JP3543742B2 - 樹脂封止成形装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂封止された半導体装置等を製造するために使用されるトランスファー成形で樹脂封止を行う樹脂封止成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を用いて半導体素子等の電子部品の封止成形を行うにあたって、従来からトランスファー成形が一般に行われている。このような場合の樹脂封止成形装置として、リードフレームに搭載した半導体素子等の部品をトランスファー成形で樹脂封止する成形金型装置と、この成形金型装置から取り出したランナー付き成形品からランナーを分離するランナー分離装置を備えている樹脂封止成形装置が知られている(例えば、本出願人が出願人である特開平10−180792号公報)。従来の樹脂封止成形装置における、ランナー分離装置は、図6に示すように、チヤック部30を用いて成形金型装置から取り出したランナー4付き成形品5をフレーム受け台31の樹脂封止部支持面32で受けて支持し、次いで支持したランナー4付き成形品5に対して、打ち抜きプレート33を用いて外力を加えてランナー4を樹脂封止部40から分離するようになっていて、ポットに対応する位置で形成されるカル6もランナー4と共に成形品5に付随しているが、ランナー4を分離する際に同時に成形品5から分離するようになっている。ランナー4を成形品5から分離する位置は、キャビティで形成される樹脂封止部40とランナー4の境界部の薄肉になっているゲート部9であり、このゲート部9での分離をゲートカットと称している。なお、図6において、符号8はリードフレームを示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来の樹脂封止成形装置では、成形金型装置から取り出したランナー付き成形品のゲート部に外力を加えて、樹脂封止部からランナーを分離した際に、製品となる樹脂封止部側に、ゲート残りと呼ばれる不要な樹脂部分が残存する場合があった。このゲート残りが発生した場合、例えば切削や研磨等の方法でゲート残りを除去するための処理工程が必要となり、半導体装置等を製造する効率が低下するという問題があった。特に、リードフレームの端部が樹脂封止部からゲート部のある側に突出する構成であって、リードフレームの表面にゲート部が密着する構造の場合に、ゲート残りが多く発生することがあった。
【0004】
本発明は、上記問題点を改善するために成されたもので、その目的とする所は、成形金型装置から取り出したランナー付き成形品のゲート部に外力を加えて、樹脂封止部からランナーを分離する際に、製品となる樹脂封止部側にゲート残りが発生することを低減できるランナー分離装置を備えている樹脂封止成形装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明の樹脂封止成形装置は、リードフレームに配設した部品をトランスファー成形で樹脂封止する成形金型装置と、成形金型装置から取り出したランナー付き成形品をフレーム受け台で受けた後、フレーム受け台上のランナー付き成形品のゲート部に外力を加えて、ランナー付き成形品の樹脂封止部からランナーを分離するランナー分離装置を備える樹脂封止成形装置において、
前記フレーム受け台に、ランナー付き成形品の樹脂封止部を加熱するための加熱手段を配設していることを特徴とする樹脂封止成形装置である。
【0006】
請求項1に係る発明の樹脂封止成形装置では、ランナー分離装置のフレーム受け台にランナー付き成形品の樹脂封止部を加熱するための加熱手段を備えているので、樹脂封止部からランナーを分離した際に、ゲート残りなしにランナーを分離することができるようになり、樹脂封止部側にゲート残りが発生することを低減できる樹脂封止成形装置となる。
【0007】
請求項2に係る発明の樹脂封止成形装置は、ランナー分離装置が、打ち抜き手段を用いてランナー付き成形品のゲート部に外力を加えるランナー分離装置であることを特徴とする請求項1記載の樹脂封止成形装置である。
【0008】
請求項2に係る発明の樹脂封止成形装置のランナー分離装置は、成形金型装置から取り出したランナー付き成形品のゲート部に打ち抜き手段を用いて外力を加えて、樹脂封止部からランナーを分離するものであり、フレーム受け台に、ランナー付き成形品の樹脂封止部を加熱するための加熱手段を備えているので、製品となる樹脂封止部側にゲート残りが発生することを低減することができるようになる。
【0009】
請求項3に係る発明の樹脂封止成形装置は、ランナー分離装置が、フレーム受け台上で支持しているランナー付き成形品のゲート部に対応するフレーム受け台の表面位置を支点として、ランナーのある側と反対側のフレーム受け台の端部が持ち上がるように、フレーム受け台を回動させて、ランナー付き成形品のゲート部に外力を加えるランナー分離装置であることを特徴とする請求項1記載の樹脂封止成形装置である。
【0010】
請求項3に係る発明の樹脂封止成形装置のランナー分離装置は、成形金型装置から取り出したランナー付き成形品に対して、ランナーのある側と反対側のフレーム受け台の端部が持ち上がるように、フレーム受け台を回動させて、ランナー付き成形品のゲート部に外力を加えて、樹脂封止部からランナーを分離するものであり、フレーム受け台にランナー付き成形品の樹脂封止部を加熱するための加熱手段を備えているので、製品となる樹脂封止部側にゲート残りが発生することを低減することができるようになる。
【0011】
請求項4に係る発明の樹脂封止成形装置では、加熱手段の形状が丸棒状又は板状であるため、ランナー付き成形品の樹脂封止部が接するフレーム受け台の樹脂封止部支持面を均一に加熱することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の樹脂封止成形装置は、リードフレームに配設した半導体素子等の部品をトランスファー成形で樹脂封止する成形金型装置と、成形金型装置から取り出したランナー付き成形品をフレーム受け台で受けた後、フレーム受け台上のランナー付き成形品のゲート部に外力を加えて、ランナー付き成形品の樹脂封止部からランナーを分離するランナー分離装置とを備えている。
【0013】
まず、成形金型装置について説明する。図1、図2は成形金型装置の一実施形態を説明するための断面図である。なお、この成形金型装置は、特開平10−180792号公報で開示されているものとほぼ同様のものである。
【0014】
この成形金型装置Aの金型は、下型11と上型12とから形成され、上下型11、12間に樹脂封止部を形成するためのキャビティ2が複数個形成してある。下型11には円筒状のスリーブ11aが取着してあり、このスリーブ11a内には上面を開口するポット3を形成してある。このポット3と対向して上型12の下面にカル凹部13が凹設してある。下型11の上面にキャビティ2に連通される下ランナー部14が、上型12の下面にカル凹部13の周囲から延長した上ランナー部15がそれぞれ設けてあり、上下型11、12を型締めする際に、端部同士が重なって一連になる下ランナー部14と上ランナー部15によって樹脂流路10が形成されるようにしてある。この樹脂流路10によって、ポット3とキャビティ4が連通するようになっている。そして、樹脂流路10がキャビティ4に接続する部分には厚みが薄いゲート29が形成されている。
【0015】
また、上型12を挿通してエジェクターピン16が上下駆動自在に取り付けてある。エジェクターピン16はその下端を樹脂流路10の上ランナー部15に面するような位置に配設してあり、エジェクターピン16を前進(下動)させることによって上ランナー部15内にエジェクターピン16の先端部が突入し、上ランナー部15の一部を塞いで樹脂流路10を閉塞するようになっている。エジェクターピン16を後退(上動)させることによって、上ランナー部15内からエジェクターピン16の先端部を抜き樹脂流路10を開くようになっている。
【0016】
上下型11,12よりなる金型には複数のキャビティ2を設けると共に各キャビティ2を樹脂流路10を介してポット3に接続させることによって、多数個取りの成形が行えるようにしてある。この成形金型装置Aでは、ポット3を中央にして対向する位置に2本のリードフレームをセットし、それぞれのリードフレームに配設された部品を各キャビティ2内に収納し、トランスファー成形で樹脂封止するようにしている。従って、成形が終わった段階では、1対の成形品がランナーを介して接続されている状態のものが成形されることになる。ここでいう成形品とは樹脂封止部を複数形成した1本のリードフレームを1個の成形品と称しているので、2本のリードフレームをセットして成形した場合、2個の成形品が得られることになる。
【0017】
また、上記金型にはポット3を複数設けることでマルチポット構造にしてある。図1において、17は上型12を取り付ける上取付板、18は下型11を取り付ける下型取付板であり、夫々加熱手段であるヒータを通す孔19が設けてある。上型12を取り付けた上取付板17は上基台20で、下型11を取り付けた下型取付板18は下基台21で夫々支持するようにしてあり、上基台20と下基台21の少なくとも一方を駆動機構で上下駆動させるようになっている。図1において22は注入プランジャー7を駆動するための駆動シリンダ、23は各キャビティ2に設けたキャビティ用エジェクターピン、24はキャビティ用エジェクターピン23を作動させるエジェクタープレートである。また樹脂流路10に設けた上記のエジェクターピン16の後端はエジェクタープレート25に結合してあり、このエジェクタープレート25はエジェクターピン駆動装置26のロッド27の先端に取着してある。従って、エジェクターピン駆動装置26を作動させることによって、エジェクターピン16を前進後退駆動させることができる。図1で28はバネである。
【0018】
上記のように構成された成形金型装置Aを用いて成形を行うにあたっては、上下型11,12を開いた状態で部品を搭載したリードフレーム8(図示せず)をセットすると共に、計量して送られてきた定量の熱硬化性樹脂などの粉粒状の樹脂材料1をポット3内に供給し、図2(a)のように上下型11,12を型締めする。このように型締めしたとき、樹脂流路10はエジェクターピン16で閉じられている。また金型の上下型11,12は加熱手段で加熱されており、ポット3内に供給された樹脂材料1を加熱するようになっている。このようにポット3内に樹脂材料1を供給した後、注入プランジャー7を図2(b)のように前進させる。このとき、樹脂流路10はエジェクターピン16で閉じられており、ポット3内の樹脂材料1は樹脂流路10へと流れ出すことができないので、ポット3内の樹脂材料1は注入プランジャー7の前進に伴って加圧されて圧縮される。樹脂材料1をこのように圧縮することによって、粉粒状の樹脂材料1の粒子間の空気は追い出されることとなり、またポット3内の空気も追い出すことができる。
【0019】
上記のように樹脂材料1を圧縮した後、図2(c)のようにエジェクターピン16を後退(上動)させて樹脂流路10を開き、そして注入プランジャー7をさらに前進させる。この時点では、ポット3内の樹脂材料1は加熱と加圧によって完全な溶融状態となっており、上記のように樹脂流路10が開かれると、注入プランジャー7による加圧でポット3内の樹脂材料1が樹脂流路10に流入し、樹脂流路10を通って、ゲート29からキャビティ2内に注入される。そして注入プランジャー7の先端が上下型11、12のパーティングライン面から少し突出するまで注入プランジャー7を前進させることによって、図2(d)のようにキャビティ2への樹脂材料1の注入が完了するようにしてある。このようにキャビティ2に溶融した樹脂材料1を注入した後、キャビティ2内で樹脂材料1を硬化させる。硬化が完了した後、上下型11,12を型開きし、キャビティ用エジェクターピン23で上下型11,12間にある、ランナー付き成形品を突き出して金型から取り出すことができるようになっている。
【0020】
このようにして、図3に示すような、カル6及びランナー4付きの成形品5を成形することができる。図3に示すランナー4付き成形品5では、リードフレーム8の端部が、樹脂封止部40からゲート部9のある側に突出する構成であって、ゲート部9はリードフレーム8の下側に形成されている。ここでいうゲート部9とは、ゲート29の位置で形成される樹脂材料の硬化物を表している。
【0021】
以上、本発明の成形金型装置についての実施形態を説明したが、本発明における成形金型装置は、上記の成形金型装置Aに限定されるものではなく、リードフレームに配設した部品をトランスファー成形で樹脂封止して、ランナー付き成形品が得られる成形金型装置であればよく、各種の成形金型装置とすることができる。
【0022】
次に、ランナー分離装置について説明する。図3はランナー分離装置の第1実施形態を説明するための断面図である。図3に示すように、この第1実施形態は、従来技術の欄で説明した従来例のランナー分離装置と同様に、成形金型装置から取り出したランナー4付き成形品5をフレーム受け台31で受けて支持し、次いで支持したランナー4付き成形品5に対して、打ち抜き手段である打ち抜きプレート33をエアーシリンダー等を用いて駆動して、ゲート部9に外力を加えて樹脂封止部40からランナー4とカル6を分離するようにしている。そして、この実施形態のランナー分離装置では、フレーム受け台31上のランナー4付き成形品5の樹脂封止部40を加熱するための加熱手段34として、棒状のカートリッジヒーターを樹脂封止部支持面32の下部に配設している。この加熱手段34については、樹脂封止部支持面32を均一に加熱するものであればよく、例えば棒状のカートリッジヒーターの他に板状のバンドヒーター等とすることもできる。また、樹脂封止部支持面32の加熱状態を効率よく保持できるように、断熱板38をフレーム受け台31の中央に配置している。
【0023】
第1実施形態のランナー分離装置の使用方法について説明する。まず、加熱手段34であるカートリッジヒーターをONさせて、フレーム受け台31の樹脂封止部支持面32を加熱状態に保持する。加熱温度は、樹脂材料の種類等によって最適温度を決定すればよいが、一般的には120〜200℃、より好ましくは150〜180℃の温度に加熱・保持することが望ましい。そして、上述した成形金型装置Aで得られた、カル6及びランンナー4付きの成形品5を成形金型装置Aから取りだし、図3に示すように、ゲート部9が、リードフレーム8の下側に位置するようにして、フレーム受け台31の樹脂封止部支持面32で、ランナー4付き成形品5の樹脂封止部40を支持する。そして、エアーシリンダー等を用いて打ち抜き手段である打ち抜きプレート33を下降させて、ゲート部9に外力を加えて樹脂封止部40からランナー4を分離する。その際に、カル6もランナー4と共に樹脂封止部40から分離される。
【0024】
このように、フレーム受け台31の樹脂封止部支持面32を適温の加熱状態に保持していることで、ゲート部9で樹脂封止部40とランナー4を分離した際に、ゲート残りなしに分離することができるようになる。この理由は、樹脂封止部40を加熱することで、ゲート部9の部分も加熱されるため、外力がゲート部9に加った際に、最も厚みが薄い部分である、樹脂封止部40との境界位置で分離しやすくなるものと考えられる。
【0025】
次に、ランナー分離装置の第2実施形態について説明する。図4は第2実施形態のランナー分離装置にセットするランナー付き成形品の1例を示していて、(a)は平面図、(b)は側面図である。そして、図5はランナー分離装置の第2実施形態を説明するための概略断面図である。
【0026】
図4(a)、(b)に示す、この第2実施形態のランナー分離装置にセットするランナー4付き成形品5は、前述した成形金型装置Aを用いて製造される。この場合、カル6が複数個中央にあって、各カル6にランナー4を介して樹脂封止部40が接続している。そして、(b)の側面図で明かなようにランナー4と樹脂封止部40との境界部分はランナー4側から樹脂封止部40側に向けて次第に薄肉となるゲート部9が形成されている。この図4に示すランナー4付き成形品5を第2実施形態のランナー分離装置にセットした状態を、図5の概略断面図で説明する。この第2実施形態のランナー分離装置は、図5(a)に示すように、ランナー4付き成形品5のゲート部9が、リードフレーム8の上側に来るようにして、フレーム受け台31の樹脂封止部支持面32で樹脂封止部40を支持する。そして、カル6を保持具(図示せず)で保持することによりランナー4を略水平に保持した状態で、支持しているランナー4付き成形品5のゲート部9に対応するフレーム受け台31の表面位置を支点35として、ランナー4がある側と反対側のフレーム受け台31の端部36が持ち上がるように、エアーシリンダー等により駆動する回動用ロッド37を駆動させて、フレーム受け台31を回動させて、ランナー付き成形品5のゲート部9に外力を加えて、図5(b)に示すように、製品となる樹脂封止部40からランナー4をカル6と共に分離するようにしている。フレーム受け台31の端部36を持ち上げる角度については任意に設定でき、製品の種類等によって、最適な角度に設定できるようにしている。
【0027】
そして、この実施形態のランナー分離装置では、フレーム受け台31にランナー4付き成形品5の樹脂封止部40を加熱するための加熱手段34として、棒状のカートリッジヒーターを樹脂封止部支持面32の下部に配設している。この加熱手段34については、樹脂封止部支持面32を均一に加熱するものであればよく、例えば棒状のカートリッジヒーターの他に板状のバンドヒーター等とすることもできる。また、樹脂封止部支持面32の加熱状態を効率よく保持できるように、断熱板38をフレーム受け台31の中央に配置している。
【0028】
実際にこの第2実施形態のランナー分離装置を用いて、図4に示すランナー4付き成形品5についてのランナー分離作業を行い、樹脂封止部支持面32を160℃に加熱保持した場合と、非加熱とした場合についてゲ−ト残りを比較したところ、160℃に加熱保持した場合は40箇所のゲート中ゲート残りの発生は0箇所であり、非加熱とした場合は40箇所のゲート中ゲート残りの発生は20箇所であり、加熱保持した場合は、ゲート残りの発生が減少することを確認した。
【0029】
【発明の効果】
請求項1に係る発明の樹脂封止成形装置は、ランナー分離装置のフレーム受け台にランナー付き成形品の樹脂封止部を加熱するための加熱手段を備えているので、製品となる樹脂封止部側にゲート残りが発生することを低減することができるようになる。従って、請求項1に係る発明の樹脂封止成形装置は、ゲート残りが発生することを低減できる樹脂封止成形装置となる。
【0030】
請求項2に係る発明の樹脂封止成形装置のランナー分離装置は、成形金型装置から取り出したランナー付き成形品のゲート部に打ち抜き手段を用いて外力を加えて、樹脂封止部からランナーを分離するものであり、フレーム受け台に、ランナー付き成形品の樹脂封止部を加熱するための加熱手段を備えているので、製品となる樹脂封止部側にゲート残りが発生することを低減することができるようになる。従って、請求項2に係る発明の樹脂封止成形装置は、ゲート残りが発生することを低減できる樹脂封止成形装置となる。
【0031】
請求項3に係る発明の樹脂封止成形装置のランナー分離装置は、成形金型装置から取り出したランナー付き成形品に対して、ランナーのある側と反対側のフレーム受け台の端部が持ち上がるように、フレーム受け台を回動させて、ランナー付き成形品のゲート部に外力を加えて、樹脂封止部からランナーを分離するものであり、フレーム受け台にランナー付き成形品の樹脂封止部を加熱するための加熱手段を備えているので、製品となる樹脂封止部側にゲート残りが発生することを低減することができるようになる。従って、請求項3に係る発明の樹脂封止成形装置は、ゲート残りが発生することを低減できる樹脂封止成形装置となる。
【0032】
請求項4に係る発明の樹脂封止成形装置は、加熱手段の形状が丸棒状又は板状であるため、ランナー付き成形品の樹脂封止部が接するフレーム受け台の樹脂封止部支持面を均一に加熱することができるので、製品となる樹脂封止部側にゲート残りが発生することを低減することがより確実にできるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成形金型装置に関する一実施形態の構成を説明するための断面図である。
【図2】(a)、(b)、(c)、(d)は同上の成形金型装置で成形する状態を説明する断面図である。
【図3】本発明のランナー分離装置に関する第1実施形態を説明するための断面図である。
【図4】本発明のランナー分離装置に関する第2実施形態の装置にセットするランナー付き成形品を説明するための図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図5】本発明のランナー分離装置に関する第2実施形態を説明するための断面図であり、(a)はフレーム受け台を回動する前の状態、(b)はフレーム受け台を回動した後の状態を示している。
【図6】ランナー分離装置に関する従来例を説明するための断面図である。
【符号の説明】
A 成形金型装置
1 樹脂材料
2 キャビティ
3 ポット
4 ランナー
5 成形品
6 カル
7 注入プランジャー
8 リードフレーム
9 ゲート部
10 樹脂流路
11 下型
12 上型
13 カル凹部
14 下ランナー部
15 上ランナー部
16 エジェクターピン
17 上取付板
18 下取付板
19 孔
20 上基台
21 下基台
22 駆動シリンダ
23 キャビティ用エジェクターピン
24、25 エジェクタープレート
26 エジェクターピン駆動装置
27 ロッド
28 バネ
29 ゲート
30 チヤック部
31 フレーム受け台
32 樹脂封止部支持面
33 打ち抜きプレート
34 加熱手段
35 支点
36 端部
37 回動用ロッド
38 断熱板
40 樹脂封止部
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂封止された半導体装置等を製造するために使用されるトランスファー成形で樹脂封止を行う樹脂封止成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を用いて半導体素子等の電子部品の封止成形を行うにあたって、従来からトランスファー成形が一般に行われている。このような場合の樹脂封止成形装置として、リードフレームに搭載した半導体素子等の部品をトランスファー成形で樹脂封止する成形金型装置と、この成形金型装置から取り出したランナー付き成形品からランナーを分離するランナー分離装置を備えている樹脂封止成形装置が知られている(例えば、本出願人が出願人である特開平10−180792号公報)。従来の樹脂封止成形装置における、ランナー分離装置は、図6に示すように、チヤック部30を用いて成形金型装置から取り出したランナー4付き成形品5をフレーム受け台31の樹脂封止部支持面32で受けて支持し、次いで支持したランナー4付き成形品5に対して、打ち抜きプレート33を用いて外力を加えてランナー4を樹脂封止部40から分離するようになっていて、ポットに対応する位置で形成されるカル6もランナー4と共に成形品5に付随しているが、ランナー4を分離する際に同時に成形品5から分離するようになっている。ランナー4を成形品5から分離する位置は、キャビティで形成される樹脂封止部40とランナー4の境界部の薄肉になっているゲート部9であり、このゲート部9での分離をゲートカットと称している。なお、図6において、符号8はリードフレームを示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来の樹脂封止成形装置では、成形金型装置から取り出したランナー付き成形品のゲート部に外力を加えて、樹脂封止部からランナーを分離した際に、製品となる樹脂封止部側に、ゲート残りと呼ばれる不要な樹脂部分が残存する場合があった。このゲート残りが発生した場合、例えば切削や研磨等の方法でゲート残りを除去するための処理工程が必要となり、半導体装置等を製造する効率が低下するという問題があった。特に、リードフレームの端部が樹脂封止部からゲート部のある側に突出する構成であって、リードフレームの表面にゲート部が密着する構造の場合に、ゲート残りが多く発生することがあった。
【0004】
本発明は、上記問題点を改善するために成されたもので、その目的とする所は、成形金型装置から取り出したランナー付き成形品のゲート部に外力を加えて、樹脂封止部からランナーを分離する際に、製品となる樹脂封止部側にゲート残りが発生することを低減できるランナー分離装置を備えている樹脂封止成形装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明の樹脂封止成形装置は、リードフレームに配設した部品をトランスファー成形で樹脂封止する成形金型装置と、成形金型装置から取り出したランナー付き成形品をフレーム受け台で受けた後、フレーム受け台上のランナー付き成形品のゲート部に外力を加えて、ランナー付き成形品の樹脂封止部からランナーを分離するランナー分離装置を備える樹脂封止成形装置において、
前記フレーム受け台に、ランナー付き成形品の樹脂封止部を加熱するための加熱手段を配設していることを特徴とする樹脂封止成形装置である。
【0006】
請求項1に係る発明の樹脂封止成形装置では、ランナー分離装置のフレーム受け台にランナー付き成形品の樹脂封止部を加熱するための加熱手段を備えているので、樹脂封止部からランナーを分離した際に、ゲート残りなしにランナーを分離することができるようになり、樹脂封止部側にゲート残りが発生することを低減できる樹脂封止成形装置となる。
【0007】
請求項2に係る発明の樹脂封止成形装置は、ランナー分離装置が、打ち抜き手段を用いてランナー付き成形品のゲート部に外力を加えるランナー分離装置であることを特徴とする請求項1記載の樹脂封止成形装置である。
【0008】
請求項2に係る発明の樹脂封止成形装置のランナー分離装置は、成形金型装置から取り出したランナー付き成形品のゲート部に打ち抜き手段を用いて外力を加えて、樹脂封止部からランナーを分離するものであり、フレーム受け台に、ランナー付き成形品の樹脂封止部を加熱するための加熱手段を備えているので、製品となる樹脂封止部側にゲート残りが発生することを低減することができるようになる。
【0009】
請求項3に係る発明の樹脂封止成形装置は、ランナー分離装置が、フレーム受け台上で支持しているランナー付き成形品のゲート部に対応するフレーム受け台の表面位置を支点として、ランナーのある側と反対側のフレーム受け台の端部が持ち上がるように、フレーム受け台を回動させて、ランナー付き成形品のゲート部に外力を加えるランナー分離装置であることを特徴とする請求項1記載の樹脂封止成形装置である。
【0010】
請求項3に係る発明の樹脂封止成形装置のランナー分離装置は、成形金型装置から取り出したランナー付き成形品に対して、ランナーのある側と反対側のフレーム受け台の端部が持ち上がるように、フレーム受け台を回動させて、ランナー付き成形品のゲート部に外力を加えて、樹脂封止部からランナーを分離するものであり、フレーム受け台にランナー付き成形品の樹脂封止部を加熱するための加熱手段を備えているので、製品となる樹脂封止部側にゲート残りが発生することを低減することができるようになる。
【0011】
請求項4に係る発明の樹脂封止成形装置では、加熱手段の形状が丸棒状又は板状であるため、ランナー付き成形品の樹脂封止部が接するフレーム受け台の樹脂封止部支持面を均一に加熱することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の樹脂封止成形装置は、リードフレームに配設した半導体素子等の部品をトランスファー成形で樹脂封止する成形金型装置と、成形金型装置から取り出したランナー付き成形品をフレーム受け台で受けた後、フレーム受け台上のランナー付き成形品のゲート部に外力を加えて、ランナー付き成形品の樹脂封止部からランナーを分離するランナー分離装置とを備えている。
【0013】
まず、成形金型装置について説明する。図1、図2は成形金型装置の一実施形態を説明するための断面図である。なお、この成形金型装置は、特開平10−180792号公報で開示されているものとほぼ同様のものである。
【0014】
この成形金型装置Aの金型は、下型11と上型12とから形成され、上下型11、12間に樹脂封止部を形成するためのキャビティ2が複数個形成してある。下型11には円筒状のスリーブ11aが取着してあり、このスリーブ11a内には上面を開口するポット3を形成してある。このポット3と対向して上型12の下面にカル凹部13が凹設してある。下型11の上面にキャビティ2に連通される下ランナー部14が、上型12の下面にカル凹部13の周囲から延長した上ランナー部15がそれぞれ設けてあり、上下型11、12を型締めする際に、端部同士が重なって一連になる下ランナー部14と上ランナー部15によって樹脂流路10が形成されるようにしてある。この樹脂流路10によって、ポット3とキャビティ4が連通するようになっている。そして、樹脂流路10がキャビティ4に接続する部分には厚みが薄いゲート29が形成されている。
【0015】
また、上型12を挿通してエジェクターピン16が上下駆動自在に取り付けてある。エジェクターピン16はその下端を樹脂流路10の上ランナー部15に面するような位置に配設してあり、エジェクターピン16を前進(下動)させることによって上ランナー部15内にエジェクターピン16の先端部が突入し、上ランナー部15の一部を塞いで樹脂流路10を閉塞するようになっている。エジェクターピン16を後退(上動)させることによって、上ランナー部15内からエジェクターピン16の先端部を抜き樹脂流路10を開くようになっている。
【0016】
上下型11,12よりなる金型には複数のキャビティ2を設けると共に各キャビティ2を樹脂流路10を介してポット3に接続させることによって、多数個取りの成形が行えるようにしてある。この成形金型装置Aでは、ポット3を中央にして対向する位置に2本のリードフレームをセットし、それぞれのリードフレームに配設された部品を各キャビティ2内に収納し、トランスファー成形で樹脂封止するようにしている。従って、成形が終わった段階では、1対の成形品がランナーを介して接続されている状態のものが成形されることになる。ここでいう成形品とは樹脂封止部を複数形成した1本のリードフレームを1個の成形品と称しているので、2本のリードフレームをセットして成形した場合、2個の成形品が得られることになる。
【0017】
また、上記金型にはポット3を複数設けることでマルチポット構造にしてある。図1において、17は上型12を取り付ける上取付板、18は下型11を取り付ける下型取付板であり、夫々加熱手段であるヒータを通す孔19が設けてある。上型12を取り付けた上取付板17は上基台20で、下型11を取り付けた下型取付板18は下基台21で夫々支持するようにしてあり、上基台20と下基台21の少なくとも一方を駆動機構で上下駆動させるようになっている。図1において22は注入プランジャー7を駆動するための駆動シリンダ、23は各キャビティ2に設けたキャビティ用エジェクターピン、24はキャビティ用エジェクターピン23を作動させるエジェクタープレートである。また樹脂流路10に設けた上記のエジェクターピン16の後端はエジェクタープレート25に結合してあり、このエジェクタープレート25はエジェクターピン駆動装置26のロッド27の先端に取着してある。従って、エジェクターピン駆動装置26を作動させることによって、エジェクターピン16を前進後退駆動させることができる。図1で28はバネである。
【0018】
上記のように構成された成形金型装置Aを用いて成形を行うにあたっては、上下型11,12を開いた状態で部品を搭載したリードフレーム8(図示せず)をセットすると共に、計量して送られてきた定量の熱硬化性樹脂などの粉粒状の樹脂材料1をポット3内に供給し、図2(a)のように上下型11,12を型締めする。このように型締めしたとき、樹脂流路10はエジェクターピン16で閉じられている。また金型の上下型11,12は加熱手段で加熱されており、ポット3内に供給された樹脂材料1を加熱するようになっている。このようにポット3内に樹脂材料1を供給した後、注入プランジャー7を図2(b)のように前進させる。このとき、樹脂流路10はエジェクターピン16で閉じられており、ポット3内の樹脂材料1は樹脂流路10へと流れ出すことができないので、ポット3内の樹脂材料1は注入プランジャー7の前進に伴って加圧されて圧縮される。樹脂材料1をこのように圧縮することによって、粉粒状の樹脂材料1の粒子間の空気は追い出されることとなり、またポット3内の空気も追い出すことができる。
【0019】
上記のように樹脂材料1を圧縮した後、図2(c)のようにエジェクターピン16を後退(上動)させて樹脂流路10を開き、そして注入プランジャー7をさらに前進させる。この時点では、ポット3内の樹脂材料1は加熱と加圧によって完全な溶融状態となっており、上記のように樹脂流路10が開かれると、注入プランジャー7による加圧でポット3内の樹脂材料1が樹脂流路10に流入し、樹脂流路10を通って、ゲート29からキャビティ2内に注入される。そして注入プランジャー7の先端が上下型11、12のパーティングライン面から少し突出するまで注入プランジャー7を前進させることによって、図2(d)のようにキャビティ2への樹脂材料1の注入が完了するようにしてある。このようにキャビティ2に溶融した樹脂材料1を注入した後、キャビティ2内で樹脂材料1を硬化させる。硬化が完了した後、上下型11,12を型開きし、キャビティ用エジェクターピン23で上下型11,12間にある、ランナー付き成形品を突き出して金型から取り出すことができるようになっている。
【0020】
このようにして、図3に示すような、カル6及びランナー4付きの成形品5を成形することができる。図3に示すランナー4付き成形品5では、リードフレーム8の端部が、樹脂封止部40からゲート部9のある側に突出する構成であって、ゲート部9はリードフレーム8の下側に形成されている。ここでいうゲート部9とは、ゲート29の位置で形成される樹脂材料の硬化物を表している。
【0021】
以上、本発明の成形金型装置についての実施形態を説明したが、本発明における成形金型装置は、上記の成形金型装置Aに限定されるものではなく、リードフレームに配設した部品をトランスファー成形で樹脂封止して、ランナー付き成形品が得られる成形金型装置であればよく、各種の成形金型装置とすることができる。
【0022】
次に、ランナー分離装置について説明する。図3はランナー分離装置の第1実施形態を説明するための断面図である。図3に示すように、この第1実施形態は、従来技術の欄で説明した従来例のランナー分離装置と同様に、成形金型装置から取り出したランナー4付き成形品5をフレーム受け台31で受けて支持し、次いで支持したランナー4付き成形品5に対して、打ち抜き手段である打ち抜きプレート33をエアーシリンダー等を用いて駆動して、ゲート部9に外力を加えて樹脂封止部40からランナー4とカル6を分離するようにしている。そして、この実施形態のランナー分離装置では、フレーム受け台31上のランナー4付き成形品5の樹脂封止部40を加熱するための加熱手段34として、棒状のカートリッジヒーターを樹脂封止部支持面32の下部に配設している。この加熱手段34については、樹脂封止部支持面32を均一に加熱するものであればよく、例えば棒状のカートリッジヒーターの他に板状のバンドヒーター等とすることもできる。また、樹脂封止部支持面32の加熱状態を効率よく保持できるように、断熱板38をフレーム受け台31の中央に配置している。
【0023】
第1実施形態のランナー分離装置の使用方法について説明する。まず、加熱手段34であるカートリッジヒーターをONさせて、フレーム受け台31の樹脂封止部支持面32を加熱状態に保持する。加熱温度は、樹脂材料の種類等によって最適温度を決定すればよいが、一般的には120〜200℃、より好ましくは150〜180℃の温度に加熱・保持することが望ましい。そして、上述した成形金型装置Aで得られた、カル6及びランンナー4付きの成形品5を成形金型装置Aから取りだし、図3に示すように、ゲート部9が、リードフレーム8の下側に位置するようにして、フレーム受け台31の樹脂封止部支持面32で、ランナー4付き成形品5の樹脂封止部40を支持する。そして、エアーシリンダー等を用いて打ち抜き手段である打ち抜きプレート33を下降させて、ゲート部9に外力を加えて樹脂封止部40からランナー4を分離する。その際に、カル6もランナー4と共に樹脂封止部40から分離される。
【0024】
このように、フレーム受け台31の樹脂封止部支持面32を適温の加熱状態に保持していることで、ゲート部9で樹脂封止部40とランナー4を分離した際に、ゲート残りなしに分離することができるようになる。この理由は、樹脂封止部40を加熱することで、ゲート部9の部分も加熱されるため、外力がゲート部9に加った際に、最も厚みが薄い部分である、樹脂封止部40との境界位置で分離しやすくなるものと考えられる。
【0025】
次に、ランナー分離装置の第2実施形態について説明する。図4は第2実施形態のランナー分離装置にセットするランナー付き成形品の1例を示していて、(a)は平面図、(b)は側面図である。そして、図5はランナー分離装置の第2実施形態を説明するための概略断面図である。
【0026】
図4(a)、(b)に示す、この第2実施形態のランナー分離装置にセットするランナー4付き成形品5は、前述した成形金型装置Aを用いて製造される。この場合、カル6が複数個中央にあって、各カル6にランナー4を介して樹脂封止部40が接続している。そして、(b)の側面図で明かなようにランナー4と樹脂封止部40との境界部分はランナー4側から樹脂封止部40側に向けて次第に薄肉となるゲート部9が形成されている。この図4に示すランナー4付き成形品5を第2実施形態のランナー分離装置にセットした状態を、図5の概略断面図で説明する。この第2実施形態のランナー分離装置は、図5(a)に示すように、ランナー4付き成形品5のゲート部9が、リードフレーム8の上側に来るようにして、フレーム受け台31の樹脂封止部支持面32で樹脂封止部40を支持する。そして、カル6を保持具(図示せず)で保持することによりランナー4を略水平に保持した状態で、支持しているランナー4付き成形品5のゲート部9に対応するフレーム受け台31の表面位置を支点35として、ランナー4がある側と反対側のフレーム受け台31の端部36が持ち上がるように、エアーシリンダー等により駆動する回動用ロッド37を駆動させて、フレーム受け台31を回動させて、ランナー付き成形品5のゲート部9に外力を加えて、図5(b)に示すように、製品となる樹脂封止部40からランナー4をカル6と共に分離するようにしている。フレーム受け台31の端部36を持ち上げる角度については任意に設定でき、製品の種類等によって、最適な角度に設定できるようにしている。
【0027】
そして、この実施形態のランナー分離装置では、フレーム受け台31にランナー4付き成形品5の樹脂封止部40を加熱するための加熱手段34として、棒状のカートリッジヒーターを樹脂封止部支持面32の下部に配設している。この加熱手段34については、樹脂封止部支持面32を均一に加熱するものであればよく、例えば棒状のカートリッジヒーターの他に板状のバンドヒーター等とすることもできる。また、樹脂封止部支持面32の加熱状態を効率よく保持できるように、断熱板38をフレーム受け台31の中央に配置している。
【0028】
実際にこの第2実施形態のランナー分離装置を用いて、図4に示すランナー4付き成形品5についてのランナー分離作業を行い、樹脂封止部支持面32を160℃に加熱保持した場合と、非加熱とした場合についてゲ−ト残りを比較したところ、160℃に加熱保持した場合は40箇所のゲート中ゲート残りの発生は0箇所であり、非加熱とした場合は40箇所のゲート中ゲート残りの発生は20箇所であり、加熱保持した場合は、ゲート残りの発生が減少することを確認した。
【0029】
【発明の効果】
請求項1に係る発明の樹脂封止成形装置は、ランナー分離装置のフレーム受け台にランナー付き成形品の樹脂封止部を加熱するための加熱手段を備えているので、製品となる樹脂封止部側にゲート残りが発生することを低減することができるようになる。従って、請求項1に係る発明の樹脂封止成形装置は、ゲート残りが発生することを低減できる樹脂封止成形装置となる。
【0030】
請求項2に係る発明の樹脂封止成形装置のランナー分離装置は、成形金型装置から取り出したランナー付き成形品のゲート部に打ち抜き手段を用いて外力を加えて、樹脂封止部からランナーを分離するものであり、フレーム受け台に、ランナー付き成形品の樹脂封止部を加熱するための加熱手段を備えているので、製品となる樹脂封止部側にゲート残りが発生することを低減することができるようになる。従って、請求項2に係る発明の樹脂封止成形装置は、ゲート残りが発生することを低減できる樹脂封止成形装置となる。
【0031】
請求項3に係る発明の樹脂封止成形装置のランナー分離装置は、成形金型装置から取り出したランナー付き成形品に対して、ランナーのある側と反対側のフレーム受け台の端部が持ち上がるように、フレーム受け台を回動させて、ランナー付き成形品のゲート部に外力を加えて、樹脂封止部からランナーを分離するものであり、フレーム受け台にランナー付き成形品の樹脂封止部を加熱するための加熱手段を備えているので、製品となる樹脂封止部側にゲート残りが発生することを低減することができるようになる。従って、請求項3に係る発明の樹脂封止成形装置は、ゲート残りが発生することを低減できる樹脂封止成形装置となる。
【0032】
請求項4に係る発明の樹脂封止成形装置は、加熱手段の形状が丸棒状又は板状であるため、ランナー付き成形品の樹脂封止部が接するフレーム受け台の樹脂封止部支持面を均一に加熱することができるので、製品となる樹脂封止部側にゲート残りが発生することを低減することがより確実にできるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成形金型装置に関する一実施形態の構成を説明するための断面図である。
【図2】(a)、(b)、(c)、(d)は同上の成形金型装置で成形する状態を説明する断面図である。
【図3】本発明のランナー分離装置に関する第1実施形態を説明するための断面図である。
【図4】本発明のランナー分離装置に関する第2実施形態の装置にセットするランナー付き成形品を説明するための図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図5】本発明のランナー分離装置に関する第2実施形態を説明するための断面図であり、(a)はフレーム受け台を回動する前の状態、(b)はフレーム受け台を回動した後の状態を示している。
【図6】ランナー分離装置に関する従来例を説明するための断面図である。
【符号の説明】
A 成形金型装置
1 樹脂材料
2 キャビティ
3 ポット
4 ランナー
5 成形品
6 カル
7 注入プランジャー
8 リードフレーム
9 ゲート部
10 樹脂流路
11 下型
12 上型
13 カル凹部
14 下ランナー部
15 上ランナー部
16 エジェクターピン
17 上取付板
18 下取付板
19 孔
20 上基台
21 下基台
22 駆動シリンダ
23 キャビティ用エジェクターピン
24、25 エジェクタープレート
26 エジェクターピン駆動装置
27 ロッド
28 バネ
29 ゲート
30 チヤック部
31 フレーム受け台
32 樹脂封止部支持面
33 打ち抜きプレート
34 加熱手段
35 支点
36 端部
37 回動用ロッド
38 断熱板
40 樹脂封止部
Claims (4)
- リードフレームに配設した部品をトランスファー成形で樹脂封止する成形金型装置と、成形金型装置から取り出したランナー付き成形品をフレーム受け台で受けた後、フレーム受け台上のランナー付き成形品のゲート部に外力を加えて、ランナー付き成形品の樹脂封止部からランナーを分離するランナー分離装置を備える樹脂封止成形装置において、
前記フレーム受け台に、ランナー付き成形品の樹脂封止部を加熱するための加熱手段を配設していることを特徴とする樹脂封止成形装置。 - ランナー分離装置が、打ち抜き手段を用いてランナー付き成形品のゲート部に外力を加えるランナー分離装置であることを特徴とする請求項1記載の樹脂封止成形装置。
- ランナー分離装置が、フレーム受け台上で支持しているランナー付き成形品のゲート部に対応するフレーム受け台の表面位置を支点として、ランナーのある側と反対側のフレーム受け台の端部が持ち上がるように、フレーム受け台を回動させて、ランナー付き成形品のゲート部に外力を加えるランナー分離装置であることを特徴とする請求項1記載の樹脂封止成形装置。
- 前記加熱手段が丸棒状のヒーター又は板状のヒーターを用いたものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の樹脂封止成形装置。
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