JP3492710B2 - 薄膜トランジスタおよびその製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非晶質シリコンを用い
た薄膜トランジスタおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】非晶質シリコンを用いた薄膜トランジス
タ(TFT)は、アクティブマトリクス型液晶表示装置
の主要デバイスである。アクティブマトリクス型液晶表
示装置では、TFTは逆スタガー型として構成される。
すなわち絶縁性基板上にまずゲート電極が形成され、こ
の上にゲート絶縁膜を介して非晶質シリコンからなる活
性層が形成される。非晶質シリコン活性層のソース,ド
レイン領域には低抵抗のn+ 型非晶質シリコンからなる
オーミックコンタクト層を介してソース,ドレイン電極
が形成される。
【0003】この様なTFTを製造する際、活性層とな
るn- 型非晶質シリコンとオーミックコンタクト層とな
るn+ 型非晶質シリコンを連続的に膜堆積して、n+
非晶質シリコン層のみを選択エッチングしようとする
と、種々の不都合が生じる。すなわち下地の非晶質シリ
コン活性層表面が露出してエッチングガスに晒され、ダ
メージや膜厚減少等により特性劣化が生じる。また、オ
ーミックコンタクト層のエッチングが不十分であると、
ソース,ドレイン領域間に低抵抗のオーミックコンタク
ト層が残って、ソース,ドレイン間のリークが大きいも
のとなる。
【0004】このような不都合を解決する方法として、
+ 型非晶質シリコンからなるオーミックコンタクト層
を形成する前に、予めn- 型非晶質シリコン活性層に重
ねてシリコン窒化膜を形成して、これをソース,ドレイ
ン領域間に保護膜として残してパターニングし、その後
+ 型非晶質シリコンによるオーミックコンタクト層を
形成することが提案されている(例えば、日経マイクロ
デバイス No.75 1991年 9月号 p50 参照)。
【0005】しかし、活性層保護膜としてシリコン窒化
膜を用いる方法および構造でも、まだ問題がある。第1
に、オーミックコンタクト層となる非晶質シリコンをC
4ガスとO2 ガスの混合ガスを用いたドライエッチン
グ法により選択エッチングする際、シリコン窒化膜との
選択比が十分大きくとれず、シリコン窒化膜がエッチン
グされてしまう。またドライエッチング法では、基板が
大型化すればするほど、均一エッチングが難しくなり、
各部のシリコン窒化膜厚のばらつきが大きくなる。した
がって例えば、一辺10cm程度の大型基板に数10万個
のTFTを形成しようとすると、TFTの特性のばらつ
きが非常に大きいものとなる。
【0006】第2に、シリコン窒化膜は遮光特性が十分
でないため、TFTの基板と反対側上部からの光がシリ
コン窒化膜を通して非晶質シリコン活性層にまで透過
し、無用な光電流を発生する。非晶質シリコンが結晶シ
リコンより可視光に対して光電変換特性が優れている事
は知られている(SOLAR ENERGY MATERIALS 1 (1979) p2
9 参照)。この非晶質シリコンの良好な光電変換特性が
災いして、TFTのオフ電流が大きくなる。活性層の高
抵抗特性によってオフ電流が決まり、したがってオフ電
流とオン電流の比を単結晶シリコンを用いたMOSトラ
ンジスタ等に比べて大きくすることがもともと難しいT
FTにとって、これは重大な問題である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、活性層
の保護膜としてシリコン窒化膜を重ねる従来のTFTで
は、シリコン窒化膜がエッチングストッパとして十分機
能せず、シリコン窒化膜の膜厚のばらつきがTFTの特
性のばらつきをもたらし、またシリコン窒化膜の遮光特
性が十分でないためTFTのオン電流とオフ電流の比を
大きくすることができない、という問題があった。
【0008】本発明は、この様な問題を解決して、特性
のばらつきを小さくすると共に、オン電流とオフ電流の
比を十分大きくしたTFTとその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係るTFTは、
基板上にゲート電極がパターン形成され、この上にゲー
ト絶縁膜を介して高抵抗の非晶質シリコンからなる活性
層が形成され、この活性層上のソース,ドレイン領域に
低抵抗の非晶質シリコンからなるオーミックコンタクト
層が形成された構造において、活性層のオーミックコン
タクト層で覆われていない領域に形成された濃度1021
/cm3 以上のボロンドープ層が形成され、前記ボロンド
ープ層は、シリコン窒化膜表面に形成されてなることを
特徴とする。
【0010】 本発明に係るTFTの製造方法は、絶縁
性基板上にゲート電極をパターン形成し、このゲート電
極が形成された基板上にゲート絶縁膜,高抵抗の非晶質
シリコンからなる活性層,シリコン窒化膜,および濃度
1021/cm3 以上のボロンドープ層を順次形成した後、
ボロンドープ層及びシリコン窒化膜を選択エッチングし
てソース,ドレイン領域の間に残し、その後低抵抗の非
晶質シリコンを堆積し、選択エッチングしてソース、ド
レイン領域間の部分を除去して、オーミックコンタクト
層を形成し、前記ボロンドープ層を選択エッチングする
に際して、水素プラズマを用いてエッチングすることを
特徴とする。
【0011】
【作用】本発明者らの研究によれば、1021/cm3 以上
の高濃度ボロンドープ層は、CF4 ガスとO2 ガスの混
合ガスを用いたドライエッチングによりエッチングされ
ないという性質を持つことが明らかになった。したがっ
て本発明によれば、非晶質シリコン活性層のソース,ド
レイン領域間にシリコン窒化膜の保護膜を介してこの様
な高濃度のボロンドープ層を設けることにより、非晶質
シリコンのオーミックコンタクト層をCF4 ガスとO2
ガスの混合ガスを用いたドライエッチングにより選択エ
ッチングする際にこれが良好なエッチングストッパとな
る。これにより、保護膜の表面が確実に保護され、大型
基板を用いた場合にも、活性層のゲート絶縁膜近傍のバ
ンドの曲りが安定し、素子特性のばらつきが非常に小さ
いものとなる。
【0012】また上述のような高濃度ボロンドープ層
は、可視光等に対する優れた遮光特性を持っている。し
たがって活性層での光電流の発生量が減少して、オン電
流とオフ電流の比が大きい優れたTFTが得られる。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例を
説明する。
【0014】図1は、本発明の一実施例に係るTFTで
ある。絶縁性基板としてこの実施例では、コーニング7
059等のガラス基板1を用いている。ガラス基板1上
には、120nmのMo−Ta合金によるゲート電極2が
パターン形成され、この上に100nmのシリコン酸化膜
からなるゲート絶縁膜3を介して50nmのn- 型非晶質
シリコンによる活性層4が形成されている。活性層4上
のソース,ドレイン分離領域には、200nmのシリコン
窒化膜5がパターン形成され、その表面には高濃度ボロ
ンドープ層6が形成されている。高濃度ボロンドープ層
6のボロン濃度は1021/cm3 以上であり、その膜厚は
10nmである。このシリコン窒化膜5とボロンドープ層
6に一部重なるように、ソース,ドレイン領域には、n
+ 型非晶質シリコンによるオーミックコンタクト層7が
形成されている。オーミックコンタクト層7の膜厚は5
0nmである。図では省略しているが、通常の構造ではオ
ーミックコンタクト層7上に重ねて金属電極が形成され
る。
【0015】この実施例のTFTの製造工程を、図2を
参照して具体的に説明する。ガラス基板1にまず、Mo
−Ta合金膜をスパッタ法により形成し、これをパター
ニングしてゲート電極2を形成する。次いでプラズマC
VD法により、シリコン酸化膜,n- 型水素化非晶質シ
リコン4、シリコン窒化膜5を連続的に形成する。さら
にその上に高濃度ボロンドープ層6を形成する(図2
(a) )。高濃度ボロンドープ層6の形成は例えば、平行
平板電極を持つ反応室に試料をおいてこれに水素希釈の
2500ppm のジボラン(B2 6 )を50SCCM導
入し、反応室内の圧力を0.4Torrに設定した後、1
3.56MHz,10Wの高周波電力でガスを分解させ
ることにより行う。これにより形成されたプラズマ雰囲
気に試料を約10分晒すことにより、高濃度ボロンドー
プ層6が得られる。
【0016】その後、ソース,ドレイン分離領域にフォ
トレジスト・マスクを形成し、ソース,ドレイン領域上
の高濃度ボロンドープ層6を水素プラズマにより除去す
る。具体的には、平行平板電極を持つ反応室に試料をお
いて、これに水素を50SCCM導入する。反応室内の
ガス圧力を0.4Torrに設定した後、13.56MH
z,10Wの高周波電力で水素ガスを分解させ、これに
より得られたプラズマに10分晒すことにより、ボロン
ドープ層6をエッチングする。続いて、CF4 ガスとO
2 ガスの混合ガスを用いたケミカルドライエッチング法
により、ソース,ドレイン領域上のシリコン窒化膜5を
エッチング除去する(図2(b) )。
【0017】次に、全面にn+ 型非晶質シリコンをプラ
ズマCVDにより堆積し、これをCF4 ガスとO2 ガス
の混合ガスを用いたケミカルドライエッチング法により
選択エッチングして、ソース,ドレイン領域間の部分を
除去してオーミックコンタクト層7を形成する(図2
(c) )。
【0018】なお通常の工程では金属のソース,ドレイ
ン電極が必要であるが、これを含めると次のような工程
になる。まずn+ 型シリコンによるオーミックコンタク
ト層をTFT領域上全体にパターン形成する。この段階
ではソース,ドレイン間は分離されていない。その後に
金属膜によるソース,ドレイン電極をパターン形成した
後、上述したCF4 ガスとO2 ガスの混合ガスを用いた
ドライエッチング法でソース,ドレイン電極間のオーミ
ックコンタクト層をエッチングする。
【0019】この実施例によると、ソース,ドレイン分
離領域に設けた高濃度ボロンドープ層6が、n+ 型非晶
質シリコンによるオーミックコンタクト層7のドライエ
ッチング工程で良好なエッチングストッパとして機能す
る。これによりシリコン窒化膜5からなる活性層保護膜
がエッチングされる事が防止され、ばらつきの少ない素
子特性が得られる。また高濃度ボロンドープ層6が良好
な遮光膜となって、オン電流とオフ電流の比が大きい優
れたTFTが得られる。以下にこれらの効果を、具体的
なデータにより明らかにする。
【0020】図3は、ボロンドープ層(膜厚100nm)
のボロン濃度を種々変えた試料について、CF4 ガスと
2 ガスの混合ガスを用いたドライエッチング法を適用
した場合のエッチングの可否を調べた結果である。エッ
チングできた場合を白丸で示し、エッチングできなかっ
た場合を黒丸で示している。具体的なエッチング条件と
して、CF4 ガス180SCCMとO2 ガス90SCC
Mの混合ガスを用い、反応室内圧力30paにおいて、
600mWのマイクロ波放電を利用した。この結果か
ら、ボロン濃度1021/cm3 以上において、エッチング
されないことが分かる。
【0021】図4および図5は、n- 型非晶質シリコン
/ボロンドープ層/n- 型非晶質シリコンの積層試料に
つき、CF4 ガスとO2 ガスの混合ガスを用いてドライ
エッチングを行った場合の、エッチング前後のボロンと
シリコンの濃度分布をオージェ電子分光法により測定し
た結果である。ボロンドープ層のボロン濃度は2.5×
1022/cm3 であり、その上のn- 型非晶質シリコンは
30nmである。図4がエッチング前であって、表面から
30nmの位置にボロン濃度のピークがある。図5は、3
分のエッチングを行った後であり、ボロン濃度2×10
22/cm3 の層が表面に露出している。その後5分の追加
エッチングを行っても、図5の濃度分布に変化がないこ
とが確認されている。この様に高濃度ボロンドープ層
が、CF4ガスとO2 ガスの混合ガスを用いたドライエ
ッチングにおいて良好なストッパとなる。
【0022】図6は、この実施例による200個のTF
Tのしきい値電圧のばらつきを測定した結果を示し、図
7は同じく移動度のばらつきを測定した結果を示す。な
お200個のTFTは、30cmの基板に多数作られたも
ののなから、ランダムに抽出した。比較のため、高濃度
ボロンドープ層がない他、実施例と同様の条件で作った
従来のTFTについて、同様にしきい値電圧と移動度の
ばらつきを測定した結果を、図8および図9に示す。こ
れらを比較して明らかなように、この実施例によってば
らつきの小さい特性が得られる。
【0023】図10は、高濃度ボロンドープ層の光学吸
収係数を測定した結果を示す。ボロンドープ層として、
ボロン濃度1×1021/cm3 ,5×1021/cm3 ,1×
1022/cm3 の3種の試料を用いている。比較のため図
には、n- 型非晶質シリコンの光学吸収特性を示してい
る。このデータから、光学エネルギー2.0eVから
3.0eVの光に対して、ボロン濃度1×1021/cm3
以上のボロンドープ層は、n- 型非晶質シリコンに比べ
て光学吸収係数が4桁ないし7桁大きい。従って高濃度
ボロンドープ層は良好な遮光膜となる。
【0024】図11は、ボロン濃度2×1022/cm3
ボロンドープ層の水素プラズマによるエッチング特性を
測定した結果である。具体的には、基板温度を100℃
〜400℃まで変え、平行平板電極を持つ反応室に水素
ガスを50SCCM導入し、反応室内圧力を0.4Torr
に設定して、13.56MHz,10Wの高周波電力で
ガスを分解した。このデータから、膜厚5nm,濃度2×
1022/cm3 のボロンドープ層は、約10分でエッチン
グできることが分かる。
【0025】図12は、この実施例によるTFTのゲー
ト電圧−ドレイン電流特性を測定した結果を従来例と比
較して示す。従来例は、高濃度ボロンドープ層がない他
は実施例と同様の条件で作ったものである。この実施例
のTFTは、従来例に比べてオフ電流が2桁低く、オン
電流とオフ電流の比が107 と非常に大きくなってい
る。これは明らかに、ボロンドープ層の遮光効果により
光電流が抑制された結果である。
【0026】図1の実施例では、活性層保護膜としての
シリコン窒化膜5の全面に高濃度ボロンドープ層6を設
けたが、これは図13(a) 或いは(b) に示すように、部
分的に設けられていてもよく、これでも上記実施例と同
様の効果が得られる。
【0027】上記実施例では、活性層保護膜としてシリ
コン窒化膜を設けた場合を示したが、高濃度ボロンドー
プ層がそのまま保護膜として機能するので、シリコン窒
化膜を省略することもできる。その様な実施例のTFT
構造を、図14(a) 〜(c) に示す。
【0028】図14(a) は、図1の実施例のシリコン窒
化膜6を省略したTFTである。先の実施例と同様に絶
縁性基板としてガラス基板1を用い、その上に120nm
のMo−Ta合金によるゲート電極2がパターン形成さ
れている。ゲート電極2がパターン形成された基板上に
100nmのシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜3を介
して50nmのn- 型非晶質シリコンによる活性層4が形
成されている。活性層4の表面には約10nmの高濃度ボ
ロンドープ層6が形成されている。高濃度ボロンドープ
層6のボロン濃度は1021/cm3 以上である。このボロ
ンドープ層6に一部重なるように、ソース,ドレイン領
域には、n+ 型非晶質シリコンによるオーミックコンタ
クト層7が形成されている。オーミックコンタクト層7
の膜厚は50nmである。この図でも省略しているが、通
常の構造ではオーミックコンタクト層7上に重ねて金属
電極が形成される。
【0029】この実施例のTFTの製造工程を、具体的
に説明する。ガラス基板1にまず、Mo−Ta合金膜を
スパッタ法により形成し、これをパターニングしてゲー
ト電極2を形成する。次いでプラズマCVD法により、
シリコン酸化膜とn- 型水素化非晶質シリコン4を連続
的に形成する。さらにその上に高濃度ボロンドープ層6
を形成する。高濃度ボロンドープ層6の形成は例えば、
平行平板電極を持つ反応室に試料をおいてこれに水素希
釈の2500ppm のジボラン(B2 6 )を50SCC
M導入し、反応室内の圧力を0.4Torrに設定した後、
13.56MHz,10Wの高周波電力でガスを分解さ
せることにより行う。これにより形成されたプラズマ雰
囲気に試料を約10分晒すことにより、高濃度ボロンド
ープ層6が得られる。
【0030】その後、ソース,ドレイン分離領域にフォ
トレジスト・マスクを形成し、ソース,ドレイン領域上
の高濃度ボロンドープ層6を水素プラズマにより除去す
る。具体的には、平行平板電極を持つ反応室に試料をお
いて、これに水素を50SCCM導入する。反応室内の
ガス圧力を0.4Torrに設定した後、13.56MH
z,10Wの高周波電力で水素ガスを分解させ、これに
より得られたプラズマに10分晒すことにより、ボロン
ドープ層6をエッチングする。
【0031】次に、全面にn+ 型非晶質シリコンをプラ
ズマCVDにより堆積し、これをCF4 ガスとO2 ガス
の混合ガスを用いたドライエッチング法により選択エッ
チングして、ソース,ドレイン領域間の部分を除去して
オーミックコンタクト層7を形成する。
【0032】先の実施例と同様に、通常の工程では金属
のソース,ドレイン電極が必要である。これを含めて考
えるとると、n+ 型シリコンによるオーミックコンタク
ト層をTFT領域上全体にパターン形成した後、金属膜
によるソース,ドレイン電極をパターン形成し、その後
CF4 ガスとO2 ガスの混合ガスを用いたドライエッチ
ング法でソース,ドレイン電極間のオーミックコンタク
ト層をエッチング除去すれば良い。
【0033】この実施例によっても、ソース,ドレイン
分離領域に設けた高濃度ボロンドープ層6が、n+ 型非
晶質シリコンによるオーミックコンタクト層7のドライ
エッチング工程で良好なエッチングストッパとして機能
し、ばらつきの少ない素子特性が得られる。また高濃度
ボロンドープ層6が良好な遮光膜となって、オン電流と
オフ電流の比が大きい優れたTFTが得られる。
【0034】図14(b) (c) は、それぞれ図13(a)
(b) の構造で同じくシリコン窒化膜5を省いた実施例で
ある。これらの製造工程は、シリコン窒化膜の堆積,パ
ターニングの工程がない他、先の実施例と同様である。
これらの実施例によっても先の実施例と同様の効果が得
られる。
【0035】上記実施例では、ボロン供給源としてB2
6 を用いたが、BF3 ,BBr3,BCl3 等を用い
ることもできる。また、これらの原料ガスの希釈ガスと
して、H2 の他に、N2 ,He,Ar等を用いることが
できる。さらにこれらの混合ガスにNH3 ,O2 ,N2
O等のガスを混合することもできる。
【0036】上記実施例では絶縁性基板としてガラス基
板を用いたが、他の材料基板を用いることもできる。そ
の場合、基板本体が絶縁性であることは必ずしも必要で
はなく、本体は金属や半導体であって表面が絶縁膜で覆
われたものであってもよい。その他本発明は、その趣旨
を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができ
る。
【0037】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、非晶
質シリコン活性層表面のソース,ドレイン領域の間に高
濃度のボロンドープ層を設けることにより、特性のばら
つきを小さくすると共に、オン電流とオフ電流の比を大
きくしたTFTを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるTFTを示す図。
【図2】同実施例のTFTの製造工程を示す図。
【図3】ボロンドープ層のドライエッチング耐性を示す
図。
【図4】試験試料のエッチング前のボロン濃度分布を示
す図。
【図5】同試験試料のエッチングのボロン濃度分布を示
す図。
【図6】実施例のTFTのしきい値電圧分布を示す図。
【図7】実施例のTFTの移動度分布を示す図。
【図8】従来例のTFTのしきい値電圧分布を示す図。
【図9】従来例のTFTの移動度分布を示す図。
【図10】ボロンドープ層の光学吸収特性を示す図。
【図11】ボロンドープ層のエッチング特性を示す図。
【図12】実施例のTFTの特性を従来例と比較して示
す図。
【図13】他の実施例のTFT構造を示す図。
【図14】他の実施例のTFT構造を示す図。
【符号の説明】
1…ガラス基板 2…ゲート電極、 3…ゲート絶縁膜、 4…n- 型非晶質シリコン活性層、 5…シリコン窒化膜、 6…高濃度ボロンドープ層、 7…n+ 型非晶質シリコンオーミックコンタクト層。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上にパターン形成されたゲート電極
    と、 このゲート電極を覆うように前記基板上にゲート絶縁膜
    を介して形成された高抵抗の非晶質シリコンからなる活
    性層と、 この活性層上のソース,ドレイン領域に形成された低抵
    抗の非晶質シリコンからなるオーミックコンタクト層
    と、 前記活性層の前記オーミックコンタクト層で覆われてい
    ない領域に形成された濃度1021/cm3 以上のボロンド
    ープ層とを具備し、 前記ボロンドープ層は、シリコン窒化膜表面に形成され
    てなることを特徴とする薄膜トランジスタ。
  2. 【請求項2】ゲート電極が形成された基板上にゲート絶
    縁膜、高抵抗の非晶質シリコン、シリコン窒化膜、およ
    び、濃度10 21 cm3 以上のボロンドープ層を順次形
    成する工程と、 前記ボロンドープ層及びシリコン窒化膜を選択エッチン
    グしてソース、ドレイン領域の間に残す工程と、 全面に低抵抗の非晶質シリコンを堆積し、選択エッチン
    グしてソース、ドレイン領域間の部分を除去して、オー
    ミックコンタクト層を形成する工程とを備え、 前記ボロンドープ層を選択エッチングするに際して、水
    素プラズマを用いてエッチングすることを特徴とする薄
    膜トランジスタの製造方法。
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