JP3492867B2 - 工作機械のスラントベッド - Google Patents
工作機械のスラントベッドInfo
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- Japan
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- bed
- slant
- bed body
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- slant bed
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械のスラン
トベッドに関するものである。 【0002】 【従来の技術】例えば旋盤のベッドは、主軸台の軸受損
失やビルトインモータ損失、又は切粉や切削液等の内部
熱源によって発熱する。ここで、外部熱源である室温が
変化すると、ベッド内壁と外壁とに温度差が生じ、温度
不均一によりベッドに反りや傾き等の熱変形が発生す
る。特に、スラントベッドの場合は、ベッド上面が斜状
に形成されているため、熱変形が工作物の寸法誤差とし
て現れやすい。 【0003】図3は従来のスラントベッドを示すもので
ある。スラントベッド31のベッド本体32は全体が同
じ鋳物材料で形成され、その上面に前下がり傾斜支持部
33が形成され、この支持部33にサドル34を介して
刃物台35が支持されている。この構造によると、ベッ
ド本体32の熱膨張量はベッド内壁32aよりベッド外
壁32bの方が大きくなるため、その差により刃物台3
5が前方へ傾き、工具36がX軸方向に変位し(Δ:変
位量)、工具36と主軸37との相対距離が変化する。 【0004】スラントベッドの熱変形を抑制するため
に、従来、加工時に発生したミスト気流をベッド及び主
軸台内部の通路に導いて、ベッド各部の温度分布を均一
化する技術が提案されている(特開平6−155228
号公報)。また、ベッドの背部に冷却液を循環させるウ
ォータジャケットを設け、ベッド前面及び背面に温度セ
ンサを配設し、各センサの検出値に基づき冷却液の温度
や流量を制御して、スラントベッドを熱的安定状態に維
持する装置も知られている(実開平6−642号公
報)。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところが、これらの従
来技術によると、ベッドにミスト気流の導通路や冷却液
の循環通路を設けたり、ウォータジャケットや温度セン
サを付設する必要があり、熱変形抑制対策のためにベッ
ド構造が複雑化するという問題点があった。 【0006】そこで、本発明の課題は、ベッド構造を複
雑化することなく熱変形を抑制できる工作機械のスラン
トベッドを提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明による工作機械のスラントベッドは、ベッ
ド本体の上面に前下がりの傾斜支持部を設け、ベッド本
体の内側に背面が開口する空洞部を形成し、ベッド本体
の背面にベッド本体より熱膨張率の小さい鋳物材料より
なる外壁部材を取り付けて構成される。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明を旋盤に具体化した
一実施形態を図1及び図2に基づいて説明する。旋盤の
脚1上には、主軸2を装備した主軸台3と、主軸2の軸
受及びビルトインモータ(図示略)の発熱を抑える冷却
装置4と、スラントベッド5とが設置されている。スラ
ントベッド5はベッド本体6と外壁部材7とに2分割し
て構成されている。 【0009】ベッド本体6は通常の鋳物材料で成形さ
れ、その上面に前下がり傾斜支持部8が形成されてい
る。傾斜支持部8にはサドル9が主軸軸線と平行なZ軸
方向に移動可能に支持され、このサドル9上に工具10
を保持する刃物台11が設置されている。また、ベッド
本体6の内側には、空洞部12がベッド本体6の背面側
で開口するように形成されている。 【0010】外壁部材7はベッド本体6より熱膨張率の
小さい鋳物材料で厚板状に形成され、空洞部12を塞ぐ
形態で、ベッド本体6の背面に複数のボルト13により
取り付けられている。外壁部材7の鋳物材料としては、
例えば榎本鋳工所製ノビナイト鋳鉄CD−5(熱膨張係
数2〜3×10-6/℃)等の低熱膨張鋳物を使用可能で
ある。 【0011】上記構成のスラントベッド5によれば、外
壁部材7が低熱膨張鋳物で形成されているため、ベッド
背面側の熱膨張量を従来の1/3〜1/4程度に抑制す
ることができる。従って、室温の変化により外壁部材7
の表面温度が上昇した場合でも、スラントベッド5にお
ける内外壁の熱膨張量の差を少なくし、刃物台11の熱
変形を抑制し、工具10をX軸方向の定位置に保持し
て、工作物を安定した精度で加工することができる。 【0012】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、研削盤のスラントベッドに適用するな
ど、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各部の形状並びに
構成を適宜に変更して実施することも可能である。 【0013】 【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
ベッド本体に外壁部材を取り付けるだけの簡単な構造
で、スラントベッドの熱変形を抑制できる効果がある。
トベッドに関するものである。 【0002】 【従来の技術】例えば旋盤のベッドは、主軸台の軸受損
失やビルトインモータ損失、又は切粉や切削液等の内部
熱源によって発熱する。ここで、外部熱源である室温が
変化すると、ベッド内壁と外壁とに温度差が生じ、温度
不均一によりベッドに反りや傾き等の熱変形が発生す
る。特に、スラントベッドの場合は、ベッド上面が斜状
に形成されているため、熱変形が工作物の寸法誤差とし
て現れやすい。 【0003】図3は従来のスラントベッドを示すもので
ある。スラントベッド31のベッド本体32は全体が同
じ鋳物材料で形成され、その上面に前下がり傾斜支持部
33が形成され、この支持部33にサドル34を介して
刃物台35が支持されている。この構造によると、ベッ
ド本体32の熱膨張量はベッド内壁32aよりベッド外
壁32bの方が大きくなるため、その差により刃物台3
5が前方へ傾き、工具36がX軸方向に変位し(Δ:変
位量)、工具36と主軸37との相対距離が変化する。 【0004】スラントベッドの熱変形を抑制するため
に、従来、加工時に発生したミスト気流をベッド及び主
軸台内部の通路に導いて、ベッド各部の温度分布を均一
化する技術が提案されている(特開平6−155228
号公報)。また、ベッドの背部に冷却液を循環させるウ
ォータジャケットを設け、ベッド前面及び背面に温度セ
ンサを配設し、各センサの検出値に基づき冷却液の温度
や流量を制御して、スラントベッドを熱的安定状態に維
持する装置も知られている(実開平6−642号公
報)。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところが、これらの従
来技術によると、ベッドにミスト気流の導通路や冷却液
の循環通路を設けたり、ウォータジャケットや温度セン
サを付設する必要があり、熱変形抑制対策のためにベッ
ド構造が複雑化するという問題点があった。 【0006】そこで、本発明の課題は、ベッド構造を複
雑化することなく熱変形を抑制できる工作機械のスラン
トベッドを提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明による工作機械のスラントベッドは、ベッ
ド本体の上面に前下がりの傾斜支持部を設け、ベッド本
体の内側に背面が開口する空洞部を形成し、ベッド本体
の背面にベッド本体より熱膨張率の小さい鋳物材料より
なる外壁部材を取り付けて構成される。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明を旋盤に具体化した
一実施形態を図1及び図2に基づいて説明する。旋盤の
脚1上には、主軸2を装備した主軸台3と、主軸2の軸
受及びビルトインモータ(図示略)の発熱を抑える冷却
装置4と、スラントベッド5とが設置されている。スラ
ントベッド5はベッド本体6と外壁部材7とに2分割し
て構成されている。 【0009】ベッド本体6は通常の鋳物材料で成形さ
れ、その上面に前下がり傾斜支持部8が形成されてい
る。傾斜支持部8にはサドル9が主軸軸線と平行なZ軸
方向に移動可能に支持され、このサドル9上に工具10
を保持する刃物台11が設置されている。また、ベッド
本体6の内側には、空洞部12がベッド本体6の背面側
で開口するように形成されている。 【0010】外壁部材7はベッド本体6より熱膨張率の
小さい鋳物材料で厚板状に形成され、空洞部12を塞ぐ
形態で、ベッド本体6の背面に複数のボルト13により
取り付けられている。外壁部材7の鋳物材料としては、
例えば榎本鋳工所製ノビナイト鋳鉄CD−5(熱膨張係
数2〜3×10-6/℃)等の低熱膨張鋳物を使用可能で
ある。 【0011】上記構成のスラントベッド5によれば、外
壁部材7が低熱膨張鋳物で形成されているため、ベッド
背面側の熱膨張量を従来の1/3〜1/4程度に抑制す
ることができる。従って、室温の変化により外壁部材7
の表面温度が上昇した場合でも、スラントベッド5にお
ける内外壁の熱膨張量の差を少なくし、刃物台11の熱
変形を抑制し、工具10をX軸方向の定位置に保持し
て、工作物を安定した精度で加工することができる。 【0012】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、研削盤のスラントベッドに適用するな
ど、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各部の形状並びに
構成を適宜に変更して実施することも可能である。 【0013】 【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
ベッド本体に外壁部材を取り付けるだけの簡単な構造
で、スラントベッドの熱変形を抑制できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す旋盤のスラントベッ
ドの断面図である。 【図2】同スラントベッドの一部を破断して示す旋盤の
正面図である。 【図3】従来のスラントベッドを示す旋盤の側面図であ
る。 【符号の説明】 3・・主軸台、4・・冷却装置、5・・スラントベッ
ド、6・・ベッド本体、7・・外壁部材、8・・傾斜支
持部、9・・サドル、10・・工具、11・・刃物台、
12・・空洞部、13・・ボルト。
ドの断面図である。 【図2】同スラントベッドの一部を破断して示す旋盤の
正面図である。 【図3】従来のスラントベッドを示す旋盤の側面図であ
る。 【符号の説明】 3・・主軸台、4・・冷却装置、5・・スラントベッ
ド、6・・ベッド本体、7・・外壁部材、8・・傾斜支
持部、9・・サドル、10・・工具、11・・刃物台、
12・・空洞部、13・・ボルト。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ベッド本体の上面に前下がりの傾斜支持
部を設け、ベッド本体の内側に背面が開口する空洞部を
形成し、ベッド本体の背面にベッド本体より熱膨張率の
小さい鋳物材料よりなる外壁部材を取り付けてなる工作
機械のスラントベッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28255296A JP3492867B2 (ja) | 1996-10-24 | 1996-10-24 | 工作機械のスラントベッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28255296A JP3492867B2 (ja) | 1996-10-24 | 1996-10-24 | 工作機械のスラントベッド |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10118865A JPH10118865A (ja) | 1998-05-12 |
JP3492867B2 true JP3492867B2 (ja) | 2004-02-03 |
Family
ID=17653966
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28255296A Expired - Fee Related JP3492867B2 (ja) | 1996-10-24 | 1996-10-24 | 工作機械のスラントベッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3492867B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100730811B1 (ko) * | 2000-11-30 | 2007-06-20 | 두산인프라코어 주식회사 | 열변형 보정기능을 갖는 공작기계의 헤드바디 프레임 |
KR100728285B1 (ko) * | 2001-09-29 | 2007-06-13 | 두산인프라코어 주식회사 | 공작기계의 왕복대 지지구조 |
CN102528469A (zh) * | 2012-03-02 | 2012-07-04 | 青岛地恩地机电科技股份有限公司 | 机床支架 |
CN111230181A (zh) * | 2020-03-13 | 2020-06-05 | 郑成 | 一种小孔内深环槽的数控车削加工系统 |
-
1996
- 1996-10-24 JP JP28255296A patent/JP3492867B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10118865A (ja) | 1998-05-12 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |