JP3486447B2 - ホスフィニルカルボン酸の製造方法 - Google Patents

ホスフィニルカルボン酸の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維やプラスチック等
に難燃性、帯電防止性等の高機能性を付与する有機リン
化合物中間体として有用なホスフィニルカルボン酸の製
造方法に関するものである。とくに本発明は、このよう
なホスフィニルカルボン酸を無着色かつ高純度で製造す
る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、繊維やプラスチック等に難燃性、
帯電防止性等の高機能性を付与することが要求されてい
る。ホスフィニルカルボン酸誘導体は、それらの機能性
を付与するための有機リン化合物の中間体として有用な
化合物であり、特にポリエステルの合成において使用で
きる二官能の反応性難燃剤として有用である。このホス
フィニルカルボン酸誘導体は、ジクロロ(フェニル)ホ
スフィンとアクリル酸とを反応させて、次いで得られた
反応混合物を加水分解する反応によって製造することが
知られている。(Zhural Obsh. Khim. 37,455-460.1
967 、USP4,769,182、特開昭53−82757号公報)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、出発原
料である有機ジクロロホスフィンには、一般的に不純物
として黄リンを始め、リンの低級酸化物が微量に存在し
ており、特に工業的に製造されたものには、これらの不
純物が多く存在する。そして、この原料を使用しホスフ
ィニルカルボン酸を製造すると、得られる製品は黄リン
等の不純物が残存して着色し、著しく商品価値を低減す
る。また、反応終了後の反応容器内に付着する黄リン等
によって発火する危険がある。
【0004】本発明者らは、上記事実に鑑み、黄リンや
リンの低級酸化物等の不純物を含まない、高純度ホスフ
ィニルカルボン酸を得る製造方法を鋭意研究した結果、
工業的に入手できる有機ジクロロホスフィンを塩素化剤
で前処理をして、有機ジクロロホスフィン中に存在する
黄リンやリンの低級酸化物等の不純物を三塩化リンにし
た後、該有機ジクロロホスフィンを使用して次反応する
ことにより、リン分等が少なく、無着色で高純度のホス
フィニルカルボン酸を得られることを知見し、本発明を
完成した。従って、本発明の目的は、黄リン等の不純物
が殆ど残らない無着色性のホスフィニルカルボン酸の製
造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、一
般式(1)
【0006】
【化4】R1−PCl2
【0007】(式中、Rはアルキル基、またはフェニ
ル基、o−メチルフェニル基、m−メチルフェニル基、
p−メチルフェニル基、p−エチルフェニル基、p−プ
ロピルフェニル基、p−ブチルフェニル基、p−オクチ
ルフェニル基、p−ドデシルフェニル基およびp−オク
タデシルフェニル基からなる群より選択される置換また
は未置換のアリール基を表す)の有機ジクロロホスフィ
ンと一般式(2)
【0008】
【化5】
【0009】(式中、R2 は水素原子、メチル基を表
す)の(メタ)アクリル酸とを反応させてホスホニルカ
ルボニルクロライドとし、次いでこれを加水分解するこ
とによる一般式(3)
【0010】
【化6】
【0011】で表されるホスフィニルカルボン酸の製造
方法において、該有機ジクロロホスフィンを塩素化剤で
前処理を行うことを特徴とする、ホスフィニルカルボン
酸の製造方法を提供するものである。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。本願発明
の製造方法は、まず始めに第1段反応として、上記一般
式(1)の有機ジクロロホスフィンを塩素化剤により処
理した後、(メタ)アクリル酸と反応させ、次いで第2
段反応として加水分解反応を行うものである。第1段反
応の原料である一般式(1)で表される有機ジクロロホ
スフィンは、工業的に入手できるものであればいずれで
もよい。このジクロロホスフィンとしては、例えばジク
ロロ(フェニル)ホスフィン、ジクロロ(o−メチルフ
ェニル)ホスフィン、ジクロロ(m−メチルフェニル)
ホスフィン、ジクロロ(p−メチルフェニル)ホスフィ
ン、ジクロロ(p−エチルフェニル)ホスフィン、ジク
ロロ(p−プロピルフェニル)ホスフィン、ジクロロ
(p−ブチルフェニル)ホスフィン、ジクロロ(p−オ
クチルフェニル)ホスフィン、ジクロロ(p−ドデシル
フェニル)ホスフィン、ジクロロ(p−オクタデシルフ
ェニル)ホスフィン、ジクロロ(メチル)ホスフィン、
ジクロロ(エチル)ホスフィン、ジクロロ(プロピル)
ホスフィン、ジクロロ(ブチル)ホスフィン、ジクロロ
(オクチル)ホスフィン、ジクロロ(デシル)ホスフィ
ン、ジクロロ(オクタデシル)ホスフィンなどが挙げら
れる。塩素化剤としては、塩素、五塩化リン、塩化チオ
ニル、塩化スルフリル等が挙げられるが、塩素が好まし
い。また、他の原料である一般式(2)の化合物として
は、アクリル酸、メタアクリル酸が挙げられる。
【0013】本発明に係る製造方法の第1の特徴は、第
1段反応で使用する有機ジクロロホスフィン中に含まれ
る黄リンやリンの低級酸化物を塩素化剤で反応させ三塩
化リンに転換することである。初期の段階で黄リン等の
不純物を除去できるために、次の反応終了後において黄
リン等が反応容器内に付着して発火する等の危険がなく
なり、また製品中に黄リン等が残存することなく、高純
度有機ジクロロホスフィンを得ることができる。また、
転化した三塩化リンは、反応中の加水分解反応において
水と反応して亜リン酸になり、反応終了後製品と分離す
ることができる。
【0014】このような塩素化剤処理は、不活性雰囲気
下で有機ジクロロホスフィンに塩素等の塩素化剤を撹拌
下に添加すればよい。塩素化剤の添加量は、原料中であ
る有機ジクロロホスフィン中の黄リン等の不純物量によ
って変わるが、想定される不純物量に対して1〜2.0
倍モル当量、好ましくは1〜1.5倍モル当量添加すれ
ばよい。しかし、黄リン等の不純物量の反応当量よりも
過剰に添加すると逆に反応収率が低下するため、上記範
囲内で工業的な範囲で設定すればよい。また、塩素化剤
で有機ジクロロホスフィン中の黄リン等の不純物を十分
除去することができなかった場合は、第2反応である加
水分解反応時に過酸化水素等の酸化剤を添加しても除く
ことができる。その塩素化剤添加における温度は室温で
よく、添加後60〜150℃、好ましくは90〜130
℃で熟成反応をおこなう。その熟成時間は、通常0.5
時間以上あればよく、特に制限されるものではない。
【0015】本発明に係る第1反応は、不活性雰囲気下
で行われ、上記塩素化剤で処理された有機ジクロロホス
フィンの中に撹拌下に(メタ)アクリル酸を滴下する
が、必ずしもこれに限定する必要はない。有機ジクロロ
ホスフィン1モルに対する(メタ)アクリル酸のモル比
は1.0〜2.0モル、好ましくは1.0〜1.5モルであ
る。反応条件は、使用する原料によって異なるが、反応
は、通常温度10〜150℃、好ましくは50〜120
℃、時間0.5〜10時間、好ましくは2〜5時間であ
る。滴下反応終了後、熟成処理を温度60〜150℃、
好ましくは90〜130℃、時間0.5〜10時間、好
ましくは1〜5時間を行う。反応は、通常無溶媒で行わ
れるが、必要に応じて溶媒を使用してもよい。その溶媒
は、例えば、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等で
ある。
【0016】本発明に係る製造方法の第2の特徴は、第
1段反応で得られた反応生成物を次いで加水分解する第
2段反応において、加水分解工程において酸化剤を存在
させるか、または加水分解が終わった後に酸化剤処理を
施すことにある。このことにより、塩素化剤で除去しき
れなかった有機ジクロロホスフィン中に微量に存在する
不純物である黄リンおよびリンの低級酸化物が、酸化剤
の存在下で反応させることにより、亜燐酸、燐酸等の水
溶性のオキソリン酸に転換するので、これを容易に除去
することができる。
【0017】このような加水分解反応と酸化剤処理を行
うには、次の3つの態様が考えられる: 1.加水分解に使用する水に、第1段反応で得られた該
反応液を酸化剤の存在下に添加する; 2.加水分解に使用する水に第1反応で得られた該反応
液を添加後、酸化剤を添加して反応させる; 3.加水分解反応で得られた製品を再び溶解させ、酸化
剤を添加して反応させる; 等の方法であるが、1、2の方法が好ましく適用でき
る。
【0018】また、1の方法において酸化剤の添加の態
様は、さらに、 酸化剤一部を予め加水分解用の水に溶解させてお
き、残りを該反応液と同時に添加する; 該反応液と過剰量の酸化剤全量を同時に、加水分解
用の水に添加する; 過剰量の酸化剤を全量加水分解用の水に溶解させて
おき、該反応液を添加する; 等の態様が挙げられるが、またはの態様が好ましく
適用できる。また、第2段反応終了後応じて熟成処理を
行ってもよい。なお、有機ジクロロホスフィンと(メ
タ)アクリル酸との第1段反応において酸化剤を添加す
ることは、有機ジクロロホスフィンを一部酸化あるいは
加水分解して、収率を低下させるので避けるべきであ
る。
【0019】使用する酸化剤は、過酸化水素、過塩素
酸、次亜塩素酸ソーダ、硝酸、硫酸、塩素等が挙げられ
るが、好ましくは過酸化水素である。酸化剤の添加量
は、有機ジクロロホスフィン1モルに対して0.01〜
1.50モル、好ましくは0.05〜0.50モルであ
る。加水分解反応に使用する水は、第1反応で得られた
反応生成物1モルに対して2〜50倍モル、好ましくは
10〜30倍モルである。
【0020】第2段の加水分解反応は、前工程と同様に
不活性雰囲気下で行うのがよく、反応温度0〜100
℃、好ましくは40〜90℃、反応時間0.5〜24時
間、好ましくは2〜10時間である。加水分解反応終了
後、撹拌しながら冷却すると、結晶が析出してくる。析
出物を常法により濾過後、水で洗浄して乾燥後、本発明
の最終製品である一般式(3)のホスフィニルカルボン
酸を得る。
【0021】本発明の最終製品である一般式(3)のホ
スフィニルカルボン酸は、例えば、3−〔ヒドロキシ
(フェニル)ホスフィニル〕プロピオン酸、3−〔ヒド
ロキシ(p−メチルフェニル)ホスフィニル〕プロピオ
ン酸、3−〔ヒドロキシ(p−エチルフェニル)ホスフ
ィニル〕プロピオン酸、3−〔ヒドロキシ(p−プロピ
ルフェニル)ホスフィニル〕プロピオン酸、3−〔ヒド
ロキシ(p−ブチルフェニル)ホスフィニル〕プロピオ
ン酸、3−〔ヒドロキシ(p−オクチルフェニル)ホス
フィニル〕プロピオン酸、3−〔ヒドロキシ(p−ドデ
シルフェニル)ホスフィニル〕プロピオン酸、3−〔ヒ
ドロキシ(p−オクタデシルフェニル)ホスフィニル〕
プロピオン酸、3−〔ヒドロキシ(フェニル)ホスフィ
ニル〕−2−メチルプロピオン酸、3−〔ヒドロキシ
(p−メチルフェニル)ホスフィニル〕−2−メチルプ
ロピオン酸、3−〔ヒドロキシ(p−エチルフェニル)
ホスフィニル〕−2−メチルプロピオン酸、3−〔ヒド
ロキシ(p−プロピルフェニル)ホスフィニル〕−2−
メチルプロピオン酸、3−〔ヒドロキシ(p−ブチルフ
ェニル)ホスフィニル〕−2−メチルプロピオン酸、3
−〔ヒドロキシ(p−オクチルフェニル)ホスフィニ
ル〕−2−メチルプロピオン酸、3−〔ヒドロキシ(p
−ドデシルフェニル)ホスフィニル〕−2−メチルプロ
ピオン酸、3−〔ヒドロキシ(p−オクタデシルフェニ
ル)ホスフィニル〕−2−メチルプロピオン酸、3−
〔ヒドロキシ(m−メチルフェニル)ホスフィニル〕−
2−メチルプロピオン酸、3−〔ヒドロキシ(o−メチ
ルフェニル)ホスフィニル〕−2−メチルプロピオン
酸、3−〔ヒドロキシ(メチル)ホスフィニル〕メチル
プロピオン酸、3−〔ヒドロキシ(エチル)ホスフィニ
ル〕メチルプロピオン酸、3−〔ヒドロキシ(ブチル)
ホスフィニル〕メチルプロピオン酸、3−〔ヒドロキシ
(ドデシル)ホスフィニル〕メチルプロピオン酸、3−
〔ヒドロキシ(テトラデシル)ホスフィニル〕メチルプ
ロピオン酸、3−〔ヒドロキシ(オクタデシル)ホスフ
ィニル〕メチルプロピオン酸等が挙げられるが、これに
限定されるものではない。
【0022】
【作用】前記のとおり、有機ジクロロホスフィン中に含
まれる黄リン等の不純物を塩素化剤で処理した有機ジク
ロロホスフィンと(メタ)アクリル酸とを反応させてホ
スフィニルカルボニルクロライドを生成させ、次いで、
該生成物を加水分解してホスフィニルカルボン酸を得
る。この場合、有機ジクロロホスフィン中に含まれる黄
リン等の不純物は三塩化リンに変換して、次反応に影響
することなく、高純度、無着色のホスフィニルカルボン
酸を得ることができる。また、塩素化剤で除去しきれな
い場合は、上記反応の加水分解工程中にまたはその後に
酸化剤を存在させ反応させることにより有機ジクロロホ
スフィン中に随伴してくる黄リン等の低級リン化合物が
目的中間物生成物の反応性を何ら阻害することなく、酸
化されて、リン酸などのリンのオキソ酸に転換し、容易
に分離が可能となり、高純度、無着色のホスフィニルカ
ルボン酸を得ることができる。
【0023】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに具体的
に説明する。実施例 1 窒素置換された撹拌機付フラスコにジクロロ(フェニ
ル)ホスフィン89.5g(0.50モル)を仕込み、室
温で塩素1.25gを約20分で吹き込んだ。この時、
約10℃の温度上昇があった。次いで、該有機ジクロロ
ホスフィンを100℃に加温した後、4時間熟成反応を
おこなった。終了後、該液を80℃にしてアクリル酸3
9.7g(0.55モル)を撹拌下に約2時間で滴下反応
させた。滴下終了後、120℃で1時間熟成反応を行っ
た。熟成反応終了後、反応液を室温まで冷却する。予め
80℃に加温した水250mlに室温に冷却した該反応
液をを約2時間で滴下させた。滴下終了後、約30分
間、80℃で熟成反応を行った後、冷却した。反応液が
70〜75℃付近で白色の結晶が析出した。さらに10
℃まで冷却し、目的物を得た。得られた目的物を濾過し
た後、水で十分洗浄し、100℃で5時間乾燥を行った
結果、白色の結晶を95.4gを得た。収率はジクロロ
(フェニル)ホスフィン基準で89.1%であった。1
−NMR、マススペクトルで分析した結果、3−〔ヒド
ロキシ(フェニル)ホスフィニル〕プロピオン酸である
ことを確認した。純度は98.9%であった。
【0024】実施例 2 塩素化剤として五塩化リン2.5gを使用した他は、実
施例1と同様に行った結果、白色結晶95.6gを得
た。収率はジクロロ(フェニル)ホスフィン基準で8
9.3%であった。実施例1と同様に1H−NMR、マス
スペクトルで分析した結果、3−〔ヒドロキシ(フェニ
ル)ホスフィニル〕プロピオン酸であることを確認し
た。純度は99.0%であった。
【0025】実施例 3 窒素置換された撹拌機付フラスコにジクロロ(フェニ
ル)ホスフィン89.5g(0.50モル)を仕込み、室
温で塩素0.50gを約20分で吹き込んだ。この時約
10℃の温度上昇があった。次いで、この塩素を吹き込
んだジクロロ(フェニル)ホスフィンを100℃に加温
した後、4時間熟成反応を行った。反応終了後、アクリ
ル酸39.7g(0.55モル)の中に撹拌下に80℃に
加温されたジクロロ(フェニル)ホスフィン液を約2時
間で滴下し反応させた。滴下終了後、120℃で1時間
熟成反応を行った。熟成反応終了後、反応液を冷却し
た。この時の反応液中の黄リン含有量は800ppmで
あった。次いで、予め過酸化水素4.2gを加えた80
℃の水250mlに、該反応液と過酸化水素10.0g
を約2時間で滴下した。以下、実施例1と同様の操作を
行った結果、白色結晶95.2gを得た。収率はジクロ
ロ(フェニル)ホスフィン基準で88.9%であった。1
H−NMR、マススペクトルで分析した結果、3−[ヒ
ドロキシ(フェニル)ホスフィニル]プロピオン酸であ
ることを確認した。純度は99.1%であった。
【0026】比較例 1 塩素化剤を使用しない他は、実施例1と同様に行った結
果、加水分解反応後の反応容器の上部に黄色や橙色の昇
華性付着物と透明な液滴の黄リンが認められた。反応容
器内を空気にさらすと、黄リンが白炎を上げて燃焼し
た。また、最終製品として臭気のある淡黄色結晶95.
7gを得た。収率はジクロロ(フェニル)ホスフィン基
準で89.4%であった。実施例1と同様に1H−NM
R、マススペクトルで分析した結果、3−〔ヒドロキシ
(フェニル)ホスフィニル〕プロピオン酸であることを
確認した。純度は96.8%であった。
【0027】
【発明の効果】本発明に係る方法によれば、高純度、無
着色性のホスフィニルカルボン酸を工業的に有利に製造
することができる。この化合物は、有機リン化合物の工
業用中間体、反応性難燃剤などの極めて有用な原料とな
る。特にポリエステルの合成において使用できる二官能
の反応性難燃剤として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−194562(JP,A) 特開 昭53−82757(JP,A) 米国特許4769182(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07F 9/30

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】R1−PCl (式中、Rはアルキル基、またはフェニル基、o−メ
    チルフェニル基、m−メチルフェニル基、p−メチルフ
    ェニル基、p−エチルフェニル基、p−プロピルフェニ
    ル基、p−ブチルフェニル基、p−オクチルフェニル
    基、p−ドデシルフェニル基およびp−オクタデシルフ
    ェニル基からなる群より選択される置換または未置換の
    アリール基を表す)の有機ジクロロホスフィンと一般式
    (2) 【化2】 (式中、Rは水素原子、メチル基を表す)の(メタ)
    アクリル酸とを反応させてホスホニルカルボニルクロラ
    イドとし、次いでこれを加水分解することによる一般式
    (3) 【化3】 で表されるホスフィニルカルボン酸の製造構造におい
    て、該有機ジクロロホスフィンを塩素化剤で前処理を行
    うことを特徴とする、ホスフィニルカルボン酸の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 加水分解を酸化剤の存在下で行うか、あ
    るいは該加水分解後に酸化処理を行う請求項1記載のホ
    スフィニルカルボン酸の製造方法。
  3. 【請求項3】 ホスフィニルカルボン酸が3−(ヒドロ
    キシフェニルホスフィニル)プロパン酸である、請求項
    1または2記載のホスフィニルカルボン酸の製造方法。
  4. 【請求項4】 塩素化剤が塩素である請求項1ないし3
    のいずれか1項に記載のホスフィニルカルボン酸の製造
    方法。
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