JP3490404B2 - 射出成形金型および射出成形装置 - Google Patents

射出成形金型および射出成形装置

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JP3490404B2
JP3490404B2 JP2001074535A JP2001074535A JP3490404B2 JP 3490404 B2 JP3490404 B2 JP 3490404B2 JP 2001074535 A JP2001074535 A JP 2001074535A JP 2001074535 A JP2001074535 A JP 2001074535A JP 3490404 B2 JP3490404 B2 JP 3490404B2
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molten resin
mold
resin
molding die
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    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、射出成形金型お
よび射出成形装置に関し、特に、バッテリー等の搭載部
品をケース内に配置し、両者間に樹脂を充填して一体化
するために使用される射出成形金型および射出成形装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、特開2000−315483号
公報に示されているように、携帯電話、PHS(簡易型
携帯電話)等の携帯端末のバッテリーとして、携帯端末
の電池蓋の内面にバッテリーセルを配置して、電池蓋内
面とバッテリーセルとの間に樹脂を充填・硬化させるこ
とにより、電池蓋とバッテリーセルとを樹脂で一体的に
結合した構造のものが知られている。
【0003】このようなバッテリーを製造するには、上
型と下型とからなる金型を用い、下型に形成された凹部
に、予め樹脂で成形された電池蓋を配置し、該電池蓋の
内部にバッテリーセルを配置し、その後、上型と下型と
を相互に組み合わせて型締めし、上型と下型の分割線に
形成されたゲートを通して、金型のキャビティ内に溶融
樹脂を注入する。キャビティ内に注入された溶融樹脂
は、金型内の電池蓋、バッテリーセルおよび金型のキャ
ビティ面の間に画定された空間を流動して充填され、所
定時間経過後に硬化する。その後、金型を開いてエジェ
クトすることにより、電池蓋とバッテリーセルとを一体
化したバッテリーが製造される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、キャビ
ティ内に注入される溶融樹脂は、キャビティ内に画定さ
れた空間の隅々まで到達する必要から、その流動性を高
めるために、比較的高温状態に加熱されている。したが
って、キャビティ内に配されている電池蓋やバッテリー
セルは、高温状態になり、特に、樹脂からなる電池蓋
は、高温状態に長く晒されることにより、過熱して変形
する虞がある。一方、電池蓋の変形を防止すべく樹脂温
度を低くすると、キャビティ内における樹脂の流動性が
低下して、成形不良が発生するという不都合がある。
【0005】この発明は、上述した事情に鑑みてなされ
たものであって、金型内に配される電池蓋等のケースの
変形を防止しつつ、樹脂の流動性の低下を抑えて成形不
良の発生を防止することができるバッテリーの射出成形
金型および射出成形装置を提供することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、内側に形成されたキャビティ内にケー
スを配置し、該ケースとその内側に配される搭載部品と
の間に溶融樹脂を充填して一体的に成形するための射出
成形金型であって、前記ケースによって覆われる位置に
おいて前記キャビティに開口する溝と、該溝に連通する
冷却媒体供給口および冷却媒体排出口とを具備する射出
成形金型を提案している。
【0007】この発明に係る射出成形金型によれば、キ
ャビティに溝が開口しているので、キャビティ内にケー
スを配置することにより、ケースの壁面と溝とによっ
て、ケースの裏側に冷却媒体の流路が画定される。そし
て、冷却媒体供給口から供給された冷却媒体を、前記流
路に流通させ、冷却媒体排出口から排出することによ
り、冷却媒体がケースの表面に直接接触しながら流動
し、ケースの表面が冷却される。その結果、キャビティ
内に注入する溶融樹脂温度を比較的高く設定しても、そ
の熱によってケースが過熱して変形することを防止する
ことが可能となる。
【0008】また、この発明は、前記溝が、キャビティ
内に溶融樹脂を注入するゲート近傍に設けられている射
出成形金型を提案している。この発明に係る射出成形金
型によれば、樹脂の注入期間中にわたって高温状態の溶
融樹脂がゲートから注入されることになるが、ゲート近
傍に溝を設け、その溝の開口をケースによって閉塞する
ことにより冷却媒体流路が形成されているので、ケース
の壁面の内の最も長い間高温状態に晒される部分を冷却
し、変形を有効に防止することができる。
【0009】また、この発明は、上記射出成形金型であ
って、アルミニウム材またはアルミニウム合金材から構
成されている射出成形金型を提案している。この発明に
係る射出成形金型によれば、熱伝導性の良好なアルミニ
ウム材またはアルミニウム合金材により構成されること
によって、高温状態の溶融樹脂によって加熱されたケー
スの放熱が促進され、ケースの変形がより効果的に防止
されることになる。
【0010】さらに、この発明は、少なくとも溶融樹脂
と接触する表面が、ブラスト処理または薬品処理により
形成された凹凸を有する射出成形金型を提案している。
この発明に係る射出成形金型によれば、溶融樹脂と接触
する表面に設けた凹凸により、樹脂と金型との離型性が
改善される。すなわち、ケースと接触する射出成形金型
の表面は、ケースが溶融状態にないためにケースに接着
されることがないが、溶融樹脂と直接接触する表面は、
溶融樹脂と接着され易いという傾向がある。
【0011】特に、射出成形金型がアルミニウム材等に
より製造されている場合には、切削により鏡面加工する
と樹脂との接着性が高くなるという不都合がある。そし
て、樹脂が硬化した後に、樹脂と金型とが局部的に接着
され、型開きの際に成形品に無理な力がかかることが考
えられる。しかし、この発明にかかる射出成形金型で
は、金型表面に設けた微細な凹凸によって樹脂と金型と
の離型性が改善されるので、上記不都合の発生を防止す
ることができる。
【0012】また、この発明は、上記射出成形金型と、
溶融樹脂を一定温度に加熱しつつ貯留する加熱容器と、
該加熱容器内部の圧力を上昇させて、該加熱容器に設け
たノズルから前記射出成形金型内に溶融樹脂を射出する
加圧手段と、前記冷却媒体供給口に冷却媒体を供給する
冷却媒体供給手段とを具備する射出成形装置を提案して
いる。
【0013】この発明にかかる射出成形装置によれば、
加熱容器において一定温度に加熱しつつ貯留されている
溶融樹脂が、加熱容器内部の圧力を上昇させることによ
ってノズルから射出成形金型内に射出される。そして、
冷却媒体供給手段の作動によって、冷却媒体が冷却媒体
供給口に供給されると、該冷却媒体供給口に連通してい
る溝とケースとの間に画定された流路に冷却媒体が流通
させられ、冷却媒体排出口から排出される。これによ
り、ケースが冷却され、溶融樹脂によるケースの過熱が
防止されることになる。
【0014】またH、この発明は、上記射出成形装置に
おいて、前記ノズルに、該ノズル内を流動する溶融樹脂
を加熱するヒータが設けられている射出成形装置を提案
している。この発明に係る射出成形装置によれば、ノズ
ルに設けたヒータの作動により、加熱容器から射出成形
金型までの流動経路における溶融樹脂の温度低下が防止
され、常に安定した温度の溶融樹脂が金型内に供給され
ることになる。その結果、金型に冷却媒体流路を設け、
あるいは、金型をアルミニウム材またはアルミニウム合
金材により構成して、溶融樹脂の冷却を促進しても、金
型内部における樹脂の流動性を安定して確保し、成形不
良の発生等を確実に防止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る射出成形金
型および射出成形装置の一実施形態について、図面を参
照しながら説明する。この発明にかかる射出成形金型1
は、例えば、図3に示されるような、電池蓋(ケース)
2とその内部に配置されるバッテリーセル(搭載部品)
3とを樹脂Pにより一体的に結合してなる携帯端末用バ
ッテリー4を製造するための金型であって、図2に示さ
れるように、相互に組み合わせられる下型5および上型
6とを具備している。図3中、符号7は、携帯端末本体
(図示略)にバッテリー4を電気的に接続するための端
子、符号8は携帯端末本体に固定するための係合手段で
ある。
【0016】下型5には、電池蓋2と一体のバッテリー
セル3を挿入配置する取付凹部9と、溶融樹脂を注入す
るためのゲート10と、上型6に対する位置決め用のガ
イドピン11とが設けられている。また、下型5の中央
に設けられているのは、成形完了後にバッテリー4を取
付凹部9から取り外すためのエジェクタ(図示略)が挿
通させられる貫通孔12である。
【0017】また、下型5の取付凹部9の底面の一部に
は、該取付凹部9の底面に開口する溝13が形成されて
いる。この溝13は、上述した電池蓋2を取付凹部9に
挿入配置したときに該電池蓋2の背面によって覆われる
位置に形成されている。これにより、電池蓋2を取付凹
部9に挿入配置したときには、電池蓋2の背面に該電池
蓋2自体と溝13とによって閉じた流路14が形成され
るようになっている。
【0018】また、図2に示されるように、この溝13
の両端には冷却空気供給口15と冷却空気排出口16と
が連通状態に貫通形成されている。冷却空気供給口15
には図示しない管路を介してコンプレッサが接続され、
冷却空気を溝13内に供給することができるようになっ
ている。溝13は、ゲート10に近接する位置に配置さ
れていることが好ましい。
【0019】前記上型6には、前記下型5のゲート10
と一致する位置に設けられたゲート17と、前記ガイド
ピン11を嵌合させるガイド孔18と、下型5の取付凹
部9に挿入配置された電池蓋2およびバッテリーセル3
を配置して、それらとの間にキャビティ19を画定する
樹脂充填凹部20とを具備している。
【0020】これら下型5および上型6は、それぞれ、
アルミニウム材またはアルミニウム合金材を切削加工す
ることにより製造されている。また、少なくとも上型6
の樹脂充填凹部19内面は、ブラスト処理またはエッチ
ング等の薬品処理によって、その表面に、深さ10μm
〜20μm程度の微細な凹凸が形成されている。このよ
うに微細な凹凸を形成することにより、金型の表面に接
触する樹脂Pは、その表面張力によって微細なくぼみに
浸入することができず、その結果、金型6表面と樹脂P
との接触面積が低減されるようになっている。
【0021】次に、本実施形態に係るバッテリー4の射
出成形装置21について説明する。本実施形態の射出成
形装置21は、図4に示されるように、上述した射出成
形金型1と、溶融樹脂を貯留加熱する加熱容器22と、
加熱容器22から射出成形金型1内に樹脂Pを供給する
ノズル23と、加熱容器22内の圧力を上昇させて溶融
樹脂Pをノズル23から射出させる加圧手段24と、冷
却空気供給口15に接続されるコンプレッサ(冷却媒体
供給手段)37とを具備している。
【0022】前記加熱容器22は、その内部に溶融樹脂
Pを貯留して保温するとともに、内部に装備されている
ヒータ25によって、溶融樹脂Pを一定温度に加熱する
ように構成されている。前記ノズル23には、バルブ2
6が設けられ、該バルブ26の開閉によって、加熱容器
22からの溶融樹脂Pの射出をオンオフすることができ
るようになっている。また、ノズル23の先端にはヒー
タ27が設けられ、加熱容器22から射出成形金型1内
に入るまでのノズル23において、溶融樹脂Pが冷えて
流動性が低下することを防止すべく、ノズル23内部の
溶融樹脂Pを加熱し、一定の温度で射出成形金型1に供
給することができるようになっている。
【0023】また、前記加圧手段24は、例えば、加熱
容器22内に貯留されている溶融樹脂Pの液面上方の空
間に接続された空気圧供給源からなり、液面に空気圧を
作用させることによって、溶融樹脂Pを所定圧力でノズ
ル23から射出することができるようになっている。図
中、符号28は、加熱容器22の蓋29を密封するため
のハンドル、符号30は、上型6を昇降させるととも
に、所定の圧力で型締めを行う昇降シリンダであり、符
号31は、金型1内に挿入配置された電池蓋2を取付凹
部9内で位置決めするための位置決めシリンダであり、
符号32は、ゲート10に対してノズル23を接続およ
び離間させる直動機構である。直動機構32は、直動シ
リンダ33、リニアガイド34および加熱容器22を搭
載するスライダ35を具備している。また、符号36は
ヒータの温度制御装置である。
【0024】このように構成された本実施形態に係る射
出成形金型1および射出成形装置21の作用について、
以下に説明する。本実施形態に係る射出成形金型1およ
び射出成形装置21を用いて、電池蓋2とバッテリーセ
ル3とを一体化したバッテリー4を製造するには、ま
ず、加熱容器22に樹脂を投入してヒータ25を作動さ
せることにより、例えば、220℃の温度に加熱した溶
融樹脂Pを貯留しておく。そして、加圧手段24の作動
により加熱容器22内部の圧力を、例えば、0.4MP
aに設定しておく。
【0025】また、直動機構32の直動シリンダ33を
作動させて、加熱容器22のノズル23がゲート10か
ら離間する方向にスライダ35を後退させておく。さら
に、昇降シリンダ30を作動させることにより、下型5
に対して上型6を上昇させておく。
【0026】次いで、下型5に形成された取付凹部9内
に電池蓋2およびバッテリーセル3を配置した後に、位
置決めシリンダ31を作動させて電池蓋2を取付凹部9
内で位置決めする。これにより、下型5に形成されてい
る溝13と電池蓋2の背面とによって冷却空気流路14
が画定される。
【0027】その後、昇降シリンダ30を作動させて、
下型5の上方から上型6を下降させ、下型5のガイドピ
ン11を上型6のガイド孔18に嵌合させることによ
り、両金型5,6を位置決め状態に型締めする。例え
ば、型締め圧力は0.6MPaである。これにより、下
型5と上型6との間に画定されたキャビティ19内にお
いて、電池蓋2およびバッテリーセル3と、上型6の樹
脂充填凹部20との間に樹脂Pを充填するための空間が
画定されることになる。
【0028】次に、直動機構32を作動させてスライダ
35を前進させ、加熱容器22のノズル23をゲート1
0に接続するとともに、コンプレッサ37から供給され
た冷却空気を冷却空気供給口15に供給する。冷却空気
供給口15に供給された冷却空気は、電池蓋2の背面と
下型5に形成された溝13とによって画定された冷却空
気流路14内を流通させられることにより、電池蓋2か
ら熱を奪った後に冷却空気排出口16を通して排出され
る。
【0029】この状態で、加熱容器22内部において、
加圧手段24を作動により一定圧力に加圧されている溶
融樹脂Pを、ノズル23に設けたバルブ26を開くこと
によってゲート10を介して金型1内部のキャビティ1
9内に注入する。溶融樹脂Pは、例えば、ポリアミド系
樹脂であり、ノズル23のヒータ27温度を200℃に
設定しておくことにより、200℃に加熱された状態で
射出成形金型1内に供給される。
【0030】ゲート10を介してキャビティ19内に注
入された溶融樹脂Pは、キャビティ19内部に配置され
ている電池蓋2の表面を通って流動し、キャビティ19
内に画定されている空間を徐々に埋めていく。溶融樹脂
Pは、空間内を進行するに従って徐々に冷却され、空間
を完全に埋めた状態で硬化を開始する。この場合におい
て、電池蓋2は、ゲート10に近接する位置において、
ゲート10から連続して注入される高温の溶融樹脂Pに
常に晒されるので、その位置における電池蓋2が、注入
開始から注入終了までの長時間にわたって加熱されるこ
とになる。
【0031】本実施形態に係る射出成形金型1では、ゲ
ート10近傍における電池蓋2の背面に配される位置
に、溝13が形成され、電池蓋2の背面との間で冷却空
気流路14が画定されているので、冷却空気供給口15
から供給される冷却空気Aが冷却空気流路14を流れる
ことによって、電池蓋2の壁面を冷却する。したがっ
て、電池蓋2が過熱して変形する等の不都合が生じるこ
とが防止される。
【0032】しかも、溶融樹脂Pの温度を低下させた状
態でキャビティ19内に注入する場合とは異なり、キャ
ビティ19内の溶融樹脂Pの流動性を損なうものでな
い。したがって、樹脂Pがキャビティ19内の空間全体
に行き渡らないような成形不良の発生を防止することが
できる。
【0033】また、本実施形態に係る射出成形金型1
は、アルミニウム材またはアルミニウム合金材によって
構成されているので、熱伝導性が良好であり、溶融樹脂
Pから電池蓋2に伝達された熱は下型5を介して、ま
た、溶融樹脂Pから直接上型6を介して放熱される。こ
れによっても電池蓋2やバッテリーセル3の過熱を防止
することができる。
【0034】アルミニウム材またはアルミニウム合金材
によって構成された射出成形金型1は、被削性が良好で
あるため加工し易く、きわめて安価に製造できるという
利点がある。しかし、アルミニウム製金型1は切削のみ
によって製造されるときには、樹脂との接着性が高くな
って離型が困難になるという欠点がある。そこで、本実
施形態に係る射出成形金型1では、少なくとも溶融樹脂
Pに直接接触する表面にブラスト処理または薬品処理に
よって、きわめて微細な凹凸を形成しているので、樹脂
と金型1表面との接触面積が低減され、離型性を損なう
ことがない。
【0035】その結果、樹脂と金型1とが局部的に接着
することにより、離型時に無理な力が成形品に加わるこ
とを防止することができる。また、凹凸を形成した金型
表面に接触していた樹脂は、その表面にしぼ状の模様が
形成され、樹脂の質感を向上することができるという利
点もある。
【0036】さらに、このように、空気による強制冷却
およびアルミニウム製金型1による放熱性の改善がなさ
れている射出成形金型1に供給される溶融樹脂Pは、該
射出成形金型1のゲート10に供給される前に、ノズル
23の射出口近傍に配したヒータ27によって一定温度
に加熱されるので、常に同一の熱的条件で射出成形金型
1内に供給される。したがって、射出成形金型1内にお
いても、同一の冷却パターンで冷却することが可能とな
り、同一の品質のバッテリー4を連続して製造すること
ができる。
【0037】この後、例えば、予め設定された所定時間
にわたって樹脂を注入した後に、ノズル23のバルブ2
6を閉鎖することによって、樹脂Pの射出を停止し、直
動機構32を作動させて、スライダ35を後退させるこ
とにより、ノズル23をゲート10から切り離す。この
際、冷却空気流路14への冷却空気の供給は停止するこ
となく供給し続ける。そして、樹脂Pが硬化するのに必
要な所定時間の経過後に、冷却空気の供給を停止して、
昇降シリンダ30を作動させることにより上型6を上昇
させ、図示しないエジェクタによって下型5の取付凹部
9内に成形されたバッテリー4を取り出す。
【0038】取り出されたバッテリー4は、溶融樹脂P
の注入中に効率的に冷却されることにより、溶融樹脂P
による過熱が抑えられ、電池蓋2が変形することなく製
造されている。特に、長時間にわたって高温状態に晒さ
れるゲート10近くの電池蓋2にも変形が見られない。
また、電池蓋2は効率的に冷却されるが、溶融樹脂Pの
冷却は、電池蓋2を介して緩やかに行われるので、溶融
樹脂Pはキャビティ19内の空間の隅々まで行き渡り、
成型不良のないバッテリー4が製造される。また、金型
表面の微細な凹凸により、金型1からの樹脂の離型性が
改善されているので、離型の際にバッテリー4に加えら
れる外力も小さく、健全なバッテリー4が製造される。
【0039】なお、上記実施形態では、樹脂としてポリ
アミド系樹脂を使用したが、これに代えて、他の任意の
熱可塑性樹脂を使用することにしてもよい。また、冷却
空気を流通させる溝13の形状、深さは適宜設定するこ
とができ、その位置もゲート10の近傍のみに限られな
い。また、金型1の表面に微細な凹凸を形成する方法
は、ブラスト処理や薬品処理以外の任意の方法を使用し
てもよい。さらに、上記実施形態では、ケースを電池蓋
とし、搭載部品をバッテリーセルとした場合について説
明したが、これに限定されるものではなく、他の任意の
ケースと搭載部品とを一体的に成形する場合に適用する
ことができる。
【0040】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は以下の効果を奏する。この発明に係る射出成形金型に
よれば、ケースと溝とにより画定した流路に冷却媒体供
給口から供給した冷却媒体を流通させ、冷却媒体排出口
から排出することにより、冷却媒体によってケースを直
接冷却することができる。したがって、過熱によるケー
スの変形を防止することができるとともに、溶融樹脂を
直接的に冷却しないので、溶融樹脂の流動性を低下させ
ることがなく、成形不良の発生を未然に防止することが
できるという効果を奏する。
【0041】また、この溝をゲート近傍に配置すること
により、注入開始から注入終了までの長期にわたって加
熱され続ける部位のケースを冷却することができ、ケー
スの変形を効果的に防止することができるという効果が
ある。さらに、アルミニウム材またはアルミニウム合金
材によって構成することにより、熱伝導性を改善し、溶
融樹脂からケースに伝達された熱を効率的に放散するこ
とができるという効果がある。また、アルミニウム材に
より射出成形金型を製造すると、被削性が良好であるの
で製造が容易であるという利点もある。
【0042】また、この発明に係る射出成形金型によれ
ば、溶融樹脂と接触する表面に微細な凹凸を設けること
により、アルミニウム材料によって構成することにより
増大する樹脂と金型との接着性を低減し、離型性を改善
することができるという効果を奏する。また、微細な凹
凸により形成されるしぼ模様が成形品の質感を向上させ
ることができるという利点もある。
【0043】さらに、この発明に係る射出成形装置によ
れば、上記のようにして放熱性、冷却性を改善して積極
的に冷却される射出成形金型に対して供給する溶融樹脂
の温度を、ノズルに設けたヒータによって一定に保持す
ることができるので、射出成形金型内における冷却条件
を常に一定に保持することができる。その結果、製造さ
れるバッテリーの品質を一定に保持することができると
いう効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態に係る射出成形金型
を示す斜視図である。
【図2】 図1の射出成形金型の冷却媒体流路を示す
縦断面図である。
【図3】 図1の射出成形金型により製造されるバッ
テリーを示す正面図である。
【図4】 この発明の一実施形態に係る射出成形装置
を示す正面図である。
【符号の説明】
P 溶融樹脂 1 金型(射出成形金型) 2 電池蓋(ケース) 3 バッテリーセル(搭載部品) 4 バッテリー 10 ゲート 13 溝 15 冷却空気供給口(冷却媒体供給口) 16 冷却空気排出口(冷却媒体排出口) 19 キャビティ 21 射出成形装置 22 加熱容器 23 ノズル 24 加圧手段 27 ヒータ 37 コンプレッサ(冷却媒体供給手段)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−38979(JP,A) 特開 平5−124066(JP,A) 特開2002−195712(JP,A) 実開 平4−52022(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/14 B29C 45/26 B29C 45/20 B29C 45/37 B29C 45/72

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内側に形成されたキャビティ内にケー
    スを配置し、該ケースとその内側に配される搭載部品と
    の間に溶融樹脂を充填して一体的に成形するための射出
    成形金型であって、 前記ケースによって覆われる位置において前記キャビテ
    ィに開口する溝と、 該溝に連通する冷却媒体供給口および冷却媒体排出口と
    を具備する射出成形金型。
  2. 【請求項2】 前記溝が、キャビティ内に溶融樹脂を
    注入するゲート近傍に設けられている請求項1記載の射
    出成形金型。
  3. 【請求項3】 アルミニウム材またはアルミニウム合
    金材から構成されている請求項1または請求項2記載の
    射出成形金型。
  4. 【請求項4】 少なくとも溶融樹脂と接触する表面
    が、ブラスト処理または薬品処理により形成された凹凸
    を有する請求項3記載の射出成形金型。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれかに記
    載の射出成形金型と、 溶融樹脂を一定温度に加熱しつつ貯留する加熱容器と、 該加熱容器内部の圧力を上昇させて、該加熱容器に設け
    たノズルから前記射出成形金型内に溶融樹脂を射出する
    加圧手段と、 前記冷却媒体供給口に冷却媒体を供給する冷却媒体供給
    手段とを具備する射出成形装置。
  6. 【請求項6】 前記ノズルに、該ノズル内を流動する
    溶融樹脂を加熱するヒータが設けられている請求項5記
    載の射出成形装置。
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