JP2871574B2 - 対物レンズアクチュエータ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、対物レンズアクチ
ュエータ装置に係り、特に、異なる種類の光ディスクを
交換装備する光ディスク装置に好適な対物レンズアクチ
ュエータ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の対物レンズアクチュエータ装置１
００を図３及び図４に基づいて説明する。この従来例
は、テレビジョン学会技術報告論文集１９９５年第４６
号（ＶＩＲ９５−４６）第５３〜６０頁（ＤＶＤ用ツイ
ンレンズ光ピックアップの開発）および日経メカニカル
１９９５年８月７日号（第４６０号）６２頁〜６５頁
（ＤＶＤ／ＣＤレンズをスイッチ）に開示されている。
ここに示す対物レンズアクチュエータ装置１００は、コ
ンパクトディスク（ＣＤ）とデジタルビデオディスク
（ＤＶＤ）の双方に対応する光ディスク装置に装備され
るものである。

【０００３】ＣＤとＤＶＤは、それらの再生原理は同じ
であるがその仕様が異なるものとなっており、具体的に
は、ディスク面の厚さ等に違いがあるそのため、１台の
光ディスク装置によってこれら二種類の光ディスクから
それぞれ読み取りを行う場合には、光源から射出される
レーザ光をＣＤの記録面上に集光する対物レンズとＤＶ
Ｄの記録面上に集光する対物レンズの二種類が必要とな
る。

【０００４】即ち、この従来の対物レンズアクチュエー
タ装置１００は、ＤＶＤ用の対物レンズ１０１と、ＣＤ
用の対物レンズ１０２と、これらの対物レンズ１０１，
１０２を，図３におけるに上下方向を軸とする同一円周
上に装備するレンズホルダ１０３と、このレンズホルダ
１０３を支軸１０４を介して回動自在且つ当該支軸１０
４に沿って往復自在に保持するシャーシ１０５と、レン
ズホルダ１０３を支軸１０４に沿った方向に往復移動を
付勢する図示しないフォーカシングアクチュエータと、
レンズホルダ１０３に回動動作を付勢して各対物レンズ
の位置決めを行うトラッキングアクチュエータ１１０
と、各アクチュエータの動作制御を行う図示しない動作
制御回路とを備えている。

【０００５】また、符号１０６は、光源からのレーザ光
を光ディスクの記録面に向けて（図３における上下方
向）反射する反射ミラーであり、シャーシ１０５の所定
位置に固定されている。即ち、光ディスク装置の光源か
らの射出レーザ光の光路位置に設けられている。

【０００６】レンズホルダ１０３は、円板状に形成され
ており、その中心には、支軸１０４が係合している。こ
の支軸１０４を中心とする円周１０３Ａ上には、隣接し
て対物レンズ１０１と対物レンズ１０２とが配設されて
おり、上述の反射ミラー１０６は、これら対物レンズ１
０１，１０２の配設された円周１０３Ａと直交するよう
に光源からのレーザ光を反射する。即ち、レンズホルダ
１０３の回動により、対物レンズ１０１と対物レンズ１
０２とがレーザ光の光路上から入れ替えが自在であり、
光ディスク装置に装備された光ディスクの種類に応じて
それぞれの対物レンズ１０１，１０２による集光が可能
となっている。

【０００７】レンズホルダ１０３は、前述したようにト
ラッキングアクチュエータ１１０によって回動動作が付
勢される。このトラッキングアクチュエータ１１０は、
レンズホルダ１０３の端縁部に設けられた二組のトラッ
キングコイル１１１Ａ，１１１Ｂ，１１２Ａ，１１２Ｂ
と、レンズホルダ１０３の端縁部に近接してシャーシ１
０５に設けられた一組のマグネット１１３Ａ，１１３Ｂ
とから構成される。

【０００８】そして、図４（Ａ）に示すように、一方の
対を成すトラッキングコイル１１１Ａ，１１１Ｂが、そ
れぞれ各マグネット１１３Ａ，１１３Ｂに対向する場合
には、対物レンズ１０１が、反射ミラー１０６に反射さ
れたレーザ光の光路上の位置となり、また、図４（Ｂ）
に示すように、他方の対を成すトラッキングコイル１１
２Ａ，１１２Ｂが、それぞれ各マグネット１１３Ａ，１
１３Ｂに対向する場合には、対物レンズ１０２が、反射
ミラー１０６に反射されたレーザ光の光路上の位置とな
るように、各トラッキングコイル１１１Ａ，１１１Ｂ，
１１２Ａ，１１２Ｂの配設位置が設定されている。

【０００９】トラッキングアクチュエータ１１０は、通
常、光ディスクに対するレーザ光の集光スポットの照射
位置ズレをトラック方向について補正するためのもので
あり、対物レンズをトラック方向に微小変位で移動させ
ることによって行われる。即ち、円形のレンズホルダ１
０３の接線方向と光ディスクのトラックの接線方向と
は、直交する位置関係で配設されており、上記各対のト
ラッキングコイルに流す電流値を微妙に調節することに
よって、対を成すマグネット１１３Ａ，１１３Ｂとの間
に生じる斥力及び引力を利用してレンズホルダ１０３に
微小の回転動作を付勢しトラック方向における補正を行
う。

【００１０】上記の構成の場合、各マグネット１１３
Ａ，１１３Ｂと対向状態にあるトラッキングコイルの対
に瞬間的にパルス状の大電流（キックパルス）を流すこ
とにより、レンズホルダ１０３は大きく回転動作が付勢
される。即ち、これによって、上記の図４（Ａ）の状態
から図４（Ｂ）の状態（又は、図４（Ｂ）の状態から図
４（Ａ）の状態）に移行することを可能としており、即
ち、トラッキングアクチュエータ１１０がトラック誤差
の補正と対物レンズの切り換え動作を同時に行い得る構
成としている。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】上記従来例では、レン
ズホルダ１０３の回転により、トラック誤差の微小な調
節を行うと共に二つの対物レンズ１０１，１０２の切り
換えを行う構成となっている。このため、トラッキング
時の共振の影響，対物レンズの切り換え時に生じる慣性
の影響等の低減のため、レンズホルダ１０３全体の重量
は軽いことが望ましい。また、これに加えて、レンズホ
ルダ１０３全体の重量が重い場合、トラッキングアクチ
ュエータによる消費電流の増加や動作速度の低下という
問題を発生する。

【００１２】しかしながら、上記従来例では、レンズホ
ルダ１０３に対物レンズの個体数に応じて複数のトラッ
キングコイルが装備されているため（各対物レンズ毎に
一対のトラッキングコイルが対応して装備されているた
め、対物レンズの個体数×２のトラッキングコイルが装
備されている）、これらのトラッキングコイルによるレ
ンズホルダ１０３全体の重量増加が不可避となってい
た。

【００１３】また、対物レンズ毎に対応して対となるト
ラッキングコイルを装備すると共にこれら各対のトラッ
キングコイルに対するトラック誤差補正動作及び対物レ
ンズの切り換え動作のための動作制御を行わねばならな
いため、これら各対毎の動作制御回路及びトラッキング
コイルの切換え回路が必要になるため、動作制御回路自
体が複雑化するという不都合を有していた。

【００１４】

【発明の目的】本発明は、かかる従来例の有する不都合
を改善し、トラッキングアクチュエータの消費電力の低
減を図ると共に、動作速度の迅速化及びこれに伴う読み
出し時間の短縮化を図り得る対物レンズアクチュエータ
装置を提供することを、その目的とする。

【００１５】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明で
は、切り換え装備される異なった種類の光ディスクに対
応して光源からのレーザ光を光ディスクの記録面上に集
光する複数の対物レンズと、これらの対物レンズを同一
円周上に保持するレンズホルダと、このレンズホルダを
回転自在且つこの回転の中心軸に沿って往復移動自在に
保持するシャーシと、このシャーシに装備され，レンズ
ホルダに往復移動を付勢するフォーカシングアクチュエ
ータと、レンズホルダに回転動作を付勢して前記各対物
レンズの位置決めを行うトラッキングアクチュエータと
を備えている。

【００１６】そして、トラッキングアクチュエータは、
レンズホルダの端縁部に装備した一つのトラッキングコ
イルと、このトラッキングコイルの通電により吸引又は
反発する各対物レンズと個別に対応する当該対物レンズ
と同数のマグネットとを備えると共に、これら複数のマ
グネットを、いずれもレンズホルダの端縁部に近接させ
てシャーシ上に装備し、トラッキングコイルが各マグネ
ットにそれぞれ個別に対向するときに、該マグネットに
対応する対物レンズがレーザ光の光軸上となるように各
マグネットの配置を設定する構成を採っている。

【００１７】上記構成からなる対物レンズアクチュエー
タ装置は、異なった種類の光ディスクを交換装備する光
ディスク装置に装備され、光ディスク装置の光源からの
レーザ光が、対物レンズアクチュエータ装置のいずれか
の対物レンズを透過するように配設される。そして、動
作時においては、トラッキングコイルが何れかのマグネ
ットに対向した状態にあり、これにより所定の対物レン
ズを介して光ディスクに対するレーザ光の集光が行われ
る。

【００１８】そして、フォーカシングアクチュエータに
より、レンズホルダに中心軸に沿った方向の移動動作が
付勢されてフォーカス誤差の調整が行われる。

【００１９】また、これと同時に、トラッキングアクチ
ュエータにより、レンズホルダに微小範囲で回転動作が
付勢され、トラック誤差の調整が行われる。

【００２０】即ち、トラッキングコイルに対して流され
る電流が微小単位で調節され、マグネットとの間に生じ
る引力又は斥力が調節されることにより、レンズホルダ
に対する回転動作が付勢される構造となっている。な
お、このとき、レンズホルダはその回転動作の接線方向
と光ディスクの接線方向とが直交するように配置されて
いるものとする。

【００２１】また、新たに種類の異なる光ディスクが交
換装備された場合、これに応じて対物レンズの交換動作
が行われる。この対物レンズの交換動作は、トラッキン
グアクチュエータにより行われる。即ち、トラッキング
コイルに対して瞬間的にパルス状の大電流が流され、こ
れにより、トラッキングコイルは、現在対向状態にあっ
たマグネットとの間に瞬間的に大きな斥力を生じこのマ
グネットから離間する。

【００２２】つまり、レンズホルダにトラック誤差調節
時より大きな変位で回転動作が付勢され、トラッキング
コイルは、隣接する他のマグネットに引き寄せられてそ
の位置で静止する。これにより、光路上に位置していた
対物レンズは、その位置から回転移動して他の対物レン
ズと入れ替ることにより交換が行われる。

【００２３】請求項２記載の発明では、請求項１記載の
発明と同様の構成を有すると共に、トラッキングアクチ
ュエータのトラッキングコイルと各マグネットとを、レ
ンズホルダの回転の中心軸を挟んで対称となる位置にそ
れぞれもう一つずつ装備する構成を採っている。

【００２４】上記構成では、請求項１記載の発明と同様
に動作が行われると共にそれぞれのトラッキングコイル
が、それぞれの各マグネットと対向する際に、個別に各
対物レンズの入れ替えが行われる構成となっている。

【００２５】請求項３記載の発明では、請求項２記載の
発明と同様の構成を有すると共に、複数の対物レンズ
は、焦点距離の異なる二種類のものからなるという構成
を採っている。

【００２６】即ち、上記構成では、対物レンズに対応し
て二つのマグネットがシャーシに装備されている。そし
て、請求項２記載の構成と同様にして、各マグネットと
対向状態にある各トラッキングコイルが、レンズホルダ
の回転動作により他方の各マグネットと対向する状態に
移行することにより、対物レンズの交換が行われる。

【００２７】

【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を、図１及び
図２に基づいて説明する。図１に示される対物レンズア
クチュエータ装置１０は、コンパクトディスク（ＣＤ）
とデジタルビデオディスク（ＤＶＤ）の双方の読み取り
を行う光ディスク装置に装備されるものであり、この光
ディスク装置の光源から照射されるレーザ光の光路の途
中に配設される。

【００２８】この対物レンズアクチュエータ装置１０
は、光ディスク装置に装備された光源からのレーザ光を
ＤＶＤの記録面上に集光する対物レンズ１１と、ＣＤの
記録面上にレーザ光を集光する対物レンズ１２と、これ
らの対物レンズ１１，１２を，同一円周１３Ａ上に保持
するレンズホルダ１３と、このレンズホルダ１３を円周
１３Ａの中心軸の位置に設けられた支軸１４を介して回
転自在に且つこの回転の中心軸に沿って往復移動自在に
保持するシャーシ１５と、レンズホルダ１３を支軸１４
に沿った方向に往復移動させるフォーカシングアクチュ
エータ（図示略）と、レンズホルダ１３に回転動作を付
勢して各対物レンズ１１，１２の位置決めを行うトラッ
キングアクチュエータ２０とを備えている。

【００２９】また、シャーシ１５上のレンズホルダ１３
の下方となる位置には、反射ミラー１６が設けられてお
り、図１に示すように右側から照射されるレーザ光を対
物レンズアクチュエータ装置１０の上方に載置された光
ディスク（図示略）に向けて反射するように反射面の角
度が設定されている。またさらに、この対物レンズアク
チュエータ装置１０には、各アクチュエータの動作制御
を行う動作制御回路（図示略）が設けられている。

【００３０】以下、上記各部を詳説する。

【００３１】上述の各対物レンズ１１，１２は、それぞ
れ基板面の厚さの異なるＤＶＤ及びＣＤに対応するもの
であり、基板面の薄いＤＶＤには開口数の大きな対物レ
ンズ１１が使用され、基板面の厚いＣＤには開口数の小
さな対物レンズ１２が使用される。即ち、これらの対物
レンズ１１，１２には、それぞれ焦点距離の異なるもの
が使用される。

【００３２】これらの対物レンズ１１，１２は、それぞ
れ円板状のレンズホルダ１３の平板面を貫通した孔部に
装備されており、レンズホルダ１３の中心からそれぞれ
等しい距離で配設されている。このレンズホルダ１３
は、その中心部でシャーシ１５から立設された支軸１４
の上端部と回転自在に係合しており、この支軸１４の下
方には、図示を省略したフォーカシングアクチュエータ
が配設されている。

【００３３】即ち、このフォーカシングアクチュエータ
は、支軸１４の下端部に設けられた永久磁石とこの周囲
に設けられたコイルとにより電磁ソレノイドを構成し、
コイルに流す電流を調節することにより、支軸１４及び
レンズホルダ１３に対して当該支軸１４に沿った方向
（図１における上下方向）への微小単位での往復移動を
付勢し，焦点距離の調整を行うようになっている。

【００３４】また、前述したようにこのレンズホルダ１
３は、トラッキングアクチュエータ２０によって支軸１
４を中心とした回動動作が付勢される。このトラッキン
グアクチュエータ２０は、レンズホルダ１３の端縁部に
支軸１４を挟んで対称に設けられた一対のトラッキング
コイル２１Ａ，２１Ｂと、レンズホルダ１３の端縁部に
近接してシャーシ１５上の支軸１４を挟んで対称となる
位置にそれぞれ設けられた二組の対を成すマグネット２
２Ａ，２２Ｂ，２３Ａ，２３Ｂとを備えている。

【００３５】そして、トラッキングコイル２１Ａ，２１
Ｂが、一方の対を成すマグネット２２Ａ，２２Ｂと個々
に対向するときには、対物レンズ１１が反射ミラー１６
により反射されたレーザ光の光路上となるように、マグ
ネット２２Ａ，２２Ｂの位置が設定されており（図２
（Ａ）の状態）、また、マグネット２３Ａ，２３Ｂと個
々に対向するときには、対物レンズ１２がレーザ光の光
路上となるように、マグネット２３Ａ，２３Ｂの位置が
設定されている（図２（Ｂ）の状態）。

【００３６】また、上述のレンズホルダ１３には、トラ
ッキングコイル２１Ａとマグネット２２Ｂ又はマグネッ
ト２３Ｂ，及びトラッキングコイル２１Ｂとマグネット
２２Ａ又はマグネット２３Ａとが対向することがないよ
うに、その回動範囲を制限する図示しないストッパが設
けられている。

【００３７】さらに、トラッキングアクチュエータ２０
は、円形のレンズホルダ１３の外周の接線方向が光ディ
スクのトラックの接線方向と直交するように配設され、
このレンズホルダ１３に微小単位で回動動作を付勢する
ことによりレーザ光のトラックに対する照射位置のズレ
の補正を行うためのものである。そのため、このトラッ
キング動作を行うために、例えば、各トラッキングコイ
ル２１Ａ，２１Ｂが各マグネット２２Ａ，２２Ｂと対向
した状態を保持しながら微妙にレンズホルダ１３に回動
を付勢する必要が生じる。

【００３８】かかるトラッキング動作を行うために、各
トラッキングコイル２１Ａ，２１Ｂには、その内側に鉄
片が装備されており、この鉄片が各マグネットに引き寄
せられながら、これら各マグネットとの間に微妙な斥力
を生じるように各トラッキングコイル２１Ａ，２１Ｂに
電流を流す制御が動作制御回路によって行われる構成と
なっている。

【００３９】次に、上記各構成からなる対物レンズアク
チュエータ装置１０の動作を説明する。

【００４０】まず、光ディスク装置に、ＤＶＤが装備さ
れ、図２（Ａ）に示す状態から動作が行われる。かかる
場合、光ディスク装置の光源からレーザ光が照射され、
反射ミラー１６に反射されると共に対物レンズ１１を介
してＤＶＤの記録面上にこのレーザ光が集光される。そ
して、このレーザ光の反射光に基づいて光ディスク装置
からフォーカス誤差信号及びトラック誤差信号が出力さ
れ、これらの信号に基づいて動作制御回路により、フォ
ーカシングアクチュエータ及びトラッキングアクチュエ
ータ２０の動作制御が行われる。

【００４１】即ち、フォーカシングアクチュエータによ
りレンズホルダ１３が支軸１４に沿った方向に往復動作
が付勢され、これにより、ＤＶＤに対する対物レンズ１
１のフォーカシングが行われる。またさらに、各トラッ
キングコイル２１Ａ，２１Ｂに流す電流の向き及び強さ
が微妙に調節され、これによりレンズホルダ１３が微小
単位で回動され、レーザ光のＤＶＤの記録面上における
結像位置がトラックと直交する方向に移動されてトラッ
キングが行われる。

【００４２】次に、光ディスクがＤＶＤからＣＤに交換
されると、これと同時に対物レンズの交換が行われる。
このとき、光ディスク装置にＤＶＤとＣＤとを識別する
識別手段を設け、これにより光ディスク装置からこの対
物レンズアクチュエータ装置１０の動作制御回路に対物
レンズの交換信号を出力する構成としても良い。また或
いは、外部入力手段を設け、この外部入力手段によって
交換指令を入力する構成としても良い。

【００４３】上記過程を経て、動作制御回路によるトラ
ッキングアクチュエータ２０に対する対物レンズの交換
動作制御が行われる。即ち、図２（Ａ）の状態にある各
トラッキングコイル２１Ａ，２１Ｂに瞬間的に各マグネ
ット２２Ａ，２２Ｂと反発し合う向きのパルス状の大電
流（キックパルス）を流し、これにより各マグネット２
２Ａ，２２Ｂと各トラッキングコイル２１Ａ，２１Ｂに
設けられた鉄片との間の磁力を越える反発力を発生さ
せ、レンズホルダ１３に対して回動動作の付勢を行う。

【００４４】この回動により、各マグネット２２Ａ，２
２Ｂから離間した各トラッキングコイル２１Ａ，２１Ｂ
は、各マグネット２３Ａ，２３Ｂの磁力によりこれらに
対向した状態で制止される（図２（Ｂ）の状態）。即
ち、この回動により、反射ミラー１６により反射された
レーザ光の光路上に対物レンズ１２が位置した状態とな
り、光源からのレーザ光は、ＣＤの記録面上に集光が可
能な状態に切り換えられる。

【００４５】そして、ＣＤに対するフォーカシング及び
トラッキングは、ＤＶＤの場合と同様に行われ、ＣＤの
記録面上に記録された情報の読み取りが光ディスク装置
により行われる。

【００４６】上述のように、本実施形態では、レンズホ
ルダ１３上に一対のトラッキングコイル２１Ａ，２１Ｂ
を設け、レンズホルダ１３の周囲に各対物レンズ１１，
１２に個々に対応する一方の対のマグネット２２Ａ，２
２Ｂと他方の対のマグネット２３Ａ，２３Ｂとを設ける
構成としているため、レンズホルダ１３上に対物レンズ
の装備数に応じて多数のトラッキングコイルを装備する
ことなく、各対物レンズの切り換え動作を行うことを可
能としている。

【００４７】このため、レンズホルダ全体の重量の軽量
化を図ることが可能となり、このレンズホルダの回動時
の慣性の影響を排除し微小なトラッキング調整が可能と
なる共にトラッキングアクチュエータによる消費電力を
節約し動作速度の向上が可能となっている。

【００４８】ここで、上記対物レンズアクチュエータ装
置のレンズホルダには、光ディスクの種類に応じてより
複数種類の対物レンズを支軸を中心とする同一円周上に
装備しても良い。この場合、対物レンズの装備数に応じ
て同数の対となるマグネットをシャーシ上の所定位置に
装備する必要がある。

【００４９】また、トラッキングコイルを一つとする構
成としても良い。この場合、シャーシ上には、対ではな
く個々に各対物レンズに対応するマグネットを装備すれ
ば良い。これにより、部品点数の低減を図ることができ
ると共に、よりレンズホルダ全体の軽量化を図ることが
可能となる。

【００５０】

【発明の効果】請求項１記載の発明では、レンズホルダ
上に一つのトラッキングコイルを設け、レンズホルダの
周囲に各対物レンズに個々に対応する複数のマグネット
を設ける構成としているため、従来のようにレンズホル
ダ上に対物レンズの装備数に応じて多数のトラッキング
コイルを装備する必要がなく、レンズホルダ全体の軽量
化を図ることが可能となる。

【００５１】このため、本発明を光ディスク装置に装備
することにより、このレンズホルダの回動時の慣性の影
響を低減した状態で微小なトラッキング調整が可能とな
る共にトラッキングアクチュエータによる消費電力を低
減し、さらに、動作速度の向上が可能となるため、本発
明を光ディスク装置に装備することにより光ディスクの
読み出し時間の短縮化を図ることが可能となる。

【００５２】また、従来のように対物レンズ毎に対応す
る複数のトラッキングコイルを装備し、これら各トラッ
キングコイル毎にトラック誤差補正動作の動作制御を行
う必要がなく、また、対物レンズの切り換え動作のため
の動作制御を行う制御回路を設ける必要がないため、動
作制御回路の簡素化を図ることが可能である。

【００５３】請求項２記載の発明では、トラッキングコ
イル及び各マグネットをレンズホルダの回転の中心軸を
挟んで対称となる位置に設けられた対で構成し、マグネ
ットの各対が各対物レンズに対応する構成となっている
ため、請求項１記載の発明と同様の効果を有すると共
に、回動動作の中心を挟んで両側から回動が付勢される
構成となっているため、レンズホルダに傾斜等が生じる
ことなくバランス良く回動動作が行われ、フォーカシン
グ及び対物レンズの切り換えを良好に行うことが可能と
なる。

【００５４】請求項３記載の発明では、焦点距離の異な
る２種類の対物レンズを装備する構成であるため、請求
項２記載の発明と同様の効果を有すると共に、例えば、
厚さ又は素材の異なる２種類の光ディスクに対応するこ
とが可能となる。

【００５５】本発明は、以上のように構成され機能する
ので、これにより、従来にない優れた対物レンズアクチ
ュエータ装置を提供することが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態を示す斜視図である。

【図２】図１に開示した対物レンズアクチュエータ装置
の対物レンズの切り換え動作を説明する説明図であり、
図２（Ａ）は一方の対物レンズがレーザ光の光路上にあ
る状態を示しており、図２（Ｂ）は他方の対物レンズが
レーザ光の光路上にある状態を示している。

【図３】従来例を示す斜視図である。

【図４】従来例の対物レンズの切り換え動作を説明する
説明図であり、図４（Ａ）は一方の対物レンズがレーザ
光の光路上にある状態を示しており、図４（Ｂ）は他方
の対物レンズがレーザ光の光路上にある状態を示してい
る。

【符号の説明】

１０ 対物レンズアクチュエータ装置 １１，１２ 対物レンズ １３ レンズホルダ １３Ａ 円周 １５ シャーシ ２０ トラッキングアクチュエータ ２１Ａ，２１Ｂ トラッキングコイル ２２Ａ，２２Ｂ，２３Ａ，２３Ｂ マグネット

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 切り換え装備される異なった種類の光デ
   ィスクに対応して光源からのレーザ光を前記光ディスク
   の記録面上に集光する複数の対物レンズと、これらの対
   物レンズを同一円周上に保持するレンズホルダと、この
   レンズホルダを回転自在に且つこの回転の中心軸に沿っ
   て往復移動自在に保持するシャーシと、このシャーシに
   装備され，前記レンズホルダに往復移動を付勢するフォ
   ーカシングアクチュエータと、前記レンズホルダに回転
   動作を付勢して前記各対物レンズの位置決めを行うトラ
   ッキングアクチュエータとを備え、 前記トラッキングアクチュエータは、前記レンズホルダ
   の端縁部に装備した一つのトラッキングコイルと、この
   トラッキングコイルの通電により吸引又は反発する前記
   各対物レンズと個別に対応する当該対物レンズと同数の
   マグネットとを備えると共に、 これら複数のマグネットを、いずれも前記レンズホルダ
   の端縁部に近接させて前記シャーシ上に装備し、 前記トラッキングコイルが前記各マグネットにそれぞれ
   個別に対向するときに、該マグネットに対応する前記対
   物レンズが前記レーザ光の光軸上となるように前記各マ
   グネットの配置を設定したことを特徴とする対物レンズ
   アクチュエータ装置。
2. 【請求項２】 前記トラッキングアクチュエータのトラ
   ッキングコイルと各マグネットとを、前記レンズホルダ
   の回転の中心軸を挟んで対称となる位置にそれぞれもう
   一つずつ装備したことを特徴とする請求項１記載の対物
   レンズアクチュエータ装置。
3. 【請求項３】 前記複数の対物レンズは、焦点距離の異
   なる二種類のものからなることを特徴とする請求項２記
   載の対物レンズアクチュエータ装置。