JP3700172B2 - 成形用金型装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂の射出成形などに用いられる成形用金型装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
熱可塑性樹脂の射出成形に用いられる金型装置において、製品となる製品キャビティ内の樹脂を冷却して固化させるため、型体に温調用流体通路が設けられている。例えば、図6に示すように、略円柱形状の温調用流体通路101を下型102に設け、上型103と下型102との間の製品キャビティ104内の樹脂を冷却するようにしたものが知られている。この温調用液体通路101は、下型102に孔部106を穿設し、この孔部106に管部材107を遊挿配置し、図6中、下方から管部材107内へ圧送した温調用液体が、管部材107の先端から管部材107の外周と孔部106との間を通って下方へ流れるものである。そして、この温調用液体によって下型102が冷却されるようになっている。
【0003】
しかし、孔部106に管部材107が遊挿配置されているために、管部材107と孔部106の中心軸がずれて、管部材107が偏って設けられる虞があった。管部材107が偏って設けられた場合には、温調用流体通路101中を温調用流体が偏って流れ、冷却効果が減少してしまうといった問題があった。
【0004】
本発明は、このような問題点を解決しようとするもので、温調用液体通路に管部材が偏って設けられる虞がなく、冷却効果に優れた成形用金型装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、中心部に略円柱形状の孔部を有する柱部材と、前記孔部よりも径小であって前記孔部に挿入される管部材とから構成されるとともに、前記管部材の基端から前記管部材内へ圧送された温調用流体が前記管部材の先端から前記管部材の外周と前記孔部との間を通って前記管部材の基端に向って流れるように構成した成形用金型装置において、前記管部材の先端に凸部を設け、前記柱部材の前記凸部に対応する部分に凹部を設け、この凹部に前記凸部を嵌合することによって前記管部材の先端を前記柱部材に固定した成形用金型装置である。
【0006】
管部材の先端を柱部材に固定することにより、管部材が偏って設けられる虞がなく、柱部材の温度分布が均一となり冷却効果に優れる。また、簡単な構造でかつ確実に管部材の先端を柱部材に固定することができる。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1記載の成形用金型装置において、前記凸部を複数設けたものである。
【0008】
より確実に管部材の先端を柱部材に固定することができる。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の成形用金型装置において、前記柱部材は入子であるものである。
【0010】
冷却効果に優れた冷却入子を備えた成形用金型装置を提供することができる。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1又は2に記載の成形用金型装置において、前記柱部材はコアであるものである。
【0012】
冷却効果に優れたコアを備えた成形用金型装置を提供することができる。
【0013】
【発明の実施形態】
以下、本発明の成形用金型装置の実施形態について、射出成形機の成形用金型装置を例にとって、図面を参照しながら説明する。まず、本発明の第一実施形態を図1から図3に基づいて説明する。1は第1の型体としての固定型、2は第2の型体としての可動型で、これら固定型1および可動型2は、図1中、上下方向(型体開閉方向)へ移動して互いに開閉し、型閉時に相互間に製品形状の製品キャビティ3を形成するものである。この製品キャビティ3に連通して、射出成形機から成形材料である熱可塑性樹脂が常時溶融状態で送られてくるゲート(図示せず)が設けられている。
【0014】
前記可動型2は、可動型2を介して製品キャビティ3内の樹脂を冷却する柱部材たる温調入子たる冷却入子4を備えている。この冷却入子4は略円柱形状となっており、可動型2には冷却入子4に対応した凹部5が設けられている。そして、冷却入子4は凹部5内に挿脱可能に配置されている。また、前記冷却入子4内には温調用液体通路6が設けられている。この温調用液体通路6は、冷却入子4の中心部に略円柱形状の孔部たる孔7を穿設することで形成されている。また、この孔7には、孔7よりも径小の管部材8が挿入、配置され、図1中、管部材8の基端たる下方から管部材8内へ圧送された温調用液体が、管部材8の下方から上方へ流れて管部材8の先端に達した後、管部材8の先端から管部材8の外周と孔7との間を通って下方に向って流れるように構成されている。
【0015】
管部材8の先端には、複数の凸部9が設けられるとともに、冷却入子4の孔7内の前記凸部9に対応する部分に凹部10が設けられている。この凹部10は、凸部9の先端のみが嵌合するような形状になっている。そして、凸部9の先端の一部が凹部10に嵌合することで、管部材8の先端が冷却入子4に固定され、複数の凸部9の間に窓部11が形成されている。管部材8の内部を下方から流れてきた温調用液体はこの窓部11を通過して、管部材8の外周と孔7との間へ流れるように構成されている。なお、図示したものは、凸部9が4箇所に設けられているが、管部材8を冷却入子4に固定できれば何箇所であってもよい。
【0016】
また、管部材8の基端は図示しない液体温度調整手段に接続している。この液体温度調整手段は温調用液体通路6に流れる液体を冷却又は加熱可能なものであって、温調用液体通路6に液体を送り出すポンプなどの液送手段(図示せず)を備えている。
【0017】
冷却入子4は、図2に示すように、管状の円柱部分4Aと円盤状の天頂部分4Bとを接合して形成されている。なお、前記凹部10は天頂部分4Bの下面(内面)に設けられている。そして、円柱部分4Aと天頂部分4Bとは、拡散溶接により接合され、温調用液体通路6の液密性が確保されている。拡散溶接にあたっては、ニッケル合金、例えばBNiなどからなる溶剤を用い、この溶剤を加熱して溶融させ、毛細管現象により接合すべき材料間、つまり接合箇所12において円柱部分4Aと天頂部分4Bとの間に浸透させる。これにより、接合部において材料組織が変成を生じ、円柱部分4Aと天頂部分4Bとが強固に接合される。
【0018】
冷却入子4の円柱部分の最下部は、水平方向へ延設しており、可動型2には温調用液体の復路としての温調用液体復路14が形成されている。また、15は液密性を確保するためのOリングである。
【0019】
つぎに、前記の構成についてその作用を説明する。成形にあたって、まず、図示しない射出成形機の型締装置は、一定の型締力で固定型1と可動型2とを型閉する。型閉めにより、固定型1と可動型2との間に製品キャビティ3が形成される。そして、射出成形機から製品キャビティ3内に熱可塑性の成形材料である溶融した熱可塑性樹脂を射出し、製品キャビティ3内に樹脂を充填する。
【0020】
このような成形の際に、図示しない液体温度調整手段を調節して温調用液体を冷却し、この冷却した温調用液体を管部材8の基端方向から温調用液体通路6に送り込む。これにより、冷却した温調用液体が温調用液体通路6の管部材8内部を管部材8の基端側から先端側へと流れ、管部材8の先端から窓部11を通過して管部材8の外周へ回り込み、管部材8の外周と孔7との間を管部材8の先端側から基端側へと流れる。そして、温調用液体復路14を経由して液体温度調整手段へと循環する。このように温調用液体を循環させることにより、冷却入子4、可動型2を介して製品キャビティ3中の樹脂が冷却される。
【0021】
なお、管部材8の先端が冷却入子4に固定されていることによって管部材8が偏る虞がないので、冷却した温調用液体が管部材8の先端から管部材8の外周へ偏ることなく均一に回り込む。したがって、冷却入子4の温度分布が均一となり、冷却効果に優れる。また、冷却入子4の天頂部分4Bの下面(内面)に予め凹部10を設け、円柱部分4Aと天頂部分4Bとを接合することで冷却入子4の内面の凹部10の加工が容易となる。
【0022】
そして、製品キャビティ3内の樹脂すなわち製品が冷却して固化した後、固定型1と可動型2とを型開して、成形された製品を取り出す。その後、再び型閉が行われて以上の工程が繰り返され、成形が繰り返される。
【0023】
このように本実施形態では、請求項1に対応して、中心部に略円柱形状の孔部たる孔7を有する柱部材たる冷却入子4と、前記孔7よりも径小であって前記孔7に挿入される管部材8とから構成されるとともに、前記管部材8の基端から前記管部材8内へ圧送された温調用流体が前記管部材8の先端から前記管部材8の外周と前記孔7との間を通って前記管部材8の基端に向って流れるように構成した成形用金型装置において、前記管部材8の先端を前記冷却入子4に固定したから、管部材8が偏って設けられる虞がなく、冷却入子4の温度分布が均一となり冷却効果に優れる。
【0024】
また、このように本実施形態では、前記管部材8の先端に凸部9を設け、前記柱部材たる冷却入子4の前記凸部9に対応する部分に凹部10を設け、この凹部10に前記凸部9を嵌合することによって前記管部材8の先端を前記冷却入子4に固定したから、簡単な構造でかつ確実に管部材8の先端を冷却入子4に固定することができる。
【0025】
また、このように本実施形態では、請求項2に対応して、請求項1記載の成形用金型装置において、前記凸部9を複数設けたから、より確実に管部材8の先端を冷却入子4に固定することができる。
【0026】
また、このように本実施形態では、請求項3に対応して、請求項1又は2に記載の成形用金型装置において、前記柱部材は入子たる冷却入子4であるから、冷却効果に優れた冷却入子4を備えた成形用金型装置を提供することができる。
【0027】
つぎに、本発明の第二実施形態を図4から図5に基づいて説明する。31は第1の型体としての固定型、32は第2の型体としての可動型で、これら固定型31および可動型32は、図1中、上下方向(型体開閉方向)へ移動して互いに開閉し、型閉時に相互間に製品形状の製品キャビティ33を形成するものである。この製品キャビティ33は、図1に示すように、型体開閉方向に長い筒体状で、固定型31側で筒体が塞がる形状である。
【0028】
前記固定型31は、製品キャビティ33を形成する第1および第2の固定側型板35,6を備え、この第2の固定側型板36にはキャビティ形成部37が一体に組み込まれ、このキャビティ形成部37は製品キャビティ33を形成する凹部34を有する。また、前記第2の固定側型板36の裏側(可動型32と反対側)に固定側受け板38を固定し、この固定側受け板38が図示しない固定側取り付け板に固定され、この固定側取り付け板が射出成形機の固定側プラテンにスペーサブロックを介して固定されている。
【0029】
前記キャビティ形成部37には、ランナーである材料通路41が設けられると共に、この材料通路41を製品キャビティ33に連通するゲート42が設けられている。尚、このゲート42は製品キャビティ33の固定型31側の端部に位置する。そして、前記材料通路41には、射出成形機から成形材料である熱可塑性樹脂が常時溶融状態で送られ、その材料通路41を加熱する図示しない加熱手段が設けられている。
【0030】
また、固定型31には、前記ゲート42を開閉するゲート開閉手段43が設けられている。このゲート開閉手段43は、先端部が前記ゲート42に挿脱可能に嵌合して該ゲートを開閉するバルブ体たるバルブピン44を備え、このバルブピン44は型体開閉方向を軸方向としており、駆動手段たる油圧シリンダー装置45のピストン46に前記バルブピン44の基端部を固着し、油圧シリンダー装置45によりバルブピン44が型体開閉方向に進退する。
【0031】
前記可動型32は、前記第1の固定側型板35に突き当たる突き出し板51と可動側型板52を備えており、この可動側型板52には、前記製品キャビティ33の内面を形成する柱部材たるコア53が固定されている。また、可動側型板72における固定型31と反対側の面には図示しない可動側受け板が固定されており、この可動側受け板における固定型31と反対側の面には、射出成形機の可動側プラテンに取り付けられる可動側取り付け板がスペーサブロックを介して固定されている。前記突き出し板51は、可動側型板52から離れる方向に駆動可能であり、成形された製品をコア53から突き出すものである。また、前記コア53内には温調用液体通路54が設けられている。この温調用液体通路54は、コア53の中心部に略円柱形状の孔部たる孔55を穿設することで形成されている。また、この孔55には、孔55よりも径小の管部材56が挿入、配置され、図4中、管部材56の基端たる下方から管部材56内へ圧送された温調用液体が、管部材56の下方から上方へ流れて管部材56の先端に達した後、管部材56の先端から管部材56の外周と孔55との間を通って下方へ流れるように構成されている。
【0032】
管部材56の先端には、複数の凸部57が設けられるとともに、コア53の孔55内の前記凸部57に対応する部分に凹部58が設けられている。この凹部58は、凸部57の先端のみが嵌合するような形状になっている。そして、凸部57の先端の一部が凹部58に嵌合することで、管部材56の先端がコア53に固定され、複数の凸部57の間に窓部59が形成されている。管部材56の内部を下方から流れてきた温調用液体はこの窓部59を通過して、管部材56の外周と孔55との間へ流れるように構成されている。
【0033】
また、管部材56の基端は図示しない液体温度調整手段に接続している。この液体温度調整手段は温調用液体通路54に流れる液体を冷却又は加熱可能なものであって、温調用液体通路54に液体を送り出すポンプなどの液送手段(図示せず)を備えている。
【0034】
コア53は、図5に示すように、管状の円柱部分53Aと円盤状の天頂部分53Bとを接合して形成されている。なお、前記凹部58は天頂部分53Bの下面(内面)に設けられている。そして、円柱部分53Aと天頂部分53Bとは、拡散溶接により接合され、温調用液体通路54の液密性が確保されている。拡散溶接にあたっては、ニッケル合金、例えばBNiなどからなる溶剤を用い、この溶剤を加熱して溶融させ、毛細管現象により接合すべき材料間、つまり接合箇所60において円柱部分53Aと天頂部分53Bとの間に浸透させる。これにより、接合部において材料組織が変成を生じ、円柱部分53Aと天頂部分53Bとが強固に接合される。
【0035】
前記第1の固定側型板35は、雌型体61を有し、この雌型体61は中央が貫通孔となった筒状の入子であって、その内周面に製品キャビティ33を形成するキャビティ形成面33Aを有する。また、前記雌型体61は、装着筒体62の装着孔63に装着され、その装着筒体62は固定側型板35に貫通形成された筒外装着孔64に装着されており、前記装着筒体62は固定側板5の入子である。
【0036】
前記雌型体61の外周と装着孔32の内周との間には、螺旋状をなす温調用液体通路81が、製品キャビティ33を囲んで形成されている。この例では雌型体61の外周に形成した溝82により温調用液体通路81を構成し、該温調用液体通路81は製品キャビティ33のほぼ全長に渡って且つ連続して設けられている。
【0037】
前記温調用液体通路81の両側で、雌型体61の外周面と装着筒体62の装着孔63とを、ゲート側接合箇所91及び反ゲート側接合箇所62において、それぞれ拡散溶接により接合して液密性を確保している。そして、拡散溶接にあたっては、ニッケル合金、例えばBNiなどからなる溶剤を用い、この溶剤を加熱して溶融させ、毛細管現象により接合すべき材料間、つまり接合箇所91,62において雌筒体31と装着孔63との間に浸透させる。これにより、接合部において材料組織が変成を生じ、雌筒体31と装着筒体62の装着孔63とが強固に接合される。
【0038】
つぎに、前記の構成についてその作用を説明する。成形にあたって、まず、射出成形機の型締装置は、一定の型締力で固定型31と可動型32とを型閉する。型閉めにより、固定型31の凹部34及び雌型体61内に可動型32のコア53が挿入され、間に製品キャビティ33が形成される。そして、バルブピン44を可動型32から離れる方向へ移動させてゲート42を開放する。そして、射出成形機から固定型31内に熱可塑性の成形材料である溶融した熱可塑性樹脂を射出する。この樹脂(図示せず)は、材料通路41を通ってゲート42から製品キャビティ33内に流入する。このようにして製品キャビティ33内に樹脂が充填された後、バルブピン13が可動型32の方へ移動し、ゲート42に嵌合してこのゲート42を閉じる。
【0039】
このような成形の際に、図示しない液体温度調整手段を調節して温調用液体を冷却し、この冷却した温調用液体を管部材56の基端方向から温調用液体通路54に送り込む。これにより、冷却した温調用液体が温調用液体通路54の管部材56内部を管部材56の基端側から先端側へと流れ、管部材56の先端から窓部59を通過して管部材56の外周へ回り込み、管部材56の外周と孔55との間を管部材56の先端側から基端側へと流れる。そして、液体温度調整手段へと循環する。このように温調用液体を循環させることにより、コア53を介して製品キャビティ33中の樹脂が冷却される。
【0040】
なお、管部材56の先端がコア53に固定されていることによって管部材56が偏る虞がないので、冷却した温調用液体が管部材56の先端から管部材56の外周へ偏ることなく均一に回り込む。したがって、コア53の温度分布が均一となり、冷却効果に優れる。また、コア53の天頂部分53Bの下面(内面)に予め凹部58を設け、円柱部分53Aと天頂部分53Bとを接合することでコア53の内面の凹部58の加工が容易となる。
【0041】
また、温調用液体通路81の液体を冷却し、この冷却した液体を温調用液体通路81に送り込む。これにより、冷却した液体が温調用液体通路81のゲート42側から反ゲート42側へと流れ、すなわち製品キャビティ33の温度の高いゲート42側から冷却され、製品キャビティ33全体を効率よく冷却する。例えば、PETなどの樹脂を用いる場合、キャビティ33におけるゲート42箇所の樹脂を急冷し、熱による白濁部分の発生を防止できる。また、温調用液体通路81を螺旋状としたから、複数の独立した液体通路を形成する場合よりも金型の加工が容易となる。
【0042】
そして、製品キャビティ33内の樹脂すなわち製品が冷却して固化した後、固定型31と可動型32とを型開して、成形された製品を取り出す。その後、再び型閉が行われて以上の工程が繰り返され、成形が繰り返される。
【0043】
このように本実施形態では、請求項1に対応して、中心部に略円柱形状の孔部たる孔55を有する柱部材たるコア53と、前記孔55よりも径小であって前記孔55に挿入される管部材56とから構成されるとともに、前記管部材56の基端から前記管部材56内へ圧送された温調用流体が前記管部材56の先端から前記管部材56の外周と前記孔55との間を通って前記管部材56の基端に向って流れるように構成した成形用金型装置において、前記管部材56の先端を前記コア53に固定したから、管部材56が偏って設けられる虞がなく、コア53の温度分布が均一となり冷却効果に優れる。
【0044】
また、このように本実施形態では、前記管部材56の先端に凸部57を設け、前記柱部材たるコア53の前記凸部57に対応する部分に凹部58を設け、この凹部58に前記凸部57を嵌合することによって前記管部材56の先端を前記コア53に固定したから、簡単な構造でかつ確実に管部材56の先端をコア53に固定することができる。
【0045】
また、このように本実施形態では、請求項3に対応して、請求項2記載の成形用金型装置において、前記凸部57を複数設けたから、より確実に管部材56の先端をコア53に固定することができる。
【0046】
また、このように本実施形態では、請求項4に対応して、請求項1又は2に記載の成形用金型装置において、前記柱部材はコア53であるから、冷却効果に優れたコア53を備えた成形用金型装置を提供することができる。
【0047】
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。
【0048】
【発明の効果】
請求項1の発明の成形用金型装置によれば、中心部に略円柱形状の孔部を有する柱部材と、前記孔部よりも径小であって前記孔部に挿入される管部材とから構成されるとともに、前記管部材の基端から前記管部材内へ圧送された温調用流体が前記管部材の先端から前記管部材の外周と前記孔部との間を通って前記管部材の基端に向って流れるように構成した成形用金型装置において、前記管部材の先端に凸部を設け、前記柱部材の前記凸部に対応する部分に凹部を設け、この凹部に前記凸部を嵌合することによって前記管部材の先端を前記柱部材に固定したから、管部材が偏って設けられる虞がなく、柱部材の温度分布が均一となり冷却効果に優れる。また、簡単な構造でかつ確実に管部材の先端を柱部材に固定することができる。
【0049】
請求項2の発明は、請求項1記載の成形用金型装置において、前記凸部を複数設けたものであるから、より確実に管部材の先端を柱部材に固定することができる。
【0050】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の成形用金型装置において、前記柱部材は入子であるから、冷却効果に優れた冷却入子を備えた成形用金型装置を提供することができる。
【0051】
請求項4の発明は、請求項1又は2に記載の成形用金型装置において、前記柱部材はコアであるから、冷却効果に優れたコアを備えた成形用金型装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態を示す成形用金型装置の断面図である。
【図2】 同上、部分拡大断面図である。
【図3】 同上、管部材の斜視図である。
【図4】 本発明の第2実施形態を示す成形用金型装置の断面図である。
【図5】 同上、部分拡大断面図である。
【図6】 従来例を示す成形用金型装置の断面図である。
【符号の説明】
4 冷却入子(柱部材)
7 孔(孔部)
8 管部材
9 凸部
10 凹部
53 コア(柱部材)
55 孔(孔部)
56 管部材
57 凸部
58 凹部
Claims (4)
- 中心部に略円柱形状の孔部を有する柱部材と、前記孔部よりも径小であって前記孔部に挿入される管部材とから構成されるとともに、前記管部材の基端から前記管部材内へ圧送された温調用流体が前記管部材の先端から前記管部材の外周と前記孔部との間を通って前記管部材の基端に向って流れるように構成した成形用金型装置において、前記管部材の先端に凸部を設け、前記柱部材の前記凸部に対応する部分に凹部を設け、この凹部に前記凸部を嵌合することによって前記管部材の先端を前記柱部材に固定したことを特徴とする成形用金型装置。
- 前記凸部を複数設けたことを特徴とする請求項1記載の成形用金型装置。
- 前記柱部材は入子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の成形用金型装置。
- 前記柱部材はコアであることを特徴とする請求項1又は2に記載の成形用金型装置。
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