NA)
が比較的が小さい条件の下では実現の可能性があるが、
光ディスクでは微小光スポットに集光するために大きな
開口数の対物レンズ(例えば、CDではNA=0.4
5、LDではNA=0.55)を用いるため、透過波面
収差が小さい状態に液晶レンズの表面形状を変えること
は甚だ困難である。
【0022】このように、従来の情報記録・再生装置
は、対物レンズを1つのみ有する構成であったため、記
録密度、反りの許容量、基板の厚み等の相違など規格の
異なる複数の情報記録媒体を使おうとした場合、あるい
は、同一の情報記録媒体であっても、記録時と再生時
で、最適のレンズの仕様が異なる場合、これに対処でき
ないといった問題があった。
【0023】なお、それぞれの規格や仕様に適応した専
用の対物レンズを用いた専用のピックアップを複数個用
意して、切換えて使用することも考えられるが、このよ
うにした場合には、機構が複雑化し、装置が大型化する
ばかりでなく、コストが上がるため、実用化し得ないと
いう問題がある。
【0024】また、同一の光ディスク装置でディスク基
板の厚さの異なる複数種の光ディスクに記録されている
情報を良好に再生する技術として従来知られている方法
は、いずれも実用上問題がある。
【0025】すなわち、光ディスクと対物レンズの間に
平行平板を挿入するようにしたものでは、平行平板を光
ディスクと対物レンズに対して傾きを生じないように光
路中に挿入するために、平行平板の移動機構に高精度が
要求され、また平行平板が光ディスクと対物レンズに対
して傾くとコマ収差が発生し集光スポットの形状が劣化
し、さらに対物レンズと光ディスクとの間の僅から空間
に平行平板を挿入することは極めて難しいという問題が
あった。
【0026】また、対物レンズと光源の間に対物レンズ
に入射する光ビームの波面を操作して球面収差の発生を
防止するための平行平板や補償レンズを挿入する方法で
は、光ディスクの反りに追従して対物レンズが光軸方向
に移動することから、光ディスクの反りが大きいと対物
レンズに入射する光ビームの曲率の変化が無視できなく
なり、十分に球面収差を相殺することができないという
問題があった。
【0027】さらに、基板の厚さの異なるそれぞれの光
ディスクに対応して、半導体レーザと対物レンズおよび
光検出器を備えた複数の光学的ヘッドを設け、これらを
それぞれ専用のヘッド移動機構により光ディスクの半径
方向に沿って移動させて選択的に使用するものでは、複
数の光学的ヘッドおよびこれと同数のヘッド移動機構を
必要とすることから、装置全体の構成が非常に複雑化・
大型化するという問題があった。
【0028】一方、記録密度の異なる複数種の光ディス
クから安定に情報を再生するために、電気的制御により
焦点距離を可変できるように構成した液晶レンズのよう
な可変焦点レンズを用いるものでは、微小光スポットに
集光するために大きな開口数(NA)の対物レンズを用
いる場合、透過波面収差が小さい状態に液晶レンズの表
面形状を変えることは甚だ困難であるという問題があっ
た。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の光学
的ヘッド装置は単一の装置で異なる特性の記録媒体に対
処できないという欠点があった。
【0030】本発明は、上記事情に基づきなされたもの
で、その第1の目的は、小型、かつ、安価な構成であり
ながら、それぞれ対物レンズの仕様が異なる複数の情報
記録媒体に対して、少なくとも良好な再生を行えるよう
にした光学的ヘッドを提供するものである。
【0031】また、第2の目的とするところは、小型、
かつ、安価な構成でありながら、記録時と再生時で、そ
れぞれ対物レンズの仕様が異なる場合でも、良好な記
録、再生を行えるようにした光学的ヘッドを提供するも
のである。
【0032】
【課題を解決するための手段】本発明による一態様によ
る光学的ヘッド装置は、記録媒体の記録面に垂直な軸を
中心に回転可能な可動支持部材と、前記可動支持部材の
周囲に配置される複数の磁石と、前記可動支持部材に保
持され、前記磁石と共に複数の中立位置を有する磁気回
路を構成し、可動支持部材を中立位置に応じた所定角度
づつ回転させる複数のトラッキングコイルと、前記可動
支持部材に保持され、前記所定角度間隔で配置され、記
録媒体へ光を照射するための複数の対物レンズと、前記
可動支持部材の隣接するトラッキングコイルの間に保持
され、前記中立位置を決定するための複数の強磁性体部
材とを具備する。本発明による他の態様による光学的ヘ
ッド装置は、磁性体からなり記録媒体の記録面に垂直な
軸を中心に回転可能で、かつ記録媒体へ照射される光の
光軸方向にも移動可能である可動支持部材と、前記可動
支持部材の周囲に配置され、前記可動支持部材の強磁性
体とともに磁気回路を構成し、前記可動支持部材を回転
させる複数のトラッキングコイルと、前記可動支持部材
の周囲に配置され、前記可動支持部材の強磁性体ととも
に磁気回路を構成し、前記可動支持部材を光軸方向へ移
動させる複数のフォーカシングコイルと、前記可動支持
部材に保持され、前記所定角度間隔で配置され、記録媒
体へ光を照射するための複数の対物レンズとを具備し、
前記複数の対物レンズは開口数が異なる2つのレンズを
含み、開口数が大きい第1レンズは記録媒体に近接し
て、開口数が小さい第2レンズは記録媒体から離間して
前記可動支持部材に取り付けられ、第1、第2レンズの
取り付け高さの差Lは第2レンズの移動可能距離L2と
第1レンズの移動可能距離L1の差(L2−L1)以下
である。
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【作用】本発明による光学ヘッド装置によれば、複数の
対物レンズを選択的に使用可能に構成されているので、
例えば基板や保護層の厚さが異なる光ディスクにそれぞ
れ最適に製作した対物レンズを使うことにより、球面収
差の増大を防止できる。しかも、これら複数の対物レン
ズは同一の可動支持部材上に支持され、この可動支持部
材を制御することで一つの対物レンズを選択するため、
レンズアクチュエータが1つで済み、仕様の異なる光デ
ィスクに対してそれぞれ個別に対物レンズの仕様が異な
る光学ヘッドおよびそれを移動させるヘッド移動機構を
設ける構成に比べ、全体の構成が大幅に小型・簡略化さ
れる。
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】
【0094】
【0095】
【0096】
【0097】
【0098】
【0099】
【0100】
【実施例】以下、図面を参照して本発明による光学的ヘ
ッド装置の第1実施例を説明する。
【0101】[第1実施例]第1実施例について、図2
ないし図7を参照して説明する。
【0102】まず、図2ないし図4を参照して、情報記
録・再生装置としての本発明による光ディスク装置1の
主要部の構成について説明する。
【0103】光ディスク装置1は、情報記録媒体である
光ディスク10(一部のみを二点鎖線で示す)を保持し
て回転駆動するディスク駆動手段としてのスピンドルモ
ータ12(図3参照)を有する。
【0104】スピンドルモータ12により回転される光
ディスク10の下面側には、後述する種類の異なる複数
の(この場合は第1、第2からなる2つの)対物レンズ
14a,14b及びレーザ光ガイド手段としての立上ミ
ラー16(図4参照)等からなる移動光学系18等を搭
載し、光ディスク10の半径方向(矢印A方向)に直線
的に移動可能な光学ヘッドとしてのピックアップ20が
設けられている。
【0105】ピックアップ20の移動路の光ディスク1
0の径方向の延長線上には、図2に示すように、固定光
学ユニット22が設けられており、ピックアップ20に
搭載された移動光学系18との間においてレーザ光LB
を照射したり受けたりするようになっている。
【0106】固定光学ユニット22からピックアップ2
0の移動方向に沿ってピックアップ20に向けて照射さ
れたレーザ光LBは、移動光学系18を構成する立上ミ
ラー16により直角に立上げられ、対物レンズ14aも
しくは14bを通して光ディスク10の情報記録面10
aに集光される。また、情報記録面10aで反射された
レーザ光LBは、対物レンズ14aまたは14bを通過
した後、立上ミラー16により水平に曲げられて固定光
学ユニット22に送られ、情報の読取り処理が行われ
る。
【0107】固定光学ユニット22は、図3に示すよう
に、レーザ光LBを発生するレーザ光発生手段である半
導体レーザ24、半導体レーザ24で発生したレーザ光
LBをコリメートするコリメータレンズ26、レーザ光
LBを光ディスク10に向かうレーザ光LBと光ディス
ク10で反射された反射レーザ光とを分離する第1ビー
ムスプリッタ28、光ディスク10で反射された反射レ
ーザ光LBをフォーカス制御及び情報再生に利用される
第1ビームとトラッキング制御に利用される第2ビーム
に分割する第2ビームスプリッタ30、第1及び第2ビ
ームをそれぞれ集束させる第1及び第2集束レンズ32
及び34、及び、それぞれのビームを電気信号に変換す
る第1及び第2光検出器36及び38などを含んでい
る。
【0108】この様に構成された固定光学ユニット22
は、信号ケーブル40(図2参照)を介して制御手段で
ある制御部42に接続している。制御部42は、図示し
ない外部のホストシステム、例えば、ホストコンピュー
タなどから入力される情報に応じて記録信号を発生する
データ記録回路44、後述する対物レンズ切換手段46
に切換え信号を発生する対物レンズ切換回路48、固定
光学ユニット22を介して検出された検出信号から光デ
ィスク10に記録されている情報を再生する情報再生回
路50、対物レンズ14aまたは14bのトラッキング
を制御するためのトラッキング制御信号を発生するトラ
ッキング制御回路52、及び、対物レンズ14aまたは
14bのフォーカスを制御するためのフォーカス制御信
号を発生するフォーカス制御回路54などの回路を含ん
でいる。
【0109】半導体レーザ24から照射されたレーザ光
LBは、コリメータレンズ26を介して平行ビームに変
換され、第1ビームスプリッタ28で90°折り曲げら
れて、ピックアップ20の移動光学系18に入射され
る。すなわち、立上ミラー16を介して後述するように
選択された対物レンズ14aもしくは14bに入射され
る。対物レンズ14aまたは14bに入射されたレーザ
光LBは、対物レンズ14aまたは14bを介して集束
性が与えられ、光ディスク10の情報記録面10aに集
光され光スポットが形成される。
【0110】光ディスク装置1が再生状態である場合に
は、光ディスク10に導かれたレーザ光LBは、情報記
録面10aに記録されている情報、即ち微小のピット5
6の有無に応じて強度変調され、再び、対物レンズ14
aまたは14bに戻される。対物レンズ14aまたは1
4bに戻された反射レーザ光LBは、立上ミラー16を
介して固定光学ユニット22に導かれ、第1ビームスプ
リッタ28を通過され、第2ビームスプリッタ30で2
つに分割され、それぞれ、集束レンズ32及び34を介
して第1及び第2光検出器36及び38に結像される。
【0111】光検出器36及び38に導かれた反射レー
ザ光LBはそれぞれ電気信号に変換され、トラッキング
制御回路52及びフォーカス制御回路54に供給され
て、対物レンズ14aまたは14bのフォーカス制御及
びトラッキング制御に利用される。尚、光検出器38に
導かれた反射レーザ光LBは、情報再生回路50にも供
給され、光ディスク10に記録されている情報が再生さ
れ、再生結果が図示しないホストコンピュータなどに出
力される。
【0112】この場合、ピックアップ20は、光ディス
ク10の情報記録面10aの光スポットを照射すべきト
ラックの位置に応じて、光ディスク10の半径方向(矢
印A方向)に移動制御(トラッキング制御)されること
になる。
【0113】つぎに、光学ヘッドとしてのピックアップ
20の構成について、図3及び図4を参照して説明す
る。
【0114】ピックアップ20は、後述するリニアモー
タ74を駆動源として、トラッキング制御方向である光
ディスク10の半径方向(矢印A方向)に移動可能な移
動手段としてのキャリッジ60を有する。
【0115】キャリッジ60の両側部には、板ばねを介
して支持された2個を対とした複数の(ここでは2対
の)支持ローラ62…が設けられ、これら支持ローラ6
2…を、図2に示すように、光ディスク10の半径方向
に沿って水平かつ平行に配設された2本のガイドシャフ
ト64,64に転接させることで、光ディスク10の半
径方向(矢印A方向)に移動可能に支持されている。
【0116】さらに、キャリッジ60の両側部には、ラ
ジアルコイル66,66が取付けられており、これらラ
ジアルコイル66,66は、磁気回路の形成部材である
内ヨーク68,68に外嵌した状態となっている。ま
た、内ヨーク68,68は、外側に設けられた外ヨーク
70,70と接続した状態となっており、外ヨーク7
0,70の内側にはマグネット72がそれぞれ取着され
た状態となっており、リニアモータ74を構成してい
る。
【0117】ラジアルコイル66,66に電力を供給す
ることにより、推進力(ローレンツ力)が発生し、キャ
リッジ60をトラッキング制御方向に往復移動させるこ
とができるようになっている。
【0118】図4はキャリッジ60の要部の断面図であ
る。この図に示すように、キャリッジ60の上面には、
回転中心軸としての支軸80が突設されている。支軸8
0は、光ディスク10の回転中心軸、すなわち、スピン
ドルモータ12の駆動軸12a(図3参照)と平行な状
態となっている。
【0119】支軸80に回転中心孔82aを嵌合させた
状態で、レンズ保持部材としてのレンズアクチュエータ
82が矢印B方向に回転可能、かつ上下方向(矢印C方
向)に移動可能に取付けられている。
【0120】レンズアクチュエータ82は、上端側にレ
ンズ取付フランジ部84を有する円柱状を呈し、その中
心部には、回転中心孔82aが上下方向に貫通する状態
に設けられている。
【0121】レンズ取付フランジ部84には、光ディス
ク10の種類に適応した第1、第2対物レンズ14a,
14bが、レンズアクチュエータ82の回転中心軸であ
る支軸80に対して対称に配置された状態となってお
り、レンズアクチュエータ82を矢印B方向に回転させ
ることで、第1、第2対物レンズ14a,14bを選択
的にレーザ光LBの光路中に介在させることができるよ
うになっている。
【0122】レンズアクチュエータ82の下面及びキャ
リッジ60の上面には、互いに磁気的に反発しあう極
性、実施例においては相互対向面側がN極となるリング
状のマグネット86,88が設けられており、レンズア
クチュエータ82の自重を相殺し、小さな力で回転及び
上下動が行えるようになっている。
【0123】レンズアクチュエータ82の上下方向中間
部には、フォーカスコイル90が巻回されており、フォ
ーカスコイル90に対応して配置されたフォーカシング
用磁石92が図示しない保持部材を介してキャリッジ6
0に固定されている。そして、フォーカスコイル90に
電流を流すことでフォーカス制御方向(矢印C方向)に
移動させ、光ディスク10の反りなどによる上下振動に
追従することができるようになっている。
【0124】レンズアクチュエータ82の下端部には、
ラック94が形成されており、ラック94にピニオン9
6が噛合した状態となっている。ピニオン96は、キャ
リッジ60に取付けられた正逆回転可能なモータ98の
駆動軸に取付けられており、モータ98が駆動されるこ
とで、レンズアクチュエータ82を矢印B方向、及び矢
印B方向とは逆の方向に選択的に回転させる事ができる
ようになっている。これらがレンズ保持部材移動手段と
してのレンズアクチュエータ移動手段100を構成して
いる。
【0125】レンズアクチュエータ移動手段100によ
り、第1、第2対物レンズ14a,14bを選択的にレ
ーザ光LBの光路中に介在させることができるだけでな
く、回転する光ディスク10上のピット56列を追従す
るために、対物レンズ14aまたは14bを、光ディス
ク10上の記録ピット56列と直交する矢印D方向(図
5参照)に動かして大きなトラッキングエラーに追従す
るラジアル方向の動きを行なっている。
【0126】対物レンズ14a,14bは、レンズ取付
けフランジ部84に対して、それぞれ、トラッキングコ
イル112(図3参照)を備えたトラッキング制御機構
110を介して取付けられており、微小なトラッキング
エラーに追従することができるようになっている。
【0127】レンズ保持部材としてのレンズアクチュエ
ータ82と、上記のように構成されたレンズアクチュエ
ータ移動手段100とで、第1、第2対物レンズ14
a,14bを選択的にレーザ光LBの光路中に介在させ
るための対物レンズ切換手段46を構成している。フォ
ーカスコイル90、トラッキングコイル(図示しな
い)、レンズアクチュエータ移動手段100のモータ9
8に電力を供給するためのケ−ブル(図示しない)が接
続されている。
【0128】図5は、上述した本発明の情報記録・再生
装置である光ディスク装置1の基本構成を模式的に描い
たものである。なお、矢印Eは、光ディスク10の回転
方向を示す。
【0129】第1、第2対物レンズ14a,14bは、
記録密度、反りの許容量、基板の厚み等の相違など規格
の異なる複数(この実施例では2枚)の光ディスク10
a,10bの記録・再生に適したものとなっている。
【0130】例えば、光ディスク10が、基板102の
厚い光ディスク10aであった場合には、制御部42か
らの信号により図6に示すように、これに適する第1対
物レンズ14aが選択されてレーザ光LBの光路中に介
在されるように制御される。また、基板102の薄い光
ディスク10bであった場合には、図7に示すように、
これに適する第1対物レンズ14bが選択されてレーザ
光LBの光路中に介在されるように制御される。
【0131】なお、第1、第2対物レンズ14a,14
bを、記録密度、反りの許容量、基板の厚み等の相違な
ど規格の異なる複数(この実施例では2枚)の光ディス
ク10a,10bの処理に適したものとしたものについ
て説明したが、これに限らず、同一の光ディスク10に
対して記録時と再生時で、それぞれ対物レンズの仕様が
異なる場合には、第1対物レンズ14aを記録用、第2
対物レンズ14bを再生用として切換えて使用するよう
にしても良い。
【0132】また、対物レンズを2つ設けたものについ
て説明したが、これに限らず、3つあるいはそれ以上設
けて切換えるものであってもよく、要は複数設けて切換
える場合に有効である。
【0133】以上説明したように本実施例によれば、複
数の対物レンズの中から読取るべき信号を記憶した情報
記憶媒体の種類、あるいは記録/再生の処理に適応した
所定の対物レンズを選択して使用することができるた
め、小型、かつ、安価な構成でありながら、それぞれ対
物レンズの仕様が異なる複数の情報記憶媒体に対して、
良好な情報処理を行なうことができる。
【0134】すなわち、第1実施例においては、それぞ
れの規格や仕様に適応した専用の対物レンズを用いた専
用のピックアップを複数個用意して、光ディスクの特性
に応じてピックアップを切換えて使用するのではなく、
レンズアクチュエータ84の回動角を変えることによ
り、複数の対物レンズ14a,14bの中から当該光デ
ィスクの記録・再生に適した対物レンズを選択して使用
することができるため、小型、かつ、安価な構成であり
ながら、それぞれ対物レンズ14a,14bの仕様が異
なる複数の光ディスク10a,10bに対して、良好な
記録・再生を行なうことができるものである。
【0135】複数の対物レンズ14a,14bを、レン
ズアクチュエータ82の回転中心軸である支軸80に対
して対称に配置したから、両方の対物レンズ14a,1
4bの質量がバランスして、レンズアクチュエータ82
のバランスが取り易いという利点がある。レンズアクチ
ュエータ82を利用して対物レンズ14a,14bの切
換えを行うため、簡単に実施可能となる利点もある。
【0136】次に本発明の他の実施例を説明する。以下
の実施例で第1実施例と対応する部分は同一参照数字を
付して詳細な説明は省略する。
【0137】[第2実施例]図8〜図10を参照して、
本発明の第2実施例について説明する。なお、前述の第
1実施例と同一部分は同一の符号を付して重複説明を省
略する。
【0138】図8は、第2実施例の基本構成を模式的に
描いたもので、図9及び図10はそれぞれ、光ディスク
10a,10bの種類に応じて対物レンズ14a,14
bを切換えた状態を示す。
【0139】これらの図から明らかなように、第1実施
例とは異なり、第2実施例は、複数の対物レンズ14
a,14bを回転軸を中心に左右対称に設けたのではな
く、互いに近接する位置に配置したものとなっている。
そのため、ラックやピニオンを使用しないで、レンズア
クチュエータ82に取付けられたトラッキングコイル4
5とマグネット47からなり、光ディスク10上の記録
ピット56列と直交する矢印D方向に動かしてトラッキ
ングエラーに追従させるトラッキング機構115を利用
して対物レンズ14a,14bの切換えを行う対物レン
ズ切換手段460を備えたものとなっている。
【0140】このように、第2実施例においては、第1
実施例と同様に、小型、かつ、安価な構成でありなが
ら、それぞれ対物レンズ14a,14bの仕様が異なる
複数の光ディスク10a,10bに対して、良好な記録
・再生を行なうことができるものである。
【0141】さらに、複数の対物レンズ14a,14b
を、互いに近接する位置に配置したため、対物レンズ1
4a,14bの切換えを容易、かつ短時間に行える。
【0142】また、レンズアクチュエータ82を利用し
て対物レンズ14a,14bの切換えを行うと共に、ト
ラッキング機構115を対物レンズ14a,14bの切
換手段として利用可能となるため、機構が簡単ですむと
いう利点もある。
【0143】なお、第2実施例においても、第1実施例
と同様に、第1,第2対物レンズ14a,14bを、記
録密度、反りの許容量、基板の厚み等の相違など規格の
異なる複数の光ディスク10a,10bの処理に適応し
たものに限らず、同一の光ディスク10に対して記録時
と再生時で、それぞれ対物レンズの仕様が異なる場合に
おいて、第1対物レンズ14aを記録用、第2対物レン
ズ14bを再生用として切換えて使用するようにしても
良いし、対物レンズの数を3つ以上としてもよいことは
勿論である。
【0144】[第3実施例]図11〜図13を参照し
て、本発明の第3実施例について説明する。なお、前述
の第1実施例と同一部分は同一の符号を付して重複説明
を省略する。
【0145】第3実施例は、前述の回転型のレンズアク
チュエータ82に替えてアーム型のレンズアクチュエー
タ820を備えた光学ヘッドとしてのピックアップ20
0を備えたものとなっている。
【0146】レンズアクチュエータ820は、キャリッ
ジ60に突設された支軸800を回転中心軸として矢印
G方向(図12,図13参照)にのみ回動可能な支持部
材120と、対物レンズ14a,14bを保持したレン
ズ保持部材としてのレンズホルダ121と、レンズホル
ダ121と支持部材120とを連結し、レンズホルダ1
21をフォーカス制御方向に移動可能に支持する平行板
ばね122とを有した構成となっている。
【0147】対物レンズ切換手段460によりレンズア
クチュエータ820を支軸800を回転中心軸として回
動させることで、例えば、光ディスク10が、基板10
2の厚い光ディスク10aであった場合には、図12に
示すように、これに適する第1対物レンズ14aが選択
されてレーザ光LBの光路中に介在されるように制御さ
れる。また、基板102の薄い光ディスク10bであっ
た場合には、図13に示すように、これに適する第1対
物レンズ14bが選択されてレーザ光LBの光路中に介
在されるように制御されるようになっている。
【0148】対物レンズ切換手段460は、支持部材1
20に取付けられた磁石124と、磁石124の近傍に
配置された電磁石126と、電磁石126の両極部の極
性を電流の流れる方向を変えて切換える極性切換え手段
128とからなる。
【0149】第3実施例によれば、記憶媒体の回転中心
軸と平行な回転中心軸を中心として回転可能、かつ対物
レンズが情報記憶媒体に対して接離する方向に移動可能
に設けられたレンズアクチュエータの回転角を変えるこ
とにより、複数の対物レンズの中から情報処理に適した
所定の対物レンズを選択して使用することができるた
め、小型、かつ、安価な構成でありながら、それぞれ対
物レンズの仕様が異なる複数の情報記憶媒体に対して、
あるいは、記録時と再生時で、それぞれ対物レンズの仕
様が異なる場合でも、良好な情報処理を行なうことが可
能となると共に、レンズアクチュエータを利用するため
簡単に実施可能となる。
【0150】なお、第3実施例においても、第1実施例
と同様に、第1,第2対物レンズ14a,14bを、記
録密度、反りの許容量、基板の厚み等の相違など規格の
異なる複数の光ディスク10a,10bの処理に適応し
たものに限らず、同一の光ディスク10に対して記録時
と再生時で、それぞれ対物レンズの仕様が異なる場合に
おいて、第1対物レンズ14aを記録用、第2対物レン
ズ14bを再生用として切換えて使用するようにしても
良いし、対物レンズの数を3つ以上としてもよいことは
勿論である。
【0151】図14は、第1〜第3実施例において、第
1,第2対物レンズ14a,14bの実装時の状態を模
式的に描いた図である。第1,第2対物レンズ14a,
14bと光ディスク10a,10bとの間の距離、すな
わち、ワーキングデスタンスHが一定になるように、対
物レンズ14a,14bの焦点距離を設定したものとな
っている。
【0152】すなわち、例えばCD用等の基板102の
厚みT1が1. 2mmの光ディスク10aに対して開口
数(NA)が0. 45の対物レンズ14aと、基板10
2の厚みT2が0. 6mmの光ディスク10bに対して
対物レンズの開口数NAが0. 6の対物レンズ14bと
を使用する場合、対物レンズ14aの焦点距離をf=
2. 8mmに設定し、対物レンズ14bの焦点距離をf
=2. 4mmに設定することになる。
【0153】このように、ワーキングデスタンスHが一
定になるようにすると、サ−ボなどが簡単になると同時
に、光ディスク10a,10bと対物レンズ14a,1
4bとの衝突等の事故の防止にも役立ち、実際、設計す
る上において、極めて重要なものとなる。
【0154】なお、図14において103は、情報記録
面104を形成するトラッキングガイド付きの情報記録
層を示す。
【0155】[第4実施例]図15〜図18を参照して
本発明の対物レンズ駆動の第4実施例を説明する。図1
5は対物レンズ駆動装置の平面図、図16は図15中の
A−A’線に沿った対物レンズ駆動装置の断面および光
学処理系を示す図、図17は図15中のB−B’線に沿
った対物レンズ駆動装置の断面図、図18は光学系およ
び信号処理系を示す図である。
【0156】情報の記録再生に供されるディスク101
(光ディスク,光磁気ディスクなど)は、ベース102
に固定されたスピンドルモータ103に対してマグネッ
トチャック等のチャッキング手段により保持されてお
り、記録再生時にはスピンドルモータ103によって安
定に回転駆動される。
【0157】ディスク101の下部には近接した位置に
可動体104が配置されている。可動体104は、第1
可動体105と第2可動体106とからなっており、後
述するように、ディスク101の径方向および厚み方向
に移動可能に支持されている。
【0158】第1可動体105は、ディスク101面に
対向する略楕円形をなす平板状のブレード105aと、
ブレード105a下部に固定される筒状のコイルボビン
105bとからなる。また、これらブレード105aお
よびコイルボビン105bの中心には滑り軸受105c
が設けられている。
【0159】滑り軸受105cには、一端を第2可動体
106に固定し立設された回転軸107が微小隙間(1
0ミクロン以下)を介して挿入嵌合され、滑り軸受機構
(軸摺動機構)を構成している。そして、第1可動体1
05はこの回転軸107回りの回転運動および軸方向へ
の並進運動が可能となっている。
【0160】ブレード105a上には複数の、ここでは
2個の対物レンズ108a,108bが離間して固定さ
れている。これらの対物レンズ108a,108bは光
学的な特性が異なるもの(例えば対物レンズ108aの
開口数(NA)は0. 45で、対物レンズ108bの開
口数は0. 6)が選択されている。これら2個の対物レ
ンズ108a,108bの取り付け位置は、第1可動体
105の全質量の重心が回転軸107にほぼ一致する位
置となるように、回転軸107を通過する直径上に中心
軸から等距離に配置されている。すなわち、第1可動体
105は、2個の対物レンズ108a,108bによっ
て回転軸107に対し重量バランスのとれた構造となっ
ている。
【0161】コイルボビン105bの周囲にはフォーカ
スコイル109が巻装されている。フォーカスコイル1
09の周囲には、平面的に巻装された矩形状の2枚のト
ラッキングコイル200a,200bが、それぞれ所定
間隔で貼設されている。フォーカスコイル109および
トラッキングコイル200a,200bの周囲であり第
2可動体106上には、ちょうど回転軸107に対して
対称な位置関係に、永久磁石110a,110bおよび
ヨーク111a,111bからなる磁気回路112a,
112bが設けられ、所定長さの磁気ギャップを介して
フォーカスコイル109およびトラッキングコイル20
0a,200bと対向配置されており、フォーカスコイ
ル109およびトラッキングコイル200a,200b
に対して磁界が付与されている。なお、2つの磁気回路
112a,112bは同一構造をなしており、永久磁石
110a,110bの着磁の向きは磁気ギャップの厚み
方向と一致している。
【0162】フォーカスコイル109が通電されるとと
もに磁気回路112a,112bから磁束を受けること
によりローレンツ力が発生し、第1可動体105はディ
スク101の厚み方向(回転軸107の軸方向)に向か
って微かに並進駆動される。また、トラッキングコイル
200a,200bが通電されるとともに磁気回路11
2a,112bから磁束を受けることによりローレンツ
力が発生し、第1可動体105はディスク101の径方
向(回転軸107回り)に向かって微かに回転駆動され
る。
【0163】コイルボビン105bの周囲の180°離
間した位置でトラッキングコイル200a,200b上
には、鉄片などからなる2枚の磁性体201a,201
bが設けられている。磁性体201a,201bは、2
個の対物レンズ108a,108bと90°離間した位
置に回転軸107に対して対称な関係に貼設されてい
る。一方の対物レンズ108が光路124(後述する)
内にある時には、これら磁性体201a,201bはち
ょうど磁気回路112a,112bの磁気ギャップに対
向配置される。
【0164】一方、第2可動体106は前述したよう
に、回転軸107を介して第1可動体105と接続して
いる。第2可動体106の両端部には、ちょうど第2可
動体106の重心位置から等しい距離に一対のラジアル
コイル113a,113bが取り付けられている。ラジ
アルコイル113a,113bには、ベース102に固
定されたラジアル磁気回路114a,114bから磁界
が付与されている。
【0165】ラジアル磁気回路114a,114bは、
バックヨーク115a,115bとセンターヨーク11
6a,116bと、永久磁石117a,117bとから
なり、ラジアルコイル113a,113bはセンターヨ
ーク116a,116bと永久磁石117a,117b
とで規定される磁気ギャップ内に移動可能に挿通されて
いる。なお、2つのラジアル磁気回路114a,114
bは同一構造をなしており、永久磁石117a,117
bの着磁の向きは磁気ギャップの厚み方向と一致してい
る。
【0166】第2可動体106の左右には2対4個の滑
り軸受119a,119bが設けられ、これら滑り軸受
に挿通される関係に2本のガイドレール118a,11
8bが平行配置されている。なお、ガイドレール118
a,118bの両端はベース102に固定されている。
第2可動体106はこれらガイドレール118a,11
8bに沿って移動可能に支持されている。
【0167】ラジアルコイル113a,113bが通電
されるとともにラジアル磁気回路114a,114bか
ら磁束を受けることによりローレンツ力が発生し、第2
可動体106はディスク101の径方向に向かって並進
駆動される。
【0168】ラジアル磁気回路114a,114bの磁
気ギャップ幅は、第2可動体106がガイドレール11
8a,118bの長手方向に必要な距離だけ移動できる
ように、換言すれば対物レンズ108a,108bをデ
ィスク101の最外周から最内周までラジアル方向に移
動できるように、同方向に十分に長く形成されている。
【0169】装置の光学系および信号処理系について、
図16および図18を参照して説明する。
【0170】ディスク101に照射するためのレーザ光
は、可動体104下部に固定されて可動体104と一体
的に移動可能な光学ユニット120で生成される。光学
ユニット120内の半導体レーザ121から照射された
レーザ光LBは、コリメートレンズ122を介して平行
ビームに変換され、第1ビームスプリッタ123aで9
0°折り曲げられ、ディスク101の径方向から第2可
動体106内に導かれる。第2可動体106の底部には
このレーザ光LBを導入する光路(具体的には空間)1
41が設けられており、レーザ光LBはこの光路141
内を通り対物レンズ108(108aまたは108b)
に入射される。対物レンズ108に入射されたレーザ光
LBには所定の集束性が与えられ、ディスク101の情
報記憶面に集光される。
【0171】ここで、システムが情報再生状態である場
合には、ディスク101に導かれたレーザ光LBは、情
報記憶面に記録されている情報、すなわち微小ピットの
有無に応じて強度変調され、再び対物レンズ108に戻
される。対物レンズ108に戻された反射レーザ光LB
は、光路141内を通り再び固定光学ユニット120に
導かれる。そして、第1ビームスプリッタ123aを通
過し、第2ビームスプリッタ123bで2つの経路に分
割され、それぞれ集束レンズ124a,124bを介し
て第1光検出器125aおよび第2光検出器125bに
結像される。
【0172】光検出器125a,125bに導かれた反
射レーザ光LBはそれぞれ電気信号に変換され、制御部
126内に設けられたトラッキング制御回路127およ
びフォーカス制御回路128に供給される。トラッキン
グ制御回路127およびフォーカス制御回路128で生
成された信号は、対物レンズ108(108a,108
b)のフォーカスオフセット信号,トラッキングオフセ
ット信号としてフォーカス方向制御およびトラッキング
方向制御に利用される。
【0173】フォーカスオフセット信号,トラッキング
オフセット信号を用いることにより対物レンズ108の
フォーカス方向の位置ズレ(焦点ズレ)が検出され、こ
の位置ズレを補正するようにフォーカスコイル109に
与える電流値が制御される。また、トラッキングオフセ
ット信号を用いることにより対物レンズ108のトラッ
キング方向の位置ズレが検出され、この位置ズレを補正
するようにトラッキングコイル100a,100bに与
える電流値が制御される。
【0174】光検出器125bに導かれた反射レーザ光
LBは情報再生回路129にも供給される。この情報は
ディスク101に記録されている各種情報であり、図示
しないホストシステム(例えばパーソナルコンピュータ
など)に送られてディスプレイから文字や静止画,動画
として、またスピーカから音楽や音声として出力され
る。この場合、第2可動体106は、ディスク101の
情報記憶面のトラックに追従して、ディスク101の径
方向に大駆動または微小駆動により移動制御されること
になる。
【0175】制御部126内には、図示しない外部ホス
トシステム(例えばパーソナルコンピュータなど)から
入力される情報に応じて記録信号を発生する記録信号発
生回路130と、対物レンズ108a,108bの一方
を前述したレーザ光LBの光路124内に配置すべく第
1可動体105を回転制御するための信号を発生する対
物レンズ切り替え回路131を含んでいる。
【0176】次に、2個の対物レンズ108a,108
bの切り替えについて説明する。
【0177】本発明の装置において利用することが可能
なディスク101は、従来のように1種類のディスクに
は限定されず、ディスク記録密度,反りの許容量,ディ
スク基板の厚み等の相違など規格の異なる複数個のディ
スクを利用することができる。例えばCD−ROMディ
スクのみならずMOディスクやPCディスクなども利用
することが可能である。そして、2個の対物レンズ10
8a,108bは、利用可能なディスクの処理に適応し
たものが用意されている。さらに、対物レンズ108
a,108bは記録/再生処理毎に切り換えてもよい。
【0178】例えば、レーザ光LBのスポット径を小さ
くする必要のあるディスクを使用する場合には開口数
(NA)の大きな対物レンズが選択され、またレーザ光
LBのスポット径を大きくする必要のあるディスクを使
用する場合には開口数(NA)の小さな対物レンズが選
択される。
【0179】装置の使用者が目的のディスク101をス
ピンドルモータ103上に載置し、ホストシステム(例
えばパーソナルコンピュータなど)からそのディスク1
01の種類(例えばCD−ROMディスク,PCディス
クなど、規格の異なるディスクとしての情報)を入力す
る。この入力信号は対物レンズ切り替え回路131に送
られ、レーザ光LBの光路141上に対応する対物レン
ズ108を移動するように制御を行う。
【0180】載置されたディスク101に対応する対物
レンズ108がすでに光路141上に存在する場合に
は、第1可動体105を大きく移動させる必要はない。
しかし、必要な対物レンズ108が回転軸107を中心
に180°離れた位置にある場合には、トラッキングコ
イル200a,200bに対して瞬間的に大電流が付与
される。
【0181】この際に付与される電流は、第1可動体1
05を微小駆動制御するためのものとは異なり、第1可
動体105を大きな加速度で短時間に光路141上に導
くために必要な電流値が供給される。
【0182】第1可動体105が回転加速し、所定の対
物レンズ108が光路141上に到達すると、ちょうど
磁気回路112a,112bの磁気ギャップに対向する
位置には磁性体201a,201bが到達する。ここ
で、磁性体201a,201bが磁気回路112a,1
12bと対向する状態においては、磁性体201a,2
01bが磁気回路112a,112bから最も大きな磁
気吸引力を受けることになる。そのため、トラッキング
コイル200a,200bに対して瞬間的に大電流を付
与してしまえば、特に減速停止のための特別な電流を付
与することなく、第1可動体105は対物レンズ108
が光路124内に到達した時点で確実に減速停止し位置
決めされる。
【0183】このように動作する本発明の対物レンズ駆
動装置によれば、2個の対物レンズをディスクの規格や
仕様に応じて切り替えて使用することができるため、デ
ィスクの規格や仕様に適応した専用の(別個)対物レン
ズ駆動装置を複数台用意する必要がなくなる。したがっ
て、1台のみで各種情報を良好に取り扱うことのできる
対物レンズ駆動装置が提供される。
【0184】また、複数の磁気回路および磁性体を利用
しているため、第1可動体に作用する磁気吸引力がバラ
ンスしやすくなっている。そのため、回転軸107
(?)に対して滑り軸受119a,119bが押し付け
られることがなくなり、第1可動体105と回転軸10
7との摩擦力、いわゆる「こじれ」を極力低減すること
ができ、第1可動体の回転運動および並進運動がスムー
ズに行われる。
【0185】また、第1可動体の重心を回転軸にほぼ一
致させるように対物レンズどうしの位置決めを行ってい
るため、上記と同様に、いわゆる「こじれ」を極力低減
することができる。
【0186】なお、これら対物レンズを回転軸に対して
対称に配置したり、あるいは回転軸のまわりに等間隔に
配置しても、上記と同等の効果を期待することができ
る。
【0187】[第5実施例]次に、図19を参照して本
発明の対物レンズ駆動の第5実施例を説明する。なお、
以下の各実施例においては、第1実施例と同一構成要素
には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0188】本実施例の特徴点は、第1可動体に搭載さ
れる対物レンズの数が3個に増えている点にある。すな
わち、第1可動体105のブレード105aは、回転軸
107に対して120°離間した3箇所に突部を有する
形状をなしており、これら突部にそれぞれ対物レンズ1
08a,108b,108cが固定配置されている。第
2可動体106には、やはり回転軸107に対して対称
な関係に3個の磁気回路112a,112b,112c
が固定されている。対物レンズ108a,108b,1
08cおよび磁気回路112a,112b,112c
は、回転軸107を中心とした同一円周上に等間隔に配
置されている。さらにコイルボビン105bには、3枚
のトラッキングコイル200a,200b,200c
と、鉄片などからなる3枚の磁性体201a,201
b,201cが、それぞれ等間隔に貼設されている。
(なお、磁性体201a,201b,201cは図17
のような状態に貼設されている。) なお、第1可動体105をフォーカス方向およびラジア
ル方向に移動可能に支持するための基本構造は、第4実
施例と同じ滑り軸受機構を採用している。また、第2可
動体106の構造および動作については第4実施例と同
じであるため、ここでは図示および説明を説明する。
【0189】このような構成の本実施例によれば、フォ
ーカスコイル109及びトラッキングコイル200a,
200b,200cに磁界を付与する磁気ギャップは、
対物レンズ108a,108b,108cと同じ数だけ
存在し、磁気ギャップも回転軸107を中心とした同一
円周上に等間隔に位置することになる。第1可動体10
5の中立位置を定める磁性体201a,201b,20
1cが対物レンズ108a,108b,108cと同数
だけ取り付けられるため、上述の第4実施例と同様の制
御方法により所定の対物レンズ108a,108b,1
08cを光路141上に確実に位置決めすることができ
る。
【0190】したがって、本実施例の対物レンズ駆動装
置であっても、3個の対物レンズをディスクの規格や仕
様に応じて切り替えて使用することができるため、ディ
スクの規格や仕様に適応した専用の(別個の)対物レン
ズ駆動装置を複数台用意する必要がなくなる。したがっ
て、1台のみで各種情報を良好に取り扱うことのできる
対物レンズ駆動装置が提供される。
【0191】また、複数の磁気回路および磁性体を利用
しているため、第1可動体に作用する磁気吸引力がバラ
ンスしやすくなっている。そのため、回転軸に対して滑
り軸受が押し付けられることがなくなり、第1可動体と
回転軸との摩擦力、いわゆる「こじれ」を極力低減する
ことができ、第1可動体の回転運動および並進運動がス
ムーズに行われる。
【0192】また、第1可動体の重心を回転軸にほぼ一
致させるように対物レンズどうしの位置決めを行ってい
るため、上記と同様に、いわゆる「こじれ」を極力低減
することができる。
【0193】なお、これら対物レンズを回転軸に対して
対称に配置したり、あるいは回転軸のまわりに等間隔に
配置しても、上記と同等の効果を期待することができ
る。
【0194】[第6実施例]次に、図20を参照して本
発明の対物レンズ駆動の第6実施例を説明する。
【0195】本実施例の特徴点は、第1可動体に搭載さ
れる対物レンズの数が4個となっている点にある。すな
わち、第1可動体105のブレード105aは、回転軸
107に対して90°離間した4箇所に突部を有する形
状をなしており、これら突部にそれぞれ対物レンズ10
8a,108b,108c,108dが固定配置されて
いる。また、第2可動体106には、やはり回転軸10
7に対して対称な関係に4個の磁気回路112a,11
2b,112c,112dが固定されている。対物レン
ズ108a,108b,108c,108dおよび磁気
回路112a,112b,112c,112dは、回転
軸107を中心とした同一円周上に等間隔に配置されて
いる。さらにコイルボビン105bには、4枚のトラッ
キングコイル200a,200b,200c,200d
と、鉄片などからなる4枚の磁性体201a,201
b,201c,201dが、それぞれ等間隔に貼設され
ている。(なお、磁性体201a,201b,201
c,201dは図18のような状態に貼設されてい
る。) なお、第1可動体105をフォーカス方向およびラジア
ル方向に移動可能に支持するための基本構造は、第4実
施例と同じ滑り軸受機構を採用している。また、第2可
動体106の構造および動作については第4実施例と同
じであるため、ここでは図示および説明を省略する。
【0196】このような構成の本実施例によれば、フォ
ーカスコイル109及びトラッキングコイル200a,
200b,200c,200dに磁界を付与する磁気ギ
ャップは、対物レンズ104a,104b,104c,
104dと同じ数だけ存在し、これら磁気ギャップも回
転軸7を中心とした同一円周上に等間隔に位置すること
になる。第1可動体105の中立位置を定める磁性体2
01a,201b,201c,201dが対物レンズ1
08a,108b,108c,108dと同数だけ取り
付けられるため、上述の第4実施例と同様の制御方法に
より所定の対物レンズ108a,108b,108c,
108dを光路141上に確実に位置決めすることがで
きる。
【0197】したがって、本実施例の対物レンズ駆動装
置であっても、4個の対物レンズをディスクの規格や仕
様に対応して切り替えて使用することができるため、デ
ィスクの規格や仕様に適応した専用の(別個の)対物レ
ンズ駆動装置を複数台用意する必要がなくなる。したが
って、1台のみで各種情報を良好に取り扱うことのでき
る対物レンズ駆動装置が提供される。
【0198】また、複数の磁気回路および磁性体を利用
しているため、第1可動体に作用する磁気吸引力がバラ
ンスしやすくなっている。そのため、回転軸に対して滑
り軸受が押し付けられることがなくなり、第1可動体と
回転軸との摩擦力、いわゆる「こじれ」を極力低減する
ことができ、第1可動体の回転運動および並進運動がス
ムーズに行われる。
【0199】また、第1可動体の重心を回転軸にほぼ一
致させるように対物レンズどうしの位置決めを行ってい
るため、上記と同様に、いわゆる「こじれ」を極力低減
することができる。
【0200】なお、これら対物レンズを回転軸に対して
対称に配置したり、あるいは回転軸まわりに等間隔に配
置しても、上記と同等の効果を期待することができる。
【0201】また、上述の3つの実施例では、対物レン
ズの個数として2個,3個,4個の例をそれそれ示した
が、本発明はこれらの数に限定されるものではなく、複
数の対物レンズを備えて同様の制御を行えば、必要な効
果を得ることができる。
【0202】なお、対物レンズ,磁性体,磁気ギャップ
の数の関係については、例えば「対物レンズ6個,磁気
ギャップ2つ,磁性体6個」,「対物レンズ6個に磁気
ギャップ3つ,磁性体6個」,「対物レンズ6個,磁気
ギャップ6つ,磁性体6個」,「対物レンズ6個,磁気
ギャップ2つ,磁性体3個」など、対物レンズの数に対
して磁性体と磁気ギャップの数とがそれぞれ約数の関係
となるように構成することが好ましい。なお、1個の磁
気回路に対向させて複数の磁性体をほぼ同じ位置に取り
付けてもよい。
【0203】このような組み合わせを採用することによ
り、磁性体と磁気ギャップとの磁気吸引により定まる中
立位置を対物レンズの数だけ設けることが可能となり、
かつ、磁性体と磁気ギャップとの磁気吸引力が互いに打
ち消し合い、第1可動体と回転軸との摩擦力、いわゆる
「こじれ」をより一層低減させることができる。
【0204】[第7実施例]次に、図21(a),
(b)を参して本発明の対物レンズ駆動装置の第7実施
例を説明する。図21(a)は第7実施例の平面図、図
21(b)はトラッキングコイル、フォーカスコイルの
配置を示す斜視図である。
【0205】本実施例の特徴点は、上述の各実施例に比
べて第1可動体の形状が異なる点にある。すなわち、第
1可動体105の一部をなすブレード105aの形状は
円形をなしており、また、コイルボビン105bの直径
がやや大きくなっている。ブレード105aの直径とコ
イルボビン105bの直径とがほぼ等しく、第1可動体
105が全体として筒状の形状を呈する。
【0206】したがって、コイルボビン105bに貼設
されるフォーカスコイル109およびトラッキングコイ
ル200a,200bに対向する磁気回路112a,1
12bの形状も、前述の各実施例のものよりも大きな曲
率で形成されている。
【0207】また、第1可動体105の一部には切り欠
きが設けられ、この切り欠きに磁性体201a,201
bがそれぞれ埋設されている。
【0208】なお、第1可動体105をフォーカス方向
およびラジアル方向に移動可能に支持するための基本構
造は、第4実施例と同じく滑り軸受機構を採用してい
る。また、第2可動体106の構造および動作について
は第4実施例と同じであるため、ここでは図示および説
明を省略する。
【0209】このような構造の本実施例においても、前
述の各実施例と同様の動作を行い、同様の効果を得るこ
とができる。
【0210】そして、2個の対物レンズをディスクの規
格や仕様に応じて切り替えて使用することができるた
め、ディスクの規格や仕様に適応した専用の(別個の)
対物レンズ駆動装置を複数台用意する必要がなくなる。
したがって、1台のみで各種情報を良好に取り扱うこと
のできる対物レンズ駆動装置が提供される。
【0211】また、複数の磁気回路および磁性体を利用
しているため、第1可動体に作用する磁気吸引力がバラ
ンスしやすくなっている。そのため、回転軸に対して滑
り軸受が押し付けられることがくなり、第1可動体と回
転軸との摩擦力、いわゆる「こじれ」を極力低減するこ
とができ、第1可動体の回転運動および並進運動がスム
ーズに行われる。
【0212】また、第1可動体の重心を回転軸にほぼ一
致させるように対物レンズどうしの位置決めを行ってい
るため、上記と同様に、いわゆる「こじれ」を極力低減
することができる。
【0213】なお、これら対物レンズを回転軸に対して
対称に配置したり、あるいは回転軸まわりに等間隔に配
置しても、上記と同等の効果を期待することができる。
【0214】[第8実施例]次に、図22を参して本発
明の対物レンズ駆動装置の第8実施例を説明する。本実
施例の特徴点は、第5実施例と同様に、第1可動体に搭
載される対物レンズの数が3個となっている点にある。
すなわち、第1可動体105は、回転軸107に対して
120°離間した3箇所にそれぞれ対物レンズ108
a,108b,108cが固定配置されている。また、
第2可動体106には、やはり回転軸107に対して対
称な関係に3個の磁気回路112a,112b,112
cが固定されている。これら対物レンズ108a,10
8b,108cおよび磁気回路112a,112b,1
12cは、回転軸107を中心とした同一円周上に等間
隔に配置されている。さらに第1可動体5には3枚の磁
性体200a,200b,200cが貼設され鉄片など
からなる3枚の磁性体201a,201b,201cが
それぞ等間隔に埋設されている。
【0215】なお、第1可動体105をフォーカス方向
およびラジアル方向に移動可能に支持するための基本構
造は、第4実施例と同じく滑り軸受機構を採用してい
る。また、第2可動体106の構造および動作について
は第4実施例と同じであるため、ここでは図示および説
明を省略する。
【0216】このような構造の本実施例においても、前
述の各実施例と同様の動作を行い、同様の効果を得るこ
とができる。
【0217】そして、3個の対物レンズをディスクの規
格や仕様に応じて切り替えて使用することができるた
め、ディスクの規格や仕様に適応した専用の(別個の)
対物レンズ駆動装置を複数台用意する必要がなくなる。
したがって、1台のみで各種情報を良好に取り扱うこと
のできる対物レンズ駆動装置が提供される。
【0218】また、複数の磁気回路および磁性体を利用
しているため、第1可動体に作用する磁気吸引力がバラ
ンスしやすくなっている。そのため、回転軸に対して滑
り軸受が押し付けられることがくなり、第1可動体と回
転軸との摩擦力、いわゆる「こじれ」を極力低減するこ
とができ、第1可動体の回転運動および並進運動がスム
ーズに行われる。
【0219】また、第1可動体の重心をを回転軸にほぼ
一致させるように対物レンズどうしの位置決めを行って
いるため、上記と同様に、いわゆる「こじれ」を極力低
減することができる。
【0220】なお、これら対物レンズを回転軸に対して
対称に配置したり、あるいは回転軸まわりに等間隔に配
置しても、上記と同等の効果を期待することができる。
【0221】[第9実施例]次に、図23を参して本発
明の対物レンズ駆動装置の第23実施例を説明する。
【0222】本実施例の特徴点は、第6実施例と同様
に、第1可動体に搭載される対物レンズの数が4個とな
っている点にある。すなわち、第1可動体105のブレ
ード105aは、回転軸107に対して90°離間した
4箇所にそれぞれ対物レンズ108a,108b,10
8c,108dが固定配置されている。また、第2可動
体106には、やはり回転軸107に対して対称な関係
に4個の磁気回路112a,112b,112c,11
2dが固定されている。これら対物レンズ108a,1
08b,108c,108dおよび磁気回路112a,
112b,112c,112dは、回転軸107を中心
とした同一円周上に等間隔に配置されている。さらにコ
イルボビン105bには、4枚のトラッキングコイル2
00a,200b,200c,200dが貼設され、鉄
片などからなる4枚の磁性体201a,201b,20
1c,201dがそれぞ等間隔に埋設されている。
【0223】なお、第1可動体105をフォーカス方向
およびラジアル方向に移動可能に支持するための基本構
造は、第4実施例と同じく滑り軸受機構を採用してい
る。また、第2可動体106の構造および動作について
は第4実施例と同じであるため、ここでは図示および説
明を省略する。
【0224】このような構造の本実施例においても、前
述の各実施例と同様の動作を行い、同様の効果を得るこ
とができる。
【0225】そして、4個の対物レンズをディスクの規
格や仕様に応じて切り替えて使用することができるた
め、ディスクの規格や仕様に適応した専用の(別個の)
対物レンズ駆動装置を複数台用意する必要がなくなる。
したがって、1台のみで各種情報を良好に取り扱うこと
のできる対物レンズ駆動装置が提供される。
【0226】また、複数の磁気回路および磁性体を利用
しているため、第1可動体に作用する磁気吸引力がバラ
ンスしやすくなっている。そのため、回転軸に対して滑
り軸受が押し付けられることがくなり、第1可動体と回
転軸との摩擦力、いわゆる「こじれ」を極力低減するこ
とができ、第1可動体の回転運動および並進運動がスム
ーズに行われる。
【0227】また、第1可動体の重心を回転軸にほぼ一
致させるように対物レンズどうしの位置決めを行ってい
るため、上記と同様に、いわゆる「こじれ」を極力低減
することができる。
【0228】なお、これら対物レンズを回転軸に対して
対称に配置したり、あるいは回転軸のまわりに等間隔に
配置しても、上記と同等の効果を期待することができ
る。
【0229】[第10実施例]次に、図24の平面図お
よび図25の断面図を参して本発明の対物レンズ駆動装
置の第10実施例を説明する。
【0230】本実施例の特徴点は、上述の各実施例に比
べて第1可動体の形状が異なる点にある。すなわち、第
1可動体105の外周近傍の2箇所には、楕円形状の孔
220a,220bが設けられている。ここで、孔22
0a,220bの形成される位置は回転軸107を中心
として対称な位置であり、対物レンズ108a,108
bとはちょうど90°離間した位置に形成されている。
【0231】また、第2可動体には孔220a,220
b内に挿入されるセンターヨーク221a,221bが
固定され、永久磁石110a,110bとヨーク111
a,111bとセンターヨーク221a,221bとで
磁気回路112a,112bが形成されている。センタ
ーヨーク221a,221bの軸方向高さは、図25に
示されるように、第1可動体105のブレード105a
下面に対してわずかに(例えば約0. 5mm程度)突出
した状態に形成されている。また、孔220a,220
bの回転方向長さは、センターヨーク221a,221
bの回転方向長さよりもわずかに長く形成されている。
【0232】なお、第1可動体105をフォーカス方向
およびラジアル方向に移動可能に支持するための基本構
造は、第4実施例と同じく滑り軸受機構を採用してい
る。
【0233】このような構造の本実施例においては、第
2可動体106の構造および動作については第4実施例
とほとんど同じであるが、第1可動体105をトラッキ
ング方向に大きく移動する際の第1可動体105の動作
が異なる。すなわち、図25の状態で第1可動体105
をトラッキング方向に大きく移動しようとすると、孔2
20a,220bに対してセンターヨーク221a,2
21bが接触し、必要な回転量を得ることができない。
そこで、トラッキング方向に大きく移動する際には、ま
ず、フォーカスコイル109を付勢して第1可動体10
5をフォーカス方向に微小移動し、上述の0.5mmよ
りもわずかに高い位置まで移動させる。続いてトラッキ
ングコイル200a,200bを付勢してトラッキング
駆動を行う。必要な位置まで回転駆動が行われた後は、
フォーカスコイル109の付勢を解除して第1可動体1
05を下降させ、孔220a,220bに対してセンタ
ーヨーク221a,221bを挿入する。このような一
連の動作は、図18の信号処理系において制御部126
内の対物レンズ切り替え回路131の出力の一部を、ト
ラッキング制御回路127のみならず、フォーカス制御
回路128にも与えることにより実現する。
【0234】このような構造および動作を採用すること
により、第1可動体105の軸方向高さ(特にブレード
105aの部分)の厚さを十分に少なくすることがで
き、装置全体を薄型化することが可能となる。
【0235】また、第1可動体105が必要以上に回転
してしまって対物レンズ104が光路141上に位置決
めできないような場合には、孔220a,220bがセ
ンターヨーク221a,221bに接触することによっ
て第1可動体105のそれ以上の回転を阻止することが
できる。つまり孔220a,220bとセンターヨーク
221a,221bによってストッパの機能が実現して
いる。したがって、第1可動体105が必要以上に回転
してしまったとしても、対物レンズ104を素早く光路
124に位置決めすることが可能となる。
【0236】なお、孔220a,220bとセンターヨ
ーク221a,221bとの接触面にゴムなどの緩衝材
を配置したり、あるいは面接触できるような形状(例え
ば両方の接触面を平面とするなど)に形成してもよく、
これによって対物レンズ104a,104bやフォーカ
スコイル109、トラッキングコイル200a,200
bなどに作用する衝突時の振動による影響を最小限に止
めることができる。
【0237】そして、このような構造の本実施例におい
ても、2個の対物レンズをディスクの規格や仕様に応じ
て切り替えて使用することができるため、ディスクの規
格や仕様に適応した専用の(別個)対物レンズ駆動装置
を複数台用意する必要がなくなる。したがって、1台の
みで各種情報を良好に取り扱うことのできる対物レンズ
駆動装置が提供される。
【0238】また、第1可動体の重心を回転軸にほぼ一
致させるように対物レンズどうしの位置決めを行ってい
るため、第1可動体は回転軸まわりにバランスする。そ
のため第1可動体と回転軸とのいわゆる「こじれ」を極
力低減することができ、したがって第1可動体の微小回
転運動および微小並進運動が無理なくスムーズに行われ
る。
【0239】なお、これら対物レンズを回転軸に対して
対称に配置したり、あるいは回転軸まわりに等間隔に配
置しても、上記と同等の効果を期待することができる。
【0240】[第11実施例]次に、図26を参照して
本発明の対物レンズ駆動装置の第11実施例を説明す
る。
【0241】本実施例の特徴点は、第5実施例と同様
に、第1可動体に搭載される対物レンズの数が3個とな
っている点にある。すなわち、第1可動体105は、回
転軸107に対して120°離間した3箇所にそれぞれ
対物レンズ108a,108b,108cが配置され、
また孔220a,220b,220cが設れられてい
る。また、第2可動体106には、やはり回転軸107
に対して対称な関係に3個の磁気回路112a,112
b,112cが固定され、センターヨーク221a,2
21b,221cが孔220a,220b,220cに
挿入されている。これら対物レンズ108a,108
b,108cおよび磁気回路112a,112b,11
2cは、回転軸107を中心とした同一円周上に等間隔
に配置されている。さらに第1可動体105には、3個
のトラッキングコイル200a,200b,200c
と、鉄片などからなる3枚の磁性体201a,201
b,201cが、それそれ等間隔に貼設されている。
【0242】なお、第1可動体105をフォーカス方向
およびラジアル方向に移動可能に支持するための基本構
造は、第4実施例と同じく滑り軸受機構を採用してい
る。また、第2可動体106の構造および動作について
は第4実施例と同じであるため、ここでは図示および説
明を省略する。
【0243】このような構造の本実施例においても、前
述の第10実施例と同様の動作を行い、同様の効果を得
ることができる。
【0244】そして、3個の対物レンズをディスクの規
格や仕様に応じて切り替えて使用することができるた
め、ディスクの規格や仕様に適応した専用の(別個の)
対物レンズ駆動装置を複数台用意する必要がなくなる。
したがって、1台のみで各種情報を良好に取り扱うこと
のできる対物レンズ駆動装置が提供される。
【0245】また、第1可動体の重心をを回転軸にほぼ
一致させるように対物レンズどうしの位置決めを行って
いるため、第1可動体は回転軸まわりにバランスする。
そのため第1可動体と回転軸とのいわゆる「こじれ」を
極力低減することができ、したがって第1可動体の微小
回転運動および微小並進運動が無理なくスムーズに行わ
れる。
【0246】なお、これら対物レンズを回転軸に対して
対称に配置したり、あるいは回転軸まわりに等間隔に配
置しても、上記と同等の効果を期待することができる。
【0247】[第12実施例]次に、図27を参照して
本発明の対物レンズ駆動装置の第12実施例を説明す
る。
【0248】本実施例の特徴点は、第6実施例(図2
0)と同様に、第1可動体に搭載される対物レンズの数
が4個となっている点にある。すなわち、第1可動体1
05のブレード105aは、回転軸107に対して90
°離間した4箇所にそれぞれ対物レンズ108a,10
8b,108c,108dが固定配置され、また、孔2
20a,220b,220c,220dが設けられてい
る。また、第2可動体106には、やはり回転軸107
に対して対称な関係に4個の磁気回路112a,112
b,112c,112dが固定され、センターヨーク2
21a,221b,221c,221dが孔220a,
220b,220c,220dに挿入されている。これ
ら対物レンズ108a,108b,108c,108d
および磁気回路112a,112b,112c,112
dは、回転軸107を中心とした同一円周上に等間隔に
配置されている。さらにコイルボビン105bには、4
枚のトラッキングコイル200a,200b,200
c,200dと、鉄片などからなる4枚の磁性体201
a,201b,201c,201dが、それぞ等間隔に
埋設されている。
【0249】なお、第1可動体105をフォーカス方向
およびラジアル方向に移動可能に支持するための基本構
造は、第4実施例と同じく滑り軸受機構を採用してい
る。また、第2可動体106の構造および動作について
は第4実施例と同じであるため、ここでは図示および説
明を省略する。
【0250】このような構造の本実施例においても、前
述の第10実施例と同様の動作を行い、同様の効果を得
ることができる。
【0251】そして、4個の対物レンズをディスクの規
格や仕様に応じて切り替えて使用することができるた
め、ディスクの規格や仕様に適応した専用の(別個の)
対物レンズ駆動装置を複数台用意する必要がなくなる。
したがって、1台のみで各種情報を良好に取り扱うこと
のできる対物レンズ駆動装置が提供される。
【0252】また、第1可動体の重心を回転軸にほぼ一
致させるように対物レンズどうしの位置決めを行ってい
るため、第1可動体は回転軸まわりにバランスする。そ
のため第1可動体と回転軸との摩擦力、いわゆる「こじ
れ」を極力低減することができ、したがって第1可動体
の微小回転運動および微小並進運動が無理なくスムーズ
に行われる。
【0253】なお、これら対物レンズを回転軸に対して
対称に配置したり、あるいは回転軸まわりに等間隔に配
置しても、上記と同等の効果を期待することができる。
【0254】さらに、上述の第5,6,8,9,11,
12実施例に関しては、第1可動体上の対物レンズに代
えてカウンタウエイトを配置することができる。これは
図28(a),(b),(c)に示す装置平面図からも
明らかなように、2個の対物レンズ108a,108b
と1個のカウンタウエイト222を配置して第1可動体
105の重心位置が回転軸107にほぼ一致するように
構成されている。具体的には、2個の対物レンズ108
a,108bの質量の平均値と同等の質量を有するカウ
ンタウエイト222を設けることにより質量の調節が行
われている。なお、その他の構造は上述の第5,8,1
1実施例と同じである。
【0255】同様に、図28(d),(e),(f)で
は3個の対物レンズ108a,108b,108cと1
個のカウンタウエイト222を配置して第1可動体10
5の重心位置が回転軸107にほぼ一致するように構成
されている。なお、その他の構造は上述の第6,9,1
2実施例と同じである。
【0256】また、図29(a),(b),(c)では
2個の対物レンズ108a,108bと1個のカウンタ
ウエイト222a,222bを配置して第1可動体10
5の重心位置が回転軸107にほぼ一致するように構成
されたものが開示されている。この場合も、その他の構
造は上述の第6,9,12実施例と同じである。
【0257】そしてこれらの変形例によれば、第4乃至
第12実施例に比べてそれぞれ対物レンズの取り付け数
が減るものの、同様の効果を期待することができる。
【0258】また、図28(b),(d)については、
以下に示すような第1可動体105のトラッキング駆動
における一変形例を採用することもできる。
【0259】図30(a),(b)に示す装置では、第
1可動体105の側面からフレキシブルプリント基板2
23が延出されている。このフレキシブルプリント基板
223の一端は第1可動体105に固着され、その他端
は第2可動体106上に立設されたガイドプレート22
4に固着されている。フレキシブルプリント基板223
は、第1可動体105の回転に伴う変位を考慮して十分
に長尺に形成されている。なお、フレキシブルプリント
基板223は、例えばフォーカスコイル109とトラッ
キングコイル200へ電流を供給する役割を担うもので
あり、ガイドプレート224および第2可動体106を
経由して制御系に導かれている。また、第1可動体10
5の側面とガイドプレート224の内面とは、共に回転
軸107を中心とした同心円をなしており、両者間のギ
ャップ長は一定となっている。
【0260】また、フレキシブルプリント基板223は
U字状に変形し、第1可動体105とガイドプレート2
24とに常に所定の圧力(押し付け力)を付与してい
る。この押し付け力の方向は、第1可動体105の回転
角度が変化しても、第1可動体105を常に回転軸10
7の方向に付勢することになる。そのため、第1可動体
105の回転方向には圧力は付与されず、したがって、
第1可動体105の回転時に不要な復元力などを発生さ
せることがなく、トラッキング制御に悪影響を及ぼす危
険性がない。
【0261】以上のように構成することにより、フォー
カスコイル109とトラッキングコイル200へ電流を
供給するために必要な配線を容易にかつ効果的に敷設す
ることができる。
【0262】また、図31(a),(b)に示す装置の
ように、2個の対物レンズ108a,108bと2個の
カウンタウエイト222a,222bを備えた可動体1
05についても同様の効果を期待することができる。な
お、この例においては対物レンズ108a,108bを
切り替えるのに必要な第1可動体105の回転角度は9
0°であり、フレキシブルプリント基板223の移動量
(角度)は45°であるが、やはりフレキシブルプリン
ト基板223を磁気回路112a,112b,112
c,112d(ほぼ90°の間隔で設けられている)の
間に敷設することが可能となり、磁気回路112a,1
12b,112c,112dが障害物となってしまうこ
とがない。
【0263】そして、この例の場合も図30(a)、
(b)に示す変形例と同様の効果を期待することができ
る。
【0264】[第13実施例]次に、図32〜図35を
参照して本発明の対物レンズ駆動装置の第13実施例を
説明する。ここで、図32は対物レンズ駆動装置の平面
図、図33は図32中のA−A’線に沿った第1可動体
の断面図、図34は図32中のB−B’線に沿った対物
レンズ駆動装置の断面図、図35は図32中のC−C’
線に沿った断面図である。
【0265】本実施例の対物レンズ駆動装置は、上述の
各実施例と比べて各構成要素の形状が少しづつ異なって
いる。以下、これらについて詳細に説明する。
【0266】第1可動体105は、回転軸107を中心
に2箇所に凸部を有するブレード105aを備えてい
る。2個の対物レンズ108a,108bは、ちょうど
これら2箇所の凸部と90°離間する関係にある2箇所
の位置に、ブレード105aから突出するように配置さ
れている。
【0267】ここで、図33に示されるように、対物レ
ンズ108aと対物レンズ108bとは、回転軸107
の軸方向での取り付け位置が異なっている。ここでは、
ディスク101に近接する対物レンズ108aの方が開
口数(NA)が大きく、ディスク101から離間する対
物レンズ108bの方が開口数(NA)が小さいもの
が、それぞれ選択されている。
【0268】また、ブレード105aの中心には回転軸
受105dが固定され、この回転軸受105dに対して
回転軸107が係合している。これにより回転軸107
を中心としたブレード105aの回転移動が許容されて
いる。なお、回転軸107の軸方向中心付近には円周状
の溝が形成されており、したがって回転軸107の軸方
向に向かってブレード105aが並進移動することを規
制している。
【0269】回転軸107は、その上下各端部にてそれ
ぞれ板バネ231a,231bの一端と回転自在に嵌合
している。2枚の板バネ231a,231bは平行に配
置された平行板バネ機構をなし、その他端は固定部材2
32を介して第2可動体106に固定されている。した
がって、第1可動体105は第2可動体106に対して
平行板バネ231a,231bで吊設された状態で回転
軸107の軸方向に向かっての並進運動が可能となって
いる。なお、固定部材232は平行板バネ231a,2
31bの平行度を保つための部材として介在している。
【0270】なお、回転軸受105dの製作方法は次の
通りである。回転軸107に対してプラスチックなどの
樹脂をアウトサート成形し、この成形時の樹脂の収縮率
と回転軸107の収縮率との差でできるクリアランスを
微小隙間として利用した回転軸受105dを成形してい
る。こうした製作法によって、ガタが少なく対物レンズ
の傾きによる収差が発生しにくい良好な信号が得られる
回転軸受105dとなっている。
【0271】また、第2可動体106は第1実施例と同
一の構造をなしており、その動作も同一のため、ここで
は説明を省略する。
【0272】ここで、ブレード105aは希土類やネオ
ジウム系の磁石(またはそれらのプラスチックマグネッ
トなど)で形成されており、回転軸107から凸部に向
かう方向に着磁されている。そしてこのブレード105
aの周囲には略四角リング状に形成された環状ヨーク2
33が設けられており、その各辺の中央部分には、環状
ヨーク233に巻回されるように、筒状のトラッキング
コイル200a,200bおよびブースターコイル23
4a,234bが交互に配置されている。図32に示す
中立状態では、ブレード105aの凸部はトラッキング
コイル200a,200bおよびブースターコイル23
4a,234bに対向する関係となっている。また、ト
ラッキングコイル200a,200bの表面には、平面
的に巻装された矩形状のフォーカスコイル109a,1
09bが貼設されている。トラッキングコイル200
a,200bとフォーカスコイル109a,109bと
の関係は図35(図32におけるC−C’線に沿った断
面図)に示されるようになっている。なお、環状ヨーク
233は固定部材232を介して第2可動体106に固
定されている。
【0273】このような構造の本実施例によれば、ブレ
ード105a自体が磁性体であり磁気回路の一部をなし
ている。このため、フォーカスコイル109a,109
bへの通電により、またトラッキングコイル200a,
200bへの通電により、それぞれローレンツ力が発生
し、第1可動体105はディスク101の厚み方向およ
び径方向に向かって微小駆動される。
【0274】ここで本実施例では、平行板バネ231
a,231bが用いられており、したがって第1可動体
105がフォーカス方向に移動する際は、平行板バネ2
31a,231bの変形により対物レンズ108a,1
08bの光軸の平行度が損なわれることなく移動する。
【0275】また第1可動体105がトラッキング方向
移動と、第4実施例と同じように、第1可動体105が
回転軸107回りに回転することより行われる。回転軸
受105dと回転軸107との微小隙間が10ミクロン
以下に設定されていることにより、対物レンズ108
a,108bどうしの取り付け位置ズレは無視できるレ
ベルに設置されている。
【0276】さらに、ブレード105aには2箇所に凸
部が設けられているため、対物レンズ108を光路14
1上に導く際に、ちょうど2箇所の突部が環状ヨーク2
33と最接近して磁気的中位置と一致するようになって
いる。磁場がトラッキングコイル200a,200bの
位置にあるときのほかに、ブースターコイル234a,
234bの位置にあるときにも、磁気的な安定点となっ
ているため、通常のモータのようにホール素子などの磁
極の位置を測定する手段を用いなくても正確な同期をと
ることができるようになる。
【0277】そして第4実施例でトラッキングコイルに
瞬間的に大電流を流すのと同様な方法をブースターコイ
ル234a,234bに適用することにより(すなわち
図18において対物レンズ切り替え回路131からの制
御信号がブースターコイル234a,234bに与えら
れるように)、一定の時間をおいてキックパルスを発生
させて第1可動体105を90°間隔で回転させること
ができる。
【0278】また、装置の可動部分の永久磁石が、固定
部分にコイルが配置されているため、コイルに電流を供
給するための配線の引き回しが容易となる。そのため、
第1可動体105を180°以上回転させることも容易
となるばかりか、永久磁石をブレード105aとした使
用するため剛性が高くでき、良好な振動特性も得られる
といった実用上多大な効果が得られる。
【0279】続いて対物レンズの取り付け方法について
説明する。
【0280】平行板バネ231a,231bの長手方向
中心軸は、図32に示す状態で(ちょうど一方の対物レ
ンズ108が光路141上にある状態で)2個の対物レ
ンズ108a,108bの中心を結ぶ線分と直交する方
向に一致しており、上述のように、対物レンズ108a
の方が対物レンズ108bより上側に取り付けられてい
る。また、図33に示すように平行板バネの中立状態に
おいては、対物レンズ108aの上面は上部板バネ23
1a下面より上にあり、対物レンズ108bは両方の板
バネ213a,231bのちょうど中間にある。
【0281】このような配置にすると同時に、対物レン
ズ108aは板バネ231a,231bと干渉しない側
を回転移動させ、また対物レンズ108bは板バネ23
1a,231bの隙間を回転移動させるように制御す
る。
【0282】対物レンズ108aの動作範囲(動作可能
距離)をL1、対物レンズ108bの動作範囲(動作可
能距離)をL2とすると、板バネ231a,231bと
の干渉を考慮すれば、L1よりもL2の方が大きくな
る。そして両方の対物レンズ108a,108bの取り
付け高さの差Lは L≦L2−L1 の関係にある。
【0283】対物レンズ108aを使用している時の、
ディスク101面と対物レンズ108aとの距離はL1
であり、その時の対物レンズ108bとディスク101
との距離は L1+L となる。対物レンズ108bを使用している時のディス
ク1面と対物レンズ108aとの距離は L2−L であり、その時の対物レンズ108bとディスク101
との距離はL2となる。ここでLは対物レンズ108a
と対物レンズ108bの取り付け高さの差であり、Lが
正の値のときに対物レンズ108aの方がディスク10
1に近接していることを意味している。
【0284】この時の第1可動体105の最短距離D
は、 D=MINIMUM(L1,L1+L,L2−L,L
2) であり、今、 L2>L1 とすると、 D=MINIMUM(L1,L1+L,L2−L) である。
【0285】L<0の時は D=L1+L<L1 0<L≦(L2−L1)の時は D=L1 L2−L1<Lの時は、 D=L2−L<L1 となる。
【0286】すなわち、Lが L≦L2−L1 の時に最短距離Dが最も大きくなり、L1に一致するこ
とがわかる。
【0287】よって、対物レンズ108aと対物レンズ
108bの取り付け高さの差Lは、上式を満足するよう
に設定することにより、対物レンズ108a,108b
の一方のフォーカス調整の際に他方のレンズがディスク
101と衝突してしまう確率を最小にすることができる
ようになる。
【0288】また、対物レンズ108a,108bの実
際の取り付け状態が動作範囲の中立位置と異なる場合に
は、この偏差分を補正するために、対物レンズ108
a,108bのフォーカス方向位置決めのために定常的
にDC電流を流し続けなければならない。しかし本実施
例では上述のようにあらかじめ対物レンズ108a,1
08bの動作範囲に対応させて取り付け高さを設定して
あるため、装置の消費電力を削減することが可能とな
る。
【0289】また、対物レンズ108a,108bとデ
ィスク101との衝突を防止することも可能となり、デ
ィスク101側に傷などのダメージを与えることもなく
なる。
【0290】なお、対物レンズ108a,108bの光
軸方向位置に偏差を与える方法は、本実施例のように第
1可動体105を平行な板バネ231a,231bにて
弾性支持する場合に限ることなく、軸摺動方式などの他
の方式の場合にも適用できることは言うまでもない。
【0291】[第14実施例]次に、図36〜図39を
参照して本発明の対物レンズ駆動装置の第14実施例を
説明する。ここで、図36は対物レンズ駆動装置の平面
図、図37は図36中のA−A’線に沿った対物レンズ
駆動装置の断面図、図38は図37中のB−B’線から
見た対物レンズ駆動装置の一部断面図、図39は図36
中のC−C’線に沿った断面図である。
【0292】本実施例が前述の第13実施例と異なる点
は、第1可動体105の構造にある。第1可動体105
は、ディスク101面に対向する位置にブレード105
aが、そしてブレード105a下部に固定される永久磁
石240とを有する。本実施例のブレード105aは、
摺動性に優れた剛性の優れた樹脂、例えば液晶ポリマー
やエポキシやポリフェニレンサルファイト系の樹脂にカ
ーボンが複合された材料で形成されている。永久磁石2
40は図37に示す断面図からも明らかなように、その
中心に孔240aが設けられた略小判状に形成されると
ともに、長手方向の両端がそれぞれN極とS極とに着磁
され、全体として軸対称に仕上げられている。そしてブ
レード105aと永久磁石240とは射出成形により一
体化され、第1可動体105として製作されている。
【0293】回転軸107はその中心部の磁性コア10
7aと周囲の被覆部107bとで構成されている。ここ
で、磁性コア107aの中間部位、すなわちた永久磁石
240との嵌合部位はその直径が太くなっているため、
永久磁石240の他の部位よりも磁束の流れが大きくな
り、したがって第1可動体105はその軸方向の中立位
置が磁気的に定められる。
【0294】また、被覆部107bの材質としては、例
えばエポキシ系の樹脂と、カーボン、雲母などを混ぜた
複合樹脂が使用される。このような材料を選択すること
により、高い硬度を有しつつ摺動特性に優れたものとな
る。
【0295】なお、トラッキングコイル200a,20
0bとフォーカスコイル109a,109bとの関係は
図39(図36におけるC−C’線に沿った断面図)に
示されるようになっている。本実施例ではブースタコイ
ルは使用されず、第4実施例で説明したようにトラッキ
ングコイル200a,200bに瞬間的な大電流が付与
される。
【0296】さらに、光学ユニット120(ここでは図
示せず)を可動体104には固定せず、ベース102に
固定している(いわゆる分離光学系を採用している。そ
のため、レーザ光LBはちょうどディスク101の径方
向から導かれ、第2可動体106に固定された立ち上げ
ミラー142によって90°折り曲げられ、対物レンズ
108に導かれる。図36に示されるようにフォーカス
コイル109aが部分的に折り曲げられているのは、こ
の固定光学系からのレーザ光LBの光路を確保するため
である。
【0297】フォーカスコイル109a(トラッキング
コイル200a)に対して永久磁石240から入った磁
束は、U字状ヨーク241の中を通り、対向するフォー
カスコイル109b(トラッキングコイル200b)か
ら永久磁石240に戻る磁路を構成する。この磁路を利
用し、記録再生時の対物レンズ108a,108bの中
立位置を定める構成になっている。
【0298】U字状ヨーク241と永久磁石240とで
形成される磁気回路のトラッキングコイル200a,2
00bに流れる電流とで、ローレンツ力が発生し、第1
可動体105はディスク101の厚み方向および径方向
に向かって微小駆動される。以上のような構成になって
いる本実施例によれば、以下に示す効果が得られる。す
なわち、本実施例では、わずか1個の永久磁石で第1可
動体105をフォーカス方向とトラッキング方向に駆動
させることができるばかりか、さらには対物レンズ10
8a,108bを切り替える駆動力をも発生させること
ができる。したがって、比較的高価である永久磁石の使
用個数が低減され、装置の製造コストが低く抑えられ
る。
【0299】また、例えばS極と対向するコイルには反
対の極性のN極端面が遠くなり、結果としてS極の磁界
がコイルに有効に作用する。つまり、2つの永久磁石を
対向させて貼設する場合と比較し、コイルとの電磁相互
作用が発生する部位での磁界が強くなる効果も得られ
る。
【0300】また、前述の第10実施例と同様に、装置
の可動部分に永久磁石が、固定部分にコイルが配置され
ているため、コイルに電流を供給するための配線の引き
回しが容易となる。本実施例ではさらに、第4実施例と
同じくフォーカス方向駆動にも軸摺動方式を採用してい
るため、対物レンズ108a,108bを切り替える際
には第1可動体105を右回りに回転させても左回りに
回転させてもよく、原理的には360°の回転が可能で
ある。上述したどの実施例でも実現できない「一方向回
転のみによる対物レンズの切り替え」が実現可能とな
る。したがって、誤動作により装置が動作不能状態に陥
る危険性が非常に少なくなる。
【0301】[第15実施例]次に、図40乃至図42
を参照して本発明の対物レンズ駆動装置の第15実施例
を説明する。ここで、図40は対物レンズ駆動装置の断
面図、図41および図42はそれぞれ対物レンズ駆動装
置の動作状態を示す平面図である。
【0302】本実施例が前述の第14実施例と異なる点
は、第1可動体105の支持機構にある。すなわち、第
1可動体105の軸方向変位および軸回り変位に対して
ヒンジ機構が採用されている。第1可動体105上の2
個の対物レンズ108a,108bの取り付け位置が、
他の実施例に比べて非常に近接している。
【0303】図41および図42に示されるように、本
実施例で第1可動体105は、その中心部分に第1ヒン
ジ部材250の一端を固定している。第1ヒンジ部材2
50は、薄肉のヒンジ250aを有しており、ヒンジ2
50aの位置がちょうど第1可動体105の重心位置と
ほぼ一致するように構成されている。第1ヒンジ部材2
50は、有限の角度の範囲で第1可動体105に回転を
許容する構造をなしている。
【0304】第1ヒンジ部材250の他端は、第2ヒン
ジ部材251の一端に固定されている。第2ヒンジ部材
251は図40に示されるように、2箇所にヒンジ25
1a,251bを有した4節ヒンジ機構をなしており、
その他端は固定部材232を介して第2可動体106に
固定されている。第2ヒンジ部材251は、第1可動体
105に光軸方向への並進移動を許容する構造をなして
いる。
【0305】第1可動体105の側部付近にはそれぞれ
切り欠きが形成され、この切り欠き内に嵌合するように
円環状に巻装されたフォーカスコイル109a,109
bが固定され、また円環状のフォーカスコイル109
a,109bの表面には平面的に巻装された矩形状のト
ラッキングコイル200a,200bが固定されてい
る。フォーカスコイル109a,109bにより形成さ
れた環状空間内にはセンターヨーク221a,221b
が挿入される関係となっている。そして、2個の対物レ
ンズ108a,108bのどちらが選択された場合で
も、その中立位置ではトラッキングコイル200a,2
00bの2箇所の対辺部(ちょうど図40にて紙面上下
方向に伸びた部位)が磁気ギャップ中に位置するように
設定されている。
【0306】第1可動体105の先端部分には、鉄片な
どからなる磁性体252が取り付けられている。そし
て、この磁性体252と対向する関係にヨーク253お
よび永久磁石254が配置され、第2可動体106上に
固定されている。ここでヨーク253は2箇所に突起2
53a,253bを有した略コ字状をなしている。
【0307】第1可動体105には2個の対物レンズ1
08a,108bが互いに近接する位置に固定されてい
る。磁性体252がヨーク253の一方の突起253b
と対向した時には対物レンズ108aが中心軸上に位置
決めされ(図41)、磁性体252がヨーク253の他
方の突起253aと対向したときには対物レンズ108
bが中心軸上に位置決めされる(図42)。なお、図4
1、図42の状態では、それぞれ対物レンズ108aお
よび対物レンズ108bが光路141上に配置されてい
る。
【0308】続いて本実施例の動作について説明する。
【0309】第1可動体105の基本的な動作原理は、
前述の各実施例とほぼ同じである。本実施例では、第1
可動体105がフォーカス方向に移動する場合には第2
ヒンジ部材251の2箇所のヒンジ251a,251b
が変形することにより行われる。第1可動体105がト
ラッキング方向に移動する場合には第1ヒンジ部材25
0のヒンジ250aが変形することにより行われる。
【0310】ここで、第1ヒンジ部材250のヒンジ2
50aは中心軸を境に各10°程度、全体として約20
°程度の回転を可能としている。この角度変化によって
2個の対物レンズ108a,108bを切り替えること
ができるようになる。
【0311】磁性体252は、対物レンズ108aが使
用状態にあるときに一方の突起253bに対向し、対物
レンズ108bが使用状態にあるときに他方の突起25
3aに対向する。そのため、両方の対物レンズ108
a,108bの使用位置がちょうど磁気的安定点となっ
ている。ここで、磁性体252は、ヒンジ部材250に
対して対物レンズ側にあり、4節のヒンジ部材251と
は反対側に位置している。したがって、磁気吸引により
ヒンジ251a,251bが伸ばされる方向に吸磁気引
力が作用している。これはヒンジ251a,251bを
押し込む方向、換言すればヒンジ251a,251bを
座屈させる方向と逆方向となるため、第1可動体105
全体が軸方向中立位置に復元しやすくなり、フォーカス
方向の駆動特性が極めて安定する。
【0312】[第16実施例]次に、図43および図4
4を参照して本発明の対物レンズ駆動装置の第16実施
例を説明する。
【0313】本実施例が前述の第13実施例と異なる点
は、対物レンズ108a,108bの位置決め機構にあ
る。すなわち、前述の第15実施例では第1可動体10
5に磁性体252が取り付けられており、永久磁石25
4はヨーク253を介して第2可動体106に取り付け
られていた。本実施例では、永久磁石254が第1可動
体105に取り付けられ、ヨーク253が第2可動体1
06に取り付けられている。なお、本実施例における装
置の断面は、前述の第15実施例とほとんど同じ(図4
0参照)であるため説明は省略する。
【0314】そして、突起253a,253bが形成さ
れていた場所には、例えばホール素子などの磁気センサ
255a,255bが固着されている。磁気センサ25
5a,255bによって、どちらの対物レンズが使用さ
れているか(光路124内に配置されている)を知るこ
とができる。このような構成においては、外部から強い
ショックが加わった場合でも使用する対物レンズを判別
することができるため、誤動作を未然に防止することが
できるといった実用上多大な効果が得られる。 [第17実施例]図45は、本発明の第17実施例に係
る光学ヘッドの構成を示したものであり、大きく分けて
固定光学部401と、可動支持部材である回転ブレード
402および磁気回路411により構成されるレンズア
クチュエータからなる。回転ブレード402は光ディス
ク装置に装填される図示しない記録媒体(以下、光ディ
スクという)の記録面に垂直な軸を中心に回転可能で、
かつ光ディスクに照射される光ビームの光軸方向に移動
可能に設けられている。固定光学部401は、半導体レ
ーザのような光源403とコリメーティングレンズ40
4およびビームスプリッタ405を含む送光光学系と、
光ディスクで反射した光ビームを検出するための、集光
レンズ408と回折型光学素子(HOE:Holographi
c Opti cal Element )409および光検出器410
を含む検出系で構成されている。
【0315】回転ブレード402は少なくとも図中上端
部が閉塞した有底筒状の形状をなし、この上端部に複数
(この例では2個)の対物レンズ407a,407bが
配設されている。磁気回路411は、回転ブレード40
2の周囲の180°対向する位置に配設された一対の半
弧状ヨーク412a,412bおよび該ヨーク412
a,412bの内周側に被着された磁石413a,41
3bと、回転ブレード402の磁石413a,413b
に対向し得る位置に配設されたトラッキングコイル41
4a〜414fからなる。この磁気回路411の構成と
動作については、後に詳細に説明する。
【0316】固定光学部401と回転ブレード402と
の間には、ビームスプリッタ405と対物レンズ407
a,407bとの間の光路を形成するための反射鏡40
6が配置されている。
【0317】次に、本実施例の光学的ヘッドの動作を説
明する。光源403から出射した光は、コリメーティン
グレンズ404で平行光束となり、ビームスプリッタ4
05および反射鏡406を経て対物レンズ407aまた
は407bで集光して、回転ブレード402上に配置さ
れて回転する光ディスクの情報が記録された面(以下、
記録面という)上に微小ビームスポットを形成する。
【0318】光ディスクの記録面で反射した光は、往路
つまり光源403からコリメーティングレンズ404、
ビームスプリッタ405、反射鏡406、対物レンズ4
07aまたは407bを経て光ディスク420aまたは
420bの記録面に向かう入射光の経路と逆に、対物レ
ンズ407aまたは407bおよび反射鏡406を経て
ビームスプリッタ405で反射して検出系に導かれる。
検出系は、光ディスク420aまたは420bの記録面
上のピット列に対して、対物レンズ407aまたは40
7bで集束した微小スポットの位置を光軸方向(フォー
カス方向)と光ディスク420aまたは420bの半径
方向(トラッキング方向)に制御するための誤差信号を
生成すると共に、光ディスク420aまたは420bに
記録された情報信号を再生するためのものである。
【0319】これらの3つの信号(フォーカス誤差信
号、トラッキング誤差信号、再生情報信号)を得るため
の検出系は、例えば特開平3−257号公報「光メモリ
装置」に詳細に記載されているようなもので構成するこ
とができる。この検出系そのものは本発明の要旨に関係
しないが、動作の概略を説明する。本実施例の検出系
は、前述したように集光レンズ408とHOE409お
よび光検出器10で構成される。光ディスクからの反射
光は、集光レンズ408で光検出器10上に集光され
る。
【0320】集光レンズ408と光検出器410の間に
配置されたHOE409には、光ディスク420aまた
は420b上のトラックと同じ方位の分割線で2分割さ
れた領域に、異なる格子形状のホログラムが形成されて
いる。具体的には、一方の格子形状が糸巻き状に内側に
湾曲した形状であるときは、残りの一方は樽形状に外側
に湾曲した形状であるようなホログラムである。また、
それぞれのホログラムの回折光が光検出器410の検出
面上の異なる位置に回折するように格子ピッチを異なら
せている。HOE409上のホログラムをこのような格
子形状に設定すると、光検出器410上の光ビームがフ
ォーカスずれに応じて特徴的な形状の変化をきたすよう
にすることができるので、光検出器410を2組の2分
割光受光素子により構成し、それぞれの回折光を2分割
光受光素子で差動検出することにより、フォーカス誤差
を検出することができる。また、トラッキング誤差につ
いてはそれぞれのホログラムの回折光の差分から検出で
きる。さらに、再生情報信号については光検出器410
の出力の総和から容易に検出できる。本実施例ではHO
Eを用いた検出系としたがこの検出系に限らず、集光レ
ンズと円柱レンズを組み合わせた非点収差法と呼ばれる
フォーカス誤差検出系など、いかなる公知の検出光学系
も同様に用いることができる。
【0321】光検出器410を構成する2組の2分割受
光素子から出力される4つの出力信号は検出信号演算部
501に入力され、ここで増幅と演算が行われることに
より、上記のようにして再生情報信号とフォーカス誤差
信号およびトラッキング誤差信号が生成される。これら
のうち再生情報信号は、復号化などを行う図示しない信
号処理部へ出力される。一方、フォーカス誤差信号とト
ラッキング誤差信号は、図示しないホストシステムと接
続している制御信号生成回路502に入力され、フォー
カス引き込み時のシーケンス制御やトラック検索時のト
ラッキング制御信号への特殊動作信号の重畳などの信号
処理が施された後、アクチュエータ駆動回路503を介
してフォーカス駆動信号とトラッキング駆動信号とな
る。
【0322】これらのフォーカス駆動信号およびトラッ
キング駆動信号に従って、磁気回路411中のフォーカ
スコイル416およびトラッキングコイル414a〜4
14cに流れる電流が制御される。これにより電磁作用
で発生する駆動力に従って、後述するように回転ブレー
ド402が光ディスクに照射される光ビームの光軸方向
(フォーカス方向)と光ディスクの半径方向(トラッキ
ング方向)に制御され、光ディスクのトラック上に光ス
ポットを位置するように制御がなされる。
【0323】これらの一連の構成および動作は、従来の
光学ヘッドと基本的な部分においては同じである。次
に、本実施例の特徴的な構成について説明する。
【0324】一般に、光ディスク装置は光ディスク上に
記録された情報を光学的に読み出して信号として再生し
ているために、記録面上にごみや傷が生じると光が散乱
して再生ができなくなってしまう。このため、光ディス
クの光ビームが入射する側の層(一般にはディスク基
板)を厚くして、このディスク基板表面の光ビームスポ
ットを大きくすることで、製造後に生じるごみや傷の影
響を低減するように光ディスクを構成していた。従来の
光ディスクのディスク基板の厚さは、1.2mmが多
い。しかしながら、光ディスクの記録密度の向上を図る
にあたって、対物レンズの開口数を大きくしたり、光源
の波長を短くするなどの策を施すときに、ディスク基板
が厚いことの弊害が顕著になってくる。
【0325】すなわち、図1(a),(b)に対物レン
ズに対して光ディスクが傾いたときの透過波面収差の変
化をディスク基板の厚さが1.2mmの場合と0.6m
mの場合について示したように、同じ開口数の対物レン
ズであっても、ディスク基板が薄い方がディスク傾きに
よる透過波面収差は小さく、記録面上の集光スポットの
集光特性がよいので再生情報信号の品位も高いものが得
られる。このためディスク基板の厚さを薄くした光ディ
スクが出現してきたわけであるが、その結果として基板
厚の異なる光ディスクが混在するようになると、これら
を同一の装置で再生したいという要求が必然的に生じる
ことになる。本発明はこのような要求に対して、簡単か
つ小型で安価な同一の装置で、基板厚などの仕様が異な
る光ディスクに記録されている情報を従来のような問題
を伴うことなく安定に再生できるようにしたものであ
る。以下、具体的に説明する。
【0326】図46(a),(b)は、光ディスクの仕
様が光学ヘッドにどのように関わってくるかを模式的に
示したものであり、この例では基板厚の異なる二つの光
ディスク420a,420bについて示している。これ
ら基板厚の異なる光ディスク420a,420bに対し
て、開口数NAa,NAbの異なる対物レンズ407
a,407bが使用される。対物レンズ407a,40
7bの仕様の自由度は、焦点距離(Fa,Fb)、作動
距離(WDa,WDb)、口径(Da,Db)などがあ
る。この自由度を使うと、幾つかの特徴ある光学ヘッド
を構成することができる。これについての詳細は後述す
る。
【0327】本実施例では、図45に示したように光デ
ィスクの仕様に応じてそれぞれに最適な光学特性を持っ
た複数の対物レンズ407a,407bを回転ブレード
402上に設け、これらを選択的に使用することにより
異なる仕様の光ディスクからの情報再生を可能としてい
る。例えば、光ディスクがCDの場合、ディスク基板の
厚さは1.2mm、対物レンズの開口数は0.45であ
り、さらに高密度の記録媒体であればディスク基板の厚
さは0.6mm、対物レンズの開口数は0.6などの仕
様を満たす対物レンズを搭載することになる。そして、
装置に挿入された光ディスクに応じて回転ブレード40
2を回転させることにより、光ディスクに適合する対物
レンズを選択して情報再生を行うようにする。対物レン
ズ407a,407bのいずれかを選択するときの制御
方法については、後述する。
【0328】図47(a),(b)は、対物レンズの形
状の例を示したものであり、図47(a)はガラスモー
ルドレンズ、図47(b)はプラスチックインジェクシ
ョンレンズである。一例に過ぎないが、それぞれの製造
方法と材料の違いで、形状に特徴的な差異がある。レン
ズの仕様が異なっていても、このようにレンズの外形や
重量を同じにすることは容易に実現できる。このような
関係の対物レンズを配置すれば、アクチュエータの振動
特性を低下させるような重量のアンバランスが生じない
ので、良好な光学ヘッドを構成することができる。
【0329】図48は、図45中に示す回転ブレード4
02と磁気回路411(411a,411b)からなる
レンズアクチュエータの詳細な構成を示したものであ
る。回転ブレード402の外周面上には、図49に示す
ような形状をそれぞれ有する6個のトラッキングコイル
414a〜414fが設けられている。これらのトラッ
キングコイル414a〜414fは、磁石413a,4
13bおよびヨーク412a,412bと共に磁気回路
411a,411bを構成し、光ディスク装置に装填さ
れる光ディスクの仕様(例えば光ディスクの基板厚)に
応じて対物レンズ407a,407bを選択的に光ビー
ムの光軸上に設定するため駆動力と、光ディスクに記録
されている情報を再生するときに光ディスクの偏心で生
じるトラックずれに追従するために、回転軸415を回
転中心にして回転ブレード402を回転制御する駆動力
を発生する。なお、光ビームの光軸は図48において一
点鎖線の上に位置するものとする。従って、図48は対
物レンズ407bが光ビームの光軸上に位置し、この対
物レンズ407bを介して光ビームが光ディスクに照射
されることにより光ディスクからの情報再生を行ってい
る状態を示している。ここで、対物レンズ407aを介
して光ビームを光ディスクに照射することにより情報再
生を行っているときのトラッキング制御は、磁気回路4
11a中のトラッキングコイル414d,414eと、
磁気回路411b中のトラッキングコイル414a,4
14bを用いて行われる。一方、対物レンズ407bを
介して光ビームを光ディスクに照射することにより情報
再生を行っているときのトラッキング制御は、磁気回路
411a中のトラッキングコイル414e,414f
と、磁気回路411b中のトラッキングコイル414
b,414cを用いて行われる。
【0330】本実施例においては、対物レンズ407
a,407bは60°間隔で設けられ、トラッキングコ
イル414a〜414fは60°の間隔で回転ブレード
402の全周にわたって設けられるが、両者の相対位置
関係は図49に示すトラッキングコイル414の中空部
分が対物レンズ407a,407bと一致するように設
定される。このように対物レンズ407a,407bと
トラッキングコイル414a〜414fを配置すること
によって、対物レンズ407a,407bのいずれを情
報再生に使用しているときも磁気回路411a,411
b中に各々2つのトラッキングコイルを位置させること
ができる。こうすると、6個のトラッキングコイル41
4a〜414fのうちトラッキング制御に使われている
トラッキングコイルの数が4つと利用率が高くなり、効
率的に大きな駆動力を発生させることができる。
【0331】図50は、レンズアクチュエータのより詳
細な構成を示したものである。レンズアクチュエータの
回転ブレード402内には、トラッキングコイル414
aと414bの間、414bと414cの間、414d
と414eの間、414eと414fの間にそれぞれ位
置して、強磁性体片419a〜419dが埋設されてい
る。これらの強磁性体片419a〜419dは、磁気回
路411a,411b中の磁石413a,413bとの
間に働く磁気吸引力により回転ブレード402の回転軸
415を中心にして光ビームの光軸方向と回転ブレード
402の回転方向に対して回転ブレード402の中立位
置を決定するためのものであり、対物レンズ407a,
407bが光ビームの光軸上にそれぞれ位置するときに
磁気回路411a,411bの中心に位置するように設
けられている。すなわち、対物レンズ407aが光軸上
に位置するときは強磁性体片419a,419cが磁気
回路411a,411b中に位置し、また図50に示す
ように対物レンズ407bが光軸上に位置するときは強
磁性体419b,419dが磁気回路411a,411
b中に位置することになる。
【0332】このように、磁気回路411a,411b
中に位置して回転ブレード402の中立位置を決定する
ための強磁性体419a〜419dを設けることによっ
て、2つの対物レンズ407a,407bのそれぞれに
対して最適な位置で中立位置決めを行うことができる。
なお、ゴムなどの弾性部材を使って中立位置決めを行う
ように構成したものは、唯一の点でしか中立位置が存在
しないために、本実施例のように2つの異なる位置に中
立位置を設定することができない。また、本実施例のよ
うな磁気バランス力を使った中立位置決めの手法は、特
開昭60−140549号公報「対物レンズ駆動装置」
に開示されている。しかし、この公知例中には1組の中
立位置決めについて開示されているだけで、複数組の中
立位置決めについては何ら開示されていない。
【0333】上述したような構成のレンズアクチュエー
タを用いると、トラッキングコイル414a〜414f
に流す電流波形の制御によって、対物レンズ407a,
407bのいずれか一方を任意に光ビームの光軸上に位
置させることができる。図51は、図50に示すレンズ
アクチュエータにおいて、対物レンズ407a,407
bを選択するときの制御方法を説明するための図であ
り、対物レンズを407bから407aに交換するとき
と、407aから407bに交換するときのトラッキン
グコイル414a〜414fに流す電流波形を示してい
る。これらの各トラッキングコイル414a〜414f
に流れる電流の向きと、各トラッキングコイル414a
〜414fにより発生する力の向き(7b→7aまたは
7a→7bで示す)は、図49中に示した通りである。
トラッキングコイル414a〜414fに図49のよう
に右回りに電流が流れる場合を“+”の電流の向きと
し、その状態で右方向に回転ブレード402を回転させ
るような力が作用するものとする。
【0334】例えば、対物レンズ407bから対物レン
ズ407aに交換するときは、180°対向した位置に
あるトラッキングコイルの組、つまり414a,414
dの組と414b,414eの組および414c,41
4fの組のそれぞれの組み合わせに対して同じ向きで、
かつ414b,414eの組および414c,414f
の組に対しては図示したように“+”→“−”または
“−”→“+”に向きが途中で逆転する階段状の電流を
加える。この動作は、光ディスク上の同一トラックを繰
り返し再生するときに行われる「トラックジャンプ」と
呼ばれるレンズアクチュエータの制御動作に類似してい
る。但し、本実施例の場合は回転ブレード402の回転
角が大きいことが特徴である。また、対物レンズを40
7aから407bに交換する場合において、トラッキン
グコイル414b,414eに流す電流波形が同じであ
ることも特徴的である。これは、対物レンズ407a,
407bを交換する度に、磁気回路411a,411b
中に位置するトラッキングコイル414b,414eの
位置が変化していることによる。
【0335】トラッキングコイル414a〜414fに
このような電流を流すためのトラッキング駆動信号は、
図45に示すようにホストシステムからの要求に基づい
て制御信号生成回路502で生成され、アクチュエータ
駆動回路503を介してそれぞれのトラッキングコイル
414a〜414fに供給される。
【0336】以上説明したように、本実施例によれば複
数の対物レンズ407a,407bを同じレンズアクチ
ュエータに搭載し、トラッキングコイル414a〜41
4fに流す電流波形を制御することで、仕様の異なる光
ディスクに適合した対物レンズ407a,407bを選
択的に光ビームの光軸上に位置させて、それらの光ディ
スクからの情報再生に用いることにより、レンズアクチ
ュエータが一つで済み、複数個の対物レンズをそれぞれ
固有のレンズアクチュエータや光学ヘッドに搭載する従
来の技術の問題点、すなわちアクチュエータや光学ヘッ
ドが大きな空間を占めたり、光学系が共有化できず複数
の仕様の光ディスクを同一の光ディスク装置で再生する
メリットが無くなってしまうという言う問題点を解決で
きる。
【0337】[第18実施例]図52は、本実施例にお
けるレンズアクチュエータの構成を模式的に示したもの
である。本実施例では、対物レンズ407a,407b
は回転軸415を中心とする回転ブレード402上の点
対称な位置にそれぞれ設けられている。そして、これら
の対物レンズ407a,407bにそれぞれ対応して図
45中に示したものと同様な構成の固定光学部1が設け
られている。
【0338】また、本実施例の光学ヘッドは、スピンド
ルモータ417のガイドシャフト418に嵌合して光デ
ィスク420が装着される際に、矢印Aで示す光ディス
ク420の半径方向に移動可能に取り付けられている。
さらに、回転ブレード402は光学ヘッドを矢印Aの方
向に移動したときの回転軸415の軌跡が光ディスク4
20の中心を通る直線(一点鎖線で示す)と一致する関
係に配置されている。光ディスク420上の情報ピット
列510は、対物レンズ407aもしくは407bから
出射する光ビームが照射されることにより読み出され
る。
【0339】この場合、光ディスク装置に装着された光
ディスク420に適合する対物レンズを選択的に使用す
るためには、レンズアクチュエータを駆動するための信
号(フォーカス駆動信号およびトラッキング駆動信号)
として、光ディスク420から対物レンズ407aを介
して検出された信号を使うか、対物レンズ407bを介
して検出された信号を使うかをホストシステムの指示に
従って選択するだけでよいので、第17実施例のように
回転ブレード402を大きく例えば60°回転させるこ
とで対物レンズを選択する必要はない。従って、本実施
例ではレンズアクチュエータは対物レンズを1個搭載し
たものとほとんど同じ構成で良いことになり、従来技術
の延長で容易に2個の対物レンズ407a,407bを
搭載したレンズアクチュエータを作ることができるとい
うメリットがある。
【0340】[第19実施例]図53は、本発明の第1
9実施例に係る光学ヘッドの構成を示したもので、第1
8実施例(図52)における二つの固定光学部401を
光学ヘッドを光ディスク420の半径方向に移動させる
ためのキャリッジから分離し、固定して配置したもので
ある。
【0341】以下、本実施例の構成を説明する。光ディ
スク420の下面側には、対物レンズ407a,407
bと反射鏡(図示せず)等からなる移動光学系を搭載し
たピックアップ421が設けられている。二つの固定光
学系1は、このピックアップ421の移動路の光ディス
ク420の外周方向の延長線上に設けられている。固定
光学系401からピックアップ421に向けて照射され
た光ビームは、移動光学系の反射鏡により直角に立上げ
られ、対物レンズ407aまたは407bを通して光デ
ィスク420上に集束照射される。また、光ディスク4
20で反射された光ビームは、対物レンズ407aまた
は407bを通過した後、反射鏡により水平に曲げられ
て固定光学系401に送られる。光ディスク420から
情報再生を行うときには、光ディスク420に対物レン
ズ407aまたは407bを介して集束照射された光ビ
ームはピット456の有無に応じて強度変調され、その
反射光が対物レンズ407aまたは407bを経て反射
鏡により固定光学系401に導かれる。
【0342】ピックアップ421は、リニアモータ47
4を駆動源としてトラッキング制御方向である光ディス
ク420の半径方向(矢印A方向)に移動可能なキャリ
ッジ460を有する。このキャリッジ460の両側部に
は、板ばねを介して支持された2個を対とした複数の支
持ローラ462が設けられており、これら支持ローラ4
62を光ディスク420の半径方向に沿って水平かつ平
行に配設された2本のガイドシャフト464に転接させ
ることで、光ディスク420の半径方向に移動可能に支
持されている。
【0343】さらに、キャリッジ460の両側部にはラ
ジアルコイル466がそれぞれ取付けられており、これ
らラジアルコイル466は、磁気回路の内ヨーク468
を外嵌した状態となっている。内ヨーク468は外側に
設けられた外ヨーク470と接続されており、外ヨーク
470の内側にはマグネット472がそれぞれ取着さ
れ、リニアモータ474を構成している。この場合、そ
して、ラジアルコイル466に通電を行うことにより推
進力が発生し、キャリッジ460を光ディスク420の
半径方向に往復移動させることができるようになってい
る。
【0344】本実施例の構成によれば、キャリッジ46
0上の光学ヘッドの構成部品としては、レンズアクチュ
エータと反射鏡(立ち上げミラー)のみでよく、キャリ
ッジ460に搭載する部品の重量を著しく低減すること
ができるので、高速アクセスに適応する光学ヘッドとす
ることができる。
【0345】[第20実施例]図54は、本発明の第2
0実施例に係る光学ヘッドの構成を示したものであり、
第19実施例(図53)と同一部分に同一符号を付して
その説明は省略する。第19実施例(図53)におい
て、2つの対物レンズ407a,407bはそれぞれ異
なる仕様の光ディスクに適用すべきものが配設されてい
るので、同時に使うことは有り得ない。従って、それぞ
れの対物レンズ407a,407bに対応した固定光学
系401を設ける必然性はなく、その多くを共通に使う
ように構成することができる。
【0346】本実施例はこのような点に着目したもの
で、装着された光ディスク420の仕様に応じて固定光
学系401からの光ビームを例えば偏光面回転素子43
1と偏光ビームスプリッタ432を組み合わせた光スイ
ッチによって、対物レンズ407a,407bに選択的
に送光するように構成したものである。なお、偏光面回
転素子431としてはコレステリック液晶を封入したカ
プセルとその両面に設けた透明電極を介して入射した光
ビームの偏光面の回転量を印加する電圧で制御できるよ
うに構成したものや、光学結晶の電気光学効果を使っ
て、入射光ビームの偏光面の回転量を電気的に制御でき
るように構成したものを用いることができる。
【0347】このように、本実施例の光学ヘッドは固定
光学系が1個でよいため、固定光学系全体の構成を一層
簡略化することができ、1つの対物レンズと1つの固定
光学系で構成された従来の光学ヘッドとほとんど同じ構
成で、仕様の異なる光ディスクからの情報再生に選択的
に使用することができる。
【0348】[第21実施例]図55は、本発明の第2
1実施例に係る光学ヘッドの構成を示したものであり、
第19実施例(図53)の光学ヘッドのキャリッジ46
0上に位置する移動光学系の構成をさらに簡略化して、
高速アクセス性を高めるように構成したものである。
【0349】すなわち、第17〜第20実施例では2つ
の対物レンズ407a,407bをその位置を2次元に
制御可能な回転ブレード402上に配置していたが、本
実施例では光軸方向にのみ制御(移動)可能に構成した
例えば2枚の板バネを平行に配置してなるサスペンショ
ンからなるキャリッジ434の可動端に2つの対物レン
ズ407a,407bを固定することで、レンズアクチ
ュエータの構成を簡略化している。このようにすること
により、アクセス時の移動物体の重量の軽量化を図っ
て、一層の高速アクセスを実現することができる。
【0350】また、本実施例では対物レンズ407a,
407bを光軸方向に移動させるための磁気回路435
がキャリッジ434を光ディスク420の半径方向に移
動させるための磁気回路437に併設されることによ
り、キャリッジ434上の部品の重量をさらに軽減され
ている。
【0351】なお、本実施例ではレンズアクチュエータ
の制御可能な自由度を1軸としたために、残りの1軸
(トラッキング方向の制御)方向を制御可能な機構が必
要とされるが、これには固定光学系1から移動光学系へ
の光ビーム出射部に揺動鏡430を設け、光ディスク4
20上の光スポットの位置を半径方向に制御可能に構成
すればよい。さらに、図54に示した第20実施例と同
様に偏光面回転素子431と偏光ビームスプリッタ43
2とからなる光スイッチを設け、固定光学部401の構
成を共有化するように構成することもできる。
【0352】次に、第17実施例から第21実施例に関
して、図56、図57を参照して、仕様が異なる光ディ
スクに対して対物レンズの仕様をいかに設定するかを説
明する。光ディスク420は、光ビームが入射する面を
基準面としてスピンドルモータに装着される。そのた
め、図56に示すように光ディスク420a,420b
の仕様の相違として基板の厚さが異なっているとき、2
つの対物レンズ407a,407bとしては焦点距離は
異なるが作動距離がほぼ等しい仕様のもの配置すること
によって、回転ブレード402の光ビーム光軸方向の移
動範囲を最小にすることができる。このようにすること
で、光ディスク420aと光ディスク420bが交換さ
れた時でも、容易に光ディスクの記録面上に光ビームが
集光するようにフォーカス制御を可能ならしめることが
できる。
【0353】例えば、光ディスク420a,420bと
して、基板材料がポリカーボネートで厚さが1.2mm
および0.6mmのものを想定し、光ディスク420b
から信号再生を行う際に使用する対物レンズ407bの
焦点距離を2.6mmとしたときは、光ディスク420
aから信号再生を行う際に使用する対物レンズ407a
の焦点距離を3mmとすると、それぞれの対物レンズ4
07a,407bの作動距離WDa,WDbを略等しく
できる。
【0354】図57は、光ディスク420a,420b
の基板の厚さが異なるだけでなく、光ディスク420
a,420bに記録されている情報の密度が異なってい
るときの対応方法を示したものである。たとえば光ディ
スク420aは音楽情報をディジタル化して記録したC
Dであり、光ディスク420bはより記録密度の高い次
世代仕様のものであるときは、光ディスク420aから
信号再生を行うための対物レンズ407aの開口数は
0.4〜0.45であり、光ディスク420bから信号
再生を行うための対物レンズ407bの開口数は0.6
などと大きい。
【0355】ここで、対物レンズ407a,407bの
開口Da,Dbを同じにすれば、入射光ビームの利用率
が同じになるので、光ディスク420a,420bで反
射した光ビームを検出して得られる再生情報信号の検出
レベルをほぼ等しくすることができ、図45の検出信号
演算部501の構成を簡略化できる。再生に供される光
ディスクによって光検出器410の検出信号のレベルが
変化するときは、再生出力レベルがほぼ同一値になるよ
う増幅度を制御する必要がある。検出レベルが変化する
とフォーカス制御系およびトラッキング制御系の制御利
得が変化し、安定な制御ができなくなると言う問題を招
くことになるからである。
【0356】対物レンズ407bの焦点距離を2.6m
mとしたときは、対物レンズ407aの焦点距離を3.
9mmとすることによって、対物レンズ407a,40
7bの開口Da,Dbを同じにすることができる。すな
わち、図57に示すように回転ブレード402の対物レ
ンズ407a,407bの支持部に段差を設け、対物レ
ンズ407a,407bをそれぞれの焦点距離に応じて
光ディスクに対して異なる距離の位置に設置している。
このような条件に2つの対物レンズ407a,407b
の仕様を設定すると、開口数が異なるものの、レンズの
外形および重量をほぼ等しくできるので、対物レンズを
2次元に駆動制御するレンズアクチュエータの重量バラ
ンスが良くなり、制御性の良いレンズアクチュエータを
容易に実現することができる、という新たな効果が得ら
れる。
【0357】図58は、2つの対物レンズ407a,4
07bの双方が回転ブレード402に正しく取り付けら
れていないときの調整手段を示すものである。ここで、
2つの対物レンズ407a,407bの開口数NAa,
NAbの関係がNAa<NAbであるとする。この調整
手段を説明する前に、図59を参照して背景を説明す
る。
【0358】図59は、光ディスクと対物レンズに相対
的な傾きが生じた時の透過波面収差の変化を示したもの
である。開口数が小さい対物レンズ407aの特性を曲
線Dで示し、開口数が大きい対物レンズ407bの特性
を曲線Cで示す。開口数が小さい対物レンズ407aの
方が傾きの影響が小さいことが分かる。この特性を利用
して、最適な調整方法を決定した。
【0359】図58に戻って、調整方法を説明すると、
図59を提示したので多くの説明を必要としなくなった
ことと思われるが、光ディスクに対する対物レンズの相
対的な傾き調整は開口数が大きい対物レンズ407bで
行う。この場合、開口数が小さい対物レンズ407aに
対しては光ディスク420aは傾いて配置されることに
なるが、その影響は対物レンズ7bが傾いて配置された
ときに比べれば小さくできので、総じて良好に情報信号
の再生を可能ならしめることができる。本発明による第
1の光学的ヘッド装置は、記録媒体へ光を照射するため
の複数の対物レンズと、前記複数の対物レンズの中から
所望の一つの対物レンズを選択する手段とを具備するこ
とを特徴とする。本発明による第2の光学的ヘッド装置
は、記録媒体の厚み方向および厚み方向と直交する方向
に移動可能な可動体と、前記可動体に搭載される光源か
らの光を記録媒体に照射する複数の対物レンズと、記録
媒体の種類に応じて前記複数の対物レンズの中から所定
の対物レンズを選択して前記光の光路中に介在させる対
物レンズ切換え手段とを具備することを特徴とする。本
発明による第3の光学的ヘッド装置は、記録媒体の厚み
方向および厚み方向と直交する方向に移動可能で磁石を
有する可動体と、前記可動体に搭載される光源からの光
を記録媒体に照射する複数の対物レンズと、前記可動体
の周囲に配置され、前記可動体を少なくとも前記厚み方
向と直交する方向に駆動するためのコイル手段と、記録
媒体の種類に応じて前記複数の対物レンズの中から所定
の対物レンズを選択して前記光の光路中に介在させる対
物レンズ切換え手段とを具備することを特徴とする。本
発明による第4の光学的ヘッド装置は、光源と記録媒体
からの反射光を検出する検出系とを含み、記録媒体に対
して固定された位置に設けられた固定光学系と、前記光
源の光を記録媒体に集束照射するための複数の対物レン
ズと、複数の対物レンズを支持し、記録媒体に平行な面
内で移動可能に設けられた可動支持手段と、前記可動支
持手段の移動を制御することにより、前記複数の対物レ
ンズのうちの所望の一つを記録媒体に照射される光の光
軸上に選択的に固定する制御手段とを具備することを特
徴とする。 より具体的には、第1の光学的ヘッド装置は
以下の特徴を有する。 (1)前記複数の対物レンズは記録媒体の複数種類に応
じた複数の対物レンズを具備し、前記選択手段は使われ
る記録媒体の種類に応じた対物レンズを選択する手段を
具備する。 (2)前記複数の対物レンズは記録媒体への記録に適し
た第1の対物レンズと、記録媒体からの再生に適した第
2の対物レンズを具備し、前記選択手段は記録/再生に
適した対物レンズを選択する手段を具備する。 (3)前記複数の対物レンズは記録媒体に対する信号処
理に適した複数の対物レンズを具備し、前記選択手段は
信号処理に適した対物レンズを選択する手段を具備す
る。 (4)前記選択手段は、前記複数の対物レンズを保持
し、記録媒体に対して垂直な軸を中心として回転可能で
あり、また記録媒体に対して接離する方向に移動可能に
構成された保持手段と、前記保持手段を所定角度回転す
ることにより前記複数の対物レンズのいずれかを記録媒
体への光路中に位置させる手段とを具備する。 (5)前記保持手段は複数の対物レンズを回転中心軸の
周囲に均等に配置される。 (6)前記保持手段は複数の対物レンズを回転中心軸の
周囲に不均等に配置される。 (7)前記保持手段は対物レンズと記録媒体との間の距
離が一定になるような焦点距離を有する複数の対物レン
ズを保持する。また、第2の光学的ヘッド装置は以下の
特徴を有する。 (1)前記可動体は軸に沿った摺動および軸回りの回転
を許容する滑り軸受け機構で支持されており、前記可動
体に搭載される複数の対物レンズはそれらの重心が、前
記滑り軸受機構の軸に一致するように設けられている。 (2)前記可動体は軸に沿った摺動および軸回りの回転
を許容する滑り軸受け機構で支持されており、前記可動
体に搭載される複数の対物レンズは、前記滑り軸受機構
の軸の周囲に等間隔に設けられている。 (3)前記可動体は軸に沿った摺動および軸回りの回転
を許容する滑り軸受け 機構で支持されており、前記可動
体に搭載される複数の対物レンズは、前記滑り軸受機構
の軸から等距離に設けられている。 (4)前記複数の対物レンズはそれぞれ異なる光学特性
を備えている。 (5)前記可動体は軸に沿った摺動および軸回りの回転
を許容する滑り軸受け機構で支持されており、前記可動
体に搭載される複数の対物レンズは、前記滑り軸受機構
の軸の周囲に不等間隔に設けられている。 (6)前記対物レンズ切換え手段は前記可動体を前記厚
み方向と直交する方向に駆動するためのトラッキングコ
イル手段を具備する。 (7)前記対物レンズ切換え手段は前記可動体を前記厚
み方向と直交する方向に駆動するために前記可動体に固
定されるコイル手段を具備する。 (8)前記可動体は軸に沿った摺動および軸回りの回転
を許容する滑り軸受け機構で支持されており、前記可動
体は前記軸回りに少なくとも(360/n)°だけ回転
可能に構成されている(ここで、nは可動体に搭載され
ている対物レンズの数である)。 (9)前記可動体は軸に沿った摺動および軸回りの回転
を許容する滑り軸受け機構で支持されており、前記可動
体に搭載される複数の対物レンズは、前記滑り軸受機構
の軸の周囲に等間隔に設けられており、前記対物レンズ
切換え手段は、前記可動体を少なくとも前記軸まわり方
向に駆動するためのコイル手段と、前記可動体の周囲に
等間隔に配置され、前記コイル手段に磁界を付与する複
数の磁気回路とを具備する。 (10)前記磁気回路の数は前記対物レンズの数に等し
い。 (11)前記可動体は軸に沿った摺動および軸回りの回
転を許容する滑り軸受け機構で支持されており、前記対
物レンズ切換え手段は、前記可動体の前記軸まわりに配
置された磁性体と、前記可動体の周囲に等間隔に配置さ
れ、前記磁性体に磁界を付与する磁気回路とを具備す
る。 (12)前記磁性体は前記可動体の前記軸まわりに等間
隔に配置されている。 (13)前記可動体は軸に沿った摺動および軸回りの回
転を許容する滑り軸受け機構で支持されており、前記可
動体は前記軸まわりにおける前記複数の対物レ ンズの質
量バランスを取るための少なくとも1個のカウンタウェ
イトを具備する。 (14)前記対物レンズ、カウンタウェイトは前記軸ま
わりに等間隔に配置されている。 (15)前記磁気回路の数は対物レンズとカウンタウェ
イトの数である。 (16)前記可動体は軸に沿った摺動および軸回りの回
転を許容する滑り軸受け機構で支持されており、前記可
動体は径方向へ突出する部位を具備する。 (17)前記可動体は軸に沿った摺動および軸回りの回
転を許容する滑り軸受け機構で支持されており、前記可
動体はその軸方向の一方側には円筒状の部位を、他方側
にはこの円筒部よりも径方向へ突出する部位をそれぞれ
備える。 (18)前記レンズ切換手段は前記可動体の前記円筒部
に固定され、前記可動体を少なくとも前記軸まわり方向
に駆動するためのコイル手段と、前記可動体の前記円筒
部に対向し、しかし突出部より低い位置に配置され、前
記コイル手段に磁界を付与する磁気回路とを具備する。 (19)前記可動体は軸に沿った摺動および軸回りの回
転を許容する滑り軸受け機構で支持されており、前記対
物レンズは前記可動体の前記軸まわりに等間隔に配置さ
れ、前記レンズ切換え手段は、前記可動体を前記軸まわ
り方向に駆動するためのコイル手段と、前記コイル手段
に磁界を付与する磁気回路とを具備し、前記可動体は複
数の孔が設けられ、前記磁気回路の一部が前記孔内に挿
通可能とされる。 (20)前記孔の個数は前記磁気回路の個数と等しく、
前記磁気回路の一部が前記孔内にそれぞれ挿通可能とさ
れる。 (21)前記可動体は軸に沿った摺動および軸回りの回
転を許容する滑り軸受け機構で支持されており、前記対
物レンズは前記可動体の前記軸まわりに等間隔に配置さ
れ、前記レンズ切換え手段は、前記可動体を前記軸まわ
り方向に駆動する第1のコイル手段と、前記可動体を前
記軸方向に駆動する第2のコイル手段と、前記第1、第
2コイル手段に磁界を付与する磁気回路とを具備し、前
記可動体は複数の孔が設けられ、前記磁気回路の一部が
前記孔内に挿通可能とされ、前記可動体の前記軸回り方
向への駆動は、前記可動体を軸方向に駆動した後に行う
うに制御される。 (22)前記可動体は軸に沿った摺動および軸回りの回
転を許容する滑り軸受け機構で支持されており、前記対
物レンズは前記可動体の前記軸まわりに等間隔に配置さ
れ、前記レンズ切換え手段は前記可動体を前記軸まわり
方向に駆動するコイル手段と、前記可動体の周囲に円弧
状に立設されるガイドプレートと、前記可動体と前記ガ
イドプレートとを連結し、前記コイル手段へ電流を供給
可能とするフレキシブルプリント基板とを具備する。 (23)前記可動体は軸に沿った摺動および軸回りの回
転を許容する滑り軸受け機構で支持されており、前記対
物レンズは前記可動体の前記軸まわりに等間隔に配置さ
れ、前記レンズ切換え手段は、前記可動体を前記軸まわ
り方向に駆動するコイル手段と、前記コイル手段に磁界
を付与する磁気回路と、前記可動体の周囲に円弧状に立
設され、少なくとも((360/n)/2)°の長さ
(ここで、nは磁気回路の数)のガイドプレートと、前
記可動体と前記ガイドプレートとを連結し、前記コイル
手段へ電流を供給可能とするフレキシブルプリント基板
とを具備する。また、第3の光学的ヘッド装置は以下の
特徴を有する。 (1)前記可動体は径方向へ突出する複数の突出部を具
備する。 (2)前記コイル手段は前記可動体を環状に包囲するヨ
ークと、前記ヨークに固定されるコイルとを具備する。 (3)前記ヨークは非円形状である。 (4)前記可動体は複数枚の板バネにより記録媒体の厚
み方向に弾性支持される。 (5)前記可動体は軸に沿った摺動および軸回りの回転
を許容する滑り軸受け機構で支持されており、この滑り
軸受け機構が複数枚の板バネにより弾性支持されて軸方
向への移動が許容され、前記複数の対物レンズは複数枚
の板バネの間を少なくとも1個が移動可能となるように
前記可動体に搭載される。 (6)前記レンズ切換え手段は、前記可動体に固定され
る非円形状の磁石と、前記可動体の周囲に配置されるヨ
ークと、前記ヨークの前記磁石と近接する位置に固定さ
れ、前記可動体を少なくとも前記厚み方向と直交する方
向に駆動するた めのコイル手段とを具備する。 (7)前記可動体はヒンジ機構で弾性支持されることに
より少なくとも記録媒体の厚み方向と直交する方向に対
して移動可能であり、前記複数の対物レンズは前記ヒン
ジの弾性可能な角度範囲内となるように搭載される。 (8)前記ヒンジ機構は少なくとも2つのヒンジを有し
ている。 (9)前記レンズ切換え手段は前記可動体を記録媒体の
厚み方向と直交する方向の2箇所にて磁気的に保持可能
な磁気回路を具備し、前記対物レンズは、前記磁気回路
と前記ヒンジ機構との間に配置されている。さらに、第
4の光学的ヘッド装置は以下の特徴を有する。 (1)前記可動支持手段は記録媒体の記録面に平行な方
向に移動可能に設けられ、前記制御手段は前記可動支持
部材の移動長さを制御する。 (2)前記可動支持手段は記録媒体の記録面に平行な面
内で回転可能に設けられ、前記制御手段は前記可動支持
手段の回転角を制御する。 (3)前記可動支持手段は強磁性体片を具備し、前記制
御手段は、前記可動支持手段を回転させるための磁気回
路,前記強磁性体片は磁気回路中に位置することにより
前記可動支持手段の回転方向の位置決めを行なう,と、
前記磁気回路に電流を供給することにより、前記可動支
持手段を回転する手段とを具備する。 (4)前記磁気回路は、前記可動支持手段の周面に取り
付けられ、記録媒体に集束照射される光のトラッキング
制御を行なうトラッキングコイル手段を具備し、前記制
御手段は、前記トラッキングコイル手段に所定の電流を
流すことで前記可動支持手段にトラッキング制御時より
大きな回転力を与え、前記可動支持手段を前記強磁性体
片による磁気的な位置決め作用で定まる回転位置に引き
込んで前記複数の対物レンズのうちの所望の一つを前記
光の光軸上に選択的に固定する手段を具備する。 (5)前記複数の対物レンズは、前記可動支持手段の回
転軸の周囲に均等に支持されている。 (6)前記固定光学系は各々の対物レンズに対応して個
別に設けられている。本発明による光学ヘッド装置によ
れば、複数の対物レンズを選択的に使用可能に構成され
ているので、例えば基板や保護層の厚さが異なる光ディ
スクにそれぞ れ最適に製作した対物レンズを使うことに
より、球面収差の増大を防止できる。しかも、これら複
数の対物レンズは同一の可動支持部材上に支持され、こ
の可動支持部材を制御することで一つの対物レンズを選
択するため、レンズアクチュエータが1つで済み、仕様
の異なる光ディスクに対してそれぞれ個別に対物レンズ
の仕様が異なる光学ヘッドおよびそれを移動させるヘッ
ド移動機構を設ける構成に比べ、全体の構成が大幅に小
型・簡略化される。回転支持部材を含むレンズアクチュ
エータを用い、そのトラッキングコイルに流す電流を制
御することで対物レンズの選択を行えば、対物レンズの
選択のために専用の駆動系を設ける必要がなく、構造が
さらに簡単となる。この場合において、複数の対物レン
ズの配置と磁気回路の配置とトラッキングコイルの形状
を適正に設定することによって、対物レンズを選択して
も一組のコイルは共通に使うことができ、駆動力の増大
とコイル数の低減を図ることができる。回転支持部材に
磁気回路中に位置した状態で回転支持部材を回転方向に
磁気的に位置決めするための強磁性体片を回転支持部材
に設け、磁気回路に供給する電流を制御することによ
り、回転支持部材の回転方向の位置決めと共に対物レン
ズの選択を行うようにすれば、選択した対物レンズを光
ディスクに照射される光ビームの光軸上に正確に固定さ
せることができる。複数の対物レンズを光ビームの光軸
上に位置決めする場合、回転支持部材に複数の中立位置
を設定する必要があるが、このように磁気バランス力を
利用することで、複数の中立位置を容易に設定すること
が可能である。複数の対物レンズのレンズ負荷(光ディ
スクの厚さ)、焦点距離、開口数などの光学特性をそれ
ぞれの光ディスクに記録されている情報の密度などに適
した条件に設定することで、いずれの光ディスクから情
報を再生するときでも安定に再生することができる。仕
様の異なる光ディスクであっても、光ディスク装置に装
着されるときは光ビームが入射する面が基準になってセ
ットされるので、複数の対物レンズの作動距離を同一に
しておくことによって、レンズアクチュエータの光軸方
向の移動距離を最小にすることができる。光ディスクの
一方がカートリッジなどに装着されている場合におい
て、カート リッジの窓幅の制約がある時に再生に使用し
ていない対物レンズが邪魔にならないように構成でき
る。対物レンズと光ディスクの相対的な傾きで光ディス
ク上の集光スポットを低下させる要因は、開口数が大き
い対物レンズほどその影響が大きいので、開口数が大き
い対物レンズを優先して位置決めすることによって再生
信号の悪化を最小に押さえることができる。対物レンズ
の外径が同じであれば、アクチュエータに対物レンズを
装着するときに制約を受けること無く、いかなる組み合
わせの対物レンズもセットでき、さらに重量が同じであ
れば、レンズアクチュエータの振動特性の低下を招くこ
ともない。また、本発明の光学ヘッド装置は、複数の対
物レンズを選択的に使用可能に構成されているので、例
えば基板や保護層の厚さが異なる光ディスクにそれぞれ
最適に製作した対物レンズを使うことにより、球面収差
の増大を防止できる。しかも、これら複数の対物レンズ
は同一の可動支持部材上に支持され、この可動支持部材
を制御することで一つの対物レンズを選択するため、レ
ンズアクチュエータが1つで済み、仕様の異なる光ディ
スクに対してそれぞれ個別に対物レンズの仕様が異なる
光学ヘッドおよびそれを移動させるヘッド移動機構を設
ける構成に比べ、全体の構成が大幅に小型・簡略化され
る。回転支持部材を含むレンズアクチュエータを用い、
そのトラッキングコイルに流す電流を制御することで対
物レンズの選択を行えば、対物レンズの選択のために専
用の駆動系を設ける必要がなく、構造がさらに簡単とな
る。この場合において、複数の対物レンズの配置と磁気
回路の配置とトラッキングコイルの形状を適正に設定す
ることによって、対物レンズを選択しても一組のコイル
は共通に使うことができ、駆動力の増大とコイル数の低
減を図ることができる。回転支持部材に磁気回路中に位
置した状態で回転支持部材を回転方向に磁気的に位置決
めするための強磁性体片を回転支持部材に設け、磁気回
路に供給する電流を制御することにより、回転支持部材
の回転方向の位置決めと共に対物レンズの選択を行うよ
うにすれば、選択した対物レンズを光ディスクに照射さ
れる光ビームの光軸上に正確に固定させることができ
る。複数の対物レンズを光ビームの 光軸上に位置決めす
る場合、回転支持部材に複数の中立位置を設定する必要
があるが、このように磁気バランス力を利用すること
で、複数の中立位置を容易に設定することが可能であ
る。複数の対物レンズのレンズ負荷(光ディスクの厚
さ)、焦点距離、開口数などの光学特性をそれぞれの光
ディスクに記録されている情報の密度などに適した条件
に設定することで、いずれの光ディスクから情報を再生
するときでも安定に再生することができる。仕様の異な
る光ディスクであっても、光ディスク装置に装着される
ときは光ビームが入射する面が基準になってセットされ
るので、複数の対物レンズの作動距離を同一にしておく
ことによって、レンズアクチュエータの光軸方向の移動
距離を最小にすることができる。光ディスクの一方がカ
ートリッジなどに装着されている場合において、カート
リッジの窓幅の制約がある時に再生に使用していない対
物レンズが邪魔にならないように構成できる。対物レン
ズと光ディスクの相対的な傾きで光ディスク上の集光ス
ポットを低下させる要因は、開口数が大きい対物レンズ
ほどその影響が大きいので、開口数が大きい対物レンズ
を優先して位置決めすることによって再生信号の悪化を
最小に押さえることができる。対物レンズの外径が同じ
であれば、アクチュエータに対物レンズを装着するとき
に制約を受けること無く、いかなる組み合わせの対物レ
ンズもセットでき、さらに重量が同じであれば、レンズ
アクチュエータの振動特性の低下を招くこともない。
【0360】以上、種々の実施例を説明してきたが、本
発明は上述した実施例を任意に組み合わせて実施するこ
とができ、その場合はさらに多くの効果が期待できる。
要するに本発明の主旨は、仕様の異なる光ディスクを用
いて信号を記録/再生する際に、種々の仕様に適応した
少なくとも2つの対物レンズを設けて、それらの対物レ
ンズを選択的に用いることによって、対物レンズが1つ
の時の光学ヘッドに対して著しい変更をすることなし
に、十分高品位な再生信号を得るように構成した光学ヘ
ッドを提供することにある。
【0361】特に、複数の対物レンズを回転ブレードの
ような一つの可動支持部材に搭載し、この可動支持部材
を制御して対物レンズの選択を行うことにより、レンズ
アクチュエータが1つで済み、仕様の異なる光ディスク
に対してそれぞれ個別に対物レンズの仕様が異なる光学
ヘッドおよびそれを移動させるヘッド移動機構を設ける
構成に比べ、装置全体の構成を大幅に小型化・簡略化す
ることができる。ここで、複数の対物レンズを可動体の
回転中心に対して対称な位置、換言すれば可動体の重心
位置が回転軸にほぼ一致するように配置すれば、可動体
は最大の速度で移動することができ、光ディスクのアク
セス時間を大幅に短縮することができる。
【0362】また、ディスクの記録密度、反りの許容
量、基板の厚み等の相違など規格の異なる複数のディス
クの処理に適した複数の対物レンズに限らず、同一のデ
ィスクに対して記録時と再生時で、それぞれ対物レンズ
の仕様が異なる場合には、記録時、再生時に対物レンズ
を切換えてもよい。
【0363】さらに、記録媒体も再生専用の光ディスク
に限らず、追記型の光ディスク、書換えが可能な光磁気
ディスク等でもよい。
【0364】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、小
型、かつ、安価な構成でありながら、それぞれ対物レン
ズの仕様が異なる複数の情報記録媒体に対して、少なく
とも良好な再生を行えるようにした光学的ヘッド装置が
提供される。
【0365】また、本発明によれば、小型、かつ、安価
な構成でありながら、記録時と再生時で、それぞれ対物
レンズの仕様が異なる場合でも、良好な記録、再生を行
えるようにした光学的ヘッド装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】光ディスクの基板が異なる場合の波面収差と傾
きとの関係を示す図。
【図2】本発明による光学的ヘッドの第1実施例を含む
光ディスク記録・再生装置全体の概略構成を示す斜視
図。
【図3】図2に示した記録・再生装置の制御系と光学系
を示す図。
【図4】本発明による第1実施例である光学的ヘッドの
構成を概略的に示す一部断面側面図。
【図5】図2に示した光ディスク記録・再生装置の基本
的な構成を模式的に示す図。
【図6】第1実施例において第1対物レンズが選択され
た状態を示す説明図。
【図7】第1実施例において第2対物レンズが選択され
た状態を示す説明図。
【図8】本発明による光学的ヘッドの第2実施例を含む
光ディスク記録・再生装置全体の基本構成を模式的に示
す図。
【図9】第2実施例において第1対物レンズが選択され
た状態を示す説明図。
【図10】第2実施例において第2対物レンズが選択さ
れた状態を示す説明図。
【図11】本発明による光学的ヘッドの第3実施例を含
む光ディスク記録・再生装置全体の主要部の構成を示す
概略的斜視図。
【図12】第3実施例において第1対物レンズが選択さ
れた状態を示す説明図。
【図13】第3実施例において第2対物レンズが選択さ
れた状態を示す説明図。
【図14】第1〜第3実施例における複数の対物レンズ
の実装時の状態を模式的に描いた説明図。
【図15】図15は本発明による光学的ヘッドの第4実
施例を含む光ディスク記録・再生装置全体の概略を示す
平面図。
【図16】図15中のA−A’線に沿った断面を光学系
とともに示す図。
【図17】図15中のB−B’線に沿った断面図。
【図18】第4実施例に係る光学系及び信号処理系を示
す図。
【図19】本発明による光学的ヘッドの第5実施例の可
動部分の平面図。
【図20】本発明による光学的ヘッドの第6実施例の可
動部分の平面図。
【図21】本発明による光学的ヘッドの第7実施例の可
動部分の平面図と斜視図を示す図。
【図22】本発明による光学的ヘッドの第8実施例の可
動部分の平面図。
【図23】本発明による光学的ヘッドの第9実施例の可
動部分の平面図。
【図24】本発明による光学的ヘッドの第10実施例の
可動部分の平面図。
【図25】第10実施例の断面図。
【図26】本発明による光学的ヘッドの第11実施例の
可動部分の平面図。
【図27】本発明による光学的ヘッドの第12実施例の
可動部分の平面図。
【図28】第4〜第12実施例において、対物レンズの
代わりに1個のカウンタウエイトを配置した例を示す平
面図。
【図29】第4〜第12実施例において、対物レンズの
代わりに2個のカウンタウエイトを配置した例を示す平
面図。
【図30】図28の変形例において、フレキシブルプリ
ント基板を用いた例を示す平面図。
【図31】図29の変形例において、フレキシブルプリ
ント基板を用いた例を示す平面図。
【図32】本発明による光学的ヘッドの第13実施例の
可動部分の平面図。
【図33】図32中のA−A’線に沿った断面図。
【図34】図32中のB−B’線に沿った断面図。
【図35】図32中のC−C’線に沿った断面図。
【図36】本発明による光学的ヘッドの第14実施例の
可動部分の平面図。
【図37】図36中のA−A’線に沿った断面図。
【図38】図37中のB−B’線から見た一部断面図。
【図39】図36中のC−C’線に沿った断面図。
【図40】本発明による光学的ヘッドの第15実施例の
可動部分の断面図。
【図41】第15実施例の動作状態を示す平面図。
【図42】第15実施例の動作状態を示す平面図。
【図43】本発明による光学的ヘッドの第16実施例の
動作状態を示す平面図。
【図44】第16実施例の動作状態を示す平面図。
【図45】本発明による光学的ヘッドの第17実施例の
要部構成を示す図。
【図46】対物レンズと光ディスクの仕様が異なる場合
を比較して示す模式図。
【図47】硝材の異なる対物レンズの代表的な断面形状
を示す図。
【図48】第17実施例におけるレンズアクチュエータ
の詳細な構成を示す図。
【図49】第17実施例において回転ブレード上に設け
たトラッキングコイルの形状を示す図。
【図50】第17実施例におけるレンズアクチュエータ
のさらに詳細な構成を示す図。
【図51】第17実施例における回転ブレード上に設け
た複数の対物レンズを選択するためのトラッキングコイ
ルに流す電流波形を示す図。
【図52】本発明による光学的ヘッドの第18実施例の
要部構成を示す図。
【図53】本発明による光学的ヘッドの第19実施例の
要部構成を示す図。
【図54】本発明による光学的ヘッドの第20実施例の
要部構成を示す図。
【図55】本発明による光学的ヘッドの第21実施例の
要部構成を示す図。
【図56】第17〜第21実施例における2つの対物レ
ンズの第1の仕様の相互関係を示す図。
【図57】第17〜第21実施例における2つの対物レ
ンズの第2の仕様の相互関係を示す図。
【図58】第17〜第21実施例における光学的ヘッド
装置の調整方法を説明するための模式図。
【図59】第17〜第21実施例において光ディスクの
基板が異なる場合の波面収差と傾きとの関係を示す図で
ある。
【符号の説明】
1…光ディスク装置、10…光ディスク、12…スピン
ドルモータ、14a,14b…対物レンズ、16…立上
げミラー、18…移動光学系、20…ピックアップ、2
2…固定光学ユニット、42…制御部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−242833(JP,A) 特開 昭63−112832(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/135 G11B 7/09

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体の記録面に垂直な軸を中心に回
    転可能な可動支持部材と、 前記可動支持部材の周囲に配置される複数の磁石と、 前記可動支持部材に保持され、前記磁石と共に複数の中
    立位置を有する磁気回路を構成し、可動支持部材を中立
    位置に応じた所定角度づつ回転させる複数のトラッキン
    グコイルと、 前記可動支持部材に保持され、前記所定角度間隔で配置
    され、記録媒体へ光を照射するための複数の対物レンズ
    と、 前記可動支持部材の隣接するトラッキングコイルの間に
    保持され、前記中立位置を決定するための複数の強磁性
    体部材と、 を具備する光学的ヘッド装置。
  2. 【請求項2】 前記可動支持部材は記録媒体へ照射され
    る光の光軸方向にも移動可能であり、光軸方向に移動さ
    せるフォーカシングコイルを具備する請求項1に記載の
    光学的ヘッド装置。
  3. 【請求項3】 磁性体からなり記録媒体の記録面に垂直
    な軸を中心に回転可能で、かつ記録媒体へ照射される光
    の光軸方向にも移動可能である可動支持部材と、 前記可動支持部材の周囲に配置され、前記可動支持部材
    の強磁性体とともに磁気回路を構成し、前記可動支持部
    材を回転させる複数のトラッキングコイルと、 前記可動支持部材の周囲に配置され、前記可動支持部材
    の強磁性体とともに磁気回路を構成し、前記可動支持部
    材を光軸方向へ移動させる複数のフォーカシングコイル
    と、 前記可動支持部材に保持され、前記所定角度間隔で配置
    され、記録媒体へ光を照射するための複数の対物レンズ
    と、 を具備し、 前記複数の対物レンズは開口数が異なる2つのレンズを
    含み、開口数が大きい第1レンズは記録媒体に近接し
    て、開口数が小さい第2レンズは記録媒体から離間して
    前記可動支持部材に取り付けられ、第1、第2レンズの
    取り付け高さの差Lは第2レンズの移動可能距離L2と
    第1レンズの移動可能距離L1の差(L2−L1)以下
    である光学的ヘッド装置。
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