JP3493150B2 - 熱処理装置および基板温度計測方法 - Google Patents

熱処理装置および基板温度計測方法

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JP3493150B2
JP3493150B2 JP30566198A JP30566198A JP3493150B2 JP 3493150 B2 JP3493150 B2 JP 3493150B2 JP 30566198 A JP30566198 A JP 30566198A JP 30566198 A JP30566198 A JP 30566198A JP 3493150 B2 JP3493150 B2 JP 3493150B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体基板、フ
ォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、光デ
ィスク用基板等の精密パターン形成用の基板(以下、単
に「基板」という。)に加熱を伴う処理を施す熱処理装
置および加熱を伴う処理が施される基板の温度を計測す
る基板温度計測方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体基板に酸化膜や窒化膜を形成した
り、CVD処理を行う急速熱処理装置では、基板の品質
を維持するために加熱途上の基板の温度を計測しつつラ
ンプ等の加熱源の制御が行われる。
【0003】基板の温度を計測する方法の1つとして、
従来より、基板に対向する位置に反射板を設け、基板と
反射板との間で基板からの熱放射である放射光を多重反
射させてから放射光の強度を放射温度計ロッドで計測す
るという手法が用いられている。また、放射光の強度の
計測とともに放射温度計ロッドに対する反射板の実質的
な反射率である実効反射率を変化させ、基板の温度およ
び放射率を変数とする連立方程式を解いて基板の温度を
求めている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、基板の複数
の領域の温度を計測するために複数の放射温度計ロッド
を設け、各放射温度計ロッドにおいて反射板の実効反射
率を変化させるためには、実効反射率を変化させる機構
を放射温度計ロッドの数だけ設ける必要がある。したが
って、基板の多数の領域の温度を計測するためには実効
反射率を変化させる機構の小型化を図る必要があるが、
このような対策では熱処理装置のコストが増大してしま
う。また、実効反射率を変化させる機構の小型化にも限
界があり、基板の温度計測の領域の数を一定数まで減ら
さなければならないという課題があった。
【0005】この発明は、上記課題に鑑みなされたもの
であり、コスト増大を防止しつつ基板の多数の領域の温
度を計測することができる基板温度計測方法およびこの
基板温度計測方法を実現する熱処理装置を提供すること
を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、基板
に加熱を伴う処理を施す熱処理装置であって、基板を保
持する保持手段と、前記保持手段に保持された基板を加
熱する加熱手段と、前記保持手段に保持された基板に対
向して配置され、基板からの放射光を反射する反射部材
と、前記反射部材に設けられ、前記反射部材の第1実効
反射率に対応する放射光の第1強度および前記反射部材
の第2実効反射率に対応する放射光の第2強度を計測す
る第1計測手段と、前記反射部材の実効反射率を第1実
効反射率と第2実効反射率とに切り替える切替手段と、
前記第1計測手段により計測された放射光の第1強度お
よび放射光の第2強度に基づいて、基板の放射率を求め
る第1演算部と、前記反射部材に設けられ、前記反射部
材の第3実効反射率に対応する放射光の第3強度を計測
する第2計測手段と、前記第1演算部により求められた
基板の放射率、前記第2計測手段により計測される放射
光の第3強度に対応する前記反射部材の第3実効反射
率、および前記第2計測手段により計測される放射光の
第3強度に基づいて、基板の温度を求める第2演算部
と、を備える。
【0007】請求項2の発明は、請求項1に記載の熱処
理装置であって、前記第1計測手段が基板のほぼ中央に
対向して配置され、前記第2計測手段が前記第1計測手
段の周囲に複数配置されている。
【0008】請求項3の発明は、請求項1または2に記
載の熱処理装置であって、前記加熱手段が基板の複数の
領域の加熱状態を制御することができ、前記第1計測手
段および複数の前記第2計測手段が前記複数の領域に対
応する位置に配置されている。
【0009】請求項4の発明は、請求項1ないし3のい
ずれかに記載の熱処理装置であって、前記反射部材の反
射面に前記第1計測手段が配置される穴が設けられ、前
記切替手段が、前記穴と前記第1計測手段との間におい
て基板とほぼ平行に配置された板部材と、前記板部材を
基板とほぼ平行な状態で運動させることにより、前記穴
における前記板部材の存在領域を変化させる駆動源とを
有する。
【0010】請求項5の発明は、加熱を伴う処理が施さ
れる基板の温度を計測する基板温度計測方法であって、
基板に対向して配置されて基板からの放射光を反射する
反射部材に設けられた第1計測手段が、前記反射部材の
第1実効反射率に対応する放射光の第1強度を得る工程
と、前記反射部材の第1実効反射率を前記反射部材の第
2実効反射率に切り替える工程と、前記第1計測手段
が、前記反射部材の第2実効反射率に対応する放射光の
第2強度を得る工程と、前記第1計測手段により計測さ
れた第1強度および第2強度に基づいて、基板の放射率
を求める工程と、前記反射部材に設けられた第2計測手
段が、前記反射部材の第3実効反射率に対応する放射光
の第3強度を得る工程と、基板の放射率、第3実効反射
率、および第3強度に基づいて、基板の温度を求める工
程と、を有する。
【0011】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の実施の形態の1
つである熱処理装置1の構成を示す縦断面図である。熱
処理装置1は半導体基板である基板9に酸化膜や窒化膜
等を形成したりアニール処理を行うための急速熱処理装
置である。熱処理装置1は装置外殻を形成する蓋部11
および本体部12を有しており、蓋部11および本体部
12には冷却用の水路13が多数形成されている。
【0012】蓋部11には複数のランプ21が設けられ
ており、ランプ21からの光を基板9に照射することで
基板9に加熱を伴う処理が行われる。また、ランプ21
は数個ずつグループ化されており、ランプドライバ22
がグループを単位としてランプ21への電力供給を制御
する。これにより、複数のグループに対応する基板9上
の複数の照射領域における加熱状態が制御される。
【0013】蓋部11と本体部12との間には内部の空
間を仕切る石英窓30が配置されており、本体部12お
よび石英窓30により基板9が処理される処理空間12
1が形成される。
【0014】本体部12下部には処理される基板9を保
持する保持機構40が配置され、開閉機構(図示省略)
を有する搬出入口122から処理空間121に搬入され
た基板9が保持機構40により保持される。保持機構4
0は基板9を保持して基板9の周囲を囲う保持リング4
1、保持リング41を支持する支持部材42、支持部材
42の下方に取り付けられた伝達機構43、伝達機構4
3に接続されたモータ44、およびモータ44の駆動を
制御するモータドライバ45を有している。このような
構成により保持リング41に保持された基板9はモータ
44からの作用を受けて主面に垂直な軸を中心に回転す
る。
【0015】本体部12の内部下方には反射板123が
配置され、加熱される基板9からの放射光が反射板12
3と基板9との間で反射を繰り返す。そして、多重反射
した放射光の強度が反射板123に取り付けられた温度
計測機構50の第1放射温度計ロッド55により計測さ
れる。なお、温度計測機構50は基板9のほぼ中央に対
向するように配置される。
【0016】反射板123にはさらに温度計測機構50
の周囲に第2放射温度計ロッド60が複数取り付けられ
る。第2放射温度計ロッド60も基板9と反射板123
との間で多重反射した放射光の強度を取得するものであ
る。図2は反射板123を上方からみたときの様子を示
す図である。図2ではランプ21の制御グループごとの
照射領域に対応する位置に温度計測機構50および複数
の第2放射温度計ロッド60を配置した場合を例示して
いる。
【0017】温度計測機構50および第2放射温度計ロ
ッド60は取得した放射光の強度に基づく出力を演算部
70へと送る。温度計測機構50は後述するように2つ
の出力を演算部70に与える機構となっており、演算部
70は温度計測機構50からの出力に基づいて基板9の
中央の領域の温度を求めるとともに基板9の放射率を求
める。さらに演算部70は求めた基板9の放射率と第2
放射温度計ロッド60からの出力とに基づいて各第2放
射温度計ロッド60に対向する基板の領域の温度を求め
る。
【0018】演算部70にて求められた温度は制御部8
0へと伝えられ、制御部80がランプドライバ22を介
してランプ21からの光の強度を制御したり、モータド
ライバ45を介してモータ44を制御して基板9に対す
る処理を制御する。
【0019】次に、温度計測機構50の構成について説
明する。
【0020】図3は図1に示す温度計測機構50近傍の
様子を拡大して示す縦断面図である。なお、細部につい
ては平行斜線の表示を省略している。温度計測機構50
は反射板123に取り付けられるフランジ51、フラン
ジ51に取り付けられる固定部材52、フランジ51と
固定部材52との間で基板9に対してほぼ平行な状態で
回転する回転板53、回転板53を回転させるモータ5
4、および固定部材52に取り付けられてキャビティ5
11(後述)に入射する放射光の強度を計測するための
第1放射温度計ロッド55を有している。また、モータ
54は動作を制御するモータドライバ56に接続されて
おり、第1放射温度計ロッド55およびモータドライバ
56は演算部70に接続されている。
【0021】フランジ51には第1放射温度計ロッド5
5の上方に相当する位置に第1放射温度計ロッド55に
向かって伸びる円筒形の穴であるキャビティ511が形
成されており、フランジ51が反射板123に取り付け
られることで反射板123にキャビティ511が設けら
れるとともにキャビティ511内に第1放射温度計ロッ
ド55が配置された状態となる。キャビティ511の内
面は放射光を反射するように鏡面に加工されている。ま
た、キャビティ511の下部には処理空間121と装置
外部とを仕切るための窓部材512が固定されている。
【0022】固定部材52は回転板53の回転軸533
を回転可能に支持し、さらに第1放射温度計ロッド55
を回転軸533の近傍に固定する。なお、フランジ51
および固定部材52の内部には冷却用の水路513、5
21が形成されている。
【0023】図4は図3中の矢印A−Aから回転板53
を見たときの様子を示す図である。図4では第1放射温
度計ロッド55の位置を示すために回転板53の一部を
破断線にて削除して示している。回転板53は回転中心
53Cを中心とする略扇状の板が存在する板部531と
回転中心53Cを中心とする略扇状の切欠部532とを
有する。また、板部531には回転中心53Cを中心と
する円弧状のスリット531aが形成されており、第1
放射温度計ロッド55が板部531の下方に位置する場
合にスリット531aが第1放射温度計ロッド55の上
方に位置する。
【0024】図5は図3中の矢印B−Bからキャビティ
511を見たとき様子を示す図である。第1放射温度計
ロッド55はキャビティ511内の下方に配置され、回
転板53が回転中心53Cを中心に回転すると、キャビ
ティ511には板部531が存在する状態と、切欠部5
32が存在する状態(すなわち、キャビティ511と第
1放射温度計ロッド55の間に遮光する物体が存在しな
い状態)とが交互に生じるようになっている。
【0025】なお、回転板53には光を反射も透過もし
ない黒化処理が施されており、固定部材52上の回転板
53に対向する面522(図3参照)には鏡面処理が施
されている。これにより、回転板53が回転するとキャ
ビティ511に入射する放射光が反射される状態と反射
されない状態とが交互に生じ、反射板123の実効反射
率の切り替えが実現される。
【0026】第1放射温度計ロッド55に接続される演
算部70(図3)は第1放射温度計ロッド55に入射す
る放射光の強度に基づいてキャビティ511に対向する
基板9の中央近傍の領域の温度を求める。また、温度の
算出のために第1放射温度計ロッド55上に板部531
が存在するか否かの信号がモータドライバ56から演算
部70に入力される。
【0027】以上、温度計測機構50の構成について説
明したが、次に温度計測機構50による基板9中心近傍
の温度計測の原理、および演算部70による温度計測機
構50からの出力の演算処理の内容について説明する。
【0028】図6は基板9と反射板123との間で反射
を繰り返す放射光の様子を示す図である。
【0029】温度計測機構50では基板9と反射板12
3との間で多重反射した放射光が第1放射温度計ロッド
55に入射する。ここで、基板9の温度をT、温度Tの
黒体からの放射光の強度(単位面積当たりのエネルギ
ー)をLb(T)、基板9の放射率をεwとすると、温度T
の基板9から放射される放射光の強度は、
【0030】
【数1】
【0031】と表される。
【0032】また、基板9からの放射光が反射板123
にて1回反射されると、反射板123の反射率をρr
して、放射光の強度は、
【0033】
【数2】
【0034】となる。
【0035】さらに、反射板123からの放射光が基板
9にて反射されると、基板9の反射率をρwとして、基
板9からの放射光の強度は、
【0036】
【数3】
【0037】となる。
【0038】反射板123側から光の強度を計測する場
合、計測される放射光の強度は、基板9から直接放射さ
れる放射光のみならず、基板9と反射板123およびキ
ャビティ511との間で多重反射した後の放射光も重な
って計測されることから、計測される放射光の強度は、
【0039】
【数4】
【0040】となる。
【0041】ここで、数4は等比級数であり、かつ、
【0042】
【数5】
【0043】であることから、数4は、
【0044】
【数6】
【0045】と変形される。
【0046】さらに、基板9が光を透過しないものとす
ると基板9の放射率εwと反射率ρwとの間には、
【0047】
【数7】
【0048】という関係が成り立ち、数6は、
【0049】
【数8】
【0050】とさらに変形される。
【0051】ここで、反射板123の反射率ρrは反射
板123の材質のみでなく反射板123の表面状態や形
状にも依存する値であり、このような実質的な反射板1
23の反射率が以下の説明において実効反射率として用
いられる。
【0052】温度計測機構50は数8にて示すように、
第1放射温度計ロッド55にて計測される放射光の強度
が基板9の放射率εw、反射板123の実効反射率ρr
および基板9の温度Tにて表されるという関係を利用し
ている。以下に温度計測機構50による温度計測方法に
ついて図7を参照しながら説明する。なお、温度計測機
構50からの出力は演算部70の第1演算部71にて処
理される。
【0053】温度計測機構50は第1放射温度計ロッド
55に入射する放射光の強度に影響を与える反射板12
3の実効反射率ρrを2つの状態に変化させることによ
り基板9の温度を求める。2つの実効反射率の間での実
効反射率ρrの切り替えは図4に示した回転板53をキ
ャビティ511と第1放射温度計ロッド55との間で回
転させ、基板9側からキャビティ511内部を見た際の
キャビティ511内の回転板53の存在領域を変更する
ことで実現している。なお、板部531がキャビティ5
11の下方に存在する場合にはスリット531aを介し
てキャビティ511に入射した放射光が第1放射温度計
ロッド55に入射する。
【0054】温度計測機構50による温度計測の準備と
して、まず、温度計測機構50の第1放射温度計ロッド
55における反射板123の2つの実効反射率ρr1、ρ
r2(ρr1は第1実効反射率、ρr2は第2実効反射率)が
求められる。これらの実効反射率の算出は、例えば、放
射率εwおよび反射率ρwが既知であり、かつ温度計が取
り付けられた校正用基板を熱処理装置1に投入し、校正
用基板を加熱して第1放射温度計ロッド55に入射する
放射光の強度Iおよび基板9の温度Tを取得する。そし
て、
【0055】
【数9】
【0056】を用いて実効反射率ρrを得る。なお、数
9は数6を変形したものである。
【0057】このような実効反射率ρrの算出を回転板
53を回転させながら行うことにより、キャビティ51
1に板部531が存在するときの第1実効反射率ρr1
よび板部531が存在しないときの第2実効反射率ρr2
が求められる。
【0058】第1放射温度計ロッド55における2つの
実効反射率ρr1、ρr2が求められると、次に、計測対象
である基板9が熱処理装置1に投入されて保持機構40
に保持される。そして、回転板53を回転させながらキ
ャビティ511に入射する放射光の強度を第1放射温度
計ロッド55を用いて計測する。計測される放射光の強
度は回転板53の回転に伴う実効反射率ρrの変化に従
って2つの状態に交互に変化するので、第1演算部71
は2つの強度I1、I2(I1は第1強度、I2は第2強
度)を取得することができる。
【0059】すなわち、キャビティ511に板部531
が存在する状態で第1実効反射率ρr1に対応する第1強
度I1が取得され(ステップS11)、回転板53が回
転してキャビティ511に板部531が存在しない第1
実効反射率ρr2の状態に切り替えられた後(ステップS
12)、第2実効反射率ρr2に対応する第2強度I2
取得される(ステップS13)。なお、第1放射温度計
ロッド55に入射する光の強度は電気的信号に変換され
るとともに第1演算部71にて数値として算出される。
【0060】得られた放射光の2つの強度I1、I2につ
いて、数8より、
【0061】
【数10】
【0062】
【数11】
【0063】という関係が成り立つ。ただし、Tcは基
板9の中心近傍の温度を示す。ここで、
【0064】
【数12】
【0065】とGを定義すると、
【0066】
【数13】
【0067】により基板9の放射率εwが求められる
(ステップS14)。
【0068】求められた放射率εwを数10または数1
1に代入することにより強度Lb(Tc)が求められる。強
度Lb(T)と温度Tとの関係は予め校正式あるいはテー
ブルとして第1演算部71に記憶されており、校正式ま
たはテーブルを参照して強度Lb(Tc)から基板9の中心
近傍の温度Tcが求められる(ステップS14)。
【0069】以上のように、温度計測機構50では回転
板53を回転させて実効反射率を切り替え、切り替え前
後で計測される放射光の強度から第1演算部71が基板
9の中心近傍の温度Tcを求める。
【0070】次に、各第2放射温度計ロッド60に対向
する基板9の領域の温度計測について説明する。
【0071】第2放射温度計ロッド60は第1放射温度
計ロッド55とほぼ同様の構成となっているが、温度計
測機構50のような実効反射率を変更する構成は周囲に
配置されていない。したがって、第2放射温度計ロッド
60に関する構成は単純なものとなっている。基板9と
反射板123との間で多重反射した放射光が第2放射温
度計ロッド60に入射すると、入射した放射光の強度が
出力されて演算部70の第2演算部72へと入力される
(ステップS15)。
【0072】ここで、複数ある第2放射温度計ロッド6
0のうち、i番目のロッドからの出力から求められる放
射光の強度をIrodi(第3強度)とし、基板9の放射率
をεw、i番目のロッドに対向する基板9の領域の温度
をTrodi、i番目のロッドの位置における反射板123
の実効反射率をRrodi(第3実効反射率)とすると、数
8を利用して、
【0073】
【数14】
【0074】という関係が成り立つ。そして、数14を
変形して、
【0075】
【数15】
【0076】とし、数15を利用して第2演算部72は
放射強度Lb(Trodi)を求める。ただし、厳密には基板
9の放射率εwはi番目のロッドに対向する基板9の領
域における放射率を示すが、第2演算部72では第1演
算部71にて求められた放射率εwをそのまま用いる。
すなわち、この熱処理装置1では基板9の表面状態がほ
ぼ均一であると仮定し、基板9の中央付近の放射率εw
を基準にして第2放射温度計ロッド60に対向する基板
9の領域の温度を求めている。なお、第3実効反射率R
rodiは第1放射温度計ロッド55における実効反射率ρ
r1、ρr2と同様にして予め求められて第2演算部72に
記憶されている。
【0077】さらに、第2演算部72は予め準備されて
いる校正式またはテーブルを用いて強度Lb(Trodi)か
ら第2放射温度計ロッド60に対向する基板9の領域の
温度Trodiを求める(ステップS16)。
【0078】以上説明してきたように、熱処理装置1で
は温度計測機構50および第1演算部71を用いて基板
9の中央近傍の温度Tcおよび基板9の放射率εwを求
め、第1演算部71にて求められた放射率εwを第2演
算部72にて利用することで基板9の多数の領域の温度
を複数の第2放射温度計ロッド60を用いて計測する。
したがって、従来のように基板9の温度計測の各領域に
対応して放射温度計ロッド、並びに回転板やモータ等の
実効反射率を切り替える機構を設ける必要はない。
【0079】その結果、反射板123に取り付けられる
温度計測の構成は1つの温度計測機構50と複数の第2
放射温度計ロッド60のみとなり、反射板123のスペ
ースを有効利用して基板9の多数の領域の温度を計測す
ることができる。また、熱処理装置1の製造に必要な部
品点数を削減することもでき、熱処理装置1の製造に要
するコストも低減される。
【0080】また、多数の第2放射温度計ロッド60を
配置できることから、ランプ21のグループを細かく分
割してもランプ21のグループの点灯制御を適正に行う
ことができる。
【0081】さらに、この熱処理装置1により取得され
る多数の領域の温度計測結果を保存することで、各基板
の生産管理を安価に、かつ的確に行うことができる。
【0082】以上、この発明に係る熱処理装置1の構成
および動作について説明してきたが、この発明は上記実
施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能で
ある。
【0083】例えば、回転板53の形状は図4に示した
ものに限定されるものではなく、板部531や切欠部5
32の形状は実効反射率を変化させることができるので
あるならばどのような形状であってもよい。図8に示す
ように板部531および切欠部532とが共に半円状で
あってもよい。
【0084】また、回転板53の形状は図9に示すよう
に、切欠部を設けずに板部531を円形にし、この円形
を複数に分割した複数の略扇状の領域に黒化処理された
黒色部534と鏡面処理された鏡面部535とを形成す
るようにしてもよい。このとき、黒色部534は黒体塗
料の塗布やカーボンの蒸着によって黒化処理を施し、鏡
面部535は金メッキなどの処理を行って反射率を高め
るようにしておけばよい。
【0085】また、上記実施の形態では、回転板53を
基板9とほぼ平行な状態で回転させることにより実効反
射率を切り替えているが、回転運動に限定されるもので
はなく、例えば、スライド運動であってもよい。
【0086】また、上記実施の形態では、回転板53に
対向する固定部材52の上面522は鏡面加工されてお
り、回転板53は黒化処理が施されていると説明した
が、面522が黒化処理されており、回転板53が鏡面
に加工されていてもよい。
【0087】また、上記実施の形態では、反射板123
を用いて基板9からの放射光を反射するようにしている
が、反射板123にはキャビティ511以外の部分に適
宜凹凸が設けられていてもよい。
【0088】また、上記実施の形態では、温度計測機構
50を基板9のほぼ中心の温度を計測するように配置し
ているが、基板9の中心に限定されるものではなく、基
板9の周縁部の温度を計測するように配置されていても
よい。
【0089】また、上記実施の形態では、温度計測機構
50が1つのみ設けられているが、2つ以上配置されて
もよい。この場合、各第2放射温度計ロッド60が最も
近くに配置された温度計測機構50により得られる基板
9の放射率εwを利用することが好ましい。
【0090】また、上記実施の形態では図2に示すよう
に1つの温度計測機構50および8つの第2放射温度計
ロッド60を配置して基板9の9つの領域の温度を計測
するようにしているが、温度計測の領域が2つで十分な
場合には、1つの温度計測機構50と1つの第2放射温
度計ロッド60とを反射板123に設けてもよい。
【0091】また、上記実施の形態では各放射温度計ロ
ッドに対応して得られる温度を用いてランプ21を制御
すると説明したが、ランプ21のフィードバック制御を
行わずに温度計測を行うようになっていてもよい。この
場合、取得される温度は生産管理情報として利用され
る。
【0092】さらに、上記実施の形態では半導体基板製
造用の熱処理装置を例に説明したが、この発明は半導体
基板用の熱処理装置に限定されるものではなく、ガラス
基板等の他の種類の基板を製造するための熱処理装置に
おいても利用可能である。
【0093】
【発明の効果】請求項1ないし5に記載の発明では、簡
単な構成で基板の複数の領域の温度を求めることができ
る。これにより、基板の多数の領域の温度を計測するこ
とができるとともに熱処理装置の部品点数の削減による
コストの低減を図ることができる。
【0094】また、請求項2に記載の発明では、基板の
ほぼ中央の領域の放射率を基準に第2計測手段に対向す
る基板の領域の温度を求めることができる。
【0095】また、請求項3に記載の発明では、加熱状
態が制御される基板の複数の領域の温度を得ることがで
きるので、基板の適正な加熱を行うことができる。
【0096】また、請求項4に記載の発明では、板部材
の運動を利用して第1計測手段における反射部材の実効
反射率を切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態である熱処理装置の構
成を示す縦断面図である。
【図2】温度計測機構および第2放射温度計ロッドの配
置を示す図である。
【図3】図1に示す熱処理装置における温度計測機構近
傍の構成を示す縦断面図である。
【図4】回転板の形状および第1放射温度計ロッドの位
置を示す図である。
【図5】キャビティと第1放射温度計ロッドとの位置関
係を示す図である。
【図6】多重反射の様子を示す概念図である。
【図7】演算部における処理の流れを示す流れ図であ
る。
【図8】回転板の形状の他の例を示す図である。
【図9】回転板の形状のさらに他の例を示す図である。
【符号の説明】
9 基板 1 熱処理装置 40 保持機構 21 ランプ 22 ランプドライバ 123 反射板 55 第1放射温度計ロッド 60 第2放射温度計ロッド 53 回転板 54 モータ 56 モータドライバ 71 第1演算部 72 第2演算部 511 キャビティ S11〜S16 ステップ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−163182(JP,A) 特開 平6−204143(JP,A) 特開 平6−260426(JP,A) 特開 平6−20938(JP,A) 実開 昭63−14131(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/205 G01J 5/00 H01L 21/26 H01L 21/31

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板に加熱を伴う処理を施す熱処理装置
    であって、 基板を保持する保持手段と、 前記保持手段に保持された基板を加熱する加熱手段と、 前記保持手段に保持された基板に対向して配置され、基
    板からの放射光を反射する反射部材と、 前記反射部材に設けられ、前記反射部材の第1実効反射
    率に対応する放射光の第1強度および前記反射部材の第
    2実効反射率に対応する放射光の第2強度を計測する第
    1計測手段と、 前記反射部材の実効反射率を第1実効反射率と第2実効
    反射率とに切り替える切替手段と、 前記第1計測手段により計測された放射光の第1強度お
    よび放射光の第2強度に基づいて、基板の放射率を求め
    る第1演算部と、 前記反射部材に設けられ、前記反射部材の第3実効反射
    率に対応する放射光の第3強度を計測する第2計測手段
    と、 前記第1演算部により求められた基板の放射率、前記第
    2計測手段により計測される放射光の第3強度に対応す
    る前記反射部材の第3実効反射率、および前記第2計測
    手段により計測される放射光の第3強度に基づいて、基
    板の温度を求める第2演算部と、を備えることを特徴と
    する熱処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の熱処理装置であって、 前記第1計測手段が基板のほぼ中央に対向して配置さ
    れ、 前記第2計測手段が前記第1計測手段の周囲に複数配置
    されていることを特徴とする熱処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の熱処理装置で
    あって、 前記加熱手段が基板の複数の領域の加熱状態を制御する
    ことができ、 前記第1計測手段および複数の前記第2計測手段が前記
    複数の領域に対応する位置に配置されていることを特徴
    とする熱処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の熱
    処理装置であって、 前記反射部材の反射面に前記第1計測手段が配置される
    穴が設けられ、 前記切替手段が、 前記穴と前記第1計測手段との間において基板とほぼ平
    行に配置された板部材と、 前記板部材を基板とほぼ平行な状態で運動させることに
    より、前記穴における前記板部材の存在領域を変化させ
    る駆動源と、を有することを特徴とする熱処理装置。
  5. 【請求項5】 加熱を伴う処理が施される基板の温度を
    計測する基板温度計測方法であって、 基板に対向して配置されて基板からの放射光を反射する
    反射部材に設けられた第1計測手段が、前記反射部材の
    第1実効反射率に対応する放射光の第1強度を得る工程
    と、 前記反射部材の第1実効反射率を前記反射部材の第2実
    効反射率に切り替える工程と、 前記第1計測手段が、前記反射部材の第2実効反射率に
    対応する放射光の第2強度を得る工程と、 前記第1計測手段により計測された第1強度および第2
    強度に基づいて、基板の放射率を求める工程と、 前記反射部材に設けられた第2計測手段が、前記反射部
    材の第3実効反射率に対応する放射光の第3強度を得る
    工程と、 基板の放射率、第3実効反射率、および第3強度に基づ
    いて、基板の温度を求める工程と、を有することを特徴
    とする基板温度計測方法。
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