JP3485889B2 - ブラシレスモータ - Google Patents

ブラシレスモータ

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JP3485889B2
JP3485889B2 JP2000400218A JP2000400218A JP3485889B2 JP 3485889 B2 JP3485889 B2 JP 3485889B2 JP 2000400218 A JP2000400218 A JP 2000400218A JP 2000400218 A JP2000400218 A JP 2000400218A JP 3485889 B2 JP3485889 B2 JP 3485889B2
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幹紹 鈴木
義人 西川
尊典 小澤
満彦 松下
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブラシレスモータ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図9は、従来のブラシレスモータの概略
構成を示す。このブラシレスモータ51は、内側に配置
されたロータ52と、外側に配置されステータ53とか
ら構成されている。ロータ52は、等間隔に多極着磁さ
れたマグネットを備えている。ステータ53は、ロータ
52を回転させるための回転磁界を発生するコイル61
U,61V,61Wを備えている。
【0003】ステータ53は、アウタ積層板55を1枚
ずつ積層した外コア56と、インナ積層板57を一枚ず
つ積層した内コア58とから構成されている。内コア5
8は放射状に配置したティース59a〜59iの基端部
を肉薄のブリッジ60にて連結したものであって、各テ
ィース59a〜59iの積層部分にはコイル61U,6
1V,61Wが巻回されている。
【0004】ここで、マグネットの極数を「P」とし、
ティースの数を「T」とした場合、P=8n、かつ、T
=9n(但し、nは1以上の整数)を満たすようにブラ
シレスモータを構成するのが望ましい。この理由として
は、特公平8−8764号公報の表2にも開示されてい
るが、コギングトルクの脈動数が比較的大きくなること
が解っているからである。つまり、コギングトルクの大
きさはその脈動数に反比例するので、コギングトルクが
小さい、いわゆる低振動のモータを構成することができ
る。従って、n=1とし、マグネットの極数Pが
「8」、ティースの数Tが「9」となるようにブラシレ
スモータ51を構成して、該ブラシレスモータ51の振
動の低減が図られている。
【0005】ところで、図9に示すように、ティース5
9a〜59iが同一円周上において等間隔に配置されて
いると、第2ティース59bの中心線上にマグネットの
N極の中心が配置されたとき、第1,第3ティース59
a,59cの中心線上からマグネットのS極の中心がず
れてしまう。これを図10に示すように、第1〜第3テ
ィース59a〜59cに巻着された第1〜第3U相コイ
ルの誘起電圧1〜V3に対応させてみると、第2U相誘
起電圧V2の位相のずれが0°(位相がずれていない)
に対して、第1U相誘起電圧V1の位相が20°進み、
第3U相誘起電圧V3の位相が20°遅れることにな
る。
【0006】このとき、第1〜第3U相誘起電圧V1〜
V3のプラス側のピーク値を「1」とした場合、各U相
誘起電圧V1〜V3を合成したU相コイル61U全体の
合成誘起電圧V0は、そのプラス側のピーク値が最大値
「3」に比べてやや低い約「2.879」となる。又、
このようなことは、V相,W相コイル61V,61Wに
ついても同様のことが言える。従って、上記構成のモー
タ51では、各コイル61U,61V,61Wに供給さ
れる駆動電流を回転磁界に変換するときに、その変換ロ
スが比較的大きいという問題があった。このことが、モ
ータ51の高出力化及び小型化の妨げとなっていた。
【0007】このような不具合を解消するために、図1
1に示すように、ティース59a〜59iを同一円周上
において不等間隔に配置することにより、各相毎のティ
ース59a〜59iの中心線と、ロータ52のマグネッ
ト各極の中心線の位置ずれを小さくすることが考えられ
る。言い換えると、各相におけるコイル61U,61
V,61Wの合成誘起電圧が最大値に近づく。その結
果、駆動電流を回転磁界に変換するときの変換ロスが小
さくなりモータ体格を大きくすることなく高出力にする
ことが可能となる。
【0008】又、上述したステータ53によれば、ティ
ース59a〜59iにコイル61U,61V,61Wを
直接巻付けた後、或いは予めボビンに巻付けて形成した
コイル61U,61V,61Wをティース59a〜59
iに嵌め込んだ後、ティース59a〜59iの先端部に
形成された係合部(アリ)63を外コア56に形成され
た係合凹部(アリ溝)64に嵌合することでステータ5
3を完成させている。
【0009】しかしながら、アウタ積層板55の内側に
はインナ積層板挿入用の大きな孔が存在する。一方、イ
ンナ積層板57には、コイル挿入用の大きな孔と、ティ
ース59a〜59iの相互間にティース数分の溝部分が
存在する。そのため、アウタ積層板55及びインナ積層
板57は一般に板材を打ち抜くことにより最終形状に成
形されることから、多量のスクラップが発生し、材料費
の負担が大きいという問題があった。
【0010】そこで、更にこの不具合を解決するため
に、図12に示すように、板材を帯状に打抜いて形成し
た積層リボン70を一方向へ送りながら、適宜の治工具
を用いてその積層リボン70をスパイラル状にロール巻
きし、その積層リボン70に形成したティース59a〜
59iを放射状に展開させて内コア58を製造してい
る。又、外コア56についても同様に、係合凹部64を
備えた図示しない積層リボンを一方向へ送りながらロー
ル巻きすることにより、外コア56を製造している。こ
の製造方法を採用すれば、前記インナ積層板57挿入用
の孔やコイル挿入用の孔が不要となるため、打抜きによ
り発生するスクラップ量は少なくなり、材料費が低減す
るようになる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ブラシレスモータ51においては、各ティース59a〜
59iの先端部と、その先端部に設けられた係合部63
及び係合凹部64とは、中心角が同じとなる位置に配置
されている。つまり、係合部63及び係合凹部64は、
各ティース59a〜59iと同様に同一円周上に不等間
隔に配置されている。そのため、ティース59a〜59
iの間隔が広い箇所に対応する部分と、狭い箇所に対応
する部分とでは、外コア56の湾曲率が異なり、係合部
63及び係合凹部64の嵌合強度に差違が生じる。この
結果、外コア56を真円形状にするのが困難である。つ
まり、外コア56を精度よく製造することができなくな
るという問題がある。
【0012】又、係合部63及び係合凹部64が同一円
周上に不等間隔に配置されると、磁気のバランスが崩れ
る。この結果、ブラシレスモータ51のコギングトルク
が大きくなる問題もある。
【0013】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、外コアを高精度に製造することが
でき、かつ磁気バランスを良好にすることでコギングト
ルクを低くすることができるブラシレスモータを提供す
ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明では、円周方向に沿って等
間隔に多極着磁されたマグネットを有するロータと、前
記ロータの極数とは異なる数である複数のティースが円
周方向に不等間隔に配置され、各ティースに前記ロータ
を回転させるための回転磁界を発生するコイルを有する
ステータとを含んで構成されるブラシレスモータであっ
て、前記ステータは、外コア用積層板をスパイラル状に
巻回した環状の外コアと、前記外コアよりも内側に配置
され、前記ティースの基端がブリッジを介して相互に連
結された内コア用積層板をスパイラル状に巻回した環状
の内コアとから構成され、前記外コアの内周及び前記テ
ィースの先端のうちいずれか一方に係合部が設けられる
とともに、他方に前記係合部が係合される被係合部が設
けられ、前記係合部及び被係合部は円周方向に沿って等
間隔に配置されていることを要旨とする。
【0015】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載のブラシレスモータにおいて、前記外コア用積層板と
内コア用積層板との巻回数は共に同じに設定され、かつ
前記係合部と被係合部との総数も共に同じに設定されて
いることを要旨とする。
【0016】請求項3に記載の発明では、請求項1又は
2に記載のブラシレスモータにおいて、前記外コア用積
層板と内コア用積層板とは共に同方向に巻回されている
ことを要旨とする。
【0017】請求項4に記載の発明では、請求項1又は
2に記載のブラシレスモータにおいて、前記外コア用積
層板と内コア用積層板とは互いに異なる方向に巻回され
ていることを要旨とする。以下、本発明の「作用」につ
いて説明する。
【0018】請求項1に記載の発明によれば、ティース
は円周方向に沿って不等間隔に配置されているため、各
相毎のティースの中心線とマグネット各極の中心線との
位置ずれが小さくなる。つまり、各相のコイルの合成誘
起電圧が最大値に近づく。その結果、駆動電流を回転磁
界に変換するときの変換ロスが小さくなる。従って、モ
ータ体格を大きくすることなく高出力となる。しかも、
係合部及び被係合部が等間隔に配置されているので、内
コアから外コアへ流れる磁気のバランスがよくなり、コ
ギングトルクが小さくなる。更に、外コア及び内コア
は、共に板材をスパイラル状に巻回することで積層した
ものである。そのため、材料の無駄をなくし、しかも板
材を真円状態に近い状態で巻回することが可能である。
【0019】請求項2に記載の発明によれば、外コア用
積層板と内コア用積層板との巻回数は共に同じに設定さ
れる。しかも、係合部と被係合部との総数も共に同じに
設定されている。そのため、磁気バランスを均一にする
ことができる。この結果、コギングトルクをいっそう小
さくすることができる。
【0020】請求項3に記載の発明によれば、外コア用
積層板と内コア用積層板との傾斜方向が同じであるた
め、係合部と被係合部との嵌合部分における磁気通過量
が減少しにくい。従って、モータ全体の磁気通過量が減
少しにくくなるので、モータ出力の低下を防ぐことが可
能になる。
【0021】請求項4に記載の発明によれば、外コア用
積層板と内コア用積層板との傾斜方向が異なるため、係
合部と被係合部とがお互い強固に嵌合される。従って、
両積層板がばらけにくくなるので、内コアと外コアとを
強固に固着することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態を、図面に基づき詳細に説明する。図1は、本実施
形態のブラシレスモータの概略構成を示す。ブラシレス
モータ11はロータ6を備えており、そのロータ6は、
ブラシレスモータ11のハウジングに回転可能に支持さ
れたシャフト7と、そのシャフト7の外周面に設けられ
たマグネット8とから構成されている。マグネット8
は、極数Pが「8」であって、中心角が45°で等間隔
にN,S極が着磁されている。
【0023】ロータ6の外側にはステータ12が設けら
れている。このステータ12は、外コア13、内コア1
4、及び、U相、V相、W相コイル15U,15V,1
5Wで構成される。内コア14は、放射状に延びる第1
〜第9ティース14a〜14iと、それらを互いに連結
するブリッジ20とから構成されている。又、第2,第
5,第8ティース14b,14e,14hは、中心角θ
1が120°で等間隔に配置される。更に、第1,第3
ティース14a,14cは、第2ティース14bを中心
として、両側にそれぞれ中心角θ2が42.5°となる
ように配置される。第4,第6ティース14d,14f
は、第5ティース14eを中心として、両側にそれぞれ
中心角θ2が42.5°となるように配置される。第
7,第9ティース14g,14iは、第8ティース14
hを中心として、両側にそれぞれ中心角θ2が42.5
°となるように配置される。
【0024】即ち、図1において第2ティース14bの
中心線上にマグネット8のN極の中心が配置されたと
き、第1,第3ティース14a,14cの中心線上にマ
グネット8のS極の中心が配置されることになる。これ
は、U相コイル15Uに限らず、V相,W相コイル15
V,15Wも同様になる。
【0025】第1〜第3ティース14a〜14cには、
それぞれ巻線が集中巻きされて、前記U相コイル15U
を構成する第1〜第3U相コイル15u1〜15u3が構成
される。第4〜第6ティース14d〜14fには、それ
ぞれ巻線が集中巻きされて、前記V相コイル15Vを構
成する第1〜第3V相コイル15v1〜15v3が構成され
る。第7〜第9ティース14g〜14iには、それぞれ
巻線が集中巻きされて、前記W相コイル15Wを構成す
る第1〜第3W相コイル15w1〜15w3が構成される。
なお、第1,第3,第4,第6,第7,第9ティース1
4a,14c,14d,14f,14g,14iは巻線
が同方向に巻回され、残りの第2,第5,第8ティース
14b,14e,14hは前記方向とは逆の方向に巻線
が巻回される。なお、各相のコイル15U,15V,1
5Wは、それぞれ同じ断面積の巻線を使用し、かつ同じ
巻き数で構成される。
【0026】そして、このように各ティース14a〜1
4iに巻線が巻着された後に、内コア14、即ち各ティ
ース14a〜14iの先端が外コア13に組み付けられ
て前記ステータ12が構成される。このように構成され
たステータ12は、前記ブラシレスモータ11の図示し
ないハウジングに固定される。
【0027】このように構成されたブラシレスモータ1
1では、図示しない励磁回路からそれぞれ120°位相
がずれたU相,V相,W相励磁電流が各相のコイル15
U,15V,15Wに対して供給される。すると、各相
のコイル15U,15V,15Wがそれぞれ励磁されて
ステータ12に回転磁界が発生し、その回転磁界に基づ
いてロータ6は回転する。
【0028】又、この形態では、図1において第2ティ
ース14bの中心線上にマグネット8のN極の中心が配
置されたとき、第1,第3ティース14a,14cの中
心線上とマグネット8のS極の中心が一致する。これ
を、第1〜第3ティース14a〜14cに巻着された第
1〜第3U相コイル15u1〜15u3の誘起電圧V1〜V
3に対応させてみると、各誘起電圧V1〜V3の位相の
ずれが解消される。
【0029】つまり、図2に示すように、各誘起電圧V
1〜V3のプラス側のピーク値を「1」とした場合、各
誘起電圧V1〜V3を合成したU相コイル15U全体の
合成誘起電圧V0は、そのプラス側のピーク値が最大値
「3」となる。従って、この形態のモータ11では、各
相のコイル15U〜15Wに供給される駆動電流を回転
磁界に変換するときの変換ロスが小さく抑えられる。
【0030】次に、本実施形態の要部について説明す
る。図1に示すように、前記内コア14における各ティ
ース14a〜14iの先端面には、係合部としての係合
突部(アリ)21a〜21iが形成されている。つま
り、係合突部21a〜21iは、ティース14a〜14
iと同じ数である9個設けられている。そして、各係合
突部21a〜21iは、中心角θ3が40°(360゜
/9)で同一円周上に等間隔に配置されている。従っ
て、各ティース14a〜14iは同一円周上に等間隔に
配置されていないことから、各ティース14a〜14i
の中心線と、それらに対応する各係合突部21a〜21
iの中心線とは全て一致しない。ここでは、第2ティー
ス14bの中心線上に係合突部21bの中心が配置され
たとき、第5,第8ティース14e,14hの中心線上
と係合突部21e,21hの中心線のみが一致してお
り、それ以外は一致していない。
【0031】図5に示すように、内コア14は、その外
側に各ティース14a〜14iが展開されるように、内
コア用積層板としての内コア用積層リボン24をスパイ
ラル状に巻回して積層したものである。そして、積層さ
れた内コア用積層リボン24が内コア14の中心軸線方
向に沿って溶接されることにより、内コア用積層リボン
24をばらつかせないようにしている。
【0032】内コア用積層リボン24は、プレス装置で
板材23を櫛歯状に打抜いたものである。その打ち抜き
に際し、図3に示すように、2つの内コア用積層リボン
24のティース14a〜14iが互いに向き合うように
して、内コア用積層リボン24は打ち抜かれる。つま
り、一方の内コア用積層リボン24における各ティース
14a〜14iの間に、他方の内コア用積層リボン24
におけるティース14a〜14iが互い違いに入り込む
ように、内コア用積層リボン24は打ち抜かれる。ちな
みに、内コア用積層リボン24は、中心角θ2(=4
2.5゜)に対応するティースの間隔L1が、中心角θ
2に対応しないティースの間隔L2よりも長く設定され
ている。
【0033】図1に示すように、前記外コア13の内周
面には前記各係合突部21a〜21iが嵌合される係合
凹部(アリ溝)27a〜27iが形成されている。係合
突部21a〜21iは、係合突部21a〜21iと同じ
数である9個設けられている。そして、各係合凹部27
a〜27iは、中心角θ4が45°(360゜/9)で
同一円周上に等間隔に配置されている。従って、各係合
凹部27a〜27iは、係合突部21a〜21iと同位
置に配置されていることから、各係合凹部27a〜27
iの中心線と係合凹部27a〜27iの中心線とは一致
する。別の言い方をすれば、係合凹部27a〜27i
は、各ティース14a〜14iの中心線と、それらに対
応する各係合突部21a〜21iの中心線とは全て一致
しない。ここでは、第2ティース14bの中心線上に係
合凹部27bの中心が配置されたとき、第5,第8ティ
ース14e,14hの中心線上と係合凹部27e,27
hの中心線のみが一致しており、それ以外は一致してい
ない。
【0034】図6に示すように、外コア13は、その内
側に各係合凹部27a〜27iが位置するように、外コ
ア積層板としての外コア用積層リボン28をスパイラル
状に巻回して積層したものである。そして、積層された
外コア用積層リボン28が外コア13の中心軸線方向に
沿って溶接されることにより、外コア用積層リボン28
をばらつかせないようにしている。
【0035】外コア用積層リボン28は、プレス装置で
板材23を凹凸状に打ち抜いたものである。その打ち抜
きに際し、図4に示すように、2つの外コア用積層リボ
ン28の係合凹部27a〜27iが互いに反対を向くよ
うにして、外コア用積層リボン28は打ち抜かれる。
【0036】外コア用積層リボン28は、前記内コア用
積層リボン24と同じ方向に巻回されている。しかも、
外コア用積層リボン28の傾斜角度は、前記内コア用積
層リボン24の傾斜角度と同じとなっている。従って、
外コア用積層リボン28と内コア用積層リボン24と
は、お互い平行な関係を保ってスパイラル状に巻回され
ている。
【0037】又、外コア用積層リボン28及び前記内コ
ア用積層リボン24を巻回した回数(積層数)は、同数
に設定されている。しかも、1つの外コア13に設けら
れた係合凹部27a〜27iは、1つの内コア14に設
けられた係合突部21a〜21iと同数に設定されてい
る。
【0038】次に、ブラシレスモータ11の製造方法に
ついて説明する。図5に示すように、板材23を打ち抜
き加工により成形した内コア用積層リボン24を一方向
へ送り、ティース14a〜14iを放射状に展開させる
ようにロール巻きする。そして、各ティース14a〜1
4iの間にあるブリッジ20を湾曲させ、内コア用積層
リボン24をスパイラル状に積層する。所定数積層した
ら、内コア用積層リボン24を切断する。次いで、内コ
ア用積層リボン24の積層体の中心軸線方向に沿って内
コア用積層リボン24の外周面を溶接し、内コア14を
完成させる。
【0039】図6に示すように、板材23を打ち抜き加
工により成形した外コア用積層リボン28を一方向へ送
り、係合凹部27a〜27iを内側に位置させながらロ
ール巻きする。そして、係合凹部27a〜27iの両端
部を折曲させ、外コア用積層リボン28をスパイラル状
に積層する。所定数積層したら、外コア用積層リボン2
8を切断する。次いで、積層された外コア用積層リボン
28の積層体の中心軸線方向に沿って外コア用積層リボ
ン28の外周面を溶接し、外コア13を完成させる。
【0040】その後、外コア13にある係合凹部27a
〜27iに、内コア14にある係合突部21a〜21i
を嵌合し、両コア13,14を組み付ける。ここで、テ
ィース14a〜14iの位置に関係なく、係合突部21
a〜21i及び係合凹部27a〜27iは、同一円周上
に等間隔に配置されているため、ステータ12の形状は
より真円に近いものとなる。最後に、両コア13,14
の切断された部分の端末処理をしてステータ12を完成
させる。
【0041】従って、本実施形態によれば以下に示す効
果を得ることができる。 (1) ステータ12は、外コア用積層リボン28をス
パイラル状に巻回した外コア13と、内コア用積層リボ
ン24をスパイラル状に巻回した内コア14とから構成
されている。外コア13の内周面に形成された係合凹部
27a〜27iには、内コア14における各ティース1
4a〜14iの先端面に形成された係合突部21a〜2
1iが嵌合されている。そして、これら各係合突部21
a〜21iと、各係合凹部27a〜27iは、同一円周
上に等間隔に配置されている。そのため、両コア13,
14を組み付けた状態では、ティース14a〜14iの
間隔が広い箇所に対応する部分にあるブリッジ20と、
狭い箇所に対応する部分にあるブリッジ20との湾曲率
を同じにすることができる。つまり、外コア13の形状
をほぼ真円に近づけることができる。従って、外コア1
3を精度よく製造することができる。
【0042】(2)各係合突部21a〜21i及び各係
合凹部27a〜27iは等間隔に配置されているため、
両者を嵌合したときの嵌合強度に差違が生じることもな
い。要するに、各係合突部21a〜21iに無理な力が
かからないので、内コア用積層リボン24を必要以上に
厚くすることもない。そのため、外コア13をスパイラ
ル状に容易に成形することができる。
【0043】(3)各係合突部21a〜21i及び各係
合凹部27a〜27iは等間隔に配置されているため、
磁気のバランスが安定する。従って、コギングトルクを
抑えることができるので、低振動のブラシレスモータ1
1を実現することができる。
【0044】(4)内コア用積層リボン24と外コア用
積層リボン28との巻回数、別の言い方をすれば外コア
13と内コア14との積層数は共に同じである。更に、
係合突部21a〜21iと係合凹部27a〜27iとの
総数も共に同じである。このため、磁気バランスを均一
にすることができ、コギングトルクをいっそう小さくす
ることができる。
【0045】(5)内コア用積層リボン24と外コア用
積層リボン28とは共に同方向に巻回されている。その
ため、内コア用積層リボン24と外コア用積層リボン2
8との傾斜方向が同じになる。特に、本実施形態では、
係合突部21a〜21iと係合凹部27a〜27iとの
嵌合部分において、両リボン24,28の傾斜方向が同
じになっている。従って、その嵌合部分における磁気通
過量が減少しにくくなる。この結果、ブラシレスモータ
11全体の磁気通過量が減少しにくくなるので、モータ
出力の低下を防ぐことが可能になる。
【0046】(第2実施形態)次に、この発明の第2実
施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明
する。
【0047】さて、この第2実施形態では、図7に示す
ように、外コア13における外コア用積層リボン28を
スパイラル状に巻回する方向が、前記実施形態に示す外
コア用積層リボン28とは逆になっている。要するに、
内コア用積層リボン24と外コア用積層リボン28との
巻回方向が異ならせてある。そのため、内コア用積層リ
ボン24の傾斜面と、外コア用積層リボン28の傾斜面
とを投影して見ると交差することとなる。そのため、係
合突部21a〜21iと係合凹部27a〜27iとの嵌
合を強固なものにできる。従って、両積層リボン24,
28がばらけにくくなるので、外コア13と内コア14
とを強く固着することができる。
【0048】(第3実施形態)図8に示すように、ティ
ース14a〜14iは同一円周上に等間隔に配置されて
いる。つまり、各ティース14a〜14iは、その中心
角θ3が40°(360゜/9)である。この中心角θ
3は、係合突部21a〜21iの中心角θ3、係合凹部
27a〜27iの中心角θ4と同じである。従って、各
ティース14a〜14i、各係合突部21a〜21i及
び各係合凹部27a〜27iの中心線は全て一致するこ
ととなる。従って、本実施形態では、外コア13の形状
をいっそう真円に近づけることができる。
【0049】(第4実施形態)本実施形態では、前記第
2実施形態の図7で既に説明したように内コア用積層リ
ボン24と外コア用積層リボン28との巻回方向が異な
らせてある。又、前記第3実施形態の図8で説明したよ
うに、ティース14a〜14iは同一円周上に等間隔に
配置されている。従って、本実施形態では、第2実施形
態と第3実施形態とほぼ同等の効果を奏する。
【0050】なお、本発明の実施形態は以下のように変
更してもよい。 ・前記実施形態では、外コア13の内周面に係合凹部2
7a〜27iが形成され、内コア14における各ティー
ス14a〜14iの先端面に係合突部21a〜21iが
形成されている。この関係を逆にして、外コア13の内
周面に係合突部21a〜21iを形成し、各ティース1
4a〜14iの先端面に係合凹部27a〜27iを係止
し、それらを嵌合することで両コア13,14を組み付
けてもよい。
【0051】・上記実施形態では、ステータ12の内コ
ア14の内側にロータ6を配設する、いわゆるインナロ
ータ型のブラシレスモータ11に実施したが、ステータ
を覆うようにロータを配設する、いわゆるアウタロータ
型のブラシレスモータに実施してもよい。
【0052】次に、特許請求の範囲に記載された技術的
思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技
術的思想を以下に示す。 (1) 円周方向に沿って等間隔に多極着磁されたマグ
ネットを有するロータと、前記ロータの極数とは異なる
数である複数のティースが円周方向に等間隔に配置さ
れ、各ティースに前記ロータを回転させるための回転磁
界を発生するコイルを有するステータとを含んで構成さ
れるブラシレスモータであって、前記ステータは、外コ
ア用積層板をスパイラル状に巻回した環状の外コアと、
前記外コアよりも内側に配置され、前記ティースの基端
がブリッジを介して相互に連結された内コア用積層板を
スパイラル状に巻回した環状の内コアとから構成され、
前記外コア用積層板と内コア用積層板とは共に同方向に
巻回されているブラシレスモータ。
【0053】(2) 円周方向に沿って等間隔に多極着
磁されたマグネットを有するロータと、前記ロータの極
数とは異なる数である複数のティースが円周方向に等間
隔に配置され、各ティースに前記ロータを回転させるた
めの回転磁界を発生するコイルを有するステータとを含
んで構成されるブラシレスモータであって、前記ステー
タは、外コア用積層板をスパイラル状に巻回した環状の
外コアと、前記外コアよりも内側に配置され、前記ティ
ースの基端がブリッジを介して相互に連結された内コア
用積層板をスパイラル状に巻回した環状の内コアとから
構成され、前記外コア用積層板と内コア用積層板とは互
いに異なる方向に巻回されているブラシレスモータ。
【0054】(3) 円周方向に沿って等間隔に多極着
磁されたマグネットを有するロータと、前記ロータの極
数とは異なる数である複数のティースが円周方向に等間
隔に配置され、各ティースに前記ロータを回転させるた
めの回転磁界を発生するコイルを有するステータとを含
んで構成されるブラシレスモータであって、前記ステー
タは、外コア用積層板を積層した外コアと、前記外コア
よりも内側に配置され、内コア用積層板を積層した内コ
アとから構成され、前記外コアの内周及び前記ティース
の先端のうちいずれか一方に係合部が設けられるととも
に、他方に前記係合部が係合される被係合部が設けら
れ、前記係合部及び被係合部は同一円周上に等間隔に配
置されているブラシレスモータ。
【0055】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
外コアを高精度に製造することができ、かつ磁気バラン
スを良好にすることができるので、コギングトルクを低
くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のブラシレスモータの概略構成
図。
【図2】U相コイルの合成誘起電圧を説明するための
図。
【図3】板材を打ち抜いて得られる内コア用積層リボン
を示す図。
【図4】板材を打ち抜いて得られる外コア用積層リボン
を示す図。
【図5】内コア用積層リボンの斜視図。
【図6】外コア用積層リボンの斜視図。
【図7】第2実施形態の外コアと内コアの分解斜視図。
【図8】第3実施形態のブラシレスモータの概略構成
図。
【図9】従来のブラシレスモータの概略構成図。
【図10】従来のU相コイルの誘起電圧を説明するため
の図。
【図11】図9とは異なる従来のブラシレスモータの概
略構成図。
【図12】従来の内コアの製造過程を示す説明図。
【符号の説明】
6…ロータ、11…ブラシレスモータ、12…ステー
タ、13…外コア、14…内コア、14a〜14i…テ
ィース、15U,15V,15W…コイル、20…ブリ
ッジ、24…内コア用積層リボン(内コア用積層板)、
28…外コア用積層リボン(内コア用積層板)、21a
〜21i…係合突部(係合部)、27a〜27i…係合
凹部(被係合部)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松下 満彦 静岡県湖西市梅田390番地 アスモ 株 式会社 内 (56)参考文献 特開2000−152581(JP,A) 特開 昭51−76502(JP,A) 実開 昭49−129002(JP,U) 特公 昭37−5305(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 1/18 H02K 1/14 H02K 29/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円周方向に沿って等間隔に多極着磁され
    たマグネットを有するロータと、 前記ロータの極数とは異なる数である複数のティースが
    円周方向に不等間隔に配置され、各ティースに前記ロー
    タを回転させるための回転磁界を発生するコイルを有す
    るステータとを含んで構成されるブラシレスモータであ
    って、 前記ステータは、外コア用積層板をスパイラル状に巻回
    した環状の外コアと、前記外コアよりも内側に配置さ
    れ、前記ティースの基端がブリッジを介して相互に連結
    された内コア用積層板をスパイラル状に巻回した環状の
    内コアとから構成され、前記外コアの内周及び前記ティ
    ースの先端のうちいずれか一方に係合部が設けられると
    ともに、他方に前記係合部が係合される被係合部が設け
    られ、前記係合部及び被係合部は円周方向に沿って等間
    隔に配置されているブラシレスモータ。
  2. 【請求項2】 前記外コア用積層板と内コア用積層板と
    の巻回数は共に同じに設定され、かつ前記係合部と被係
    合部との総数も共に同じに設定されている請求項1に記
    載のブラシレスモータ。
  3. 【請求項3】 前記外コア用積層板と内コア用積層板と
    は共に同方向に巻回されている請求項1又は2に記載の
    ブラシレスモータ。
  4. 【請求項4】 前記外コア用積層板と内コア用積層板と
    は互いに異なる方向に巻回されている請求項1又は2に
    記載のブラシレスモータ。
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