JP2009289362A - 対物レンズアクチュエータおよび光ディスク装置 - Google Patents

対物レンズアクチュエータおよび光ディスク装置 Download PDF

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健也 黒川
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Abstract

【課題】 2つの対物レンズを光ディスクの任意の半径位置においてトラックの接線上に配列可能とした対物レンズアクチュエータおよび光ディスク装置を提供する。
【解決手段】 この発明の1つの実施の形態である対物レンズアクチュエータ10は、第1のレンズ24aと第2のレンズ24bとを一体に保持するとともに、第1および第2のレンズに対して、記録媒体の半径方向の同一の光路から光を入射可能に形成されたレンズホルダ33を、記録媒体の記録面と直交する方向、記録媒体のラジアルチルト方向および記録媒体の半径方向に移動可能、かつレンズホルダが保持する第1および第2のレンズに対して、記録媒体の半径方向の同一の光路から光を入射可能に支持する複数のワイヤ35a,35b,35c,36a,36b,36cと、複数のワイヤのレンズホルダ側の一端とは異なるほかの一端を支持する固定部43を含む。
【選択図】 図2

Description

この発明は、レーザ光を用いて記録媒体に情報を記録し、また記録媒体から情報を再生する光ディスク装置ならびにその光ディスク装置に用いる対物レンズアクチュエータに関する。
レーザ光を用いて情報の記録と再生が可能な情報記録媒体すなわち光ディスクが実用化されて久しい。反面、光ディスクの規格としては、CD(コンパクトディスク)規格に続いて、DVD(ディジタルバーサタイルディスク)規格が登場し、DVD規格をさらに高密度化した規格も既に実用化されている。
このため、単一の光ヘッドを用いて、それぞれの規格の光ディスクから情報を再生し、また情報を記録可能であることが、広く要望されている。
特許文献1には、記録媒体の規格に基づいて規定されるレーザ光の波長に従う、特性の異なる2つの対物レンズを一体に保持したアクチュエータを用いる光ディスク装置および光ピックアップが開示されている。
特開2007−102912
特許文献1に開示された光ピックアップでは、2つの対物レンズは、光ディスクの任意の半径位置における接線方向であるタンジェンシャル方向に沿って配列されている。このため、少なくとも一方のレンズは、その中心が光ディスクのトラックの接線に対して平行にならず、再生信号が劣化する問題がある。また、2つの対物レンズに、同一の光路から光ビームを案内するためには、トラック制御に用いるコイルを配列するうえでの制約からアクチュエータ部分の大きさが大きくなる問題がある。
この発明の目的は、フォーカス制御およびトラック制御に用いるコイルの大きさおよび重量を低減し、かつ2つの対物レンズのそれぞれの中心を、光ディスクの任意の半径位置においてトラックの接線上に配列可能とした対物レンズアクチュエータおよびその対物レンズアクチュエータを用いる光ディスク装置を提供することである。
この発明は、上記問題点に基づきなされたもので、所定波長の光を記録媒体の記録面に集光する第1および第2のレンズを一体に保持するとともに、第1および第2のレンズに対して、記録媒体の半径方向の同一の光路から光を入射可能に形成されたレンズホルダと、このレンズホルダを記録媒体の記録面と直交する方向、記録媒体のラジアルチルト方向および記録媒体の半径方向に移動可能、かつ前記レンズホルダが保持する第1および第2のレンズに対して、記録媒体の半径方向の同一の光路から光を入射可能に支持する複数のワイヤと、前記複数のワイヤの前記レンズホルダ側の一端とは異なるほかの一端を支持する固定部と、を有することを特徴とする対物レンズアクチュエータである。
この発明によれば、フォーカス制御およびトラック制御に用いるコイルの大きさおよび重量を低減し、かつ2つの対物レンズのそれぞれの中心を、光ディスクの任意の半径位置においてトラックの接線上に配列可能とした対物レンズアクチュエータおよびその対物レンズアクチュエータを用いる光ディスク装置が得られる。
これにより、レンズの中心がトラックの中心と一致せずにアジマス角を持つことが抑止され、再生信号の読み出しおよび情報の書き込みが安定化される。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態の一例について説明する。
図1は、この発明の実施の形態が適用可能な対物レンズアクチュエータを用いた光ピックアップ(光ヘッド)およびその光ヘッドを用いる光ディスク装置を示す概略図である。
光ディスク装置1は、後段に説明する2つの対物レンズ、詳述しないが所定の波長の光ビーム(レーザ光)を出力する半導体レーザ素子、記録媒体すなわち光ディスクDの記録面において反射された半導体レーザ素子からのレーザ光である反射レーザ光を検出する光検出器を保持し、情報の書き込みと情報の読み出しのために光ディスクDの記録面にレーザ光を照射する対物レンズアクチュエータ10、対物レンズアクチュエータ10の光検出器により検出した光ディスクDからの反射光から再生信号を得る信号処理手段としての信号処理部3、同光検出器により検出した光ディスクDからの反射光からサーボ信号を得るサーボ手段としてのサーボ回路5、および装置全体の動作を制御する制御ユニット7を有する。
対物レンズアクチュエータ10、信号処理部3およびサーボ回路5は、通常一体に形成され、例えば光ピックアップまたはピックアップヘッド(PUH)もしくは光ヘッドと称される。
また、対物レンズアクチュエータ10は、2つの対物レンズを光ディスクDの記録面と直交するフォーカス方向、記録面に予め形成されているトラック(案内溝)あるいは情報記録マークであるピットからなるピット列と直交するトラック方向および光ディスクDの記録面の回転中心と直交する平面に対する記録面の変位であるラジアルチルト方向のそれぞれに移動可能である。
なお、光ディスク装置1は、詳述しないが、光ディスクDを保持して所定の速度で回転するディスクモータ、光ディスクDの記録面に記録すべき情報と信号処理部3から出力される再生信号を、外部装置あるいはホスト装置との間で入出力するインタフェース部、光ピックアップを光ディスクDの記録面に沿ってその半径方向にシークさせる光ヘッド移動機構、および電源装置等をさらに有する。
対物レンズアクチュエータ10は、図2および図3に示すように、固定部40に対して上述のフォーカス方向、トラック方向およびラジアルチルト方向のそれぞれの方向に移動可能な可動部30を含む。
可動部30は、2つの対物レンズ24a,24bを保持したレンズホルダ33、レンズホルダ33の所定の位置に設けられたフォーカスコイル31a,31b、およびトラックコイル32a,32bを含む。なお、レンズホルダ33は、以下に説明するように、左右一対のそれぞれ3本(合計6本)のサスペンションワイヤ35a,36a,35b,36b,35cおよび36cにより、固定部40の所定の位置に支持されている。また、レンズホルダ33は、記録媒体の半径方向の同一の光路を通る光ビームを遮蔽しないように配設されたサスペンションワイヤ35a,36a,35b,36b,35cおよび36cにより支持されている。通常の対物レンズアクチュエータにおいては、サスペンションワイヤ35a,36a,35b,36b,35cおよび36cのレンズホルダ33側の一端は、2つの対物レンズ24a,24bの中心位置付近に配設されているが、本発明においては、記録媒体の半径方向の同一の光路を通る光ビームを遮蔽しないように、2つの対物レンズ24a,24bの中心位置よりゲルホルダ42側に短く配設されている。
各サスペンションワイヤ35a,36a,35b,36b,35cおよび36cは、光ディスクDの記録面の半径方向と直交する方向すなわち任意の半径位置における接線方向に平行に配置されている。従って、レンズホルダ33に保持されている2つの対物レンズ24a,24bは、光ディスクDの半径方向に一致する直線上に配置される。
固定部40は、ヨークベース41、ダンパーボックス(ゲルホルダ)42および固定端回路基板43等を含む。
対物レンズ24a,24bを保持したレンズホルダ33と接続されたサスペンションワイヤ35a,36a,35b,36b,35cおよび36cは、ダンパーボックス(ゲルホルダ)42を通って、固定端回路基板43に固定される。より詳細には、サスペンションワイヤ35a〜35cおよび36a〜36cは、ゲルホルダ42の穴を通してその背面に接着された固定端回路基板43に、例えばはんだ付けされる。また、ダンパーボックス(ゲルホルダ)42は、その底面がヨークベース41と接着される。
これにより、ワイヤ/コイル結合基板34a,34bにより各サスペンションワイヤと接続されたレンズホルダ33は、上述したフォーカス方向、トラック方向およびラジアルチルト方向のそれぞれに移動可能に、固定部40により、支持される。
固定部40のヨークベース41の所定の位置には、レンズホルダ33に設けられたフォーカスコイル31a,31bおよびトラックコイル32a,32bと対向するよう配置され、各コイルに電流が供給された際にローレンツ力を発生させるための磁界を提供する駆動マグネット44a,44bが設けられている。
従って、フォーカスコイル31a,31bに所定の極性の電流が供給されることにより各コイルが発生する磁力と駆動マグネット44a,44bの磁界により発生するローレンツ力により、レンズホルダ33に固定されている対物レンズ24a,24bが光ディスクDの記録面と直交するフォーカス方向に変位される。また、トラッキングコイル32a,32bに所定の極性の電流が供給されることにより各コイルが発生する磁力と駆動マグネット44a,44bの磁界により発生するローレンツ力により、レンズホルダ33に固定されている2つの対物レンズが光ディスクDの記録面に平行であって、光ディスクDの半径方向であるトラック方向に変位される。
なお、フォーカスコイル31a,31bおよびトラッキングコイル32a,32bへの駆動電流は、ワイヤ/コイル結合基板34a,34bと接続されたサスペンションワイヤ35a〜35cおよび36a〜36cを介して固定部40の固定端回路基板43から供給される。
このような構成により、2つの対物レンズ24a,24bを保持したレンズホルダ33は、各サスペンションワイヤにより空中に支持された構造となり、摩擦の影響をほとんど受けずに、2つの対物レンズ24a,24bを、フォーカス方向、トラック方向およびラジアルチルト方向に駆動することができる。
従って、対物レンズ24,24bは、上述したフォーカス方向、トラック方向およびラジアルチルト方向のレンズホルダ33の移動により、常に光ディスクDの記録面に形成されているピット(記録マーク)あるいは案内溝(トラック)の中心に光源からのレーザ光を、最小スポットで集光する(焦点を当てる)よう、光ディスクDの偏心の影響であるトラックまたはピット列の半径方向の位置変化や、光ディスクDの記録面の面ぶれ影響である記録面の回転周期毎のフォーカス方向の位置変化のそれぞれに追従される。すなわち、対物レンズ24,24bは、上述のフォーカス方向、トラック方向およびラジアルチルト方向のそれぞれの方向に、微小変位で駆動される。
ところで、対物レンズアクチュエータ10は、光ディスクDの記録面に情報を記録し、あるいは記録面から情報を再生する際の速度を、標準となるデータの記録速度に対してn(nは自然数)倍の速度でデータを記録可能な場合、n倍速と称されている高倍速化のために、対物レンズ24a,24bを保持するレンズホルダ33の剛性を高めて共振周波数を高めること、対物レンズ24a,24bを速く駆動する(フォーカスサーボおよびトラックサーボの速度を高める)ために、駆動感度を高くすることが必要である。そのため、例えば、特にノートPC(パーソナルコンピュータ)などのモバイル機器用の光ディスク装置では対物レンズアクチュエータとして、本提案のようなレンズセンタ型とよばれる形状のものが用いられることが多くなってきている。
また、対物レンズアクチュエータとしては、1つの対物レンズのみを用いて複数の波長のレーザ光を取り扱う形態と2以上の対物レンズを用いる形態がこれまでに実用化されているが、近年、DVD(ディジタルバーサタイルディスク)規格の光ディスクの記録密度をさらに高めた規格の光ディスクへの情報の記録と再生に用いる波長のレーザ光に対して専用の対物レンズを用意し、DVD規格の光ディスク向けの波長のレーザ光とCD(コンパクトディスク)規格の光ディスク向けの波長のレーザ光について別の対物レンズを用意したほうが、対物レンズやアクチュエータの設計が容易にできる、とする評価が高まっている。
図4および図5を用いて、レンズホルダについてさらに詳細に説明する。
レンズホルダ33の上面には、上述の対物レンズ24a,24bが、例えば接着により固定されている。また、レンズホルダ33の側面のうち、固定部40のヨークベース41の所定の位置に位置されている駆動マグネット44a,44bと向かい合う側の側面に、フォーカスコイル31a,31bおよびトラッキングコイル32a,32bが取り付けられている。また、フォーカスコイル31a,31bおよびトラッキングコイル32a,32bは、本提案の例では、レンズホルダ33に一体成型された巻きボビン部(符号なし)に巻つけられている。
なお、各コイルに供給される電流は、図12を用いて説明するように、個々のフォーカスコイル31a,31bについては独立であり、トラッキングコイル32a,32bについては、コイル32aの一端(本提案では内(レンズホルダ)側)が残りのコイルの一端(本提案では内(レンズホルダ)側)と接続され、かつ巻き方向が点対称の関係になるよう規定されている。また、対称の中心は、対物レンズの中心軸と直交する方向から見た状態でレンズホルダ33の重心に一致するよう、レンズホルダ33に対するコイルの位置が規定されている。
レンズホルダ33の所定の位置であって、対物レンズ24a,24bおよびフォーカスコイル31a,31bおよびトラックコイル32a,32bが配置されていない側の面には、半円状の切り欠き33aが形成されている。これにより、図5に概略を示すように、レンズホルダ33下部に配置される立ち上げミラー(光路折り曲げミラー)33bに、詳述しないが、光源からのレーザ光を、実質的に同一の(単一の)光路により、導くことができる。また、レンズホルダ33の切り欠き部33aは、例えば光ディスクDの外周側に設けた光源からのレーザ光を、立ち上げミラー33bに案内可能に、形成されている。なお、立ち上げミラー33bは、図5に概略を示すように、レンズホルダ33に固定された対物レンズ24a,24bのそれぞれに、光源からの異なる波長の光ビームを選択的に入射させることが可能である。
このように、切り欠き33aを2つの対物レンズ24a,24bが直列(前後)に位置する方向としたことにより、図3により説明したサスペンションワイヤ35a〜35cおよび36a〜36cにより保持されるレンズホルダ33のワイヤ支持位置、すなわち3組(6本)のワイヤが固定されるレンズホルダ33のワイヤ/コイル結合基板34a,34bの位置は、記録媒体の半径方向の同一の光路を通る光ビームを遮蔽しないように、2つの対物レンズ24a,24bの中心位置よりゲルホルダ42側に短く配設されている。
光源としては、例えば半導体レーザ素子であり、405±5nm、650+15/−10nm、780+20/−10nmの任意の、あるいはいずれか2つ、もしくは3つの所定波長のレーザ光(レーザビーム)を出力する種々のものが利用可能である。
なお、切り欠き33aを介して立ち上げミラー33bに案内されるレーザ光の方向は、レンズホルダ33を支持した対物レンズアクチュエータ10が光ディスクDの半径方向に移動されるシーク動作の方向すなわちシーク方向に一致した方向である。
再び図3を用いて、対物レンズアクチュエータの可動部と固定部との接続について詳細に説明する。
可動部30のレンズホルダ33は、ワイヤ/コイル結合基板34a,34bにおいて、サスペンションワイヤ35a〜35cおよび36a〜36cの一端とはんだ接合される。サスペンションワイヤ35a〜35cおよび36a〜36cの反対側の端部は、ダンパーボックス(ゲルホルダ)42および固定端回路基板43の穴を通して固定端回路基板43に、はんだ接合される。この後、ダンパーボックス42の底面と固定部40のヨークベース41とを、フォーカスコイル31a,31bおよびトラッキングコイル32a,32bと駆動マグネット44a,44bとの位置を調整しながら接着することで、固定部40に対して可動部30が組み合せられる。なお、3組6本のサスペンションワイヤ35a〜35cおよび36a〜36cは、固定端回路基板43から個々のフォーカスコイル31a,31bおよびトラッキングコイル32a,32bへの電源ラインとして用いられる。
図6および図7は、フォーカスコイルおよびトラッキングコイルにより発生される推力の基となる磁界を提供する駆動マグネットについて、より詳細に説明するものである。
駆動マグネット44a,44bは、隣り合う領域の極性がそれぞれ反対になるように着磁されている。各マグネットは、図6に示す通り、一つの磁性材料を磁気的に3極に着磁するか、図7に示すように領域の形状に加工した3つのマグネットを組み合わせることにより容易に形成できる。
なお、駆動マグネット44a,44bについては、図13に示すように、周囲よりもフォーカスコイル31a,31bに及ぼす磁力が小さくなるように、凹部dが設けられてもよい。また、図14に示すように、周囲よりも弱く着磁されている領域(磁力の弱い領域)46,47が設けられてもよい。
すなわち、対物レンズアクチュエータ10の駆動感度は、可動部30のフォーカス方向位置により変化し、中心位置(中立位置)から遠ざかるほど低下する。従って、アクチュエータを制御(移動)する場合、この駆動感度の変動は小さいことが望まれるが、一般的に多極着磁マグネットを用いた場合では、感度の変動が大きくなる傾向がある。
すなわち、図13に示すように、マグネット44a,44bに凹部dを形成して多極着磁マグネットの同一着磁領域内において磁気的に強弱をつける(着磁量を変化する)ことにより、あるいは図14に示すように、周囲よりも弱く着磁されている領域(磁力の弱い領域)46,47を設けることにより、レンズホルダ33がフォーカス方向に移動される際の中立位置においてコイルに作用する磁力と中立位置から所定量変位した位置において作用する磁力の偏差である駆動感度の変動を低減できる。具体的には、中立位置でのフォーカスコイル31a,31bに対向する位置を含むその付近のマグネットの着磁力を弱めることで実現できる。なお、図13および図14から容易に理解できる通り、フォーカスコイル31a,31bは、断面方向から見た状態でそれぞれ、対応する駆動マグネット44a,44bの着磁パターンの境界線を跨ぐように配置されることはいうまでもない。
次に、図8ないし図11を用いて、フォーカスコイルによるフォーカス制御、トラッキングコイルによるトラッキング制御、ならびにフォーカスコイルによるラジアルチルト補正に付いて説明する。
図8に示すように、フォーカスコイル31a(31b)に電流を流すと、フォーカスコイル31a(31b)の四辺のうち、上部と下部にほぼ同じ大きさで上向きのローレンツ力が発生する。なお、同時に左右の辺にも水平方向のローレンツ力が発生するが、それぞれ反対方向に働く力のため、打ち消しあって大きさが非常に小さくなるため、問題ない。また、トラッキングコイル32a(32b)に関しても、同様の原理で水平方向に駆動することができる。なお、トラッキングコイル32a,32bについては、図12に示した通り、コイル32aの一端(本提案では内(レンズホルダ)側)が残りのコイルの一端(本提案では内(レンズホルダ)側)と接続され、かつ巻き方向が点対称の関係になるよう規定されているので、それぞれのコイルから生じる推力(ローレンツ力)は、光ディスクDのラジアル(半径)方向の一方(同一)の方向になる。従って、供給される電流の極性に従い、レンズホルダ33は、ラジアル方向の外側または内側に移動される。
図9は、レンズホルダに保持された2つの対物レンズに対するフォーカス制御をより詳細に説明するものである。
フォーカスコイル31a,31bのそれぞれに、同じ大きさで、フォーカスコイル31a,31bが同方向に移動する極性の電流を供給する(流す)ことで、レンズホルダ33が所定の方向に駆動される。なお、フォーカスコイル31a,31bから発生する合成駆動力の中心は、可動部30の質量中心と一致しており、可動部30が傾くことなく駆動できる。
図10は、レンズホルダに保持された2つの対物レンズに対するトラッキング制御をより詳細に説明するものである。
トラッキングコイル32a、32bに、フォーカスコイル31a,31bが同方向に移動する極性の電流を供給する(流す)と、図12を用いて説明した通り、コイル32aの一端(本提案では内(レンズホルダ)側)が残りのコイルの一端(本提案では内(レンズホルダ)側)と接続され、かつ巻き方向が点対称の関係になるよう規定されているので、それぞれのコイルから生じる推力(ローレンツ力)は、光ディスクDのラジアル(半径)方向の一方(同一)の方向になる。従って、供給される電流の極性に従い、レンズホルダ33は、ラジアル方向の外側または内側に移動される。なお、個々のトラッキングコイル32a,32bから発生する合成駆動力の中心は可動部30の質量中心と一致しており、可動部30が傾くことなく、ラジアル方向のうちの外側または内側のいずれかの方向に、可動部30が移動される。
図11は、レンズホルダに保持された2つの対物レンズに対するラジアルチルト制御をより詳細に説明するものである。
フォーカスコイル31a,31bに、それぞれ同じ大きさの電流を、フォーカスコイル31a,31bが逆方向に移動する方向に流すと、2つの駆動力が偶力となり、可動部30を、ラジアルチルト方向に回転させることができる。この際、タンジェンシャル方向にも偶力が発生するが、サスペンションワイヤ35a〜35cおよび36a〜36cのタンジェンシャル方向の回転剛性をラジアルチルト方向の回転剛性に比較して、非常に大きく設定してあるため、可動部30のタンジェンシャル方向の傾き量は、ごく僅かである。従って、対物レンズアクチュエータ10(可動部30)の動作に大きな影響が生じることはない。
以上説明した対物レンズアクチュエータ10においては、図示しない光源から出力された所定波長のレーザ光は、可動部30のレンズホルダ33に形成されている切り欠き33aに案内され、立ち上げミラー33bにより、レンズホルダ33に保持されている対物レンズ24a,24bのいずれか一方に案内される。なお、対物レンズ24a,24bは、一方が、DVD規格の光ディスクの記録密度をさらに高めた規格の光ディスクへの情報の記録と再生に用いる波長のレーザ光に対応し、例えば0.65程度の開口数NAが与えられ、他の一方が、DVD規格の光ディスク向けの波長のレーザ光とCD規格の光ディスク向けの波長のレーザ光に対応し、例えば0.6程度の開口数NAが与えられているものとする。また、レーザ光の波長としては、DVD規格の光ディスクの記録密度をさらに高めた規格の光ディスクについては、概ね405nmで、DVD規格およびCD規格の光ディスクについては、周知の通り、それぞれ概ね650nmと概ね780nmである。
レンズホルダ33の切り欠き部33aから立ち上げミラー33bに案内されたレーザ光は、その波長に応じて、立ち上げミラー33aの入射側の反射面または入射側とは異なる側の反射面のいずれか一方により反射され、対応する対物レンズ24a,24bのいずれかにより所定の収束性が与えられ、予めセットされている光ディスクDの記録面に集光される。なお、光ディスクDの記録面には、例えば0.34μm〜1.236μmのピッチで、案内溝すなわちトラックもしくは記録マーク(記録済みデータ)列が、同心円またはスパイラル状に形成されていることは、言うまでもない。
光ディスクDの記録面で反射された反射レーザ光は、記録面に記録されている情報であるピット(記録マーク)の有無に基づいて強度が変化され、対物レンズに戻される。
対物レンズに戻された反射レーザ光は、図示しないビームスプリッタを介して光源から光ディスクDの記録面に向かうレーザ光と分離され、詳述しない光検出器に案内される。光検出器に案内された反射レーザ光は、光強度に対応した電気信号(電流値あるいは電流を変換して得られる電圧値)に変換されて、信号処理部3に入力される。なお、光検出器に案内された反射レーザ光の一部は、対物レンズのフォーカシング(フォーカス制御)、トラッキング(トラック制御)およびラジアルチルト補正のために利用されることは周知の通りであるから、詳細な説明は省略する。
以上説明したように、この発明の1つの実施形態を用いることで、対物レンズアクチュエータのシーク方向からレーザ光を対物レンズに向けて導くことのできる対物レンズアクチュエータを提供することができる。
また、本提案の対物レンズアクチュエータにおいては、対物レンズを保持したレンズホルダは、アクチュエータの固定部に設けられるマグネットにより提供される磁界を概ね均一に受けることができ、従って、レンズホルダが移動される際に、フォーカス方向の駆動感度がレンズホルダの位置に起因して変動することが低減される。
また、対物レンズアクチュエータに設けられるフォーカスコイルおよびトラックコイルは、レンズホルダの重心に対して点対称となる位置に配置されるので、対物レンズを保持したレンズホルダを安定して駆動することができる。
さらに、フォーカスコイルは、それぞれ独立に逆向きの電流が供給されることができ、ラジアルチルトの影響を容易に除去することができる。
またさらに、レンズホルダを支持するサスペンションワイヤは、レンズホルダに一体に設けられるフォーカスコイルおよびトラックコイルに電力を供給する給電線を兼ねることから、駆動感度が高く、高速で移動すなわちシークおよびアクセスが可能な、対物レンズアクチュエータが実現される。
なお、本発明の内容はここに記述した形態だけに限定されるものではなく、その主旨を逸脱しない範囲で、他にも様々な形態を取り得ることはいうまでもない。また、各実施の形態は、可能な限り適宜組み合わせて、もしくは一部を削除して実施されてもよく、その場合は、組み合わせもしくは削除に起因したさまざまな効果が得られる。
この発明の実施の形態が適用される光ディスク装置の一例を示す概略図。 図1に示した光ディスク装置に組み込まれる光ヘッドの一例を示す概略図。 図2に示した光ヘッドを可動部と固定部に分離した状態を示す概略図。 図2に示した光ヘッドに組み込まれるレンズホルダを抜き出した状態を示す概略図。 図4に示したレンズホルダを背面から見た状態を示す概略図。 図2に示した光ヘッドに組み込まれるマグネットの一例を示す概略図。 図2に示した光ヘッドに組み込まれるマグネットの別の一例を示す概略図。 図2に示した光ヘッドに組み込まれるマグネットとフォーカスコイルおよびトラッキングコイルの移動方向を説明する概略図。 図2に示した光ヘッドに組み込まれるマグネットとフォーカスコイルおよびトラッキングコイルによるフォーカス方向のレンズホルダの移動を説明する概略図。 図2に示した光ヘッドに組み込まれるマグネットとフォーカスコイルおよびトラッキングコイルによるトラッキング方向のレンズホルダの移動を説明する概略図。 図2に示した光ヘッドに組み込まれるマグネットとフォーカスコイルおよびトラッキングコイルによるラジアルチルト制御のためのレンズホルダの移動を説明する概略図。 図2に示した光ヘッドに組み込まれるマグネットとフォーカスコイルおよびトラッキングコイルに駆動電流を供給するための各コイルの接続の例を示す概略図。 図2に示した光ヘッドに組み込まれるマグネットに凹部を形成して多極着磁マグネットの同一着磁領域内において磁気的に強弱をつける例を示す概略図。 図2に示した光ヘッドに組み込まれるマグネットに周囲よりも弱く着磁されている領域を形成して多極着磁マグネットの同一着磁領域内において磁気的に強弱をつける例を示す概略図。
符号の説明
1…光ディスク装置、3…信号処理部、5…サーボ回路、7…制御ユニット、10…対物レンズアクチュエータ、24a,24b…対物レンズ、30…可動部、31a,31b…フォーカスコイル、32a,32b…トラッキングコイル、33…レンズホルダ、33a…レンズホルダの切り欠き部、33b…立ち上げミラー、34a,34b…ワイヤ/コイル結合基板、35a,35b,35c…サスペンションワイヤ、36a,36b,36c…サスペンションワイヤ、40…固定部、41…ヨークベース、42…ゲルホルダ(ダンパーボックス)、43…固定端回路基板、44a,44b…駆動マグネット、45a,45b,45c…組み合わせマグネット、46…N極で周囲よりも弱く着磁されている領域、47…S極で周囲よりも弱く着磁されている領域。

Claims (8)

  1. 所定波長の光を記録媒体の記録面に集光する第1および第2のレンズを一体に保持するとともに、第1および第2のレンズに対して、記録媒体の半径方向の同一の光路から光を入射可能に形成されたレンズホルダと、
    このレンズホルダを記録媒体の記録面と直交する方向、記録媒体のラジアルチルト方向および記録媒体の半径方向に移動可能、かつ前記レンズホルダが保持する第1および第2のレンズに対して、記録媒体の半径方向の同一の光路から光を入射可能に支持する複数のワイヤと、
    前記複数のワイヤの前記レンズホルダ側の一端とは異なるほかの一端を支持する固定部と、
    を有することを特徴とする対物レンズアクチュエータ。
  2. 前記レンズホルダの光が入射される側の面およびその面と対向する面ならびに前記第1および第2のレンズが保持される面およびその面と対向する面のいずれとも異なる面に設けられ、前記レンズホルダを記録媒体の記録面と直交する方向に移動させるための力を発生する第1のコイル体と、
    前記レンズホルダの光が入射される側の面およびその面と対向する面ならびに前記第1および第2のレンズが保持される面およびその面と対向する面のいずれとも異なる面に設けられ、前記レンズホルダを記録媒体の半径方向に移動させるための力を発生する第2のコイル体と、
    前記第1および第2のコイル体が発生する力を発生させるための磁界を提供するマグネットと、
    をさらに有し、
    前記マグネットには、前記レンズホルダが記録媒体の記録面と直交する方向に移動された際に、前記第1のコイル体に向けて提供する磁界の大きさが変動することを低減する弱磁力部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の対物レンズアクチュエータ。
  3. 前記第1のコイル体は、前記レンズホルダの重心に対して点対称となる位置に配置されることを特徴とする請求項1または2記載の対物レンズアクチュエータ。
  4. 前記第1のコイル体に互いに逆向きの電流が供給されることで、前記レンズホルダを、記録媒体のラジアルチルト方向に所定量傾けることができることを特徴とする請求項3記載の対物レンズアクチュエータ。
  5. 前記レンズホルダは、記録媒体の半径方向の同一の光路を通る光ビームを遮蔽しないように配設された前記複数のワイヤにより支持されていることを特徴とする請求項1または2記載の対物レンズアクチュエータ。
  6. 前記第1のコイル体に互いに逆向きの電流が供給されることで、前記レンズホルダを、記録媒体のラジアルチルト方向に所定量傾けることができることを特徴とする請求項5記載の対物レンズアクチュエータ。
  7. 所定波長の光を記録媒体の記録面に集光する第1および第2のレンズを一体に保持するとともに、第1および第2のレンズに対して、記録媒体の半径方向の同一の光路から光を入射可能に形成されたレンズホルダと、このレンズホルダを記録媒体の記録面と直交する方向、記録媒体のラジアルチルト方向および記録媒体の半径方向に移動可能に、前記レンズホルダが保持する第1および第2のレンズに対して、記録媒体の半径方向の同一の光路から光を入射可能に支持する複数のワイヤと、前記複数のワイヤの前記レンズホルダ側の一端とは異なるほかの一端を支持する固定部と、を有することを特徴とする対物レンズアクチュエータと、
    前記対物レンズアクチュエータを含む光ヘッドを記録媒体の半径方向に移動する移動機構と、
    を有することを特徴とする光ディスク装置。
  8. 記録媒体を所定の速度で回転するディスクモータをさらに有することを特徴とする請求項7記載の光ディスク装置。
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